⚡ 「爪の黒い筋、もしかしてがん…?」そんな不安を感じたことはありませんか?
実は、爪の黒い変色のほとんどは良性の色素沈着です。でも、なかには悪性黒色腫(メラノーマ)=皮膚がんの一種である可能性もゼロではありません。
この記事を読めば、「ただのほくろ」と「危険なサイン」を自分で見分けるポイントがわかります。読まずに放置すると、発見が遅れて治療が困難になるリスクがあります。
💬 こんな経験ありませんか?
「爪に黒い線が出てきた…これって何?😟」
「ほくろかと思って放置してたけど、だんだん広がってきた気がする…💦」
👨⚕️ その不安、この記事で解決しましょう!受診すべきタイミングのチェックリストも掲載しています。
🚨 放置すると危険なサイン
- 📌 爪の黒い線が急に現れた・幅が広がっている
- 📌 爪の周りの皮膚にまで色素が染み出している
- 📌 爪が割れたり、変形している
👆 ひとつでも当てはまる場合は、この記事を読んだあとすぐに皮膚科へ!
目次
- 爪のほくろとは何か?その正体を知ろう
- 爪の黒い線・点ができる主な原因
- 爪がん(爪の悪性黒色腫)とはどんな病気か
- 爪がんの初期症状チェックリスト
- ほくろと爪がんを見分けるためのポイント(ABCDEルール)
- 爪がんが発生しやすい部位と特徴
- こんな症状があったらすぐ受診を
- 受診先と診断方法について
- 爪の変化を見逃さないためのセルフチェック方法
- まとめ
この記事のポイント
爪の黒い縦線は良性の色素沈着が多いが、悪性黒色腫(メラノーマ)の可能性もある。急な出現・幅の拡大・爪周囲皮膚への色素拡大(ハッチンソン徴候)が見られた場合は皮膚科専門医への早期受診が重要で、早期発見が治療成績に直結する。
💡 爪のほくろとは何か?その正体を知ろう
皮膚にできるほくろと同様に、爪にも「ほくろ」に相当する色素性変化が現れることがあります。爪そのものにほくろができるというよりは、爪の根元にある「爪母」(そうぼ)と呼ばれる爪を作る組織や、その周囲にあるメラノサイト(色素細胞)が活性化することで、爪に黒・茶・褐色の色が現れます。
爪はケラチンというたんぱく質でできた半透明の板状の構造物です。そのため、爪の下や爪母に生じた色素が透けて見えることで、爪の表面に黒い線や点として観察されます。これを医学的には「爪甲色素線条(そうこうしきそせんじょう)」と呼び、英語ではmelanonychia(メラノニキア)と表現します。
この爪甲色素線条は、爪の根元から先端に向かって縦方向に伸びる黒い線として現れることが多く、一本の細い線から幅の広い帯状のものまで様々です。良性のものと悪性のものが混在しているため、外見だけで判断することが難しく、専門的な知識と検査が必要です。
