赤ちゃんの首まわりは、ムチムチとした皮膚のひだが重なり合っているため、汗や皮脂がたまりやすく、あせも(汗疹)が最も発生しやすい部位のひとつです。「首が赤くなっている」「なんとなくかゆそうにしている」「じゅくじゅくしている気がする」と気になりながらも、どう対処すればよいか迷っている保護者の方は多いのではないでしょうか。あせも自体は決して珍しい症状ではありませんが、放置したり間違ったケアを続けたりすると悪化して皮膚炎やとびひに発展することもあります。この記事では、赤ちゃんの首にあせもができる原因から、正しいスキンケアの方法、受診を検討すべきサインまで、幅広く解説します。
目次
- 赤ちゃんの首にあせもができやすい理由
- あせもの種類と症状の違い
- 首のあせもを悪化させる主な原因
- 首のあせもの正しいケア方法
- 日常生活で気をつけたいポイント
- 市販薬の使い方と注意点
- 病院に行くべきタイミングとは
- 医療機関でのあせも治療
- あせもと間違えやすい皮膚トラブル
- まとめ
この記事のポイント
赤ちゃんの首のあせもは「清潔・乾燥・通気」の3点が基本ケア。じゅくじゅく・発熱・1週間改善なしの場合は早めに受診し、乳児脂漏性皮膚炎やカンジダ性皮膚炎との鑑別も重要。
🎯 赤ちゃんの首にあせもができやすい理由
赤ちゃんの肌は、大人に比べて非常に薄く、皮膚のバリア機能がまだ十分に発達していません。大人の皮膚の厚さが約2ミリ程度とされているのに対して、新生児の皮膚はその半分以下しかないといわれており、外部の刺激を受けやすい繊細な状態にあります。
さらに、赤ちゃんは体重あたりの体表面積が大人よりも広いにもかかわらず、体温調節機能が未熟です。汗腺(エクリン腺)の密度が高く、ちょっとした刺激でも大量の汗をかきやすい体質になっています。しかも汗腺一つひとつの出口(汗孔)がとても小さいため、汗が皮膚の表面に出てくる前に詰まってしまいやすく、これがあせもの直接の原因となります。
首まわりが特に問題になるのは、その解剖学的な構造が関係しています。生後数ヶ月の赤ちゃんはまだ首を自力で支える筋力がないため、頭の重みで首の皮膚が折れ重なった状態になっています。このひだの中は通気性が極端に悪く、汗が蒸発しにくい環境が続きます。また、授乳のたびにミルクや母乳が首のひだに流れ込んで残ることも多く、湿った状態が長く続くことであせもが生じやすくなります。
さらに、赤ちゃんは泣いたり体を動かしたりするだけで体温が上昇しやすく、気温が高い季節だけでなく、冬場でも暖房の効いた室内では汗をかくことがあります。こうした複数の要因が重なることで、赤ちゃんの首まわりはあせもが非常に発生しやすい環境になっているのです。
