⚡ 「GLP-1って種類が多すぎて、どれが自分に合うかわからない…」そんな悩み、この記事が解決します。
近年、ダイエット目的や糖尿病治療の一環として注目を集めているGLP-1受容体作動薬。日本で使用できる種類は注射薬5種類+内服薬1種類があり、投与方法・副作用・効果がそれぞれ異なります。
💡 この記事を読めば、自分に合ったGLP-1の選び方がわかり、医師への相談もスムーズになります。読まないまま受診すると、自分に合わない薬を選んでしまうリスクも。ぜひ最後までチェックしてください。
目次
- GLP-1とは何か?基本的な仕組みを理解しよう
- GLP-1受容体作動薬の種類一覧
- 注射薬タイプのGLP-1受容体作動薬
- 内服薬タイプのGLP-1受容体作動薬
- 各薬剤の特徴を比較する
- GLP-1受容体作動薬の主な副作用
- ダイエット目的での使用について
- GLP-1受容体作動薬を選ぶ際の考え方
- まとめ
📌 この記事のポイント
日本で使用されるGLP-1受容体作動薬は注射薬5種類と内服薬1種類があり、投与頻度・体重減少効果・心血管保護効果などが異なる。最適な選択は治療目的・生活スタイル・既往症を踏まえ医師と相談して決定することが重要。
💡 GLP-1とは何か?基本的な仕組みを理解しよう
GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、私たちの腸から分泌されるホルモンの一種です。食事を摂ると腸の細胞(L細胞)から分泌され、主にすい臓に作用してインスリンの分泌を促したり、血糖値を上げるホルモンであるグルカゴンの分泌を抑えたりする働きを持っています。
GLP-1にはこれ以外にも重要な働きがあります。胃の動きをゆっくりにして食べ物の消化吸収を遅らせる作用(胃排泄遅延作用)や、脳の食欲中枢に作用して満腹感を高める作用などがあります。これらの作用が組み合わさることで、食後の血糖値の急激な上昇が抑えられ、食欲が適切にコントロールされるわけです。
ただし、体内で自然に分泌されるGLP-1は、酵素(DPP-4)によって数分以内に分解されてしまいます。そこで開発されたのが、GLP-1の作用を模倣しながらも体内での分解を受けにくく設計された「GLP-1受容体作動薬」です。GLP-1受容体作動薬は、天然のGLP-1よりも長い時間にわたって作用を発揮できるよう工夫されています。
もともとGLP-1受容体作動薬は2型糖尿病の治療薬として開発・承認されたものです。しかし、その使用過程で体重減少効果が確認されたことから、肥満症の治療薬としても注目されるようになりました。現在では、肥満症治療の適応を持つGLP-1受容体作動薬も登場し、医療ダイエットの分野でも広く活用されています。
Q. GLP-1とは何か?体内での働きを教えてください
GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は食事後に腸のL細胞から分泌されるホルモンで、すい臓に作用してインスリン分泌を促し、血糖値を上げるグルカゴンを抑制します。また胃の動きを遅らせる作用や脳の食欲中枢に働きかけて満腹感を高める作用もあり、血糖と食欲の両方をコントロールします。
📌 GLP-1受容体作動薬の種類一覧
現在、日本で使用されているGLP-1受容体作動薬にはいくつかの種類があります。大きく分けると、注射で投与するタイプと、内服(飲み薬)のタイプに分類されます。また、注射薬の中にも、1日1回投与するタイプと週1回投与するタイプがあるなど、投与頻度も異なります。
主な薬剤を列挙すると以下のようになります。
注射薬としては、リラグルチド(製品名:ビクトーザ、サクセンダ)、セマグルチド注射剤(製品名:オゼンピック)、デュラグルチド(製品名:トルリシティ)、エキセナチド(製品名:バイエッタ、ビデュリオン)、リキシセナチド(製品名:リキスミア)などがあります。内服薬としては、セマグルチド内服薬(製品名:リベルサス)があります。
これらは化学的な構造や体内での作用時間、投与方法などがそれぞれ異なります。以下では、主要な薬剤についてより詳しく解説していきます。
✨ 注射薬タイプのGLP-1受容体作動薬
✅ リラグルチド(ビクトーザ・サクセンダ)
リラグルチドは、デンマークの製薬会社ノボノルディスクが開発したGLP-1受容体作動薬で、日本では2010年ごろから使用されている比較的歴史のある薬剤です。1日1回、ペン型の注射器を用いて皮下注射する形で投与します。
