💉 「GLP-1って最近よく聞くけど、実際どうなの?」そう思っているあなたへ。
GLP-1はただのダイエット薬じゃありません。血糖値コントロール・食欲抑制・体重減少を同時にサポートできる、今もっとも注目されているホルモン由来の治療法です。
この記事を読めば、「自分に合っているか」「どんな効果が期待できるか」「副作用は大丈夫か」が全部わかります。
反対に、知らずに使うと副作用や思わぬリスクにつながることも。ぜひ最後まで読んでください。
目次
- GLP-1とは何か?体内で果たす役割
- GLP-1の主な効果:血糖値コントロール
- GLP-1の効果:食欲抑制と満腹感の持続
- GLP-1の効果:体重減少への影響
- GLP-1受容体作動薬の種類と特徴
- GLP-1の効果が現れるまでの期間
- GLP-1の効果を高めるための生活習慣
- GLP-1使用時の注意点と副作用
- GLP-1はどのような方に向いているか
- まとめ
💡 この記事のポイント
GLP-1受容体作動薬は血糖値コントロール・食欲抑制・体重減少(平均10〜15%以上)に有効だが、消化器系副作用や膵炎リスクがあり、医師の処方と生活習慣改善の併用が不可欠である。
💡 GLP-1とは何か?体内で果たす役割
GLP-1とは、「グルカゴン様ペプチド-1(Glucagon-Like Peptide-1)」の略称で、食事をとると小腸から分泌されるインクレチンと呼ばれるホルモンの一つです。インクレチンとは、食後に消化管から放出されてインスリンの分泌を促すホルモンの総称であり、血糖値の管理において非常に重要な役割を担っています。
GLP-1は食事摂取後、特に糖質や脂質を含む食事をとった後に分泌量が増加します。分泌されたGLP-1は膵臓の細胞に作用してインスリンの分泌を促し、同時に血糖値を上昇させるグルカゴンの分泌を抑制します。この二重の作用によって、食後の血糖値が急激に上昇するのを防ぐ仕組みが働いています。
また、GLP-1の作用は膵臓だけにとどまりません。脳の視床下部にある食欲調節中枢にも働きかけ、「お腹が満たされた」というシグナルを送ることで食欲を抑制します。さらに胃の動きを緩やかにして消化のスピードを遅くすることで、食後の満腹感を長く維持する効果も持っています。
ただし、体内で自然に分泌されるGLP-1は非常に短命なホルモンであり、DPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ-4)という酵素によって数分以内に分解されてしまいます。このため、自然なGLP-1の働きだけでは血糖値のコントロールや食欲抑制に限界があります。そこで医療の世界では、GLP-1と似た構造を持ちながらもDPP-4による分解を受けにくく、長時間作用する「GLP-1受容体作動薬」と呼ばれる薬剤が開発・活用されています。
