肌のかゆみや湿疹、炎症が気になるとき、「ステロイド軟膏を使えばよくなるかもしれない」と思った経験はありませんか?ステロイド軟膏は皮膚科でよく処方される薬ですが、実は市販でも購入できるものがあります。ただし、市販のステロイド軟膏は種類も多く、自分の症状に合ったものをどう選べばよいか迷う方も少なくありません。また、ステロイドというワードに対して「副作用が怖い」と不安を感じている方もいるでしょう。この記事では、市販のステロイド軟膏の種類や強さ、選び方、正しい使い方、注意点まで詳しく解説します。自己判断での使用が難しいケースや、病院を受診すべき症状についても触れますので、ぜひ参考にしてください。
目次
- ステロイドとは何か?基本的な仕組みを理解しよう
- 市販のステロイド軟膏の種類と強さの違い
- 市販で購入できる主なステロイド軟膏の商品例
- 症状別・市販ステロイド軟膏の選び方
- 市販ステロイド軟膏の正しい使い方
- 副作用と注意すべきポイント
- 使用してはいけない部位・症状とは
- 市販ステロイドで効果がない場合はどうする?
- 病院を受診すべき症状のサイン
- まとめ
この記事のポイント
市販ステロイド軟膏はweakクラスのみで、使用期間は5〜7日間が目安。目周囲・水虫部位への使用は禁忌で、改善しない場合は皮膚科受診が推奨される。
🎯 ステロイドとは何か?基本的な仕組みを理解しよう
ステロイドとは、もともと私たちの体内で副腎皮質から分泌されるホルモンの一種です。医薬品として使用されるステロイド(副腎皮質ステロイド)は、この天然ホルモンを人工的に合成したもので、強力な抗炎症作用と免疫抑制作用を持っています。
皮膚に塗るタイプのステロイド外用薬(軟膏・クリーム・ローションなど)は、炎症を起こした皮膚に直接作用することで、かゆみ・赤み・腫れを抑えます。アトピー性皮膚炎・湿疹・接触性皮膚炎・虫刺されなど、さまざまな皮膚トラブルに幅広く使われています。
ステロイドというと副作用を心配する方が多いですが、外用薬(皮膚に塗るタイプ)は内服薬(飲み薬)とは異なり、全身に吸収される量が少ないため、適切に使用すれば安全性の高い薬です。ただし、使い方を誤ると問題が起きることもあるため、正しい知識を持って使うことが大切です。
ステロイド外用薬は国内では「ランク(強さ)」によって5つのクラスに分類されています。強さの順に「strongest(最強)」「very strong(非常に強い)」「strong(強い)」「medium(中程度)」「weak(弱い)」となっており、市販薬として販売できるのはこのうち「weak(弱い)」のランクに属するものに限られています。
Q. 市販で買えるステロイド軟膏はどのくらいの強さですか?
市販で購入できるステロイド外用薬は、5段階ランクの中で最も弱い「weak(弱い)」クラスのみです。主な有効成分はヒドロコルチゾン酢酸エステルで、軽度の湿疹・虫刺され・かぶれなどに適しています。中程度以上の症状には効果が不十分な場合があります。
📋 市販のステロイド軟膏の種類と強さの違い
日本では、医薬品は医師の処方が必要な「処方薬(医療用医薬品)」と、薬局などで自由に購入できる「市販薬(OTC医薬品)」に分かれています。ステロイド外用薬については、一定の強さ以下のものだけが市販薬として認められています。
前述の通り、ステロイド外用薬は5段階のランクに分類されています。それぞれの特徴を以下に説明します。
strongest(最強)クラスは、重度の乾癬や難治性の皮膚疾患などに用いられる最も強力なものです。クロベタゾールプロピオン酸エステルなどが代表的な成分で、必ず医師の処方が必要です。
