「子どもの肌に小さなぶつぶつができた」「水疱瘡なのか水いぼなのか見分けがつかない」と悩む保護者の方は多くいらっしゃいます。水疱瘡(みずぼうそう)と水いぼは、どちらも子どもに多く見られる皮膚症状ですが、原因となるウイルスも、感染経路も、治療方法もまったく異なります。見た目が似ているために混同されることがありますが、正しく判断して適切な対応をとることが大切です。この記事では、水疱瘡と水いぼそれぞれの特徴を詳しく解説し、症状の違いを正確に把握するためのポイントをお伝えします。
目次
- 水疱瘡(水痘)とは何か
- 水いぼ(伝染性軟属腫)とは何か
- 水疱瘡と水いぼの見た目の違い
- 症状の経過と進行の違い
- 感染経路と感染力の違い
- 発症しやすい年齢・季節の違い
- かゆみや痛みなどの自覚症状の違い
- 発熱などの全身症状の有無
- 診断方法の違い
- 治療方法の違い
- 日常生活での注意点(登園・登校・プールなど)
- 予防接種・再発について
- 受診のタイミングと受診先
この記事のポイント
水疱瘡は透明な水ぶくれと発熱を伴う空気感染性の強い全身感染症、水いぼは中心にへこみのある光沢丘疹が特徴の皮膚局所感染症で、原因ウイルス・感染経路・治療法がすべて異なる。自己判断は難しいため、皮膚科・小児科への早期受診が重要。
🎯 水疱瘡(水痘)とは何か
水疱瘡(みずぼうそう)は、正式には「水痘(すいとう)」と呼ばれる感染症です。水痘・帯状疱疹ウイルス(Varicella-Zoster Virus:VZV)というヘルペスウイルスの一種が原因で引き起こされます。このウイルスは感染力が非常に強く、ワクチン接種が普及した現在でも、接種率が低い地域では流行が起こることがあります。
水疱瘡は主に幼児から学童期の子どもに多く発症しますが、成人が感染すると症状が重くなりやすいという特徴があります。一度感染して回復すると免疫が得られ、通常は二度と水疱瘡を発症しません。ただしウイルスは体内の神経節に潜伏し、免疫力が低下した際に「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」として再活性化することがあります。
日本では2014年から水痘ワクチンが定期接種となり、1歳と1歳6か月の2回接種が推奨されています。ワクチン接種によって発症リスクを大幅に減らすことができますが、接種後でも感染することがあります(突破感染)。その場合は症状が軽く済むことが多いとされています。
Q. 水疱瘡と水いぼの見た目の違いは何ですか?
水疱瘡は透明な液体の入った水ぶくれが特徴で、赤い斑点・水疱・かさぶたが同時に混在する「多形性」が見られます。一方、水いぼは中心部に小さなへこみ(中心窩)がある光沢のある丘疹で、内部に白いチーズ様の内容物を含む点が大きく異なります。
📋 水いぼ(伝染性軟属腫)とは何か
水いぼは、正式には「伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)」と呼ばれる皮膚疾患です。伝染性軟属腫ウイルス(Molluscum Contagiosum Virus:MCV)というポックスウイルス科に属するウイルスが原因で発症します。このウイルスはヒトにのみ感染し、動物には感染しません。
