「自分のにおいが気になる」「ワキガってどんなにおいがするの?」と疑問に思ったことはないでしょうか。ワキガ(腋臭症)は日本人の約10〜15%に見られる体質であり、決して珍しい状態ではありません。しかし、においの特徴や原因について正しく理解している人は少なく、「もしかして自分もワキガかも」と不安を感じながらも、なかなか相談できずにいる方も多いのが現状です。この記事では、ワキガのにおいの特徴、原因、セルフチェックの方法から、においを軽減するためのケアや治療方法まで、医療的な観点からわかりやすく解説します。
目次
- ワキガとは何か
- ワキガのにおいはどんなにおい?具体的な特徴
- ワキガのにおいが発生するメカニズム
- ワキガのにおいに影響を与える要因
- 普通の汗のにおいとワキガのにおいの違い
- ワキガのセルフチェック方法
- ワキガが悪化しやすいシチュエーション
- ワキガのにおいを軽減するセルフケア
- ワキガの治療法について
- まとめ
この記事のポイント
ワキガ(腋臭症)のにおいは動物臭・酸臭・硫黄臭などが特徴で、アポクリン汗腺の分泌物が皮膚常在菌に分解されて生じる。耳垢・衣服・家族歴でセルフチェック可能だが確定診断は受診が必要。セルフケアで改善しない場合はボトックス注射・ミラドライ・手術など複数の治療法がある。
🎯 ワキガとは何か
ワキガとは、正式には「腋臭症(えきしゅうしょう)」と呼ばれる状態で、わきの下から特有の強いにおいが発生する体質のことを指します。日本では古くから「ワキガ」という言葉が一般的に使われており、体臭の中でも特に気にされやすいものの一つです。
ワキガは病気というよりも体質・遺伝的な特性に近いものです。ただし、においが強くなることで日常生活や社会生活に影響を与えるケースも多く、医療機関での相談・治療の対象となっています。
ワキガの原因となるのは、皮膚にある「アポクリン汗腺」という汗腺です。人間の皮膚には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」という二種類の汗腺があり、ワキガに関係するのは主にアポクリン汗腺のほうです。アポクリン汗腺はわきの下や耳の中、乳首周辺、陰部などに分布しており、エクリン汗腺とは異なる成分を含む汗を分泌します。
ワキガ体質は遺伝との関連が強く、両親のいずれかがワキガ体質であれば子どもに遺伝する可能性が高いとされています。また、耳垢が湿っている(湿性耳垢)体質の方はアポクリン汗腺が発達していることが多く、ワキガ体質と関連していることが知られています。
Q. ワキガのにおいはどんな特徴がありますか?
ワキガのにおいは「動物的・獣のような刺激臭」「酸っぱいにおい」「玉ねぎやニンニクのようなにおい」「脂っぽいにおい」などと表現されます。これらはアポクリン汗腺の分泌物が皮膚常在菌に分解される過程で生じる複合臭であり、一般的な汗のにおいとは明らかに異なる独特さが特徴です。
📋 ワキガのにおいはどんなにおい?具体的な特徴
ワキガのにおいを一言で表現するとしたら、「独特の酸っぱさと動物的な刺激臭が混ざったようなにおい」と言われることが多いです。しかし、においの感じ方は個人差があるため、さまざまな表現がされています。ここでは、よく使われる表現をもとに、ワキガのにおいの特徴を詳しく説明します。
🦠 酸っぱいようなにおい
ワキガのにおいとして最も多く挙げられるのが、酸っぱいようなにおいです。これはアポクリン汗腺から分泌された汗が、皮膚に存在する細菌によって分解される過程で、脂肪酸が生成されるためです。この脂肪酸がいわゆる酸っぱさのような刺激臭を生み出します。
👴 動物的・獣のようなにおい
「動物のにおい」「獣のようなにおい」と表現されることもあります。これは、アポクリン汗に含まれるアンドロステノンやアンドロステノールといった成分によるものです。これらはフェロモン様物質とも呼ばれており、哺乳類が体臭として発するにおいに近い成分です。野生動物のにおいや動物園のにおいに似ていると感じる方もいます。
