アウトドアや山登り、川遊びなどを楽しんでいると、気づかないうちに虫に刺されていることがあります。帰宅後に足元や腕がひどく腫れていて「蚊にしてはおかしいな」と感じたことはありませんか?そのような場合、犯人はブヨ(ブユ)である可能性があります。ブヨは蚊と同じく血を吸う虫ですが、刺された後の症状が全く異なり、強いかゆみや腫れが長期間続くことが特徴です。本記事では、ブヨに刺された時の症状から応急処置、病院を受診するタイミングまでを医療的な観点からわかりやすく解説します。
目次
- ブヨ(ブユ)とはどんな虫?
- ブヨに刺された時の症状
- 蚊に刺された時との違い
- ブヨに刺された直後の応急処置
- やってはいけないNG行動
- 市販薬での対処法
- 病院を受診すべき症状・タイミング
- 病院ではどのような治療が行われるか
- ブヨに刺されないための予防策
- まとめ
この記事のポイント
ブヨに刺されると数時間後から強いかゆみ・広範囲の腫れが1〜2週間続く。応急処置は流水洗浄・冷却・かきむしり禁止。腫れが長引く・化膿・アナフィラキシー症状では皮膚科または救急を受診すること。
🎯 ブヨ(ブユ)とはどんな虫?
ブヨは「ブユ」とも呼ばれる小型の昆虫で、ハエの仲間(双翅目・ブユ科)に属しています。体長は1〜5ミリメートル程度と非常に小さく、ずんぐりとした体型が特徴です。地域によっては「ブト」や「グロ」「ジジ」など様々な呼び名があり、全国各地に生息しています。
ブヨは清流や渓流の近く、山間部、森林の湿地帯など、きれいな水が流れる場所に多く生息しています。幼虫は河川の岩や水草に付着して育つため、水が澄んでいる自然豊かな場所ほどブヨが多い傾向があります。活動時期は主に春から夏にかけてで、特に5月から7月が最も活動が盛んな時期です。気温としては15〜25℃前後を好み、早朝や夕方など日差しが弱い時間帯に特に活発に活動します。
ブヨは蚊のように針で皮膚を刺すのではなく、刃のような口器で皮膚をかみ切って血を吸います。この「かみ切る」という行動が、蚊よりもはるかに強い炎症反応を引き起こす原因となります。また、吸血する際に麻酔成分を含む唾液を注入するため、刺された直後には痛みやかゆみをほとんど感じません。そのため、気づいた時にはすでに複数箇所を刺されていることが多いのです。
吸血するのは産卵期のメスだけです。オスは花の蜜などを吸って生きており、人を刺すことはありません。メスは産卵のために必要なタンパク質を血液から摂取するため、活発に吸血活動を行います。
Q. ブヨに刺された時の症状は蚊とどう違う?
ブヨに刺されると、数時間〜翌日にかけて遅延型アレルギー反応が起こります。蚊と異なり、刺された部位を中心に広範囲がむくむように腫れ、激しいかゆみが1〜2週間続くことがあります。足首を刺された場合、足全体がパンパンに腫れることもあります。
📋 ブヨに刺された時の症状
ブヨに刺された時の症状は、蚊とは大きく異なります。刺された直後はほとんど症状が出ないことが多いですが、数時間が経過すると徐々に症状が現れてきます。
🦠 初期症状(刺された直後〜数時間後)
ブヨの唾液には局所麻酔成分が含まれているため、刺された瞬間にはほとんど痛みを感じません。刺された直後は小さな赤い点や、わずかな出血が見られる程度で、見逃してしまうことも少なくありません。数分〜数十分後に軽い違和感やチクチクとした感覚が生じることがあります。
