👂 耳の中や耳の周辺にしこりを見つけて、触れると痛みがある…そんな経験をしたことはありませんか?
こんな状況、心当たりありませんか?
- 📌「そのうち治るかも」と放置しているうちに痛みが強くなった
- 📌 しこりがどんどん大きくなっている気がする
- 📌 何が原因なのか、受診すべきか判断できない
🚨 放置すると危険なことも!
耳のしこりには、自然に治るものもありますが、放置することで悪化・手術が必要になるケースも少なくありません。発熱・顔面神経麻痺・めまいを伴う場合は特に要注意です。
💡 この記事を読むとわかること
- ✅ 耳のしこりが「押すと痛い」原因TOP5
- ✅ 今すぐ受診すべき症状のチェックポイント
- ✅ 粉瘤・外耳炎・耳ヘルペスなど疾患ごとの特徴と治療法
- ✅ 自分でできる応急処置とやってはいけないNG行動
目次
- 耳の中・耳周辺にできるしこりとは
- 耳の中のしこりが押すと痛い主な原因
- 耳のしこりの症状別チェックポイント
- 耳の中のしこりに関連する主な疾患
- 放置するとどうなる?自然に治るケースと治らないケース
- 耳のしこりの診断・検査方法
- 耳のしこりの治療法
- 自分でできる応急処置と注意点
- どの科を受診すればよい?
- 耳のしこりを予防するために
- まとめ
この記事のポイント
耳のしこりで押すと痛い場合、炎症性粉瘤・外耳炎・耳介軟骨膜炎・耳ヘルペスなどが原因として考えられる。放置による悪化リスクがあり、発熱・顔面神経麻痺・めまいを伴う場合は速やかに耳鼻咽喉科または皮膚科を受診することが重要。
💡 1. 耳の中・耳周辺にできるしこりとは
耳の中や耳周辺にしこりができる、という症状は決して珍しいものではありません。耳には皮膚・軟骨・リンパ節・皮脂腺・毛包など多くの組織が集まっており、さまざまな原因でしこりが発生します。
しこりができる場所としては、外耳道(耳の穴の入り口から鼓膜までの管)、耳介(外から見える耳の部分)、耳介の後ろ(耳たぶの後ろ側)、耳の前方(耳珠の前あたり)などが挙げられます。場所や性状によって原因が異なるため、どこにどのようなしこりができているかをできるだけ正確に把握しておくことが大切です。
しこりが「押すと痛い」場合には、炎症や感染を伴っている可能性が高く、単純な良性腫瘤とは異なる状態であることが多いです。痛みのない無痛性のしこりとは対処法が変わる場合もあるため、痛みの有無は重要な判断材料になります。
Q. 耳のしこりを押すと痛い場合、どんな原因が考えられますか?
耳のしこりを押したときに痛みがある場合、炎症性粉瘤・外耳炎・耳介軟骨膜炎・リンパ節炎・耳ヘルペス(ラムゼイ・ハント症候群)などが主な原因として考えられます。痛みを伴うしこりは炎症や感染のサインであることが多く、早めに耳鼻咽喉科または皮膚科を受診することが重要です。
📌 2. 耳の中のしこりが押すと痛い主な原因
耳の中や耳周辺のしこりで、押したときに痛みを感じる主な原因を解説します。
✅ 粉瘤(アテローム)
粉瘤は、皮膚の下に袋状の構造物ができ、その中に角質や皮脂が蓄積する良性の嚢腫です。耳たぶや耳の後ろ、外耳道の入り口付近にできやすい傾向があります。通常は無痛ですが、細菌が感染すると炎症を起こし、赤く腫れて押すと強い痛みを感じるようになります。炎症性粉瘤になると、熱感を帯びたり、中央部に黒い開口部(いわゆる黒点)が見えたりすることもあります。
📝 外耳炎
外耳道(耳の穴の中の管)に炎症が起きた状態を外耳炎といいます。耳かきのしすぎや水が入ることで外耳道の皮膚が傷ついたり、細菌・真菌が増殖したりすることで発症します。外耳炎が悪化すると、外耳道が腫れてしこり状になることがあり、耳珠(耳の穴の前の突起部分)や耳介を押したときに痛みを感じます。耳の奥が痛む、耳がかゆい、耳だれが出る、耳が詰まった感じがするといった症状を伴うことが多いです。
