粉瘤(ふんりゅう)は、皮膚の下に袋状の構造物ができ、その中に角質や皮脂が溜まってしこりになる良性の腫瘍です。自然に治ることはなく、放置すると徐々に大きくなったり、細菌感染を起こして腫れや痛みを生じたりすることがあります。粉瘤の根本的な治療には手術が必要ですが、その方法のひとつに「くりぬき法(へそ抜き法)」があります。くりぬき法は、従来の切開法に比べて傷跡が小さく、身体への負担も少ない治療法として注目されています。この記事では、アイシークリニック渋谷院の医師監修のもと、粉瘤のくりぬき法のメリットやデメリット、切開法との違い、適応となるケースなどについて詳しく解説します。粉瘤の治療法選びに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- 粉瘤とは?基本的な知識をおさらい
- 粉瘤の治療法の種類
- くりぬき法(へそ抜き法)とは
- 粉瘤のくりぬき法の5つのメリット
- 粉瘤のくりぬき法のデメリット・注意点
- くりぬき法と切開法の違いを比較
- くりぬき法が適応となるケース
- くりぬき法が適応とならないケース
- くりぬき法の手術の流れ
- くりぬき法の術後の経過とケア
- 粉瘤の治療を受けるクリニックの選び方
- よくある質問
- まとめ
- 参考文献
🔍 粉瘤とは?基本的な知識をおさらい
粉瘤は「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」や「アテローム」とも呼ばれる良性の皮膚腫瘍です。皮膚の下に袋状の構造(嚢腫)ができ、本来は皮膚の表面から剥がれ落ちるはずの角質や皮脂がその袋の中に溜まることで、しこりとして触れるようになります。
🔬 粉瘤ができる原因
粉瘤ができる明確な原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関係していると考えられています。
- 毛穴の詰まり
- 外傷
- ウイルス感染
- 体質的な要因
これらがきっかけとなり、皮膚の一部が内側に入り込んで袋状になることで発生すると言われています。年齢や性別を問わず誰にでも発生する可能性があり、身体のどこにでもできますが、特に顔面、首、背中、耳の後ろなどに多く見られます。
📋 粉瘤の特徴と症状
粉瘤は通常、皮膚の表面にドーム状のふくらみとして現れます。
主な特徴:
- 大きさは数ミリ程度から数センチ超までさまざま
- 中央部に黒い点のような開口部(へそ)が見られる
- 通常は痛みを伴わない
- 徐々に大きくなる傾向がある
- 細菌感染時は赤く腫れ、強い痛みを生じる
また、細菌感染を起こすと炎症性粉瘤となり、膿が溜まって自壊(自然に破れる)することもあります。粉瘤を指で押すと、独特の臭いを持つ粥状の内容物が出てくることがありますが、自分で無理に押し出そうとすると感染のリスクが高まるため避けるべきです。
⚠️ 粉瘤は自然に治らない
粉瘤は良性腫瘍であるため、必ずしも治療が必要というわけではありません。しかし、自然に消えることはなく、放置すると少しずつ大きくなっていく傾向があります。
大きくなればなるほど手術時の傷も大きくなり、見た目への影響も増します。また、炎症を繰り返すと周囲の組織との癒着が生じ、手術がより複雑になることもあります。そのため、気になる場合は早めに医療機関を受診し、適切な治療を検討することをおすすめします。
🏥 粉瘤の治療法の種類
粉瘤の根本的な治療は、袋ごと摘出する手術です。内容物だけを取り除いても袋が残っていれば再発するため、完全に治すためには袋(嚢腫壁)を取り除く必要があります。
現在、粉瘤の手術方法として主に行われているのは以下の2つです:
✂️ 切開法(紡錘形切除)
