⚡ 「半袖が着られない」「温泉に行けない」「視線が怖い…」そんな悩み、一人で抱え込んでいませんか?
リストカットの跡は、自然に完全消えることは難しく、長期間にわたって精神的な負担になりがちです。でも、今は医療の力で改善できる時代です。
この記事を読めば、傷跡が残る仕組み・治療の選択肢・セルフケア方法・受診のタイミングまで、全部わかります。
🚨 この記事を読まないと…
📌 傷跡の種類を間違えると、セルフケアが逆効果になることも
📌 治療のタイミングを逃すと、改善が難しくなる場合がある
📌 自分に合った治療法を知らないまま、悩み続けてしまう
💡 この記事でわかること
✅ 傷跡が消えない理由(医学的な仕組み)
✅ レーザー・手術・注射…治療法ごとの違いと効果
✅ 今日からできるセルフケアの正しいやり方
✅ 受診すべきタイミングと医療機関の選び方
20代女性・相談者より
「ずっと長袖しか着られなくて…。治療って本当に効果あるの?怖くて踏み出せなかったけど、この記事を読んで初めて相談しようと思えました。」
目次
- リストカットの跡はなぜ残るのか
- 傷跡の種類と特徴を知る
- リストカットの跡が心理面に与える影響
- 医療機関で受けられる治療法の種類
- レーザー治療について詳しく解説
- 手術療法(切除縫合・皮膚移植)について
- 注射療法(ケロイド・肥厚性瘢痕への対応)
- 日常生活でできるセルフケアと予防
- 治療を受けるタイミングと医療機関の選び方
- まとめ
この記事のポイント
リストカットの跡は真皮層に達した傷跡で自然消失は難しいが、レーザー治療・手術療法・注射療法などの医療的介入で改善できる。当院では傷跡の種類と状態に応じた治療計画を提案し、心理的サポートとの並行も推奨している。
💡 1. リストカットの跡はなぜ残るのか
皮膚は私たちの体を覆う最大の臓器であり、外部からの刺激や感染から体を守る重要な役割を担っています。皮膚には表皮・真皮・皮下組織という層構造があり、浅い傷であれば表皮の再生によって比較的きれいに修復されますが、真皮層にまで達する傷は「瘢痕(はんこん)」として跡が残りやすくなります。
リストカットによる傷は、刃物などの鋭利なものによって生じるため、皮膚の深い層まで到達することが多く、瘢痕が形成されやすい状態です。傷が修復される過程では、線維芽細胞がコラーゲンを産生して組織を埋めていきます。このコラーゲンの産生が過剰になったり、不均一になったりすることで、周囲の皮膚とは異なる質感や色調の跡が残ります。
また、傷の治癒過程において感染が生じた場合や、傷口が引っ張られる方向に力が加わった場合には、より目立つ瘢痕が形成されやすくなります。手首は関節に近く、日常的に動きが多い部位であることから、傷が治癒する際に皮膚が引っ張られやすく、結果として幅広い瘢痕や盛り上がった瘢痕が形成されることがあります。
さらに、瘢痕の見た目は時間の経過とともに変化します。傷ができて間もない時期は赤みや腫れが強く出ることがありますが、数か月から1年程度が経過すると、赤みが薄れて白っぽくなったり、茶色く色素沈着したりするケースもあります。この変化のペースや結果は個人差が大きく、同じような傷でも人によって最終的な見た目が異なります。
