夏になると足がかゆくなり、気づいたら小さな水ぶくれができていた、という経験はありませんか。水虫と聞くと「足の指の間がジュクジュクするもの」というイメージを持つ方が多いのですが、実は水虫にはいくつかのタイプがあり、そのひとつが「小水疱型(しょうすいほうがた)」と呼ばれるものです。小水疱型は水ぶくれが主な症状であるため、虫刺されや湿疹と間違えやすく、適切な治療が遅れてしまうケースも少なくありません。この記事では、水虫の小水疱型について、症状や原因・好発する季節・他の皮膚トラブルとの見分け方・治療法まで、できるだけわかりやすくお伝えします。気になる症状がある方はぜひ参考にしてみてください。
目次
- 水虫(白癬)とは何か
- 水虫の種類と小水疱型の位置づけ
- 小水疱型水虫の主な症状
- 小水疱型水虫が起きやすい場所と時期
- 小水疱型水虫の原因となる白癬菌について
- 小水疱型と間違えやすい皮膚の病気
- 小水疱型水虫の診断方法
- 小水疱型水虫の治療法
- 市販薬で対応できるケースとできないケース
- 小水疱型水虫を再発させないための予防策
- まとめ
この記事のポイント
小水疱型水虫は足の土踏まずに水ぶくれと強いかゆみが生じる足白癬で、汗疱や湿疹と見分けが難しい。治療は抗真菌外用薬を症状消失後も1〜2カ月継続することが再発防止の鍵であり、自己判断を避け皮膚科での確定診断が重要。
🎯 水虫(白癬)とは何か
水虫は医学的には「足白癬(あしはくせん)」と呼ばれ、白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が皮膚に感染することで起こる感染症です。白癬菌は皮膚の表面にある角質層(かくしつそう)に住み着き、ケラチンというタンパク質を栄養源として増殖します。そのため、皮膚の深い層には入り込まず、あくまでも皮膚の表面付近で炎症を引き起こします。
水虫は非常に一般的な皮膚疾患で、日本国内では推定で約2500万人以上が罹患していると言われています。成人の5人に1人が感染しているとの報告もあり、決して珍しい病気ではありません。男性に多いイメージがありますが、女性や子どもにも発症します。また、足だけでなく、手・爪・体・股などにも感染することがあり、感染部位によってそれぞれ呼び方が異なります。足に感染したものを足白癬(水虫)、爪に感染したものを爪白癬、体に感染したものを体部白癬(たむし)、股に感染したものを股部白癬(いんきんたむし)と呼びます。
白癬菌は湿度が高く温かい環境を好むため、夏に悪化しやすいという特徴があります。しかし感染自体は一年を通じて起こりうるため、冬でも油断は禁物です。
Q. 小水疱型水虫の主な症状は何ですか?
小水疱型水虫は、足の土踏まずや指の付け根に直径1〜3mmの小さな水ぶくれが集まって現れるのが主な症状です。強いかゆみを伴い、特に夕方から夜間に強くなります。水ぶくれが破れると皮がめくれ、乾燥してかさぶた状になることもあります。
📋 水虫の種類と小水疱型の位置づけ
足白癬(水虫)は症状の出方によって、大きく3つのタイプに分類されます。それぞれの特徴を理解しておくことで、自分の症状がどのタイプに当てはまるかを把握するのに役立ちます。
一つ目は「趾間型(しかんがた)」です。足の指と指の間(特に薬指と小指の間)に多く見られるタイプで、皮膚がじくじくと湿って白くふやけたり、逆に乾燥してカサカサとひび割れたりします。最も多くの患者さんに見られる一般的なタイプで、強いかゆみを伴うことが多いです。
二つ目が「小水疱型(しょうすいほうがた)」です。足の土踏まずや指の付け根あたりに、小さな水ぶくれ(水疱)が集まってできるタイプです。水ぶくれは破れると皮がめくれ、その後は乾燥してかさぶた状になることもあります。強いかゆみを伴うことが多く、夏場に症状が悪化しやすいのが特徴です。
