顔のテカリが気になる、メイクがすぐに崩れてしまう、毛穴が目立つ…。こうした悩みを抱える方の多くは、皮脂の過剰分泌が原因となっているケースがほとんどです。皮脂は本来、肌を守るために欠かせない存在ですが、分泌量が多すぎるとさまざまなトラブルの引き金になります。本記事では、皮脂が過剰に分泌されるメカニズムや原因から、日常生活で実践できる対処法・改善策まで、医療的な観点をもとに詳しく解説します。
- 😩 テカリ・メイク崩れがずっと改善しない
- 😰 毛穴の開き・ニキビが悪化するリスクも
- 😔 間違ったケアで皮脂がさらに増える悪循環に
- 💡 皮脂が増える本当の原因がわかる
- 💡 今日から使える正しいスキンケア法が身につく
- 💡 改善しないときの医療の選択肢まで丸わかり
目次
- 皮脂とは何か?その役割とメカニズム
- 皮脂が過剰分泌される主な原因
- 皮脂の過剰分泌が引き起こす肌トラブル
- 皮脂を過剰に分泌させないための食事・生活習慣
- 正しいスキンケアで皮脂をコントロールする方法
- 洗顔のポイントと皮脂ケアの注意点
- 化粧水・保湿ケアと皮脂の関係
- 紫外線対策と皮脂の関係
- 皮脂トラブルに有効な医療・美容医療の選択肢
- まとめ
この記事のポイント
皮脂の過剰分泌はホルモン・食生活・スキンケアの誤りが原因で、正しい保湿と洗顔(1日2回、ぬるま湯)で改善できる。改善しない場合はアイシークリニックでケミカルピーリングやレーザー治療も選択肢となる。
💡 皮脂とは何か?その役割とメカニズム
皮脂とは、皮膚の表面に存在する「皮脂腺」から分泌される油性の物質です。主な成分はトリグリセリド(中性脂肪)、ワックスエステル、スクワレン、遊離脂肪酸などで構成されており、これらが混合した状態で肌の表面に薄く広がります。皮脂そのものは決して悪いものではなく、肌の健康を維持するうえで欠かせない働きを持っています。
具体的には、外部からの刺激(紫外線・乾燥・細菌など)から皮膚を守るバリア機能の一翼を担い、水分の蒸発を防ぎ、皮膚を柔軟に保つ役割を果たしています。また、皮脂に含まれる成分は皮膚の弱酸性環境を維持することにも関係しており、雑菌の繁殖を抑制する効果もあります。つまり、皮脂は適切な量であれば肌にとってなくてはならない保護物質なのです。
皮脂腺は全身に分布していますが、特に顔(額・鼻・顎などのTゾーン)、頭皮、胸、背中などに多く集中しています。これらの部位では、皮脂腺の数が多いだけでなく、一つひとつの皮脂腺の活動量も旺盛であるため、皮脂分泌量が多くなりがちです。一方、手のひらや足の裏には皮脂腺がほとんど存在しないため、これらの部位は乾燥しやすいという特性があります。
皮脂の分泌量は、ホルモンバランス・年齢・季節・体温・食事内容・ストレスなどさまざまな要因によって増減します。特に男性ホルモン(アンドロゲン)は皮脂腺の活動を促進する作用があり、思春期に皮脂分泌が急増するのはこのためです。