very strong(非常に強い)クラスは、アトピー性皮膚炎の中等度〜重度の症状などに使用されます。モメタゾンフランカルボン酸エステルなどが代表的で、こちらも処方薬のみです。
strong(強い)クラスは、中等度の湿疹や皮膚炎に用いられます。ベタメタゾン吉草酸エステルなどが代表的で、やはり処方薬のみとなっています。
medium(中程度)クラスは、比較的軽度〜中程度の皮膚炎に使用されます。プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルなどが代表的で、これも基本的には処方薬です。
weak(弱い)クラスは、軽度の皮膚炎・湿疹に使用されます。ヒドロコルチゾン(酢酸ヒドロコルチゾン)などが代表的な成分で、このクラスのみが市販薬として販売が認められています。
つまり、ドラッグストアや薬局で購入できるステロイド外用薬は、基本的に最も弱い「weak」クラスに属するものだけです。軽度の症状には十分に効果を発揮しますが、中程度以上の症状には効果が不十分な場合があります。
また、市販のステロイド外用薬には、軟膏(油性基剤)・クリーム(水中油型基剤)・ローション(液体)などの剤形があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
軟膏タイプは、皮膚への刺激が少なく、患部への密着性が高い剤形です。じゅくじゅくした湿疹や乾燥した皮膚に適しています。ただし、べたつきがあるため使用感が気になる方もいます。
クリームタイプは、軟膏よりも軽い使用感で、広い範囲に塗りやすいのが特徴です。ただし、アルコールなどの添加物が入っていることがあり、傷がある皮膚や粘膜付近では刺激を感じることがあります。
ローションタイプは、頭皮など毛が生えている部位に使いやすい液体剤形です。広い範囲にも塗りやすいのが利点ですが、揮発性があるため保湿効果は他の剤形より低い傾向があります。
💊 市販で購入できる主なステロイド軟膏の商品例
ドラッグストアや薬局で購入できる市販のステロイド外用薬には、さまざまな商品があります。代表的なものをいくつかご紹介します。なお、市販薬にはステロイド成分単独のものと、抗ヒスタミン薬や抗菌薬などを配合した複合タイプのものがあります。
代表的な市販ステロイド外用薬として、「ムヒHD」や「テラ・コートリル」「コートf」「ネオメドロールEE軟膏」(ただしこれは処方薬)などが知られています。ドラッグストアで見かける商品には、「プレバリンα」「オイラックスA」「ステロイドを含む虫刺れ用クリーム」なども存在します。
市販品の多くはヒドロコルチゾン酢酸エステルを有効成分とするweakクラスのものです。また、抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミンなど)が配合されてかゆみを抑える効果を高めたものや、局所麻酔薬が加わり鎮痛・鎮痒効果を持つものもあります。
商品を選ぶ際は、含有成分・濃度・添加物・剤形などを確認することが重要です。特に、アレルギーを持っている方や敏感肌の方は、成分表示をよく確認してから購入するようにしましょう。
また、薬局で市販薬を購入する際は、薬剤師や登録販売者に相談することをおすすめします。症状の程度や部位、既往歴などを伝えることで、より適切な商品を選んでもらえます。
Q. ステロイド軟膏を塗る量と頻度の目安は?
ステロイド外用薬は「薄く均一に」塗ることが基本です。使用量の目安は「1FTU(人差し指の第一関節から指先分の量)で手のひら2枚分」とされています。塗る頻度は1日1〜2回が一般的で、多く塗っても効果は増さず副作用リスクが高まるため注意が必要です。
🏥 症状別・市販ステロイド軟膏の選び方