水いぼは皮膚の表面にのみ感染するウイルスで、体内の深部組織や神経節には入り込みません。そのため水疱瘡のように内臓に影響を与えることはなく、一般的には軽症とされています。しかし、感染した皮膚を掻きこわすことで数が増えたり、アトピー性皮膚炎などで皮膚バリアが弱い子どもは特に広がりやすかったりするという特徴があります。
水いぼは皮膚と皮膚の接触によって感染するため、タオルや衣類の共用、プールでの感染が知られています。一方で、感染しても必ずしも全員に症状が出るわけではなく、免疫力が通常の子どもであれば数か月〜1〜2年で自然消退することが多いとされています。
💊 水疱瘡と水いぼの見た目の違い
水疱瘡と水いぼを区別するうえで最も重要なのが、発疹(ぶつぶつ)の見た目の特徴です。それぞれの見た目を詳しく確認しましょう。
水疱瘡の発疹は、最初に赤い小さな斑点(紅斑)として現れ、数時間のうちに丘疹(盛り上がった小さなしこり)へと変化します。その後、透明な液体の入った水ぶくれ(水疱)になり、最終的にかさぶた(痂皮)になって治癒します。この一連の変化が非常に速く、24〜48時間程度で進行します。発疹の大きさは2〜5mm程度が多く、形状は不整形で「露に濡れたような」見た目と表現されることもあります。重要な特徴は、同じ人の皮膚に斑点・水疱・かさぶたが混在して存在することで、これを「多形性」と呼びます。発疹は体幹(胸・腹・背中)から始まり、顔や頭皮、四肢へと広がります。頭皮に発疹が出ることも水疱瘡の特徴のひとつです。
一方、水いぼの発疹は表面が光沢のある半球状の小さな丘疹で、中心部に小さなへこみ(中心窩)があることが特徴的です。色は皮膚色〜やや白っぽい色で、大きさは1〜10mm程度とさまざまです。内部には白色のチーズ様の内容物(軟属腫小体)が含まれており、つぶすと白い固まりが出てきます。水疱瘡のように液体の入った透明な水ぶくれとは明らかに異なります。発疹は体幹・腋の下・肘の内側・膝の裏など皮膚が薄く摩擦を受けやすい部位に多く見られますが、顔や首にも発生することがあります。
最も大きな見た目の違いは、水疱瘡が「透明な液体の入った水ぶくれ」であるのに対し、水いぼは「中心にへこみがある光沢のある丘疹」という点です。また水疱瘡は急速に形が変化しますが、水いぼは数週間から数か月にわたって比較的ゆっくりと増えていきます。
🏥 症状の経過と進行の違い
水疱瘡と水いぼは、症状の出方や経過においても大きな差があります。
水疱瘡の経過は比較的急速です。感染から発症までの潜伏期間は10〜21日(平均14〜16日)とされています。発疹が出る1〜2日前から軽い発熱や倦怠感が現れることがあり、これを前駆症状と呼びます。その後、体幹に赤い小さな斑点が現れはじめ、急速に水ぶくれへと変化します。新しい発疹は3〜5日間にわたって次々と出現し、その後かさぶたになって治癒に向かいます。発疹が完全にかさぶたになるまで7〜10日程度かかります。
水いぼの経過はゆっくりとしています。感染から発症までの潜伏期間は2週間〜6か月と幅が広く、多くの場合は数か月後に発疹が確認されます。最初は数個の小さな丘疹として現れますが、徐々に数が増えていきます。掻くことで自分の体の別の場所に広がる「自家感染」も起こります。放置した場合、多くは6か月〜2年程度で免疫ができて自然消退しますが、その間に数十個〜100個以上に増えることもあります。
