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あせもにベビーパウダーは効果的?正しい使い方と注意点を解説

夏の暑い季節になると、赤ちゃんや小さな子どもの肌に赤いプツプツが現れることがあります。これがいわゆる「あせも」です。あせもに悩む保護者の方の中には、「ベビーパウダーを使えばあせもが治るのではないか」「あせもの予防にベビーパウダーは効果があるのか」と疑問を持つ方も少なくありません。しかし実際のところ、ベビーパウダーがあせもに対して有効かどうかは、使い方や状況によって大きく異なります。この記事では、あせもの基本的な知識からベビーパウダーの正しい使い方、注意点まで詳しく解説します。


目次

  1. あせもとはどんな病気?原因と種類を理解しよう
  2. 赤ちゃんがあせもになりやすい理由
  3. ベビーパウダーとはどんなもの?成分と働き
  4. あせもにベビーパウダーは効果があるのか
  5. ベビーパウダーの正しい使い方
  6. ベビーパウダーを使う際の注意点
  7. あせもの正しいケアと予防法
  8. こんなときは皮膚科・小児科を受診しよう
  9. まとめ

この記事のポイント

あせもが発症している部位へのベビーパウダー使用は、汗管の詰まり悪化や感染リスク増加の恐れがあり推奨されない。予防目的での清潔な肌への少量使用にとどめ、基本ケアは汗の洗浄・室温管理・通気性衣服の選択が有効。症状が長引く場合は皮膚科・小児科への受診が望ましい。

🎯 あせもとはどんな病気?原因と種類を理解しよう

あせも(汗疹:かんしん)は、汗管(汗の通り道)が何らかの原因で詰まってしまい、汗が正常に皮膚の表面へ排出されなくなることで起こる皮膚疾患です。汗が皮膚の内部に溜まり、周囲の組織に漏れ出すことで炎症が起きます。医学的には「汗疹(かんしん)」と呼ばれ、英語では「miliaria(ミリアリア)」といいます。

あせもが発生しやすい条件としては、気温や湿度が高く汗をかきやすい環境、衣服や肌が重なって蒸れやすい部位、皮膚が長時間汗で湿った状態が続くことなどが挙げられます。これらの条件が重なると、皮膚の角質層や汗管が膨潤(ふくらんでやわらかくなること)し、汗管の出口が塞がれてしまいます。

あせもにはいくつかの種類があり、それぞれ症状や現れる深さが異なります。まず「水晶様汗疹(水ぶくれ型あせも)」は、皮膚の表面近くで汗管が詰まるタイプです。透明な小さな水ぶくれが現れますが、かゆみや痛みはほとんどなく、比較的軽症です。次に「紅色汗疹(赤いあせも)」は、最も一般的なタイプで、赤いプツプツとともに、かゆみや軽い痛みを伴うことが多いのが特徴です。そして「深在性汗疹」は、皮膚のより深い層で詰まりが起きるもので、肌色に近いブツブツが現れます。このタイプは熱帯地方での生活や激しい運動によって引き起こされることが多く、日本の日常生活ではあまり多くありません。

さらに、あせものブツブツが細菌に感染して化膿してしまうと「膿疱性汗疹(のうほうせいかんしん)」という状態になることがあります。この場合は白や黄色の膿が溜まった状態になり、医療機関での適切な治療が必要です。

Q. あせもとはどんな病気で、どんな種類がありますか?

あせも(汗疹)は汗管が詰まり、汗が皮膚内部に漏れて炎症を起こす皮膚疾患です。主な種類は、透明な水ぶくれが現れる「水晶様汗疹」、赤いプツプツとかゆみを伴う「紅色汗疹」、深層で詰まりが起きる「深在性汗疹」の3種類があります。

📋 赤ちゃんがあせもになりやすい理由

赤ちゃんは大人に比べてあせもになりやすいことが知られています。その理由を理解することが、適切なケアへの第一歩になります。

まず、赤ちゃんの皮膚は大人に比べておよそ半分程度の厚みしかなく、バリア機能が未熟です。そのため外部からの刺激に対して非常に敏感で、汗による刺激にも影響を受けやすいのです。