Q. 赤ちゃんの首にあせもができやすい理由は?
赤ちゃんの首は皮膚のひだが重なり通気性が極めて悪い構造です。汗腺の密度が高く汗をかきやすい一方、汗孔が小さく詰まりやすい体質があります。さらに授乳のたびにミルクや母乳がひだに流れ込んで残りやすく、湿った状態が続くためあせもが特に発生しやすい部位となっています。
📋 あせもの種類と症状の違い
あせもは医学的には「汗疹(かんしん)」と呼ばれ、詰まった汗腺から汗が適切に排出されないことで起こる皮膚トラブルです。大きく分けて3つの種類があり、それぞれ症状や重症度が異なります。
まず「水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)」は、皮膚の一番表面に近い浅いところで汗腺が詰まることで生じます。透明あるいは白色の小さな水ぶくれのような見た目が特徴で、かゆみや痛みはほとんどありません。数日で自然に消えることが多く、赤ちゃんにとって最も軽い種類のあせもです。首のひだや背中など、汗が出にくい部位に多く見られます。
次に「紅色汗疹(こうしょくかんしん)」は、一般的に「あせも」と呼ばれる際に多くの人がイメージするタイプです。皮膚の少し深い層で汗腺が詰まり、赤い小さなぶつぶつが集まって現れます。かゆみを伴うことが多く、赤ちゃんが首まわりを気にしてこすったり、機嫌が悪くなったりすることがあります。適切なケアで改善できることが多いですが、掻き壊すと二次感染の原因にもなります。
最も重症なタイプが「深在性汗疹(しんざいせいかんしん)」で、汗腺が皮膚の深い層で詰まることで起こります。肌色や白っぽい丘疹(きゅうしん)が現れ、広範囲に広がることがあります。熱がこもって発熱を引き起こすこともあるため、このタイプが疑われる場合は医療機関への受診が必要です。
赤ちゃんの首に見られるあせもは、紅色汗疹が最も多いタイプです。最初は小さな赤いぶつぶつが首のひだの中や周辺に現れ、悪化すると広範囲に広がったり、皮膚がじゅくじゅくしてきたりすることがあります。
💊 首のあせもを悪化させる主な原因
赤ちゃんの首のあせもは、一度できてしまうと悪化させてしまうことがあります。どんな行動や状況がよくないのかを理解しておくことが、適切なケアの第一歩です。
まず挙げられるのが、不十分な清潔ケアです。首のひだの中は洗い残しが生じやすく、汗や皮脂、ミルクの残りなどが蓄積すると細菌が増殖しやすくなります。しかし逆に、清潔にしようとして1日に何度もゴシゴシ洗いすぎることも皮膚のバリア機能を傷つける原因になります。
次に、入浴後や汗をかいた後の不十分な乾燥も問題です。首のひだの中まで水分が残っていると、蒸れた状態が続いてあせもを悪化させます。タオルでしっかり拭き取っているつもりでも、深いひだの中まで乾燥できていないことがあります。
衣類や寝具による摩擦も見逃せない要因です。首まわりにぴったりとした衣類を着せている場合、布地が皮膚をこすって炎症を悪化させることがあります。また、素材によっては熱がこもりやすく、汗をかきやすい状況を作り出してしまいます。
室温管理の失敗もよくある原因のひとつです。赤ちゃんに汗をかかせないためとして室温を低くしすぎるのも問題ですが、「寒いかもしれない」と必要以上に厚着をさせたり、室温を高く保ちすぎたりすることで過剰な発汗を促してしまうことがあります。
保湿剤の選択ミスも影響します。あせもになっている皮膚に油分の多いクリームや軟膏を塗ると、汗腺の出口をふさいでさらに悪化させることがあります。あせもの時期には、保湿剤の種類を慎重に選ぶ必要があります。
そして、あせもによるかゆみで赤ちゃんが自分の手や寝具で首をこすったり掻いたりすることで、皮膚に傷がつき、そこから細菌が入って感染症(とびひなど)に発展するリスクもあります。