👴 遅延反応(数時間〜翌日)
刺されてから数時間後に、強いかゆみと赤みが現れてきます。翌日になるとさらに症状が悪化し、刺された部位を中心に広範囲にわたって腫れ上がることがあります。この腫れは非常に強く、足首や手首など皮膚が薄い部位では特にひどくなる傾向があります。腫れた部位は熱感を持ち、触れると硬く感じることもあります。
かゆみの強さは蚊の比ではなく、夜も眠れないほどの激しいかゆみを訴える方も多くいます。患部を強くかきむしってしまうと皮膚が傷つき、細菌感染(とびひなど)を引き起こすリスクが高まります。
🔸 長期化する症状
ブヨに刺された後の症状は、蚊と比べて非常に長く続くことが特徴的です。適切な治療を行わない場合、腫れやかゆみが1〜2週間、場合によっては1ヶ月以上続くこともあります。
腫れが引いた後も、色素沈着として茶色いシミが残る場合があります。また、強くかいた場合は引っかき傷が残ることもあります。ブヨに繰り返し刺されると、アレルギー反応が強くなる傾向があり、症状がより重篤になることがあります。
💧 アナフィラキシーショック
ごくまれに、ブヨの唾液成分に対して強いアレルギー反応が起こり、アナフィラキシーショックを引き起こすことがあります。アナフィラキシーショックの症状には、全身のじんましん、顔や喉の腫れ、息苦しさ、めまい、血圧低下、意識障害などがあります。これらの症状が現れた場合は、直ちに救急車を呼ぶか、救急病院を受診してください。命に関わる緊急事態です。
💊 蚊に刺された時との違い
ブヨと蚊はどちらも血を吸う虫ですが、刺された時の症状には明確な違いがあります。この違いを理解しておくと、刺された虫の判断に役立ちます。
✨ 症状が現れるタイミング
蚊に刺された場合、刺された直後からかゆみが生じます。これは蚊の唾液成分に対するアレルギー反応が即時型であるためです。一方、ブヨに刺された場合は先ほど説明したように、数時間後から翌日にかけて症状が現れる遅延型のアレルギー反応が起こります。帰宅してから「なんか足がかゆい」「腫れている」と気づく場合はブヨを疑いましょう。
📌 腫れの大きさと程度
蚊に刺された場合の腫れは比較的小さく、直径1〜2センチ程度の膨疹(ぼうしん)が現れることが多いです。それに対してブヨに刺された場合は、刺された部位を中心として広範囲にわたってむくんだように腫れ上がります。足首を刺された場合には、足全体がパンパンに腫れることもあります。
▶️ かゆみの強さと持続期間
蚊に刺された場合のかゆみは、1〜2日程度で自然に落ち着くことがほとんどです。ブヨに刺された場合は、強烈なかゆみが数日〜数週間続くことがあります。この持続するかゆみが、患者さんにとって最も辛い症状の一つとなります。
🔹 刺し口の特徴
ブヨは皮膚を「かみ切る」ため、刺し口には小さな傷(出血点)が残ることがあります。蚊は針を刺すため、刺し口は非常に小さく目立ちません。腫れが強い場合でも中心部に小さな出血点が見られる場合は、ブヨに刺されている可能性が高いと考えられます。
📍 好発部位
蚊は腕や足など露出している部位全般を刺しますが、ブヨは特に足首から足の甲、ふくらはぎ、手首などの皮膚が薄くて血管が透けて見えやすい部位を好む傾向があります。アウトドア後に足元を中心として腫れやかゆみが生じた場合は、ブヨによるものを疑ってください。