市販のステロイド軟膏を選ぶ際は、自分の症状と部位に合ったものを選ぶことが大切です。以下に症状別の選び方のポイントをまとめます。
虫刺されによるかゆみ・赤み・腫れには、ステロイド成分と抗ヒスタミン薬が配合されたタイプが適しています。かゆみを素早く抑えつつ、炎症を鎮めることができます。虫刺されの症状は比較的軽度なことが多いため、weakクラスのステロイドでも十分な効果が期待できます。
軽度の湿疹・皮膚炎には、ステロイド成分単独か、複合タイプのものを選びます。患部がじゅくじゅくしている場合は軟膏タイプ、乾燥が気になる場合はクリームタイプが一般的です。ただし、症状が広範囲に及ぶ場合や慢性的な湿疹には、市販薬では対応しきれないことがあります。
かぶれ(接触性皮膚炎)には、原因となるものへの接触を断った上で、ステロイド外用薬を使用します。原因を取り除かないと症状が続くため、まず何に触れてかぶれたのかを確認することが先決です。
あせも(汗疹)には、清潔に保つことを優先しつつ、強いかゆみや炎症がある場合にステロイド外用薬を使用することがあります。ただし、あせもの場合は市販の非ステロイド性の抗炎症薬やさっぱりした保湿剤が先に検討されることも多いです。
頭皮のかゆみや炎症には、ローションタイプや頭皮専用製品が使いやすいです。ただし、脂漏性皮膚炎や乾癬など、診断が必要な疾患が隠れていることもあるため、自己判断で長期使用するのは避けた方がよいでしょう。
なお、市販のステロイド軟膏を購入する際は、以下の点を必ず確認するようにしてください。
まず、有効成分の種類と濃度を確認します。ヒドロコルチゾン酢酸エステルが主な市販ステロイド成分ですが、配合されている濃度によって効果が異なります。次に、配合されているその他の成分(抗ヒスタミン薬、抗菌薬、局所麻酔薬など)を確認します。これらの成分によって、症状への対応の幅が変わります。また、剤形(軟膏・クリーム・ローション)が患部に合っているかも確認しましょう。さらに、使用期限や保存方法についても確認が必要です。
⚠️ 市販ステロイド軟膏の正しい使い方
市販のステロイド軟膏は適切に使用することで十分な効果が得られます。正しい使い方を守ることが、効果を最大化しつつ副作用リスクを最小化することにつながります。
使用前には患部を清潔にすることが基本です。汚れた皮膚に塗ると、感染のリスクが高まるほか、薬の吸収が妨げられることがあります。石けんで洗ってから水気をよく拭き取った後に塗布するのが理想的です。
塗る量は「薄く均一に」が原則です。ステロイド外用薬の使用量の目安として「Finger Tip Unit(FTU)」という考え方があります。1FTUは大人の人差し指の第一関節から指先までの量(約0.5g)で、手のひら2枚分(体表面積の約2%)に塗る適量とされています。多く塗れば効果が増すわけではなく、むしろ副作用リスクが上がるため注意が必要です。
塗る頻度は、1日1〜2回が一般的です。製品の説明書に従ってください。朝と夜に塗る場合は、できるだけ一定の時間帯に使用するようにしましょう。
使用期間は短期間にとどめることが重要です。市販のステロイド軟膏の多くは「1週間程度で症状が改善しない場合は使用を中止し、医師や薬剤師に相談する」ことを推奨しています。5〜7日間使用しても改善が見られない場合は、自己判断での継続使用は避けましょう。
なお、手に塗布する場合は、塗布後に手を洗うことをお忘れなく。目や口の中に薬が入らないよう注意が必要です。特に小さな子どもに使用する場合は、塗った後に患部を触らないよう注意してください。
また、保管方法も大切です。直射日光・高温・多湿を避けた場所に保管し、子どもの手の届かない場所に置きましょう。開封後は使用期限にかかわらず早めに使い切ることをおすすめします。
