お子さんが手足口病にかかったとき、多くの保護者の方が「プールはいつから入れるの?」「他の子にうつしてしまわないか心配」と悩まれることでしょう。特に夏場は保育園や幼稚園のプール活動、スイミングスクール、レジャー施設のプールなど、水遊びの機会が多い季節です。
手足口病は主に乳幼児に多く見られる感染症で、毎年夏を中心に流行します。発疹があるとプールに入れないというイメージがあるかもしれませんが、実際のところはどうなのでしょうか。
この記事では、アイシークリニック渋谷院の医師が、手足口病とプールの関係について、最新の医学的知見をもとに詳しく解説します。感染のリスク、プールに入れる時期の判断基準、予防方法、よくある疑問まで、保護者の方が知っておくべき情報を網羅的にお伝えします。
📊 【2024-2025シーズン】今年の手足口病の特徴と最新動向
2024年から2025年にかけての手足口病の流行状況には、いくつかの特徴的な傾向が見られています。
📈 2024年の流行パターン
流行時期の変化
- 例年より早い時期(5月下旬)から患者数が増加
- 7月にピークを迎え、8月も高い水準で推移
- 秋以降も散発的な発生が継続
原因ウイルスの傾向
- コクサッキーウイルスA6型による症例が増加
- 従来型(A16型)と比較して発疹の範囲が広い
- 爪の脱落を伴うケースが多く報告されている
重症例の動向
- エンテロウイルス71型による重症例は比較的少ない
- ただし、発熱期間が長引くケースが散見される
- 脱水症状に注意が必要な症例が増加傾向
🦠 手足口病とは?基礎知識を理解する
🔍 手足口病の定義と特徴
手足口病は、主にコクサッキーウイルスA16型やエンテロウイルス71型などのエンテロウイルスによって引き起こされる感染症です。その名前の通り、手のひら、足の裏、口の中に特徴的な水疱性の発疹が現れることから、この名称で呼ばれています。
日本では毎年、主に夏季(6月から8月)を中心に流行し、特に5歳以下の乳幼児が感染者の約90%を占めます。保育園や幼稚園など、子どもたちが集団生活を送る場所で感染が拡大しやすい特徴があります。
🌡️ 主な症状
手足口病の典型的な症状は以下の通りです。
初期症状
- 発熱(37〜38度程度、出ないこともある)
- のどの痛み
- 食欲不振
- 全身のだるさ
特徴的な発疹
- 手のひら、指の間に2〜3mmの水疱や赤い発疹
- 足の裏、足の甲にも同様の発疹
- 口の中(舌、歯茎、頬の内側)に痛みを伴う水疱
- お尻や膝にも発疹が出ることがある
発疹の経過 水疱は通常3〜7日程度で自然に消失します。かさぶたになることは少なく、色素沈着も残りにくいのが特徴です。ただし、発症から1〜2か月後に爪が剥がれることがありますが、これも自然に治ります。
🔄 感染経路
手足口病の感染経路は主に以下の3つです。
1. 飛沫感染
咳やくしゃみ、会話の際に飛び散る唾液などの飛沫を介して感染します。
2. 接触感染
感染者が触れたおもちゃ、ドアノブ、タオルなどを介して感染します。特に水疱の内容物には大量のウイルスが含まれているため、注意が必要です。
3. 糞口感染
感染者の便中にはウイルスが排泄されており、オムツ交換後の手洗いが不十分な場合などに感染することがあります。症状が治まった後も、2〜4週間は便中にウイルスが排泄され続けます。
⏰ 潜伏期間と感染期間
潜伏期間は通常3〜6日です。感染力が最も強いのは発症前後の時期ですが、症状が消失した後も長期間にわたってウイルスを排出し続けることが特徴です。
具体的には:
- 咽頭からのウイルス排出:発症後1〜2週間
- 便中へのウイルス排出:発症後2〜4週間(時には数か月間)
この長期間のウイルス排出が、手足口病の感染対策を難しくしている理由の一つです。
🏊♂️ 手足口病とプールの関係:感染リスクを正しく理解する
💧 プールで手足口病はうつるのか?
