日焼け止めは紫外線から肌を守るために欠かせないアイテムですが、敏感肌の方にとっては「塗るとかゆくなる」「赤みが出る」「ヒリヒリする」といったトラブルが起きやすく、使うこと自体を諦めてしまっている方も少なくありません。しかし、紫外線は肌の老化や色素沈着、さらには皮膚がんのリスクとも関係しており、紫外線対策をしないことは敏感肌にとってもデメリットが大きいのが現実です。本記事では、敏感肌の方が日焼け止めを選ぶ際のポイント、成分の見方、正しい使い方、そして肌への負担を減らすためのスキンケア方法まで、皮膚科学の観点から詳しく解説します。
目次
- 敏感肌とはどのような状態か
- 紫外線が敏感肌に与える影響
- 日焼け止めの種類と仕組み
- 敏感肌が避けるべき成分
- 敏感肌に向いている日焼け止めの成分
- 日焼け止めの選び方・チェックポイント
- SPFとPAの正しい理解と選び方
- 敏感肌への正しい日焼け止めの塗り方
- 日焼け止めのクレンジング・洗い方のコツ
- 日焼け止めと合わせたい日常スキンケア
- 日焼け止めによる肌トラブルが起きたときの対処法
- まとめ
この記事のポイント
敏感肌の日焼け止めは酸化亜鉛・酸化チタンを使ったノンケミカルタイプを基本に、無香料・アルコールフリー・保湿成分配合の製品を選ぶことが重要。SPFは日常使いにSPF30、屋外活動にSPF50と使い分け、正しい塗り方・クレンジング・スキンケアでバリア機能を維持することが肌トラブル予防の核心。繰り返しトラブルが起きる場合は皮膚科での専門的なパッチテストが有効。
🎯 敏感肌とはどのような状態か
敏感肌とは、医学的に定義された明確な疾患名ではなく、「外部からの刺激に対して肌が過剰に反応しやすい状態」を指す総称です。健康な肌はバリア機能が正常に機能しており、紫外線・摩擦・化学物質・温度変化などの外的刺激から肌を守ることができます。しかし、敏感肌の方はこのバリア機能が低下しているため、通常では問題にならないような刺激でも、かゆみ・赤み・灼熱感・乾燥・炎症などの症状が現れやすくなります。
敏感肌になる原因はさまざまです。生まれつき肌が薄くバリア機能が弱い体質的なものから、アトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎・酒さ(ロザセア)などの皮膚疾患が背景にある場合もあります。また、過剰な洗顔や摩擦、誤ったスキンケア、睡眠不足、ストレス、季節の変わり目なども敏感肌を引き起こしたり悪化させたりする要因になります。
敏感肌の状態は一定ではなく、体調や季節、ホルモンバランスの変化によっても揺れ動きます。そのため、以前は使えていた日焼け止めが急に合わなくなったり、逆に敏感肌用と書かれていても自分の肌に合わないことがあったりと、個人差が非常に大きいのが特徴です。自分の肌の状態を正しく把握し、それに合った製品を選ぶことが重要です。
