蕁麻疹は、突然皮膚に赤みや膨らみが現れ、強いかゆみを伴う皮膚症状です。一度だけ経験する人もいれば、何度も繰り返してしまう人もおり、「自分は蕁麻疹が出やすい体質なのだろうか」と気になっている方も少なくありません。実際に、蕁麻疹には体質や生活習慣、免疫機能との関連が深く、繰り返しやすい人には共通した特徴があることが多いです。この記事では、蕁麻疹が出やすい体質の特徴や原因、生活の中でできる改善策について詳しく解説します。
目次
- 蕁麻疹とはどんな症状か
- 蕁麻疹の種類と分類
- 蕁麻疹が出やすい体質の特徴
- 蕁麻疹を引き起こしやすい原因とトリガー
- 慢性蕁麻疹と体質の関係
- 蕁麻疹が出やすい人の生活習慣の傾向
- 体質改善のためにできること
- 蕁麻疹の治療と医療機関での対処法
- まとめ
この記事のポイント
蕁麻疹が繰り返す背景にはアレルギー体質・免疫バランスの乱れ・自律神経の不調・皮膚バリアの低下などが複合的に関与する。睡眠・食事・ストレス管理・腸内環境の改善で症状コントロールは可能であり、難治例には抗ヒスタミン薬や生物学的製剤による治療も選択肢となる。
🎯 蕁麻疹とはどんな症状か
蕁麻疹は、皮膚の一部が急に赤く盛り上がり、強いかゆみを伴う皮膚疾患です。膨疹(ぼうしん)と呼ばれる盛り上がりが特徴で、蚊に刺されたときのような見た目をしていることが多いです。大きさはさまざまで、小さな点のようなものから、体全体に広がるほど大きくなることもあります。
多くの場合、数時間から24時間以内に跡を残さず消えていきます。ただし、消えたり現れたりを繰り返す場合もあり、症状が慢性化するケースも珍しくありません。かゆみが非常に強いため、日常生活や睡眠に支障をきたすこともあります。
蕁麻疹が重症化すると、皮膚だけでなく口腔内や喉の粘膜にも腫れが及ぶことがあり、呼吸困難や血圧低下などのアナフィラキシーを引き起こす危険性もあります。そのため、蕁麻疹が繰り返し起こる場合は、軽視せずに適切な対処を行うことが重要です。
Q. 蕁麻疹が出やすい体質にはどんな特徴がある?
蕁麻疹が出やすい体質の主な特徴として、花粉症・アトピー・喘息などのアレルギー素因がある、免疫機能のバランスが崩れやすい、自律神経が乱れやすい、皮膚が敏感・乾燥しやすい、消化器系が弱いといった点が挙げられます。これらの要因が複合的に関与することが多いとされています。
📋 蕁麻疹の種類と分類
蕁麻疹は大きく「急性蕁麻疹」と「慢性蕁麻疹」の2種類に分けられます。
急性蕁麻疹は、発症してから6週間以内に症状が治まるものを指します。食べ物や薬、感染症などが原因となることが多く、原因が特定できれば再発を防ぎやすい特徴があります。子どもに多く見られますが、成人でも発症します。
慢性蕁麻疹は、症状が6週間以上にわたって続くもの、または繰り返し発症するものです。慢性蕁麻疹の場合、原因が特定できないことが多く、自己免疫の異常やストレス、体質的な要因が絡み合っているケースがほとんどです。成人に多く、特に30〜50代の女性に多い傾向があります。
また、蕁麻疹には刺激の種類によって分類される「物理性蕁麻疹」もあります。