多くの保護者の方が最も気になるのが「プールの水を介して手足口病が感染するのか」という点でしょう。結論から言うと、プールの水を介した直接的な感染リスクは低いとされています。
その理由は以下の通りです。
塩素消毒の効果
日本の公共プールやスイミングスクールでは、水質管理のため適切な濃度の塩素による消毒が行われています。この塩素消毒により、プールの水中でウイルスが活性を保つことは困難です。
希釈効果
たとえウイルスがプール水中に放出されたとしても、大量の水で希釈されるため、感染に必要な量のウイルスに曝露する可能性は極めて低くなります。
⚠️ プール施設で感染が起こりやすい理由
しかし、プール施設で手足口病の感染が広がることがあるのも事実です。これはプールの水が原因ではなく、プール環境における接触や飛沫が原因です。
感染リスクが高まる場面
- 更衣室やシャワー室での接触
- 狭い空間での密接な接触
- タオルやロッカーの共有
- 床や椅子などを介した接触感染
- プールサイドでの活動
- おもちゃの共有
- ビート板や浮き輪などの用具の共有
- プールサイドでの会話による飛沫感染
- トイレやオムツ交換施設
- 不十分な手洗い
- 汚染された表面との接触
- 休憩時間の飲食
- 飲食物の共有
- 手洗いが不十分なまま食事をする
つまり、プール施設で感染が広がるのは、子どもたちが密に接触する機会が多い環境であることが主な理由なのです。
🕐 プールにいつから入れる?登園・登校基準を解説
📋 厚生労働省と専門機関の見解
手足口病にかかった後、いつからプールに入れるのかは、多くの保護者の方が悩まれるポイントです。
厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」では、手足口病について以下のように示されています。
出席停止の必要性
手足口病は学校保健安全法で定める出席停止の対象疾患には含まれていません。つまり、法的には登園・登校を制限する必要はないとされています。
その理由
- 症状が治まった後も長期間(2〜4週間)便中にウイルスが排泄される
- すべての感染者を長期間登園停止にすることは現実的ではない
- 症状が軽い場合や不顕性感染(感染しても症状が出ない)の子どもからも感染が広がる
- 発症前からウイルスを排出している
このような特性から、登園や登校を制限することで感染拡大を完全に防ぐことは困難と判断されているのです。
✅ 実際の登園・プール利用の判断基準
厚生労働省のガイドラインでは、出席停止の必要はないとしつつも、以下の条件を満たすことが望ましいとされています。
登園・登校の目安
- 発熱がない
- 普段通りの食事ができる
- 全身状態が良好である
プール利用の判断基準
多くの保育園・幼稚園や医療機関では、以下を目安としています。
- 発熱がない
- 解熱後24〜48時間経過していること
- 解熱剤を使用せずに平熱を保てること
- 口腔内の水疱が改善している
- 食事や水分摂取に支障がない程度に改善
- 痛みがほぼない状態
- 全身状態が良好
- 元気があり、通常の活動ができる
- 機嫌が良く、食欲がある
- 手足の水疱が乾燥している
- 水疱が破れていない、または完全に乾燥している
- 滲出液が出ていない
- 下痢などの消化器症状がない
一般的には、発症後5〜7日程度で上記の条件を満たすことが多いです。ただし、個人差があるため、最終的には医師の診断と、通園・通学先の方針に従うことが重要です。
🏢 施設ごとの対応の違い
実際には、各施設によって対応が異なる場合があります。
保育園・幼稚園
- 多くの施設では独自の基準を設けている
- 「発疹が消えるまで」「発症後1週間」など
- 医師の登園許可証が必要な場合もある
スイミングスクール
- 商業施設は独自の衛生管理基準を持つ
- 「完全に症状が消えるまで」など、より慎重な判断を求められることが多い
公共プール施設
- 一般的な利用規約では「発疹のある人は利用不可」としている場合が多い
必ず事前に各施設の方針を確認し、それに従うことが大切です。
🛡️ 医師が教える:プール利用時の感染予防対策