Q. 敏感肌に日焼け止めが必要な理由は?
敏感肌はバリア機能が低下しているため、紫外線による炎症や色素沈着が健康な肌より強く出やすい傾向があります。紫外線はシミ・シワなどの光老化や皮膚がんリスクとも関係するため、肌に合った製品を選んで毎日継続使用することが、長期的な肌の健康を守るために不可欠です。
📋 紫外線が敏感肌に与える影響
紫外線はUVA(波長320〜400nm)とUVB(波長280〜320nm)の2種類に大別されます。UVBは皮膚の表面層(表皮)に作用し、日焼けによる赤みや炎症(サンバーン)を引き起こす主な原因です。一方、UVAは肌の深部(真皮)まで届き、コラーゲンやエラスチンを変性させることで肌のハリや弾力を低下させ、シワやたるみ、くすみといった光老化を引き起こします。
敏感肌の方にとって紫外線は特に注意が必要です。バリア機能が低下した状態では、紫外線による炎症反応が健康な肌以上に強く出やすく、軽い日焼けでも強い赤みや灼熱感、さらには色素沈着(シミ・そばかす)につながりやすいのです。また、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患がある方では、紫外線が皮膚の免疫機能に影響を与え、症状を悪化させることもあります。
さらに、紫外線による活性酸素の発生は、肌細胞のDNAを傷つけ、長期的には皮膚がんのリスク因子にもなります。敏感肌だからといって日焼け止めを諦めるのではなく、肌に合った製品を選んで毎日の紫外線対策を続けることが、長期的な肌の健康を守るために不可欠です。
💊 日焼け止めの種類と仕組み
日焼け止めには大きく分けて「紫外線吸収剤」を使ったタイプと「紫外線散乱剤」を使ったタイプ、そしてその両方を組み合わせたタイプがあります。それぞれの仕組みを理解しておくことで、敏感肌に適した製品を選びやすくなります。
紫外線吸収剤は、紫外線を化学的に吸収し、熱エネルギーなどに変換して放出することでUVをカットする成分です。塗り心地が軽くなじみやすいというメリットがありますが、化学反応を起こす性質上、肌への刺激になることがあり、敏感肌の方が肌トラブルを起こしやすいのはこのタイプの製品であることが少なくありません。代表的な成分としては、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(オクチルメトキシシナメート)、オキシベンゾン(ベンゾフェノン-3)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルなどがあります。
紫外線散乱剤は、酸化亜鉛(亜鉛華)や酸化チタンといったミネラル成分が、肌の表面に薄い膜を形成し、紫外線を物理的に反射・散乱させることでUVをカットします。化学反応を起こさないため、肌への刺激が少なく、敏感肌の方や赤ちゃん、妊娠中の方にも使いやすいとされています。ただし、白浮きしやすかったり、塗り心地がやや重かったりするデメリットもあります。近年ではナノ化・微粒子化によって白浮きを軽減した製品も増えています。
ノンケミカル(紫外線吸収剤不使用)と記載された製品は、紫外線散乱剤のみを使用したものです。敏感肌の方がまず試してみるべき選択肢として多くの皮膚科医が推奨しています。
Q. 敏感肌が避けるべき日焼け止め成分は?
敏感肌の方は、接触性皮膚炎を引き起こしやすいオキシベンゾン(ベンゾフェノン-3)や、光アレルギーの原因となりうるメトキシケイヒ酸エチルヘキシルなどの紫外線吸収剤は避けることが推奨されます。加えて、肌バリアを低下させるアルコール(エタノール)、合成香料・着色料・パラベン類も注意が必要です。
🏥 敏感肌が避けるべき成分
敏感肌の方が日焼け止めを選ぶ際、成分表示を確認することはとても重要です。以下に、敏感肌への刺激になりやすい成分を挙げます。製品を購入する前に成分表示(全成分表示)をチェックする習慣をつけましょう。
オキシベンゾン(ベンゾフェノン-3)は、紫外線吸収剤の中でも接触性皮膚炎(かぶれ)を引き起こしやすいとされる成分です。アメリカのFDAでも安全性について議論されており、敏感肌や小児・妊婦への使用は慎重に考える必要があります。日本国内でも使用されている成分ですが、敏感肌の方はできれば避けたほうが無難です。
メトキシケイヒ酸エチルヘキシルは、市販の日焼け止めに最も広く使われている紫外線吸収剤です。UVBのカット効果が高く安価なため多くの製品に配合されていますが、光アレルギー反応を引き起こすことがあり、敏感肌の方に合わない場合があります。
アルコール(エタノール)は揮発性が高く、肌のバリア機能を一時的に低下させる可能性があり、敏感肌や乾燥肌の方には刺激になることがあります。「アルコールフリー」と表示された製品を選ぶと安心です。
