粉瘤

粉瘤を放置しても大丈夫?リスクと適切な対処法を解説

皮膚の下にできたしこり、放っておいて大丈夫?

💬 「痛くないし、そのうち治るかも…」
💬 「良性って聞いたし、急がなくていいよね?」

⚠️ それ、危険なサインかもしれません。

粉瘤(ふんりゅう)は自然に消えることはほぼありません。放置すればするほど、どんどん大きくなり、ある日突然、激しい痛みと腫れを伴う「炎症性粉瘤」に変わるリスクがあります。

この記事を読めば、「今すぐ受診すべきか」「もう少し様子を見ていいか」が正しく判断できます。読まずに放置を続けると、小さな手術で済んだものが、大きな傷跡・長期通院が必要な治療になってしまうことも。


🚨 こんな人は今すぐ読んで!

  • 📌 皮膚の下にしこりがある
  • 📌 粉瘤と診断されたけど放置している
  • 📌 しこりが最近大きくなってきた気がする
  • 📌 赤くなったり、痛みが出てきた

目次

  1. 粉瘤とはどのような病気か
  2. 粉瘤が自然に治らない理由
  3. 粉瘤を放置するとどうなるか
  4. 炎症性粉瘤になるとどうなるか
  5. 粉瘤が悪性になる可能性はあるか
  6. 粉瘤はどのような場所にできやすいか
  7. 粉瘤の大きさと放置のリスクの関係
  8. 粉瘤の治療方法について
  9. 治療を受けるタイミングの目安
  10. 粉瘤の予防と日常ケア
  11. まとめ

この記事のポイント

粉瘤は良性腫瘍だが自然治癒はほぼなく、放置すると肥大化や炎症性粉瘤へのリスクが高まる。根治には嚢腫壁ごとの手術切除が必要で、小さいうちの早期治療が傷跡最小化と炎症回避につながる。

💡 粉瘤とはどのような病気か

粉瘤は、皮膚の下に袋状の構造物(嚢腫)が形成され、その中に皮脂や角質などが蓄積していく良性の皮膚腫瘍です。医学的には「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」と呼ばれることが多く、「アテローム」という名称でも知られています。

正常な皮膚では、毛穴から分泌された皮脂や剥がれ落ちた角質は体外に排出されます。しかし何らかの原因で毛穴が塞がれたり、皮膚の一部が内側に巻き込まれたりすると、角質や皮脂が排出できなくなり、皮膚の下に閉じた空間(嚢腫壁)が形成されます。この袋の中に老廃物が少しずつ溜まり続けることで、粉瘤はゆっくりと大きくなっていきます。

粉瘤の外見は、皮膚の表面が盛り上がったドーム状のしこりとして現れます。触ると弾力があり、押すと動くような感触があることが特徴です。多くの場合、表面の中央付近に黒い点(開口部)が見られ、そこから白っぽいチーズ状あるいはペースト状の内容物が出てくることがあります。この内容物は独特の悪臭を持つことがあるため、本人が不快に感じることも少なくありません。

粉瘤は皮膚科や形成外科でよく見られる疾患のひとつで、年齢・性別を問わず誰にでも発生する可能性があります。特に思春期以降の成人に多く見られますが、子どもや高齢者にも発生します。一般的に痛みはないため、気づかずに放置してしまうケースが多いのも特徴のひとつです。

Q. 粉瘤を放置するとどうなりますか?

粉瘤を放置すると、内部に角質や皮脂が蓄積し続けるため自然に消えることはほぼなく、数ヶ月〜数年かけて少しずつ大きくなります。袋の壁が薄くなるにつれ炎症リスクも高まり、赤み・腫れ・痛みを伴う炎症性粉瘤へと進行する可能性があります。

📌 粉瘤が自然に治らない理由

「しばらく様子を見ていれば自然に治るのでは?」と考える方は多いですが、粉瘤が自然に消えることはほとんどありません。その理由は、粉瘤の構造そのものにあります。

粉瘤の本体は、袋状の「嚢腫壁」と呼ばれる構造物です。この壁は皮膚の表皮細胞と同様の組織でできており、内側に向かって角質を産生し続けます。つまり、袋そのものが生きている組織であるため、内容物が自然に排出されたとしても、袋が残っている限りまた内容物が溜まり始めるのです。