Q. リストカットの跡が消えにくい理由は何ですか?
リストカットの傷は鋭利な刃物による損傷で真皮層まで達することが多く、線維芽細胞が産生するコラーゲンが過剰・不均一になることで瘢痕が形成されます。手首は関節に近く動きが多い部位のため皮膚が引っ張られやすく、幅広い瘢痕や盛り上がった瘢痕になりやすい特徴があります。
📌 2. 傷跡の種類と特徴を知る
リストカットの跡と一口に言っても、その状態はさまざまです。適切な治療法を選ぶためには、自分の傷跡がどのような種類に当たるのかを大まかに把握しておくことが助けになります。医師による正確な診断が必要ですが、一般的な傷跡の種類について知識を持っておくことは有用です。
まず「成熟瘢痕(せいじゅくはんこん)」は、傷の治癒が完了した状態の瘢痕を指します。周囲の皮膚よりも白っぽく、やや光沢があることが多く、傷の深さや幅によって見た目が異なります。引きつれがなく平坦な状態のものはこのタイプに分類されます。
「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」は、傷跡が赤みを帯びて盛り上がった状態です。コラーゲンの過剰産生によって生じますが、元の傷の範囲内にとどまるという特徴があります。手首のように動きが多い関節部位では、この肥厚性瘢痕が生じやすい傾向があります。かゆみや痛みを伴うことがあり、時間とともに自然に改善することもありますが、程度によっては治療が必要です。
「ケロイド」は肥厚性瘢痕と見た目が似ていますが、元の傷の範囲を超えて周囲の正常な皮膚にまで広がっていくという点で異なります。遺伝的な素因が影響するとされており、体質によってケロイドができやすい人とできにくい人がいます。ケロイドは自然には治りにくく、適切な医療的介入が必要です。
「瘢痕拘縮(はんこんこうしゅく)」は、傷跡が原因で皮膚が引きつれ、関節の動きが制限される状態です。手首近くに傷跡がある場合、皮膚の引きつれによって手首の可動域が狭くなることがあります。日常生活への支障が大きい場合には、機能回復を目的とした治療が必要です。
「色素沈着・色素脱失」は、傷跡の部分で皮膚の色素が変化した状態です。メラニン色素が増加した茶色っぽい状態(色素沈着)と、メラニン色素が失われた白っぽい状態(色素脱失)があります。特に色素脱失は元に戻ることが難しく、治療の選択肢が限られる場合もあります。
✨ 3. リストカットの跡が心理面に与える影響
リストカットの跡が残っていることは、身体的な問題だけでなく、精神的・社会的な面でも大きな影響を与えることがあります。傷跡を他者に見られることへの不安や恐れから、季節を問わず長袖の衣服を着用したり、水泳や温泉などの行動を避けたりする方は多くいます。こうした行動の制限は、日常生活のクオリティや人間関係にも影響を及ぼすことがあります。
また、傷跡を見るたびに過去の辛い記憶や感情が蘇るという方もいます。傷跡が日常的に目に入ることで、当時の心理的苦痛が反復され、精神的な回復を妨げてしまうケースも報告されています。逆に、傷跡の治療を進めることで、過去に区切りをつけて前向きな気持ちを持てるようになった、という声もあります。
さらに、就職活動や職場での状況も心理的な重荷になることがあります。面接時に傷跡が見えることへの不安、業種によっては服装規定上半袖が必要な場合など、社会生活の中でリストカットの跡が障壁となる場面も存在します。
重要なのは、傷跡の治療を検討することは、決して「過去を消したい」という後ろ向きな行動ではなく、自分自身の生活を豊かにするための積極的な選択だということです。外見上の変化が自己肯定感の回復や社会参加の促進につながることは、医療的にも認められています。また、もし現在も自傷衝動を感じている方がいれば、傷跡の治療と並行して、心理的サポートを受けることが非常に重要です。