🔸 耳介軟骨膜炎
耳介(耳全体の外側の部分)の軟骨を覆う膜(軟骨膜)に炎症が起きた状態です。外傷・虫刺され・ピアスのトラブルなどが原因となることが多く、耳介が赤く腫れ、触ると非常に痛みを感じます。重症化すると軟骨が壊死することもあるため、早期の治療が重要です。
⚡ リンパ節炎
耳の後ろや耳の前方(耳下腺領域)にはリンパ節が存在します。風邪・扁桃炎・虫歯・頭皮の感染などをきっかけに、これらのリンパ節が腫れてしこりとして触れるようになります。押すと痛みを感じるのが特徴で、風邪症状が落ち着くとともに自然に縮小することが多いです。ただし、腫れが長期間続く場合や急速に大きくなる場合には注意が必要です。
🌟 耳ヘルペス(ラムゼイ・ハント症候群)
水痘・帯状疱疹ウイルスが耳の神経に再活性化することで起こります。耳介や外耳道に水疱(水ぶくれ)ができ、強い痛みを伴います。水疱がしこりのように感じられることがあり、顔面神経麻痺や難聴・めまいを合併することもある重篤な疾患です。早期に抗ウイルス薬を使用することが重要なため、疑いがある場合は速やかに受診してください。
💬 耳下腺炎・耳下腺腫瘍
耳の前から下にかけて存在する耳下腺(唾液腺の一種)に炎症や腫瘍が生じることがあります。ウイルス性(おたふく風邪など)や細菌性の耳下腺炎では、耳の前方が腫れて痛みを伴います。耳下腺の腫瘍(悪性)では、痛みや顔面神経麻痺を伴うことがあります。
✅ ピアストラブル(肉芽腫・感染)
ピアスを開けた部位が感染したり、肉芽腫(組織の過剰反応による小さなしこり)が形成されたりすることがあります。ピアスホールの周囲に赤みのある小さなしこりができ、触れると痛みを感じます。ピアスの素材によるアレルギー反応が関与することもあります。
📝 毛包炎・おでき(膿瘍)
外耳道の入り口付近や耳介には産毛が生えており、毛包に細菌が感染して毛包炎を起こすことがあります。悪化するとおでき(膿瘍)となり、赤く腫れて強い拍動性の痛みを感じます。中心部に膿がたまると白い点のように見えることもあります。
✨ 3. 耳のしこりの症状別チェックポイント
しこりの特徴によって、考えられる原因が異なります。以下のポイントを参考に、自分のしこりがどのような状態かを確認してみましょう。
🔸 しこりの場所で疑われる原因
耳の穴の中(外耳道):外耳炎、毛包炎、粉瘤、外耳道がん(まれ)。耳たぶ:粉瘤、ピアス肉芽腫、線維腫。耳介の上部・内側:軟骨膜炎、耳介軟骨膜炎。耳の後ろ:粉瘤、リンパ節炎、脂肪腫。耳の前(耳珠の前方):耳下腺炎、リンパ節炎、副耳(先天性)。
⚡ 痛みの種類と原因の関係
ズキズキ・拍動する痛み:細菌感染(毛包炎・膿瘍・炎症性粉瘤)。強いビリビリする痛み・神経痛のような痛み:耳ヘルペス(帯状疱疹)。押したときのみ痛い:リンパ節炎、軽度の炎症性粉瘤。常に痛い・安静時にも痛い:急性炎症、感染の悪化。
🌟 しこりの硬さ・性状
やわらかく弾力がある:粉瘤(内容物がある)、リンパ節炎。硬くてゴリゴリする:石灰化した粉瘤、軟骨を含む腫瘤。波動感がある(中に液体を感じる):膿瘍、化膿した粉瘤。表面がなめらか:粉瘤、良性腫瘍。表面が固定されている(皮膚と癒着):炎症後瘢痕、悪性腫瘍の可能性。
💬 その他の伴う症状
発熱・倦怠感を伴う:感染症(リンパ節炎、耳下腺炎、急性外耳炎の重症例)。耳からの分泌物(耳だれ)を伴う:外耳炎、化膿性中耳炎、粉瘤の感染。難聴・耳鳴り・めまいを伴う:耳ヘルペス(ラムゼイ・ハント症候群)、急性中耳炎。顔面の動きがおかしい:ラムゼイ・ハント症候群(顔面神経麻痺)。