もし粉瘤の内容物が自然に破れて外に出た場合でも、袋(嚢腫壁)が皮膚の下に残っていれば、再び内容物が溜まり、また同じ場所に粉瘤が再発します。これが粉瘤の治療において、嚢腫壁ごと完全に取り除くことが重要とされる理由です。

また、絞り出したり自分で針を刺したりして内容物を出そうとしても、袋が残る限り再発するだけでなく、皮膚に傷をつけることで細菌が侵入し、炎症を引き起こすリスクが高まります。自己処置は症状を悪化させる原因になるため、行わないことが重要です。

✨ 粉瘤を放置するとどうなるか

粉瘤を放置した場合、さまざまな問題が生じる可能性があります。以下では時間の経過とともに起こりうる変化について詳しく見ていきます。

✅ 少しずつ大きくなる

粉瘤は放置していると少しずつ大きくなるのが一般的です。成長のスピードは非常にゆっくりしているため、数ヶ月から数年単位で少しずつ膨らんでいくことが多く、本人も気づきにくいことがあります。しかし、長期間放置することで数センチ以上に成長するケースも珍しくありません。

粉瘤が大きくなると、見た目が目立つようになるだけでなく、衣類や靴などに触れてこすれることによる不快感や、日常生活における動作の妨げになることもあります。また、大きくなった粉瘤を切除する場合は手術が複雑になり、傷跡も大きくなりやすいため、早期に治療を受けることが望ましいといえます。

📝 炎症を起こすリスクが高まる

粉瘤の放置において最も注意が必要なのが、炎症を起こすリスクです。粉瘤の袋の中に蓄積された内容物は、外からの刺激や袋の破れによって周囲の皮膚組織に接触すると、強い炎症反応を引き起こします。

また、皮膚表面の細菌が粉瘤内に侵入することで感染を伴う炎症が起こることもあります。粉瘤が大きくなるほど袋の壁が薄くなり、破れやすくなるため、炎症を起こすリスクも自然と高まります。

🔸 自然に破れることがある

粉瘤が十分に大きくなるか、何らかの外力が加わることで、袋が自然に破れることがあります。この場合、皮膚の表面から内容物が排出されることがありますが、同時に強い炎症反応が起きるため、痛みや腫れが生じます。また、皮膚の内側で袋が破れた場合には、内容物が周囲の組織に漏れ出し、より広範囲の炎症や感染につながることがあります。

⚡ 日常生活への影響が出る

粉瘤が背中、腰、首など衣類や体の動きと関係する部位にあると、日常の動作の中で繰り返し刺激を受けやすくなります。これが炎症の引き金となることも多く、また慢性的な不快感につながることもあります。特に大きくなった粉瘤は、部位によっては見た目の問題からQOL(生活の質)に影響することもあります。

Q. 粉瘤が炎症を起こすとどのような治療が必要になりますか?

炎症性粉瘤では、まず切開して膿を排出し炎症を落ち着かせる処置が必要です。その後、数週間〜数ヶ月を経て改めて嚢腫壁を切除する二段階治療が一般的となります。炎症後は組織の境界が不明瞭になり完全切除が難しくなるため、再発リスクが高まり治療期間も長引く傾向があります。

🔍 炎症性粉瘤になるとどうなるか

粉瘤が炎症を起こした状態を「炎症性粉瘤」と呼びます。炎症性粉瘤になると、それまで無症状だった粉瘤が急激に変化し、さまざまな症状が現れます。

最も代表的な症状は、しこりの周囲が赤く腫れ上がり、触ると強い痛みを感じるようになることです。炎症が強くなると、しこり全体が熱を持ち、膿が溜まってくることがあります。この状態を「膿瘍(のうよう)形成」と呼び、ズキズキとした拍動性の痛みが生じることが多いです。

