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皮膚科で診る唇の荒れ|原因・症状・治療法を徹底解説

唇がカサカサと乾燥する、皮がむける、赤く腫れる——そんな唇の荒れは、日常生活の中で多くの人が経験するトラブルのひとつです。「リップクリームを塗ればすぐ治る」と軽く考えていたら、なかなか改善せず、気づけば慢性的な悩みになってしまっているというケースも少なくありません。唇の荒れは、単純な乾燥から始まり、口唇炎・口角炎・ヘルペスといった皮膚科的疾患まで幅広い原因が考えられます。適切なケアや治療法は原因によって異なるため、正しい知識を持つことが大切です。このコラムでは、唇の荒れの原因から症状の種類、セルフケアの方法、そして皮膚科を受診すべきタイミングまで、詳しくわかりやすく解説します。


目次

  1. 唇の構造と荒れやすい理由
  2. 唇の荒れの主な原因
  3. 唇の荒れに関連する代表的な皮膚科疾患
  4. 唇の荒れが悪化するNG行動
  5. 唇の荒れに対するセルフケアの方法
  6. 皮膚科ではどのような治療が行われるのか
  7. 唇の荒れを予防するための生活習慣
  8. こんな症状は早めに皮膚科へ
  9. まとめ

この記事のポイント

唇の荒れは乾燥・舌なめ癖・アレルギー・ウイルス感染などが原因で、口唇炎・口角炎・口唇ヘルペス等の皮膚科疾患が背景にあることも多い。2週間以上改善しない場合は皮膚科への受診が推奨される。

🎯 1. 唇の構造と荒れやすい理由

唇がなぜ荒れやすいのかを理解するためには、まず唇の構造について知っておくことが大切です。

皮膚は通常、表面に角質層という保護膜を持っており、その下には皮脂腺から分泌される皮脂が皮膚表面をコーティングして乾燥や外部刺激から守っています。ところが唇はこの構造が大きく異なります。唇の表面は「口唇粘膜」と呼ばれ、一般的な皮膚に比べて角質層が非常に薄く、さらに皮脂腺がほとんど存在しないという特徴があります。つまり、唇は乾燥を防ぐための天然のバリア機能が非常に弱い部位なのです。

また、唇はメラニン色素も少ないため、紫外線ダメージを受けやすい点も見逃せません。さらに、食事・会話・表情づくりと、日常的に何度も動かす部位であるため、物理的な刺激にもさらされ続けています。このように、唇はもともと外部の刺激に対して脆弱な構造をしており、季節の変わり目や体調の変化に伴い、荒れやすい状態になりやすいのです。

唇の表面は半粘膜とも呼ばれ、皮膚と粘膜の中間的な性質を持っています。そのため、外気や食べ物・飲み物・化粧品など、あらゆる環境因子の影響を直接受けやすく、少しの変化でも敏感に反応してしまうのです。

Q. 唇が荒れやすい理由は何ですか?

唇の表面は「口唇粘膜」と呼ばれ、一般的な皮膚と比べて角質層が非常に薄く、乾燥を防ぐ皮脂腺もほとんど存在しません。さらにメラニン色素が少なく紫外線ダメージも受けやすいため、外部刺激に対するバリア機能が弱く、乾燥や炎症が起きやすい部位です。

📋 2. 唇の荒れの主な原因

唇が荒れる原因は多岐にわたります。単純な乾燥から、生活習慣・体質・疾患まで、さまざまな要因が複合的に絡み合っていることが多いです。以下に代表的な原因を詳しく解説します。

🦠 乾燥・気候の影響

唇の荒れの最も一般的な原因のひとつが乾燥です。秋から冬にかけて空気が乾燥する季節は、唇から水分が失われやすくなります。また、エアコンや暖房を使用している室内環境も湿度を低下させ、唇の乾燥を促進します。乾燥した唇はバリア機能が低下するため、さらに外部刺激を受けやすくなるという悪循環に陥りがちです。