三つ目は「角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)」です。足の裏全体にわたって皮膚が厚く硬くなり、粉をふいたようにポロポロと白い粉が落ちるタイプです。かゆみが少ないかまったくないことが多く、かかとのひび割れが主な症状として現れます。長期間感染が続いた結果として起こることが多く、高齢者に多く見られます。
このように水虫にはいくつかのタイプがありますが、今回の記事では特に「小水疱型」に焦点を当てて詳しく解説していきます。小水疱型は虫刺されや汗疱(かんぽう)、湿疹などと見た目がよく似ているため、自己判断が難しいタイプでもあります。
💊 小水疱型水虫の主な症状
小水疱型水虫の最も特徴的な症状は、足に現れる小さな水ぶくれです。水ぶくれの直径は1〜3ミリメートル程度のものが多く、複数の水ぶくれが集まって発疹のように見えることもあります。水ぶくれの内部には透明な液体が入っており、触ると硬めの感触がある場合が多いです。
水ぶくれが形成されるとともに、強いかゆみが現れます。かゆみは特に夕方から夜間にかけて強くなる傾向があり、かいてしまうと水ぶくれが破れて液体が周囲に広がります。液体が広がると新たな感染を引き起こしたり、二次感染(細菌感染)のリスクが高まったりするため、かきすぎには注意が必要です。
水ぶくれが破れた後は、皮がめくれてただれ状態になることがあります。その後、皮膚が乾燥してかさぶた状になったり、薄皮が剥がれ落ちたりします。この状態になると「水虫が治った」と勘違いしてしまう方もいますが、白癬菌は皮膚の内部に残っているため、適切な治療を続けなければ再び水ぶくれが現れます。
また、小水疱型水虫では「id反応(イデ反応)」と呼ばれる現象が起こることがあります。これは足の水虫が悪化した際に、手のひらや指の側面に小さな水ぶくれが現れるものです。手の水ぶくれ自体には白癬菌がいないにもかかわらず発症するため、アレルギー反応の一種と考えられています。足の水虫をしっかり治療することで手の症状も自然に改善するため、手の症状だけに注目しないことが大切です。
Q. 小水疱型水虫と汗疱はどう見分けますか?
小水疱型水虫と汗疱は見た目が非常に似ており、専門家でも肉眼だけでは判別が困難です。小水疱型水虫は白癬菌による感染症、汗疱は汗腺の詰まりが原因で、治療法が異なります。正確な診断には皮膚科での顕微鏡検査(KOH直接鏡検法)が必要です。
🏥 小水疱型水虫が起きやすい場所と時期
小水疱型水虫が最も発症しやすい部位は、足の土踏まず(足底の内側アーチ部分)です。次いで、指の付け根の付近(趾球部:しきゅうぶ)や足の縁(側縁部)にも水ぶくれが現れやすいとされています。足の指の間よりも、足の裏側や縁の方に症状が出やすいという特徴があります。
これらの部位は体重がかかりにくく、汗がたまりやすい場所でもあります。白癬菌は角質層に侵入して増殖しますが、汗によって皮膚が湿った状態が続くと角質が柔らかくなり、菌が繁殖しやすくなります。そのため、夏場に汗をよくかく季節は特に注意が必要です。
発症しやすい時期という観点では、小水疱型水虫は春から夏にかけて悪化することが多く、気温と湿度が上昇する5月〜9月頃にかけて水ぶくれが出やすくなり、秋冬には症状が落ち着いてくることがあります。しかし、秋冬に症状が落ち着いたからといって白癬菌が消えたわけではなく、温度と湿度が下がることで菌の活動が一時的に抑えられているだけです。治療を途中でやめてしまうと、翌年の夏には再び症状が現れます。
また、靴や靴下の素材も影響します。通気性の悪い素材の靴を長時間履き続けると足が蒸れやすく、白癬菌が増殖しやすい環境が整ってしまいます。仕事などでスニーカーや革靴を長時間履かなければならない方は特に注意が必要です。