Q. GLP-1とは体内でどのような役割を持つホルモンですか?
GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、食事後に小腸から分泌されるホルモンで、膵臓に働きかけてインスリン分泌を促進するとともに、血糖値を上げるグルカゴンの分泌を抑制します。また脳の食欲調節中枢に作用して満腹感を持続させる多面的な役割を担っています。
📌 GLP-1の主な効果:血糖値コントロール
GLP-1が最初に医療の場で注目された理由は、その優れた血糖値コントロール効果にあります。2型糖尿病の治療薬として承認されたGLP-1受容体作動薬は、食後の血糖値上昇を抑えながらも低血糖を起こしにくいという特長から、多くの糖尿病患者にとって有益な選択肢となっています。
血糖値コントロールにおけるGLP-1の働きは主に以下の3つのメカニズムによるものです。まず、膵臓のベータ細胞に作用して、血糖値が高い状態のときにインスリンの分泌を促進します。ここで重要なのは、GLP-1によるインスリン分泌促進は「血糖値依存性」であるという点です。つまり、血糖値が正常に近い状態ではインスリン分泌をあまり増やさないため、過剰なインスリン分泌による低血糖が起こりにくいという特長があります。
次に、膵臓のアルファ細胞に作用してグルカゴンの分泌を抑制します。グルカゴンは肝臓に貯蔵されているグリコーゲンをブドウ糖に変換して血中に放出させるホルモンであり、血糖値を上昇させる方向に働きます。GLP-1はこのグルカゴンの分泌を抑えることで、食後の過度な血糖値上昇を防ぎます。
さらに、GLP-1は胃の運動を遅らせることで食べたものが腸に到達するスピードを緩やかにします。これにより食後の糖の吸収速度が低下し、血糖値の急激な上昇(血糖スパイク)が抑えられます。この胃排出遅延作用は血糖値の安定化に貢献する一方、後述する消化器系の副作用とも関連しています。
臨床研究においても、GLP-1受容体作動薬はHbA1c(過去1〜2ヶ月の平均血糖値を示す指標)を有意に低下させることが示されており、糖尿病の長期的な管理において重要な役割を果たしています。HbA1cの低下幅は薬剤の種類や用量によって異なりますが、単独療法でも1〜2%程度の低下が期待できるとされています。
✨ GLP-1の効果:食欲抑制と満腹感の持続
GLP-1が近年特に注目されている理由の一つが、その食欲抑制効果です。GLP-1は脳の視床下部に存在するGLP-1受容体に直接作用し、「もう十分食べた」というシグナルを伝えることで食欲を抑制します。この仕組みは、食欲のコントロールに悩む方にとって非常に重要な作用です。
具体的には、GLP-1が脳に作用することで食欲促進ホルモンであるグレリンの分泌が抑制され、逆に食欲抑制に関わる神経経路が活性化されます。これにより、食事量が自然に減少し、食事と食事の間の間食衝動も和らぐ傾向があります。多くの方が「以前ほど食べたいと思わなくなった」「少量の食事で満足できるようになった」と感じるのはこのためです。
また、前述したように胃の動きを遅くする作用(胃排出遅延)によって、食べたものが胃の中に長くとどまるため、食後の満腹感が通常よりも長く続きます。これにより、次の食事までの時間を快適に過ごしやすくなり、過食や間食を自然に抑えることができます。
食欲抑制の効果は個人差がありますが、多くの臨床研究では、GLP-1受容体作動薬を使用した群において、プラセボ群と比較してカロリー摂取量が有意に減少することが確認されています。また、食事の内容にも変化が見られることがあり、高脂肪・高カロリーな食品への欲求が低下するという報告もあります。
ただし、食欲抑制効果には個人差があり、全ての方に同様の効果が現れるわけではありません。また、薬剤の使用を中止すると食欲が元の状態に戻ることもあるため、長期的な食習慣の改善と並行して取り組むことが重要です。
Q. GLP-1受容体作動薬による体重減少効果はどの程度ですか?
