はじめに
冬になると毎年流行するインフルエンザ。高熱が出ると、つらさから一刻も早く熱を下げたいと考えるのは自然なことです。しかし、インターネットで「インフルエンザ 解熱剤」と検索すると、「解熱剤を飲まない方がいい」という情報を目にすることがあります。
本当にインフルエンザで解熱剤を使ってはいけないのでしょうか?それとも、適切に使えば問題ないのでしょうか?
この記事では、インフルエンザと解熱剤の関係について、医学的な根拠に基づいて詳しく解説します。どのような解熱剤なら使えるのか、使ってはいけない解熱剤は何か、そして解熱剤以外の対処法についても、一般の方にも分かりやすくお伝えします。
インフルエンザとは?基礎知識をおさらい
インフルエンザの特徴
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症です。A型、B型、C型の3つの型がありますが、流行の中心となるのはA型とB型です。
一般的な風邪と比べて、インフルエンザの特徴は以下の通りです:
急激な発症 風邪がゆっくりと症状が現れるのに対し、インフルエンザは突然高熱が出ることが多いのが特徴です。朝は元気だったのに、昼過ぎには39度以上の高熱が出るということも珍しくありません。
高熱 38度以上、多くの場合39度から40度近い高熱が出ます。この高熱は通常3〜4日間続きます。
全身症状 頭痛、関節痛、筋肉痛など、全身にわたる強い痛みやだるさが特徴的です。風邪では主に鼻やのどなど局所的な症状が中心ですが、インフルエンザでは全身症状が顕著です。
呼吸器症状 咳、のどの痛み、鼻水などの症状も見られますが、これらは発熱の後、やや遅れて現れることが多いです。
インフルエンザの流行時期
日本では例年12月から3月頃にかけて流行します。学校や職場など人が集まる場所で感染が広がりやすく、毎年約1,000万人が感染すると推定されています。
なぜ発熱するのか?熱の役割を理解する
発熱は体の防御反応
インフルエンザにかかると高熱が出ますが、この発熱は単なる症状ではなく、体がウイルスと戦うための重要な防御反応です。
体温が上昇すると、以下のようなメカニズムで体を守ります:
ウイルスの増殖を抑制する インフルエンザウイルスは、通常の体温(約36〜37度)で最も活発に増殖します。体温が38度以上に上がると、ウイルスの増殖スピードが遅くなることが分かっています。つまり、発熱はウイルスの増殖を抑えるための体の戦略なのです。
免疫機能を活性化する 体温が上昇すると、白血球などの免疫細胞の働きが活発になります。特に、ウイルスを攻撃するT細胞やB細胞、そしてインターフェロンなどの物質の産生が促進されます。研究によれば、体温が1度上がると免疫力は約5〜6倍に高まるとも言われています。
代謝を促進する 体温上昇により代謝が活発になり、免疫反応に必要なエネルギーが効率的に供給されます。
発熱の程度と病気の重症度は別問題
「高熱が出ているから重症だ」と考えがちですが、実はそうとは限りません。発熱の程度と病気の重症度は必ずしも一致しないのです。
むしろ、適度な発熱は体が正常に免疫反応を起こしている証拠とも言えます。逆に、高齢者や免疫力が低下している人では、重症であっても高熱が出ないこともあります。
解熱剤の種類と作用メカニズム
解熱剤と一口に言っても、実はさまざまな種類があります。インフルエンザの際に使用できるものと使用できないものがあるため、正しく理解することが重要です。
主な解熱剤の種類
アセトアミノフェン(カロナール、タイレノールなど)
- 作用:脳の体温調節中枢に作用して熱を下げる
- 特徴:比較的安全性が高く、子どもから大人まで使用可能
- インフルエンザ時:使用可能
イブプロフェン(ブルフェン、イブなど)
- 作用:炎症を抑えることで熱を下げる
- 特徴:鎮痛効果も強い