Q. ステロイド軟膏を使ってはいけない部位はどこですか?
目の周囲への使用は緑内障・白内障のリスクがあるため禁忌です。また、水虫(白癬菌感染)が疑われる部位への使用も絶対に避けてください。感染が広がる恐れがあります。粘膜・外耳道・感染が疑われる皮膚への使用も不適切で、これらの症状は専門医への受診が推奨されます。
🔍 副作用と注意すべきポイント
ステロイド外用薬は適切に使用すれば安全性の高い薬ですが、誤った使い方をすると副作用が起きることがあります。市販のステロイド軟膏はweakクラスと弱い効力ですが、それでも注意が必要なポイントがあります。
長期間使用したり、同じ部位に繰り返し大量に塗り続けたりすると、以下のような皮膚への副作用が起こることがあります。
皮膚が薄くなる(皮膚萎縮)という副作用は、ステロイド外用薬の長期使用によって起こりやすい副作用の一つです。特に顔・首・腋の下・鼠径部など皮膚が薄い部位では起こりやすいため、これらの部位への使用には特に注意が必要です。
毛細血管の拡張(毛細血管拡張症)も長期使用によって起こることがあります。皮膚の表面に赤い細い血管が透けて見えるようになる状態で、顔への長期使用で特に問題になりやすいです。
ステロイド酒さ様皮膚炎は、顔に長期間ステロイド外用薬を使用することで起こる皮膚炎です。使用をやめると赤みやかゆみが悪化する「リバウンド」が生じるため、使用をやめることが難しくなることもあります。
多毛(体毛が増える)という副作用も報告されています。塗布した部位の体毛が増えることがあります。
ステロイドは免疫を抑制する作用があるため、細菌・真菌・ウイルスなどの感染症を悪化させる可能性があります。特に白癬(水虫)やカンジダ感染症の部位にステロイドを塗ると、症状が一時的に改善したように見えても感染が広がる「みずむし隠し」の状態になることがあり、非常に危険です。
また、ステロイドに対してアレルギー反応を示す方もいます(ステロイドアレルギー)。使用後に症状が悪化した場合は、すぐに使用を中止して医師に相談してください。
妊婦・授乳中の方の使用については、主治医に相談してから使用するようにしましょう。薬の成分が胎盤を通じて胎児に影響する可能性や、母乳に移行する可能性について、医師と確認することが大切です。
📝 使用してはいけない部位・症状とは
市販のステロイド軟膏には、使用すべきでない部位や状態があります。これらを守ることが安全な使用のために非常に重要です。
目の周囲への使用は非常に危険です。ステロイドが目に入ると、緑内障や白内障のリスクが高まることが知られています。目のまわりのかゆみや炎症には、眼科を受診することをおすすめします。目の周囲に使用できる製品は限られており、専用の製品が必要です。
外耳道(耳の穴の中)への使用も注意が必要です。市販の皮膚用ステロイド外用薬を耳の中に使用することは推奨されていません。耳の中のかゆみや炎症には耳鼻科を受診してください。
粘膜(口の中・鼻の中など)への使用も適切ではありません。皮膚用のステロイド外用薬を粘膜に使用することは避けましょう。口内炎などには、粘膜用のステロイド製剤が別に存在します。
感染が疑われる皮膚への使用は避けてください。皮膚が赤くなっていたり、膿がでていたり、熱感が強い場合は、細菌感染の可能性があります。このような状態にステロイドを塗ると感染が悪化することがあります。
水虫(白癬菌感染)が疑われる部位には絶対に使用しないでください。水虫とかぶれは見分けにくいことがありますが、水虫にステロイドを使うと症状が一時的に改善したように見えてその間も感染が広がり、治癒が遅れてしまいます。足の指の間のかゆみや皮がむける症状は、まず皮膚科で診断を受けることをおすすめします。
顔への長期使用も避けるべきです。顔の皮膚は薄く、ステロイドの吸収量が多いため副作用が起こりやすい部位です。特にrosacea(酒さ)やニキビがある方は、ステロイドで悪化することがあります。顔の皮膚トラブルには、なるべく早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
陰部(デリケートゾーン)への使用も慎重に行う必要があります。皮膚が薄く吸収率が高いため、副作用が起きやすい部位です。使用する際は短期間にとどめ、改善しない場合はすぐに医師に相談してください。
乳幼児・小児への使用は特に慎重であるべきです。子どもの皮膚は大人よりも薄く、ステロイドの吸収率が高いため副作用が起きやすいです。使用する場合は必ず医師や薬剤師に相談し、使用量・使用期間を最小限にとどめましょう。
Q. 市販のステロイド軟膏で改善しない場合はどうすればいいですか?
市販のステロイド軟膏を5〜7日間使用しても改善しない場合は、自己判断での継続使用を避け皮膚科を受診してください。水虫・乾癬・疥癬など別の疾患が隠れているケースもあります。
💡 市販ステロイドで効果がない場合はどうする?