Q. 水疱瘡と水いぼの感染経路はどう違いますか?
水疱瘡は空気感染・飛沫感染・接触感染の3経路で広がり、免疫のない人が接触した場合の感染率は90%以上と非常に高いです。水いぼは接触感染のみで、同じ空間にいるだけでは感染しません。プール後の共用タオルや皮膚の直接接触が主な感染経路となります。
⚠️ 感染経路と感染力の違い
水疱瘡と水いぼでは、感染経路が根本的に異なります。
水疱瘡は「空気感染・飛沫感染・接触感染」の3つの経路で感染します。特に空気感染するため、同じ室内にいるだけで感染するリスクがあり、感染力は非常に強いとされています。水疱・皮疹に含まれるウイルスに直接接触しても感染します。感染性は発疹が出る約2日前から、全ての発疹がかさぶたになるまで持続します。免疫がない人が接触した場合の感染率は90%以上とも言われるほど感染力が高い疾患です。
一方、水いぼの感染経路は「接触感染」に限られます。感染した皮膚との直接接触、またはウイルスが付着したタオルやスポンジなどを介した間接的な接触によって感染します。空気中に漂って感染することはないため、同じ空間にいるだけで感染することはありません。プールの水を介して感染するというよりは、プールの後に共用タオルで体を拭いたり、感染した子どもと体が接触したりすることで感染が広がると考えられています。感染力は水疱瘡に比べると弱く、接触したからといって必ず感染するわけではありません。
🔍 発症しやすい年齢・季節の違い
水疱瘡と水いぼが流行しやすい年齢や季節にも違いがあります。
水疱瘡はワクチン接種前の子ども(特に1〜6歳)に多く見られましたが、現在は定期接種の普及により発生数が大幅に減少しています。成人での発症は重症化しやすい傾向があります。季節的には春(4〜6月)と冬(12〜2月)に流行のピークがあるとされていますが、一年を通じて発生します。
水いぼは主に幼児・学童期(1〜12歳程度)の子どもに多く見られます。成人では皮膚のバリア機能が発達しているため感染しにくく、成人での発症は免疫力が著しく低下している場合や、性的接触による場合に多いとされています。季節的には夏に多く見られ、プールでの活動が増える時期に発生しやすいとされています。これは汗や水でふやけた皮膚にウイルスが感染しやすいためと考えられています。
📝 かゆみや痛みなどの自覚症状の違い
水疱瘡と水いぼのどちらも「かゆみ」を伴うことがありますが、その程度や性質に違いがあります。
水疱瘡のかゆみは非常に強く、特に水ぶくれができた時期に著しくなります。子どもが搔き壊してしまうと、細菌の二次感染(とびひなど)を起こすリスクがあります。また、口腔内・消化管・気道の粘膜にも病変が生じることがあり、口の中に発疹ができると痛みを伴い、食事がとりにくくなることがあります。皮膚の発疹部位の痛みはかゆみほど強くないことが多いですが、発疹が広範囲に及ぶと辛さを感じます。
水いぼのかゆみは一般的に水疱瘡ほど強くはありませんが、炎症が起きている場合やアトピー性皮膚炎を合併している場合はかゆみが強くなることがあります。水いぼ自体は痛みを伴わないことが多いですが、治療(摘除)の際には痛みを感じます。水いぼを自分で搔き破ったり刺激を与えたりすることで炎症が起きると、赤く腫れて痛みが出ることがあります。
Q. 水疱瘡と水いぼで発熱などの全身症状は出ますか?
水疱瘡では37〜39℃程度の発熱・倦怠感・食欲不振が発疹と同時期に現れることが多く、まれに肺炎や脳炎などの重篤な合併症が生じることもあります。水いぼは皮膚局所の感染症であるため、原則として発熱などの全身症状はなく、感染中も元気に生活できるケースがほとんどです。
💡 発熱などの全身症状の有無
水疱瘡と水いぼを区別する重要なポイントのひとつが、発熱などの全身症状があるかどうかです。