Q. 耳のしこりはすぐに病院へ行くべき症状はどれですか?
発熱(37.5℃以上)、しこりの急速な増大、顔面の動きの違和感(顔面神経麻痺の疑い)、難聴・強いめまい、耳からの出血や多量の分泌物がある場合は速やかに受診してください。特に耳ヘルペス(ラムゼイ・ハント症候群)は発症から72時間以内の治療開始が後遺症予防のために非常に重要です。
🔍 4. 耳の中のしこりに関連する主な疾患
ここでは、耳の中・耳周辺のしこりに関連する疾患について、より詳しく解説します。
✅ 粉瘤(アテローム)の詳細
粉瘤は皮膚科・形成外科でよく見られる疾患で、耳周辺にも比較的多く発生します。皮膚の表面から角質が内側に入り込んでできた袋状の嚢腫で、老廃物(角質・皮脂)が蓄積します。内容物は白色~黄色のチーズ状あるいはドロッとした性状で、独特のにおいがあります。サイズは数ミリから数センチと様々で、表面の中央には小さな黒点(毛穴が変性したもの)が見られることがあります。
感染を起こしていない粉瘤は無痛ですが、細菌が侵入すると炎症性粉瘤となり、赤く腫れ上がって強い痛みが生じます。自分で絞り出そうとすると袋が破れて感染が広がり、悪化する危険があるため、必ず医療機関で処置を受けることが大切です。根治するためには、袋ごと摘出する手術が必要です。
📝 外耳道真珠腫(外耳道コレステアトーマ)
外耳道内に角質が層状に堆積してできる病変で、周囲の骨を破壊しながら拡大する特徴があります。初期は無症状のことが多いですが、進行すると耳閉感・耳だれ・難聴・痛みが生じます。外見上はしこりのように感じられることがあり、専門的な検査で発見されます。放置すると内耳・脳への影響も起こり得るため、耳鼻咽喉科での精査と治療が必要です。
🔸 先天性耳瘻孔(じせつ)
耳の前方(耳輪の付け根あたり)に小さな穴が生まれつきある状態で、その穴に繋がる管(瘻管)があります。感染を起こすと、耳の前方に赤いしこりができて押すと痛みを感じます。繰り返し感染する場合は、手術による瘻管の完全摘出が推奨されます。
⚡ 悪性腫瘍(まれなケース)
外耳道がん・皮膚がん(有棘細胞がん、基底細胞がんなど)・耳下腺悪性腫瘍などは、まれではありますが耳周辺にしこりを生じさせることがあります。以下のような特徴がある場合には、悪性腫瘍の可能性も考慮して専門医を受診することが重要です。数週間以上にわたってしこりが縮小しない、急速に大きくなる、表面が硬く固定されている、顔面神経麻痺を伴う、長期に続く耳だれや出血がある、などのサインは要注意です。
💪 5. 放置するとどうなる?自然に治るケースと治らないケース
耳のしこりを放置した場合、どうなるのかが気になる方も多いでしょう。結論から言うと、自然に治ることもありますが、放置によって悪化するケースも少なくありません。
🌟 自然に改善することが多いケース
ウイルス性感染(風邪・伝染性単核球症など)に伴うリンパ節炎は、原因となる感染症が治まれば1〜2週間程度でリンパ節の腫れも軽快することが多いです。ただしこの場合も、リンパ節の腫れが4週間以上続く場合は他の疾患を疑い、医療機関を受診する必要があります。また、軽度の外耳炎も適切に安静にし、耳への刺激(耳かき・水の侵入など)を避ければ改善することがあります。
💬 放置すると悪化するケース