Q. 爪の黒い縦線(爪甲色素線条)とは何ですか?
爪甲色素線条とは、爪の根元にある爪母のメラノサイト(色素細胞)が活性化し、メラニン色素が爪に沈着して縦方向に黒・茶・褐色の線として現れる変化です。医学的には「メラノニキア」とも呼ばれ、細い線から幅広い帯状のものまで様々な形状があります。
📌 爪の黒い線・点ができる主な原因
爪に黒い色が現れる原因は一つではありません。良性の原因から悪性の原因まで幅広くあるため、まずはそれぞれを理解しておくことが大切です。
✅ 生理的なメラノサイトの活性化
日本人を含むアジア系・アフリカ系の人種では、メラノサイトが活性化しやすい傾向があり、特別な病気がなくても爪に黒い縦線が現れることがあります。これは生理的なものであり、多くの場合は健康上の問題がありません。加齢とともに現れやすく、中高年以降に目立ってくることもあります。
📝 外傷・物理的刺激
爪を強くぶつけたり、長期間にわたって摩擦や圧迫が加わったりすると、爪の下に出血が起こり、黒ずみとして見えることがあります。これを「爪下血腫(そうかけっしゅ)」と呼びます。スポーツや肉体労働をよくする方の足の親指の爪などによく見られます。時間の経過とともに爪が伸びるにつれ、黒い部分が先端へ移動していくのが特徴です。
🔸 薬剤・化学物質の影響
特定の薬剤(抗がん剤、抗マラリア薬、ヒドロキシクロロキンなど)を服用している場合や、特定の化学物質に頻繁に接触する場合も、爪の色素沈着が起こることがあります。薬剤性の色素沈着は、服薬をやめると徐々に改善することが多いです。
⚡ 全身疾患・ホルモン異常
アジソン病や甲状腺機能異常など、ホルモンバランスに影響する疾患がある場合も、爪の色素沈着が現れることがあります。これらは爪だけでなく、皮膚や口腔内粘膜にも色素沈着が見られることが多いです。
🌟 良性腫瘍(色素性母斑)
爪母や爪床(そうしょう)に良性の色素細胞が増殖した状態を「色素性母斑(しきそせいぼはん)」と言い、皮膚にできるほくろと同様の性質を持ちます。これは悪性ではありませんが、定期的な経過観察が推奨されます。
💬 悪性黒色腫(メラノーマ)
上記の良性原因とは異なり、悪性黒色腫は皮膚がんの一種であり、爪の黒い変化の中で最も注意が必要な状態です。進行すると命に関わる可能性があるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。
✨ 爪がん(爪の悪性黒色腫)とはどんな病気か
爪がんと一般的に呼ばれることがありますが、医学的には「爪部悪性黒色腫(そうぶあくせいこくしょくしゅ)」または「爪下悪性黒色腫(そうかあくせいこくしょくしゅ)」と表現されます。メラノーマ(悪性黒色腫)は皮膚のメラノサイトが悪性化して生じるがんで、体のあらゆる部位に発生し得ますが、日本人の場合は手や足の末端部に発生しやすいのが特徴です。
日本人のメラノーマは、手や足の裏、爪などの末端部に多く発生する「末端黒子型(まったんこくしがた)」が最も多いとされています。これは欧米人のメラノーマが紫外線の影響を受けやすい体幹や顔面に多く発生するのとは対照的です。
メラノーマは進行が早く、リンパ節や他の臓器への転移が起こりやすいがんです。しかし、初期段階で発見できれば、手術による切除で根治が期待できます。裏を返せば、発見が遅れるほど治療が複雑になり、予後(病気の経過や見通し)が悪くなってしまいます。
爪のメラノーマは視覚的に目につきにくい部位に生じることも多く、また「単なるほくろだろう」と放置されてしまうケースも見受けられます。だからこそ、正確な知識を持ち、異変に早く気づくことが大切です。