次に、赤ちゃんは体の面積に対して汗腺(汗を分泌する器官)の密度が高いという特徴があります。成長とともに体の面積は広がりますが、汗腺の数は生まれた時からほぼ決まっています。つまり体が小さい赤ちゃんは、単位面積あたりの汗腺数が多く、より多くの汗をかく傾向があります。

また、赤ちゃんは自分で体温調節をする機能が大人ほど発達していないため、外気温の影響を受けやすく、体温が上がりやすい傾向があります。体温が上がれば汗も増え、あせもが起きやすくなります。さらに、赤ちゃんは一日の多くの時間を横になって過ごすため、背中や首のうしろ、おしりなど、汗が蒸発しにくい部位が蒸れやすい状況になります。

衣服や寝具、おむつなどによる蒸れも大きな要因です。特に夏場の暑い時期には、適切な衣服の調整や室温管理が難しく、赤ちゃんの肌が長時間汗で湿った状態になりやすくなります。これらの複合的な要因が重なって、赤ちゃんはあせもになりやすいのです。

💊 ベビーパウダーとはどんなもの?成分と働き

ベビーパウダーは、赤ちゃんの肌ケア用品として長年使われてきた粉末状の製品です。その歴史は古く、100年以上前から赤ちゃんのおむつかぶれやあせも対策として広く使われてきました。しかし近年、その成分や使い方についての認識が大きく変わっています。

ベビーパウダーの主な成分は大きく分けて2種類あります。一つは「タルク(滑石)」を主成分とするものです。タルクは天然の鉱物を細かく粉砕したもので、非常に滑らかな質感を持ちます。かつては多くのベビーパウダーにタルクが使われていましたが、現在はその安全性について議論があり、使用を控えるよう勧告している医療機関や国もあります。もう一つは「コーンスターチ(とうもろこし澱粉)」を主成分とするものです。コーンスターチは植物由来の成分で、肌への刺激が少ないとされており、現在では多くのベビーパウダーがコーンスターチを主成分としています。

ベビーパウダーの働きとしては、主に皮膚の表面の水分(汗)を吸収してさらさらの状態を保つこと、皮膚どうしや衣服との摩擦を軽減すること、清涼感を与えることなどが挙げられます。これらの働きによって、汗による蒸れや摩擦を減らし、皮膚のトラブルを防ぐことが期待されていました。

しかし現代の皮膚科学では、ベビーパウダーの効果については否定的な見解も多く、特に「あせもの治療」という観点では積極的に勧められていない場合があります。この点については次のセクションで詳しく解説します。

Q. あせもが発症している部位にベビーパウダーを使っても良いですか?

あせもが発症している部位へのベビーパウダーの使用は推奨されていません。パウダーの粒子が詰まった汗管をさらに塞ぎ症状を悪化させる恐れがあります。また、コーンスターチが細菌の栄養源となり感染リスクを高める可能性もあるため、ベビーパウダーは健康な肌への予防的使用にとどめてください。

🏥 あせもにベビーパウダーは効果があるのか

「あせもにベビーパウダーを使えばよくなる」という考え方は、昔から多くの家庭で受け継がれてきました。しかし現代の皮膚科学的な見地からは、この考え方には注意が必要です。

ベビーパウダーには汗を吸収してさらさらの状態を保つ働きがあります。これはあせもの予防という観点ではある程度の意味があります。皮膚が汗で湿った状態が続くと汗管が詰まりやすくなるため、汗を吸収して乾燥した状態を保つことは、あせもの発生を防ぐ一助になり得ます。

一方で、すでにあせもが発症している状態でベビーパウダーを使用することには問題が指摘されています。最も大きな懸念は、ベビーパウダーの粒子が詰まっている汗管をさらに塞いでしまう可能性があることです。あせもは汗管の詰まりが原因で起きていますが、そこにさらに粉末の粒子が入り込むと、詰まりが悪化して症状が長引いたり、ひどくなったりする可能性があります。

また、汗でぬれた肌にベビーパウダーをつけると、粉末が固まってムラになったり、肌の上でダマになったりすることがあります。このダマになった状態が皮膚を刺激したり、毛穴や汗管を物理的に塞いだりする原因になることも考えられます。