炎症がさらに進行すると、皮膚が薄くなり自然に破れて膿が排出されることがあります。一時的に痛みが和らぐことがありますが、これは根本的な解決にはなりません。袋(嚢腫壁)が残っているため、再び内容物が溜まり、同じことが繰り返されます。

炎症性粉瘤の治療は、炎症がない状態の粉瘤の治療よりも複雑になります。炎症が強い時期には、まず切開して膿を排出し、炎症を落ち着かせてから改めて嚢腫壁を切除するという二段階の治療が必要になることがあります。また、炎症後は組織が硬くなり、嚢腫壁の境界がわかりにくくなるため、完全切除が難しくなることがあります。その結果、再発のリスクも高まります。

炎症性粉瘤になると、治療の手間や期間が増えるだけでなく、傷跡が目立ちやすくなる、治療後の経過が長引くなど、さまざまなデメリットが生じます。炎症を起こす前に治療を受けることが、患者さんにとって最もメリットが大きいといえます。

💪 粉瘤が悪性になる可能性はあるか

粉瘤は基本的に良性の腫瘍であり、そのものが悪性に変化する(がん化する)可能性は非常に低いとされています。しかし、まれに粉瘤の嚢腫壁からがん(扁平上皮がんなど)が発生したという報告があります。

ただし、このような悪性化は極めてまれなケースであり、一般的な粉瘤のほとんどは良性のまま経過します。粉瘤を放置することで直接的にがんになるリスクが大幅に高まるわけではありませんが、長期間放置して大きくなった粉瘤の中には、悪性腫瘍との区別が難しいケースもあります。

また、粉瘤と思っていた腫瘍が実際には別の疾患(脂肪腫、石灰化上皮腫、その他の腫瘍など)であるケースもあります。皮膚の下にできたしこりをすべて粉瘤と判断するのは難しく、自己判断で放置し続けることは適切ではありません。皮膚科や形成外科を受診して、正確な診断を受けることが大切です。

なお、急に大きくなった、色が変わった、表面が崩れてきた、リンパ節が腫れているなどの変化が見られた場合は、悪性腫瘍の可能性も念頭に置いて早めに受診することが重要です。

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🎯 粉瘤はどのような場所にできやすいか

粉瘤は全身のどこにでも発生する可能性がありますが、特定の部位に多く見られます。粉瘤ができやすい部位として代表的なのは、背中、顔(特に耳の周囲、頬、額)、首、頭皮、腋の下、鼠径部(そけいぶ)、外陰部などです。

背中は粉瘤が最も多く見られる部位のひとつです。背中に発生した粉瘤は自分では見えにくいため、発見が遅れやすく、気づいたときにはすでにかなりの大きさになっていることがあります。また背中は衣類との摩擦が起きやすい部位でもあるため、炎症のリスクも高めです。

顔にできた粉瘤は、見た目の問題から本人が悩むことが多い一方、できるだけ傷跡が目立たない方法での治療が求められる部位でもあります。耳の周囲は特に粉瘤ができやすい部位として知られており、耳たぶや耳の後ろに小さなしこりとして現れることがよくあります。

頭皮にできた粉瘤は、髪の毛で覆われているため発見が遅れやすいです。頭皮は皮脂の分泌が多い部位でもあるため、比較的粉瘤が発生しやすい傾向があります。

部位によって治療の複雑さや注意すべき点が異なるため、どこにできた粉瘤であっても専門医による診察を受けることをお勧めします。

Q. 粉瘤の手術方法にはどのような種類がありますか?

粉瘤の主な手術法は2種類です。従来の紡錘形切除法は嚢腫壁を確実に除去でき再発リスクが低い一方、切開線が長く傷跡が残りやすい欠点があります。近年普及しているくり抜き法(トレパン法)は数ミリの小切開で済むため傷跡が目立ちにくく、日帰り手術が可能です。適応は粉瘤の状態により担当医が判断します。

