頬の上の方に青みがかったくすんだシミが気になっていませんか?
💬 「ハイドロキノンを塗り続けているのに、全然薄くならない…」
そう感じているなら、それはただのシミじゃないかもしれません。
実はそのシミ、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)という皮膚の深部にできる特殊なシミである可能性があります。
ハイドロキノンはシミ治療の定番ですが、ADMには効果が限定的なことも。この記事を読めば、なぜ効かないのか・何をすれば治るのかがわかります。
🚨 こんな方はこの記事を読んでください!
✅ 頬の上部に青みがかった・くすんだシミがある
✅ ハイドロキノンを使っても効果が感じられない
✅ シミが20〜30代から出てきた気がする
✅ 「肝斑」と言われたが治療がうまくいかない
目次
- ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)とは
- ハイドロキノンとはどんな成分か
- ADMにハイドロキノンは効果があるのか
- ハイドロキノンが効きにくい理由:皮膚の構造から考える
- ADMに対するハイドロキノンの適切な使い方
- ADMの主な治療法:レーザー治療との組み合わせ
- ハイドロキノン使用時の注意点と副作用
- ADMと他のシミとの見分け方
- 治療を始める前に知っておきたいこと
- まとめ
💡 この記事のポイント
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は真皮に存在するシミのため、ハイドロキノン単独では効果が限定的であり、Qスイッチレーザーやピコレーザーによるレーザー治療が最も有効。ハイドロキノンはレーザー後の炎症後色素沈着予防など補助的役割を担う。正確な診断が治療の出発点となる。
💡 ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)とは
ADMとは「Acquired Dermal Melanocytosis(後天性真皮メラノサイトーシス)」の略称で、皮膚の深い層である「真皮」にメラノサイト(色素細胞)が存在し、メラニン色素を産生することによって生じるシミの一種です。
ADMが現れる場所は、主に頬骨の上あたりや、こめかみ、額の外側、鼻の付け根周辺です。両頬に左右対称にできることが多く、一見すると肝斑(かんぱん)と混同されやすい点が特徴です。色調は青みがかったグレーや灰褐色、茶色などさまざまで、境界が比較的はっきりしているものが多く見られます。
ADMという名称の通り、「後天性」つまり生まれつきではなく、生後しばらくしてから発症します。多くの場合は10代後半から20代にかけて発症することが多いとされていますが、30代以降に気づくケースも少なくありません。また、女性に多く見られる傾向があります。
ADMの正確な発症メカニズムはまだ完全には解明されていませんが、遺伝的な素因が強く関わっていると考えられています。紫外線、ホルモンバランスの乱れ、摩擦などの環境要因も発症や悪化に影響する可能性があると言われています。
ADMが他のシミと大きく異なるのは、色素が皮膚の表皮(ひょうひ)ではなく真皮(しんぴ)に存在するという点です。この違いが治療の難しさと深く関係しています。一般的なシミ(老人性色素斑など)は表皮に色素が溜まっているため、外用薬や光治療などで比較的アプローチしやすいのですが、ADMは真皮レベルにあるため、外からのアプローチが届きにくいのです。