Q. 赤ちゃんの首のあせもの正しいケア方法は?
基本は「清潔・乾燥・通気」の3点です。毎日の入浴でベビー用低刺激石けんを使い首のひだの中まで優しく洗います。入浴後はタオルで押さえるように水分を丁寧に吸収させ、ひだの中まで乾燥させましょう。衣類は綿素材など通気性の高いものを選び、汗をかいたらこまめに拭き取ることも大切です。
🏥 首のあせもの正しいケア方法
赤ちゃんの首のあせもは、正しいケアを続けることで多くの場合は自然に改善していきます。基本となるのは「清潔・乾燥・通気」の3つです。それぞれについて具体的な方法を説明します。
清潔を保つためには、毎日の入浴が大切です。お風呂では、ベビー用の低刺激性の泡立てたせっけんや沐浴剤を使って、首のひだの中まで丁寧に洗います。ひだを優しく広げながら、指の腹で優しく洗うようにしましょう。洗いすぎは禁物ですが、1日1回の入浴で丁寧に洗うことが基本です。汗をたくさんかいた日や、授乳後にミルクが首に流れてしまった場合は、固く絞ったやわらかいガーゼなどで首のひだを拭き取ることも効果的です。ただし、肌を傷つけないよう力を入れすぎないことが大切です。
入浴後の乾燥については、タオルで押さえるように水分を吸収させ、首のひだの中まで丁寧に拭きましょう。ゴシゴシこすると皮膚が傷つきますので、清潔なタオルやガーゼをひだの中に入れるようにして水分を取り除くのがコツです。ドライヤーの冷風を少し離れたところから当てて乾燥させる方法もあります(温風は避けてください)。また、赤ちゃんを仰向けに寝かせると首のひだが重なってしまうため、入浴後しばらくは抱っこしてひだを開いた状態を保つと乾燥が促進されます。
通気性を確保するためには、衣類の素材と着せ方が重要です。綿素材など吸湿性・通気性の高い素材を選び、首まわりがゆったりとしたデザインのものを選ぶとよいでしょう。また、必要以上に厚着をさせないことも大切です。大人よりも1枚少ない枚数が目安とされており、背中に手を入れて汗ばんでいるようであれば着替えを検討しましょう。
保湿ケアについては、あせもが活動期にある場合は油分の多いものより、ローションタイプやジェルタイプのさっぱりしたものが適しています。ただし、あせも自体が落ち着いてきたら乾燥を防ぐための保湿も重要になります。何を使えばよいか迷う場合は、かかりつけの小児科や皮膚科に相談するのが確実です。
⚠️ 日常生活で気をつけたいポイント
スキンケアと並行して、日常生活の環境を整えることもあせもの予防・改善に大きく貢献します。
室温と湿度の管理は非常に重要です。赤ちゃんが過ごす室内の温度は、夏場で26〜28度程度、冬場で20〜22度程度が目安とされています。湿度については、50〜60%程度を保てるとよいでしょう。エアコンや扇風機を上手に活用して、室内が蒸し暑くならないよう工夫してください。ただし、エアコンの風が直接赤ちゃんに当たると体を冷やしすぎることがあるため、風向きには注意が必要です。
赤ちゃんが使う寝具についても見直しが必要な場合があります。分厚い羽毛布団や毛布は熱がこもりやすいため、季節に合わせて薄手のものに変えましょう。また、シーツや枕カバーは汗を吸いやすい綿素材のものを選び、こまめに洗濯して清潔を保つことが大切です。
抱っこをする際にも工夫ができます。赤ちゃんを胸に密着させて長時間抱っこしていると、体温が上がって首まわりに汗をかきやすくなります。特に夏場は抱っこひもの使用によって赤ちゃんの体温が上がりやすいため、首まわりにガーゼを挟んで汗を吸収したり、涼しい場所では抱っこひもを外して休憩したりする工夫をしましょう。
授乳の後は、首まわりに流れたミルクや母乳が残りやすいため、授乳のたびに首のひだを確認して、汚れていれば濡れたガーゼで優しく拭いてあげましょう。この小さな習慣があせもの予防に役立ちます。
お散歩や外出の際も注意が必要です。直射日光は体温を上昇させて発汗を促すため、日中の暑い時間帯の外出は避け、日よけを使用するなどして赤ちゃんが直射日光を受けないようにしましょう。外出から帰ったら、汗をかいていないか確認して必要に応じて体を拭いてあげることが大切です。