💡 粉瘤の大きさと放置のリスクの関係

粉瘤の大きさは放置のリスクと深く関係しています。一般的に、粉瘤は直径数ミリ程度の小さなものから、数センチを超える大きなものまでさまざまです。

小さな粉瘤は、炎症を起こしにくく、治療も比較的シンプルで傷跡も小さく済みます。一方、大きくなった粉瘤は袋の壁が薄くなって破れやすくなるため、炎症のリスクが高まります。また、大きな粉瘤を切除する際には切開が大きくなり、手術後の傷跡が目立ちやすくなります。

粉瘤が2〜3センチを超えてくると、周囲の組織との癒着が生じている場合があり、切除が複雑になることがあります。特に顔面や関節の近くなど、繊細な部位にある大きな粉瘤は、治療によるリスクが高くなりやすいため、早期治療が特に重要です。

「まだ小さいから大丈夫」と考えるのではなく、小さなうちに治療を受けることが、傷跡を最小限に抑え、炎症のリスクを避けるためにも望ましい選択です。

📌 粉瘤の治療方法について

粉瘤の根本的な治療は、手術によって嚢腫壁ごと完全に取り除くことです。現在主に行われている治療法には、従来の切除法と、近年広く行われるようになったくり抜き法(トレパン法)があります。

🌟 従来の切除法(紡錘形切除)

従来から行われている粉瘤の手術は、粉瘤の上の皮膚を紡錘形(楕円形)に切開し、袋ごと取り出す方法です。嚢腫壁を確実に取り除くことができるため、再発リスクが低い点が特徴です。

局所麻酔を使って行うため、手術中の痛みはほとんどありません。切開した部分は縫合して閉じます。切開の長さは粉瘤の大きさによって異なりますが、一般的には粉瘤の直径の2〜3倍程度の切開が必要になります。

この方法は確実性が高い一方で、切開線が長くなるため傷跡が残りやすいというデメリットがあります。特に顔面など見た目が気になる部位では、傷跡の問題が課題となることがあります。

💬 くり抜き法(トレパン法・へそ抜き法)

近年、多くのクリニックで行われるようになったのがくり抜き法です。この方法では、粉瘤の表面にある開口部(へそ)に小さな円形の刃(トレパン)を当て、直径数ミリの小さな穴を開けて内容物を排出し、その後に袋をつまみ出して取り除きます。

くり抜き法の最大のメリットは、切開が非常に小さいため傷跡が目立ちにくいことです。縫合の必要がないケースも多く(または1〜2針のみ)、手術後の回復も早い傾向があります。外来でできる日帰り手術として行われることが多く、患者さんへの負担が少ない方法です。

ただし、くり抜き法にも適応があります。粉瘤の大きさが非常に大きい場合や、炎症を繰り返して組織が癒着している場合、部位によっては従来の切除法の方が適していることもあります。どちらの方法が適切かは、担当医が粉瘤の状態を診察した上で判断します。

✅ 炎症性粉瘤の場合の治療

粉瘤が炎症を起こしている場合は、まず炎症を落ち着かせることが優先されます。炎症が軽度の場合は抗生物質の内服で対応することがありますが、膿が溜まっている場合は局所麻酔下で切開して膿を排出する処置が必要になります。

膿を排出して炎症が落ち着いた後(目安として数週間〜数ヶ月後)、改めて根治手術(嚢腫壁の切除)を行うという段階的な治療が一般的です。ただし、炎症が落ち着いた段階でくり抜き法を行うことができる場合もあり、担当医の判断によって治療方針が異なります。

炎症を起こした後の粉瘤は、組織の境界がわかりにくくなることがあるため、再発しやすくなる傾向があります。これが「炎症を起こす前に治療することが望ましい」といわれる大きな理由のひとつです。

📝 手術後のケア

粉瘤の手術後は、傷の状態に応じたアフターケアが必要です。一般的に、縫合した場合は1〜2週間後に抜糸を行います。術後は傷口を清潔に保ち、医師の指示に従って処置を行うことが重要です。

激しい運動や入浴については、手術部位や縫合の状態によって制限が異なります。多くの場合、シャワーは翌日から可能ですが、入浴(湯船に浸かること)は抜糸後になることが一般的です。具体的な制限については、担当医の指示に従ってください。