Q. ADMとはどのようなシミですか?
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、皮膚の深い層である真皮にメラノサイトが存在してメラニンを産生するシミです。主に両頬に左右対称に現れ、青みがかったグレーや灰褐色が特徴です。10代後半〜20代での発症が多く、女性に多く見られます。
📌 ハイドロキノンとはどんな成分か
ハイドロキノン(Hydroquinone)は、シミやくすみの改善を目的として使用される美白成分のひとつです。「肌の漂白剤」とも呼ばれることがあり、その強力な美白効果から美容皮膚科での使用が多くなっています。
ハイドロキノンの主な作用は、メラニンの生成を抑制することにあります。皮膚の中でメラニンを作り出すメラノサイトという細胞の働きを抑えたり、メラニンの合成に関わる酵素であるチロシナーゼの活性を阻害したりすることで、シミや色素沈着を薄くしていきます。また、一部のメラノサイトに直接的なダメージを与えることで色素産生を抑える働きもあると言われています。
日本では市販品として1〜2%程度の濃度のハイドロキノン配合製品が流通しており、医療機関では4〜8%程度のより高濃度のものが処方されることもあります。高濃度のハイドロキノンは効果が強い一方で、副作用のリスクも高まるため、医師の管理のもとで使用することが大切です。
ハイドロキノンが効果を発揮するシミとしては、老人性色素斑(いわゆる「シミ」)、肝斑、炎症後色素沈着(ニキビ跡などのシミ)などが挙げられます。これらはいずれも表皮における色素異常であるため、ハイドロキノンの外用が比較的効果を発揮しやすい傾向にあります。
一方で、ハイドロキノンは酸化しやすく、日光や空気に触れることで変質しやすいという特性を持っています。保管方法や使用方法を正しく守らないと、成分が分解されて効果が落ちてしまうこともあります。また、刺激性が高いため、肌が弱い方や敏感肌の方は慎重に使用する必要があります。
✨ ADMにハイドロキノンは効果があるのか
ADMに対してハイドロキノンを使用した場合の効果についてですが、正直に言えば、ハイドロキノン単独での治療では限界があります。完全に消すことは難しく、薄くなる効果も個人差が大きいとされています。
その理由は、ADMが真皮に存在するシミであるという特性にあります。ハイドロキノンは外用薬ですから、塗布した成分が皮膚に浸透して効果を発揮します。しかし、成分が真皮まで十分に到達することは難しく、真皮に存在するメラノサイトには届きにくいのです。
ただし、「全く意味がない」というわけでもありません。ハイドロキノンには表皮での新たなメラニン産生を抑制する働きがあるため、レーザー治療後の色素沈着(炎症後色素沈着)を予防・抑制したりするために使用されることがあります。つまり、ADMに対してハイドロキノンは補助的な役割を担うと考えるのが適切です。
また、ADMには肝斑が合併していることも少なくありません。肝斑はハイドロキノンが比較的効きやすいシミのひとつですから、ADMと肝斑が混在している場合には、ハイドロキノンの使用が肝斑部分に対して一定の効果をもたらすことがあります。診断をしっかり行い、混在するシミの種類に応じた治療計画を立てることが大切です。
Q. ADMにハイドロキノンが効きにくい理由は何ですか?
ハイドロキノンは外用薬のため、主に表皮レベルで作用します。ADMの色素細胞は表皮の下の真皮に存在するため、塗布した成分が十分な濃度で届くことが困難です。この「深さの問題」がADMへのハイドロキノン単独治療の効果を限定的にしている主な理由です。
🔍 ハイドロキノンが効きにくい理由:皮膚の構造から考える
なぜADMにハイドロキノンが効きにくいのかを理解するには、皮膚の構造についての基本的な知識が助けになります。
皮膚は大きく分けて、外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層で構成されています。表皮はさらにいくつかの層(基底層、有棘層、顆粒層、角質層)に分かれており、その一番内側の基底層にメラノサイトが存在しています。一般的なシミは、この表皮の中でメラニンが過剰に産生・蓄積されることで生じます。
ハイドロキノンなどの外用薬は、皮膚の表面から浸透して主に表皮レベルで作用します。角質層からある程度の浸透は見込めますが、その効果が及ぶ深さには限界があり、真皮にまで十分な濃度で届けることは非常に困難です。