水疱瘡では全身症状が現れることが多く、発熱(37〜39℃程度)・倦怠感・食欲不振などが発疹と同時期に起こります。発熱は通常3〜4日で改善されますが、発疹の出始めと重なる時期は子どもが特に辛そうに見えます。まれに重症化した場合には、肺炎(水痘肺炎)・脳炎(水痘脳炎)・小脳炎・出血性水痘などの合併症が起こることがあり、免疫不全のある方や成人ではより注意が必要です。
水いぼでは原則として発熱などの全身症状はありません。皮膚の病変に限られた感染症であるため、感染していても元気に生活できることがほとんどです。ただし、水いぼを搔き壊して細菌の二次感染(ブドウ球菌・連鎖球菌など)を起こすと、とびひや蜂窩織炎(ほうかそうえん)などが生じ、発熱することがあります。
✨ 診断方法の違い
どちらの疾患も、多くの場合は皮膚科や小児科での視診(目で見て診断する方法)によって診断されます。ただし確定診断の方法は異なります。
水疱瘡の診断は、典型的な発疹の形態(水ぶくれとかさぶたの混在)と全身症状、接触歴などを総合的に判断して行われます。典型的な症状であれば特別な検査なしに診断できることがほとんどです。疑わしい場合や非典型例では、水疱内容物や皮膚擦過物を用いたPCR検査・蛍光抗体法・ウイルス培養などで確定診断を行うことがあります。血液検査でウイルスに対する抗体価を測定することもあります。
水いぼの診断は、特徴的な中心窩のある光沢のある丘疹を確認することで行われます。典型的な場合は視診のみで診断できます。不典型な場合には、病変内容物(軟属腫小体)を採取して顕微鏡で観察し、軟属腫小体の存在を確認することで診断します。また、ダーモスコピー(皮膚鏡)と呼ばれる特殊な拡大鏡を使って皮膚表面を詳しく観察することで、より正確な診断ができます。
家庭での自己判断は誤診のリスクがあるため、「水疱瘡かもしれない」「水いぼかもしれない」と感じた場合は、必ず医療機関を受診して適切な診断を受けることをお勧めします。
📌 治療方法の違い
水疱瘡と水いぼでは治療方針が大きく異なります。
水疱瘡の治療では、「アシクロビル(acyclovir)」や「バラシクロビル(valacyclovir)」などの抗ヘルペスウイルス薬が使用されます。これらの薬はウイルスの増殖を抑制する働きがあり、発症後24〜48時間以内に内服を開始すると最も効果的とされています。症状が軽い場合はかゆみ止め(抗ヒスタミン薬)・解熱剤(アセトアミノフェン)・皮膚への外用薬(亜鉛華軟膏など)を用いた対症療法が中心となります。解熱剤としてアスピリン系薬剤はライ症候群(脳症と肝不全を引き起こす重篤な病態)のリスクがあるため、子どもへの使用は禁忌です。かゆみで掻き壊してしまわないように、爪を短く切ることや、必要に応じて手袋をつけるなどの工夫も大切です。
水いぼの治療については、現在も医療機関によって方針が異なります。主な治療法には以下のものがあります。
まず「経過観察(自然消退を待つ)」という方法があります。免疫が正常な子どもでは多くの場合、6か月〜2年で自然に治癒するため、無治療で経過を見るという選択肢もあります。日本小児科学会は自然消退を待つことを支持する立場を示していますが、一方で広がりが心配な場合や本人・保護者が早期治療を希望する場合は積極的な治療を行うこともあります。
次に「ピンセットによる摘除(液体窒素を使わない方法)」があります。専用の摘除器(ピンセット)を使って水いぼを一つ一つ取り除く方法で、確実な治療効果が得られますが、痛みを伴います。麻酔テープ(リドカインテープ)を事前に貼ることで痛みを軽減することができ、現在多くの医療機関で採用されています。
「液体窒素による冷凍凝固療法」は、マイナス196℃の液体窒素を病変部に当てて凍らせる方法です。効果はありますが痛みが強く、子どもには向かない場合もあります。「外用薬による治療」としては、サリチル酸配合製剤・グルタルアルデヒド・硝酸銀などの外用薬が使用されることがあります。「イミキモドクリーム(ベセルナクリーム)」は免疫応答を高める薬剤で、成人の水いぼに対して使用されることがあります。