🚿 プールに入る前の注意点
手足口病の感染拡大を防ぎながら、安全にプールを楽しむためには、以下の対策が重要です。
1. 体調確認の徹底
- 朝の検温を習慣化する
- 発熱や体調不良がある場合は利用を控える
- のどの痛みや口内の違和感がないか確認
2. 発疹の状態チェック
- 水疱が破れていないか確認
- 滲出液が出ている場合は入水を控える
- 手足の発疹が乾燥しているか確認
3. シャワーの徹底
- プール前に必ず全身をシャワーで洗う
- 特に手指、足裏を丁寧に洗う
- 石鹸を使用して洗うことが望ましい
4. 排便後の対応
- トイレ使用後は必ず石鹸で手を洗う
- 乳幼児のオムツは適切に処理する
🏊♀️ プール中の注意事項
1. 用具の使い方
- ビート板や浮き輪などの用具を共有する場合は、使用前後に手洗いをする
- 可能であれば個人専用の用具を持参する
- おもちゃは口に入れない
2. 他の利用者との接触
- 過度な密接接触は避ける
- 咳やくしゃみが出る場合は顔を背ける
- 水を飲み込まないよう注意する
3. 休憩時の行動
- プールサイドで休憩する際も手洗いを心がける
- 飲食前には必ず手を洗う
- タオルの共有は避ける
🧴 プール後のケア
1. シャワーの徹底
- プール後は全身をシャワーでよく洗い流す
- 特に手指、足裏、顔を丁寧に洗う
- 髪の毛も忘れずに洗う
2. うがいの実施
- 水を飲み込んでしまった可能性があるため、うがいをする
- 口の中をよくすすぐ
3. 着替えと手洗い
- 濡れた水着はすぐに脱ぐ
- 着替え後も手洗いを徹底する
- 使用したタオルや水着は家に帰ってから速やかに洗濯する
4. 体調観察
- プール利用後数日間は体調の変化に注意する
- 発熱や発疹が出た場合は早めに医療機関を受診する
🏠 家庭でできる感染予防対策
プールの利用に関わらず、手足口病の流行期には家庭での感染予防対策が重要です。
1. 手洗いの徹底
手洗いは最も基本的で効果的な感染予防策です。
- 外から帰った後
- トイレの後
- 食事の前
- オムツ交換の後
- 鼻をかんだ後
石鹸を使い、流水で30秒以上かけて丁寧に洗いましょう。特に指の間、爪の周り、手首まで忘れずに洗います。
2. タオルの個別使用
- 家族それぞれ専用のタオルを使用する
- 共有タオルは避ける
- タオルは毎日交換し、洗濯する
3. 食器・コップの共有を避ける
- 特に口をつけるものは共有しない
- 食べ物・飲み物の回し飲み、回し食べをしない
4. おもちゃや日用品の消毒
- 子どもが触れる頻度の高いおもちゃは定期的に消毒する
- ドアノブ、リモコン、スイッチなども拭き掃除する
- アルコール消毒や次亜塩素酸ナトリウムが有効
5. 適切なオムツ交換
- オムツは適切に密閉して廃棄する
- 交換後は必ず石鹸で手を洗う
- 交換台やマットも清潔に保つ
なお、子どもの体調管理については「子供の発熱で夜間に慌てないための対処法と受診目安を医師が解説」の記事でも詳しく解説していますので、併せてご参考ください。
⚡ 手足口病の合併症とプール利用の注意点
🚨 重症化リスクと合併症
手足口病は通常、軽症で自然に治癒する疾患ですが、まれに合併症を起こすことがあります。
まれに起こる合併症
- 無菌性髄膜炎
- 頭痛、嘔吐、発熱が主な症状
- エンテロウイルス71型で起こりやすい
- 急性脳炎・脳症
- 意識障害、けいれん、麻痺など
- 緊急の治療が必要
- 心筋炎
- 胸痛、呼吸困難、不整脈など
- 重篤な場合は生命に関わる
- 爪の脱落
- 発症後1〜2か月で爪が剥がれる
- 痛みはほとんどなく、自然に生え変わる
合併症を疑う症状
以下のような症状が見られた場合は、すぐに医療機関を受診してください。
- 高熱が2日以上続く
- 頻回の嘔吐
- 頭痛が強い
- ぐったりしている
- 意識がおかしい
- けいれんを起こした
- 呼吸が苦しそう
- 水分が取れず、ぐったりしている
重篤な症状が現れた場合の対応については、「救急外来に行くべき目安とは?症状別の判断基準と受診前に知っておきたいこと」の記事も参考にしてください。
🏥 合併症がある場合のプール利用