合成香料・着色料は、日焼け止めの使用感を向上させるために添加されることがありますが、アレルギー反応や接触性皮膚炎の原因になりやすい成分です。「無香料・無着色」の製品を選ぶことをおすすめします。
パラベン類(防腐剤)も接触性皮膚炎の原因として知られており、過去にパラベンでかぶれたことがある方は「パラベンフリー」の製品を選びましょう。ただし、パラベン代替防腐剤の中にも刺激になるものがあるため、成分全体をチェックすることが大切です。
精油・植物エキスはナチュラル・オーガニック系の製品によく含まれていますが、ラベンダー精油・ティーツリー油・シトラス系精油など、一部のものはアレルギーや光感作を引き起こすことがあります。「天然成分だから安全」とは限らないため注意が必要です。
⚠️ 敏感肌に向いている日焼け止めの成分
一方で、敏感肌の方でも比較的使いやすいとされる成分があります。以下の成分が含まれているかどうかを確認すると、製品選びの参考になります。
酸化亜鉛(亜鉛華)は、紫外線散乱剤として機能しながら、抗炎症作用や抗菌作用も持ち合わせているミネラル成分です。UVAとUVBの両方に対して広いスペクトルでカバーできることも特長で、敏感肌・アトピー肌・赤ちゃんの肌にも使いやすいとされています。
酸化チタンも紫外線散乱剤として広く使われる安全性の高いミネラル成分です。主にUVBのカット効果が高く、酸化亜鉛と組み合わせることでUVA・UVBの両方をバランスよくカバーできます。ナノ化処理されたものは白浮きが少なく使いやすくなっています。
ヒアルロン酸・グリセリン・セラミドなどの保湿成分が配合された日焼け止めは、紫外線ケアと同時に肌の水分保持をサポートしてくれます。敏感肌は乾燥しやすい傾向があるため、保湿効果のある日焼け止めは一石二鳥の存在です。
ナイアシンアミドは、肌のバリア機能をサポートしながら美白効果(メラニン生成抑制)も期待できる成分で、敏感肌との相性が良いとされています。一部の日焼け止め製品に配合されており、日焼け止め以外のスキンケアと組み合わせて使うことも多い成分です。
パンテノール(プロビタミンB5)は肌の修復・保湿をサポートする成分で、炎症を抑える効果も報告されています。敏感肌・乾燥肌にとって有益な成分のひとつです。
🔍 日焼け止めの選び方・チェックポイント
敏感肌の方が日焼け止めを選ぶ際は、以下のチェックポイントを参考にしてください。
まず「ノンケミカル(紫外線吸収剤不使用)」の表示を確認しましょう。これは酸化亜鉛や酸化チタンなどの紫外線散乱剤のみでUVをカットする製品であることを示しており、敏感肌の方にとって第一の選択肢となります。
「無香料・無着色・アルコールフリー・パラベンフリー」などの表示も重要なチェックポイントです。これらの成分が入っていない製品は、敏感肌の方が肌トラブルを起こすリスクを下げてくれます。
「皮膚科医テスト済み」「アレルギーテスト済み」「パッチテスト済み」などの表示がある製品は、開発段階で肌への安全性を確認するテストが行われているため、ひとつの目安になります。ただしこれらのテストはあくまでも目安であり、すべての人に対してアレルギーが起きないことを保証するものではありません。
テクスチャー(剤型)も重要です。日焼け止めにはクリーム・乳液・ジェル・スプレー・スティックなどさまざまな剤型があります。敏感肌には水分を多く含むジェルタイプよりも、保湿成分が豊富なクリームや乳液タイプのほうが向いている場合が多いです。スプレータイプは塗りムラになりやすいため注意が必要です。
新しい日焼け止めを試す際は、必ずパッチテストを行うことをおすすめします。腕の内側など皮膚が薄くて目立たない部分に少量を塗り、24〜48時間後に赤み・かゆみ・腫れなどの反応がないかを確認してから顔や全身への使用に移りましょう。
Q. 敏感肌向けのSPF・PAの選び方は?
敏感肌の方は、日常のオフィスワークや軽い外出にはSPF30・PA++程度で十分なことが多いです。海水浴や屋外スポーツなど長時間強い紫外線を浴びる場面ではSPF50・PA++++を選びましょう。数値が高いほど肌への負担も増える場合があるため、シーンに合わせた使い分けが重要です。
📝 SPFとPAの正しい理解と選び方
日焼け止めを選ぶ際によく目にするSPFとPAという指標について、正しく理解しておきましょう。
SPF(Sun Protection Factor)は、主にUVBに対する防御効果を示す指標です。数値が高いほどUVBをカットする効果が高く、SPF1あたり約10〜20分の日焼けまでの時間を延長できるとされています。SPF50の場合、理論上は500〜1000分間のUVB防御効果があることになりますが、実際には汗・皮脂・摩擦などで落ちてしまうため、2〜3時間ごとに塗り直すことが推奨されています。