Q. 粉瘤はがん化する可能性がありますか?

粉瘤が悪性化する可能性は非常に低く、ほとんどは良性のまま経過します。ただし、粉瘤と思っていたしこりが脂肪腫や石灰化上皮腫など別の疾患である場合もあります。急に大きくなった・色が変わった・表面が崩れてきたなどの変化が生じた場合は、悪性腫瘍の可能性も考慮し早めに皮膚科や形成外科を受診することが重要です。

✨ 治療を受けるタイミングの目安

「いつ治療を受けるべきか」という点は、多くの方が悩むところです。以下に、受診を検討すべき目安をまとめます。

🔸 すぐに受診が必要な場合

次のような状態の場合は、できるだけ早く皮膚科または形成外科を受診することをお勧めします。

まず、しこりが赤くなり、触ると痛い場合です。これは炎症が始まっているサインであり、早期に治療を受けることで、重症化を防ぐことができます。次に、しこりが急に大きくなった場合です。急激な変化は、炎症や感染が起きている可能性があります。また、しこりから膿や液体が出てきた場合も、感染の可能性があるため早急に受診が必要です。

さらに、発熱を伴う場合は感染が広がっている可能性があり、緊急性が高いです。しこりが非常に硬くなったり、周囲の皮膚と癒着しているように感じる場合も、専門医に診てもらうことが重要です。

⚡ 計画的に受診することが望ましい場合

炎症を起こしていない粉瘤の場合、緊急性はありませんが、できるだけ早めに受診して治療を計画することが望ましいといえます。特に以下のような場合は治療を検討するタイミングです。

しこりが少しずつ大きくなっていると感じる場合、衣類や持ち物が触れる部位にあり、日常的に刺激を受けやすい場合、顔など見た目が気になる部位にある場合、直径が1センチを超えてきた場合などが挙げられます。

また、「粉瘤かどうかわからないが、皮膚の下にしこりがある」という場合も、自己判断せずに受診して診断を受けることをお勧めします。粉瘤以外の疾患である可能性もあるためです。

🌟 治療しないという選択肢について

非常に小さな粉瘤で、本人が治療を希望しない場合、経過観察という選択をすることもあります。ただし、「放置すれば消える」わけではなく、「炎症を起こすリスクを承知の上で様子を見る」という選択であることを理解しておくことが大切です。

経過観察を選択する場合でも、定期的に状態を確認し、変化があればすぐに受診するという姿勢が重要です。また、医師に診断してもらい「経過観察で問題ない」という判断を得た上で様子を見ることが大切です。

🔍 粉瘤の予防と日常ケア

粉瘤の発生を完全に予防する方法は現時点では確立されていませんが、日常生活の中でリスクを下げることや、粉瘤が悪化しないよう気をつけることはできます。

💬 皮膚を清潔に保つ

毛穴の詰まりは粉瘤の発生リスクに関連していると考えられています。毎日の洗顔や入浴で皮膚を清潔に保ち、皮脂や汚れをしっかりと落とすことが大切です。ただし、強くこすりすぎると皮膚を傷つけて逆効果になるため、優しく洗うことを心がけましょう。

✅ 粉瘤への刺激を避ける

すでに粉瘤がある場合、そこへの刺激を最小限にすることが炎症予防につながります。強く押したり、絞り出そうとしたりすることは厳禁です。また、粉瘤がある部位に衣類などが常に当たる場合は、パッドを当てるなどして刺激を和らげる工夫も有効です。

📝 ニキビを適切にケアする

ニキビの後に粉瘤が形成されることがあるといわれています。ニキビを無理に潰したり、放置して慢性化させたりしないよう、適切なスキンケアを行うことが大切です。ニキビが多い方は、皮膚科での治療を検討することも有効です。