大規模臨床試験では、高用量のセマグルチドを使用した参加者が平均して体重の10〜15%以上減少したと報告されています。体重が5〜10%減少するだけで血圧低下や脂質異常症の改善など多様な健康効果も期待できます。ただし効果には個人差があり、使用中止後のリバウンドにも注意が必要です。
🔍 GLP-1の効果:体重減少への影響
GLP-1受容体作動薬に期待できる効果の中で、特に多くの方が関心を持っているのが体重減少効果です。食欲抑制と食事量の自然な減少、そして胃排出遅延による満腹感の持続が組み合わさることで、カロリー摂取量が減少し、体重が徐々に減少していきます。
大規模な臨床試験では、高用量のGLP-1受容体作動薬(セマグルチド)を使用した参加者が、平均して体重の10〜15%以上減少したという結果が報告されています。これは従来の肥満治療薬と比較しても非常に高い有効性であり、世界中で大きな注目を集めるきっかけとなりました。
体重減少のメカニズムとしては、主にエネルギー摂取量の減少が中心ですが、それだけではありません。GLP-1は脂肪組織の代謝にも影響を与え、脂肪の蓄積を減らす方向に働くことが示されています。また、体重が減少することで内臓脂肪が減少し、インスリン抵抗性が改善されるという好循環も生まれます。
体重減少に伴う健康上のメリットも見逃せません。体重が5〜10%減少するだけで、血圧の低下、脂質異常症の改善、睡眠時無呼吸症候群の軽減、関節への負担軽減など、さまざまな健康面での改善が期待できます。また、心血管疾患のリスク低下についても、一部のGLP-1受容体作動薬で臨床的に証明されています。
ただし、体重減少の程度は個人差が大きく、薬剤の種類、用量、食事・運動習慣との組み合わせによっても異なります。また、薬の使用を中止した後にリバウンドが起こる可能性があることも理解しておく必要があります。体重管理を目的としてGLP-1を活用する場合は、医師の指導のもとで適切な計画を立てることが大切です。
💪 GLP-1受容体作動薬の種類と特徴
現在日本で使用されているGLP-1受容体作動薬にはいくつかの種類があり、それぞれ投与方法や作用時間が異なります。大きく分けると、注射剤と経口剤(飲み薬)の2タイプがあります。
注射剤の中で特に広く使われているのがリラグルチドとセマグルチドです。リラグルチドは1日1回の皮下注射が必要ですが、セマグルチドは週1回の注射で効果を発揮します。週1回製剤は患者さんの利便性が高いため、アドヒアランス(治療への継続的な取り組み)向上に貢献しています。また、セマグルチドには経口剤も存在し、毎朝空腹時に服用するタイプも選択肢の一つです。
デュラグルチドも週1回注射のGLP-1受容体作動薬であり、日本の糖尿病治療でも広く使われています。エキセナチドには1日2回注射タイプと週1回の持効性製剤の両方があります。
これらの薬剤はもともと2型糖尿病の治療薬として承認されたものですが、肥満症の治療を目的とした高用量製剤の開発・承認も進んでいます。日本では2023年以降、肥満症治療薬としてのGLP-1受容体作動薬の承認が進み、医療機関での使用が広がっています。
また、クリニックによっては「GLP-1ダイエット」として、少量のGLP-1受容体作動薬を処方するサービスを提供しているところもあります。ただし、これらはあくまでも医師の診察と処方が必要であり、自己判断で使用することはできません。使用を検討する場合は、必ず医療機関を受診し、自分の状態に合った薬剤と用量を選んでもらうことが大切です。
さらに、GLP-1受容体作動薬とGIPの両方に作用するデュアルアゴニスト(チルゼパチド)も登場しており、単独のGLP-1受容体作動薬を上回る体重減少効果が報告されています。医療の選択肢はますます広がっており、個々の状況に合わせた治療の選択が重要です。
Q. GLP-1受容体作動薬の主な副作用と注意点は何ですか?
最も一般的な副作用は吐き気・嘔吐・下痢・便秘などの消化器系症状で、使用開始初期に現れやすく継続により和らぐことが多いです。まれに膵炎や胆のう関連の問題が生じる場合もあります。膵炎の既往がある方や妊娠中の方は使用できないため、必ず医師の診察と処方のもとで使用することが重要です。
🎯 GLP-1の効果が現れるまでの期間