PA(Protection Grade of UVA)は、UVAに対する防御効果を示す日本独自の指標で、「+」の数が多いほど防御力が高くなります。PA+からPA++++まであり、シミ・シワ・くすみなどの光老化予防にはUVAのカットが重要なため、PAの値も確認することが大切です。
敏感肌の方がSPF・PAを選ぶ際のポイントとして、「高ければ高いほど良い」とは言い切れない面があります。SPF・PAが高い製品ほど配合される紫外線カット成分の量が多くなり、それだけ肌への負担も増える場合があります。毎日のオフィスワークや軽い外出であればSPF30・PA++程度で十分なことが多く、海水浴や屋外でのスポーツなど長時間強い紫外線に当たる場合はSPF50・PA++++を選ぶなど、シーンに合わせて使い分けることが敏感肌への負担を減らすポイントです。
また、SPFが高い製品は肌への密着性を高めるためにウォータープルーフ処方になっていることが多く、クレンジング時の摩擦が増えて肌負担になる場合もあります。日常使いにはSPF30〜50程度の落としやすい製品を選び、必要に応じて使い分けることをおすすめします。
💡 敏感肌への正しい日焼け止めの塗り方
どれほど肌に合った日焼け止めを選んでも、塗り方が間違っていては効果が半減するうえ、肌への刺激を増やしてしまうこともあります。敏感肌の方が意識したい正しい塗り方を確認しましょう。
まず、日焼け止めを塗るタイミングについてです。日焼け止めは外出の15〜30分前に塗るのが理想とされています。これは、紫外線散乱剤タイプの場合は塗ってすぐに効果を発揮しますが、肌への密着を高めるために時間を置くほうが確実だからです。また、保湿ケア後に塗る場合は、化粧水・乳液・クリームが肌に十分なじんでから日焼け止めを塗るようにしましょう。
量については「少なすぎる」ことが最も多い失敗パターンです。顔全体に使う場合は1〜2円玉大(約0.5〜1g)を目安にしてください。少量しか塗らないと、SPF50と書かれていても実際にはSPF10程度の効果しか得られないこともあります。
塗り方は「優しく・ムラなく」が基本です。敏感肌の方は摩擦が大敵なので、こすらずに指の腹を使ってそっとなじませましょう。顔全体に薄く均一に広げたら、特に日焼けしやすい頬・鼻・額・あごのTゾーン・Cゾーンはもう一層重ね塗りをすると効果的です。首筋・耳の後ろ・手の甲なども忘れやすいので注意しましょう。
塗り直しについては、屋外での活動中は2〜3時間ごと、または汗をかいたり水に触れたりした後に行うことが推奨されます。塗り直しの際も、古い日焼け止めの上からそっと重ね塗りするだけでOKです。ただし、ウォータープルーフタイプを重ね塗りし続けると汚れが蓄積して毛穴詰まりの原因になることもあるため、長時間の外出後はしっかり落とすことを心がけましょう。
✨ 日焼け止めのクレンジング・洗い方のコツ
敏感肌の方にとって、日焼け止めを落とす「クレンジング」は肌への摩擦や刺激を伴いやすく、実はスキンケアの中でもダメージを受けやすい工程です。正しいクレンジング方法を身につけることで、肌のバリア機能を守ることができます。
まず、日焼け止めの種類によって落とし方を変えることが重要です。近年市販されている日焼け止めの多くは「石けんオフ(石けん・洗顔料で落とせる)」タイプで、通常のクレンジングなしに洗顔料だけで落とすことができます。製品のパッケージやホームページで「石けんで落とせる」と記載されているものは、洗顔料のみで対応し、クレンジングの工程を省くことで摩擦と乾燥を最小限にできます。
ウォータープルーフタイプや落ちにくいタイプの日焼け止めにはクレンジングが必要です。敏感肌の方にはオイルクレンジングよりも、洗浄力が穏やかでありながら油性成分も落としやすいミルクタイプ・クリームタイプ・バームタイプのクレンジングが向いています。洗い上がりがつっぱらず、しっとりとした感触のものを選ぶと良いでしょう。
クレンジングの際は、まず手をきれいに洗い、乾いた肌にクレンジング剤をのせてから、やさしくくるくると円を描くように動かして日焼け止めをなじませます。ゴシゴシこすらず、指の腹で「浮かせる」イメージで行いましょう。その後、ぬるま湯(38度前後)でしっかりすすぎます。熱いお湯は肌の乾燥を招くため避けてください。
クレンジング後は速やかに保湿ケアを行いましょう。クレンジングによって肌の水分と油分が流れ出ているため、タオルで押さえるように水気をとったあと、すぐに化粧水・乳液・クリームなどで保湿することが大切です。