Q. 赤ちゃんのあせもで病院に行くべき状況は?
以下の場合は早めに医療機関を受診してください。ホームケアを1週間続けても改善しない場合、首のひだがじゅくじゅくしていたり膿が出ている場合、かゆみが強く睡眠や授乳に影響が出ている場合、発熱を伴っている場合、あせもが広範囲に広がっている場合です。アイシークリニックでも赤ちゃんの肌トラブルのご相談を承っています。
🔍 市販薬の使い方と注意点
赤ちゃんのあせもに使用できる市販薬には、大きく分けて「あせも薬(外用薬)」と「あせも用パウダー」があります。それぞれの特徴と注意点を理解した上で使用することが重要です。
市販のあせも薬として一般的に使われているのが、酸化亜鉛を含むローションやクリームタイプの製品です。酸化亜鉛は収れん作用と保護作用があり、炎症を鎮めながら皮膚を保護する働きがあります。赤ちゃん用に設計された製品も多く販売されていますが、使用前には必ず対象年齢や使用方法を確認してください。
あせも用パウダー(ベビーパウダー)については、近年その使用を推奨しない小児科医や皮膚科医も増えています。粉末が汗で固まって汗腺をさらに詰まらせたり、呼吸器に吸い込む危険性があったりすることが懸念されているためです。特に首のひだのような狭い部分への使用は慎重に考える必要があります。使用する場合は、手に取ってから塗布するなど粉が舞わないように工夫し、赤ちゃんの口や鼻に入らないよう十分注意してください。
市販薬を使用してもあせもの症状が改善しない場合や、悪化している場合は自己判断で使い続けず、医療機関を受診することが大切です。特にかゆみが強くて赤ちゃんが頻繁にかいてしまう場合や、患部が広がっている場合は早めに受診しましょう。
また、市販薬を使用する際は、必ず「乳幼児に使用できる」と明記されている製品を選び、使用上の注意をよく読んでから使ってください。ステロイドを含む外用薬は、赤ちゃんへの使用については医師の指示のもとで行うことが基本であり、市販の外用ステロイドを自己判断で赤ちゃんに使用することは避けましょう。
📝 病院に行くべきタイミングとは
赤ちゃんのあせもは適切なホームケアで改善することも多いですが、以下のような状況が見られる場合には医療機関への受診を検討してください。
まず、あせもが広範囲に広がっている場合や、首だけでなく顔・背中・お腹など全身に及んでいる場合は受診が必要です。また、ホームケアを1週間程度続けても症状が改善しない場合や、悪化しているように見える場合も医師への相談が必要です。
首のひだの中がじゅくじゅくしていたり、膿のようなものが出ていたりする場合は、細菌感染(とびひなど)を起こしている可能性があります。この場合は抗菌薬の外用や内服が必要になることがあるため、早めに受診してください。
かゆみが非常に強く、赤ちゃんが激しく泣いたり、首をこすりつけたりして睡眠や授乳に影響が出ている場合も受診を検討する時期です。
あせもに発熱が伴う場合も注意が必要です。前述の深在性汗疹では熱がこもって発熱することがありますが、それとは別に感染症が原因で発熱している可能性もあります。発熱を伴う場合は早急に小児科を受診してください。
また、いつものあせもと様子が違うと感じた場合や、あせもなのか他の皮膚疾患なのかが判断できない場合も、専門医に診てもらうことで正確な診断と適切な治療を受けることができます。「たかがあせも」と思わずに、不安を感じたら早めに相談する姿勢が大切です。
Q. あせもと見た目が似た赤ちゃんの皮膚疾患は?
赤ちゃんの首まわりにはあせも以外にも複数の皮膚疾患が生じます。黄色みがかったかさぶたが現れる乳児脂漏性皮膚炎、季節を問わず繰り返すアトピー性皮膚炎、衣類や洗剤が原因の接触性皮膚炎、細菌感染によるとびひ、真菌感染のカンジダ性皮膚炎などがあります。それぞれ治療法が異なるため、症状が長引く場合は専門医への受診が重要です。
💡 医療機関でのあせも治療
医療機関を受診した場合、まず問診と視診によってあせもの状態が確認されます。どのくらいの期間症状が続いているか、生活環境はどうか、発熱や他の症状はないかなどが確認されます。
軽度から中等度の紅色汗疹(一般的なあせも)に対しては、スキンケアの指導が中心となります。清潔を保ち、通気性を確保し、汗を早めに拭き取ることの重要性が説明されます。この基本的なケアだけで改善することも多く、特別な薬が処方されないこともあります。