🔸 玉ねぎやニンニクのようなにおい
「玉ねぎのようなにおい」「ニンニクに似たにおい」と感じる方もいます。これは、アポクリン汗に含まれる硫黄化合物(チオアルコール類)が細菌によって代謝されることで生じると考えられています。特に食事内容や体調によって、このにおいが強くなることもあります。
💧 脂っぽいようなにおい
アポクリン汗には脂質やタンパク質、コレステロールなどが含まれており、これらが酸化・分解されると、脂っぽいような独特のにおいが生じます。油が酸化したときのようなにおいと表現されることもあります。
✨ スパイシーまたはクミンのようなにおい
欧米ではワキガのにおいをクミン(スパイスの一種)に例えることがあります。これも脂肪酸系の化合物の作用によるもので、スパイシーで独特の刺激があるにおいとして認識されます。
これらのにおいの特徴はすべてが同時に現れるわけではなく、個人の体質、食事、生活環境などによって異なります。ただし、一般的な汗のにおいとは明らかに異なる独特さがあり、その特徴が複数重なっていることが多いのがワキガのにおいです。
💊 ワキガのにおいが発生するメカニズム
ワキガのにおいが発生する仕組みを理解するためには、アポクリン汗腺の働きと、皮膚上の細菌(皮膚常在菌)の関係を知ることが重要です。
📌 アポクリン汗腺からの分泌
アポクリン汗腺から分泌される汗は、エクリン汗腺の汗とは成分が異なります。エクリン汗腺の汗はほぼ水分と塩分で構成されており、分泌直後はほぼ無臭です。一方、アポクリン汗腺から分泌される汗には、脂質、タンパク質、コレステロール、炭水化物、アンモニア、フェロモン様物質などが含まれており、やや粘度が高い特徴があります。
▶️ 皮膚常在菌による分解
アポクリン汗それ自体は、分泌直後は強いにおいを持つわけではありません。においが発生するのは、皮膚に常在している細菌(主にコリネバクテリウム属やブドウ球菌属など)が汗に含まれる成分を分解するときです。この分解過程で、短鎖脂肪酸(ブタン酸など)、硫黄化合物(チオアルコール類)、ステロイド系物質などが生成され、これらが独特のワキガ臭の原因となります。
🔹 においの強さに関わる要素
アポクリン汗腺の数や活動量が多いほど、分泌される汗の量が増え、においも強くなりやすい傾向があります。また、皮膚常在菌の種類や数、皮膚の衛生状態、蒸れやすい環境なども、においの強さに大きく影響します。さらに、ホルモンバランスの変化(思春期、生理、妊娠、更年期など)も、アポクリン汗腺の活動に影響を与えることがわかっています。
Q. ワキガのにおいが発生するメカニズムは何ですか?
ワキガのにおいはアポクリン汗腺から分泌される汗に、皮膚常在菌(コリネバクテリウム属など)が作用することで発生します。分泌直後の汗はほぼ無臭ですが、細菌が脂質やタンパク質を分解する過程で、短鎖脂肪酸・硫黄化合物・ステロイド系物質が生成され、独特のにおいとなります。
🏥 ワキガのにおいに影響を与える要因
ワキガのにおいは、体質による部分が大きいですが、さまざまな外的要因によって強くなったり弱くなったりすることがあります。
📍 食事の影響
肉類、乳製品、脂っこい食事、アルコール、にんにく、玉ねぎなどを多く摂取すると、体臭が強くなることがあります。これらの食品に含まれる成分が代謝される過程で、においの原因となる物質が皮膚から排出されやすくなるためです。逆に、野菜や果物を多く摂る食生活は、体臭を穏やかにする傾向があると言われています。
💫 ストレスと自律神経の影響
ストレスや緊張が高まると、交感神経が刺激され、アポクリン汗腺の分泌が促進されることがあります。精神的なストレスがかかっているときに体臭が強くなると感じる方は、この影響を受けている可能性があります。
🦠 ホルモンバランスの変化
アポクリン汗腺は性ホルモンの影響を受けやすく、思春期に活発になります。このため、ワキガが思春期から気になり始めるケースが多く見られます。また、生理周期や妊娠、更年期などのホルモン変動期にもにおいが変化することがあります。