ビクトーザは2型糖尿病の治療薬として承認されたもので、血糖コントロールを目的として使用されます。一方、サクセンダはより高用量のリラグルチドを含む製剤で、肥満症の治療薬として承認されています。同じ成分でありながら、適応(目的)と用量が異なるという点が特徴的です。
リラグルチドの半減期は約13時間であり、1日1回の投与で24時間にわたって安定した血中濃度を維持することができます。血糖降下作用と体重減少作用の両方が比較的バランスよく得られる薬剤として知られており、長年の使用実績があることから安全性データも豊富です。
📝 セマグルチド注射剤(オゼンピック)
セマグルチドは、リラグルチドと同じくノボノルディスクが開発した次世代型のGLP-1受容体作動薬です。日本では2018年から2型糖尿病治療薬として承認・使用されており、週1回の皮下注射で投与します。
セマグルチドはリラグルチドと比べて体内での半減期が約1週間と非常に長く、週1回の投与で安定した作用が得られます。投与頻度が少ないため、注射に対する抵抗感がある方や、毎日の自己注射が難しい方にとって利便性が高いと言えます。
臨床試験のデータでは、セマグルチドはリラグルチドと比較して血糖コントロール効果や体重減少効果が優れているという結果が示されており、現在最も注目度の高いGLP-1受容体作動薬の一つです。また、心血管イベント(心筋梗塞や脳卒中など)を抑制する効果も複数の研究で確認されており、糖尿病合併症の予防という観点でも高く評価されています。
なお、海外(アメリカなど)では「ウゴービ」という製品名で肥満症治療薬として承認されていますが、日本での肥満症治療薬としての承認状況については、最新の医療機関での情報確認が推奨されます。
🔸 デュラグルチド(トルリシティ)
デュラグルチドは、アメリカの製薬会社イーライリリーが開発したGLP-1受容体作動薬で、週1回の皮下注射で投与します。日本では2015年から2型糖尿病治療薬として使用されています。
デュラグルチドの最大の特徴は、そのデバイスのシンプルさにあります。トルリシティは使い捨て型の自動注射デバイスに封入されており、注射の手順が非常にシンプルです。針の脱着や薬液の充填が不要で、ボタンを押すだけで注射できる設計になっているため、自己注射に慣れていない方でも比較的扱いやすいと言われています。また、注射前に冷蔵庫から出してすぐに使えるという点も利便性の面で評価されています。
半減期は約4.7日と長く、週1回の投与で安定した作用が得られます。血糖コントロール効果に加えて、体重減少効果も認められており、心血管リスクの高い2型糖尿病患者における心血管イベントの抑制効果も示されています。
⚡ エキセナチド(バイエッタ・ビデュリオン)
エキセナチドは、ヒラモンスターというトカゲの唾液から発見された物質をもとに開発されたGLP-1受容体作動薬です。天然のGLP-1とは構造が異なる部分もありますが、GLP-1受容体を活性化する作用を持ちます。
バイエッタは1日2回(朝食と夕食の前)投与するタイプで、日本では2010年に承認されました。一方、ビデュリオンは徐放性製剤(ゆっくりと放出されるタイプ)で、週1回の投与で済むよう改良されたバージョンです。
エキセナチドは特に食後の血糖上昇を抑える効果が強いという特徴があります。これは、エキセナチドが食後に分泌量が増えるという天然GLP-1の特性を模倣しているためです。ただし、後発のGLP-1受容体作動薬(セマグルチドやデュラグルチドなど)と比べると、体重減少効果は若干劣るとされています。
🌟 リキシセナチド(リキスミア)
リキシセナチドは、フランスのサノフィ社が開発したGLP-1受容体作動薬で、1日1回、食前に皮下注射します。日本では2013年から2型糖尿病治療薬として使用されています。
リキシセナチドの作用時間は比較的短く、半減期は約3時間程度です。このため、食後の血糖値を効果的に下げる作用が特に強いという特徴があります。一方で、空腹時血糖に対する作用は他の薬剤と比べて控えめです。
リキシセナチドは、インスリンとの配合剤である「ソリクア」(リキシセナチドとインスリングラルギンの配合剤)としても使用されており、インスリン療法と組み合わせて血糖コントロールをより細かく調整する目的でも活用されています。
