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イボの正体はヒトパピローマウイルス(HPV)への感染。ウイルスが原因なので、放っておくとどんどん増える・人にうつるリスクがあります。
この記事を読めば、イボの種類・見分け方・正しい治療法がまるごとわかります。
🚨 読まないとこうなります
✅ この記事を読むとわかること
- 📌 HPVイボの4つの種類と見た目の違い
- 📌 魚の目・たこと見分けるポイント
- 📌 正しい治療法・予防法(液体窒素・ワクチンなど)
目次
- ヒトパピローマウイルス(HPV)とは何か
- HPVが引き起こすイボの種類一覧
- 尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)の特徴と見分け方
- 扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)の特徴と見分け方
- 足底疣贅(そくていゆうぜい)の特徴と見分け方
- 尖圭コンジローマの特徴と見分け方
- イボに似た他の皮膚疾患との違い
- HPVイボの感染経路と広がり方
- HPVイボの治療法
- HPVイボを予防するために
- まとめ
この記事のポイント
HPVが引き起こすイボには尋常性疣贅・扁平疣贅・足底疣贅・尖圭コンジローマなど複数の種類があり、液体窒素療法やワクチン接種による予防が有効。魚の目など類似疾患との鑑別には専門医への受診が重要。
💡 1. ヒトパピローマウイルス(HPV)とは何か
ヒトパピローマウイルス(Human Papillomavirus、略称HPV)は、パポバウイルス科に属する二本鎖DNAウイルスです。「パピローマ」という名称はラテン語で「乳頭腫」を意味し、その名のとおり皮膚や粘膜に乳頭状・疣贅状の病変をつくることが特徴です。
HPVは非常に多くの型(遺伝子型)が存在しており、現在までに200種類以上が同定されています。これらの型は大きく分けて「皮膚型」と「粘膜型」の2種類に分類されます。皮膚型は手や足などの皮膚に一般的なイボを形成し、粘膜型は性器や口腔などの粘膜に感染します。
さらに、粘膜型のHPVは「低リスク型」と「高リスク型」にも分けられます。低リスク型(HPV6型、11型など)は性器のイボ(尖圭コンジローマ)を引き起こしますが、がん化することはほとんどありません。一方、高リスク型(HPV16型、18型など)は子宮頸がんや外陰がん、肛門がん、咽頭がんなどの発がんに深く関与しているとされています。
HPVは非常に小さなウイルスであり、皮膚や粘膜の微細な傷口から体内に侵入します。感染した細胞の中でウイルスが増殖し、細胞の異常な増殖を引き起こすことで、外見上「イボ」として現れるようになります。感染から実際にイボが現れるまでには、数週間から数ヶ月、場合によっては数年の潜伏期間があることも知られており、「いつどこでうつったのかわからない」というケースも少なくありません。
Q. HPVとはどのようなウイルスですか?
ヒトパピローマウイルス(HPV)は200種類以上の型が存在する二本鎖DNAウイルスです。皮膚型と粘膜型に分類され、粘膜型はさらに低リスク型(6型・11型など)と高リスク型(16型・18型など)に分けられます。高リスク型は子宮頸がんなどの発がんに関与します。
📌 2. HPVが引き起こすイボの種類一覧
HPVによって引き起こされるイボは、感染したHPVの型や感染部位によってさまざまな形態をとります。皮膚科領域でよく見られる代表的な種類を以下にまとめました。
まず、皮膚に生じるイボの代表格が「尋常性疣贅」です。手の指や手の甲、足の裏などによく見られるもっとも一般的なイボで、子どもから大人まで幅広い年齢層に発生します。次に「扁平疣贅」があります。これは顔や手の甲に多く見られ、表面が比較的平らでわずかに盛り上がっているのが特徴です。「足底疣贅」は足の裏にできるイボで、体重がかかる部分に生じるため、歩行時に痛みを感じることがあります。