Q. ケロイドと肥厚性瘢痕の違いは何ですか?
肥厚性瘢痕は傷跡が赤く盛り上がるものの元の傷の範囲内にとどまるのに対し、ケロイドは周囲の正常な皮膚にまで広がる点が異なります。ケロイドは遺伝的素因が影響し体質によってなりやすさが異なります。また肥厚性瘢痕は時間とともに改善することがありますが、ケロイドは医療的介入が必要です。
🔍 4. 医療機関で受けられる治療法の種類
リストカットの跡に対して医療機関で受けられる治療はいくつかの種類があり、傷跡の状態・大きさ・深さ・色調の変化などによって、最適なアプローチが異なります。複数の治療法を組み合わせることもあり、担当医との十分な相談のうえで治療計画を立てることが大切です。
主な治療の選択肢としては、レーザー治療・手術療法(切除縫合・皮膚移植)・注射療法・外用薬・テーピング療法などがあります。それぞれについて以下のセクションで詳しく説明しますが、ここでは治療法の全体的な位置づけについて整理します。
まず、傷跡の「目立ちにくさ」を改善するアプローチとして、色調や質感を周囲の皮膚に近づけることを目標にした治療があります。レーザー治療は、赤みや色素沈着、表面の凹凸を改善するために広く用いられます。傷跡が完全に「消える」わけではありませんが、目立たなくすることが期待できます。
次に、傷跡の「形状・大きさ」を改善するアプローチとして、手術療法があります。傷跡を切除して縫合し直す方法や、皮膚を移植する方法などがあり、特に幅が広い傷跡や、引きつれが生じている場合に有効です。
また、ケロイドや肥厚性瘢痕に対しては、ステロイドの局所注射や、圧迫療法、外用薬(シリコンジェルシートなど)が用いられることがあります。これらは単独で用いられることもありますが、レーザーや手術と組み合わせて使われることも多いです。
いずれの治療も、完全に傷跡を「なかったこと」にすることは現実的に難しいですが、適切な治療を受けることで、日常生活での支障を大幅に軽減できる可能性があります。
💪 5. レーザー治療について詳しく解説
レーザー治療は、リストカットの跡に対する治療の中でも比較的侵襲が少なく、繰り返し行いやすい方法として多くの医療機関で実施されています。ただし、傷跡の状態によって使用するレーザーの種類や治療計画が異なるため、医師による診察と相談が不可欠です。
レーザーにはさまざまな種類があり、それぞれ作用するメカニズムや適応が異なります。主に使用されるものとして、以下のような種類があります。
「フラクショナルレーザー」は、皮膚に微細な穴を無数に開けることで肌の再生を促し、傷跡の凹凸を改善する効果が期待できます。周囲の正常な皮膚にはダメージを与えず、治癒を促進するという特徴があります。複数回の施術が必要なことが多いですが、ダウンタイムが比較的短い点が利点です。
「炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)」は、組織を蒸散させる作用を持ち、傷跡の盛り上がりを削ったり、凹凸を整えたりするために使用されます。精度高く組織を除去できる反面、術後に一定のダウンタイムが生じます。
「Qスイッチレーザー」や「ピコレーザー」は、色素に対して選択的に作用するレーザーで、傷跡の色素沈着(茶色い着色)を改善するために用いられます。メラニン色素に反応してこれを分解するため、黒ずみや茶色みが気になる場合に適しています。
「パルス色素レーザー(PDL)」は、血管に対して選択的に作用し、傷跡の赤みを改善する効果があります。赤く炎症が残っている傷跡や、血管が多く残っている場合に有効です。
レーザー治療の一般的な流れとしては、まずカウンセリングと診察を行い、傷跡の状態を確認したうえで治療方針を決定します。施術当日は、麻酔クリームや局所麻酔を用いることで痛みを軽減し、レーザーを照射します。施術後は赤みや腫れが出ることがありますが、数日から1週間程度で落ち着くことが多いです。
複数回の施術を重ねることで効果が蓄積されていくため、1回で大きな変化を期待するよりも、継続的に治療を行うことが重要です。施術の間隔は使用するレーザーの種類や皮膚の状態によって異なりますが、通常は数週間から1か月程度の間隔を空けて行われます。