Q. ブヨに刺された直後の正しい応急処置は?
ブヨに刺されたらまず患部を流水と石鹸で優しく洗い、唾液成分を除去します。次に保冷剤をタオルに包んで15〜20分冷やし、炎症を抑えます。ポイズンリムーバーがあれば刺された直後に使用すると効果的です。かきむしりは感染リスクを高めるため厳禁です。
🏥 ブヨに刺された直後の応急処置
ブヨに刺されたことに気づいた場合、できるだけ早く適切な応急処置を行うことで、その後の症状を軽減できる可能性があります。
💫 1. 患部を水で洗い流す
まず刺された部位をきれいな流水で十分に洗い流します。これによって、皮膚表面に残っているブヨの唾液成分を洗い流す効果が期待できます。石鹸を使って優しく洗うとさらに効果的です。ただし、強くこすることは皮膚を傷つけるため避けてください。
🦠 2. ポイズンリムーバーの使用
アウトドア用品店などで販売されているポイズンリムーバー(毒液を吸い出す器具)を持っている場合は、刺された直後にすぐ使用することが推奨されています。ブヨに刺されてから短時間のうちに使用することで、注入された唾液成分(アレルゲン)を一部除去できる可能性があります。ただし、時間が経過してから使っても効果は限定的です。アウトドアに出かける際は事前に準備しておくと良いでしょう。
👴 3. 冷やす(冷湿布・保冷剤)
患部を冷やすことで、炎症反応を抑えかゆみや腫れを和らげる効果があります。保冷剤や氷をタオルに包んで患部に当てる冷湿布が有効です。ただし、皮膚に直接氷を当てると凍傷の危険があるため、必ず布を介して使用してください。15〜20分程度冷やし、その後は様子を見ながら繰り返し行うと良いでしょう。
🔸 4. かかないようにする
かゆみが強くてもできる限りかくことは避けてください。かくことで皮膚が傷つき、細菌感染のリスクが高まります。また、かくことでかゆみを感じる物質(ヒスタミンなど)がさらに広がり、かゆみが悪化するという悪循環に陥ることがあります。特に就寝中に無意識にかいてしまうことが多いため、寝る前に患部を保護するなどの工夫が必要です。
💧 5. 市販のステロイド外用薬やかゆみ止めを塗る
ドラッグストアなどで購入できる虫刺され用の薬(ステロイド含有外用薬や抗ヒスタミン薬含有外用薬)を患部に塗ることで、かゆみや炎症を抑える効果が期待できます。ただし、市販薬での対処については後述しますので、そちらも参考にしてください。
⚠️ やってはいけないNG行動
ブヨに刺された後には、症状を悪化させたり、合併症を引き起こしたりするリスクがある行動があります。以下に挙げるNG行動はしっかりと覚えておいてください。
✨ 患部をかきむしる
強いかゆみから患部をかきむしりたくなりますが、これは最もやってはいけない行動の一つです。かきむしることで皮膚が傷つき、そこから細菌が侵入して感染症を引き起こすリスクが高まります。また、刺激によってかゆみを引き起こすヒスタミンの分泌が促進され、かゆみと炎症がさらに悪化します。爪を短く切る、患部に絆創膏を貼るなどしてかきむしりにくい環境を作りましょう。
📌 患部を温める・熱いお風呂に入る
お風呂に入ると体が温まり、かゆみが増すことがあります。これは体温の上昇によって血行が促進され、かゆみを引き起こす物質の産生が活発になるためです。刺された直後はシャワー程度にとどめ、熱いお風呂への入浴は症状が落ち着いてから行うようにしましょう。
▶️ アルコールや香辛料の摂取
アルコールや辛いものなど刺激の強い食べ物は、体の血行を促進させてかゆみを悪化させることがあります。症状が強い間はなるべく避けることが望ましいです。
🔹 口で吸い出そうとする
昔から虫に刺された場合に口で毒を吸い出すという民間療法がありますが、これは口腔内の細菌が傷口から侵入する可能性があるため、感染リスクを高めるだけでほぼ効果はなく、行わないでください。
📍 針で刺してしぼる
蜂に刺された後に針を抜くような感覚で、針で刺し口を広げたりしぼったりする方もいますが、これも感染リスクを高めるためやめてください。ブヨの場合は針のようなものは残りません。