粘膜に生じるものとしては「尖圭コンジローマ」が代表的です。性器や肛門周辺に生じるイボで、主に性的接触によって感染が広がります。また、「口腔粘膜乳頭腫」と呼ばれる口腔内のイボも存在します。
これらのほかにも、「伝染性軟属腫(水イボ)」はHPVではなくポックスウイルスが原因ですが、一般的に「イボ」と混同されることが多い疾患です。また、加齢によって生じる「脂漏性角化症(老人性疣贅)」もイボと呼ばれることがありますが、こちらはウイルス性ではなく加齢や紫外線が主な原因です。これらとHPVによるイボをきちんと区別することが、適切な治療につながります。
✨ 3. 尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)の特徴と見分け方
尋常性疣贅は、HPVの中でも主にHPV2型や4型の感染によって引き起こされます。日本語では「普通のイボ」とも呼ばれ、皮膚科外来でもっとも多く見られるウイルス性疣贅です。
外見上の特徴としては、表面がザラザラとしており、カリフラワーや小さな岩のような凹凸のある形状をしています。色は肌色から灰白色、褐色などさまざまですが、正常な皮膚と比べると明らかに盛り上がっていることが多く、触ったときにゴツゴツした感触があります。大きさは数ミリ程度の小さなものから、1センチメートル以上に成長するものまであります。
発生しやすい部位は手の指、指の間、手の甲、足の指などです。特に指の爪の周囲(爪囲疣贅)にできることも多く、この部位のイボは治療が難しく再発しやすいとされています。また、子どもに多い傾向がありますが、大人でも免疫力が低下した際に発症しやすいことが知られています。
尋常性疣贅を見分ける際のポイントの一つが「点状出血」です。イボの表面を削ったり、表皮をよく観察したりすると、小さな黒い点がみられることがあります。これは毛細血管の末梢が固まった(血栓化した)もので、ウイルス性のイボに特徴的なサインです。この点状出血が確認できる場合、魚の目(鶏眼)やタコ(胼胝)との区別に役立ちます。
尋常性疣贅は自然治癒することもありますが、多くの場合は数ヶ月から数年をかけて徐々に拡大したり、周囲に新たなイボが生じたりします。特に複数のイボが融合してモザイク状になる「モザイクイボ」と呼ばれる状態になると、治療がさらに難しくなります。
Q. 足底疣贅と魚の目の見分け方は?
足底疣贅と魚の目は、痛みの出方と表面の状態で見分けられます。魚の目は真上から押すと痛みが強く、表面の皮膚紋理が保たれ中心に硬い芯があります。一方、足底疣贅は横から絞ると痛みが強く、皮膚紋理が消失して点状出血が確認されることが特徴です。
🔍 4. 扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)の特徴と見分け方
扁平疣贅は、主にHPV3型や10型の感染によって引き起こされます。その名前のとおり、表面が比較的平らで扁平な形状をしており、尋常性疣贅と比べると見た目がずいぶん異なります。
外見上の特徴としては、数ミリ程度の小さな丘疹(きゅうしん)が特徴的です。表面はなめらかで光沢があることが多く、色は肌色から薄茶色、ピンク色などさまざまです。わずかに盛り上がってはいますが、その高さは非常に低く、触っても気づきにくいほど平坦なものもあります。形は円形から楕円形で、境界は比較的明瞭です。
扁平疣贅がもっとも多く見られるのは顔面(特に額や頬)、手の甲、前腕などです。顔に多くできる傾向があるため、特に女性にとっては美容上の悩みとなりやすい疾患です。また、線状に並んで生じることがあります。これは「ケブネル現象」と呼ばれる現象で、引っかき傷などの皮膚への刺激に沿ってイボが広がるものです。毛抜きや剃刀による刺激がきっかけとなって広がることも多く、髭剃り後に顔じゅうに広がってしまうケースも報告されています。