ADMでは、真皮の中にメラノサイトが存在してメラニンを産生しています。この真皮は表皮の下に位置する結合組織の層で、膠原繊維(コラーゲン)や弾力繊維(エラスチン)が豊富に含まれています。真皮に存在するメラノサイトは、表皮のメラノサイトとは異なる環境下にあるため、外用薬による影響を受けにくい状態にあります。
この「深さの問題」こそが、ADMの治療を難しくしている最大の要因です。外用薬だけでは届かない場所にあるため、治療にはより深部まで作用できる手段が必要になってきます。この点で、レーザー治療が重要な役割を果たすことになります。
また、ADMのシミ細胞(真皮内のメラノサイト)は通常の代謝サイクルによって自然に排出されるわけではないため、色素が長期間にわたって真皮に残り続ける傾向があります。これも治療が難航する一因です。
💪 ADMに対するハイドロキノンの適切な使い方
効果が限定的であるとはいえ、ADMの治療過程においてハイドロキノンが全く不要というわけではありません。適切な場面で適切に使用することで、治療のサポート役として活用できます。
まず、レーザー治療の前後における使用についてです。ADMに対してレーザー治療を行うと、照射部位に一時的な炎症が生じることがあります。この炎症が引き金となり、表皮での色素産生が過剰になる「炎症後色素沈着(PIH)」が起こることがあります。ハイドロキノンはこの炎症後色素沈着を予防・改善する目的で、レーザー治療の前後に処方されることがあります。特にADMのようなシミはもともと色素が多い状態ですから、レーザー後のPIHリスクを下げる取り組みは非常に重要です。
次に、肝斑の合併への対応です。ADMと肝斑が共存しているケースは珍しくありません。肝斑に対してはハイドロキノンが有効なため、医師が診断のうえで肝斑部分への使用を指示することがあります。ただし、肝斑は摩擦や刺激によって悪化することがあるため、ていねいな塗り方を心がける必要があります。
ハイドロキノンを使用する際の基本的なポイントとしては、以下のことが挙げられます。洗顔後に清潔な状態にしてから、気になる部分に薄く塗り広げます。量が多ければ効果が高まるというわけではなく、過剰な使用は刺激やかぶれの原因になります。使用する時間帯は、日中の使用後には必ず紫外線対策を行う必要があります。ハイドロキノンを使用している肌は紫外線によるダメージを受けやすくなっているため、日焼け止めの使用は欠かせません。また、連続使用できる期間には目安があり、一般的には3〜6ヶ月を目安に使用し、その後は一定期間の休薬を設けることが推奨されています。
Q. ADMの治療にレーザーが使われる理由は?
ADMは真皮深くに色素が存在するため、外用薬では届きません。QスイッチレーザーやピコレーザーはADMの色素まで届く波長と出力を持ち、真皮内のメラニンを選択的に破壊できます。一般的に数回〜10回程度、1〜3ヶ月間隔で施術を重ねることで改善を目指します。
🎯 ADMの主な治療法:レーザー治療との組み合わせ
ADMに対して現在最も効果的とされている治療法は、Qスイッチレーザーやピコレーザーによるレーザー治療です。これらのレーザーは真皮にまで届く波長と出力を持ち、真皮内に存在するメラニンを選択的に破壊することができます。
Qスイッチレーザーとは、非常に短いパルス幅(ナノ秒単位)でエネルギーを照射するレーザーです。メラニン色素に選択的に吸収される波長(Nd:YAGレーザーの1064nm、またはルビーレーザーの694nmなど)を使用することで、周囲の皮膚へのダメージを最小限に抑えながら、色素細胞を破壊することができます。ADMの治療において長年の実績があります。
ピコレーザーは、Qスイッチレーザーよりもさらに短いパルス幅(ピコ秒単位、つまり1兆分の1秒)でエネルギーを照射するレーザーです。パルス幅が極めて短いため、熱によるダメージが少なく、色素をより細かく砕くことができます。これにより、炎症後色素沈着(PIH)のリスクを低減しつつ、より効果的に色素を分解できると言われています。特にADMのように真皮に深く存在する色素に対して、ピコレーザーは有望な選択肢として注目されています。
レーザー治療を行う際には、まず正確な診断が不可欠です。ADMと肝斑は見た目が似ているため混同されやすいのですが、治療法が大きく異なります。肝斑に対してレーザーの高い出力で照射すると、色素沈着が悪化するリスクがあります。一方、ADMにはレーザー治療が有効です。専門の医師による丁寧な診察と診断のもとで治療を受けることが、治療の成功において非常に重要です。