かゆみや炎症が強い場合には、弱いランクのステロイド外用薬が処方されることがあります。ステロイドと聞いて不安を感じる保護者の方も多いですが、医師が処方する薬は赤ちゃんの症状や使用部位、年齢に応じて適切なランクと量が選ばれています。指示通りの期間・量を守って使用すれば安全性は高く、炎症を効果的に抑えることができます。
細菌感染を伴うあせも(二次感染)が確認された場合は、抗菌薬の外用薬(塗り薬)が処方されます。感染が広範囲に及んでいる場合や全身症状がある場合には、内服の抗菌薬が必要になることもあります。
皮膚科では、あせもの治療と並行してスキンケアの具体的な指導を受けることができます。どのような洗い方をすればよいか、どんな保湿剤を使うべきか、どんな衣類や環境が適しているかなど、赤ちゃんの状態に合わせた個別のアドバイスをもらえます。自己流のケアで改善が見られない場合は、一度専門家に相談してみることをおすすめします。
また、美容皮膚科では、赤ちゃんの肌トラブルに対する相談が可能な施設もあります。どの診療科を受診すればよいかわからない場合は、まずかかりつけの小児科に相談してみるのがよいでしょう。
✨ あせもと間違えやすい皮膚トラブル

赤ちゃんの首まわりに生じる皮膚のトラブルは、あせもだけではありません。見た目が似ていても別の疾患であることがあり、それぞれ対応が異なります。主なものをいくつか紹介します。
まず「乳児脂漏性皮膚炎(にゅうじしろうせいひふえん)」があります。皮脂の分泌が多い生後1〜3ヶ月頃に多く見られ、頭皮や顔面、首まわりなどに黄色みがかったかさぶたのようなものや赤みが現れます。あせもとは原因が異なり、皮脂の過剰分泌と常在菌の影響によるものです。多くの場合は生後3〜4ヶ月を過ぎると皮脂分泌が落ち着いてくるとともに自然軽快しますが、症状が強い場合は医療機関への相談が必要です。
「アトピー性皮膚炎」も赤ちゃんの皮膚トラブルとして多く見られます。特に生後2〜3ヶ月頃から発症することがあり、顔面や首まわりを含む全身に赤みやかゆみを伴う湿疹が現れます。あせもと違うのは、季節に関わらず症状が続いたり悪化と改善を繰り返したりする点です。かゆみが強く、赤ちゃんの生活の質に影響が出る場合は早めに皮膚科を受診することが重要です。
「接触性皮膚炎(かぶれ)」は、衣類の素材や洗剤、軟膏などの外部刺激によって生じるアレルギー性または刺激性の皮膚炎です。首まわりに密着している衣類のタグや、使用しているスタイ(よだれかけ)の素材が原因になることもあります。原因となっているものに接触した部分だけに症状が現れることが多いのが特徴です。
「とびひ(伝染性膿痂疹)」は、あせもなどで傷ついた皮膚に細菌が感染することで起こります。最初は小さな水ぶくれとして始まり、破れてじゅくじゅくした状態になり、周囲に広がっていきます。感染力が強く、他の部位や他の子どもにもうつる可能性があるため、早急な医療機関への受診が必要です。
「カンジダ性皮膚炎」は、カンジダと呼ばれる真菌(かびの一種)による感染症で、おむつかぶれとして有名ですが、首のひだにも生じることがあります。真っ赤で境界がはっきりした発赤が特徴で、周囲に小さな赤い点(衛星病変)が見られることもあります。抗真菌薬による治療が必要なため、医療機関での診断が重要です。
これらの疾患は、見た目だけでは区別が難しいことも多く、また複数の疾患が同時に起こっていることもあります。「あせもだと思っていたら違った」というケースも少なくないため、症状が長引く場合や悪化する場合は、専門医に診てもらうことを強くおすすめします。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、赤ちゃんの首まわりのあせもでご来院される保護者の方の多くが、「ホームケアを続けていたけれど改善しない」「あせもなのか他の疾患なのか判断がつかない」といった不安を抱えていらっしゃいます。記事でも触れているように、あせもと見た目が似た乳児脂漏性皮膚炎やカンジダ性皮膚炎は対処法が異なるため、症状が長引く場合は自己判断に頼らず早めにご相談いただくことが大切です。赤ちゃんの肌トラブルに対する小さな疑問も、どうぞ遠慮なく当院にお持ちください。」