Q. 皮脂の過剰分泌が起こる主な原因は何ですか?
皮脂の過剰分泌は、男性ホルモン(アンドロゲン)によるホルモンバランスの乱れ、脂質・糖質の過剰摂取といった食生活の偏り、睡眠不足やストレスによるコルチゾール増加、さらに洗いすぎや保湿不足など誤ったスキンケアが主な原因として挙げられます。
📌 皮脂が過剰分泌される主な原因
皮脂が過剰に分泌される背景にはさまざまな要因が複雑に絡み合っています。主な原因を一つずつ丁寧に見ていきましょう。
✅ ホルモンバランスの乱れ
皮脂分泌を最も大きく左右するのがホルモンバランスです。特に男性ホルモン(アンドロゲン)の一種であるテストステロンやジヒドロテストステロン(DHT)は皮脂腺を刺激し、皮脂の産生を促進します。思春期には男女ともにアンドロゲンの分泌が増加するため、皮脂分泌が急増してニキビが増えるという現象が起こります。
成人女性の場合は、月経周期に伴うホルモン変動も皮脂分泌に影響を与えます。排卵後から月経前にかけてプロゲステロン(黄体ホルモン)が増加し、これが皮脂腺を刺激するため、生理前になると肌がテカりやすくなったり、ニキビが悪化したりすることがあります。また、更年期には女性ホルモンのバランスが崩れ、相対的にアンドロゲンの影響が強まることで皮脂分泌が増えるケースもあります。
📝 食生活の偏り
食生活は皮脂分泌に深く関わっています。特に脂質・糖質・乳製品の過剰摂取は皮脂腺の活動を活発にする可能性があるとされています。揚げ物・スナック菓子・ファストフードなどの高脂質食品を頻繁に食べると、余分な脂質が皮脂腺を介して皮膚から分泌されやすくなります。
また、糖質の過剰摂取は血糖値の急激な上昇を引き起こし、インスリンや「インスリン様成長因子-1(IGF-1)」の分泌増加を招きます。これらのホルモンは皮脂腺を刺激する作用があるため、甘いものや精製された炭水化物の食べすぎは皮脂過剰につながりやすいとされています。ビタミンB2・B6・E、亜鉛などの栄養素は皮脂分泌のコントロールに関与しているため、これらが不足した食生活も皮脂トラブルの一因となります。
🔸 睡眠不足・ストレス
睡眠不足や過度なストレスは、自律神経やホルモンバランスを乱し、皮脂分泌を増加させる要因になります。ストレスがかかるとコルチゾール(ストレスホルモン)が分泌され、これが皮脂腺を刺激することが知られています。また、睡眠不足の状態が続くと成長ホルモンの分泌リズムが乱れ、肌のターンオーバーが正常に機能しなくなるため、毛穴詰まりや皮脂トラブルが起きやすくなります。
⚡ 間違ったスキンケア
「皮脂が多いからといって、洗いすぎれば解決する」という誤解は非常に多く見られます。しかし実際には、必要以上に皮脂を洗い流したり、強力なクレンジング剤を使いすぎたりすると、肌が乾燥します。すると肌はその乾燥を補おうと、皮脂分泌をかえって増加させてしまうのです。これを「乾燥性脂性肌(インナードライ)」と呼び、表面はテカっているのに内部は水分不足という状態を招きます。
反対に、保湿をまったく行わずにいると、皮膚の水分が蒸発して乾燥が進み、同様に過剰な皮脂分泌が誘発されます。スキンケアのバランスが崩れることも、皮脂過剰の原因になりうるのです。
🌟 季節・気温・湿度
皮脂分泌は気温・湿度と密接な関係があります。気温が上昇すると皮膚温度が上がり、皮脂腺の活動が活発になるため、夏場は皮脂分泌量が増える傾向があります。また、湿度の高い環境では汗と皮脂が混合しやすく、ベタつきやテカリが顕著になります。一方、冬は乾燥によって肌のバリア機能が低下し、そのバランスを取ろうとして皮脂分泌が増えることもあります。
💬 遺伝的要因
皮脂腺の数や大きさ、皮脂腺の活動性には遺伝的な影響もあります。親族に脂性肌や毛穴トラブルが多い場合、同様の体質を受け継いでいる可能性があります。遺伝的要因は完全にコントロールすることはできませんが、日常のケアや生活習慣で大きく改善できます。