なお、レーザー治療は保険適用外の自由診療となる場合が多く、費用は施術の種類や回数、医療機関によって異なります。事前に費用についても確認しておくと安心です。
Q. リストカットの跡にどんなレーザー治療が有効ですか?
傷跡の状態に応じて複数のレーザーが使い分けられます。凹凸の改善にはフラクショナルレーザー、盛り上がりの除去には炭酸ガスレーザー、色素沈着にはピコレーザーやQスイッチレーザー、赤みにはパルス色素レーザーが有効です。いずれも複数回の施術を重ねることで効果が蓄積されます。アイシークリニックでは傷跡の種類に応じた治療を提案しています。

🎯 6. 手術療法(切除縫合・皮膚移植)について
手術療法は、傷跡の幅が広い場合や、引きつれが生じている場合、またはレーザー治療では改善が難しいと判断された場合に検討される治療法です。外科的に傷跡を処理することで、より目立ちにくい状態にすることを目指します。
「切除縫合」は、傷跡の組織をメスで切除し、丁寧に縫合し直す方法です。古い傷跡を新しい手術創として作り直し、適切な縫合技術によってより細く・目立ちにくい新しい瘢痕を形成することを目的とします。縫合の際には、傷跡が引っ張られる方向(緊張)を考慮した切開・縫合が行われます。
手首のように動きが多い部位では、皮膚が引っ張られることで瘢痕が広がりやすいため、縫合後の固定やリハビリテーションが治療成績に影響することがあります。術後には傷跡が安定するまでの間、テーピングや外用薬でのアフターケアが必要です。
「Z形成術・W形成術」は、単純な直線的な切除縫合では対応が難しい場合に用いられる手技です。Z字やW字の形に切開することで、瘢痕の向きを変えたり、引きつれを解消したりすることが目的です。皮膚の緊張を分散させることで、再び幅広い瘢痕が形成されるリスクを低減できます。
「植皮術(皮膚移植)」は、傷跡の面積が広い場合や、皮膚の引きつれが強く切除縫合だけでは対応できない場合に検討されます。体の別の部位(大腿部や腹部など)から皮膚を採取して、傷跡部位に移植する方法です。採皮部位にも傷跡が残ることになるため、術前に十分な説明を受けて理解したうえで選択することが重要です。
手術療法はより侵襲的な方法であるため、術前の検査・麻酔・術後の管理など、しっかりとした医療体制のもとで行われます。手術療法の費用についても、保険適用となるかどうかは傷跡の状態や目的によって異なりますので、担当医に確認することをお勧めします。
💡 7. 注射療法(ケロイド・肥厚性瘢痕への対応)
ケロイドや肥厚性瘢痕のように、傷跡が赤く盛り上がっている状態に対しては、注射療法が有効な選択肢となることがあります。最も一般的に用いられるのはステロイド薬(トリアムシノロンアセトニドなど)の局所注射です。
ステロイドの局所注射は、過剰なコラーゲン産生を抑制し、盛り上がった傷跡を平坦にする効果が期待できます。定期的に注射を行うことで、ケロイドや肥厚性瘢痕のかさばりが徐々に改善されることがあります。一般的には数週間から1か月間隔で複数回の注射を行い、経過を観察しながら治療を継続します。
副作用としては、注射部位の皮膚が薄くなる萎縮や、毛細血管が拡張して赤みが増すテランジェクタジア(毛細血管拡張)などが起こることがあります。これらは多くの場合、注射を中断することで改善しますが、治療前に医師から説明を受けておくことが大切です。
ステロイド注射以外の注射療法として、「5-フルオロウラシル(5-FU)」の注射が用いられることもあります。5-FUは抗腫瘍薬の一種ですが、少量を瘢痕内に注射することでコラーゲンの産生を抑制する効果があり、ステロイドと組み合わせて使用されることがあります。
また、ケロイドに対しては手術切除と術後の放射線療法を組み合わせるアプローチも行われます。術後にケロイドが再発するリスクを放射線照射によって低減する方法で、再発率を下げる効果が報告されています。ただし、放射線療法は実施できる施設が限られており、また照射部位やその周辺への長期的な影響についても考慮が必要です。
ケロイドは特に治療が難しい傷跡の一つで、手術で切除しても再発するリスクが高いことが知られています。そのため、単一の治療法ではなく複数の方法を組み合わせた集学的なアプローチが推奨されることが多いです。専門的な知識を持つ形成外科医や皮膚科医に相談することが重要です。