- 皮膚を引っかいたり擦ったりすることで起こる「機械性蕁麻疹(皮膚描記症)」
- 冷たいものや冷気で起こる「寒冷蕁麻疹」
- 温熱や入浴によって起こる「温熱蕁麻疹」
- 汗や運動によって起こる「コリン性蕁麻疹」
- 日光に当たることで起こる「日光蕁麻疹」
- 圧力がかかる部位に起こる「圧迫蕁麻疹」
これらはそれぞれ異なるトリガーを持ちますが、いずれも皮膚の過敏性が関係しており、体質的な要因が影響していると考えられています。
💊 蕁麻疹が出やすい体質の特徴
蕁麻疹が出やすい体質には、いくつかの共通した特徴があります。ただし、これらはあくまで傾向であり、すべての人に当てはまるわけではありません。
🦠 アレルギー体質(アトピー素因)がある
花粉症や食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、喘息などのアレルギー疾患を持っている人は、蕁麻疹が出やすい傾向があります。これらはいずれもIgE抗体を介したアレルギー反応と関連しており、免疫系が過敏に反応しやすい体質であることを示しています。
アレルギー体質の人は、皮膚や粘膜のバリア機能が弱く、外部からの刺激や抗原に対して過剰な免疫反応を起こしやすいため、蕁麻疹が生じやすいとされています。家族にアレルギー疾患を持つ人がいる場合も、遺伝的な素因として注意が必要です。
👴 免疫機能のバランスが崩れやすい
蕁麻疹の発症には、体の免疫機能が大きく関わっています。免疫機能が低下していたり、逆に過剰に反応しやすくなっている状態では、皮膚のマスト細胞(肥満細胞)が刺激を受けてヒスタミンを放出しやすくなります。このヒスタミンが皮膚の毛細血管を拡張させ、膨疹やかゆみを引き起こします。
慢性的なストレスや睡眠不足、栄養の偏りなどによって免疫バランスが乱れると、蕁麻疹が出やすい状態になりやすいとされています。
🔸 自律神経が乱れやすい
自律神経は体の多くの機能をコントロールしており、皮膚の状態や免疫機能にも影響を与えます。自律神経が乱れると、皮膚の血管運動が不安定になり、外部からの刺激に対して過敏になることがあります。特に、コリン性蕁麻疹(発汗に伴う蕁麻疹)は自律神経の乱れと深い関係があるとされています。
ストレスが多い環境に置かれている人、不規則な生活を送っている人、過労気味の人は自律神経が乱れやすく、蕁麻疹が出やすくなる可能性があります。
💧 皮膚が敏感・乾燥しやすい
皮膚のバリア機能が弱く、乾燥しやすい人は、外部からの刺激に対して皮膚が過敏に反応しやすい状態にあります。皮膚バリアが低下していると、アレルゲンや刺激物が皮膚の深層部に到達しやすくなり、免疫反応が起きやすくなります。
特に、アトピー性皮膚炎を持っている人は皮膚バリア機能の低下が著しく、蕁麻疹を含むさまざまな皮膚症状が出やすい傾向があります。
✨ 消化器系が弱い
腸内環境と免疫機能は密接に関連しており、腸のコンディションが悪い状態では免疫バランスが乱れやすくなります。便秘や下痢が多い人、胃腸が弱い人は、腸内の免疫細胞の働きが低下しやすく、アレルギー反応が起きやすい状態になることがあります。