✨ 皮脂の過剰分泌が引き起こす肌トラブル
皮脂が過剰に分泌されることでどのような肌トラブルが起こるのかを理解しておくことは、適切な対策を講じるうえで重要です。
最も多い問題は、ニキビ(尋常性痤瘡)です。皮脂が毛穴に詰まると、アクネ菌(Cutibacterium acnes)が増殖しやすい環境が整い、炎症が引き起こされます。これがいわゆる赤ニキビ・膿ニキビの状態です。白ニキビ(閉鎖面皰)や黒ニキビ(開放面皰)も皮脂の詰まりが原因の一つです。
次に毛穴の目立ちです。毛穴に皮脂や角栓が詰まると毛穴が広がって目立つようになります。また、皮脂分泌が過剰な状態が続くと毛穴が恒常的に広がってしまい、たるみ毛穴・イチゴ鼻といった状態になることがあります。
さらに、脂漏性皮膚炎との関係も重要です。脂漏性皮膚炎は、皮脂分泌の多い部位に好発する炎症性皮膚疾患で、顔(額・眉間・鼻翼・耳周囲)や頭皮に赤みや鱗屑(フケ状の皮膚のはがれ)が生じます。マラセチアというカビ(真菌)の一種が皮脂を栄養源として増殖することで炎症が誘発されるとされています。皮脂の多い肌はこのリスクが高まります。
また、テカリやべたつきによるメイク崩れや、皮脂が酸化することによる肌のくすみ・肌荒れも、過剰な皮脂分泌がもたらす問題です。
Q. 脂性肌でも保湿ケアは必要ですか?
脂性肌でも保湿ケアは必須です。皮脂の過剰分泌の多くは、肌内部の水分不足を補おうとする防御反応が原因です。ヒアルロン酸やセラミド配合のさっぱりした化粧水と、オイルフリーの軽い乳液で適切に保湿することで、皮脂分泌の過剰な増加を抑えることができます。
🔍 皮脂を過剰に分泌させないための食事・生活習慣
皮脂コントロールの基本は、体の内側からのアプローチです。正しい食事と生活習慣の見直しが皮脂分泌の安定につながります。
✅ 食事内容の見直し
皮脂の過剰分泌を防ぐためには、まず油脂や糖質の摂りすぎに注意することが大切です。揚げ物・ファストフード・スナック菓子などの高脂肪食品、白米・白パン・砂糖など精製された糖質の過剰摂取を控え、バランスの取れた食事を心がけましょう。
積極的に取り入れたい栄養素としては、以下のものが挙げられます。
ビタミンB2(レバー、納豆、乳製品など)は皮脂の分解・代謝に関与し、過剰な皮脂分泌を抑えるサポートをします。ビタミンB6(鶏むね肉、魚類、バナナなど)は皮脂分泌のコントロールに役立ちます。亜鉛(牡蠣、牛肉、ナッツ類など)は皮脂腺の過剰な活動を抑制する働きがあるとされています。食物繊維(野菜、豆類、全粒穀物など)は腸内環境を整え、ホルモンバランスの安定につながります。また、緑黄色野菜やベリー類に多く含まれる抗酸化物質(ビタミンC・Eなど)は、皮脂の酸化を防ぎ肌トラブルを防ぐ効果が期待できます。
水分補給も重要です。水分が不足すると肌が乾燥し、皮脂分泌が増加することがあります。1日1.5〜2リットル程度の水分を意識的に摂るようにしましょう。
📝 睡眠の質を高める
肌の修復は主に夜間の睡眠中に行われます。特に成長ホルモンは入眠後約1〜3時間の深い睡眠時に多く分泌され、肌のターンオーバーを促進します。睡眠時間は成人で7〜8時間を目安に確保し、就寝前のスマートフォン操作やカフェイン摂取を控えて、睡眠の質を高めることが大切です。睡眠の質が上がることでコルチゾールの過剰分泌が抑えられ、皮脂分泌の安定にも寄与します。
🔸 ストレスのコントロール
日常的なストレスは皮脂過剰の大きな原因の一つです。ヨガ・瞑想・ウォーキング・趣味の時間など、自分に合ったストレス発散方法を見つけることが大切です。また、適度な有酸素運動はストレス軽減のほか、ホルモンバランスの安定にも効果的です。ただし、運動後の汗や皮脂はすみやかに洗い流すようにしましょう。