🔸 外傷に注意する

皮膚への外傷(けがや手術の傷など)によって粉瘤が形成されることがあります。傷を負った際は適切な処置を行い、傷の管理をしっかりと行うことが大切です。

⚡ 定期的に皮膚の状態を確認する

自分では見えにくい部位(背中など)は、家族にチェックしてもらうか、鏡を使って定期的に確認する習慣をつけることも有効です。小さなしこりを早期に発見することで、小さいうちに治療を受けることができます。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、「しばらく様子を見ていたら大きくなってしまった」「炎症を繰り返すようになってから受診した」という患者さんが少なくなく、早期受診の大切さを日々実感しております。粉瘤は炎症を起こす前の小さなうちに治療を行うほど、傷跡を最小限に抑えられ、回復もスムーズになるため、皮膚の下に気になるしこりを感じたら、痛みがなくても早めにご相談いただくことをお勧めします。くり抜き法をはじめとした患者さんの負担を軽減する治療法も積極的に取り入れておりますので、どうぞお気軽にお越しください。」

💪 よくある質問

粉瘤は放置すれば自然に治りますか?

粉瘤が自然に消えることはほとんどありません。粉瘤の本体である袋(嚢腫壁)は生きた組織でできており、内容物が一時的に出ても袋が残る限り再び溜まり始めます。放置すると少しずつ大きくなり、炎症を起こすリスクも高まるため、早めに皮膚科や形成外科を受診することをお勧めします。

粉瘤を自分で絞り出しても大丈夫ですか?

自己処置は避けてください。内容物を絞り出したり針を刺したりしても、袋(嚢腫壁)が残る限り再発するだけです。さらに、皮膚に傷をつけることで細菌が侵入し、炎症を引き起こすリスクが高まります。根本的な治療には、専門医による嚢腫壁ごとの切除手術が必要です。

粉瘤が赤く腫れて痛くなったらどうすればよいですか?

炎症性粉瘤が疑われるため、できるだけ早く皮膚科または形成外科を受診してください。炎症が軽度であれば抗生物質で対応することがありますが、膿が溜まっている場合は切開して膿を排出する処置が必要です。炎症後は治療が複雑になるため、早期受診が重要です。

粉瘤の手術は傷跡が残りますか?

治療法によって異なります。近年普及している「くり抜き法」は数ミリの小さな切開で済むため、傷跡が目立ちにくい方法です。一方、従来の切除法は確実性が高い反面、切開線が長くなります。また、粉瘤が小さいうちに治療するほど傷跡を最小限に抑えられます。担当医が粉瘤の状態に応じて最適な方法を判断します。

粉瘤はがんになる可能性がありますか?

粉瘤が悪性化する可能性は非常に低く、ほとんどは良性のまま経過します。ただし、粉瘤と思っていたしこりが別の腫瘍である場合もあるため、自己判断で放置し続けることは適切ではありません。急に大きくなった・色が変わったなどの変化があれば、早めに専門医を受診して正確な診断を受けることが大切です。

🎯 まとめ

粉瘤は良性の腫瘍ですが、放置していても自然に治ることはほとんどありません。時間の経過とともに少しずつ大きくなり、炎症を起こすリスクが高まります。炎症性粉瘤になると治療が複雑になり、傷跡が残りやすくなるなど、患者さんの負担が増えてしまいます。

粉瘤の根本的な治療は手術による嚢腫壁の切除ですが、小さいうちに治療を受けることで、傷跡を小さく抑え、炎症のリスクを回避することができます。近年は傷跡が目立ちにくいくり抜き法も普及しており、以前に比べて患者さんへの負担が軽減されています。

「痛くないから大丈夫」「まだ小さいから様子を見よう」という気持ちは理解できますが、放置することにはリスクが伴います。皮膚の下にしこりを発見したら、まずは皮膚科や形成外科を受診し、正確な診断を受けることをお勧めします。

アイシークリニック渋谷院では、粉瘤をはじめとした皮膚の腫瘍に関するご相談を承っております。気になるしこりがある方は、お気軽にご相談ください。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 粉瘤(表皮嚢腫)の定義・診断・治療方針に関する皮膚科専門医による解説
  • 日本形成外科学会 – 粉瘤の外科的治療法(従来切除法・くり抜き法)および手術適応に関する形成外科的観点からの解説
  • PubMed – 表皮嚢腫の治療・炎症性粉瘤の管理・悪性化リスクに関する国際的な医学文献・エビデンス

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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