Q. 爪がんのハッチンソン徴候とはどんな状態ですか?
ハッチンソン徴候とは、爪の黒い色素が爪周囲の皮膚(爪郭)にまで広がっている状態を指します。爪の悪性黒色腫(メラノーマ)の重要なサインとされており、爪の縁の皮膚が黒ずんできた場合は特に注意が必要です。この所見が見られた際は速やかに皮膚科専門医を受診することが推奨されます。
🔍 爪がんの初期症状チェックリスト
爪のメラノーマは初期段階では目立った症状がなく、痛みや痒みを感じないことが多いため、気づきにくい点が問題です。以下に、爪がんの初期段階で現れやすいサインをリストアップします。
まず最も代表的なのが、爪に縦方向に走る黒い・茶褐色の線(爪甲色素線条)の出現です。この線が突然現れた場合や、以前からあった線が急に幅広くなったり濃くなったりした場合は要注意です。
次に、色素が爪の周囲の皮膚(爪郭:そうかく)にまで広がっている状態です。これを「ハッチンソン徴候(Hutchinson’s sign)」と呼び、爪のメラノーマの重要なサインとされています。爪の端の皮膚が黒くなってきた場合は特に注意が必要です。
また、爪の変形や爪が割れやすくなること、爪が剥がれてくることも症状の一つです。進行するにつれ、爪の下にしこりや隆起が感じられたり、爪の形が大きく変形したりすることもあります。
出血や滲出液(じんしゅつえき)が見られる場合も注意が必要です。爪の下から血や滲出液が染み出してきたり、爪の周囲が腫れたりしている場合は、早急に受診することをお勧めします。
さらに、一本の爪だけに色素線条が現れている場合は、複数の爪に広がっている場合と比べてリスクが高い傾向があります。また、これまでなかった爪の変化が急激に現れた場合も受診の目安となります。
💪 ほくろと爪がんを見分けるためのポイント(ABCDEルール)
皮膚科の世界では、皮膚にできるほくろや色素斑が良性か悪性かを判断するための基準として「ABCDEルール」が広く用いられています。この考え方は爪の変化を評価する際にも応用することができます。
Aは「Asymmetry(非対称性)」を意味します。色素線条の形が左右非対称で不規則な場合は注意が必要です。均一で対称的な形状のものは比較的リスクが低い傾向があります。
Bは「Border(境界)」を指します。色素線条や色素斑の境界が不明瞭でギザギザしている場合はリスクが高まります。良性の色素沈着はきれいな直線的な境界を持つことが多いです。
Cは「Color(色)」を示します。一つの線や斑の中に複数の色(黒、茶、灰色、白など)が混在している場合は要注意です。均一な色合いのものは良性の可能性が高いですが、色ムラが顕著な場合は精査が必要です。
Dは「Diameter(大きさ)」を表します。爪の黒い線の幅が3mm以上になった場合はリスクが高まると言われています。また、線が急速に幅広になっていく場合も注意が必要です。
Eは「Evolution(変化)」を意味します。これが最も重要なポイントとも言えます。以前と比べて変化がある、特に急速に変化している場合は悪性の可能性を疑う必要があります。同じ状態で安定しているものと比べて、変化しているものはリスクが高いと考えられます。
爪のメラノーマを評価するために「ABCDEF」として「F:Family history(家族歴)」が加えられる場合もあります。家族にメラノーマや皮膚がんの既往がある方は、特に注意深い観察が必要です。
ただし、このABCDEルールはあくまでも一般向けのセルフチェックの目安であり、最終的な診断は皮膚科専門医による検査が不可欠です。「当てはまる項目が少ないから大丈夫」と自己判断せず、気になることがあれば必ず専門医に相談することをお勧めします。

🎯 爪がんが発生しやすい部位と特徴
爪のメラノーマが発生しやすい部位には一定の傾向があります。最も頻度が高いのは親指の爪で、手足ともに親指(第1趾・第1指)に多く見られます。次いで、足の親指、手の中指、薬指の順に多いとされています。
日本人のメラノーマ全体の特徴として、足底(足の裏)と爪に多く発生する「末端黒子型」が全体の約30〜40%を占めるとされています。この型は特に日本人やアジア系・アフリカ系の人種に多く、欧米の白人に比べて相対的に多い傾向があります。
爪のメラノーマは、爪母(爪を作る組織)に発生することが多く、そこからメラニン色素が爪甲(爪の板)に沈着して縦の色素線条として現れます。進行すると爪母から周囲の組織へ浸潤し、爪の変形や破壊、さらには骨への浸潤や転移が起こることもあります。
また、爪のメラノーマは比較的まれな疾患ですが、発見が遅れやすい部位でもあります。足の親指の爪は靴で覆われていることが多く、また「汚れ」「傷」「外傷による出血」と誤解されやすいため、発見が遅くなりがちです。足の指の爪は特に意識して定期的に確認する習慣をつけることが大切です。