炎症性粉瘤を放置すると、炎症が進行して周囲の組織に広がり、切開排膿が必要な膿瘍となることがあります。また感染が深部に及ぶと、蜂窩織炎(皮膚・皮下組織の広範な感染)へと進展するリスクもあります。耳介軟骨膜炎を放置すると、軟骨が溶けて耳介が変形してしまうことがあります。先天性耳瘻孔の感染も繰り返すたびに周囲の組織が傷んでいくため、なるべく早期に完全摘出することが望ましいです。ラムゼイ・ハント症候群(耳ヘルペス)は、発症から72時間以内に抗ウイルス薬治療を開始しないと、顔面神経麻痺や難聴が後遺症として残りやすくなります。
「様子をみよう」と思いがちな耳のしこりですが、痛みが伴う場合は炎症・感染のサインであることが多く、早めの受診が結果的に早期回復につながります。

🎯 6. 耳のしこりの診断・検査方法
医療機関を受診した際、耳のしこりに対してはどのような診断・検査が行われるのでしょうか。
✅ 問診
いつからしこりがあるか、大きさは変化しているか、痛みはどのくらいか、発熱・耳だれ・難聴などの症状があるか、ピアスや耳かきの使用状況、既往歴・アレルギーなどを確認します。
📝 視診・触診
しこりの場所・大きさ・形・表面性状・硬さ・可動性・押したときの痛みの有無などを調べます。耳鏡(耳専用のライト付き器具)や顕微鏡を使って外耳道内を詳しく観察することもあります。
🔸 画像検査
超音波(エコー)検査は、しこりが液体性か充実性か(固形か)を調べるのに有用で、外来で手軽に行えます。CT検査は骨への影響や深部への広がりを調べる際に行います。特に外耳道真珠腫や悪性腫瘍が疑われる場合に重要です。MRI検査は軟部組織の評価に優れ、腫瘤の性質や周囲への浸潤を詳しく調べる際に用いられます。
⚡ 血液検査
感染・炎症の状態を確認するために白血球数やCRP(炎症マーカー)を測定することがあります。ウイルス感染が疑われる場合は、特定の抗体検査を行うこともあります。
🌟 組織検査(生検)
悪性腫瘍が疑われる場合や、診断が確定しない場合に行われます。しこりの一部を採取して顕微鏡で組織を調べることで、確定診断が得られます。
Q. 耳の粉瘤を自分で潰してもよいですか?
耳の粉瘤を自分で潰すことは絶対に避けてください。内容物が周囲の組織に広がり、細菌感染が悪化して炎症が拡大するリスクがあります。応急処置としては患部を清潔に保ち、市販の鎮痛剤で痛みを和らげる程度にとどめ、皮膚科や形成外科を受診して適切な処置を受けることが大切です。
💡 7. 耳のしこりの治療法
耳のしこりの治療法は、原因によって異なります。主な疾患別の治療方針を解説します。
💬 粉瘤(炎症なし)の治療
炎症を起こしていない粉瘤(非炎症性粉瘤)の根本的な治療は手術による摘出です。袋ごと完全に取り除くことで再発を防ぎます。局所麻酔下で行える日帰り手術が一般的です。皮膚科や形成外科で対応可能です。
✅ 炎症性粉瘤の治療
炎症が強い時期には、まず抗生剤の内服・外用で炎症を抑えます。膿がたまっている場合は切開して排膿(膿を出す処置)を行い、炎症が落ち着いてから根治手術(袋の摘出)を行います。炎症期に手術すると感染が広がるリスクがあるため、一般的には炎症を鎮めてから摘出します。
📝 外耳炎の治療
外耳道の清掃と抗生物質・ステロイドを含む点耳薬の使用が基本です。真菌性(カビ)の外耳炎では抗真菌薬が使用されます。耳を乾燥させ、耳かきや水の侵入を避けることも重要です。重症例では抗生剤の内服・点滴が必要なこともあります。