さらに、コーンスターチを主成分とするベビーパウダーについては、細菌の栄養源になり得るという指摘もあります。あせもができている部位では皮膚のバリア機能が低下しており、細菌が繁殖しやすい状態になっています。そこにコーンスターチを含むパウダーを使用することで、細菌の増殖を助けてしまい、感染症(膿疱性汗疹など)のリスクが高まる可能性があります。

これらの理由から、現在の皮膚科学では「あせもにベビーパウダーを使用することは推奨されない」という見解が主流になっています。特に赤ちゃんや小さな子どもの場合、皮膚が敏感で感染リスクも高いため、より慎重な対応が求められます。

ただし、あせもが発症していない状態での予防的な使用については、従来から行われており、使い方を正しく守れば一定の効果が期待できるという考え方も残っています。大切なのは「あせもが出た後に使うもの」ではなく、もしも使うのであれば「あせもが出る前の予防的な使用にとどめる」という認識を持つことです。

⚠️ ベビーパウダーの正しい使い方

もしベビーパウダーを使用する場合は、正しい使い方を守ることが重要です。誤った使い方は症状を悪化させたり、新たなトラブルを引き起こしたりする原因になります。

まず、使用のタイミングについてです。ベビーパウダーは入浴後など、肌がきれいに洗われて清潔な状態になってから使用するのが基本です。汗をかいている状態や、肌が汚れている状態でベビーパウダーを使用してはいけません。汚れや汗がある状態でパウダーを使うと、汚れを閉じ込めることになり、皮膚トラブルの原因になります。

次に、肌の状態を確認してから使用することが大切です。あせもや湿疹、傷などがある部位にはベビーパウダーを使用しないでください。皮膚に炎症や傷がある場合は、パウダーの刺激が炎症を悪化させたり、傷口から成分が吸収されたりする可能性があります。

使用量についても注意が必要です。ベビーパウダーは少量を薄く伸ばして使用するのが基本です。たくさんつければ効果が上がるわけではなく、むしろ過剰な量を使用すると毛穴や汗管を塞いだり、ダマになって肌を刺激したりする原因になります。手のひらに少量取り、肌の上で薄く広げるようにして使いましょう。

使用箇所については、首のまわり、脇の下、太ももの内側、おむつの当たる部分など、蒸れやすく摩擦が起きやすい部位が主な対象です。ただし、顔や目の周り、粘膜の近くには使用しないでください。

赤ちゃんへの使用で特に気をつけなければならないのが、粉末の吸い込みによる健康被害です。ベビーパウダーの細かい粒子を赤ちゃんが吸い込んでしまうと、気道に入り込んで呼吸器に悪影響を与える可能性があります。実際に海外では、ベビーパウダーの吸い込みによる健康被害が報告されており、米国小児科学会(AAP)はベビーパウダーの使用自体を推奨していません。赤ちゃんの顔の近くで使用することは絶対に避け、使用する際は赤ちゃんの顔を遠ざけた状態で、風が来ない環境で行ってください。また、赤ちゃんが手を伸ばして触れる場所に容器を置かないよう注意しましょう。

なお、製品によって使用方法や注意事項が異なることがあります。使用前に必ず製品の説明書や注意事項を確認し、それに従って使用してください。

Q. ベビーパウダーのタルクとコーンスターチはどちらが安全ですか?

赤ちゃんへの使用では、植物由来で肌への刺激が少ないコーンスターチを主成分とする製品が望ましいとされています。タルクを主成分とする製品は、微粒子の吸い込みによる呼吸器への影響やアスベスト混入のリスクが指摘されており、使用を控えるよう勧告している医療機関もあります。

考え事をする女性

🔍 ベビーパウダーを使う際の注意点

ベビーパウダーを使用する際には、効果的な使い方を守るだけでなく、いくつかの重要な注意点も把握しておく必要があります。

まず、タルク含有製品についての注意です。かつて主流だったタルクを主成分とするベビーパウダーについては、現在様々な安全性の懸念が指摘されています。タルクの微粒子を吸い込むことによる呼吸器への影響のほか、タルクに含まれ得るアスベスト(石綿)による健康被害のリスクも取り沙汰されています。日本でも一部のタルク含有製品の使用に関する注意喚起が行われています。赤ちゃんに使用する場合は、コーンスターチを主成分とする製品を選ぶほうが安全性の観点では望ましいと考えられています。ただし、コーンスターチについても前述のような注意点がありますので、使い方に注意が必要です。