扁平疣贅は自然に消退することもありますが、その経過には個人差があり、長期にわたって持続する場合もあります。消退する際には、イボが赤みを帯びてかゆくなることがあり、これは免疫反応が活性化してウイルスと戦っているサインとも考えられています。治療においては、免疫を活性化させる方法(感作療法など)が有効な場合もあります。
💪 5. 足底疣贅(そくていゆうぜい)の特徴と見分け方
足底疣贅は、足の裏(足底)にできるウイルス性のイボです。主にHPV1型、2型、4型などの感染によって引き起こされます。プールや公衆浴場など、足が直接床に触れる場所での感染が多いとされています。
外見上の特徴としては、足の裏という特殊な部位のため、体重によって皮膚の内側に向かって成長しやすいことが挙げられます。そのため、表面から見ると隆起が少なく、角化した(硬くなった)皮膚の中に埋もれているように見えることがあります。表面をよく観察すると、正常な皮膚紋理(皮膚の指紋のような模様)が消失しており、代わりに点状出血が確認できることがあります。
足底疣贅で最も困るのが歩行時の痛みです。体重がかかる部位(踵・拇趾球・小趾球など)にできた場合、歩くたびにズキズキとした痛みを感じることがあります。この痛みは、魚の目(鶏眼)と非常によく似ているため、両者を混同してしまうケースが後を絶ちません。
魚の目と足底疣贅の見分け方としては、いくつかのポイントがあります。まず、魚の目は皮膚を横から絞るよりも、真上から押したときに痛みが強い傾向があります。一方、足底疣贅は横から絞ったときに痛みが強いことが多いとされています。また、表面を薄く削ったとき、魚の目では中心に半透明の芯(核)が現れるのに対し、足底疣贅では点状出血が見られます。さらに、魚の目は皮膚紋理が保たれていますが、疣贅では消失しています。
足底疣贅は治療が難しい部位の一つであり、液体窒素療法を繰り返しても再発しやすい傾向があります。特に広範囲に広がったモザイクタイプは難治性とされており、複数の治療法を組み合わせることもあります。

🎯 6. 尖圭コンジローマの特徴と見分け方
尖圭コンジローマは、主にHPV6型や11型の感染によって引き起こされる性感染症(STI)の一つです。「コンジローマ」という名称はラテン語で「乳頭腫」を意味し、性器や肛門周辺に生じるイボのような病変が特徴です。
外見上の特徴としては、最初は小さな丘疹として現れ、次第に鶏冠(とさか)状またはカリフラワー状に成長します。色は肌色から白色、薄いピンク色までさまざまで、表面は湿った感じがあり、柔らかい質感をしています。病変は単発のこともありますが、複数が集まって大きな病変を形成することも多く、進行すると数センチメートルに達することもあります。
発生しやすい部位は、男性では亀頭・冠状溝・包皮・陰茎体部・陰嚢・肛門周囲など、女性では外陰部・膣口・会陰・肛門周囲・膣内・子宮頸部などです。また、オーラルセックスによる感染から口腔内や咽頭に生じることもあります。
尖圭コンジローマは主に性的接触(腟性交、肛門性交、オーラルセックスなど)によって感染します。コンドームを使用していても、コンドームで覆われていない部分からの感染を完全には防ぎきれないため、HPVワクチンの接種が重要な予防策となります。感染から発症までの潜伏期間は通常1〜6ヶ月程度とされていますが、数年後に発症することもあります。
尖圭コンジローマの診断は、主に視診で行われます。典型的な形状であれば目視で診断できますが、非典型的なケースでは病理組織検査(生検)が必要になることもあります。また、尖圭コンジローマは再発しやすい疾患としても知られており、治療後も定期的な観察が必要です。パートナーも同時に検査・治療を受けることが、再感染防止のために重要です。