⚠️ 小水疱型水虫の原因となる白癬菌について
水虫の原因となる白癬菌は、真菌(しんきん)という菌の一種で、カビや酵母菌と同じ仲間に属します。医学的には「皮膚糸状菌(ひふしじょうきん)」とも呼ばれ、ケラチンというタンパク質を栄養として生活しています。ケラチンは皮膚の角質層や爪、毛などに豊富に含まれているため、これらの部位に感染が起こりやすいというわけです。
足白癬の原因として最も多い白癬菌の種類は「トリコフィトン・ルブルム(Trichophyton rubrum)」で、全体の約70〜80%を占めると言われています。次いで「トリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)」が多く見られます。特に小水疱型水虫においては、後者のトリコフィトン・メンタグロフィテスが関与していることが比較的多いとされています。
白癬菌への感染経路としては、感染者の皮膚から脱落した角質(落屑:らくせつ)に触れることが最も一般的です。感染者が使用した浴室の床・脱衣所・スリッパ・タオルなどを共有することで菌が足に付着し、しばらく経ってから感染が成立します。ただし、足に菌が付着してもすぐに発症するわけではなく、角質の状態や免疫機能、足の衛生状態などによって感染するかどうかが変わってきます。付着した菌を洗い流すことで感染を防ぐことができるため、公衆浴場やプール・スポーツジムなどを利用した後はしっかりと足を洗う習慣をつけることが重要です。
また、糖尿病や免疫機能が低下している方は、健常者と比べて白癬菌に感染しやすく、また一度感染すると治りにくい傾向があります。基礎疾患がある方は特にフットケアに注意を払う必要があります。
🔍 小水疱型と間違えやすい皮膚の病気
小水疱型水虫は水ぶくれが主な症状であるため、他の皮膚疾患と見た目が非常によく似ています。以下に代表的な間違えやすい病気をまとめました。
まず「汗疱(かんぽう)」です。汗疱は手のひらや足の裏に小さな水ぶくれが多数できる疾患で、かゆみを伴います。見た目が小水疱型水虫と非常によく似ており、専門家でも肉眼だけでは判別が難しいことがあります。汗疱の原因はまだ完全には解明されていませんが、汗腺の出口が詰まることで起こると考えられています。白癬菌による感染ではないため、抗真菌薬を使っても改善しません。
次に「接触性皮膚炎(せっしょくせいひふえん)」です。特定の物質(靴・靴下・洗剤など)に接触することでアレルギー反応が起こり、水ぶくれやかゆみが生じます。原因物質に触れた部位に限定して発疹が出るのが特徴で、形や範囲が規則的に現れることが多いです。
「虫刺され」も水ぶくれを伴うことがあります。虫刺されの場合は発症が急で、刺された部位が限定的であることが多いです。水虫のように複数の場所に散らばって現れることは少ないため、見た目と経緯を総合的に判断することが重要です。
「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」も間違えられやすい病気のひとつです。手のひらや足の裏に膿疱(のうほう:黄白色の液体が入った水ぶくれ)が繰り返しできる皮膚疾患で、白癬菌とは無関係です。扁桃腺炎や歯科金属アレルギーとの関連が指摘されており、皮膚科での適切な鑑別が必要です。
「異汗性湿疹(いかんせいしっしん)」も類似した症状を呈することがあります。手や足に小さな水ぶくれが生じ、強いかゆみを伴います。ストレスや季節の変わり目に悪化しやすい傾向があります。
これらの病気は見た目が似ているため、自己判断での薬の使用は症状を悪化させる可能性があります。「かゆい水ぶくれができた」と感じたら、まず皮膚科を受診して正確な診断を受けることをおすすめします。