🔸 耳介軟骨膜炎の治療
抗生剤の内服・点滴が主な治療です。膿がたまっている場合は切開排膿を行います。原因となっているピアスや外傷の処置も並行して行います。軟骨壊死が進む前に早期治療を開始することが重要です。
⚡ 耳ヘルペス(ラムゼイ・ハント症候群)の治療
抗ウイルス薬(バラシクロビルなど)の内服・点滴が中心で、発症早期(72時間以内)の治療開始が非常に重要です。痛みに対して鎮痛剤が使用されます。顔面神経麻痺がある場合はステロイド薬も並用されます。めまい・難聴などの合併症に対しても並行して治療が行われます。
🌟 リンパ節炎の治療
原因となる感染症の治療が基本です(風邪や扁桃炎には適切な薬物療法)。細菌性の場合は抗生剤が処方されます。膿瘍を形成した場合(化膿性リンパ節炎)は切開排膿が必要なこともあります。
💬 先天性耳瘻孔の治療
感染を繰り返す場合は手術による瘻管摘出が推奨されます。感染急性期には抗生剤での炎症コントロール、膿がたまっていれば切開排膿を先行させてから手術を行います。
✅ ピアス肉芽腫・感染の治療

感染の場合は抗生剤外用・内服でコントロールします。原因となるピアスを外すことが重要です。肉芽腫が縮小しない場合はステロイド注射や外科的切除が行われることもあります。金属アレルギーが疑われる場合はアレルギー検査も考慮します。
📌 8. 自分でできる応急処置と注意点
医療機関を受診するまでの間、自宅でできる応急処置と、やってはいけないことを確認しておきましょう。
📝 自宅でできること
清潔を保つことが基本です。患部周辺を優しく石鹸で洗い、清潔な状態を維持しましょう。痛みが強い場合は市販の鎮痛剤(アセトアミノフェンやイブプロフェンなど)を添付文書に従って服用することができます。腫れや熱感がある場合は、清潔なタオルに包んだ保冷剤で軽く冷やすことで炎症を和らげる効果があります。
🔸 絶対にやってはいけないこと
しこりを自分で潰す・絞り出すことは厳禁です。粉瘤の場合、内容物が周囲に広がって感染を悪化させ、炎症が拡大する可能性があります。患部を強くこすったり引っ掻いたりすることも、炎症を悪化させる原因となります。市販の抗生剤軟膏を傷がない部位に多量に使用することも、適切でない場合があります。耳かきを使って患部を刺激することも避けてください。外耳炎がある場合は、耳に水が入らないように注意し、耳かきはしばらく休みましょう。
⚡ すぐに医療機関を受診すべき状態
以下の場合は、できるだけ早めに医療機関を受診してください。発熱(37.5℃以上)を伴う場合。しこりが急速に大きくなっている場合。耳の周辺全体が腫れ上がってきた場合。顔面の動きがおかしい・顔が歪む感じがある場合(顔面神経麻痺の疑い)。耳から出血や多量の分泌物が出る場合。難聴・耳鳴り・強いめまいを伴う場合。痛みが非常に強く日常生活に支障をきたす場合。2週間以上経過してもしこりが変化しない場合。
Q. 耳のしこりを予防するために日常生活でできることは?
耳かきは月1〜2回程度にとどめ外耳道を傷つけないようにすることが重要です。水泳・入浴後は耳の水をしっかり除去して外耳炎を予防しましょう。ピアスを開ける際は衛生管理を徹底し、低アレルゲン素材を選ぶことも有効です。また規則正しい生活で免疫力を維持することが耳ヘルペスなどの予防につながります。
✨ 9. どの科を受診すればよい?