アトピー性皮膚炎を合併している子どもは皮膚のバリア機能が低下しているため水いぼが広がりやすく、アトピーの治療と並行して水いぼの治療を行うことが重要です。
Q. 水疱瘡と水いぼの治療法はどう違いますか?
水疱瘡にはアシクロビルなどの抗ヘルペスウイルス薬が使用され、発症後24〜48時間以内の服用開始が最も効果的です。水いぼは免疫が正常な子どもであれば6か月〜2年で自然消退することが多く、治療を希望する場合はピンセットによる摘除や液体窒素による冷凍凝固療法などが選択肢となります。
🎯 日常生活での注意点(登園・登校・プールなど)
感染症への対応として気になるのが、登園・登校・プールへの参加可否です。
水疱瘡は学校保健安全法において「第二種感染症」に指定されており、感染性がある間は出席停止となります。具体的には「すべての発疹がかさぶたになるまで」が出席停止期間とされています。かさぶたになれば感染性がなくなるため、登園・登校が可能となります。なお、登園・登校再開の際には医師の診断書や意見書が必要な場合もあります。保育園や学校のルールに従って対応してください。プールについても、すべての発疹がかさぶたになるまでは参加できません。
水いぼについては、学校保健安全法上の出席停止規定はありません。つまり、水いぼがあっても登園・登校は可能です。ただし、プールへの参加については施設によって対応が異なります。日本臨床皮膚科医会・日本皮膚科学会・日本小児皮膚科学会・日本小児科学会は「水いぼがあってもプールに入れる」という見解を示していますが、水いぼの部位を防水テープで覆うことが推奨されています。施設・学校・保育園の方針に従って対応することが現実的です。
水いぼがある場合は、プールのタオルや浮き輪などを他の子と共用しないようにすること、体が触れ合う水泳の指導では周囲への配慮をすることも重要です。
📋 予防接種・再発について

水疱瘡と水いぼの予防方法と、感染後の再発リスクについて解説します。
水疱瘡にはワクチンがあります。日本では2014年10月より水痘ワクチンが定期接種となり、1歳と1歳6か月(または2歳の誕生日の前日まで)の2回接種が勧められています。ワクチンを2回接種することで、発症予防効果が約98%と非常に高くなります。1回接種の場合でも約85%の予防効果があります。過去に水疱瘡に罹患した人は自然免疫が形成されるため、再び水疱瘡を発症することはほとんどありません。ただし前述のように、ウイルスは体内に潜伏し続け、免疫力が低下した際に帯状疱疹として再発することがあります。帯状疱疹予防のためのワクチン(シングリックスなど)も存在し、50歳以上の方に推奨されています。
水いぼには現在のところ予防ワクチンはありません。感染予防のためには、皮膚を清潔に保つこと、皮膚のバリア機能を低下させないようにすること(アトピー性皮膚炎の適切な管理)、タオルや衣類の共用を避けること、プール後はシャワーで体をよく洗うことなどが有効とされています。一度水いぼに感染して治癒した場合、免疫が形成されますが、その免疫は長続きしないため再感染することがあります。ただし、年齢とともに皮膚のバリア機能が発達するため、成人での感染は少なくなります。
💊 受診のタイミングと受診先
水疱瘡が疑われる場合と水いぼが疑われる場合では、受診のタイミングや注意点が異なります。
水疱瘡が疑われる場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。前述のように、抗ウイルス薬は発症後24〜48時間以内に開始することで最も効果を発揮します。また、高熱が続く・意識がおかしい・頭痛や嘔吐がひどい・皮膚が赤く腫れて二次感染が疑われるなどの症状がある場合は緊急性があるため、速やかに受診してください。受診の際は感染拡大を防ぐため、事前に医療機関に電話で症状を伝え、待合室での対応について確認することをお勧めします。受診先は小児科または皮膚科が適切です。
水いぼが疑われる場合は、急いで受診する必要はありませんが、増えてきた・家族内で広がっている・アトピー性皮膚炎を合併していて悪化している・自己判断では水疱瘡と区別がつかないなどの場合は皮膚科または小児科に相談することをお勧めします。治療を希望するかどうかについても、受診時に医師とよく相談して判断することが大切です。