⚡ 飲酒・喫煙の見直し
アルコールは皮膚の血管を拡張させ、毛穴を開かせて皮脂が出やすい状態にします。また、アルコールの代謝にビタミンB群が消費されるため、皮脂コントロールに必要な栄養素が不足しがちになります。喫煙については皮膚の血行を悪化させ、肌のターンオーバーを乱すことで、毛穴詰まりや肌荒れを悪化させることが知られています。過度な飲酒と喫煙を控えることも皮脂ケアにおいて大切な選択です。
💪 正しいスキンケアで皮脂をコントロールする方法
外側からのアプローチとして、スキンケアの見直しは皮脂コントロールに直結します。ただし、「皮脂を取り除けばいい」という単純な考え方では逆効果になることもあるため、正しい方法を理解することが重要です。
🌟 洗顔の回数と頻度
洗顔は基本的に1日2回(朝・夜)で十分です。テカリが気になるからといって何度も洗顔すると、肌の油分が取り除かれすぎて乾燥を招き、かえって皮脂分泌を増加させる悪循環に陥ります。夜の洗顔は、メイクや日中に蓄積した皮脂・汚れをしっかりと落とすために丁寧に行うことが大切です。朝の洗顔はぬるま湯か、刺激の少ない洗顔料を使って軽めに行うことで、肌のバリア機能を保ちながら清潔さを保てます。
💬 洗顔料の選び方
脂性肌・皮脂が多い肌には、皮脂を適切に洗い流せる洗顔料を選ぶことが重要です。洗浄力が高すぎるものは乾燥を招くため、「適度な洗浄力があり、保湿成分も含まれている」タイプが理想的です。泡立ちが豊かなフォームタイプや、泡立てネットを使って丁寧に泡立てた洗顔料で、摩擦を最小限にしながら洗うことをお勧めします。
洗顔時はゴシゴシと擦らず、泡でやさしく包み込むように洗い、ぬるま湯でしっかりすすぐことが大切です。すすぎ残しは毛穴詰まりの原因になります。
Q. 皮脂ケアに効果的な食事や栄養素を教えてください。
皮脂の過剰分泌を抑えるには、揚げ物や精製された糖質を控えることが基本です。積極的に摂りたい栄養素は、皮脂代謝を助けるビタミンB2・B6(レバー・鶏むね肉など)、皮脂腺の活動を抑える亜鉛(牡蠣・ナッツ類など)、腸内環境を整える食物繊維です。水分補給も1日1.5〜2リットルが目安です。
🎯 洗顔のポイントと皮脂ケアの注意点
洗顔は皮脂ケアの中でも最も基本的かつ重要なステップです。しかし、多くの方が誤った方法で行っていることがあります。いくつかの重要なポイントを確認しましょう。
洗顔時のお湯の温度は非常に重要です。熱すぎるお湯(40度以上)は必要な皮脂まで洗い流してしまい、乾燥を招きます。逆に冷水では毛穴が引き締まりすぎて汚れや皮脂が落ちにくくなります。適切な温度はぬるま湯(32〜34度程度)です。この温度帯が皮脂を適切に溶かしながら、肌への刺激を最小限に抑えます。
洗い上がり後はタオルで強く擦らず、清潔なタオルをやさしく肌に当てて水分を吸収させます。その後は時間を置かず、すみやかに化粧水などで保湿を行いましょう。洗顔後は一時的に肌のバリア機能が低下した状態になるため、できるだけ早く保湿することが乾燥による皮脂過剰を防ぐ鍵です。
クレンジングについては、メイクをしている方はメイクをしっかり落とすことが重要ですが、必要以上に強力なクレンジングを使う必要はありません。普通のメイクにはミルクタイプやジェルタイプのクレンジング、ウォータープルーフのマスカラなどを使用している場合はオイルタイプを選ぶなど、メイクの内容に合わせて選択することが大切です。ダブル洗顔については、その後の洗顔との組み合わせによっては肌への負担が大きくなる場合もあるため、肌の状態を見ながら調整しましょう。
毛穴パックや角栓ケアについては、過度な使用は毛穴を広げたり、肌のバリア機能を傷つけたりするリスクがあります。使用頻度は週1〜2回程度に抑え、その後はしっかりと保湿することを忘れないようにしましょう。