レーザー治療は一度で完了するものではなく、複数回の施術が必要なことが多いです。ADMの程度や個人差によって異なりますが、数回から10回程度の施術を重ねていくことで徐々に改善が見られます。治療の間隔は一般的には1〜3ヶ月程度の間隔を空けることが多いです。
ハイドロキノンとレーザー治療の組み合わせについては、レーザー前後のスキンケアとしてハイドロキノンを処方するクリニックが多くあります。レーザー照射による炎症後色素沈着の予防・改善を目的として、医師の指示に従い使用することで、より良い治療効果を目指します。
💡 ハイドロキノン使用時の注意点と副作用
ハイドロキノンは効果的な美白成分である一方で、正しく使用しなければ皮膚トラブルを引き起こすことがあります。副作用や注意点について正しく理解したうえで使用することが大切です。
まず、接触性皮膚炎(かぶれ)について。ハイドロキノンは皮膚への刺激が比較的強い成分であり、赤みやかゆみ、ヒリヒリ感などの接触性皮膚炎を引き起こすことがあります。使用を始める前にパッチテスト(目立たない部分に少量塗布して24〜48時間様子を見るテスト)を行うことをお勧めします。刺激が強い場合は使用を中止し、医師に相談してください。
次に、外因性褐皮症(がいいんせいかっぴしょう)と呼ばれる副作用です。これは、ハイドロキノンを長期間使用し続けることで、皮膚が逆に黒ずんでしまう現象です。特に高濃度のハイドロキノンを長期間使用した場合や、紫外線との関係で起こりやすいとされています。この副作用は主に欧米の高濃度製品の長期使用で報告されており、日本で一般的に使用される濃度では比較的リスクは低いとされていますが、注意は必要です。定期的に医師の診察を受けながら使用することが推奨されます。
また、光感受性の増大についても注意が必要です。ハイドロキノンを使用中の肌は紫外線に対して敏感になります。紫外線を浴びることで色素沈着が悪化したり、炎症が起きやすくなったりするため、使用中は日焼け止めの使用と紫外線を避ける行動が非常に重要です。季節を問わずUVケアを徹底してください。
さらに、濃度と使用期間の管理について。市販品では1〜2%の低濃度製品が一般的ですが、医療機関で処方される4%以上の高濃度製品を使用する場合は、特に注意が必要です。一般的に3〜6ヶ月使用したら一定期間(1〜3ヶ月程度)休薬することが推奨されています。休薬期間中には、トレチノインなどの他の成分と組み合わせて使用する場合もあります。
妊娠中・授乳中の使用についても注意が必要です。ハイドロキノンの妊娠中・授乳中への安全性については十分なデータが揃っていないため、妊娠中や授乳中の方は使用を控えるか、必ず医師に相談してから使用するようにしてください。
最後に、保管方法について。ハイドロキノンは酸化しやすく、空気や光によって劣化します。開封後は直射日光を避け、冷暗所に保管するようにしましょう。変色(茶色や黄色への変化)が見られたら使用を中止してください。
Q. ハイドロキノン使用時の主な注意点は?
ハイドロキノン使用中は光感受性が高まるため、日焼け止めの毎日使用が必須です。使用前にパッチテストを行い、かぶれが出た場合は中止してください。一般的に3〜6ヶ月使用後は休薬期間を設け、妊娠中・授乳中は使用を控えることが推奨されます。また、酸化しやすいため冷暗所での保管が必要です。
📌 ADMと他のシミとの見分け方
ADMは他のシミと見た目が似ているため、自己判断が難しいシミのひとつです。適切な治療を受けるためには、まず正しい診断を受けることが不可欠です。ここでは、ADMと混同されやすい他のシミとの違いについて説明します。
肝斑(かんぱん)との違いについて。肝斑はADMと最も混同されやすいシミです。どちらも両頬に左右対称に現れることが多く、一見すると区別が難しいことがあります。肝斑の色は茶褐色で、境界がやや不明瞭なことが多いのに対し、ADMは青みがかったグレーや灰褐色で、比較的境界がはっきりしていることが多いです。また、肝斑は擦ることで悪化する特徴があり、女性ホルモンとの関連が深く、妊娠やピルの使用によって悪化することがあります。ADMは女性ホルモンとの関係は必ずしも明確ではなく、10代から20代にかけて発症することが多い点も肝斑との違いです。ただし、両者が混在しているケースも少なくありません。