合併症が起きた場合や、重症化した場合は、当然ながらプールの利用は控えるべきです。完全に回復し、医師の許可が出るまでは入水を避けましょう。
また、以下のような基礎疾患がある場合は、より慎重な判断が必要です。
- 免疫不全状態
- 心疾患
- アトピー性皮膚炎など皮膚のバリア機能が低下している状態
- 喘息などの呼吸器疾患
これらの状態では、手足口病が重症化しやすい、または二次感染のリスクが高まる可能性があります。プールの利用については、必ず主治医に相談してください。

📊 手足口病の流行動向と最新情報
📈 日本における手足口病の疫学
手足口病は毎年周期的に流行する感染症です。国立感染症研究所の感染症発生動向調査によると、以下のような傾向が見られます。
流行のパターン
- 主な流行期:6月から8月(夏季)
- ピーク:7月下旬から8月上旬
- 秋以降は減少傾向
- 2〜3年ごとに大きな流行が起こる
年齢別の発生状況
- 5歳以下が約90%を占める
- 特に1〜2歳児が最も多い
- 0歳児、3〜5歳児も一定数発生
- 大人の発症も散発的に見られる
地域差
- 西日本で先に流行が始まり、東日本に広がる傾向
- 都市部で患者数が多い
- 保育施設が多い地域で流行しやすい
🦠 原因ウイルスの変化
手足口病を引き起こすウイルスは、年によって主な原因ウイルスが異なります。
主要な原因ウイルス
- コクサッキーウイルスA16型:最も一般的な原因ウイルス
- エンテロウイルス71型:重症化しやすい
- コクサッキーウイルスA6型:近年増加傾向、広範囲の発疹が特徴
- コクサッキーウイルスA10型:散発的に流行
特に2024年はコクサッキーウイルスA6型による症例が増加しており、従来の手足口病とは異なる特徴を示すケースが多く報告されています。
🌍 国際的な動向
手足口病は世界的に見られる感染症で、特にアジア太平洋地域で流行が頻発しています。
近年の国際的な特徴
- 中国、韓国、台湾などで大規模な流行が発生
- エンテロウイルス71型による重症例の報告が増加
- 新しいウイルス株の出現と拡散
- 成人例の増加傾向
これらの国際的な動向は、日本国内の流行にも影響を与える可能性があるため、継続的な監視が重要です。
🏥 医療機関受診の目安と治療法
🩺 受診が必要な症状
手足口病は多くの場合、自然に治癒する疾患ですが、以下のような症状がある場合は医療機関を受診することをお勧めします。
早急な受診が必要な症状
- 38.5度以上の高熱が2日以上続く
- 水分摂取ができない
- ぐったりして元気がない
- 頻回の嘔吐
- 強い頭痛を訴える
- けいれんを起こした
- 呼吸が苦しそう
- 意識がはっきりしない
通常の受診を検討する症状
- 口の中の痛みで食事や水分が取れない
- 発疹が広範囲に広がっている
- 発疹部分が化膿している
- 3日以上発熱が続く
- 初めて手足口病にかかった場合
微熱が続く場合の対応については、「微熱が1週間続く原因とは?考えられる病気と受診の目安を医師が解説」の記事も参考にしてください。
💊 治療法と対症療法
現在、手足口病に対する特効薬はありません。治療は主に対症療法が中心となります。
発熱に対する対応
- 解熱剤(アセトアミノフェンなど)の使用
- 十分な水分補給
- 安静にする
- 室温を適切に保つ
口腔内の痛みに対する対応
- 冷たい飲み物や食べ物を与える
- 刺激の少ない食事(おかゆ、うどん、ゼリーなど)
- 口腔用の鎮痛剤(医師の処方による)
- こまめな水分補給
皮膚症状に対する対応
- 患部を清潔に保つ
- かきむしらないよう注意する
- 必要に応じて抗ヒスタミン薬の使用
- 二次感染予防のための抗菌薬(医師の判断による)
体調不良時の食事については、「消化にいい食べ物一覧|胃腸に優しい食品・調理法・避けるべき食品を徹底解説」の記事も参考になります。
よくある質問
一般的には発症後5〜7日程度で、以下の条件を満たせばプールに入れることが多いです。
• 発熱がない(解熱後24〜48時間経過)
• 口の中の水疱が改善し、食事が普通にとれる
• 手足の発疹が乾燥している(滲出液が出ていない)