Q. ブヨに刺されて病院を受診する目安は?
腫れが1週間以上続く・患部が化膿している・発熱やリンパ節の腫れがある場合は皮膚科を受診してください。全身のじんましん・息苦しさ・めまい・意識低下などアナフィラキシーの症状が現れた場合は、直ちに救急車を呼ぶ必要がある緊急事態です。
🔍 市販薬での対処法
ブヨに刺された場合、軽度〜中等度の症状であれば市販薬での対処が可能な場合があります。ドラッグストアで購入できる主な薬の種類を紹介します。
💫 ステロイド外用薬
ステロイドには炎症を抑える強力な作用があります。市販のステロイド含有の虫刺され用薬には、デルモベート、リンデロン、ベトネベートなどの成分が含まれているものがあります。症状の強さに応じて適切な強さのステロイド薬を選ぶことが重要です。ブヨに刺された場合は比較的強い炎症が起きるため、弱いステロイド薬では効果が不十分なことがあります。なお、顔や皮膚の薄い部位、広範囲への使用は副作用のリスクが高まるため、医師に相談することをお勧めします。
🦠 抗ヒスタミン薬(内服薬)
かゆみを引き起こすヒスタミンの働きを抑える抗ヒスタミン薬の内服薬は、全身的なかゆみの緩和に効果的です。市販薬としてはセチリジン(ジルテック)、ロラタジン(クラリチン)、エピナスチン(アレジオン)などが購入できます。眠くなりにくいタイプとなりやすいタイプがあるため、活動時間や運転の有無に合わせて選ぶと良いでしょう。
👴 抗ヒスタミン薬(外用薬)
ジフェンヒドラミンなどの抗ヒスタミン成分が含まれた外用薬もかゆみ止めとして使用できます。ただし、外用の抗ヒスタミン薬は接触性皮膚炎(かぶれ)を引き起こすことがあるため、使用する際は注意が必要です。
🔸 市販薬使用上の注意点
市販薬はあくまで一時的な症状緩和のためのものです。症状が軽減しない場合や、腫れが広がっている場合、発熱などの全身症状がある場合は、市販薬の使用を続けずに医療機関を受診してください。また、子どもや妊娠中・授乳中の方は、使用できる薬の種類が限られることがありますので、事前に薬剤師や医師に相談することをお勧めします。
📝 病院を受診すべき症状・タイミング
ブヨに刺された場合、以下のような症状や状況がある場合は、自己判断せずに医療機関を受診することをお勧めします。
💧 緊急に救急受診が必要な場合
以下の症状が現れた場合は、アナフィラキシーショックの可能性があるため、すぐに救急車を呼んでください。全身にじんましんが広がっている、顔や喉が腫れて息苦しい、声がかすれる、めまいや意識の低下がある、気分が悪く吐き気がひどい、脈が速くなって動悸がするなどの症状は一刻を争う緊急事態です。自力での移動が難しい場合は迷わず119番に連絡してください。
✨ 早めに受診すべき場合
緊急ではないものの、以下のような場合は数日以内に皮膚科を受診することをお勧めします。腫れが広範囲にわたっていてパンパンになっている、腫れが1週間以上続いている、かゆみが非常に強く睡眠が取れない、患部が化膿している(うみが出ている、赤みが広がっている)、リンパ節(脇の下や鼠径部)が腫れている、発熱がある、患部の赤みが時間とともに広がっているなどの状態が当てはまります。
📌 子どもや高齢者の場合
子どもや高齢者は皮膚が薄くデリケートであるため、炎症が広がりやすい傾向があります。また、子どもは無意識にかきむしることが多く、感染症に発展しやすいため、症状が軽くても早めに医師に診てもらうことをお勧めします。高齢者も免疫力の低下から症状が悪化しやすいため、注意が必要です。
▶️ 受診する診療科
ブヨに刺された場合の受診先としては、皮膚科が最も適しています。皮膚科では皮膚の炎症やかゆみに対する専門的な治療を受けることができます。アナフィラキシーショックの症状がある場合は救急科・救急病院を受診してください。
アイシークリニック渋谷院では、虫刺されによる皮膚トラブルにも対応しております。腫れやかゆみが気になる場合はお気軽にご相談ください。
Q. ブヨに刺されないための予防策を教えてください
ブヨ対策の基本は3つです。①長袖・長ズボン・靴下で足首など肌の露出を最小限にする、②ディートまたはイカリジン配合の虫除けスプレーを数時間おきに塗り直す、③ブヨが活発な早朝・夕方・曇りの日の水辺での活動を控える。事前準備がブヨ被害の最大の防衛策です。
💡 病院ではどのような治療が行われるか
医療機関でブヨに刺された症状を診てもらう場合、症状の程度や状態に応じてさまざまな治療が行われます。
🔹 ステロイド外用薬の処方