Q. GLP-1受容体作動薬の種類と投与方法は?
日本で使用されるGLP-1受容体作動薬は注射薬5種類と内服薬1種類があります。注射薬にはリラグルチド・セマグルチド・デュラグルチド・エキセナチド・リキシセナチドがあり、1日1〜2回または週1回投与と頻度が異なります。内服薬はセマグルチド内服薬(リベルサス)のみで、注射が苦手な方の選択肢となります。
🔍 内服薬タイプのGLP-1受容体作動薬
💬 セマグルチド内服薬(リベルサス)
GLP-1受容体作動薬の中で、現在唯一の内服(飲み薬)タイプがセマグルチド内服薬(リベルサス)です。注射に抵抗感がある患者にとって大きな選択肢となるこの薬は、2021年から日本で2型糖尿病治療薬として使用されています。
一般的にGLP-1受容体作動薬のような大きなタンパク質分子は、胃で消化酵素によって分解されてしまうため、経口投与が難しいとされてきました。リベルサスでは、「SNAC(サリシラミドN-アシル8-アミノカプリル酸)」という特殊な吸収促進剤とセマグルチドを組み合わせることで、胃内での分解を防ぎながら胃壁から吸収できる仕組みが実現されました。これは画期的な技術であり、注射薬しかなかったGLP-1受容体作動薬を経口投与可能にした点で大きな意義があります。
リベルサスの服用方法には注意が必要です。空腹時(起床後すぐなど)に少量の水(120mL以下)で飲み、服用後少なくとも30分間は食事・飲み物・他の薬を摂取しないという制約があります。これは薬の吸収を最大化するために必要なルールであり、正しく守らないと十分な効果が得られないことがあります。
内服薬という利便性の高さから患者の服薬へのハードルが下がる一方で、注射薬(オゼンピックなど)と比べると体重減少効果や血糖降下効果はやや劣るとする研究結果もあります。ただし、注射を避けたい方にとって非常に重要な選択肢であることは間違いありません。

💪 各薬剤の特徴を比較する
ここまでで紹介した各GLP-1受容体作動薬について、いくつかの観点から整理してみましょう。
✅ 投与方法と頻度
投与方法は大きく「注射」と「内服」に分かれます。注射薬の中では、1日1回タイプ(リラグルチド、リキシセナチド)と、1日2回タイプ(エキセナチド速放製剤)、週1回タイプ(セマグルチド注射薬、デュラグルチド、エキセナチド徐放製剤)があります。
生活スタイルや注射への抵抗感によって、最適な投与方法は異なります。毎日の投与が習慣化しやすい方もいれば、週1回の投与の方が管理しやすいと感じる方もいます。また、注射が苦手な方には内服薬のリベルサスが有力な候補になるでしょう。
📝 作用時間(半減期)
各薬剤の体内での持続時間(半減期)はそれぞれ異なります。リキシセナチドが約3時間と最も短く、次いでエキセナチド速放製剤が約2.4時間、リラグルチドが約13時間、デュラグルチドが約4.7日、セマグルチドが約1週間という順になります。
作用時間が長い薬剤は安定した血糖コントロールや食欲抑制効果が得やすい反面、副作用が生じた場合に体外に排出されるまでの時間も長くなります。作用時間が短い薬剤は食後の急激な血糖上昇を抑えることに優れている場合があります。
🔸 体重減少効果
複数の臨床試験のデータを総合すると、体重減少効果が最も高いのはセマグルチドの注射薬(特に高用量製剤)で、その次にリラグルチドの高用量製剤(サクセンダ)、デュラグルチドと続きます。リキシセナチドやエキセナチドの体重減少効果は比較的控えめです。
ただし、体重減少効果は薬剤の種類だけでなく、用量、個人の体質、食事・運動習慣など多くの要因に影響されます。薬剤だけで劇的な体重減少を期待するのではなく、生活習慣の改善と組み合わせることが大切です。
⚡ 心血管への保護効果
GLP-1受容体作動薬の中には、血糖コントロールや体重減少にとどまらず、心臓や血管を守る効果が認められているものがあります。セマグルチド、リラグルチド、デュラグルチドでは、大規模な臨床試験において心筋梗塞や脳卒中などの重大な心血管イベントを抑制する効果が確認されています。これらの薬剤は、特に心血管リスクの高い2型糖尿病患者において積極的に使用が推奨されています。