💡 化粧水・保湿ケアと皮脂の関係
「脂性肌だから保湿は必要ない」と思っている方も多いですが、これは大きな誤解です。皮脂が多い肌でも、適切な保湿ケアは欠かせません。皮脂分泌が多い状態の多くは、肌内部の水分不足(乾燥)を補おうとする肌の防御反応から生じています。つまり、正しい保湿ケアを行うことで肌内部の水分量を保ち、皮脂分泌の過剰な増加を抑えることができるのです。
✅ 化粧水の選び方
脂性肌や混合肌の方には、油分が少なくさっぱりとしたテクスチャーの化粧水がおすすめです。ヒアルロン酸・セラミド・グリセリンなどの保湿成分が配合されているものは、水分補給と保水に優れています。ニキビや毛穴トラブルを抱えている方には、ナイアシンアミドや美容成分が配合されているものも有用です。アルコール(エタノール)が高濃度に含まれるものは一時的にさっぱり感を与えますが、肌を乾燥させる可能性があるため、敏感肌の方や乾燥が気になる方は注意が必要です。
📝 乳液・クリームの活用
脂性肌だからといって乳液やクリームをまったく使用しないと、化粧水の水分がすぐに蒸発してしまいます。皮脂が多い方には、軽い使用感のオイルフリーの乳液やジェルタイプの保湿剤を選ぶことをおすすめします。これにより、化粧水で補った水分を肌に閉じ込め、肌の水分と油分のバランスを保つことができます。
🔸 美容液・毛穴ケア製品
皮脂トラブルへのアプローチとして、以下の成分が含まれた製品に注目することも有効です。ナイアシンアミドは皮脂分泌の抑制と毛穴目立ちの改善に効果的とされています。レチノール(ビタミンA誘導体)は肌のターンオーバーを促進し、毛穴詰まりを防ぎます。ただし、刺激を感じやすい成分のため、最初は少量から始めることをおすすめします。サリチル酸は角質を溶かす作用があり、毛穴の詰まりを改善するのに効果的とされています。BHA(ベータヒドロキシ酸)として知られるこの成分は、脂溶性のため毛穴の奥まで届きやすい特徴があります。
Q. セルフケアで改善しない皮脂トラブルにはどんな治療がありますか?
日常ケアで改善が難しい皮脂トラブルには、医療的な選択肢があります。ケミカルピーリングは毛穴の詰まりを解消し皮脂排出を促します。レーザー・光治療は皮脂腺に直接働きかけ分泌を抑制します。ボツリヌストキシン製剤の皮内注射で皮脂腺の活動を一定期間抑える治療法もあり、アイシークリニックでは肌状態に合わせた治療を提案しています。
📌 紫外線対策と皮脂の関係

紫外線は皮脂の酸化を促進させることが知られています。皮脂が紫外線にさらされると酸化が進み、炎症を引き起こす過酸化脂質が生成されます。これがニキビの悪化や毛穴の目立ち、肌のくすみにつながります。また、紫外線ダメージによる皮膚の炎症は皮脂腺を刺激して皮脂分泌を増加させる可能性もあります。
そのため、皮脂が多い方こそ、日焼け止めを正しく使用することが重要です。脂性肌の方には、皮脂を吸着してさらさらとした仕上がりになる「ジェルタイプ」や「ウォーターベース」の日焼け止めが使いやすいでしょう。また、毛穴を詰まらせにくい「ノンコメドジェニックテスト済み」と表記されている製品を選ぶとより安心です。
日焼け止めは2〜3時間おきに塗り直すことが理想的ですが、メイクの上から使えるパウダータイプの日焼け止めを活用することで、外出先でも手軽に塗り直しができます。帽子や日傘などの物理的な遮光手段と組み合わせることで、より効果的に紫外線対策を行えます。
✨ 皮脂トラブルに有効な医療・美容医療の選択肢
日常のスキンケアや生活習慣の改善を続けても皮脂トラブルが改善しない場合、または毛穴の開き・ニキビ跡・肌の凹凸など目立つ症状がある場合は、医療機関や美容医療クリニックへの相談も一つの選択肢です。