GLP-1受容体作動薬を使い始めると、いつ頃から効果を実感できるのかは多くの方が気になる点です。効果が現れるタイミングは、目的(血糖値コントロールなのか、体重減少なのか)や個人差によって異なりますが、一般的な目安を説明します。
血糖値コントロールに関しては、比較的早い段階から効果が現れやすい傾向があります。投与開始後数日から1〜2週間のうちに食後血糖値の上昇が抑えられ始め、HbA1cの低下は数週間から数ヶ月かけて徐々に改善していきます。HbA1c自体が過去1〜2ヶ月の平均血糖値を反映する指標であるため、検査値として改善を確認できるのは投与開始から2〜3ヶ月後が一般的です。
食欲抑制効果については、投与開始後比較的早い段階で感じ始める方が多く、「食欲が落ち着いた」「少量で満足できる」という変化を1〜2週間程度で実感する方もいます。ただし、胃腸症状(吐き気、食欲不振)と紛らわしい場合もあるため、効果なのか副作用なのかを見極めることが大切です。
体重減少については、使用開始から数週間で変化が現れ始めることが多いですが、顕著な体重減少は数ヶ月単位で継続することで得られます。多くの臨床試験では12〜68週間という長期間の使用によって有意な体重減少が確認されており、短期間で劇的な変化を期待するよりも、継続的な使用と生活習慣の改善を組み合わせることが重要です。
また、GLP-1受容体作動薬は副作用を軽減するために、初期は低用量から開始して徐々に増量していく「漸増法」を取ることが多いです。このため、最初の数週間は効果が控えめに感じられることがあります。目標用量に達してから効果が本格的に現れてくるケースも多いため、焦らず医師の指示に従って継続することが大切です。
💡 GLP-1の効果を高めるための生活習慣
GLP-1受容体作動薬はそれだけでも一定の効果を発揮しますが、食事や運動といった生活習慣の改善と組み合わせることで、その効果をより大きく引き出すことができます。薬に頼るだけでなく、日常生活の工夫を重ねることが長期的な健康管理の鍵です。
食事面では、バランスの取れた食事を心がけることが基本です。GLP-1の作用で食欲が抑制されているからといって、栄養が偏った食事をとると体に必要な栄養素が不足してしまいます。特にタンパク質は筋肉量の維持に重要であり、体重が減少する過程で筋肉量が落ちないよう、毎食しっかりとタンパク質を摂取することをおすすめします。魚、肉、大豆製品、卵などを積極的に取り入れましょう。
また、食物繊維の豊富な野菜や海藻類を食事の最初に食べる「ベジファースト」の習慣は、食後の血糖値上昇をさらに抑えるのに役立ちます。精製された白いご飯や白パンよりも、玄米や全粒粉を選ぶことも血糖値の安定に貢献します。
運動面では、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることが理想的です。有酸素運動(ウォーキング、サイクリング、水泳など)は脂肪燃焼を促進し、血糖値の改善にも効果的です。一方、筋力トレーニングは筋肉量を維持・増加させることで基礎代謝を上げ、リバウンドしにくい体づくりに役立ちます。
運動の習慣がない方は、まずは毎日30分程度のウォーキングから始めてみましょう。食後30分〜1時間後に軽い運動をすると、食後血糖値の上昇をより効果的に抑えることができます。いきなり激しい運動をする必要はなく、無理なく続けられる運動を選ぶことが長続きのコツです。
睡眠も忘れてはならない要素です。睡眠不足はホルモンバランスを乱し、食欲を増進させるグレリンの分泌を増加させます。GLP-1の食欲抑制効果を十分に発揮させるためにも、毎晩7〜8時間の質の高い睡眠を確保することを心がけましょう。また、ストレス管理も重要であり、過度なストレスはコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を増やし、食欲増進や血糖値の上昇につながります。
アルコールについては、血糖値への影響が複雑であるため注意が必要です。特にGLP-1受容体作動薬を使用中は、アルコールの摂取については担当医に相談しながら適切な量を守ることをおすすめします。