炎症を抑えるための最も基本的な治療です。市販薬よりも効果の高いステロイド外用薬(strong〜very strong クラスなど)が処方されることがあります。症状の部位や程度に応じて適切な強さのものを選択します。皮膚科医は患者さんの状態を見て、最適なステロイド薬を判断しますので、自己判断で市販薬を使い続けるよりも確実に症状の改善が期待できます。
📍 抗ヒスタミン薬の処方
かゆみに対しては処方薬の抗ヒスタミン薬(内服)が処方されます。処方薬は市販薬よりも強力なものが使用できる場合があり、就寝前に服用することで夜中のかきむしりも防ぐことができます。
💫 ステロイドの内服・注射
腫れやかゆみが非常に強く、外用薬だけでは対処が難しい場合には、ステロイドの内服薬(プレドニゾロンなど)が短期間処方されることがあります。また、症状が非常に強い場合は、ステロイドの注射(デキサメサゾンなど)が行われることもあります。
🦠 抗生物質の処方
患部が細菌感染を起こして化膿している場合は、抗生物質(内服薬または外用薬)が処方されます。傷口が感染すると治癒が遅れるだけでなく、蜂窩織炎(ほうかしきえん)などより重篤な感染症に発展するリスクもあるため、化膿しているサインに気づいたら早めに受診してください。
👴 アナフィラキシーに対する治療
アナフィラキシーショックが起きた場合は、アドレナリン(エピネフリン)の注射が第一選択の治療となります。その後、ステロイド薬や抗ヒスタミン薬の点滴、気道確保など必要な処置が行われます。これは入院が必要になる場合もあります。
🔸 色素沈着への対応
ブヨに刺された後の炎症が治まっても、茶色いシミ(色素沈着)が残ることがあります。この場合、美白外用薬(ハイドロキノンなど)の使用や、レーザートリートメントなどの治療が有効な場合があります。色素沈着が気になる場合はクリニックに相談してみましょう。
✨ ブヨに刺されないための予防策
ブヨの被害を防ぐためには、事前の予防が最も効果的です。アウトドアを楽しむ際には以下の対策をしっかりと行いましょう。
💧 肌の露出を減らす
ブヨが好む足首や手首を中心に、できるだけ肌の露出を避けることが最も基本的な予防策です。長袖・長ズボンを着用し、靴下をきちんとはいて靴と靴下の間に隙間ができないようにしましょう。特に足首〜ふくらはぎにかけての露出には注意が必要です。ハイソックスとズボンの裾を重ねるなどの工夫も効果的です。
✨ 虫除けスプレーを使用する
虫除けスプレーはブヨに対しても一定の効果があります。有効成分としてはディート(DEET)やイカリジン(ピカリジン)が含まれているものが特に有効とされています。ディートは12歳以上で高濃度のものが使用でき、防虫効果が高いです。イカリジンはディートよりも皮膚への刺激が少なく、子どもへの使用にも適しています。使用する際は露出している皮膚全体に均一に塗り、数時間おきに塗り直すことが重要です。
📌 活動時間帯を工夫する
ブヨは早朝や夕方に特に活発になります。また、曇りの日や雨上がりに活動が盛んになる傾向があります。日差しが強い昼間は比較的少なくなるため、活動時間帯を工夫するだけでリスクを減らすことができます。
▶️ 川や渓流の近くでは特に注意する
清流や渓流の周辺はブヨの生息地であるため、特に注意が必要です。川遊びや釣り、渓流沿いのハイキングをする際には、より徹底した予防対策を行いましょう。水辺で活動する際は足元の露出を特に気にするようにしてください。
🔹 白や明るい色の服を避ける
ブヨは白や明るい色に引き寄せられる性質があるとも言われています(ただし蚊ほど色への反応が顕著ではないとする見解もあります)。アウトドアの際はなるべく地味な色の服装を選ぶのも一つの手です。
📍 蚊取り線香を活用する
キャンプや野外でのレジャーの際は、蚊取り線香やハエ取りスプレーを使用することもある程度の忌避効果があります。ただし、屋外では煙が広がりにくいため、効果は限定的です。
💫 ポイズンリムーバーを携帯する
予防だけでなく、万が一刺されてしまった時のために、アウトドアへ出かける際はポイズンリムーバーを携帯しておくことをお勧めします。刺された直後に使用することで症状を軽減できる可能性があります。アウトドア専門店やインターネットで比較的安価に購入できます。
🦠 アレルギー体質の方は特に注意