👴 舌なめ癖・唇を触る習慣

唇が乾燥するとつい舌で舐めてしまう方は多いですが、これは唇の荒れを悪化させる大きな原因のひとつです。唾液には消化酵素が含まれており、唇の皮膚に繰り返し接触することで皮膚を傷め、炎症を引き起こします。一時的に潤っているように感じても、唾液が蒸発する際に唇の水分も一緒に奪われてしまうため、結果的に乾燥がさらに進んでしまいます。また、唇の皮を手や歯でむく癖がある方も、皮膚バリアを物理的に傷つけることになるため注意が必要です。

🔸 紫外線による刺激

夏だけでなく、冬の晴れた日にも紫外線は降り注いでいます。唇はメラニン色素が少ないため紫外線ダメージを特に受けやすく、日焼けによる炎症や色素沈着、さらには慢性的な口唇炎の原因になることがあります。SPF入りのリップクリームを活用するなど、日常的な紫外線対策が大切です。

💧 食品・化粧品によるアレルギーや刺激

唇は食べ物・飲み物・調味料に直接触れるため、特定の食品成分によるアレルギー反応が起こることがあります。また、口紅・リップグロス・リップクリームなどのコスメに含まれる香料・防腐剤・色素成分が原因で接触性皮膚炎が起きるケースもあります。特定の化粧品を使い始めてから唇の荒れが出てきた場合は、成分による刺激やアレルギーを疑う必要があります。

✨ 栄養不足・体調不良

ビタミンB群(特にビタミンB2・B6)の不足は、口の周りや唇の荒れと深く関連しています。栄養バランスの偏った食事や、ダイエット中、体調不良のタイミングなどに唇荒れが悪化する方は、栄養面の見直しが必要かもしれません。鉄分不足(貧血)も、口唇の炎症を招く要因となることがあります。

📌 ストレスや免疫力の低下

精神的・身体的なストレスが続くと、免疫機能が低下し、口唇ヘルペスの再発や、口唇炎の慢性化につながることがあります。疲れやストレスが続いているタイミングで唇の症状が出やすいと感じている方は、体全体の免疫状態を整えることも重要なアプローチです。

▶️ 薬の副作用

一部の薬(抗生物質・抗てんかん薬・利尿剤・ニキビ治療に使われるイソトレチノインなど)は、唇の乾燥・荒れを副作用として引き起こすことがあります。薬を服用してから唇の荒れが始まった場合は、主治医に相談することが望ましいです。

💊 3. 唇の荒れに関連する代表的な皮膚科疾患

唇の荒れが続く場合、以下のような皮膚科的疾患が関与している可能性があります。自己判断で対処するのではなく、適切な診断と治療を受けることが大切です。

🔹 口唇炎(こうしんえん)

口唇炎とは、唇全体または唇の一部に炎症が起きた状態を指します。唇の赤み・腫れ・乾燥・皮むけ・ひびわれなどが主な症状で、かゆみや痛みを伴うこともあります。原因としては、乾燥・アレルギー・舌なめ癖・接触刺激などが挙げられます。乾燥による口唇炎は「乾燥性口唇炎」とも呼ばれ、最もよく見られるタイプです。また、特定の成分への接触が原因となる「接触性口唇炎」、アトピー体質に関連した「アトピー性口唇炎」なども存在します。

📍 口角炎(こうかくえん)

口角炎は、口の両端(口角)が赤くただれたり、ひびわれたりする状態です。口唇炎とは異なり、唇の端に限定した炎症が特徴です。ビタミンB2・B6の不足、カンジダ菌(真菌)の感染、細菌感染などが原因として挙げられます。口角炎はカンジダが関与するケースも多いため、抗真菌薬による治療が必要になることがあります。市販の薬で対処しても改善しない場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。

💫 口唇ヘルペス

口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の感染によって起こるウイルス性の疾患です。初感染の後、ウイルスは神経節に潜伏し、免疫力が低下したタイミングに再活性化して症状が現れます。唇や唇の周囲に小さな水ぶくれ(水疱)が集まってできるのが特徴で、ピリピリ・ムズムズとした前駆症状(前触れ)から始まることが多いです。放置しても自然に治癒することはありますが、抗ウイルス薬(アシクロビルなど)を早期に使用することで回復が早まります。他人への感染予防の観点からも、口唇ヘルペスを疑う症状が出たら早めに皮膚科を受診することが推奨されます。