- インフルエンザ時:基本的に使用可能だが、注意が必要な場合あり
ロキソプロフェン(ロキソニンなど)
- 作用:炎症を抑えることで熱を下げる
- 特徴:効果が強い
- インフルエンザ時:使用は慎重に判断
アスピリン(バファリンAなど)
- 作用:炎症を抑えることで熱を下げる
- 特徴:古くから使われている解熱鎮痛薬
- インフルエンザ時:使用禁止(特に子どもと若年者)
ジクロフェナク(ボルタレンなど)
- 作用:強力な抗炎症作用
- 特徴:効果が非常に強い
- インフルエンザ時:使用禁止
メフェナム酸(ポンタールなど)
- 作用:炎症を抑える
- 特徴:生理痛などにも使用される
- インフルエンザ時:使用禁止
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とは
イブプロフェン、ロキソプロフェン、アスピリン、ジクロフェナク、メフェナム酸などは、NSAIDs(エヌセイズ)と呼ばれる薬のグループに属します。
NSAIDsは炎症を引き起こす物質(プロスタグランジン)の生成を抑えることで、熱を下げたり痛みを和らげたりします。日常的な頭痛や生理痛などには非常に効果的な薬ですが、インフルエンザの際には注意が必要です。
インフルエンザで特定の解熱剤を使ってはいけない理由
ライ症候群(Reye症候群)のリスク
インフルエンザの際にアスピリンなどの特定の解熱剤を使用すると、「ライ症候群」という重篤な病気を引き起こす可能性があることが分かっています。
ライ症候群とは ライ症候群は、主に小児に発症する急性脳症で、以下のような特徴があります:
- 激しい嘔吐
- 意識障害
- けいれん
- 肝機能障害
- 致死率が高い(約30%)
1960年代から1980年代にかけて、インフルエンザや水痘にかかった子どもにアスピリンを投与した後、ライ症候群が多数報告されました。その後の研究で、アスピリンとライ症候群の因果関係が明らかになり、現在では15歳未満の子どもには、インフルエンザや水痘の際にアスピリンを使用しないことが推奨されています。
厚生労働省の注意喚起 厚生労働省も、インフルエンザ治療における解熱剤の使用について注意喚起を行っています。特にアスピリンやジクロフェナク、メフェナム酸などは、インフルエンザ脳症との関連が指摘されており、使用を避けるよう推奨されています。
インフルエンザ脳症のリスク
日本では、インフルエンザによる合併症として「インフルエンザ脳症」が知られています。これは主に乳幼児に発症する重篤な合併症で、以下のような症状が見られます:
- 高熱
- 意識障害
- けいれん
- 異常行動
研究により、特定のNSAIDsの使用がインフルエンザ脳症の発症や重症化に関連している可能性が示唆されています。
日本小児科学会の研究データ 日本小児科学会が行った大規模な調査研究では、インフルエンザ脳症の患者において、ジクロフェナクやメフェナム酸を使用していた症例で死亡率が高かったことが報告されています。
一方、アセトアミノフェンの使用では、インフルエンザ脳症のリスク上昇は認められませんでした。
解熱剤使用による免疫機能への影響
前述の通り、発熱は体の防御反応です。解熱剤で無理に熱を下げてしまうと、以下のような問題が生じる可能性があります:
ウイルスの増殖期間の延長 体温を下げることで、ウイルスが増殖しやすい環境を作ってしまう可能性があります。複数の研究で、解熱剤を使用した群と使用しなかった群を比較したところ、解熱剤使用群の方が、ウイルスの排出期間が長くなる傾向が見られました。
免疫反応の抑制 体温が下がることで、免疫細胞の活動が低下し、ウイルスと戦う力が弱まる可能性があります。
回復の遅延 結果として、病気からの回復に時間がかかる可能性があります。
では、インフルエンザで解熱剤は全く使わない方がいいのか?