耳のしこりの場所や症状によって、受診すべき診療科が異なります。
🌟 耳鼻咽喉科(耳鼻科)
外耳炎・中耳炎・耳ヘルペス(ラムゼイ・ハント症候群)・外耳道真珠腫・耳下腺炎・先天性耳瘻孔など、耳・鼻・のどに関連する疾患全般を扱います。耳の中(外耳道・中耳)に問題がある場合、または難聴・耳鳴り・めまいを伴う場合は、まず耳鼻咽喉科を受診するのが適切です。
💬 皮膚科
耳の表面(皮膚)に関わる粉瘤・毛包炎・湿疹・接触性皮膚炎・ピアストラブルなどを扱います。耳の皮膚にしこりや発疹がある場合、かゆみが強い場合は皮膚科への受診が向いています。
✅ 形成外科・美容外科
粉瘤の手術的摘出、耳介の外傷・変形の修正、ピアス肉芽腫の切除などを行います。しこりの摘出を希望する場合は形成外科や皮膚科(手術対応可能なクリニック)を受診するとよいでしょう。
📝 内科・総合診療科
発熱・全身倦怠感を伴うリンパ節腫脹が疑われる場合(風邪・伝染性単核球症など)は、内科や総合診療科でも初期対応が可能です。
迷った場合は、まず耳鼻咽喉科か皮膚科を受診するのが安心です。診察の結果、必要に応じて他科へ紹介してもらうこともできます。
🔍 10. 耳のしこりを予防するために
耳のしこりを完全に予防することは難しいですが、日常生活での注意によってリスクを下げることは可能です。
🔸 耳かきのしすぎに注意する
耳かきは外耳道の皮膚を傷つけ、外耳炎・毛包炎・粉瘤の原因になることがあります。外耳道には自浄作用があり、通常は耳かきをしなくても耳垢は自然に排出されます。耳かきは月に1〜2回程度にとどめ、やりすぎないようにしましょう。綿棒で奥まで掃除することも外耳炎の原因になりやすいため、耳の入り口付近のみを優しくふく程度にしてください。
⚡ 耳に水が入ったときは適切に対処する
水泳や入浴後に外耳道に水が残ると、外耳炎のリスクが高まります。耳を傾けて自然に水を出す、清潔なタオルで耳の入り口を優しく拭く、ドライヤーを遠めからあてて乾燥させるなどの方法が有効です。水泳をよく行う方は耳栓を使用するのもよいでしょう。
🌟 ピアスを開ける際は衛生管理を徹底する
ピアスを開ける際は、医療機関や専門のピアシングスタジオで適切な方法で行うのが安全です。自分でピアスを開ける際は十分な消毒を行い、使い捨て器具を使用しましょう。ピアスホールが完成するまでの間は毎日の洗浄と消毒を継続し、感染の徴候(赤み・腫れ・分泌物)が出た場合は早めに医療機関を受診してください。金属アレルギーのある方は、チタン・サージカルステンレス・ニオブなど低アレルゲン素材のピアスを選びましょう。
💬 免疫力を低下させない
耳ヘルペス(帯状疱疹)は、過労・ストレス・免疫低下によって水痘ウイルスが再活性化して発症します。規則正しい生活・十分な睡眠・バランスのよい食事・適度な運動で免疫力を維持することが予防につながります。また、50歳以上の方を対象に帯状疱疹ワクチン(シングリックス・ビケン)が接種可能です。帯状疱疹の発症予防・重症化予防に有効とされているため、かかりつけ医に相談してみてください。
✅ 耳の変化に早めに気づく
入浴時など、定期的に耳を鏡でチェックする習慣をつけることで、しこりの早期発見につながります。しこりを見つけた際は、大きさ・硬さ・痛みの有無をメモしておくと、受診時に役立ちます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、耳のしこりを主訴に来院される患者様の多くが、痛みが出てから受診までに時間が経過しており、炎症性粉瘤や外耳炎が悪化した状態で来院されるケースが少なくありません。特に耳ヘルペス(ラムゼイ・ハント症候群)は発症から72時間以内の治療開始が後遺症予防のために非常に重要ですので、耳のしこりに加えて顔の動きの違和感や強い痛み・めまいを感じた場合は、迷わず早めにご受診いただくことをお勧めします。「しばらく様子をみよう」と思われる気持ちはよく理解できますが、痛みを伴うしこりは早期対応がその後の回復を大きく左右しますので、気になる症状があればどうぞお気軽にご相談ください。」