アイシークリニック渋谷院では、皮膚のトラブルに関するご相談を受け付けています。水いぼの摘除治療を含む皮膚疾患の診察を行っていますので、皮膚の症状でお困りの方はお気軽にご相談ください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「子どもの肌にぶつぶつができた」とご来院されるお子さんの中に、水疱瘡と水いぼを混同されたまま受診されるケースが少なくありません。水疱瘡は空気感染するほど感染力が非常に強く、発症後早期の抗ウイルス薬投与が重要ですので、透明な水ぶくれと発熱が同時に見られる場合はとくに早めのご受診をお勧めします。見た目だけでの自己判断は難しい場合もありますので、少しでも気になる症状があればお気軽にご相談ください。」
🏥 よくある質問
水疱瘡は「透明な液体の入った水ぶくれ」が特徴で、赤い斑点からかさぶたまで急速に変化します。一方、水いぼは「中心部に小さなへこみ(中心窩)がある光沢のある丘疹」が特徴で、内部には白いチーズ様の内容物が含まれています。発熱などの全身症状を伴うかどうかも重要な判断ポイントです。
水疱瘡のほうが圧倒的に感染力が強いです。水疱瘡は空気感染・飛沫感染・接触感染の3経路で広がり、免疫のない人が接触した場合の感染率は90%以上とされています。一方、水いぼは接触感染のみで、同じ空間にいるだけでは感染しません。
はい、水疱瘡は学校保健安全法の「第二種感染症」に指定されており、すべての発疹がかさぶたになるまで出席停止となります。一方、水いぼには出席停止の規定はなく、登園・登校は可能です。ただし、プールの参加については施設の方針に従って対応することが現実的です。
免疫が正常な子どもであれば、多くの場合6か月〜2年程度で自然に消退します。ただし、その間に数十個以上に増えることもあります。アトピー性皮膚炎がある場合は広がりやすいため注意が必要です。治療を希望される場合は、ピンセットによる摘除や外用薬などの方法があり、医師と相談のうえ判断することをお勧めします。
できるだけ早めの受診をお勧めします。抗ウイルス薬は発症後24〜48時間以内に服用を開始すると最も効果的です。また、高熱が続く・意識がおかしい・頭痛や嘔吐がひどいなどの症状がある場合は緊急性があります。受診前に医療機関へ電話で症状を伝え、待合室での対応を確認してからご来院ください。
⚠️ まとめ
水疱瘡と水いぼは、どちらも子どもに多い皮膚の疾患ですが、原因ウイルス・症状・感染経路・治療法のすべてが異なります。水疱瘡は水痘・帯状疱疹ウイルスによる全身感染症で、透明な水ぶくれと発熱が特徴的で感染力が非常に強く、学校保健法上の出席停止が必要です。一方、水いぼは伝染性軟属腫ウイルスによる皮膚局所の感染症で、中心にへこみのある光沢ある丘疹が特徴で、発熱などの全身症状はなく、出席停止の規定もありません。
見た目だけで区別することが難しい場合も多いため、「水疱瘡かもしれない」「水いぼかもしれない」と感じた際は自己判断せず、皮膚科や小児科に相談することが大切です。適切な診断と治療を受けることで、感染の拡大を防ぎ、お子さんの負担を最小限に抑えることができます。また、水疱瘡はワクチンで予防できる疾患です。まだ接種が済んでいないお子さんは、かかりつけ医に相談してみてください。
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📚 参考文献
- 厚生労働省 – 水痘(水疱瘡)の感染症情報、定期接種スケジュール(2014年定期接種化)、出席停止基準、予防接種の効果(2回接種で約98%予防効果)に関する公式情報
- 国立感染症研究所 – 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の感染経路(空気感染・飛沫感染・接触感染)、潜伏期間(10〜21日)、感染率、疫学データ、伝染性軟属腫(水いぼ)の病原体・感染経路に関する詳細な科学的情報
- 日本皮膚科学会 – 水いぼ(伝染性軟属腫)の診断基準・治療方針(摘除・液体窒素・経過観察)、プール参加に関する学会見解、アトピー性皮膚炎合併例への対応、水疱瘡との鑑別に関する皮膚科専門医向けガイドライン情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務