🦠 剥脱性口唇炎(はくだつせいこうしんえん)

剥脱性口唇炎は、唇の表面が繰り返しむけ続けるという慢性的な状態で、乾燥・舌なめ癖・皮をむく癖などが長期にわたって続いた場合に起こりやすいとされています。炎症が慢性化しているため、通常のスキンケアでは改善しにくく、原因となる習慣の改善と医療的なサポートが必要です。

👴 多形性紅斑(たけいせいこうはん)

多形性紅斑は、アレルギーや感染(特に口唇ヘルペス)をきっかけに唇・口内・皮膚に紅斑や水疱が多発する疾患です。症状が重篤な場合(スティーブンス・ジョンソン症候群など)は入院治療が必要になることもあります。唇に広範囲の水疱やびらんが突然できた場合は、すぐに皮膚科・内科を受診してください。

🔸 日光口唇炎・慢性口唇炎

長期間にわたって紫外線を浴び続けることで、唇(特に下唇)に慢性的な炎症が起こる「日光口唇炎」というタイプもあります。慢性化すると粘膜が白く変色したり(白板症)、まれに悪性変化(扁平上皮がん)につながるリスクもゼロではありません。長期間改善しない唇の変色や炎症は、専門家による精密検査が必要です。

Q. 口角炎にステロイド軟膏を自己判断で使っても大丈夫ですか?

口角炎はカンジダ菌(真菌)や細菌が関与するケースが多く、自己判断でステロイド軟膏を使用すると感染をかえって悪化させる危険があります。アイシークリニック渋谷院でも、市販ステロイドの誤使用で症状が重くなった患者の受診例があるため、正確な診断を受けたうえで適切な治療薬を選ぶことが重要です。

🏥 4. 唇の荒れが悪化するNG行動

唇の荒れを改善しようとして行っているケアが、実は症状を悪化させていることがあります。よくあるNG行動を知っておきましょう。

💧 リップクリームの塗りすぎ・依存

リップクリームは保湿に役立ちますが、塗りすぎると唇自身の保湿機能が低下し、リップクリームがないと潤いを保てないという「リップ依存」に陥るリスクがあります。また、ワセリン以外の成分(香料・フレーバーなど)が含まれたリップクリームはかえってアレルギーを引き起こす場合があります。成分の少ないシンプルなワセリン系のものを選ぶと良いでしょう。

✨ 唇の皮を無理にむく

唇の皮がむけているときに、手や歯でそれをむいてしまう方は非常に多いですが、これは出血や傷つきの原因になり、炎症をさらに悪化させます。皮がむけていても無理に取ろうとせず、保湿してから自然に落ちるのを待つことが基本です。

📌 スクラブや摩擦による過剰ケア

唇のザラザラ感を解消しようと、砂糖スクラブや歯ブラシで摩擦ケアを行う方もいますが、炎症が起きている状態の唇に物理的な摩擦を加えるのはリスクが高いです。唇の角質ケアは、健康な状態のときに適度に行うものであり、荒れがひどいときは避けましょう。

▶️ ステロイド薬の自己判断使用

市販のステロイド軟膏を自己判断で唇に使用する方もいますが、カンジダ菌や細菌が関与している口角炎・口唇炎にステロイドを使用すると、感染が悪化する可能性があります。ステロイドの使用は必ず医師の指示のもとで行うようにしてください。

⚠️ 5. 唇の荒れに対するセルフケアの方法

軽度の乾燥性の唇荒れであれば、適切なセルフケアで改善できる場合もあります。以下のポイントを参考にしてみてください。

🔹 保湿ケアを徹底する

唇の乾燥には、シンプルな保湿ケアが最も基本的かつ有効なアプローチです。ワセリンベースのリップクリームや、ヒアルロン酸・セラミドを含む保湿剤は、刺激が少なく保湿効果も高いのでおすすめです。就寝前に厚めに塗っておく「ナイトケア」も効果的です。