👴 衣服・素材の影響
通気性の悪い素材(ポリエステルなど)の衣服を着ていると、わきの下が蒸れやすく、細菌が繁殖しやすい環境が生まれます。その結果、においが強くなることがあります。綿や麻など通気性の良い素材の衣服を選ぶことで、においを軽減しやすくなります。
🔸 季節・気温の影響
気温が高い夏場は汗をかきやすく、アポクリン汗腺の分泌量も増えるため、においが強くなりやすい傾向があります。また湿度が高いと細菌の繁殖がより活発になり、においが増幅されることもあります。
⚠️ 普通の汗のにおいとワキガのにおいの違い
「ただの汗のにおいではないか」と思う方もいるかもしれません。しかし、ワキガのにおいと普通の汗のにおいにはいくつかの明確な違いがあります。
💧 においの性質の違い
エクリン汗腺から出る普通の汗は、分泌直後はほぼ無臭で、時間が経って細菌が繁殖することで少し酸っぱいにおいが発生します。このにおいは比較的軽く、洗えばすぐに取れるという特徴があります。一方、ワキガのにおいは動物的・獣のような独特の臭気が特徴で、普通のにおいとは明らかに異なる質感があります。
✨ においの持続性の違い
ワキガのにおいは衣服に染み込みやすく、洗濯後にも残ることがあります。また、涼しい環境や汗をかいていない状態でもにおいが気になることがあるのが、ワキガのにおいの特徴です。普通の汗のにおいは、シャワーや着替えで比較的簡単に解消されます。
📌 部位による違い
エクリン汗腺は全身に分布しているため、普通の汗のにおいは全身どこでも発生しえます。ワキガは主にわきの下から特有のにおいが発生するのが一般的ですが、アポクリン汗腺が分布する乳首周辺や陰部、耳からもにおいが生じることがあります。
Q. ワキガのセルフチェック方法を教えてください
自宅でできるワキガのセルフチェックとして、耳垢が湿っている(湿性耳垢)かどうかの確認、1日着用した衣服のわき部分のにおいの確認、白いガーゼでわきを拭き色やにおいを確認する方法、家族にワキガ体質の人がいるかの確認が有効です。ただし確定診断には医療機関への受診が必要です。
🔍 ワキガのセルフチェック方法
「自分がワキガかどうか」を確認するためのセルフチェック方法をいくつか紹介します。ただし、これらはあくまで参考であり、確定診断には医療機関への受診が必要です。
▶️ 耳垢の状態を確認する
耳垢が湿っている(ベタベタしている)場合、アポクリン汗腺が発達している可能性が高く、ワキガ体質と関連していることが多いとされています。日本人の場合、耳垢が乾いているタイプ(乾性耳垢)の方が多く、湿っているタイプ(湿性耳垢)の方はワキガの可能性が相対的に高いと言われています。ただし、湿性耳垢であっても必ずワキガというわけではありませんし、乾性耳垢でも軽度のワキガのケースもあるため、一つの目安として考えてください。
🔹 衣服のわき部分のにおいを確認する
1日着用した衣服のわきの部分のにおいをかいでみましょう。独特の動物的なにおいや酸っぱい刺激臭が感じられる場合、ワキガの可能性があります。ただし、自分のにおいは嗅覚が慣れてしまい(嗅覚順応)、感じにくくなることがあります。信頼できる家族や友人に確認してもらうことも一つの方法です。
📍 わきの下を白いガーゼやコットンで拭く
清潔な白いガーゼやコットンをわきの下に密着させてから取り出し、においをかいだり、色を確認したりする方法です。ワキガの方の場合、黄色や白っぽい汚れが付着することがあります(アポクリン汗に含まれる脂質による)。また、このガーゼから独特のにおいが感じられる場合もワキガの可能性の一つの指標になります。
💫 家族歴を確認する
ワキガは遺伝的な要素が強いため、親や兄弟にワキガの人がいる場合は、自分もワキガ体質である可能性が高くなります。両親ともにワキガ体質の場合は特に確率が高くなるとされています。
🦠 わきの下の毛の状態を確認する