Q. 尖圭コンジローマの感染経路と特徴は?
尖圭コンジローマはHPV6型・11型が原因の性感染症で、主に性的接触によって感染します。性器や肛門周辺にカリフラワー状の柔らかいイボが生じます。潜伏期間は通常1〜6か月です。コンドームでも完全には防げないため、HPVワクチン接種が重要な予防策となります。
💡 7. イボに似た他の皮膚疾患との違い
皮膚に生じるさまざまな「できもの」の中には、HPVによるイボと見た目が似ており、混同しやすいものが数多くあります。適切な治療を受けるためには、これらの疾患を正確に見分けることが大切です。
まず「魚の目(鶏眼)」と「タコ(胼胝)」は、足底疣贅と特に混同されやすい疾患です。鶏眼もタコも、慢性的な圧迫や摩擦によって皮膚が厚くなった状態ですが、ウイルス感染は関与していません。鶏眼は中心部に硬い芯をもち、そこを押すと強い痛みがあります。タコは比較的広い範囲が均一に硬くなっており、痛みは少ないことが多いです。いずれも皮膚紋理は保たれており、点状出血は見られません。
「伝染性軟属腫(水イボ)」は、ポックスウイルスの一種である伝染性軟属腫ウイルスへの感染で生じます。主に乳幼児・小児に多く見られ、中心部にへこみ(臍窩)がある光沢のある小丘疹が特徴です。プールでのタオルや浮き輪の共用などで感染が広がることが多く、アトピー性皮膚炎の患者では特に広がりやすい傾向があります。
「脂漏性角化症(老人性疣贅)」は、加齢や紫外線の影響で生じる良性腫瘍です。顔面、体幹、四肢などに多く、表面がベタベタとした脂性の感触で、黒褐色から暗褐色のものが多く見られます。ウイルスとは無関係であり、感染性もありませんが、急速に多発した場合は内臓悪性腫瘍との関連(Leser-Trelat徴候)を考慮することもあります。
「軟性線維腫(アクロコルドン)」は、皮膚が細い茎でぶら下がるように突出した良性の皮膚腫瘍です。首、わきの下、鼠径部などに多く、中高年以降に多く見られます。ウイルスとは無関係で感染性もなく、皮膚のたるみや肥満、ホルモン変化などが関係していると考えられています。
また、性器や肛門周囲のイボ様病変については、「扁平コンジローマ(梅毒の病変)」「ボーエン様丘疹症」「クロロマ」なども鑑別が必要です。これらはHPVによる病変と似ていることがあるため、性器のイボが気になる場合は必ず専門医を受診し、適切な検査を受けることが重要です。
📌 8. HPVイボの感染経路と広がり方
HPVは皮膚や粘膜への直接接触によって感染します。感染が成立するためには、ウイルスが皮膚の微小な傷口や粘膜から侵入することが必要です。そのため、皮膚のバリア機能が損なわれている部位(湿疹や傷、乾燥した皮膚など)では、感染が起こりやすくなります。
日常生活における感染経路としては、まず感染した人との直接的な皮膚接触が挙げられます。握手や接触スポーツなどでの皮膚同士の直接接触が一例です。次に、ウイルスに汚染された環境(床、タオル、道具など)との間接接触もあります。プールや公衆浴場の床、スポーツジムのマットなどは足底疣贅の感染源となりやすい場所です。水に濡れた皮膚はバリア機能が低下するため、プール・お風呂での感染リスクは特に高まります。
自分の体内での広がり方(自家接種)も重要な感染経路です。すでにイボがある部位を触った手でほかの部位を触れると、そこにもイボが広がることがあります。また、爪を噛む習慣がある人では、爪の周囲や唇にイボが広がりやすいとされています。シェービングやかみそり負けによって顔に微細な傷ができることで、扁平疣贅が顔全体に広がるケースも見られます。
尖圭コンジローマなど性器のイボは、主に性的接触によって感染します。HPVは性的に活動的な成人の多くが生涯に一度は感染するといわれるほど感染力が強く、性行為を経験した人の50〜80%が何らかのHPVに感染すると推計されています。多くの場合、免疫系がウイルスを排除するため無症状のままですが、一部の人でイボや前がん病変、がんなどが生じます。
感染してからイボが現れるまでの潜伏期間は、皮膚のイボでは一般的に1〜6ヶ月程度ですが、数年間潜伏することもあります。この潜伏期間中も感染は可能であり、「イボがないから感染していない」とは言い切れない点にも注意が必要です。
Q. HPVイボの主な治療法を教えてください
HPVイボの治療法には、液体窒素凍結療法・サリチル酸外用・CO2レーザー・局所免疫療法などがあります。最も広く使われる液体窒素療法は2〜4週間ごとに複数回の通院が必要で、難治性では10回以上かかることもあります。アイシークリニックではイボの種類や状態に応じた治療方針をご提案しています。
✨ 9. HPVイボの治療法