📍 舌なめ・皮むき癖を意識的にやめる

舌なめ癖や皮むき癖は、意識的にやめることが大切です。唇が乾いたと感じたらすぐにリップクリームを塗るなど、癖が出そうな場面に対して代替行動を用意しておくと習慣を改善しやすくなります。

💫 食事からビタミンB群・鉄分を摂る

ビタミンB2は牛乳・卵・レバー・納豆などに、ビタミンB6はマグロ・バナナ・ひよこ豆などに豊富に含まれています。日々の食事でこれらの栄養素を意識して摂ることで、唇の荒れを内側からケアすることができます。食事だけでは補いにくい場合は、マルチビタミンサプリの活用も一つの選択肢です。

🦠 水分補給を心がける

体内の水分量が不足すると、皮膚や唇の乾燥が進みやすくなります。1日1.5〜2リットルを目安に、こまめな水分補給を心がけましょう。特にカフェインを含む飲み物(コーヒー・紅茶など)は利尿作用があるため、飲みすぎには注意が必要です。

👴 紫外線対策を日常的に行う

外出時にはSPFが配合されたリップクリームを使用するか、UVカット効果のある口紅を活用するなど、唇への紫外線対策を習慣化しましょう。帽子や日傘の使用も補助的な対策として有効です。

🔸 コスメを見直す

使用している口紅・リップグロス・リップクリームが原因で接触性皮膚炎が起きている可能性があります。一時的に唇へのコスメ使用を控えるか、低刺激・無香料・無着色タイプのものに切り替えて経過を観察してみましょう。

Q. 唇の荒れを悪化させる日常の癖は何ですか?

唇を舌で舐める癖は、唾液に含まれる消化酵素が皮膚を傷め、蒸発時に水分も奪うため乾燥を悪化させます。また、むけた皮を手や歯でむく行為は皮膚バリアを物理的に傷つけます。さらにリップクリームの塗りすぎによる「リップ依存」も、唇本来の保湿機能を低下させる原因になります。

🔍 6. 皮膚科ではどのような治療が行われるのか

セルフケアで改善しない場合や、症状が重い場合は皮膚科を受診して適切な治療を受けることが大切です。皮膚科では以下のような診察・治療が行われます。

💧 問診・視診・検査による診断

皮膚科では、まず問診によって症状の経緯・生活習慣・使用コスメ・アレルギー歴などを確認します。視診では唇の状態(赤み・腫れ・水疱・びらん・色素沈着など)を確認し、必要に応じてパッチテスト(アレルゲン検査)・真菌検査(カンジダの有無)・血液検査などを行います。正確な診断に基づいて治療方針が決定されるため、自己判断とは大きく異なる精度の高いアプローチが可能です。

✨ 外用薬(塗り薬)による治療

口唇炎・口角炎に対しては、原因に応じた外用薬が処方されます。アレルギー・炎症性の場合はステロイド外用薬、細菌感染が関与している場合は抗生物質含有軟膏、カンジダ感染の場合は抗真菌薬(クロトリマゾールやミコナゾールなど)が使用されます。炎症が強い場合にはステロイドが効果的ですが、感染が絡む場合は使用に注意が必要なため、医師の判断に従うことが重要です。

📌 抗ウイルス薬による治療(口唇ヘルペス)

口唇ヘルペスに対しては、アシクロビルやバラシクロビルといった抗ウイルス薬が処方されます。症状が出始めた早い段階で服用・塗布することで、症状の重症化や期間の短縮が期待できます。再発しやすい方には、再発抑制療法(長期少量投与)が選択肢になることもあります。

▶️ 内服薬による治療

炎症が強い場合や、外用薬だけでは対応しにくい場合には、抗ヒスタミン薬(かゆみ・アレルギーの抑制)や、ビタミンB製剤(栄養補充)が処方されることがあります。また、口唇ヘルペスに対する抗ウイルス薬の内服も有効な選択肢のひとつです。

🔹 生活指導・スキンケア指導

薬物療法と並行して、皮膚科医や看護師から生活習慣の改善・適切なリップケアの指導が行われることもあります。舌なめ癖の改善・コスメの見直し・食事指導など、原因を根本から取り除くためのアドバイスを受けることで、再発予防にもつながります。