市販のステロイド軟膏を使用しても症状が改善しない場合、いくつかの理由が考えられます。原因を理解し、適切な対処をとることが重要です。
市販薬で効果が不十分な理由の一つは、薬の強さが不足していることです。前述の通り、市販のステロイド外用薬はweakクラスのみです。症状が中程度以上の場合は、強いクラスのステロイドでないと十分な効果が得られないことがあります。
また、診断が異なる疾患である可能性もあります。湿疹だと思っていたものが、実は白癬(水虫)、乾癬、疥癬(かいせん)、酒さなどの別の疾患であったというケースがあります。これらはステロイドを塗っても改善しないばかりか、悪化することもあります。
さらに、アレルギーの原因物質が特定できていない場合も改善が難しいです。接触性皮膚炎(かぶれ)では、原因となるアレルゲンへの接触を断たなければ、薬を使っても改善しません。何に触れてかぶれているのかを特定するために、パッチテスト(貼付試験)が必要なこともあります。
市販のステロイド軟膏を5〜7日間使用しても効果が見られない場合は、自己判断での継続使用はせず、皮膚科を受診することを強くおすすめします。皮膚科では、診察や必要に応じた検査によって正確な診断を行い、症状に合った適切な治療を受けることができます。
処方薬には市販薬よりも強力なステロイド外用薬があり、難治性の皮膚炎や重症の湿疹にも対応できます。また、ステロイドを含まない新しいタイプの治療薬(タクロリムス外用薬、デルゴシチニブ外用薬など)も処方薬として存在し、ステロイドの使いにくい顔への適応や、長期使用が必要な場合の代替手段となります。
皮膚科を受診することをためらう方もいるかもしれませんが、正しい診断と適切な治療を受けることが、皮膚トラブルを早く確実に解決する近道です。自己治療にこだわりすぎず、専門家の力を借りることも大切な選択肢です。
✨ 病院を受診すべき症状のサイン

市販のステロイド軟膏で対応するよりも、早めに医療機関を受診すべき症状があります。以下のようなケースでは、自己判断でのケアではなく専門医による診察を受けることをおすすめします。
症状が広範囲に及んでいる場合は、市販薬での対応が難しいことが多いです。体の広い範囲に湿疹や炎症が広がっている場合は、全身性の疾患(アトピー性皮膚炎など)の可能性も考えられます。
症状が非常に強い場合(激しいかゆみ、強い痛み、大きな腫れなど)は、弱いクラスの市販ステロイドでは対応できないことがあります。
膿が出ている・皮膚が破れている・熱感が強い場合は、細菌感染の可能性があります。このような場合はステロイドよりも抗菌薬が必要なことがあり、医師の診察が不可欠です。
発熱を伴う皮膚症状がある場合は、感染症やアレルギー反応(蕁麻疹・アナフィラキシーなど)の可能性があります。発熱を伴う場合は速やかに医療機関を受診してください。
顔に皮膚炎症状がある場合は、ステロイドの副作用リスクが高い部位であること、また「酒さ」「脂漏性皮膚炎」など診断が必要な疾患が隠れている可能性があることから、皮膚科への受診をおすすめします。
1週間程度の市販薬使用で改善しない場合は、診断が異なる可能性や、より強いクラスの治療薬が必要な可能性があります。自己判断で長期使用するのではなく、皮膚科を受診しましょう。
慢性的に繰り返す皮膚トラブルの場合は、根本的な原因(アレルゲン、基礎疾患など)の特定が重要です。アレルギー検査やパッチテストなど、専門的な検査が必要なことがあります。
乳幼児・小児の皮膚症状には、市販薬を使用する前に小児科や皮膚科に相談することをおすすめします。子どもの皮膚は大人と異なる特性があり、また乳幼児の場合は自分で症状を正確に伝えられないことも多いため、医師による診察が重要です。
また、糖尿病・免疫疾患などの基礎疾患がある方や、免疫抑制剤などを服用している方も、市販のステロイドを使用する前に主治医や皮膚科医に相談することをおすすめします。基礎疾患がある方では、感染症のリスクが高まることがあるためです。