次に、アレルギーへの注意です。ベビーパウダーに含まれる成分に対してアレルギーを持つ赤ちゃんもいます。初めて使用する際は少量を肌の目立たない部位に試してみて、赤みやかゆみなどの反応が出ないか確認してから使用することをおすすめします。

また、肌の状態によっては使用を控えるべき場合があります。特にアトピー性皮膚炎を持つ赤ちゃんや子どもの場合、肌のバリア機能が著しく低下しており、外部からの刺激に非常に敏感です。このような場合にベビーパウダーを使用すると、成分が刺激になって症状を悪化させる可能性があります。アトピー性皮膚炎がある場合は、ベビーパウダーの使用前に必ず医師に相談してください。

おむつ替えの際の使用についても注意が必要です。おむつの当たる部分にベビーパウダーを使用する場合、おむつが汗や尿で湿るとパウダーが固まり、肌に対して摩擦を起こすことがあります。また、おむつを替えるたびに肌を清潔にして、前のパウダーを完全に取り除いてから新しくパウダーをつけることが大切です。古いパウダーの上に新しいパウダーを重ねると、塊になって肌を傷つける可能性があります。

保管方法にも気をつけましょう。ベビーパウダーは湿気を吸いやすいため、使用後はしっかりと蓋を閉め、湿気の少ない場所に保管してください。湿気を含んだパウダーは固まって使いにくくなるだけでなく、細菌が繁殖しやすくなる可能性もあります。また、赤ちゃんの手の届かない場所に保管することも重要です。

📝 あせもの正しいケアと予防法

あせもが発症した場合、またはあせもを予防するためには、ベビーパウダーの使用よりも根本的なスキンケアと生活習慣の見直しが重要です。現代の皮膚科学で推奨されているあせも対策を詳しく解説します。

まず最も基本的かつ重要なのが、こまめに汗を洗い流すことです。あせもは汗管の詰まりが原因で起こるため、皮膚を清潔に保つことが最大の予防策になります。汗をかいたら放置せず、濡れたタオルで優しく拭き取るか、シャワーで洗い流しましょう。特に赤ちゃんの場合は、暑い時期は一日に2回以上入浴またはシャワーをさせることが推奨されています。洗う際は石けんを使って汗や汚れをきちんと洗い落とすことが大切ですが、肌をゴシゴシとこすることは避け、優しく洗うようにしてください。洗浄後は清潔なタオルで優しく押さえるように水分を取ります。

次に、室温と湿度の管理が重要です。あせもは暑くて蒸れた環境で起こりやすいため、室温を適切に保つことが予防につながります。夏場は冷房を適切に使用し、室温を26〜28度程度、湿度60%以下を目安に管理することが理想的です。ただし、冷房の冷気が赤ちゃんに直接当たらないよう、風向きには注意してください。

衣服の選び方も大切な要素です。赤ちゃんや子どもの衣服は、通気性が良く吸湿性の高い素材(綿など)を選びましょう。化学繊維は通気性が低く、汗が肌に残りやすいため、肌に直接触れる衣服には天然素材が向いています。また、衣服の枚数についても、大人が「少し涼しい」と感じる程度の枚数を目安にし、着せすぎないことが重要です。赤ちゃんは体温が高めなので、大人より1枚少ない程度が適切とされています。首の後ろや背中に手を当てて、汗ばんでいないか定期的に確認する習慣をつけましょう。

寝具についても同様で、通気性の良いものを選び、敷布団やマットレスの上に吸湿性の高い素材のシーツを使用することが効果的です。赤ちゃんがうつ伏せ寝にならないよう注意しながら、背中の蒸れを防ぐ工夫をしましょう。

あせもが発症してしまった場合の対処法として、まず患部を清潔に保つことが最優先です。前述のようにこまめにシャワーで洗い流し、清潔を保ちます。かゆみが強い場合は、患部を冷たいタオルなどで冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができます。