Q. 爪の悪性黒色腫はどの指に発生しやすいですか?
爪の悪性黒色腫は手足ともに親指の爪に最も多く発生します。日本人のメラノーマは足底や爪などの末端部に生じる「末端黒子型」が全体の約30〜40%を占めます。足の親指の爪は靴で覆われて見えにくいため、誤って外傷や汚れと見過ごされやすく、定期的な確認が早期発見に重要です。
💡 こんな症状があったらすぐ受診を
以下に該当するような変化が爪に見られた場合は、できるだけ早く皮膚科を受診することをお勧めします。
突然現れた爪の黒い線や点は、まず受診の目安となります。これまで正常だった爪に新たに黒い変化が出現した場合は、外傷や薬剤の影響がない限り、原因を確認することが大切です。
以前からあった黒い線が急に太くなったり、濃くなったり、色ムラが出てきた場合も注意が必要です。安定していた変化が急に進行した場合は、専門医に診てもらう必要があります。
黒い色素が爪の周囲の皮膚(爪郭部)に広がってきた場合は特に要注意です。先述のハッチンソン徴候は、爪のメラノーマの重要なサインの一つです。爪の縁の皮膚が黒ずんできた場合は、迷わず受診してください。
爪の下から出血したり、膿が出たり、痛みが出てきた場合も受診が必要です。このような症状は爪のトラブルとして軽視されがちですが、メラノーマが進行するにつれて現れることがあります。
爪が変形したり、割れやすくなったり、爪が自然に剥がれてきたりする場合も診察を受けた方が安心です。これらは爪そのものの病気(爪白癬など)でも起こり得ますが、メラノーマの可能性も除外するために専門的な確認が必要です。
幅が3mmを超える色素線条、特に一本の爪だけに現れているもの、複数の色が混在しているもの、境界が不明瞭なものは、優先的に専門医に確認してもらうことをお勧めします。
なお、「受診して異常なしだった」という結果になることが最善のシナリオです。「大げさかな」「忙しいし後でいいか」と先延ばしにすることが、最も避けるべき行動です。メラノーマは進行が速く、早期発見が治療成績に大きく影響します。
📌 受診先と診断方法について

爪の変化が気になる場合は、まず皮膚科専門医を受診することをお勧めします。爪のメラノーマを含む皮膚がんの診断と治療は皮膚科の専門領域であり、経験豊富な専門医による診察が不可欠です。
皮膚科では、まず視診(目視での確認)と問診が行われます。いつから変化が現れたか、変化の経過はどうか、外傷や薬剤の使用歴があるか、家族に皮膚がんの既往があるかなどを確認します。
視診の際には「ダーモスコピー」という特殊な拡大鏡を使った検査が行われることが多いです。ダーモスコピーは、皮膚や爪の表面を10〜20倍程度に拡大して観察する機器で、肉眼では確認できない細かな色素のパターンや血管の走行を確認することができます。熟練した皮膚科医がダーモスコピーを用いて観察することで、良性と悪性の鑑別精度が大きく向上します。
ダーモスコピーでも確定診断が難しい場合や、悪性の可能性が否定できない場合は、組織検査(生検)が行われます。爪の一部を採取して、病理組織学的に細胞の性質を調べる方法です。これが最も確実な診断方法であり、メラノーマかどうかを組織レベルで確定できます。
メラノーマと診断された場合は、がんの進行度(ステージ)を確認するために、CT検査や超音波検査、場合によってはPET検査なども行われます。これによって転移の有無を確認し、治療方針が決定されます。
治療は、早期(ステージI・II)であれば手術による切除が基本となります。がんの部分とその周囲の正常組織を含めて切除します。爪の場合は爪や指の一部を切除することがありますが、早期であれば比較的小範囲での切除が可能です。進行した場合は免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬)や分子標的薬などの薬物療法も組み合わせて治療が行われます。
なお、美容クリニックや形成外科でも皮膚の変化を診察することがありますが、爪のメラノーマが疑われる場合は、がんの診断と治療に慣れた皮膚科専門医または皮膚腫瘍を専門とする医師のいる医療機関を受診することが重要です。