また、食物アレルギーがある場合は、消化器系を通じて特定の食品成分が吸収される際にアレルギー反応が誘発されることもあります。
Q. 慢性蕁麻疹の原因として何が考えられる?
慢性蕁麻疹の多くは原因が特定できない特発性ですが、近年の研究でマスト細胞や好塩基球に対する自己抗体が関与するケースが明らかになっています。また、橋本病などの甲状腺疾患やヘリコバクター・ピロリ菌感染が背景にある場合もあるため、血液検査で基礎疾患を確認することが重要です。
🏥 蕁麻疹を引き起こしやすい原因とトリガー
蕁麻疹が出やすい体質であったとしても、必ず何らかのトリガー(引き金)が存在します。蕁麻疹の原因となるトリガーを理解することで、発症を予防しやすくなります。
📌 食べ物・食品添加物
食物アレルギーによる蕁麻疹は、特に急性蕁麻疹の原因として多く見られます。エビ・カニなどの甲殻類、小麦、卵、牛乳、ナッツ類、そば、魚介類などが代表的なアレルゲンです。
また、食品添加物(着色料、防腐剤、保存料など)や、食品に含まれるヒスタミン自体(発酵食品、サバ、マグロ、赤ワインなど)も蕁麻疹を引き起こすことがあります。ヒスタミンを多く含む食品を摂取すると、直接的に皮膚の反応を誘発する場合があります。
▶️ 薬(医薬品)
解熱鎮痛剤(アスピリン、イブプロフェンなど)、抗生物質(ペニシリン系など)、造影剤などは蕁麻疹を引き起こしやすい薬として知られています。薬剤性蕁麻疹はアレルギー反応によるものと、アレルギー以外のメカニズムによるものがあります。
市販薬や漢方薬でも蕁麻疹が起こることがあるため、特定の薬を飲んだ後に蕁麻疹が現れた場合は、医師や薬剤師に相談することが大切です。
🔹 感染症・ウイルス
風邪やインフルエンザ、ウイルス性胃腸炎などの感染症にかかっている期間中や、回復後に蕁麻疹が出ることがあります。感染による免疫系の変化が蕁麻疹を引き起こすと考えられています。
また、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染や、虫歯・歯周病などの慢性感染巣(フォーカス感染)が慢性蕁麻疹の原因になることもあります。
📍 物理的な刺激
先述した物理性蕁麻疹のように、摩擦・圧力・温度変化・日光などの物理的な刺激が直接トリガーになることがあります。特に皮膚が敏感な体質の方は、日常生活のちょっとした刺激でも蕁麻疹が出てしまうことがあります。
💫 ストレス・精神的な疲労
精神的なストレスは免疫系や自律神経に影響を与え、蕁麻疹を誘発することがあります。ストレスが強い時期に蕁麻疹が悪化したり、繰り返したりするケースは非常に多く、心身の状態と皮膚症状の関係は密接です。
「ストレスが続くと必ず蕁麻疹が出る」という経験をお持ちの方も多く、心理的な要因が体質的な蕁麻疹の出やすさに大きく関与していることがわかります。
🦠 疲労・睡眠不足
慢性的な疲労や睡眠不足は、体の防御機能を低下させ、蕁麻疹を起こしやすくします。特に夜間に蕁麻疹のかゆみが強くなる場合は、睡眠の質の低下が悪循環を生み出している可能性もあります。
⚠️ 慢性蕁麻疹と体質の関係
慢性蕁麻疹は、6週間以上にわたって症状が続くか、繰り返し発症するものを指します。慢性蕁麻疹の患者の多くは、原因が特定できない「特発性慢性蕁麻疹」です。
近年の研究により、慢性蕁麻疹の一部には自己免疫のメカニズムが関与していることが明らかになっています。マスト細胞や好塩基球に対する自己抗体が存在する場合、皮膚のヒスタミン放出が常に促進されやすい状態になり、蕁麻疹が慢性化すると考えられています。
また、甲状腺疾患(橋本病、バセドウ病)などの自己免疫疾患を持つ方は、慢性蕁麻疹を併発しやすいとされています。慢性蕁麻疹が続く場合は、血液検査などで基礎疾患の有無を確認することも大切です。
慢性蕁麻疹は体質と深く関わっているため、「体質だから仕方ない」と諦めてしまう方もいますが、適切な治療や生活習慣の改善によって症状をコントロールできるケースは多くあります。