市販薬としては、炎症を抑える成分を含むクリームや塗り薬が薬局で販売されています。あせも向けの市販薬には、かゆみを抑える抗ヒスタミン成分や、炎症を抑えるステロイド成分(弱いもの)を含む製品があります。ただし、赤ちゃんへのステロイド剤の使用については、製品の対象年齢や使用方法をよく確認し、不明な点は薬剤師に相談してから使用することをおすすめします。

保湿ケアについては、あせもが発症している部位への保湿剤の使用は、症状の種類や程度によって異なります。一般的に、かゆみのある赤いあせもに対しては保湿クリームよりも、炎症を抑える薬を使用することが優先されます。保湿ケアは医師の指示に従って行いましょう。

Q. あせもはどんな状態になったら病院を受診すべきですか?

患部が化膿している、膿を含んだブツブツがある、ホームケアを行っても1〜2週間以上症状が続くか悪化している、発熱を伴っている、強いかゆみで赤ちゃんが患部を引っかいてしまっているといった場合は、皮膚科または小児科を早めに受診し、専門家の診断を受けることが重要です。

💡 こんなときは皮膚科・小児科を受診しよう

クリニックでカウンセリングを受ける患者と男性医師

あせもは多くの場合、適切なスキンケアと環境管理によって自然に改善します。しかし、症状によっては医療機関での診察と治療が必要になることがあります。以下のような状態が見られる場合は、早めに皮膚科または小児科を受診することをおすすめします。

まず、患部が化膿している、または膿が溜まったブツブツが現れている場合です。これは前述の「膿疱性汗疹」や、細菌感染が起きている可能性を示唆します。細菌感染が起きている場合は、抗菌薬(抗生剤)による治療が必要なことがあり、自己判断での対処は危険です。

次に、市販薬やホームケアを行っても症状が1〜2週間以上続く場合や、症状が悪化している場合です。あせもは適切なケアを行えば通常数日から1週間程度で改善しますが、それ以上続く場合は別の皮膚疾患(湿疹、アトピー性皮膚炎、感染症など)の可能性も考えられます。

かゆみや痛みが非常に強く、赤ちゃんが頻繁に泣いたり、機嫌が悪くなったりしている場合も受診の目安となります。強いかゆみによって赤ちゃんが患部を引っかいてしまうと、傷から細菌が侵入して感染症を起こすリスクが高まります。

発熱を伴う場合も注意が必要です。あせも自体が発熱を引き起こすことは通常ありませんが、感染を伴っている場合や、あせも以外の疾患が隠れている場合には発熱が見られることがあります。発熱がある場合は早めに医療機関を受診してください。

また、あせもの範囲が急速に広がっている場合や、顔や頭皮など普段あせもができにくい部位にも症状が現れている場合も、医師の診察を受けることをおすすめします。

医療機関では、症状の程度に応じて適切な治療が行われます。軽度のあせもであれば亜鉛華軟膏などの塗り薬、炎症が強い場合はステロイド含有外用薬、感染を伴う場合は抗菌薬などが処方されることがあります。かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬の内服が処方されることもあります。

皮膚科や小児科では、あせもに似た他の皮膚疾患との鑑別診断も行われます。湿疹やアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎(かぶれ)、虫刺されなどは、見た目がよく似ていることがあり、素人判断では区別が難しいことがあります。適切な治療を受けるためにも、症状が気になる場合は専門家の診断を受けることが重要です。

また、初めてあせもらしき症状が現れた場合や、どのようにケアすればいいか迷っている場合も、気軽に医療機関に相談してみてください。赤ちゃんや小さな子どもの肌トラブルは保護者にとって不安なものですが、専門家のアドバイスを受けることで安心して対処することができます。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、あせもができてからベビーパウダーを使用して症状が悪化した状態でご来院されるお子さまを少なからず拝見します。ベビーパウダーは「あせもを治すもの」ではなく、健康な肌への予防的なケアとして位置づけていただくことが大切で、すでに赤みやプツプツが出ている場合はまず丁寧に汗を洗い流して肌を清潔に保つことを優先してください。お子さまの肌トラブルはご家族にとってご不安も大きいかと思いますので、症状が長引いたり化膿が疑われる場合は遠慮なくご相談ください。」

✨ よくある質問

あせもにベビーパウダーを使っても大丈夫ですか?