💪 よくある質問
押すと痛みを感じる場合、炎症や細菌感染が関わっている可能性が高いです。粉瘤への細菌感染、外耳炎、耳介軟骨膜炎、リンパ節炎などが主な原因として考えられます。痛みのないしこりとは異なり、炎症・感染サインであることが多いため、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
風邪などのウイルス感染に伴うリンパ節の腫れは、1〜2週間で自然に改善することがあります。しかし、炎症性粉瘤や耳介軟骨膜炎は放置すると悪化し、膿瘍形成や軟骨の変形につながる場合があります。痛みを伴うしこりは自己判断での様子見を避け、早めに受診することが重要です。
耳の中のしこりや、難聴・耳鳴り・めまいを伴う場合は耳鼻咽喉科が適しています。耳の皮膚に粉瘤やピアストラブルによるしこりがある場合は、皮膚科または形成外科が対応しています。アイシークリニックでは耳の皮膚・皮下組織のしこりの診断・治療に対応していますので、お気軽にご相談ください。
以下の症状がある場合は速やかに受診してください。発熱(37.5℃以上)、しこりの急速な増大、顔面の動きの違和感(顔面神経麻痺の疑い)、難聴・強いめまい、耳からの出血や多量の分泌物などが該当します。特に耳ヘルペス(ラムゼイ・ハント症候群)は発症72時間以内の治療開始が後遺症予防に非常に重要です。
絶対に避けてください。特に粉瘤の場合、自分で潰すと内容物が周囲に広がり、感染が悪化して炎症が拡大するリスクがあります。応急処置としては、患部を清潔に保つ、市販の鎮痛剤で痛みを和らげる、腫れがある場合は保冷剤で軽く冷やす程度にとどめ、速やかに医療機関を受診することが大切です。
🎯 まとめ
耳の中や耳周辺にできるしこりで、押すと痛みを感じる場合には、粉瘤(炎症性)・外耳炎・耳介軟骨膜炎・リンパ節炎・耳ヘルペス・先天性耳瘻孔・ピアストラブルなど、さまざまな原因が考えられます。痛みを伴うしこりは、炎症や感染が関わっていることが多く、放置すると悪化するリスクがあります。
特に、発熱・顔面神経麻痺・急速な腫大・難聴・強いめまいを伴う場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。耳ヘルペス(ラムゼイ・ハント症候群)は発症から72時間以内の治療開始が後遺症予防に非常に重要です。
受診先としては、耳の中や難聴・耳鳴りなど耳機能に関わる症状がある場合は耳鼻咽喉科、皮膚のしこり(粉瘤・ピアストラブルなど)は皮膚科・形成外科が適しています。どちらを受診すればよいか迷う場合は、まず耳鼻咽喉科か皮膚科を受診し、必要に応じて紹介してもらうとよいでしょう。
「そのうち治るだろう」と放置せず、気になるしこりがある場合は早めに専門医への相談をおすすめします。アイシークリニック渋谷院では、皮膚のしこり(粉瘤など)の診断・治療に対応しています。耳の皮膚・皮下組織に関するしこりでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 粉瘤(アテローム)の定義・症状・治療法(手術による摘出)に関する信頼性の高い情報源として参照。炎症性粉瘤の対処法や再発予防についての根拠として活用。
- 国立感染症研究所 – 耳ヘルペス(ラムゼイ・ハント症候群)の原因である水痘・帯状疱疹ウイルスの感染メカニズム、抗ウイルス薬による早期治療の重要性、帯状疱疹ワクチンに関する情報の根拠として参照。
- 日本形成外科学会 – 粉瘤・皮膚嚢腫の外科的治療(袋ごとの摘出手術)や耳介軟骨膜炎・ピアス肉芽腫などの形成外科的処置に関する情報源として参照。受診科の案内(形成外科での対応範囲)の根拠として活用。
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務