Q. 蕁麻疹の体質改善のために日常生活でできることは?
蕁麻疹の体質改善には、発酵食品や食物繊維を取り入れて腸内環境を整えること、7〜8時間の質の高い睡眠を確保すること、瞑想や運動でストレスを管理すること、入浴後の保湿で皮膚バリアを守ることが有効です。また、蕁麻疹日記で症状とトリガーを記録し、誘因を意識的に避けることも発症予防に役立ちます。
🔍 蕁麻疹が出やすい人の生活習慣の傾向
蕁麻疹が出やすい方には、生活習慣にも共通した傾向が見られることがあります。以下のような習慣は、蕁麻疹のリスクを高める可能性があるとされています。
👴 睡眠が不規則または短時間
睡眠は体の修復・免疫機能の維持に欠かせません。慢性的な睡眠不足や不規則な睡眠は、免疫バランスを乱し、皮膚の過敏反応を引き起こしやすくします。特に夜型の生活習慣が続いている場合は、自律神経にも悪影響を及ぼすことがあります。
🔸 食事の偏りや不規則な食習慣
栄養バランスの偏った食事は腸内環境を悪化させ、免疫機能の低下につながります。特に食物繊維が少なく、加工食品や脂質・糖質過多の食生活は、腸内細菌叢のバランスを崩し、アレルギー反応が起きやすくなる可能性があります。
また、食事の時間が不規則だと体内時計が乱れ、自律神経や免疫系に影響が出ることも知られています。
💧 過度な飲酒・喫煙
アルコールは血管を拡張させ、皮膚の血流を増加させる作用があるため、蕁麻疹のかゆみや膨疹を悪化させることがあります。また、アルコール自体にアレルギー反応を起こす方もいます。
喫煙は皮膚のバリア機能を低下させ、免疫系にも悪影響を与えるため、蕁麻疹を含むさまざまな皮膚疾患のリスクを高めると考えられています。
✨ 過度な入浴・熱いお風呂
温熱蕁麻疹やコリン性蕁麻疹を持っている方にとって、熱いお風呂やサウナは症状を誘発するトリガーになります。また、健康な方であっても長時間の入浴は皮膚の水分を奪い、バリア機能を低下させる可能性があります。
📌 運動不足または過度な運動
適度な運動は免疫機能を正常化させる効果がありますが、極端な運動不足や過度な運動はかえって免疫バランスを乱すことがあります。激しい運動後に蕁麻疹が出るケース(運動誘発性蕁麻疹)もあり、特に食後の運動では注意が必要です。
📝 体質改善のためにできること
蕁麻疹が出やすい体質を完全に変えることは難しいですが、生活習慣を見直すことで症状の頻度や程度を改善できる可能性があります。以下に、体質改善のために取り組めることをまとめます。
▶️ 腸内環境を整える
腸内環境の改善は、免疫機能のバランスを整えるうえで非常に重要です。発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌、ぬか漬けなど)を積極的に取り入れ、善玉菌を増やすことが効果的です。また、食物繊維を豊富に含む野菜・果物・全粒穀物などを意識的に摂取することで、腸内細菌叢のバランスを保ちやすくなります。
プロバイオティクス(乳酸菌やビフィズス菌を含むサプリメント)の活用も、腸内環境の改善に役立つとされています。ただし、乳製品にアレルギーがある方は注意が必要です。
🔹 睡眠の質を高める
毎日決まった時間に寝起きする習慣をつけ、体内時計を整えることが大切です。就寝前のスマートフォンやパソコンの使用は、ブルーライトの影響で睡眠の質を低下させるため、可能な限り控えるようにしましょう。寝室を快適な温度・湿度に保つことも、質の高い睡眠につながります。
理想的な睡眠時間は個人差がありますが、一般的に7〜8時間程度が目安とされています。
📍 ストレスを上手に管理する

ストレスを完全にゼロにすることは難しいですが、上手に発散・管理することが蕁麻疹の予防につながります。趣味の時間を設ける、軽い散歩や運動をする、瞑想や深呼吸などのリラクゼーション法を取り入れる、信頼できる人に話を聞いてもらうなど、自分に合ったストレス解消法を見つけることが大切です。
ストレスが慢性的に続く場合は、心療内科やカウンセリングを活用することも選択肢の一つです。
💫 皮膚のバリア機能を守る
皮膚が乾燥しないよう、適切な保湿ケアを行うことが重要です。入浴後はできるだけ早めに保湿剤を塗り、皮膚の水分を閉じ込めるようにしましょう。また、摩擦の少ない柔らかい素材の衣類を選ぶことや、刺激の少ない低刺激性の洗浄料・化粧品を使用することも皮膚バリアの維持に役立ちます。
紫外線も皮膚に刺激を与えるため、日焼け止めの使用や日傘・帽子による日光遮断も有効です。
🦠 トリガーを特定して避ける
蕁麻疹が起きたとき、どのような状況だったかを記録する「蕁麻疹日記」をつけることをおすすめします。食べたもの、気温・湿度、運動の有無、服用した薬、ストレスの程度などを記録することで、自分にとってのトリガーが見えてくることがあります。
トリガーが特定できれば、意識的に避けることで発症を予防できる場合があります。
👴 栄養素を意識した食事をとる
ビタミンCやビタミンD、亜鉛などは免疫機能のサポートや皮膚バリア機能の維持に関与するとされています。バランスの取れた食事を基本としながら、これらの栄養素を含む食品(野菜・果物・魚・豆類など)を積極的に摂ることを心がけましょう。
一方で、個人的にアレルギーのある食品や、ヒスタミンを多く含む食品(発酵食品、酢を多く使った料理、スパイスが強い食品など)は症状を悪化させる可能性があるため、注意が必要です。