Q. 日焼け止めで肌トラブルが起きたときの対処は?
日焼け止め使用後に赤みやかゆみが出た場合は、すぐにぬるま湯で優しく洗い流し、刺激の少ない保湿剤で肌を保護してください。症状が1〜2日以上続く場合や、水ぶくれ・腫れ・発熱を伴う場合は皮膚科を受診しましょう。アイシークリニックではパッチテストによる原因成分の特定など、専門的なご相談にも対応しています。
📌 日焼け止めと合わせたい日常スキンケア

敏感肌の方が日焼け止めを安心して使い続けるためには、日常のスキンケアでバリア機能を高め、肌の土台を整えることが不可欠です。以下に、日焼け止めと合わせて実践したいスキンケアのポイントを紹介します。
洗顔は肌への刺激が最も集中する工程です。敏感肌の方は、洗浄力の強いもの・研磨剤(スクラブ)が入ったもの・泡立てが少なくて済む「洗い流し不要」タイプなどは避け、低刺激でアミノ酸系の洗浄成分を使ったマイルドな洗顔料を選びましょう。また、洗顔は朝・夜の1日2回を基本とし、必要以上に洗い過ぎないことが大切です。
保湿ケアは敏感肌ケアの核心です。バリア機能の回復・維持には、セラミド・ヒアルロン酸・グリセリン・コレステロール・フィラグリンといった保湿成分を含む化粧水・乳液・クリームを使うことが効果的です。特にセラミドは肌のバリア機能を構成する重要な脂質成分で、敏感肌の方に積極的に取り入れてほしい成分です。
スキンケアアイテムは少数精鋭に絞ることも大切です。多くのアイテムを重ね付けすればするほど、肌への刺激成分との接触機会が増えます。洗顔料・化粧水・乳液または保湿クリーム・日焼け止めという最低限のラインナップから始め、肌の状態を見ながら必要なアイテムを追加するようにしましょう。
食事・睡眠・ストレス管理も肌のバリア機能に影響します。睡眠中には成長ホルモンの分泌が高まり、肌の修復・再生が促されます。また、オメガ3脂肪酸(青魚・亜麻仁油など)やビタミンC・ビタミンE・亜鉛などの栄養素は肌の炎症を抑えてバリア機能をサポートするとされています。インナーケアとアウタースキンケアを組み合わせることで、敏感肌の根本的な改善につながります。
また、物理的な紫外線対策として、帽子・サングラス・UVカット加工の衣類・日傘を活用することも有効です。日焼け止めだけに頼らず、これらを組み合わせることで肌への日焼け止めの塗布量を減らしながらも十分な紫外線防御が期待できます。
🎯 日焼け止めによる肌トラブルが起きたときの対処法
日焼け止めを塗った後に赤み・かゆみ・ヒリヒリ感・ブツブツなどの症状が現れた場合は、適切に対処することが重要です。症状を悪化させないためのステップを確認しておきましょう。
まず、症状が現れたらすぐに日焼け止めを洗い流してください。肌を傷つけないよう、ぬるま湯で優しく洗い流しましょう。その後、刺激の少ない保湿剤を薄く塗って肌を保護します。
かゆみや赤みが強い場合は、清潔なガーゼをぬるま湯で湿らせて肌に当て、冷やすことで症状を緩和できます。ただし氷や冷たすぎる水は毛細血管を収縮させて回復を妨げることがあるため、避けてください。
症状が軽度であれば1〜2日で落ち着くことが多いですが、症状が重かったり長引いたりする場合は皮膚科を受診することをおすすめします。特に水ぶくれ・強い腫れ・発熱を伴う場合は早急に受診が必要です。皮膚科では、アレルギー反応の原因成分を特定するためのパッチテスト(貼付試験)を行うこともできます。原因成分が特定できれば、その成分を含まない製品を選ぶことで再発を防ぐことができます。
日焼け止めによる肌トラブルの原因は大きく2種類に分けられます。ひとつは「刺激性接触皮膚炎」で、成分の化学的刺激によって誰にでも起こりうる反応です。もうひとつは「アレルギー性接触皮膚炎」で、特定の成分に対する免疫反応(アレルギー)によって起こるもので、以前は問題なく使えていても突然発症することがあります。どちらの場合も、原因成分を含まない製品に切り替えることが根本的な解決策となります。
敏感肌の方で日焼け止め選びに迷っている場合や、繰り返しトラブルが起きている場合は、自己判断で製品を選び続けるよりも、皮膚科・美容皮膚科を受診して専門家の意見を仰ぐことをおすすめします。自分の肌質・アレルギー体質・皮膚疾患の有無に応じた適切な製品選びのアドバイスを受けることで、肌トラブルのリスクを大幅に減らすことができます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、日焼け止めによる肌荒れを心配してUVケアを諦めてしまっている敏感肌の患者様からのご相談を多くいただきます。紫外線は光老化や色素沈着の大きな要因となるため、肌に合った製品を見つけて継続することがとても大切で、まずはノンケミカルタイプの日焼け止めから試していただくことをお勧めしています。繰り返しトラブルが起きる場合はご自身で判断するよりも、パッチテストによる原因成分の特定など専門的なアプローチが近道になりますので、どうぞお気軽にご相談ください。」