わきの毛が黄ばんでいたり、べたついているように感じられる場合も、アポクリン汗腺の活動が活発なサインの一つです。アポクリン汗に含まれる脂質が毛に付着することで、このような状態になることがあります。
👴 セルフチェックの限界と医療機関受診の重要性
上記のセルフチェックはあくまでも目安であり、複数の項目が当てはまる場合でも確定診断にはなりません。また、自分のにおいは自覚しにくいため、「においがしないから大丈夫」とも言い切れません。「もしかして」と思ったら、皮膚科やワキガ治療を行うクリニックへの相談をお勧めします。医師による診察では、より正確な評価と適切な対処法のアドバイスが得られます。
📝 ワキガが悪化しやすいシチュエーション
ワキガのにおいが特に強くなりやすい状況を知っておくことで、日常生活での対策が取りやすくなります。
🔸 緊張や不安を感じるとき
プレゼンや面接、初対面の場など、緊張や不安が高まるシチュエーションでは、交感神経が刺激されてアポクリン汗腺からの分泌が増えます。また、精神的な汗はエクリン汗腺も同時に刺激するため、においがより強くなりやすい傾向があります。
💧 運動後・激しい活動後
運動によって体温が上がると、エクリン汗腺とアポクリン汗腺の両方が活発になります。汗の量が増えることで皮膚常在菌の活動が活発になり、においが強くなることがあります。
✨ 蒸し暑い環境にいるとき
高温多湿の環境では汗が蒸発しにくく、わきの下が常に湿った状態になります。この状態は細菌の繁殖に適しており、においが強くなる原因となります。
📌 生理周期・ホルモン変動期
生理前や排卵期などにホルモンバランスが変動する時期は、アポクリン汗腺の活動が変化することがあります。「生理前になるとにおいが強くなる気がする」という方は、ホルモンの影響が考えられます。
▶️ 飲酒後

アルコールを摂取すると、血管が拡張して体温が上がり、発汗が促進されます。また、アルコールの代謝産物が皮膚から排出されることで、体臭が変化することもあります。ワキガ体質の方は飲酒後ににおいが強まることがあります。
Q. ワキガの医療機関での治療法にはどんな種類がありますか?
ワキガの治療法には、効果が約6ヶ月〜1年持続するボツリヌストキシン注射、マイクロ波で汗腺を非切開で破壊するミラドライ、超音波(VASER)を用いた治療、外科的に汗腺を除去する剪除法・吸引法などがあります。においの程度やライフスタイルに応じて専門医と相談しながら最適な方法を選択することが重要です。
💡 ワキガのにおいを軽減するセルフケア
ワキガのにおいを完全になくすことはセルフケアだけでは難しいですが、適切なケアを行うことで、においを軽減し、日常生活のQOL(生活の質)を高めることができます。
🔹 こまめな洗浄で皮膚を清潔に保つ
においの原因となるのは皮膚常在菌がアポクリン汗を分解することです。そのため、皮膚を清潔に保つことが基本です。わきの下を毎日丁寧に洗い、汗や皮脂を除去することで細菌の繁殖を抑えられます。ただし、洗い過ぎは皮膚バリアを損ない、逆に炎症や皮膚トラブルにつながることがあるため、適度な洗浄を心がけましょう。低刺激性の石鹸やボディソープを使用し、やさしく洗うことが大切です。
📍 制汗剤・デオドラント剤の使用
市販の制汗剤やデオドラント剤を正しく使用することで、においを一定程度抑えることができます。制汗剤は汗の分泌量を抑える成分(塩化アルミニウムなど)を含み、デオドラント剤は細菌の繁殖を抑えたりにおいをマスキングしたりする効果があります。ワキガのにおいには塩化アルミニウムを含む制汗剤がより効果的とされています。
💫 衣服の素材と洗濯に気を付ける
通気性の良い素材(綿、麻など)の衣服を選ぶことで、わきの蒸れを防ぎやすくなります。また、着用した衣服はこまめに洗濯し、においが衣服に定着しないようにしましょう。汗をかいたまま衣服を放置すると、においが染み込んで取れにくくなります。
🦠 食事の見直し