Q. 市販薬で改善しない蕁麻疹にはどんな治療がある?
医療機関では眠気の少ない第二世代抗ヒスタミン薬を症状に合わせて処方します。効果が不十分な場合は短期的なステロイド薬が使用されることもあります。さらに難治性の慢性蕁麻疹には、IgEに結合して免疫反応を抑制する生物学的製剤オマリズマブが保険適用の条件を満たす場合に選択肢となります。
💡 蕁麻疹の治療と医療機関での対処法
体質改善や生活習慣の見直しだけでは症状のコントロールが難しい場合、医療機関での治療が必要になります。蕁麻疹の治療は皮膚科が専門ですが、アレルギー科や内科でも診てもらえる場合があります。
🔸 抗ヒスタミン薬(内服薬)
蕁麻疹の治療において最も基本的な薬は抗ヒスタミン薬です。ヒスタミンの作用をブロックすることで、かゆみや膨疹を抑えます。現在は眠気が少ない第二世代の抗ヒスタミン薬が主に使われており、症状の程度に応じて種類や用量が調整されます。
慢性蕁麻疹の場合は、症状が落ち着いた後も一定期間の継続服薬が推奨されることがあります。自己判断で薬をやめてしまうと症状が再燃することがあるため、医師の指示に従うことが大切です。
💧 ステロイド薬
抗ヒスタミン薬で効果が不十分な場合や、症状が重篤な場合には、短期間のステロイド内服薬が使用されることがあります。ただし、ステロイドの長期使用は副作用のリスクがあるため、あくまで短期的な使用にとどめるのが一般的です。
✨ 生物学的製剤(オマリズマブ)
抗ヒスタミン薬で症状をコントロールできない難治性の慢性蕁麻疹に対しては、生物学的製剤であるオマリズマブ(ゾレア)が使用できる場合があります。IgEに結合して免疫反応を抑制する注射薬で、保険適用の条件を満たす場合に使用が検討されます。
📌 原因検索のための検査
医療機関では、血液検査(総IgE・特異的IgE・甲状腺抗体・炎症マーカーなど)、皮膚テスト(プリックテスト、パッチテストなど)、負荷試験などを通じて蕁麻疹の原因を調べることができます。
食物アレルギーが疑われる場合は、除去食試験を行い、特定の食品との関連を確かめることもあります。また、ヘリコバクター・ピロリ菌の検査や、甲状腺機能の検査なども行われることがあります。
▶️ アナフィラキシーへの備え
重篤な蕁麻疹やアレルギー反応を起こしたことがある方は、万が一の際に備えてエピネフリン自己注射薬(エピペン)を処方してもらうことを医師に相談するとよいでしょう。アナフィラキシーは命に関わる緊急事態であるため、対処法を事前に知っておくことが重要です。
蕁麻疹が繰り返し起こる場合や、症状が重い場合、または喉の腫れや息苦しさを伴う場合は、すぐに医療機関を受診してください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、蕁麻疹を繰り返すことへの不安を抱えて受診される患者様が多く、原因が特定されないまま「体質だから」と長期間お悩みになっているケースも少なくありません。蕁麻疹は体質・免疫・生活習慣が複雑に絡み合う疾患ですが、丁寧な問診と検査を通じてトリガーを特定し、抗ヒスタミン薬の適切な使用や生活習慣の見直しを組み合わせることで、多くの患者様で症状のコントロールが可能となっています。「繰り返すのが当たり前」と諦めずに、まずはお気軽にご相談ください。」
✨ よくある質問