ここまで読むと、「インフルエンザでは解熱剤を一切使わない方がいいのでは?」と思われるかもしれません。しかし、実際はそう単純ではありません。
解熱剤を使用すべきケース
以下のような場合は、適切な解熱剤の使用が推奨されます:
高熱による苦痛が強い場合 39度以上の高熱が続くと、以下のような問題が生じます:
- 激しい頭痛
- 全身の関節痛・筋肉痛
- 食事や水分が取れない
- 眠れない
- 体力の著しい消耗
このような状態では、適切に解熱剤を使用して体を楽にすることが、結果的に回復を早めることにつながります。
脱水症状のリスクがある場合 高熱により発汗が増加し、水分が取れない状態が続くと、脱水症状を起こす危険があります。特に乳幼児や高齢者では注意が必要です。
基礎疾患がある場合 心臓病や呼吸器疾患など基礎疾患がある方では、高熱による体への負担が危険な場合があります。このような場合は、医師の判断のもと、適切に解熱剤を使用することが重要です。
熱性けいれんの既往がある子ども 過去に熱性けいれんを起こしたことがある子どもでは、予防的に解熱剤を使用することがあります。
適切な使用方法
解熱剤を使用する場合は、以下のポイントに注意しましょう:
使用する解熱剤の選択 インフルエンザの際は、アセトアミノフェンが第一選択となります。商品名では、カロナール、タイレノール、ノーシン(アセトアミノフェン配合)などです。
適切な用量を守る
- 大人:1回300〜500mg、1日最大4,000mgまで
- 子ども:体重1kgあたり10〜15mg、1日最大60mg/kgまで
用量を守り、使用間隔は4〜6時間以上空けるようにします。
むやみに使わない 熱が下がったら使用を中止します。予防的に定期的に飲み続けるのではなく、苦痛が強い時にのみ使用するようにします。
38度台の熱では基本的に使用しない 38度台の熱は体がウイルスと戦っている証拠です。苦痛が我慢できる程度であれば、あえて解熱剤を使用せず、体の免疫反応に任せることも一つの選択肢です。
インフルエンザの正しい対処法
解熱剤に頼るだけでなく、総合的なケアが重要です。
抗インフルエンザ薬の使用
タミフル、リレンザ、イナビル、ゾフルーザなど これらの抗インフルエンザ薬は、ウイルスの増殖を直接抑える効果があります。発症後48時間以内に使用することで、以下の効果が期待できます:
- 発熱期間の短縮(約1日)
- 症状の軽減
- 合併症のリスク低下
ただし、すべての人に必要というわけではなく、以下のような方には特に推奨されます:
- 65歳以上の高齢者
- 乳幼児
- 妊婦
- 基礎疾患のある方
- 免疫不全の方
健康な成人の場合は、医師と相談の上、症状の程度に応じて使用を決定します。
十分な休養
体を休めることが最も重要 インフルエンザは通常、適切な休養を取れば1週間程度で回復します。仕事や学校を休み、十分に体を休めることが何より大切です。
- 最低でも発熱後3〜5日間は安静にする
- 解熱後も2日間程度は無理をしない
- 睡眠を十分にとる
水分補給
こまめな水分摂取 発熱により体の水分が失われるため、こまめな水分補給が必要です。
- 水、お茶、スポーツドリンクなど
- 1時間にコップ1杯程度を目安に
- 食事が取れない場合は、経口補水液も有効
室内環境の調整
適切な温度と湿度
- 室温:20〜23度程度
- 湿度:50〜60%
インフルエンザウイルスは乾燥した環境を好むため、加湿器などで適度な湿度を保つことが重要です。また、定期的な換気も忘れずに行いましょう。
栄養補給
食べられる範囲で栄養を 食欲がない時は無理に食べる必要はありませんが、食べられるようになったら以下のようなものがおすすめです:
- おかゆ、うどん
- ヨーグルト
- 果物(ビタミンC補給)
- スープ
二次感染の予防
家族への配慮 インフルエンザは非常に感染力が強いため、家族への感染を防ぐ配慮も重要です:
- マスクの着用
- こまめな手洗い
- 別室で休む(可能であれば)
- タオルや食器の共用を避ける
- 咳エチケットの徹底
医療機関を受診すべきタイミング
インフルエンザは自宅で療養することが基本ですが、以下のような場合は速やかに医療機関を受診してください。