すでにあせもが発症している部位へのベビーパウダーの使用は推奨されていません。パウダーの粒子が詰まった汗管をさらに塞ぎ、症状を悪化させる可能性があります。また、コーンスターチが細菌の栄養源となり、感染リスクを高める恐れもあります。ベビーパウダーはあせもの治療ではなく、健康な肌への予防的なケアとして位置づけてください。

ベビーパウダーはタルクとコーンスターチどちらが安全ですか?

赤ちゃんへの使用では、植物由来で肌への刺激が少ないコーンスターチを主成分とする製品が望ましいとされています。タルクを主成分とする製品は、微粒子の吸い込みによる呼吸器への影響や、アスベスト混入のリスクが指摘されており、安全性への懸念から使用を控えるよう勧告している医療機関もあります。

ベビーパウダーの正しい使い方を教えてください。

入浴後など肌が清潔な状態のときに、手のひらに少量取り薄く伸ばして使用してください。汗をかいている状態や、あせも・湿疹がある部位への使用は避けましょう。また、赤ちゃんが粉末を吸い込まないよう顔から遠ざけ、風のない環境で使用することが重要です。過剰な量の使用は毛穴を塞ぐ原因になるため注意が必要です。

あせもの予防にベビーパウダーより効果的な方法はありますか?

はい、あります。こまめに汗をシャワーで洗い流して肌を清潔に保つこと、室温を26〜28度・湿度60%以下に管理すること、通気性の良い綿素材の衣服を選ぶことが基本的かつ効果的な予防策です。これらの生活習慣の見直しは、ベビーパウダーよりも根本的なあせも対策になります。

あせもはどんな状態になったら病院を受診すべきですか?

以下の場合は早めに皮膚科または小児科を受診してください。①患部が化膿している、または膿を含んだブツブツがある ②ホームケアをしても1〜2週間以上症状が続くか悪化している ③発熱を伴っている ④かゆみが非常に強く赤ちゃんが引っかいてしまっている、などの状態が見られる場合は、自己判断でのケアを続けず専門家にご相談ください。

📌 まとめ

あせもとベビーパウダーについて、様々な角度からお伝えしてきました。最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。

あせもは汗管の詰まりによって起こる皮膚疾患で、赤ちゃんは皮膚の特性上、特になりやすい状態にあります。ベビーパウダーは汗を吸収してさらさらの状態を保つ働きがありますが、現代の皮膚科学ではあせもが発症している状態での使用は推奨されていません。既にあせもができている部位にベビーパウダーを使用すると、汗管の詰まりをさらに悪化させたり、感染リスクを高めたりする可能性があります。

もしベビーパウダーを使用する場合は、あせもが発症していない健康な肌への予防的な使用にとどめ、清潔な肌に少量を薄く伸ばして使用するという正しい使い方を守ることが大切です。特に赤ちゃんへの使用では、粉末の吸い込みによる健康被害に十分注意してください。

あせもの予防と対処の基本は、こまめに汗を洗い流して肌を清潔に保つこと、室温・湿度を適切に管理すること、通気性の良い衣服を選ぶことです。これらの生活習慣の工夫が、ベビーパウダーよりも根本的で効果的なあせも対策になります。

症状が長引く場合、化膿している場合、広範囲に及ぶ場合などは自己判断でのケアを続けず、皮膚科または小児科を受診してください。赤ちゃんの肌は繊細で、適切なケアが大切です。不安なことや疑問点は、遠慮なく医療機関に相談することをおすすめします。正しい知識と適切なケアで、赤ちゃんの肌を守ってあげてください。

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📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 汗疹(あせも)の種類・病態・治療に関する皮膚科学的根拠(紅色汗疹・水晶様汗疹・膿疱性汗疹の分類、ステロイド外用薬・亜鉛華軟膏などの治療指針)
  • 厚生労働省 – 乳幼児向けスキンケア用品(ベビーパウダー含む)の成分・安全性に関する情報、タルク含有製品の注意喚起および市販外用薬の適正使用に関する行政情報
  • PubMed – 汗疹(Miliaria)の病態生理・ベビーパウダー(タルク・コーンスターチ)の皮膚への影響・細菌増殖リスクに関する国際的な査読済み医学文献

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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