皮膚は全身の健康状態を反映する臓器でもあります。繰り返す皮膚症状や、なかなか治らない皮膚トラブルは、全身疾患のサインである可能性もゼロではありません。気になる症状が続く場合は、ためらわずに医師に相談しましょう。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、市販のステロイド軟膏を長期間使用しても改善しないとお悩みになって受診される患者様が多く見られます。水虫と湿疹の見分けがつかずにステロイドを使い続けてしまったり、顔への長期使用による皮膚炎が悪化した状態でいらっしゃるケースも少なくありません。市販薬は軽度の症状には心強い味方ですが、1週間ほど使用しても改善が見られない場合や、症状が顔・陰部など繊細な部位に及ぶ場合は、ためらわずに皮膚科を受診していただくことが、結果的に早い改善への近道となりますので、どうぞお気軽にご相談ください。」
📌 よくある質問
はい、購入できます。ただし、市販で購入できるステロイド外用薬は、5段階のランクの中で最も弱い「weak(弱い)」クラスのもののみです。主な有効成分はヒドロコルチゾン酢酸エステルで、軽度の湿疹・虫刺され・かぶれなどに適しています。購入の際は薬剤師や登録販売者に症状を相談することをおすすめします。
使用期間は5〜7日間を目安にしてください。多くの市販品でも「1週間程度で改善しない場合は使用を中止し、医師や薬剤師に相談する」ことが推奨されています。改善が見られないまま自己判断で使い続けると、診断が異なる疾患を悪化させるリスクがあるため、医療機関の受診が必要。
顔への使用は慎重に行う必要があります。顔の皮膚は薄くステロイドの吸収率が高いため、長期使用すると皮膚が薄くなる・毛細血管が拡張するなどの副作用が起きやすいです。また、酒さやニキビが悪化するケースもあります。顔の皮膚トラブルには、自己判断での長期使用を避け、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
水虫が疑われる部位へのステロイド使用は絶対に避けてください。水虫(白癬菌感染)にステロイドを塗ると、症状が一時的に改善したように見えても感染が広がり、治癒が大幅に遅れてしまいます。足の指の間のかゆみや皮がむける症状は、まず皮膚科で正確な診断を受けてから適切な治療を行うことが重要です。
5〜7日間使用しても効果が見られない場合は、自己判断での継続使用は避け、皮膚科を受診してください。市販薬はweakクラスのみのため、中程度以上の症状には効果が不十分な場合があります。また、水虫・乾癬・疥癬など別の疾患が隠れているケースもあります。
🎯 まとめ
市販のステロイド軟膏は、軽度の湿疹・皮膚炎・虫刺されなどに対して手軽に使用できる便利な薬ですが、正しい知識を持って使用することが大切です。
この記事の内容を振り返ると、まず市販で購入できるステロイド外用薬は5段階のランクの中で最も弱い「weak(弱い)」クラスのもののみです。主な有効成分はヒドロコルチゾン酢酸エステルで、軽度の症状には十分な効果が期待できます。
商品を選ぶ際は、症状の部位や性状に合った剤形(軟膏・クリーム・ローション)を選ぶことが重要です。また、ステロイドの他に配合されている成分(抗ヒスタミン薬など)も考慮しましょう。
使用する際は、患部を清潔にしてから薄く均一に塗布し、1日1〜2回の使用を守ります。使用期間は短期間(5〜7日間を目安)にとどめ、改善が見られない場合は自己判断での継続使用は避けましょう。
目の周囲・粘膜・感染が疑われる部位・水虫が疑われる部位などへの使用は禁忌です。顔への長期使用や乳幼児への使用には特に注意が必要です。
症状が重い・広範囲・長期間続く・感染が疑われるなどの場合は、市販薬で対応しようとせず、皮膚科や医療機関を受診することを強くおすすめします。正確な診断と適切な治療が、皮膚トラブルを解決する最善の方法です。
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📚 参考文献
- 厚生労働省 – 市販薬(OTC医薬品)の適正使用・セルフメディケーションに関する情報、ステロイド外用薬の分類・販売区分に関する規制情報
- 日本皮膚科学会 – ステロイド外用薬の5段階ランク分類・適正使用ガイドライン、アトピー性皮膚炎・湿疹・接触性皮膚炎などの診療指針
- PubMed – ステロイド外用薬の副作用(皮膚萎縮・毛細血管拡張・ステロイド酒さ様皮膚炎)およびFinger Tip Unit(FTU)に関する国際的な臨床研究文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務