⚡ 皮膚科・美容皮膚科での診察
まず、皮膚科または美容皮膚科で肌の状態を専門的に診てもらうことをおすすめします。脂漏性皮膚炎やニキビなどの皮膚疾患が原因の場合は、適切な薬物療法(外用薬・内服薬)が行われます。ニキビに対しては、外用レチノイドや過酸化ベンゾイル、アゼライン酸などの外用剤、また重症例では抗生剤の内服が選択されることがあります。ホルモンバランスの乱れが疑われる場合は、ホルモン検査が行われることもあります。
🌟 ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは、グリコール酸・乳酸・サリチル酸などの酸性溶液を使って肌の古い角質を取り除く施術です。毛穴の詰まりを解消し、皮脂の排出をスムーズにする効果が期待できます。定期的に行うことで、肌のターンオーバーが正常化し、皮脂腺の過活動が抑制されやすくなるとされています。肌の赤みや乾燥が生じることがあるため、施術後の保湿と紫外線対策が重要です。
💬 レーザー・光治療
レーザーや光治療(IPL・フォトフェイシャルなど)は、皮脂腺に作用して皮脂分泌を抑制する効果が期待できます。特にニキビ跡の赤みや色素沈着、毛穴の目立ちの改善にも有効とされています。レーザー治療の種類によって適応やダウンタイムが異なるため、専門医のカウンセリングを受けたうえで自分に合った治療を選択することが大切です。
✅ フラクショナルレーザー
フラクショナルレーザーは、肌に微細な穴を無数に開けることで新しいコラーゲン産生を促し、毛穴の引き締めや肌のキメを整える効果が期待できます。皮脂による毛穴の開きや肌の凹凸の改善に有効な治療法として知られています。治療後はダウンタイム(赤みや一時的な肌荒れ)が生じることがあるため、専門医と相談しながら進めることが重要です。
📝 ボトックス注射(皮内注射)
近年、ボツリヌストキシン製剤(ボトックス)を真皮内に少量注射することで、皮脂腺や汗腺の活動を抑制する治療法が注目されています。これにより皮脂分泌量を一定期間減少させ、テカリやニキビの改善が期待できます。効果の持続期間は数ヶ月程度であることが多く、定期的なメンテナンスが必要です。専門的なクリニックでの施術が求められます。
🔸 ハイドラフェイシャル(HydraFacial)
ハイドラフェイシャルは、専用のデバイスを用いて毛穴の洗浄・ピーリング・保湿を同時に行う美容機器治療です。吸引と注入を組み合わせることで、毛穴の汚れや角栓をすっきりと取り除きながら肌に栄養を届けることができます。即効性があり、ダウンタイムがほとんどないことから人気の高い施術の一つです。皮脂による毛穴の詰まりや、テカリの改善が期待できます。
⚡ ディフェリン・スピロノラクトンなどの薬剤
医師の診察のもとで処方される薬として、アダパレン(ディフェリンゲル)はニキビや毛穴の詰まりに有効な外用レチノイドです。また、ホルモン性の皮脂過剰に対して、一部の女性ではスピロノラクトン(女性ホルモン的作用を持つ利尿薬)が処方されることがあります。これらはいずれも医師の指示のもとで使用するものであり、自己判断による使用は避けてください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、テカリや毛穴の開きを主訴にご来院される患者様の多くが、過剰な洗顔や保湿不足による「乾燥性脂性肌(インナードライ)」の状態に陥っているケースが見受けられます。皮脂を取り除くことばかりに意識が向きがちですが、正しい保湿ケアと生活習慣の見直しを組み合わせることで、皮脂分泌のバランスが整い、お肌の状態が大きく改善される方が多くいらっしゃいます。セルフケアだけでは限界を感じている場合も、ケミカルピーリングやレーザー治療など、お一人おひとりの肌状態に合わせた治療法をご提案できますので、どうぞお気軽にご相談ください。」