HPVによるイボの治療法はいくつか存在し、イボの種類・部位・大きさ・数・患者さんの年齢や状態などに応じて最適な方法が選択されます。治療の基本的な考え方は、ウイルスに感染した細胞を物理的・化学的・免疫学的に除去・破壊することです。
もっとも広く行われているのが「液体窒素凍結療法」です。マイナス196℃の液体窒素を綿棒やスプレーで病変部に直接当て、イボを凍結・壊死させる方法です。保険適用で受けられることが多く、特別な準備が不要なため、多くの皮膚科クリニックで実施されています。処置後は水ぶくれが生じることがありますが、これは正常な経過です。効果を得るためには通常2〜4週間おきに複数回の治療が必要であり、難治性のイボでは10回以上の治療を要することもあります。
「サリチル酸外用療法」は、サリチル酸を含む外用薬でイボの角質を溶かして除去する方法です。市販のイボ治療薬にも含まれている成分ですが、処方薬ではより高濃度のものが使用されます。液体窒素療法と組み合わせることで効果が高まるとされています。
「グルタルアルデヒド外用療法」もよく使われる方法の一つです。グルタルアルデヒド溶液を患部に塗布してイボを硬化・乾燥させる治療法で、特に足底疣贅に有効とされています。
「ヨクイニン(薏苡仁)」は漢方薬の一種で、ハトムギの種皮を除いた種子を乾燥させたものです。免疫を活性化させることでウイルスの排除を助けると考えられており、特に小児の水イボ(伝染性軟属腫)や扁平疣贅に対して使用されることがあります。内服薬として処方されます。
「局所免疫療法(感作療法)」は、ジニトロクロロベンゼン(DNCB)やスクアレン酸(SADBE)などの接触感作物質を用いて意図的に接触皮膚炎を起こし、局所の免疫反応を活性化させることでイボを消退させる治療法です。難治性の尋常性疣贅や扁平疣贅に対して有効なことがあります。
「炭酸ガス(CO2)レーザー治療」は、レーザーで病変を焼灼・蒸散させる方法です。液体窒素療法が無効であった難治性イボや、大きなイボ、多発したイボに対して適応となることがあります。処置後の傷の管理が必要ですが、一度で広範囲を治療できるという利点があります。
尖圭コンジローマに対しては、上記のほかに「イミキモドクリーム(ベセルナクリーム)」が有効です。これは免疫応答を調節する外用薬で、ウイルスに感染した細胞を免疫系が攻撃するよう促します。週3回の塗布を最大16週間継続するという治療法で、自宅で行えることが特徴です。
いずれの治療法も、ウイルスを完全に除去することが難しいため、再発することがあります。治療終了後も定期的な経過観察を続け、再発した場合は早期に対処することが重要です。
🔍 10. HPVイボを予防するために

HPVによるイボを予防するためには、感染経路を理解した上で適切な対策を講じることが大切です。特にウイルスへの暴露を減らす「感染予防」と、感染してもイボになりにくくする「免疫力の維持」の両面からのアプローチが重要です。
皮膚のイボに対する日常生活での予防としては、まず足の衛生管理が挙げられます。プールや公衆浴場では専用のサンダルを着用し、床に素足で歩かないようにしましょう。使用後は足を清潔に洗い、水分をしっかり拭き取って乾燥を防ぐことも大切です。皮膚の傷や亀裂は感染の入り口となるため、保湿を心がけて皮膚のバリア機能を維持することも予防に繋がります。
また、すでにイボがある場合は、イボを触った後は手を洗い、ほかの部位へウイルスを広げないよう注意することが大切です。イボをむやみに触ったり削ったりすることも、ウイルスを拡散させるリスクがあるため控えるべきです。タオルや靴などの個人用品の共用を避けることも重要です。
性器のイボ(尖圭コンジローマ)や、子宮頸がんなどHPV関連のがんに対する最も有効な予防策が「HPVワクチン」です。現在、日本では以下のワクチンが承認されています。2価ワクチン(サーバリックス)はHPV16型と18型に対応しており、4価ワクチン(ガーダシル)はHPV6型・11型・16型・18型に対応しています。9価ワクチン(シルガード9)はHPV6型・11型・16型・18型・31型・33型・45型・52型・58型の9種類に対応した最新のワクチンです。
HPVワクチンは感染前(ウイルスに暴露される前)に接種することで最大の効果を発揮します。日本では現在、小学6年生〜高校1年生相当の女性を対象に定期接種が行われており、男性への接種(任意接種)についても推奨が進んでいます。ワクチンはすでにHPVに感染している人への治療効果はありませんが、ほかの型への感染を予防することには意義があります。