前述の通り、食事内容が体臭に影響することがあります。肉類・乳製品・アルコールの過剰摂取を控え、野菜・果物・食物繊維を豊富に含む食事を心がけることで、体臭が穏やかになることがあります。水分を十分に摂取することも、汗の成分を薄める効果が期待できます。
👴 わきの毛のケア
わきの毛はにおいの成分を吸着しやすく、においを増幅させることがあります。わきの毛を処理(剃毛や脱毛)することで、においが軽減しやすくなります。ただし、剃刀による処理は皮膚への刺激になることがあるため、肌に合った方法を選択してください。
🔸 ストレス管理
ストレスはアポクリン汗腺の活動を促進することがあります。適度な運動、十分な睡眠、リラクゼーション法などを取り入れてストレスを管理することも、においの軽減に役立つことがあります。
✨ ワキガの治療法について
セルフケアでは限界を感じる場合や、においが日常生活・社会生活に支障をきたしている場合は、医療機関での治療を検討することをお勧めします。ワキガの治療法にはいくつかの選択肢があります。
💧 塩化アルミニウム外用療法
高濃度の塩化アルミニウム溶液をわきの下に塗布することで、アポクリン汗腺の開口部を収縮させ、汗の分泌を抑える方法です。市販の制汗剤よりも高い濃度で使用するため、医師の指導のもとで行われます。比較的手軽に始められる治療法ですが、根本的な解決にはならず、継続的な使用が必要な場合もあります。
✨ ボツリヌストキシン注射(ボトックス注射)
ボツリヌストキシン(ボトックス)をわきの下に注射することで、汗腺への神経シグナルをブロックし、発汗を抑制する方法です。主にエクリン汗腺の過剰な発汗(多汗症)に対して有効ですが、アポクリン汗腺の分泌を減らす効果もあることから、ワキガのにおい軽減にも使用されます。効果は個人差がありますが、一般的に6ヶ月〜1年程度持続し、その後再度注射が必要になります。比較的ダウンタイムが少なく、手軽に受けられる治療法です。
📌 ミラドライ(マイクロ波治療)
ミラドライはマイクロ波エネルギーを使って、わきの下のアポクリン汗腺とエクリン汗腺を破壊する非切開の治療法です。皮膚の表面から特定の深さにマイクロ波を照射することで、汗腺を選択的に破壊します。切開を伴わないため、傷跡が残りにくく、ダウンタイムも比較的短い特徴があります。1〜2回の治療で効果が期待でき、持続的な改善が見込める治療法として注目されています。ただし、施術後に腫れや赤み、しびれなどが一時的に生じることがあります。
▶️ 超音波(VASER)を用いた治療
超音波エネルギーを使って皮膚の内側からアポクリン汗腺を破壊する方法です。小さな切開から超音波を発するプローブを挿入し、汗腺を選択的に破壊します。効果が高く持続的とされており、外科的手術よりもダウンタイムが短い傾向がありますが、施術後の腫れや内出血が生じることがあります。
🔹 外科的手術(剪除法・吸引法)
外科的にアポクリン汗腺を除去する方法で、以前から行われてきた治療法です。剪除法はわきの皮膚を切開してアポクリン汗腺を直接切除する方法で、確実性が高い反面、傷跡が残る可能性があります。吸引法はカニューレ(細い管)を挿入して汗腺を吸引・破壊する方法で、傷跡が比較的目立ちにくい特徴があります。いずれも根治性が高い治療法ですが、術後の回復期間(ダウンタイム)が必要です。
📍 治療を受ける際の注意点
治療法によって効果の持続性、ダウンタイム、費用、リスクが異なります。どの治療法が自分に適しているかは、においの程度、生活スタイル、体質、予算などによって異なります。医師に相談の上、自分に合った治療法を選択することが大切です。また、ワキガ治療は保険適用になるものと自由診療になるものがあるため、受診前に確認しておくと良いでしょう。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、ワキガのにおいが気になりながらも「これは体質だから仕方ない」「相談するほどのことではないかも」と長年悩みを抱えたまま来院される方が多くいらっしゃいます。においの感じ方や強さは個人差が大きく、セルフチェックだけでは正確な判断が難しいケースも少なくないため、気になる症状があれば早めに専門医へご相談いただくことをお勧めします。治療法も非切開のマイクロ波治療から外科的手術まで幅広い選択肢がありますので、患者様のライフスタイルやご希望に合わせて、最適な方法を一緒に考えてまいります。」