Q. GLP-1の効果を高めるために日常生活で心がけることは?
GLP-1受容体作動薬の効果を最大化するには、薬と並行した生活習慣改善が不可欠です。食事はタンパク質と食物繊維を意識し野菜から食べる「ベジファースト」が有効です。運動は有酸素運動と筋力トレーニングの組み合わせが理想で、睡眠不足は食欲を増進させるため毎晩7〜8時間の質の高い睡眠確保も重要です。
📌 GLP-1使用時の注意点と副作用
GLP-1受容体作動薬は多くのメリットを持つ一方で、使用にあたって理解しておくべき副作用や注意点もあります。適切に対処することで多くの副作用は軽減できますので、事前に把握しておきましょう。
最も一般的な副作用は消化器系の症状です。使用開始初期に吐き気、嘔吐、下痢、便秘、腹部不快感などが現れることがあります。これらの症状は、GLP-1が胃の動きを遅くする作用(胃排出遅延)によって引き起こされるものです。多くの場合、使用を続けるうちに体が慣れて症状は和らいでいきます。
吐き気などの消化器症状を軽減するためのポイントとして、食事の量を少なくする、脂っこい食事や辛い食べ物を避ける、ゆっくりと食べる、食後すぐに横にならないなどの工夫が有効です。また、薬の用量を徐々に増やしていく漸増法を適切に行うことで、副作用の発現を抑えることができます。
より重篤な副作用として、膵炎(すい臓の炎症)のリスクがあります。腹部の強い痛み、背中への放散痛、吐き気・嘔吐が続く場合はすぐに医療機関を受診してください。膵炎の既往歴がある方はGLP-1受容体作動薬の使用に慎重を要します。
また、胆のう関連の問題(胆石や胆のう炎)のリスクがわずかに増加するという報告もあります。右上腹部の痛みや黄疸(皮膚や目が黄色くなる)などの症状が現れた場合は医師に相談してください。
糖尿病治療薬として他の薬剤(特にインスリンやSU薬)と併用している場合は、低血糖のリスクに注意が必要です。GLP-1受容体作動薬単独では低血糖を起こしにくいのですが、他の血糖降下薬との組み合わせによっては低血糖が起こる可能性があります。
心拍数がわずかに増加することが知られており、心臓に問題のある方は事前に医師に相談することが大切です。また、甲状腺C細胞腫瘍の既往がある方や家族歴のある方への使用は禁忌とされているものもあります。
腎機能が低下している方では薬剤の選択や用量に注意が必要な場合があります。妊娠中・授乳中の方も使用を避けるべきとされており、妊娠の可能性がある場合は必ず医師に相談してください。
体重が急激に減少した場合、筋肉量の低下(サルコペニア)が生じる可能性もあります。これを防ぐために、十分なタンパク質摂取と適度な筋力トレーニングが重要であることを再度強調しておきます。
✨ GLP-1はどのような方に向いているか

GLP-1受容体作動薬はさまざまな方に適応がある一方で、特にどのような方に向いているかを理解しておくことが大切です。医療機関での適切な診断と処方のもとで使用することが前提ですが、以下のような状況にある方が候補として考えられます。
まず、2型糖尿病の診断を受けている方です。GLP-1受容体作動薬は2型糖尿病の治療薬として長年の使用実績があり、血糖値コントロールに加えて体重減少効果も期待できるため、特に肥満を伴う2型糖尿病の方に適しています。また、心血管疾患のリスクが高い糖尿病患者さんにとっても、一部のGLP-1受容体作動薬が心血管イベントのリスク低下効果を持つことが示されており、有益な選択肢となっています。
次に、肥満症と診断された方です。日本でも肥満症に対するGLP-1受容体作動薬の使用が承認されており、BMI(体格指数)が一定以上で、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病などの肥満に関連した健康問題を持つ方が対象となっています。
食欲のコントロールが難しく、食事制限や運動だけでは体重管理がうまくいかない方も、医師の判断のもとでGLP-1受容体作動薬の使用を検討できる場合があります。「食べ過ぎてしまう」「空腹感を抑えられない」という悩みを持つ方にとって、食欲抑制効果は大きな助けになり得ます。
一方、GLP-1受容体作動薬が適さない方もいます。1型糖尿病の方や、膵炎の既往がある方、甲状腺髄様癌の既往または家族歴のある方、多発性内分泌腫瘍症2型の方には使用できません。また、重篤な消化器疾患を持つ方や、重度の腎機能障害のある方も注意が必要です。
健康な体重の方や、単に美容目的だけで使用を希望する方については、医師が適応を慎重に判断する必要があります。GLP-1受容体作動薬はあくまでも医薬品であり、必要性と安全性を医師が総合的に評価した上で処方されるものです。