Q. GLP-1受容体作動薬の主な副作用は何ですか?
GLP-1受容体作動薬で最も多く見られる副作用は、吐き気・嘔吐・下痢・便秘などの消化器症状です。これらは治療開始直後や増量時に起こりやすく、多くは時間とともに軽減されます。ほかにも膵炎・注射部位の反応・心拍数増加などが報告されており、症状が続く場合は担当医への相談が必要です。
🎯 GLP-1受容体作動薬の主な副作用
GLP-1受容体作動薬には共通して見られる副作用と、薬剤ごとに差がある副作用があります。使用を検討する際には副作用についても十分に理解しておくことが重要です。
🌟 消化器系の副作用
GLP-1受容体作動薬に最もよく見られる副作用は、吐き気(悪心)、嘔吐、下痢、便秘などの消化器症状です。これはGLP-1が胃腸の動きに影響を及ぼすことから起こります。特に治療開始直後や用量を増やした際に現れやすく、多くの場合は時間とともに軽減されます。
吐き気を軽減するために、食事と一緒にゆっくり摂取したり、最初は低用量から始めて徐々に増量したりする方法が取られます。症状がひどい場合は担当医に相談することが大切です。
💬 低血糖
GLP-1受容体作動薬単独では、血糖値が低い状態のときにはインスリン分泌をあまり促進しない「血糖依存性」という特性があるため、単独での使用では低血糖を起こしにくいとされています。ただし、スルホニル尿素薬(SU薬)やインスリンと併用している場合は低血糖のリスクが高まるため注意が必要です。
✅ 注射部位の反応
注射薬を使用している場合、注射部位に発赤、かゆみ、腫れなどの局所反応が起こることがあります。同じ部位に繰り返し注射することで硬結(しこり)ができることもあるため、注射部位をローテーションすることが推奨されます。
📝 膵炎
GLP-1受容体作動薬の使用と急性膵炎との関連については、過去にいくつかの報告がありました。現在のガイドラインでは、過去に膵炎の病歴がある方への使用は慎重に判断するよう示されています。使用中に激しい腹痛が生じた場合は速やかに医療機関を受診することが重要です。
🔸 甲状腺への影響
動物実験(主にラット)においてGLP-1受容体作動薬が甲状腺腫瘍のリスクを高める可能性が示されたことがあります。ただし、ヒトへの影響については現時点では明確なエビデンスはなく、引き続き研究が行われています。家族歴に甲状腺髄様癌がある方や多発性内分泌腫瘍症2型の患者には使用が禁忌とされています。
⚡ その他の副作用
頭痛、めまい、倦怠感、心拍数の増加なども報告されることがあります。また、急激な体重減少に伴い、筋肉量が減少するリスクがある点も注意が必要です。GLP-1受容体作動薬を使用しながらも、適切なタンパク質摂取と運動習慣を維持することが推奨されます。
💡 ダイエット目的での使用について

GLP-1受容体作動薬はもともと糖尿病治療薬として開発されましたが、その高い体重減少効果から、近年は肥満症治療や医療ダイエットの分野でも注目されています。日本では一部の薬剤が肥満症治療薬として保険適用を受けており、条件を満たす患者には保険診療の範囲内で処方されることがあります。
一方で、糖尿病でもなく、肥満症の診断基準を満たさない方が体重管理目的でGLP-1受容体作動薬を使用したい場合は、自由診療(保険適用外)となります。美容・ダイエット目的でのGLP-1受容体作動薬の処方は、医師の診察と適切な管理のもとで行われる必要があります。
特に重要なのは、GLP-1受容体作動薬は万能ではないという点です。薬を中止した後に食事制限をせずにいると体重が戻ってくる(リバウンドする)ことも多いとされています。薬はあくまで食事・運動療法を補助するツールであり、生活習慣そのものを変えていく取り組みが不可欠です。
また、GLP-1受容体作動薬の供給不足が一時期社会問題となったように、医療以外の目的での過剰な使用は本当に必要としている糖尿病患者への供給に影響を及ぼす可能性があります。倫理的な観点からも、使用目的と必要性について医師とよく話し合うことが大切です。