🔍 よくある質問
必要です。「脂性肌だから保湿不要」は大きな誤解です。皮脂の過剰分泌の多くは、肌内部の水分不足を補おうとする防御反応から生じています。ヒアルロン酸やセラミド配合のさっぱりしたテクスチャーの化粧水と、オイルフリーの軽い乳液を使って適切に保湿することで、皮脂分泌の過剰な増加を抑えることができます。
逆効果になる場合があります。洗顔のしすぎは必要な皮脂まで洗い流して肌を乾燥させ、乾燥を補おうとしてかえって皮脂分泌が増加する悪循環を招きます。これを「乾燥性脂性肌(インナードライ)」といいます。洗顔は基本的に1日2回(朝・夜)とし、32〜34度のぬるま湯で優しく洗うことが大切です。
食事内容は皮脂分泌に深く関わっています。揚げ物や精製された糖質の摂りすぎを控えることが基本です。一方、ビタミンB2・B6(レバー、鶏むね肉など)、亜鉛(牡蠣、ナッツ類など)、食物繊維を積極的に摂ることで皮脂分泌のコントロールをサポートできます。また、1日1.5〜2リットルの水分補給も肌の乾燥防止に有効です。
日常ケアで改善が難しい場合、いくつかの医療的選択肢があります。ケミカルピーリングは毛穴の詰まりを解消し皮脂の排出をスムーズにします。レーザー・光治療は皮脂腺に働きかけ皮脂分泌を抑制します。また、ボツリヌストキシン製剤の皮内注射で皮脂腺の活動を一定期間抑える治療法もあります。アイシークリニックでは肌状態に合わせた治療をご提案しています。
ホルモンバランスの変動が原因です。排卵後から生理前にかけてプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増加し、これが皮脂腺を刺激するため、皮脂分泌量が増えてテカリやニキビが悪化しやすくなります。この時期は特に保湿ケアを丁寧に行い、糖質や脂質の摂りすぎを控えるなど、食事・生活習慣にも気を配ることが大切です。
💪 まとめ
皮脂の過剰分泌は、ホルモンバランス・食生活・睡眠・ストレス・スキンケアの誤りなど、さまざまな要因が絡み合って引き起こされます。皮脂はそれ自体が悪いものではなく、適切な量であれば肌にとって欠かせない存在ですが、多すぎる場合はニキビ・毛穴の詰まり・テカリ・脂漏性皮膚炎など多くのトラブルにつながります。
大切なのは、皮脂を「完全に取り除こうとする」のではなく「バランスよくコントロールする」という視点です。そのためには、食事・睡眠・ストレス管理などの生活習慣の見直しを基盤としながら、正しい洗顔・保湿・紫外線対策を組み合わせたスキンケアを継続することが重要です。
日常的なセルフケアでは改善が難しいと感じる場合や、症状が重い場合、毛穴の開き・ニキビ跡・肌の凹凸が気になる場合は、専門のクリニックへ相談することをおすすめします。アイシークリニック渋谷院では、皮脂によるテカリ・毛穴・ニキビ跡などのお肌のお悩みについて、一人ひとりの肌質や状態に合わせた適切な治療法をご提案しています。肌に関するお悩みはぜひお気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 皮脂腺の構造・機能、ニキビ(尋常性痤瘡)の発症メカニズム、脂漏性皮膚炎の診断・治療に関する学術的根拠として参照
- PubMed – アンドロゲンによる皮脂腺刺激メカニズム、IGF-1と皮脂分泌の関連、ナイアシンアミド・レチノール・サリチル酸の有効性に関する査読済み臨床研究として参照
- 厚生労働省 – アダパレン(ディフェリンゲル)等の外用薬・医薬品の承認情報、スキンケア製品の安全性基準、生活習慣と皮膚健康に関する公式指針として参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務