Q. 小水疱型水虫の治療はいつまで続けるべきですか?
小水疱型水虫の治療は、水ぶくれやかゆみが消えた後も抗真菌外用薬をさらに1〜2カ月継続することが推奨されています。症状が消えても白癬菌が皮膚内に残っている場合があり、途中でやめると再発につながります。アイシークリニックでも、医師の指示に従い最後まで使い切ることを推奨しています。
📝 小水疱型水虫の診断方法
小水疱型水虫の診断は、皮膚科で行われる「皮膚真菌検査(直接鏡検法:ちょくせつきょうけんほう)」によって確定します。この検査は比較的シンプルで、患者さんへの負担も少ないものです。
具体的な手順としては、まず医師が病変部の皮膚(水ぶくれの縁や剥がれかけた皮膚)をスクレーパーや針などで少量採取します。採取した皮膚の角質をスライドガラスに乗せ、水酸化カリウム(KOH)溶液を加えて顕微鏡で観察します。白癬菌が存在する場合、顕微鏡下では糸状(菌糸:きんし)の構造が確認できます。検査自体は数分から十数分で結果が出ることが多く、その日のうちに診断がつく場合がほとんどです。
ただし、検査の感度には限界があります。採取した部位によっては菌糸が確認されない場合もあるため、一度の検査で陰性が出ても水虫を完全に否定できるわけではありません。症状や経過が水虫を強く示唆する場合は、複数回検査を行うこともあります。
また、培養検査(白癬菌を培地で増殖させて確認する検査)を追加で行うこともあります。培養検査は菌の種類を特定するのに有用ですが、結果が出るまでに数週間かかる場合があります。
注意点として、市販の抗真菌薬を使用した後に受診すると、薬の影響で菌が検出されにくくなることがあります。診断を確実にするためには、できれば薬を使用する前、または使用を一時中断してから受診するのが理想的です。受診前に薬を使用していた場合は、その旨を必ず医師に伝えるようにしましょう。
💡 小水疱型水虫の治療法
小水疱型水虫の治療の基本は、抗真菌薬を用いた外用療法(塗り薬)です。白癬菌を死滅させる成分が含まれた薬を患部に塗ることで、徐々に菌の数を減らしていきます。
外用抗真菌薬には主にいくつかの種類があります。「アゾール系」と呼ばれるグループは、白癬菌の細胞膜の合成を阻害することで菌の増殖を抑えます。代表的な成分としてはルリコナゾール・ラノコナゾール・ビホナゾール・ケトコナゾールなどがあります。次に「アリルアミン系」と呼ばれるグループで、代表成分はテルビナフィンです。こちらも白癬菌の細胞膜合成を阻害しますが、アゾール系とは作用機序が異なります。その他にも「モルフォリン系」のアモロルフィンや「ベンジルアミン系」のブテナフィンなどが使われます。
外用薬の使い方については、患部だけでなく、足の裏全体と足の指の間にも塗ることが大切です。白癬菌は症状が出ていない部位にも潜んでいる可能性があるため、病変部だけに塗るのでは不十分です。入浴後に足をよく洗って乾燥させてから薬を塗る習慣をつけると効果的です。
治療期間については、症状が改善してからも一定期間は薬の使用を継続することが非常に重要です。水ぶくれがなくなり、かゆみが消えたとしても白癬菌が完全にいなくなったわけではありません。一般的に足白癬の外用療法は、症状が消えてからさらに1〜2カ月程度の継続使用が推奨されています。途中でやめてしまうと再発の原因になるため、医師の指示に従って最後まで使い切ることが大切です。
症状が重症の場合や、外用薬だけでは効果が不十分な場合は、内服薬(飲み薬)が使用されることもあります。内服抗真菌薬としてはテルビナフィン(ラミシール)やイトラコナゾール(イトリゾール)などが代表的です。内服薬は外用薬と比べて効果が高い反面、肝機能への影響など副作用のリスクもあるため、定期的な血液検査を行いながら使用することが一般的です。内服薬が必要かどうかは医師が判断しますので、自己判断で使用することは避けてください。
また、水ぶくれを無理に潰したり、かきむしったりすることは避けてください。水ぶくれを潰すと液体が周囲の皮膚に広がり、感染が拡大するおそれがあります。また、皮膚に傷ができることで細菌感染(二次感染)が起こりやすくなります。強いかゆみがある場合は、かゆみを抑える薬(抗ヒスタミン薬など)を医師に相談することも一つの方法です。