すぐに受診が必要な症状(救急対応)
意識障害・異常行動
- 呼びかけに反応しない
- 意味不明なことを言う
- 突然走り出すなどの異常行動
これらはインフルエンザ脳症の可能性があります。特に子どもでは注意が必要です。
呼吸困難
- 呼吸が苦しそう
- 呼吸が異常に速い
- 唇や顔色が悪い(チアノーゼ)
肺炎などの合併症の可能性があります。
持続する高熱
- 5日以上高熱が続く
- いったん下がった熱が再び上がる
細菌性の二次感染の可能性があります。
けいれん
- 全身のけいれんが5分以上続く
- けいれんを繰り返す
早めの受診を検討すべき人
以下に該当する方は、症状が軽くても早めに医療機関を受診することをお勧めします:
- 65歳以上の高齢者
- 乳幼児(特に生後6か月未満)
- 妊婦
- 基礎疾患がある方(糖尿病、心臓病、呼吸器疾患、腎臓病など)
- 免疫抑制剤を使用している方
初診のタイミング
発症後すぐの受診は必要か? インフルエンザの迅速検査は、発症後12〜24時間経過しないと正確な結果が出ないことがあります。また、抗インフルエンザ薬は発症後48時間以内の使用が推奨されています。
そのため、明らかにインフルエンザが疑われる症状(急な高熱、全身症状)がある場合は、発症後12時間以降、できれば24時間以内に受診するのが理想的です。
ただし、高齢者や基礎疾患のある方は、早めに受診して医師の判断を仰ぐことが重要です。

よくある質問と回答
A: 市販の総合感冒薬には、様々な成分が含まれています。解熱鎮痛成分として何が含まれているかを必ず確認してください。
アセトアミノフェン配合の製品は使用可能です。商品のパッケージや添付文書で成分を確認しましょう。
イブプロフェンやアスピリンが含まれる製品は、特に子どもの場合は避けた方が安全です。
迷った場合は、薬剤師に相談するか、医療機関を受診することをお勧めします。
A: いいえ、まだ感染力があります。
学校保健安全法では、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」は出席停止とされています。
職場についても、同様の期間は自宅療養することが、本人の回復と周囲への感染拡大防止の観点から推奨されます。
Q3: 予防接種を受けていてもインフルエンザにかかりますか?
A: はい、かかる可能性はあります。
インフルエンザワクチンの効果は、感染を完全に防ぐことではなく、重症化を防ぐことが主な目的です。ワクチンを接種していても感染する可能性はありますが、以下のメリットがあります:
- 重症化のリスクが低減
- 入院のリスクが低減
- 死亡のリスクが低減
特に高齢者や基礎疾患のある方では、ワクチン接種が推奨されます。
Q4: 自然に熱を下げる方法はありますか?
A: いくつかの方法があります:
冷却
- おでこや脇の下、そけい部(太ももの付け根)を冷やす
- 冷却シートの使用
- 氷枕の使用
ただし、これらは一時的な気分改善には役立ちますが、根本的な解熱効果は限定的です。
水分補給 十分な水分を取ることで、体温調節がスムーズになります。
薄着 厚着をして汗をかかせようとするのは逆効果です。適度に薄着にして、体温が自然に放散されるようにします。
Q5: 解熱剤を飲んでも熱が下がらない場合は?
A: 以下の可能性が考えられます:
- 用量が不足している
- 薬が効くまでの時間が必要(通常30分〜1時間)
- インフルエンザ以外の原因がある
- 細菌感染などの合併症がある
解熱剤を適切に使用しても熱が下がらない、または一時的に下がってもすぐに上がる場合は、医療機関を受診してください。
Q6: 家族がインフルエンザになりました。予防方法は?
A: 以下の対策が有効です:
予防内服 医療機関で相談すれば、抗インフルエンザ薬の予防内服が可能な場合があります。ただし、保険適用外となることが多く、全ての人に推奨されるわけではありません。
基本的な感染予防
- こまめな手洗い
- マスクの着用
- 部屋の換気
- 湿度の維持
- 十分な睡眠と栄養
患者との接触を最小限に
- 別室で過ごす
- 看病する人を決める
- タオルや食器を分ける
Q7: 妊娠中にインフルエンザにかかったら?