アレルギー体質(花粉症・アトピー・喘息など)がある、免疫や自律神経が乱れやすい、皮膚が敏感・乾燥しやすい、消化器系が弱いといった特徴が複数当てはまる方は、蕁麻疹が出やすい体質の可能性があります。繰り返し症状が出る場合は、専門医での検査をおすすめします。
はい、慢性蕁麻疹の多くは原因が特定できない「特発性慢性蕁麻疹」です。近年の研究では、自己免疫のメカニズムが関与していることも明らかになっています。ただし、甲状腺疾患やピロリ菌感染が背景にある場合もあるため、血液検査などで基礎疾患を確認することが重要です。
はい、ストレスは免疫系や自律神経に影響を与え、蕁麻疹を誘発・悪化させることが確認されています。「ストレスが続くと必ず蕁麻疹が出る」という経験を持つ方も多く、心身の状態と皮膚症状の関係は密接です。ストレス管理や規則正しい生活習慣の見直しが予防につながります。
腸内環境を整える(発酵食品・食物繊維の摂取)、睡眠の質を高める、ストレスを適切に管理する、皮膚の保湿ケアを行う、といった取り組みが効果的です。また、蕁麻疹が出た状況を「蕁麻疹日記」に記録してトリガーを特定し、意識的に避けることも発症予防に役立ちます。
医療機関では、眠気の少ない第二世代の抗ヒスタミン薬を症状に合わせて処方します。効果が不十分な場合は短期的なステロイド薬が使用されることもあります。難治性の慢性蕁麻疹には生物学的製剤(オマリズマブ)が適用できるケースもあります。当院では丁寧な問診と検査を通じて、一人ひとりに合った治療を提案しています。
📌 まとめ
蕁麻疹が出やすい体質には、アレルギー素因・免疫バランスの乱れ・自律神経の不調・皮膚バリアの弱さなど、さまざまな要因が絡み合っています。体質そのものをすぐに変えることは難しいですが、生活習慣の改善や適切な医療機関での治療によって、症状をコントロールすることは十分に可能です。
睡眠・食事・ストレス管理・腸内環境の改善など、日々の積み重ねが蕁麻疹の予防と体質改善につながります。繰り返し蕁麻疹が起こる場合は、一人で悩まず早めに専門医に相談し、原因の特定と適切な治療を受けることをおすすめします。
アイシークリニック渋谷院では、皮膚症状に関するお悩みに対して丁寧に対応しております。蕁麻疹の繰り返しや体質に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
📚 関連記事
- ストレスで赤い斑点が出る原因と対処法|皮膚症状を正しく理解しよう
- アレルギー検査はどこでできる?受診先の選び方と検査内容を解説
- 皮膚の乾燥・かゆみは季節性が原因?症状と対策を徹底解説
- ジアミンアレルギーとは?原因・症状・対処法を医師が解説
- 季節の変わり目に起こる肌荒れ・赤みの原因と対策を徹底解説
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 蕁麻疹の定義・分類(急性・慢性・物理性蕁麻疹)、診断基準、抗ヒスタミン薬やオマリズマブによる治療方針に関する情報
- 厚生労働省 – 皮膚疾患における免疫・アレルギー反応のメカニズム、慢性蕁麻疹の自己免疫との関連、医療機関での検査・対処法に関する情報
- PubMed – 慢性蕁麻疹における自己免疫メカニズム・マスト細胞のヒスタミン放出・生物学的製剤(オマリズマブ)の有効性に関する国際的な研究論文
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務