Q. 小水疱型水虫の家族への感染を防ぐには?
家族への感染を防ぐには、タオルやスリッパの共用を避け、浴室・脱衣所の床を定期的に掃除・除菌することが重要です。白癬菌は感染者の落屑(剥がれた角質)を介して床などに広がります。家族内に感染者がいる場合は、全員が同時に治療を受けることで再感染リスクを防ぐことができます。
✨ 市販薬で対応できるケースとできないケース
水虫の治療薬はドラッグストアでも市販されており、「白癬菌に効く」という成分が含まれた外用薬を購入することができます。市販薬でも、確かに白癬菌に対する抗真菌成分が含まれているため、軽度の足白癬であれば効果が期待できる場合があります。
市販薬が比較的有効に機能するケースとしては、症状が軽く、罹患範囲が限定的な場合が挙げられます。以前に皮膚科で水虫と診断されたことがあり、同様の症状が再発した場合に、自分で外用薬を使用して対応するというケースも珍しくありません。
一方で、市販薬だけでは対応が難しいケースもいくつかあります。まず、診断がついていない場合です。前述のように、小水疱型水虫は汗疱や湿疹などと見た目が非常に似ています。水虫でない皮膚疾患に抗真菌薬を塗り続けても改善しないばかりか、かえって症状を悪化させることがあります。
次に、症状が重症の場合や範囲が広い場合も、市販薬だけでは不十分なことが多いです。特に爪白癬(爪水虫)を合併している場合は、外用薬だけでは爪の内部に潜む菌まで届かないため、内服薬が必要になることがほとんどです。
また、市販薬を一定期間使用しても症状が改善しない場合も受診が必要です。「もう少し続ければ治るだろう」と自己判断で使用を継続することは、症状の悪化や診断の遅れにつながるおそれがあります。市販薬を2〜4週間使用しても改善が見られない場合は、速やかに皮膚科を受診することをおすすめします。
糖尿病や免疫疾患などの基礎疾患がある方も、自己判断での市販薬使用は避け、医師の指導のもとで治療を行うことが望ましいです。基礎疾患があると水虫が悪化しやすく、細菌感染を合併するリスクも高まるためです。
📌 小水疱型水虫を再発させないための予防策

水虫は適切な治療を行えば治すことができますが、環境や生活習慣によっては再び感染してしまうこともあります。治療と並行して、以下のような予防策を取り入れることが再発防止に役立ちます。
足を清潔に保つことが最も基本的かつ重要な予防策です。毎日入浴・シャワーの際に足の裏や指の間を丁寧に石けんで洗い、洗い残しがないようにしましょう。特に指の間は洗いにくいため、指の間にしっかり石けんを入れて洗うことを意識してください。
洗った後は足をしっかり乾燥させることが大切です。湿った状態のままにしておくと、白癬菌が繁殖しやすい環境が整ってしまいます。タオルで足を拭いた後は、ドライヤーを使って指の間まで乾燥させると効果的です。
靴は毎日同じものを履き続けるのではなく、複数の靴をローテーションして使用するのがおすすめです。靴を一日履いた後は汗を吸って湿っている状態になっているため、次の日は別の靴を使い、前日の靴を乾燥させる習慣をつけると菌の繁殖を抑えられます。靴の中に専用の乾燥剤や除菌スプレーを使用するのも有効です。
靴下については、汗を吸収しやすい綿素材や、速乾性の高い機能性素材のものを選ぶと良いでしょう。また、濡れた靴下はすぐに交換するようにしてください。
公衆の場での注意も重要です。銭湯・プール・スポーツジムなどの共用スペースには白癬菌が存在することがあります。裸足で歩き回ることを避け、サンダルや専用のスリッパを使用することで接触を防ぐことができます。使用後は足をよく洗い流すことも忘れずに。
家族内での感染予防も意識してください。家族の中に水虫の患者さんがいる場合、タオルやスリッパなどの共用は避けましょう。浴室や脱衣所の床は定期的に掃除・除菌を行うことが大切です。また、同居する家族が水虫にかかっている場合は、その方も同時に治療を受けることで家族間での再感染を防ぐことができます。
免疫機能の維持も予防の観点から大切です。疲労や睡眠不足・栄養不足などが続くと免疫機能が低下し、感染しやすくなります。バランスの良い食事・十分な睡眠・適度な運動を心がけることで、体全体の抵抗力を維持しましょう。