老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)との違いについて。老人性色素斑はいわゆる「シミ」と呼ばれるもので、紫外線の影響によって主に中高年以降に現れます。色は薄い茶色から濃い茶色まで幅があり、境界がはっきりしています。表皮に存在するシミであるため、ハイドロキノンや光治療(IPL)などへの反応が良好です。ADMのような青みがかった色調は見られません。
そばかす(雀卵斑)との違いについて。そばかすは遺伝的な要因が強く、小さな点状のシミが鼻や頬に多数現れるものです。色は薄い茶色で、紫外線を浴びると濃くなります。ADMよりも小さく点状であることが多く、色調の青みはありません。
太田母斑(おおたぼはん)との違いについて。太田母斑もADMと同様に真皮に色素が存在するシミですが、こちらは先天性(生まれつき)のものです。生後まもなくまたは思春期ごろに現れることが多く、顔の片側に広がることが多いという特徴があります。ADMは後天性で両側性であることが多い点が異なります。
これらのシミは専門の医師が診察を行い、必要に応じてダーモスコピー(拡大鏡)やウッドランプ(特殊な紫外線ライト)などを用いて診断します。自己判断でシミの種類を決めて治療を始めることは、症状を悪化させるリスクがあります。気になるシミがある場合は、まずは皮膚科や美容皮膚科を受診して正確な診断を受けることをお勧めします。
✨ 治療を始める前に知っておきたいこと

ADMの治療を始めるにあたって、事前に知っておくと役立つことをいくつかご紹介します。
治療の効果は個人差が大きいということについて。ADMの治療効果は、色素の深さや量、個人の肌質、治療に対する反応性などによって大きく異なります。同じ治療を行っても、効果が出やすい方とそうでない方がいます。また、完全に消すことが難しいケースもあります。担当医師と十分なカウンセリングを行い、現実的な期待値を持ったうえで治療を開始することが大切です。
治療には時間がかかるということについて。ADMは真皮に存在するシミであるため、表皮のシミよりも治療に時間がかかります。レーザー治療を複数回行いながら、徐々に改善を目指すことになります。焦らず、医師の指示に従って根気強く治療を続けることが重要です。
正確な診断の重要性について。繰り返しになりますが、ADMと肝斑を区別することは治療において非常に重要です。肝斑に高出力のレーザーを照射すると、色素沈着が悪化する可能性があります。また、複数のシミが混在している場合は、それぞれに適した治療法を組み合わせる必要があります。経験豊富な専門医を受診することをお勧めします。
日常のスキンケアと紫外線対策の重要性について。どのような治療を行うにしても、日々の紫外線対策は欠かせません。日焼け止めを毎日使用し、帽子や日傘なども活用して紫外線からお肌を守りましょう。また、洗顔時やスキンケア時に肌を強く擦ることも色素沈着の悪化につながることがあるため、できる限りやさしく扱うことが大切です。
保険診療と自由診療について。ADMの治療は基本的に保険が適用されない自由診療となります。レーザー治療は施術ごとに費用が発生し、複数回の施術が必要となることから、総費用が一定額以上になることも少なくありません。ハイドロキノンについては、医療機関で処方してもらう場合は自由診療となります。治療を始める前にクリニックで費用について詳しく確認しておくことをお勧めします。
セルフケアでできることについて。医療機関での治療と並行して、日常生活でできることもあります。まず紫外線対策は前述の通り最も重要です。睡眠を十分に取り、バランスの良い食事を心がけることも肌の健康には欠かせません。ストレス管理も重要で、過度のストレスはホルモンバランスに影響し、シミが悪化する可能性があります。また、喫煙は肌のターンオーバーを乱し、色素沈着を悪化させることがあるため、禁煙も有益です。
クリニック選びについて。ADMの治療においては、シミの種類を正確に診断できる経験豊富な医師のいるクリニックを選ぶことが重要です。カウンセリングで診断内容や治療方針をわかりやすく説明してくれるか、治療の効果やリスクについて丁寧に説明してくれるか、などを確認したうえでクリニックを選びましょう。使用しているレーザー機器についても確認することが大切です。Qスイッチレーザーやピコレーザーなど、ADMに対応できる機器を導入しているかどうかも重要なポイントです。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「ADMは肝斑と見た目が似ているため、「ハイドロキノンを続けているのにシミが薄くならない」とお悩みのままご来院される方が当院でも多くいらっしゃいます。ADMの色素は真皮層に存在するため、外用薬だけでは根本的なアプローチが難しく、ピコレーザーやQスイッチレーザーによる治療が現在最も有効な選択肢となります。まずは正確な診断を受けていただくことが治療の出発点となりますので、シミの種類にお悩みの方はお気軽にご相談ください。」