• 全身状態が良好で元気がある
ただし、通園先やプール施設によって基準が異なる場合があるため、必ず事前に確認してください。最終的な判断は医師の診察を受けることをお勧めします。
発疹の状態によります。
【入水できる状態】
• 水疱が乾燥し、かさぶた状になっている
• 滲出液が出ていない
• 痛みや痒みがほとんどない
【入水を控えるべき状態】
• 水疱が破れている、または破れそう
• 滲出液が出ている
• 発疹部分が赤く腫れている
• 痛みや痒みが強い
発疹が残っていても、「入水できる状態」であれば医学的には問題ないとされています。ただし、他の保護者の方の心配を考慮し、施設の方針に従うことが大切です。
はい、適切に管理されたプールの塩素消毒液は、手足口病の原因となるエンテロウイルスに対して有効です。
日本の公共プールやスイミングスクールでは、遊離残留塩素濃度を0.4〜1.0mg/L程度に保つことが推奨されています。この濃度が維持されていれば、プール水中でウイルスが活性を保つことは困難です。
ただし、プールの水が直接的な感染経路ではないとしても、プール施設内での接触感染や飛沫感染のリスクはありますので、総合的な感染対策が必要です。
難しい判断ですが、以下の点を考慮して決定してください。
【入水を控えた方が良い場合】
• 濃厚接触があり、潜伏期間中の可能性が高い
• 軽い発熱や体調不良の兆候がある
• 通園先で流行しており、集団感染のリスクが高い
【入水可能と判断できる場合】
• 発症者との接触から6日以上経過している
• 全く症状がなく元気である
• 通園先の許可が得られている
手足口病は発症前からウイルスを排出しているため、症状のないきょうだいが実は感染していて、他の子に広げてしまう可能性があります。慎重に判断し、不安がある場合は施設に相談することをお勧めします。
2024年から2025年にかけて、以下の点に特に注意が必要です。
【コクサッキーウイルスA6型の増加】
• 発疹が手足以外にも広範囲に出現する
• 水疱が大きく、目立ちやすい
• 爪の脱落が起こりやすい(発症後1〜2か月)
• 回復に時間がかかる場合がある
【プール利用への影響】
• 発疹の範囲が広いため、施設側がより慎重になる傾向
• 完全に発疹が消えるまで時間がかかることがある
• 保護者の不安も大きく、周囲への配慮がより重要
今年の流行株の特徴を踏まえ、より慎重な判断と、十分な回復期間を設けることをお勧めします。
🏊♂️ プール以外の水遊びについて
🌊 海水浴・川遊び・水遊び場の注意点
プール以外の水遊びについても、多くの保護者の方からご質問をいただきます。それぞれの環境における注意点を解説します。
海水浴の場合
- 塩水には天然の殺菌効果があり、ウイルスの感染リスクは低い
- ただし、ビーチでの人との密接な接触には注意が必要
- 海の家やシャワー施設での感染リスクはある
- 日焼けによる皮膚の炎症で発疹が悪化する可能性
川遊びの場合
- 自然の川には塩素消毒がないが、水量が多く希釈効果がある
- 手足に傷がある場合は、他の感染症のリスクもあるため避ける
- 川辺での休憩時の接触感染に注意
- 水質が不明な場合は利用を控える
公園の水遊び場
- 子どもが密集しやすい環境
- 水の循環や消毒が不十分な場合がある
- おもちゃや遊具の共有による接触感染のリスク
- より慎重な判断が必要
いずれの場合も、体調が完全に回復してから利用することが基本です。
👨⚕️ 医師からのアドバイス:安全なプール復帰のために
📝 段階的な復帰プラン
手足口病からの回復後、いきなり長時間のプール活動に戻るのではなく、段階的に復帰することをお勧めします。
復帰の段階
- 第1段階:短時間の入水
- 15〜30分程度の短時間から開始
- 体調の変化を観察
- 発疹部分の状態を確認
- 第2段階:通常時間の半分
- 普段の半分程度の時間
- 激しい運動は控えめに
- 疲労度を確認
- 第3段階:通常の活動
- 問題がなければ通常の活動に戻る
- 継続的な体調観察
🔍 継続的な観察ポイント
プール復帰後も、以下の点を継続的に観察することが重要です。