治療が終了した後も、定期的に足の状態を確認する習慣をつけることをおすすめします。早期に異変に気づくことで、症状が軽いうちに対処できます。特に夏が始まる前後は注意して観察してみてください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、足に水ぶくれやかゆみが出た際に「虫刺されかと思っていた」「市販薬を試したが改善しなかった」というご相談を多くいただきますが、実際に検査をしてみると小水疱型の水虫であるケースが少なくありません。自己判断での対処は診断の遅れにつながることがあるため、気になる症状があれば早めに受診していただくことをお勧めします。症状が消えても白癬菌が残っている場合がありますので、治療は医師の指示に従って最後まで継続することが、再発を防ぐ上でとても大切です。」
🎯 よくある質問
見た目だけでは専門家でも判別が難しく、自己判断は困難です。小水疱型水虫は白癬菌による感染症、汗疱は汗腺の詰まりが原因であり、原因が異なるため治療法も異なります。正確な診断には皮膚科での顕微鏡検査が必要です。「かゆい水ぶくれができた」と感じたら、まず皮膚科を受診することをおすすめします。
やめてしまうと再発しやすいため、症状が消えても治療の継続が必要です。水ぶくれがなくなりかゆみが消えても、白癬菌は皮膚の内部に残っている場合があります。一般的に症状消失後もさらに1〜2カ月の外用薬の継続使用が推奨されています。医師の指示に従い、最後まで使い切ることが完治への近道です。
軽度で範囲が限定的な場合は市販薬が有効なこともありますが、注意が必要です。小水疱型水虫は汗疱や湿疹と見た目が似ており、診断がついていない状態で市販薬を使用すると症状を悪化させる場合があります。2〜4週間使用しても改善が見られない場合や、初めて症状が出た場合は、まず皮膚科を受診して正確な診断を受けることをおすすめします。
白癬菌が高温多湿の環境を好むためです。気温と湿度が上昇する5〜9月頃は、足に汗がたまりやすく皮膚の角質が柔らかくなることで、菌が繁殖しやすい状態になります。秋冬に症状が落ち着いても菌が消えたわけではなく、活動が抑えられているだけです。治療を途中でやめると翌夏に再発するリスクがあるため注意が必要です。
タオルやスリッパなどの共用を避け、浴室や脱衣所の床を定期的に掃除・除菌することが重要です。白癬菌は感染者の角質から床などに落ち、そこに触れることで広がります。また、家族内に感染者がいる場合は、その方も同時に治療を受けることで再感染を防ぐことができます。アイシークリニックでは家族でのご相談もお気軽に受け付けています。
📋 まとめ
水虫の小水疱型は、足の土踏まずや指の付け根あたりに小さな水ぶくれが現れ、強いかゆみを伴うタイプの足白癬です。夏場に悪化しやすく、汗疱や湿疹など他の皮膚疾患と見た目が非常に似ているため、自己判断が難しいという特徴があります。
治療の基本は抗真菌薬の外用薬を継続的に使用することですが、症状が消えたからといって途中でやめてしまうと再発しやすくなります。医師の指示に従い、十分な治療期間を守ることが完治への近道です。
また、水ぶくれやかゆみが足に現れた場合は、水虫だと思い込まず、まず皮膚科で正確な診断を受けることが最も重要です。水虫でない病気に水虫の薬を使用することは、症状の改善につながらないだけでなく、かえって悪化させる可能性もあります。
日常的な足のケア・靴や靴下の管理・公衆の場での注意など、予防策を意識した生活習慣を身につけることで、水虫の感染リスクを大きく下げることができます。症状でお困りの方や、「もしかして水虫かも」と気になる方は、ぜひお早めに皮膚科専門医へご相談ください。アイシークリニック渋谷院でも、水虫をはじめとした皮膚のご相談を受け付けています。お気軽にお問い合わせください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 日本皮膚科学会が公表している白癬(水虫)の診療ガイドラインを参照。足白癬の分類(趾間型・小水疱型・角質増殖型)、診断方法(KOH直接鏡検法)、外用・内服抗真菌薬の使用方針など、記事全体の医学的根拠として活用
- 厚生労働省 – 厚生労働省の医薬品・感染症関連情報を参照。抗真菌薬(テルビナフィン・イトラコナゾール等)の承認情報や安全性、市販薬と処方薬の使い分けに関する情報、ならびに白癬菌感染予防に関する公的見解の根拠として活用
- 国立感染症研究所 – 国立感染症研究所の足白癬(水虫)に関する感染症情報を参照。白癬菌(Trichophyton rubrum・Trichophyton mentagrophytes)の種類と感染経路、罹患率・感染経路・公衆衛生的な予防策に関する記述の根拠として活用
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務