A: 妊娠中は免疫機能が変化するため、インフルエンザが重症化しやすいとされています。
すぐに産婦人科に連絡 かかりつけの産婦人科に必ず連絡し、受診方法について指示を仰いでください。
治療について
- 抗インフルエンザ薬:妊娠中でも使用可能なものがあります
- 解熱剤:アセトアミノフェンは妊娠中も使用可能です
妊娠中の方は、インフルエンザワクチンの接種が推奨されています。
Q8: インフルエンザA型とB型で対処法は違いますか?
A: 基本的な対処法は同じです。
A型とB型で症状に若干の違いがあると言われていますが(A型の方が高熱が出やすい、B型は消化器症状が出やすいなど)、治療や対処法に大きな違いはありません。
どちらの型でも:
- 適切な休養
- 水分補給
- 必要に応じた抗インフルエンザ薬の使用
- 適切な解熱剤の使用
これらの対処法は共通です。
インフルエンザ予防の基本
最後に、インフルエンザにかからないための予防策についても触れておきます。
ワクチン接種
最も有効な予防法 インフルエンザワクチンの接種は、最も確実な予防法です。
- 接種時期:10月〜12月
- 効果の持続:約5か月間
- 接種後の効果発現:約2週間後
毎年の接種が推奨されます。
日常生活での予防
手洗い・手指消毒 外出後、食事の前など、こまめな手洗いを心がけましょう。
適切な湿度の維持 室内の湿度を50〜60%に保つことで、ウイルスの活動を抑制できます。
十分な休養とバランスの取れた栄養 免疫力を維持するために重要です。
人混みを避ける 流行期には、不要不急の外出を控えることも検討しましょう。
マスクの着用 特に流行期や体調不良時には、マスクの着用が推奨されます。
まとめ:賢い解熱剤の使い方
本記事の内容をまとめます:
インフルエンザで解熱剤を使う際の重要ポイント
- 使ってはいけない解熱剤を知る
- アスピリン(特に15歳未満は禁止)
- ジクロフェナク
- メフェナム酸
- 安全な解熱剤を選ぶ
- 第一選択:アセトアミノフェン
- 医師の指示があれば、イブプロフェンも選択肢
- 必要な時だけ使う
- 38度台で症状が我慢できる場合は使用を控える
- 高熱で苦痛が強い時に適切に使用
- 定期的に飲み続けない
- 解熱剤だけに頼らない
- 十分な休養
- 適切な水分補給
- 必要に応じた抗インフルエンザ薬の使用
- 医師の診察を受ける
- こんな時はすぐに受診
- 意識障害・異常行動
- 呼吸困難
- 5日以上続く高熱
- けいれん
最後に
インフルエンザで「解熱剤を飲まない方がいい」という情報は、正しくは「特定の解熱剤は使ってはいけない」「むやみに使わない方がいい」という意味です。
適切な解熱剤を、必要な時に、正しく使用することが大切です。高熱で苦しい時に我慢する必要はありませんが、体の自然な治癒力を妨げないよう、賢く付き合っていくことが重要です。
不安な時は、自己判断せず、必ず医療機関を受診して医師に相談してください。
参考文献
- 厚生労働省「インフルエンザ(総合ページ)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/index.html - 厚生労働省「インフルエンザ脳症について」
https://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/hourei/2009/09/dl/info0925-01.pdf - 国立感染症研究所「インフルエンザとは」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/a/flu.html - 日本小児科学会「インフルエンザ脳症」
https://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=13 - 日本感染症学会「インフルエンザ診療ガイドライン」
https://www.kansensho.or.jp/guidelines/ - 日本小児救急医学会「インフルエンザ診療における解熱剤の適正使用について」
http://www.jsphcs.jp/ - 厚生労働省「ライ症候群について」
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/08/s0819-6d.html
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断や治療に代わるものではありません。症状がある場合は必ず医療機関を受診してください。
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務