📝 7. 唇の荒れを予防するための生活習慣

唇の荒れを繰り返さないためには、日常生活での予防的なケアが欠かせません。以下のポイントを意識して取り組んでみましょう。

📍 室内の加湿を適切に行う

特に秋冬や冷暖房を使用する季節は、室内の湿度が低下しがちです。加湿器を使用するなどして、室内の湿度を50〜60%程度に保つことが理想的です。唇だけでなく、皮膚全体の乾燥対策にもなります。

💫 睡眠・休息を十分に取る

睡眠不足や疲労は免疫力の低下を招き、口唇ヘルペスの再発や炎症の慢性化につながります。十分な睡眠(7〜8時間を目安)を確保し、ストレスをためないような生活リズムを整えることが重要です。

🦠 バランスの取れた食生活を心がける

ビタミン・ミネラル・たんぱく質をバランスよく摂ることは、皮膚や粘膜の健康維持に直結します。特にビタミンB群・ビタミンC・亜鉛・鉄分が不足しないように意識してみましょう。偏食やダイエット中は栄養不足になりやすいため、注意が必要です。

👴 マスク着用中の蒸れに注意する

マスクの着用が習慣化している現代では、マスク内の蒸れや摩擦によって唇周囲の環境が変化しやすくなっています。マスクの素材や形状によっては摩擦が起きやすいため、肌に優しい素材を選ぶとともに、マスクを外した後の保湿ケアも忘れずに行いましょう。

🔸 刺激の強い食品を控える

辛い食べ物・酸っぱい食べ物・アルコールなど、唇に直接強い刺激を与える食品を頻繁に摂ることも、唇荒れの誘因になることがあります。唇が荒れているときは特に、刺激の少ない食事を意識すると回復が早まる場合があります。

Q. 唇の荒れで皮膚科を受診すべき症状は何ですか?

2週間以上セルフケアを続けても改善しない場合や、水疱・びらん・白い変色・強い腫れ・繰り返す再発などの症状がある場合は早めの受診が必要です。特に長期間治らない白い変色や硬いしこりは、口腔がん・唇がんの可能性もあるため、皮膚科または口腔外科で専門医による精密検査を受けることが重要です。

💡 8. こんな症状は早めに皮膚科へ

軽度の乾燥性の唇荒れは、セルフケアで対処できる場合もありますが、以下のような症状が見られる場合は、早めに皮膚科を受診することを強くおすすめします。放置することで症状が悪化したり、他の疾患が隠れている可能性があるためです。

  • 2週間以上セルフケアを続けても改善しない
  • 唇に水疱(水ぶくれ)が複数できた
  • 唇が大きく腫れている
  • 唇に白い膜や変色(白板症様の変化)がある
  • びらん(ただれ)や出血がある
  • 強いかゆみ・痛みがある
  • 唇の症状に加えて発熱・全身症状がある
  • 口内炎も同時に起きている
  • 唇の荒れが繰り返される(再発しやすい)
  • 特定の薬を飲み始めてから症状が出た

これらの症状は、口唇ヘルペス・口角炎(カンジダ感染)・多形性紅斑・アレルギー反応・まれに悪性疾患など、医療的な対応が必要な状態を示している可能性があります。

特に、唇に長期間治らない白い変色(白板症)や硬いしこりがある場合は、口腔がん・唇がんの早期発見のためにも、皮膚科または口腔外科を受診することが重要です。唇がんは口腔がんのなかでも下唇に発生しやすく、長期の紫外線暴露・喫煙・慢性炎症などがリスク因子として知られています。早期発見・早期治療が予後を大きく左右するため、気になる変化は早めに専門医に相談しましょう。

また、皮膚科では唇の症状だけでなく、顔や体の皮膚全体の状態も合わせて診てもらうことができます。アトピー性皮膚炎・乾癬・全身性エリテマトーデスなど、全身性の疾患が唇の症状として現れているケースもあるため、皮膚科医の総合的な診察を受けることは大変意義があります。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「「リップクリームを使い続けているのに一向に改善しない」というお悩みはカンジダ感染を伴う口角炎や接触性口唇炎など、セルフケアだけでは対応が難しい状態であるケースも少なくありません。最近の傾向として、原因を特定せずに市販のステロイド軟膏を自己判断で使用されていた方が、かえって感染を悪化させてしまっているケースも見受けられますので、2週間以上改善しない唇の荒れはぜひ早めに医療機関へご相談ください。

✨ よくある質問

リップクリームを毎日塗っているのに唇の荒れが治らないのはなぜですか?