過去にブヨに刺されて激しい症状が出たことがある方や、アレルギー体質の方は、アナフィラキシーショックのリスクが高い可能性があります。アウトドアへ出かける前に主治医に相談し、エピペン(エピネフリン自己注射薬)の処方を検討してもらうなどの備えをしておくことが重要です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「春から夏のアウトドアシーズンになると、ブヨに刺されたと思われる強いかゆみや腫れを訴えて来院される患者様が増える傾向にあります。蚊とは異なり症状が数時間後から現れる遅延反応が特徴的で、「翌日になって急に足がパンパンに腫れた」とご来院される方も少なくありません。市販薬では対処しきれないほど炎症が強くなるケースもありますので、腫れやかゆみが長引いている場合はお早めにご相談いただき、適切な強さのステロイド薬や抗ヒスタミン薬で早期に症状を和らげることをお勧めします。(※新宿院一般皮膚科のみの対応)」
📌 よくある質問
ブヨの唾液には局所麻酔成分が含まれているため、刺された直後はほとんど痛みやかゆみを感じません。症状が現れるのは数時間〜翌日にかけてで、帰宅後に足元や腕が腫れていて初めて気づくケースが多いです。アウトドア後に刺された覚えがなくても、腫れやかゆみがあればブヨを疑いましょう。
かきむしることは避けてください。皮膚が傷つき細菌感染(とびひや蜂窩織炎など)を引き起こすリスクが高まります。また、かくことでかゆみを引き起こすヒスタミンがさらに広がり、症状が悪化する悪循環に陥ります。爪を短く切る、患部に絆創膏を貼るなど、かきむしりにくい工夫をしましょう。
まず患部を流水と石鹸で優しく洗い流し、ブヨの唾液成分を除去します。次に保冷剤をタオルに包んで患部を冷やし、炎症を抑えましょう。ポイズンリムーバーを持参している場合は刺された直後に使用すると効果的です。その後、市販のステロイド含有外用薬を塗布してかゆみを和らげてください。
以下の場合は医療機関を受診してください。腫れが1週間以上続く、患部が化膿している、発熱やリンパ節の腫れがある場合は皮膚科へ。また、全身のじんましん、息苦しさ、めまい、意識の低下などアナフィラキシーの症状が現れた場合は直ちに救急車を呼んでください。アイシークリニックでも虫刺されの皮膚トラブルに対応しています。(※新宿院一般皮膚科のみの対応)
主な予防策は3つです。①長袖・長ズボン・靴下で肌の露出を最小限にする(特に足首周辺)、②ディートやイカリジン配合の虫除けスプレーを露出部位に定期的に塗り直す、③ブヨが活発な早朝・夕方・曇りの日の活動を控える。また、清流や渓流の近くはブヨの生息地のため、水辺での活動時は特に徹底した対策が必要です。
🎯 まとめ
ブヨに刺された場合の症状、応急処置、予防策について解説してきました。ブヨは小さな虫ですが、刺されると蚊とは比較にならないほど強いかゆみや腫れが長期間続くことがあります。また、ごくまれにアナフィラキシーショックという命に関わる重篤な反応が起こることもあります。
大切なのはまず予防で、アウトドアへ出かける際は肌の露出を最小限にし、虫除けスプレーをしっかり使用することが基本となります。万が一刺されてしまった場合は、かきむしりを我慢しながら、流水で洗い流し、冷やして炎症を抑えることが大切です。
市販薬で対処できる場合もありますが、腫れがひどい、症状が1週間以上続く、化膿しているなどの場合は迷わず皮膚科を受診してください。また、息苦しさや全身のじんましんなどアナフィラキシーの症状が疑われる場合は、一刻も早く救急受診することが命を守ることにつながります。
アイシークリニックでは、虫刺されによる皮膚炎や腫れ、かゆみなどの皮膚トラブルに幅広く対応しております。(※新宿院一般皮膚科のみの対応)ブヨに刺されて症状が長引いている、腫れやかゆみがつらいといったお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。適切な治療で、一日も早く不快な症状から解放されましょう。自然の中でのアウトドアは素晴らしい体験ですが、しっかりとした予防対策を行い、万が一刺されても正しく対処できるよう準備しておくことで、より安心して自然を楽しんでいただけます。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 虫刺されによる皮膚炎の症状・診断・治療方針(ステロイド外用薬・抗ヒスタミン薬の使用基準、アレルギー反応のメカニズム)に関する専門的な医学情報
- 厚生労働省 – 野外活動における虫刺され予防・対策(虫除けスプレーの有効成分であるディート・イカリジンの使用方法と安全性)に関する公式情報
- 国立感染症研究所 – アナフィラキシーショックの症状・緊急対応・エピネフリン投与を含む治療法に関する医学的根拠情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務