Q. ダイエット目的のGLP-1使用で注意すべき点は?
糖尿病や肥満症の診断がない方がダイエット目的でGLP-1受容体作動薬を使用する場合は、保険適用外の自由診療となります。また薬の中止後に食事管理をしないとリバウンドするケースが多く、薬はあくまで食事・運動療法を補助するツールです。アイシークリニックでは医師が状態を確認したうえで適切な治療を提案しています。
📌 GLP-1受容体作動薬を選ぶ際の考え方
GLP-1受容体作動薬にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴があることはご理解いただけたかと思います。では、実際にどのような観点で薬剤を選ぶことになるのでしょうか。以下に、担当医と相談する際に参考にしたい考え方をまとめます。
🌟 使用目的と主な治療目標
血糖コントロールが主な目的なのか、体重減少が主な目的なのか、あるいはその両方なのかによって、最適な薬剤は異なります。体重減少を優先するならセマグルチドやリラグルチド(高用量)が有力候補となりますし、食後の血糖スパイクを特に抑えたいならリキシセナチドが選ばれることもあります。
💬 投与方法の好みと生活スタイル
注射が苦手な方には経口薬のリベルサスが向いているかもしれません。週1回の投与の方が管理しやすい方にはセマグルチド注射薬やデュラグルチドが適しているでしょう。毎日の服薬が習慣づけやすい方には1日1回タイプが向いているかもしれません。仕事や生活スタイルと投与スケジュールをすり合わせることで、薬を長続きさせやすくなります。
✅ 既往症と合併症のリスク
心血管疾患のリスクが高い方には、心臓や血管を保護する効果が証明されている薬剤(セマグルチド、リラグルチド、デュラグルチドなど)が優先的に選ばれることがあります。腎機能に問題がある場合や他の疾患がある場合は、それに応じた薬剤選択が必要です。
📝 費用と保険適用
保険診療で処方される場合と、自由診療で使用する場合では費用が大きく異なります。保険適用の条件を満たしているかどうか、また自由診療での費用がどれくらいかかるかを事前に確認しておくことが重要です。継続的に使用する薬であるため、長期的な費用の見通しも立てておく必要があります。
🔸 副作用の許容範囲
吐き気などの消化器症状は多くの方に見られますが、その程度や持続期間には個人差があります。副作用の頻度や程度が薬剤間で多少異なることもあるため、過去に特定の薬剤で強い副作用を経験した場合は、別の薬剤を試すという選択肢もあります。
⚡ 最新のガイドラインと医師の判断
GLP-1受容体作動薬に関する研究は現在も進んでおり、新しいエビデンスが次々と蓄積されています。最終的な薬剤の選択は、患者個人の状態や最新のガイドラインを踏まえた担当医の判断に委ねられます。自分で調べた情報をもとに独断で薬剤を選択・変更するのではなく、必ず医師に相談するようにしてください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、GLP-1受容体作動薬の選択にあたって、患者様の生活スタイルや治療目的を丁寧にお伺いしたうえで最適な薬剤をご提案するよう心がけています。最近の傾向として、注射への抵抗感から内服薬のリベルサスを希望される方も増えていますが、投与方法の違いだけでなく、効果の特性や副作用プロファイルも含めて総合的にご説明し、患者様ご自身が納得して治療に臨めるようサポートしています。GLP-1受容体作動薬はあくまで生活習慣改善を後押しするツールですので、食事・運動療法と組み合わせた長期的な視点での治療を一緒に考えていきましょう。」
✨ よくある質問