📋 よくある質問
はい、敏感肌だからこそ紫外線対策は重要です。バリア機能が低下した敏感肌は、紫外線による炎症や色素沈着が健康な肌より強く出やすい傾向があります。紫外線は光老化や皮膚がんのリスクとも関係するため、肌に合った製品を選んで毎日継続して使用することが、長期的な肌の健康を守るために不可欠です。
酸化亜鉛・酸化チタンを主成分とする「ノンケミカル(紫外線吸収剤不使用)」タイプが敏感肌の方に適しています。これらは化学反応を起こさず紫外線を物理的に反射するため、肌への刺激が少ないとされています。また、セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が配合された製品を選ぶと、バリア機能の維持にも役立ちます。
日常の外出やオフィスワーク程度であればSPF30・PA++程度で十分なことが多いです。海水浴や屋外スポーツなど長時間強い紫外線を浴びる場合はSPF50・PA++++を選びましょう。数値が高いほど肌への負担も増える場合があるため、シーンに合わせて使い分けることが敏感肌への負担を減らすポイントです。
接触性皮膚炎を引き起こしやすいオキシベンゾン(ベンゾフェノン-3)や、光アレルギー反応の原因となりうるメトキシケイヒ酸エチルヘキシルなどの紫外線吸収剤は避けることをおすすめします。また、肌のバリア機能を低下させるアルコール(エタノール)、アレルギー反応の原因になりやすい合成香料・着色料・パラベン類も注意が必要です。
まずすぐにぬるま湯で優しく洗い流し、刺激の少ない保湿剤で肌を保護してください。かゆみや赤みが強い場合は、湿らせたガーゼで患部を冷やすと症状が和らぎます。症状が1〜2日以上続く場合や、水ぶくれ・腫れ・発熱を伴う場合は皮膚科を受診してください。アイシークリニックでは、パッチテストによる原因成分の特定など専門的なご相談にも対応しております。
💊 まとめ
敏感肌の方が日焼け止めを選ぶ際には、紫外線吸収剤を使わない「ノンケミカル(紫外線散乱剤のみ)」タイプを基本とし、無香料・無着色・アルコールフリー・パラベンフリーなどの表示を確認することが大切です。酸化亜鉛・酸化チタンを有効成分とし、保湿成分を含む製品を選ぶことで、紫外線から肌を守りながら肌の乾燥やバリア機能低下を防ぐことができます。
SPFやPAの数値については、日常使いにはSPF30・PA++程度から始め、アウトドアや海辺など紫外線が強い環境ではSPF50・PA++++を使い分けることで、必要以上に肌へ負担をかけずに紫外線対策ができます。塗り方・塗り直し・クレンジングの方法を正しく実践し、日常のスキンケアでバリア機能を整えることが敏感肌の紫外線対策の要となります。
日焼け止めによる肌トラブルが起きた場合は速やかに使用を中止し、症状が続く場合は皮膚科を受診しましょう。アイシークリニック渋谷院では、肌の状態に合わせた日焼け止めの選び方や、敏感肌・肌トラブルに関するご相談を承っております。紫外線ダメージによるシミ・くすみ・色素沈着のケアについても、お気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 敏感肌・接触性皮膚炎・アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患に関する診療ガイドライン、およびバリア機能・紫外線による皮膚への影響に関する学術的根拠として参照
- 厚生労働省 – 日焼け止め製品(化粧品・医薬部外品)の成分規制・SPF・PAなどの表示基準、および紫外線吸収剤・散乱剤の安全性に関する薬事行政上の根拠として参照
- PubMed – 酸化亜鉛・酸化チタンなどミネラル系紫外線散乱剤の安全性、紫外線と皮膚がんリスク・光老化の関連、およびオキシベンゾン等紫外線吸収剤による接触性皮膚炎に関する国際的な査読済み医学文献として参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務