📌 よくある質問
ワキガのにおいは「動物的・獣のような刺激臭」「酸っぱいにおい」「玉ねぎやニンニクのようなにおい」「脂っぽいにおい」などと表現されます。これらはアポクリン汗腺から分泌される汗が皮膚常在菌によって分解されることで生じます。個人の体質や食事・生活環境によって異なります。
いくつかのセルフチェック方法があります。耳垢が湿っている(湿性耳垢)かどうかの確認、1日着用した衣服のわき部分のにおいの確認、白いガーゼでわきを拭いて色やにおいを確認する方法、家族にワキガ体質の人がいるかどうかの確認などが有効です。ただし確定診断には医療機関への受診が必要です。
緊張・不安を感じるとき、運動後、蒸し暑い環境にいるとき、生理前などのホルモン変動期、飲酒後などにおいが強くなりやすい傾向があります。これらの状況ではアポクリン汗腺の分泌が増加したり、細菌が繁殖しやすい環境になったりするためです。
わきの下をこまめに洗って清潔に保つこと、塩化アルミニウムを含む制汗剤の使用、通気性の良い綿や麻素材の衣服を選ぶこと、肉類・アルコールを控えた食生活、わきの毛の処理、ストレス管理などが効果的です。これらを組み合わせることでにおいの軽減が期待できます。
当院では、ボツリヌストキシン注射(効果約6ヶ月〜1年)、マイクロ波で汗腺を破壊する非切開のミラドライ、超音波(VASER)を用いた治療、外科的手術(剪除法・吸引法)など幅広い治療法を提供しています。においの程度やライフスタイルに合わせて専門医と相談しながら最適な方法を選択できます。
🎯 まとめ
ワキガのにおいは、動物的・獣のような刺激臭、酸っぱいにおい、玉ねぎやニンニクのようなにおい、脂っぽいにおいなど、個人によってさまざまな特徴を持ちます。その原因はアポクリン汗腺から分泌される汗と、皮膚常在菌の相互作用によるものであり、遺伝的な体質が大きく影響しています。
ワキガかどうかは耳垢の状態、衣服のにおい、家族歴などで目安を確認できますが、正確な診断は医療機関で受けることが重要です。においを軽減するためのセルフケアとして、こまめな洗浄、制汗剤の使用、衣服の見直し、食事の改善などが有効です。
セルフケアで対処しきれない場合や、においによって日常生活に支障が出ている場合は、医療機関での治療を検討することをお勧めします。ボツリヌストキシン注射、ミラドライ、超音波治療、外科的手術など、さまざまな治療法があり、専門医と相談しながら自分に合った方法を選ぶことができます。
においに悩んでいることは恥ずかしいことではありません。正しい知識を持ち、必要であれば専門家に相談することで、においの悩みを解消し、より快適な日常生活を取り戻すことができます。アイシークリニック渋谷院では、ワキガに関するお悩みを専門的な立場からサポートしておりますので、気になる方はお気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – ワキガ(腋臭症)の診断基準・治療ガイドラインおよびアポクリン汗腺の機能に関する皮膚科学的知見
- PubMed – アポクリン汗腺から分泌される汗の成分(脂質・タンパク質・硫黄化合物等)と皮膚常在菌による分解メカニズム、ならびにミラドライ・外科的手術等の治療効果に関する海外臨床文献
- 日本形成外科学会 – 腋臭症(ワキガ)の外科的治療法(剪除法・吸引法等)の適応・術式・ダウンタイムに関する形成外科的情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務