🔍 よくある質問
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、皮膚の深い層である「真皮」にメラノサイトが存在し、メラニン色素を産生することで生じるシミです。主に頬骨の上やこめかみに両側対称に現れ、青みがかったグレーや灰褐色をしているのが特徴です。10代後半〜20代での発症が多く、女性に多く見られます。
ハイドロキノン単独ではADMへの効果は限定的です。ハイドロキノンは主に表皮レベルで作用するため、真皮深くに存在するADMの色素細胞には十分に届きません。ただし、レーザー治療後の炎症後色素沈着の予防や、ADMに合併しやすい肝斑への対応など、補助的な役割を果たすことがあります。
現在最も効果的とされているのは、Qスイッチレーザーやピコレーザーによるレーザー治療です。これらのレーザーは真皮まで届く波長と出力を持ち、真皮内のメラニンを選択的に破壊できます。一度で完了するものではなく、数回〜10回程度の施術を1〜3ヶ月間隔で繰り返していくのが一般的です。
ADMは青みがかったグレー・灰褐色で境界が比較的はっきりしているのに対し、肝斑は茶褐色で境界がやや不明瞭なことが多いです。また肝斑は摩擦や女性ホルモンで悪化しやすい特徴があります。両者は見た目が似ており自己判断は禁物です。アイシークリニックでは専門医による正確な診断を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
主な注意点は以下の通りです。①使用中は肌が紫外線に敏感になるため、日焼け止めを必ず使用すること、②使用開始前にパッチテストを行い、かぶれや赤みが出た場合は使用を中止すること、③一般的に3〜6ヶ月使用後は休薬期間を設けること、④妊娠中・授乳中は使用を控えること、⑤酸化劣化しやすいため、開封後は冷暗所で保管することが挙げられます。
💪 まとめ
ADMは皮膚の深い層である真皮にメラノサイトが存在することによって生じるシミであり、表皮のシミとは異なる性質を持っています。ハイドロキノンはメラニンの産生を抑制する美白成分として広く使用されていますが、ADMに対しては単独での効果が限られています。これは、ハイドロキノンが主に表皮レベルで作用するため、真皮にまで十分に届かないことが主な理由です。
しかし、ハイドロキノンが全く役に立たないというわけではありません。レーザー治療後の炎症後色素沈着の予防や、混在する肝斑への対応など、補助的な役割を果たすことがあります。ADMの根本的な治療には、Qスイッチレーザーやピコレーザーなどの真皮に届くレーザー治療が現在のところ最も効果的とされています。
大切なのは、まず正確な診断を受けることです。ADMは肝斑や他のシミと見た目が似ているため、自己判断は禁物です。専門の医師による診察を受け、シミの種類を正確に特定したうえで、それぞれに適した治療法を選択することが、効果的な治療への第一歩となります。
シミに悩んでいる方は、一人で抱え込まず、ぜひ美容皮膚科や皮膚科に相談してみてください。適切な診断と治療を受けることで、シミの改善を目指すことができます。アイシークリニック渋谷院では、ADMをはじめとするさまざまなシミのご相談を承っております。お気軽にカウンセリングへお越しください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)の診断基準、他のシミ(肝斑・太田母斑など)との鑑別方法、および皮膚疾患における色素異常の治療ガイドラインに関する情報
- 厚生労働省 – ハイドロキノン配合製品の安全性・副作用(接触性皮膚炎・外因性褐皮症など)に関する規制情報および医薬品・化粧品成分としての承認濃度に関する情報
- PubMed – ADMに対するQスイッチレーザー・ピコレーザー治療の有効性、ハイドロキノンとレーザー治療の併用効果、炎症後色素沈着(PIH)予防に関する国際的な臨床研究・論文情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務