Q. 爪の変化を確認するセルフチェックの方法は?
月に一度、明るい場所で全ての爪を観察することが推奨されます。爪の表面だけでなく、周囲の皮膚の色変化にも注意が必要です。スマートフォンで定期的に写真を撮り変化を比較する方法も有効です。マニキュアやジェルネイルを使用している場合は、定期的にオフにして素の状態の爪を確認する習慣をつけましょう。
✨ 爪の変化を見逃さないためのセルフチェック方法
爪のメラノーマを早期発見するためには、日常的に自分の爪を観察する習慣をつけることが非常に大切です。以下に、爪のセルフチェックのポイントをご紹介します。
まず、月に一度は全ての爪を丁寧に観察する時間を設けることをお勧めします。風呂上がりや爪を切るタイミングなど、爪を見る機会があるときに意識的に確認してみましょう。手の爪は自分でも確認しやすいですが、足の爪、特に足の小指の爪などは見えにくいため、意識的に確認することが必要です。
確認する際は、明るい場所で行うことが大切です。暗い場所では色の変化を見落としやすいため、自然光や明るい照明の下で観察しましょう。スマートフォンのカメラで爪の写真を定期的に撮影して比較することも、変化に気づくための有効な方法です。
爪の表面だけでなく、爪の周囲の皮膚(爪郭)にも注意を払いましょう。爪の縁の皮膚が黒ずんでいないか、色が変わっていないかを確認します。また、爪の形や厚さ、質感にも変化がないかを確認してください。
マニキュアやジェルネイルを使用している方は注意が必要です。カラーを塗り続けることで爪の変化に気づきにくくなります。定期的にネイルをオフにして、素の状態の爪を確認する習慣をつけましょう。ネイルサロンでの施術時にも、爪の色や状態に変化がないかを施術者に確認してもらうことも一つの手段です。
靴の選び方も爪の健康に影響します。つま先が窮屈な靴や、サイズが合っていない靴を長期間履き続けると、足の爪に繰り返し外傷が加わり、爪下血腫や爪甲色素線条が生じやすくなります。適切なサイズの靴を選ぶことで、外傷性の色素沈着を予防することができます。
また、免疫力の低下や全身疾患がある場合は、爪に変化が現れやすくなることがあります。持病のある方や定期的に薬を服用している方は、服用している薬が爪の色素沈着を引き起こす可能性があるかどうかを担当医に確認しておくとよいでしょう。
さらに、紫外線対策も皮膚がん予防の観点から有効です。手の甲や指先の皮膚は紫外線にさらされやすい部位であり、日焼け止めを塗ることや、屋外活動時には手袋を使用するなどの対策が勧められます。ただし、日本人の末端黒子型メラノーマは紫外線との関連が欧米人ほど明確ではないとも言われており、引き続き研究が進められています。
過去に皮膚がんや悪性黒色腫と診断されたことがある方、家族にメラノーマの既往がある方は、特にリスクが高い状態にあります。このような方は年に数回、皮膚科専門医による定期検査を受けることが強く推奨されます。
🔍 爪のほくろに関してよく聞かれること
「爪の黒い線は全員が受診しないといけないの?」と疑問に思う方も多いと思います。答えはシンプルではなく、状況によって異なります。アジア系人種では生理的な色素線条がある程度の頻度で見られるため、必ずしも全員がすぐに受診を要するわけではありません。しかし、急激な変化、幅広の線条、ハッチンソン徴候、爪の変形などの所見がある場合は受診が必要です。
「受診して正常だと言われたらどうすればいい?」という点についても触れておきます。正常と判断された場合でも、3〜6か月に一度程度の経過観察を医師から指示されることがあります。これは変化の有無を継続的に確認するためのものであり、重要なフォローアップです。指示に従って定期的に受診することが大切です。
「子どもの爪に黒い線が出てきたけど大丈夫?」という相談もあります。小児の爪の色素線条は多くの場合良性ですが、成人と同様に専門医による診察を受けることが推奨されます。特に10歳以下の小児では悪性の可能性は低いとされていますが、外傷などの明らかな原因がない場合は念のため受診することをお勧めします。