Q. リストカットの跡のセルフケアで効果的な方法は?
日常的なセルフケアとして、紫外線対策・保湿ケア・シリコンジェルシートの使用が有効とされています。傷跡は紫外線で色素沈着が悪化しやすいため日焼け止めや長袖での遮蔽が特に重要です。またタンパク質・ビタミンC・亜鉛など皮膚再生を助ける栄養素の摂取や禁煙も治療効果を高める助けになります。
📌 8. 日常生活でできるセルフケアと予防
医療機関での治療と並行して、あるいは治療前後の日常ケアとして、自宅でできるセルフケアも傷跡の状態改善に役立ちます。また、新たに傷ができた際に適切なケアを行うことで、瘢痕が目立ちにくくなる可能性があります。
紫外線対策は傷跡ケアの中でも特に重要です。傷跡の部分は紫外線に対して敏感で、日光に当たることで色素沈着が悪化したり、赤みが長引いたりすることがあります。傷跡が外気に露出する場合は、UVカット効果のある日焼け止めを丁寧に塗布し、長袖や手袋などで物理的に遮蔽することも効果的です。
保湿ケアも傷跡の状態に影響します。皮膚が乾燥すると傷跡がより目立ちやすくなることがあり、適度な保湿を保つことで皮膚の柔軟性を維持することができます。刺激の少ない保湿剤を使用し、傷跡の部分にも丁寧に塗り込むことを習慣にしましょう。
シリコンジェルシートやシリコンゲルの外用は、肥厚性瘢痕やケロイドの予防・改善に一定の効果があるとされています。傷が閉じた後からシリコン製品を使用することで、瘢痕の厚みや赤みが軽減されたという報告があります。市販品も存在しますが、医師に相談のうえで使用方法を確認することをお勧めします。
テーピングは、傷跡が引っ張られることを予防し、幅広い瘢痕の形成を防ぐ目的で行われます。手術後などに医師から指導されることが多いですが、適切なテープを適切な方向に貼ることが重要であり、やり方を誤ると逆効果になることもあるため、医師の指示に従って実施してください。
傷跡のマッサージは、皮膚の柔軟性を高め、引きつれを緩和する効果があるとされています。ただし、傷が完全に閉じていない状態や炎症が強い状態では行わず、傷跡が安定してから医師の指導のもとで行うことが大切です。
コンシーラーや医療用のカバーメイクアップを活用することも、日常生活のクオリティを高める一つの手段です。傷跡専用のコンシーラーや、皮膚科・形成外科で処方・推奨される医療用コスメは、一般の化粧品よりも高いカバー力を持つものがあります。ただし、これは傷跡そのものを改善するわけではないため、根本的な治療との併用が望ましいです。
食生活や生活習慣も皮膚の状態に影響を与えます。タンパク質・ビタミンC・亜鉛など、皮膚の再生に関わる栄養素をバランスよく摂取することは、傷跡の改善を間接的にサポートします。また、喫煙は皮膚の血流を低下させて傷の治癒を妨げることが知られており、禁煙することが治療効果を高めることにつながります。
✨ 9. 治療を受けるタイミングと医療機関の選び方

リストカットの跡の治療を検討している方にとって、「いつ」「どこで」治療を受けるかは大きな悩みの一つではないでしょうか。ここでは、治療を開始するタイミングと、医療機関を選ぶ際のポイントについて解説します。
治療を始めるタイミングについては、傷跡の状態が安定してから(傷が完全に閉じてから)が基本です。新しい傷に対してレーザーや手術を行うことは通常ありません。一般的には、傷ができてから3か月から6か月程度が経過し、赤みや腫れが落ち着いてから治療を開始することが多いです。ただし、ケロイドや肥厚性瘢痕については、早期に対応することで進行を抑えられる場合もあるため、気になる症状があれば早めに医師に相談することをお勧めします。
また、現在も自傷行為が続いている方や、心理的なサポートが必要な方については、まず心療内科・精神科・カウンセリング機関への相談を優先することが大切です。身体的な傷跡の治療は、心理的な安定が得られてから進める方が、治療効果を最大限に発揮しやすいと考えられています。
医療機関の選び方としては、傷跡治療を専門的に扱っている形成外科や美容皮膚科・美容外科を選ぶことが重要です。傷跡の治療は高度な技術と経験が求められる分野であり、専門的なトレーニングを受けた医師が担当することが治療成績に影響します。
初めて受診する際には、以下のような点を確認しておくと良いでしょう。まず、担当医が傷跡治療の経験豊富な専門医であるかどうか。次に、複数の治療法を提示してもらい、それぞれのメリット・デメリット・費用・治療期間について丁寧に説明してもらえるかどうか。そして、リストカットの跡という特性上、患者さんのプライバシーに配慮した対応をしてもらえるかどうかも大切なポイントです。
カウンセリングの時点で、傷跡の状態を正直に伝え、自分の希望する改善の方向性(目立たなくしたい・引きつれを解消したいなど)を伝えることで、より適切な治療提案を受けやすくなります。一つの医療機関だけでなく、複数の医療機関でセカンドオピニオンを求めることも、納得のいく治療を受けるための方法として有効です。