最近では美容クリニックや肥満外来を設ける医療機関も増えており、GLP-1に関する相談窓口も広がっています。自分がGLP-1受容体作動薬の適応かどうかを知りたい場合は、まず専門の医療機関に相談することをおすすめします。診察の際には、現在の健康状態、服用中の薬、既往歴、生活習慣などをできる限り詳しく伝えることで、より適切なアドバイスを受けることができます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、GLP-1受容体作動薬による治療を希望される患者様が年々増加しており、糖尿病管理はもちろん、食欲コントロールに長年お悩みだった方が「自然に食事量が減って楽になった」とおっしゃるケースも多く見受けられます。最近の傾向として、薬の効果だけに期待されて来院される方も増えていますが、持続的な効果を得るためには食事・運動・睡眠といった生活習慣の改善を並行して取り組むことが非常に重要です。お一人おひとりの体質や生活環境に合わせた治療計画をご提案できますので、使用を検討されている方はまず気軽にご相談いただければと思います。」
🔍 よくある質問
食欲抑制効果は投与開始後1〜2週間で実感される方もいます。血糖値の改善はHbA1cの検査値として2〜3ヶ月後に確認できることが多く、体重減少は数週間から数ヶ月単位での継続使用によって得られます。初期は低用量から始める「漸増法」を取るため、目標用量に達してから効果が本格化するケースもあります。
最も多いのは吐き気・嘔吐・下痢・便秘などの消化器系症状で、使用開始初期に現れやすいですが、継続するうちに和らぐことがほとんどです。まれに膵炎や胆のう関連の問題が生じる場合もあります。腹部に強い痛みが続く場合は、速やかに医療機関を受診してください。
大規模な臨床試験では、高用量のセマグルチドを使用した参加者が平均して体重の10〜15%以上減少したと報告されています。ただし効果には個人差があり、薬の種類・用量・食事や運動習慣との組み合わせによっても異なります。また、使用中止後にリバウンドが起こる可能性もある点に注意が必要です。
主に2型糖尿病や肥満症と診断された方が対象となります。一方、1型糖尿病の方、膵炎の既往がある方、甲状腺髄様癌の既往または家族歴のある方、妊娠中・授乳中の方には使用できません。あくまで医師の診察と処方が必要な医薬品ですので、当院にてご自身の状況に合わせてご相談ください。
食事・運動・睡眠の改善を薬と並行して行うことが重要です。食事はタンパク質や食物繊維を意識し、野菜から食べる「ベジファースト」が効果的です。運動は有酸素運動と筋力トレーニングの組み合わせが理想的です。また、睡眠不足は食欲を増進させるため、毎晩7〜8時間の質の高い睡眠を心がけましょう。
💪 まとめ
GLP-1は体内で自然に分泌されるホルモンであり、血糖値のコントロール、食欲の抑制、満腹感の持続など、多面的な働きを持っています。このGLP-1の作用を活用したGLP-1受容体作動薬は、2型糖尿病の治療から肥満症の管理まで、幅広い場面で活用されています。
期待できる主な効果としては、食後血糖値の上昇抑制、HbA1cの改善、食欲抑制による自然な食事量の減少、そして体重減少が挙げられます。体重の10〜15%以上の減少も報告されており、体重減少に伴う血圧や脂質、関節負担の改善など、波及的な健康効果も期待できます。
一方で、吐き気などの消化器系の副作用があることや、膵炎リスクへの注意、使用を中止した際のリバウンドの可能性についても理解しておく必要があります。GLP-1受容体作動薬は医師の診察と処方が必要な医薬品であり、自己判断での使用は避けなければなりません。
GLP-1受容体作動薬の効果を最大限に引き出すためには、薬物療法だけに頼るのではなく、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠などの生活習慣の改善を組み合わせることが重要です。薬と生活習慣改善の両輪で取り組むことで、より持続的な効果を得ることができます。
GLP-1受容体作動薬に興味のある方、または使用を検討されている方は、アイシークリニック渋谷院にお気軽にご相談ください。担当医師が現在の健康状態や生活習慣を丁寧にお伺いし、個々の状況に合った適切なアドバイスと治療計画をご提案いたします。
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📚 参考文献
- 厚生労働省 – GLP-1受容体作動薬の承認情報、糖尿病治療薬・肥満症治療薬としての薬事承認に関する情報、および医薬品の適正使用に関する公式ガイダンスの参照
- PubMed – セマグルチドやリラグルチドを用いた大規模臨床試験(体重減少効果・HbA1c低下・心血管リスク低減)に関する査読済み論文の参照
- WHO(世界保健機関) – 肥満症の世界的な定義・診断基準・治療方針、およびGLP-1受容体作動薬を含む肥満管理における国際的な推奨事項の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務