免疫力の維持も大切な予防策です。HPVに感染しても、免疫機能が正常であれば多くの場合ウイルスは自然に排除されます。バランスのよい食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレスの管理など、基本的な健康管理がHPVイボの予防にも繋がります。
すでにイボが生じている場合は、自己判断で市販薬を使い続けるよりも、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。適切な診断のもと治療を受けることで、イボの拡大や他者への感染を防ぐことができます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「イボだと思っていたけれど、なかなか治らない」「市販薬を使い続けても効果がない」というご相談を多くいただきます。HPVによるイボは種類によって最適な治療法が異なるため、魚の目や水イボなど似た疾患との正確な鑑別が、早期回復への重要な第一歩となります。気になる症状がございましたら、どうぞお一人で悩まずにお気軽にご相談ください。」
💪 よくある質問
自然治癒することもありますが、多くの場合は数ヶ月〜数年かけて拡大したり、周囲に新たなイボが広がったりします。放置によって他の人へうつしてしまうリスクもあるため、気になる症状があれば早めに皮膚科を受診し、適切な診断と治療を受けることをおすすめします。
見分けるポイントは主に2つあります。①痛みの出方:魚の目は真上から押すと痛みが強く、イボは横から絞ると痛みが強い傾向があります。②表面の状態:魚の目は皮膚の紋理が保たれ中心に芯が見られますが、イボでは皮膚紋理が消失し、点状出血が確認されることがあります。
HPVは皮膚や粘膜への直接接触で感染します。感染者との直接接触のほか、プールや公衆浴場の床など汚染された環境との間接接触も感染源になります。また、自分のイボを触った手で別の部位に触れることで、自分の体内でも広がります。皮膚に傷や乾燥がある場合は特に感染リスクが高まります。
もっとも一般的な液体窒素凍結療法の場合、通常2〜4週間おきに複数回の治療が必要です。難治性のイボでは10回以上かかることもあります。イボの種類・部位・大きさによって最適な治療法や通院回数は異なるため、当院では一人ひとりの状態に合わせた治療方針をご提案しています。
HPVワクチンは、子宮頸がんや尖圭コンジローマなどの原因となる特定のHPV型への感染を予防する効果があります。ただし、すでに感染している型への治療効果はなく、皮膚の一般的なイボ(尋常性疣贅など)への予防効果は限定的です。ワクチンは感染前の接種が最も効果的で、特に若年層への接種が推奨されています。
🎯 まとめ
ヒトパピローマウイルス(HPV)が引き起こすイボには、尋常性疣贅・扁平疣贅・足底疣贅・尖圭コンジローマなど、さまざまな種類があります。それぞれに特徴的な見た目や発生部位があり、魚の目やタコ、水イボなど他の皮膚疾患とは区別して考えることが重要です。
HPVは皮膚や粘膜への直接接触で感染し、自分の体内でも広がります。液体窒素療法やサリチル酸外用、レーザー治療など多様な治療法があるものの、いずれも再発する可能性があるため、根気強い治療と経過観察が必要です。
予防には日常生活での衛生管理と皮膚の保護、そして特に若年層に対するHPVワクチンの接種が有効です。性器のイボについては性感染症として捉え、パートナーとともに受診・治療することが再感染防止のために重要です。
「何かできているな」「なかなか治らない」と感じたら、自己判断せず、早めに皮膚科や泌尿器科、婦人科などの専門医を受診しましょう。アイシークリニック渋谷院では、皮膚のイボや性器のイボに関するご相談を承っております。気になる症状があればお気軽にご来院ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 尋常性疣贅・扁平疣贅・足底疣贅・尖圭コンジローマなどHPVによるイボの種類・診断・治療法(液体窒素療法、サリチル酸外用、免疫療法など)に関する診療ガイドラインおよび患者向け情報
- 厚生労働省 – HPVワクチン(2価・4価・9価)の定期接種対象者・接種スケジュール・有効性・安全性に関する公式情報、および子宮頸がん予防対策としてのHPV感染予防施策
- 国立感染症研究所 – ヒトパピローマウイルス(HPV)の型分類(皮膚型・粘膜型、低リスク型・高リスク型)、感染経路・潜伏期間・疫学、尖圭コンジローマを含む性感染症としての特徴に関する科学的知見
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務