費用面については、傷跡治療は多くの場合自由診療となりますが、機能的な障害(瘢痕拘縮による関節可動域の制限など)を伴う場合は保険診療の対象になることがあります。事前に保険適用の可否について医師に確認しておくことをお勧めします。
精神的な側面についても、医療機関によっては心療内科や精神科との連携体制を整えているところもあります。身体的・精神的両面からのサポートを受けられる環境を選ぶことで、より包括的なケアを受けることができます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「リストカットの跡でお悩みの方は、身体的な傷跡だけでなく、日常生活や心理面でも長期にわたって影響を受けていることが多く、当院では身体・精神の両面に寄り添いながら治療方針を検討するよう心がけています。傷跡の種類や状態によって最適なアプローチは異なりますが、レーザー治療や手術療法などを組み合わせることで、多くの患者様に日常生活の質の向上を実感していただいています。一人で抱え込まず、まずは気軽にご相談いただければ、その方にとって最善の治療計画を一緒に考えてまいります。」
🔍 よくある質問
傷が真皮層まで達している場合、自然に完全に消えることは難しいとされています。時間の経過とともに赤みが薄れたり、色調が変化したりすることはありますが、瘢痕そのものが消滅するわけではありません。気になる場合は、医療機関で適切な治療を受けることをお勧めします。
基本的には傷が完全に閉じ、状態が安定してから3〜6か月程度経過した後が治療開始の目安です。ただし、ケロイドや肥厚性瘢痕は早期対応が有効な場合もあります。また、現在も精神的なつらさがある方は、心理的サポートを優先したうえで治療を進めることが大切です。
レーザー治療で傷跡を完全に消すことは現実的には難しいですが、赤みや色素沈着・凹凸などを改善し、目立ちにくくする効果が期待できます。使用するレーザーの種類は傷跡の状態によって異なり、複数回の施術を重ねることで効果が蓄積されていきます。担当医と十分に相談しながら治療計画を立てることが重要です。
レーザー治療や美容目的の手術療法は、多くの場合自由診療となります。ただし、瘢痕拘縮による関節可動域の制限など、機能的な障害を伴う場合は保険診療の対象となることがあります。保険適用の可否については受診時に医師へ直接確認されることをお勧めします。
日常的なセルフケアとして、紫外線対策(日焼け止め・長袖での遮蔽)、保湿ケア、シリコンジェルシートの使用が有効とされています。また、タンパク質やビタミンCなど皮膚の再生を助ける栄養素の摂取も間接的に効果的です。ただしセルフケアは補助的な位置づけであり、気になる場合は医療機関への相談を併せてご検討ください。
💪 まとめ
リストカットの跡は、その種類や状態によってさまざまな治療法が存在し、適切な医療的介入によって大幅に改善できる可能性があります。傷跡の治療は決して「傷跡を消して過去をなかったことにする」ためだけのものではなく、日常生活を快適に送り、自分らしく生きていくための前向きな選択です。
治療の種類としては、レーザー治療・手術療法・注射療法・外用薬・テーピングなど多岐にわたり、傷跡の状態によって最適な方法を選ぶことが重要です。また、医療機関での治療と並行して、日常的なUVケア・保湿・シリコン製品の活用などのセルフケアを継続することで、治療効果をより高めることができます。
治療を始めるタイミングは、傷跡の状態が安定してからが基本ですが、心理的な安定も重要な要素です。現在も精神的なつらさを感じている方は、身体的な治療と並行して心理的サポートを求めることをぜひ検討してください。
アイシークリニック渋谷院では、傷跡治療に関するご相談を承っております。一人ひとりの傷跡の状態を丁寧に診察し、最適な治療計画をご提案します。傷跡でお悩みの方は、まずはカウンセリングにお越しいただき、専門スタッフにご相談ください。皆様の日常生活がより豊かになるよう、全力でサポートいたします。
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📚 参考文献
- 日本形成外科学会 – 瘢痕・ケロイド・肥厚性瘢痕の定義・分類・治療法(レーザー治療・手術療法・注射療法など)に関する専門的な医学情報の参照元として適切
- 日本皮膚科学会 – 傷跡の種類(成熟瘢痕・色素沈着・色素脱失)や皮膚構造・治癒過程に関する皮膚科学的な解説、およびセルフケア(紫外線対策・保湿・シリコン製品)の根拠情報として参照
- 厚生労働省 – 自傷行為・リストカットの背景にある精神的問題への対応、心療内科・精神科との連携や心理的サポートに関する情報の参照元として適切
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務