📌 よくある質問
赤ちゃんの首は皮膚のひだが重なり合い、通気性が極めて悪い構造になっています。加えて、赤ちゃんは汗腺の密度が高く汗をかきやすい一方、汗孔が小さくて詰まりやすいという特徴があります。授乳後にミルクや母乳がひだに残りやすいことも重なり、あせもが特に発生しやすい部位となっています。
基本は「清潔・乾燥・通気」の3点です。毎日の入浴時にベビー用の低刺激石けんで首のひだの中まで優しく洗い、入浴後はタオルで押さえるように水分を丁寧に拭き取ります。通気性の高い綿素材の衣類を選び、汗をかいたらこまめに拭き取る習慣も大切です。授乳後は首のひだにミルクが残らないよう確認しましょう。
近年、ベビーパウダーの使用を推奨しない医師も増えています。粉末が汗で固まって汗腺をさらに詰まらせたり、呼吸器に吸い込むリスクがあるためです。特に首のひだのような狭い部分への使用は慎重に考える必要があります。使用する場合は手に取ってから塗布するなど粉が舞わないよう工夫し、口や鼻への吸入を防ぐことが重要です。
以下の場合は早めに医療機関を受診してください。①1週間程度ホームケアを続けても改善しない、②首のひだがじゅくじゅくしていたり膿が出ている、③かゆみが強く睡眠や授乳に影響が出ている、④発熱を伴っている、⑤あせもが広範囲に広がっているケースです。アイシークリニック渋谷院でも赤ちゃんの肌トラブルのご相談を承っています。
赤ちゃんの首まわりにはあせも以外にも、乳児脂漏性皮膚炎・アトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎・とびひ・カンジダ性皮膚炎などが生じることがあります。それぞれ原因や治療法が異なり、見た目だけでは判断が難しいケースも多くあります。症状が長引く場合や悪化する場合は自己判断せず、専門医への受診をおすすめします。
🎯 まとめ
赤ちゃんの首のあせもは、皮膚のひだが重なり合う構造や未熟な体温調節機能など、赤ちゃん特有の体の特徴から起こりやすいトラブルです。多くの場合は適切なスキンケアと環境管理によって改善しますが、放置したり誤ったケアを続けたりすると症状が悪化し、感染症などの合併症を引き起こすこともあります。
日々のケアの基本は「清潔・乾燥・通気」の3点です。首のひだの中まで丁寧に洗い、入浴後は十分に乾燥させ、通気性の良い衣類を選ぶことが大切です。同時に、室温や湿度の管理、授乳後のケアなど、日常生活の中でできる工夫を積み重ねることがあせもの予防につながります。
市販薬を使用する際は、赤ちゃんへの使用が可能なものを選び、使用方法をよく確認した上で使いましょう。ホームケアで改善しない場合や、症状が悪化している場合、じゅくじゅくしている場合、発熱を伴う場合などは早めに医療機関を受診することが重要です。
また、赤ちゃんの首のトラブルには、あせも以外にも乳児脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、とびひ、カンジダ性皮膚炎など、さまざまな疾患が考えられます。自己判断だけに頼らず、気になる症状があれば専門家に相談する習慣をつけることが、赤ちゃんの肌を守る最善の方法といえます。
アイシークリニック渋谷院では、赤ちゃんのお肌のトラブルも含めた皮膚科的なご相談を承っています。「これはあせもなのか他の疾患なのかわからない」「ケアの方法を専門家に確認したい」といったお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。正確な診断と適切なアドバイスで、赤ちゃんのお肌のトラブルをしっかりサポートします。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – あせも(汗疹)の種類・症状・治療に関する皮膚科学的な定義および診療ガイドラインの参照
- 厚生労働省 – 乳幼児の皮膚ケア・母子保健に関する公式情報および乳幼児のスキンケア指導指針の参照
- 国立感染症研究所 – あせもの悪化により引き起こされる二次感染症(とびひ/伝染性膿痂疹)の原因・感染経路・予防に関する情報の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務