体調面の観察
- 発熱の有無
- 食欲の状態
- 活動量の変化
- 睡眠の質
皮膚症状の観察
- 発疹の再発や悪化
- 新たな発疹の出現
- 皮膚の乾燥や炎症
- かゆみの有無
その他の症状
- 口の中の状態
- 爪の変化(脱落の兆候)
- 全身の倦怠感
🤝 周囲への配慮
医学的に問題がなくても、周囲の保護者や施設への配慮も重要です。
配慮すべき点
- 施設のルールを遵守する
- 他の保護者の不安に理解を示す
- 必要に応じて医師の診断書を提示する
- 体調に少しでも変化があれば利用を控える
コミュニケーションの重要性
- 保育園・幼稚園との連携
- スイミングスクールのコーチとの相談
- 他の保護者との情報共有
- 医師との継続的な相談
感染症の流行期における体調管理については、「免疫力を高める食べ物ランキング15選|管理栄養士監修の最強食材と食べ方」の記事も参考になります。
📞 緊急時の対応と相談窓口
🚨 緊急受診が必要な症状
手足口病の経過中に以下のような症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。
即座に救急外来を受診すべき症状
- 意識がもうろうとしている
- けいれんを起こした
- 呼吸が苦しそう、呼吸が浅い
- 顔色が悪い(青白い、土気色)
- ぐったりして反応が鈍い
- 水分を全く受け付けない
- 高熱(39度以上)が続く
翌日の受診で良い症状
- 微熱が続いている
- 食欲がない
- 発疹が広がっている
- 口の痛みで食事が困難
- 機嫌が悪い
📱 相談窓口の活用
判断に迷った場合は、以下の相談窓口を活用してください。
小児救急電話相談(#8000)
- 全国共通の短縮番号
- 小児科医師・看護師による電話相談
- 受診の必要性について助言
- 24時間対応(地域により異なる)
かかりつけ医への相談
- 普段の状態を知っている医師への相談
- 診療時間外でも電話相談可能な場合がある
- 継続的なフォローアップ
保健所・保健センター
- 感染症に関する一般的な相談
- 流行状況の情報提供
- 予防対策の指導
📚 参考文献
- 厚生労働省 – 感染症情報
- 国立感染症研究所 – 手足口病とは
- 日本小児科学会 – 小児感染症ガイドライン
- 厚生労働省 – 保育所における感染症対策ガイドライン
- 日本皮膚科学会 – 皮膚感染症診療ガイドライン
🏥 まとめ
手足口病とプールの関係について、医学的な観点から詳しく解説してきました。重要なポイントをまとめると以下の通りです。
プール利用再開の基本原則
- 発熱がなく、全身状態が良好であること
- 口腔内の水疱が改善し、食事が普通にとれること
- 手足の発疹が乾燥していること
- 一般的には発症後5〜7日程度が目安
感染予防の重要性
- プールの水自体よりも、施設内での接触感染に注意
- 手洗い、うがい、シャワーの徹底
- 用具の共有を避ける
- 体調管理の継続
周囲への配慮
- 施設のルールを遵守する
- 他の保護者の不安に理解を示す
- 医師の診断に基づいた判断
- 段階的な復帰を心がける
手足口病は多くの場合、適切な対応により安全にプール活動を再開できます。最も重要なのは、子どもの健康状態を第一に考え、医師の指導のもとで適切な判断を行うことです。
不安や疑問がある場合は、遠慮なく医療機関にご相談ください。アイシークリニック渋谷院では、お子様の健康に関するご相談を随時承っております。
📞 お電話でのご予約・お問い合わせ
0120-335-661
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
2024年は例年と比較して、手足口病の患者さんが早い時期から来院されています。特に6月から7月にかけて、プール開きの時期と重なったため、「いつからプールに入れるか」というご相談が非常に多くありました。今年の特徴として、A6型による広範囲の発疹を呈する患者さんが多く、保護者の方の心配も大きかったように感じます。ただし、適切な時期を見極めれば安全にプール活動を再開できますので、焦らず子どもの回復を待つことが大切です。