はい、セマグルチド内服薬(リベルサス)が現在唯一の飲み薬タイプです。注射への抵抗感がある方に有力な選択肢となります。ただし、起床後すぐに少量の水で服用し、30分間は食事や他の薬を摂らないなど、正しい服用方法を守ることが効果を得るうえで重要です。
最もよく見られるのは、吐き気・嘔吐・下痢・便秘などの消化器症状です。これらは治療開始直後や増量時に起こりやすく、多くの場合は時間とともに軽減されます。また、膵炎や注射部位の反応なども報告されています。副作用が気になる場合は、必ず担当医にご相談ください。
糖尿病や肥満症の診断がない方がダイエット目的で使用する場合は、保険適用外の自由診療となります。また、薬だけでの効果は限定的で、食事・運動療法との組み合わせが不可欠です。当院では医師が患者様の状態を丁寧に確認したうえで、適切な治療をご提案しています。
治療目的(血糖コントロールか体重減少か)、注射への抵抗感、投与頻度の希望、既往症や合併症、費用などを総合的に考慮して選択します。たとえば体重減少を重視するならセマグルチドやリラグルチドが候補となります。最終的な選択は担当医と十分に相談して決めることが大切です。
薬の中止後に食事制限をしないままでいると、体重が戻るケースは多いとされています。GLP-1受容体作動薬はあくまで食事・運動療法を補助するツールであり、服用中から生活習慣そのものを見直すことが重要です。当院では長期的な視点で、生活習慣の改善も含めたサポートを行っています。
🔍 まとめ
GLP-1受容体作動薬には、リラグルチド(ビクトーザ・サクセンダ)、セマグルチド注射薬(オゼンピック)、デュラグルチド(トルリシティ)、エキセナチド(バイエッタ・ビデュリオン)、リキシセナチド(リキスミア)、セマグルチド内服薬(リベルサス)など、複数の種類が存在します。それぞれ投与方法、作用時間、体重減少効果、心血管保護効果などの点で異なる特徴を持っています。
どの薬剤が最適かは、使用目的(血糖コントロールか体重減少か)、生活スタイル(注射の可否、投与頻度の希望)、既往症や合併症、費用などの要素を総合的に考えて判断されます。これらの薬剤はいずれも医師の処方が必要な医療用医薬品であり、自己判断での使用は行わないことが大切です。
GLP-1受容体作動薬は適切に使用することで血糖コントロールや体重管理に大きな助けとなりますが、生活習慣の改善と組み合わせることでより高い効果が期待できます。使用を検討している方は、かかりつけ医や専門の医療機関に相談し、自分の状態に合った薬剤と治療計画を立てることをおすすめします。
アイシークリニック渋谷院では、GLP-1受容体作動薬を用いた治療について、専門の医師が患者様一人ひとりの状態に合わせた丁寧なカウンセリングと診察を行っています。GLP-1を用いた治療にご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
📚 関連記事
📚 参考文献
- 厚生労働省 – GLP-1受容体作動薬の承認情報、保険適用条件、医薬品安全性情報など、日本国内における各薬剤(リラグルチド、セマグルチド、デュラグルチド等)の承認・規制に関する公式情報の参照
- PubMed – GLP-1受容体作動薬の体重減少効果・血糖コントロール効果・心血管保護効果に関する大規模臨床試験(SUSTAIN、LEADER、AWARDトライアル等)の査読済み論文の参照
- WHO(世界保健機関) – 肥満症の国際的な定義・診断基準、および肥満治療における薬物療法の位置づけに関するグローバルな医療ガイドラインの参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務