「爪のほくろは自分で取れないの?」という質問もあります。これは絶対に行ってはいけない行為です。自己流で爪を切ったり、市販薬を使って何かを行おうとすることは、病変を悪化させたり、傷口から感染を起こす危険があります。また、医師が診察する前に状態を変えてしまうと診断が困難になる場合があります。必ず専門医に診てもらってください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、爪の黒い線を「ただのほくろだろう」と長期間放置された後に受診される患者様が少なくなく、早期発見の大切さを改めて実感しています。日本人は末端黒子型メラノーマが多いという特徴があるため、足の親指など見えにくい爪も含めて定期的にセルフチェックする習慣を持っていただくことが非常に重要です。気になる変化があれば「大げさかもしれない」と遠慮せず、ぜひお早めにご相談ください。」
💪 よくある質問
必ずしもそうではありません。爪の黒い縦線(爪甲色素線条)は、アジア系人種では生理的なメラノサイトの活性化や外傷、薬剤の影響など良性の原因によることが多いです。ただし、急に現れた・幅が広がった・爪周囲の皮膚にも色素が広がるなどの変化がある場合は、皮膚科専門医への受診をお勧めします。
手足ともに親指の爪に最も多く発生します。日本人のメラノーマは足底や爪などの末端部に生じる「末端黒子型」が全体の約30〜40%を占めるとされています。足の親指の爪は靴で隠れて見えにくいため、意識的に定期確認する習慣が早期発見につながります。
以下の場合は早めに皮膚科を受診してください。①突然現れた黒い線や点、②以前からある線が急に太く・濃くなった、③黒い色素が爪周囲の皮膚(爪郭)に広がってきた(ハッチンソン徴候)、④爪の下からの出血や痛み、⑤幅3mm以上の色素線条。「大げさかも」と思わず、早めの受診が重要です。
まず皮膚科専門医を受診してください。皮膚科では問診・視診に加え、皮膚を10〜20倍に拡大して観察できる「ダーモスコピー」による精密検査が可能です。悪性が疑われる場合は組織検査(生検)も行われます。当院(アイシークリニック)でも専門医による丁寧な診察を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
はい、その可能性があります。マニキュアやジェルネイルを塗り続けると爪の色の変化に気づきにくくなります。定期的にネイルをオフにして、素の状態の爪全体を確認する習慣をつけることが大切です。また、ネイルサロンでの施術時に爪の状態に変化がないか施術者に確認してもらうことも有効な方法です。
🎯 まとめ
爪に現れる黒い線や点は、生理的な色素沈着から外傷性の変化、さらには悪性黒色腫(メラノーマ)まで、様々な原因によって引き起こされます。多くの場合は良性ですが、爪のメラノーマは発見が遅れやすく、進行すると命に関わる疾患です。
大切なのは、爪の変化を「きっと大丈夫」と自己判断で放置しないことです。特に、急に現れた黒い変化、急速に幅が広がる色素線条、爪周囲の皮膚への色素の広がり(ハッチンソン徴候)、爪の変形や出血などの症状がある場合は、早急に皮膚科専門医を受診してください。
日頃から月に一度は全ての爪を確認する習慣をつけ、変化に早く気づくことが早期発見の第一歩です。定期的なセルフチェックと、気になる変化があったときの早期受診を心がけることで、万が一の場合でも最善の対応が取れるようになります。
爪や皮膚の変化が気になる方は、アイシークリニック渋谷院までお気軽にご相談ください。専門的な知識を持つ医師が丁寧に診察し、適切なアドバイスをご提供します。「大したことないかもしれない」という不安も、専門医に診てもらうことで解消できます。まずはお気軽にご予約ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 悪性黒色腫(メラノーマ)の診断基準・治療ガイドライン、ABCDEルールや末端黒子型メラノーマの特徴、ダーモスコピーによる診断方法に関する専門的根拠
- 厚生労働省 – 皮膚がん(悪性黒色腫)の早期発見・受診勧奨に関する公的情報、がんの進行度とステージ分類、治療方針(手術・免疫療法・分子標的薬)の公式解説
- PubMed – 爪部悪性黒色腫(subungual melanoma)および末端黒子型メラノーマ(acral lentiginous melanoma)に関する疫学データ、日本人・アジア系人種における発生頻度・部位特性・予後に関する国際的学術文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務