リップクリームを使い続けても改善しない場合、接触性口唇炎やカンジダ菌が関与する口角炎など、セルフケアだけでは対応が難しい皮膚科的疾患が原因となっている可能性があります。また、リップクリームに含まれる香料・防腐剤などの成分がアレルギーを引き起こしているケースもあります。2週間以上改善しない場合は皮膚科への受診をおすすめします。

唇を舌で舐めると荒れがひどくなると聞きましたが、なぜですか?

唾液には消化酵素が含まれており、唇に繰り返し触れることで皮膚を傷め、炎症を引き起こします。また、唾液が蒸発する際に唇本来の水分も一緒に奪われるため、一時的に潤っているように感じても、結果的に乾燥がさらに進んでしまいます。舌なめ癖は唇荒れの大きな原因のひとつです。

口角炎に市販のステロイド軟膏を使っても大丈夫ですか?

自己判断でのステロイド軟膏の使用はおすすめできません。口角炎はカンジダ菌(真菌)や細菌が関与しているケースが多く、そのような場合にステロイドを使用すると感染が悪化する可能性があります。適切な治療薬(抗真菌薬・抗生物質など)を選ぶためにも、まず皮膚科で正確な診断を受けることが重要です。

口唇ヘルペスはどのような症状で、放置しても大丈夫ですか?

口唇ヘルペスは、唇や唇周囲にピリピリ・ムズムズとした前触れに続き、小さな水ぶくれが集まってできるのが特徴です。放置しても自然に治癒することはありますが、抗ウイルス薬(アシクロビルなど)を早期に使用することで回復が早まります。また他人への感染リスクもあるため、症状が出たら早めに皮膚科を受診してください。

唇の荒れが長期間続く場合、がんの可能性はありますか?

長期間治らない白い変色(白板症)や硬いしこりがある場合は、まれに口腔がん・唇がんの可能性も否定できません。唇がんは長期の紫外線暴露や慢性炎症などがリスク因子として知られています。こうした症状がある場合は早期発見のためにも、自己判断せず皮膚科または口腔外科を受診し、専門医による精密検査を受けることが重要です。

📌 まとめ

唇の荒れは、乾燥・舌なめ癖・紫外線・栄養不足・アレルギー・ウイルス感染など、さまざまな原因によって引き起こされます。「ただの乾燥」と軽く考えていても、実際には口唇炎・口角炎・口唇ヘルペスといった皮膚科的疾患が背景にあることも少なくありません。

セルフケアとして重要なのは、シンプルな保湿・舌なめ癖の改善・バランスのよい栄養摂取・水分補給・紫外線対策です。これらを日常的に継続することで、唇荒れの予防と改善につながります。

一方で、2週間以上セルフケアを続けても改善しない、水疱や腫れ・びらんなどの症状がある、繰り返し再発するといった場合は、自己判断でケアを続けず、皮膚科を受診して正確な診断と治療を受けることが大切です。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 口唇炎・口角炎・口唇ヘルペスなど唇の荒れに関連する皮膚科疾患の診断基準・治療ガイドラインの参照元として活用
  • 国立感染症研究所 – 口唇ヘルペス(単純ヘルペスウイルス1型/HSV-1)の感染経路・症状・再活性化メカニズム・抗ウイルス薬治療に関する信頼性の高い情報源として活用
  • 厚生労働省 – ビタミンB群・鉄分・亜鉛など口唇炎・口角炎と関連する栄養素の摂取基準および皮膚・粘膜の健康維持に関する栄養指導情報の参照元として活用

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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