切開法は、従来から行われている標準的な手術方法です。
特徴:
- 粉瘤の上の皮膚を紡錘形(木の葉型)に切開
- 袋ごと腫瘍を摘出
- 確実に袋全体を取り除くことができる
- 再発率が低い
- 傷跡がやや長くなる
- 縫合が必要
- 抜糸のために再度来院が必要
🔄 くりぬき法(へそ抜き法)
くりぬき法は、専用の円筒状のパンチ(トレパン)を使用して、粉瘤の開口部を中心に小さな穴を開け、その穴から袋と内容物を取り出す方法です。
特徴:
- 切開法に比べて傷が小さい
- 縫合が不要または最小限で済む
- 低侵襲な治療法として広く普及
🎯 くりぬき法(へそ抜き法)とは
くりぬき法は、正式には「臍抜き法(へそぬきほう)」と呼ばれ、粉瘤の中央にある開口部(へそ)を中心に、円形のメスである皮膚生検用パンチ(トレパン)で小さな穴を開けて摘出する方法です。
1988年に海外で報告された比較的新しい手術法で、日本では2000年代以降に普及が進みました。
⚙️ くりぬき法の原理
くりぬき法では、直径2〜6mm程度の円筒状のパンチを使用します。
手術の流れ:
- 粉瘤の開口部を含む皮膚をくり抜く
- 内容物を押し出す
- 袋の壁を引っ張り出して摘出
粉瘤の袋は、内容物を出してしまえば比較的小さくなるため、開けた穴よりも大きな粉瘤でも取り出すことが可能です。この方法は、粉瘤の解剖学的特性を利用した合理的な手術法といえます。
🛠️ 使用する器具
くりぬき法で使用する主な器具は、皮膚生検用パンチ(トレパン、バイオプシーパンチとも呼ばれます)です。
パンチの特徴:
- 円筒形の刃がついた器具
- 皮膚に押し当てて回転させることで円形に皮膚を切り取る
- サイズは2mmから8mm程度まで
- 粉瘤の大きさや状態に応じて適切なサイズを選択
- 通常は粉瘤の直径よりも小さいパンチを使用
✨ 粉瘤のくりぬき法の5つのメリット
くりぬき法には、従来の切開法と比較して多くのメリットがあります。ここでは、主な5つのメリットについて詳しく解説します。
1️⃣ 傷跡が小さく目立ちにくい
くりぬき法の最大のメリットは、傷跡が小さいことです。
傷跡の比較例:
- 切開法:直径1cmの粉瘤→1cm以上の線状の傷跡
- くりぬき法:直径1cmの粉瘤→4mm程度の小さな傷
傷が小さいため、治癒後の瘢痕(傷跡)も目立ちにくく、特に顔面や首など露出部にできた粉瘤の治療において大きなメリットとなります。美容面を重視する方や、傷跡を最小限にしたい方に適した治療法です。
2️⃣ 手術時間が短い
くりぬき法は、切開法に比べて手術時間が短いというメリットがあります。
手術工程の違い:
切開法:
- 皮膚の切開
- 腫瘍の剥離・摘出
- 止血
- 縫合
くりぬき法:
- 穴を開ける
- 内容物と袋を取り出す
小さな粉瘤であれば5〜10分程度で終わることも珍しくありません。手術時間が短いことは、患者さんの身体的・精神的負担の軽減につながります。
3️⃣ 縫合が不要または最小限で済む
くりぬき法では、傷が小さいため縫合が不要な場合が多いです。
縫合に関する利点:
- 小さな穴は自然に収縮して閉じる
- 縫合する場合でも1〜2針程度で済む
- 抜糸のための再来院が不要になる可能性
- 忙しい方でも治療を受けやすい
4️⃣ 術後の痛みや腫れが少ない
傷が小さいため、術後の痛みや腫れも切開法に比べて軽度で済むことが多いです。
術後の利点:
- 手術による組織へのダメージが少ない
- 術後の炎症反応も抑制
- 日常生活への影響が少ない
- 手術当日から入浴(シャワー)が可能な場合も
- 痛み止めの服用も必要最小限
- 術後の生活の質を維持しやすい
5️⃣ 炎症性粉瘤にも適応できる場合がある
従来、炎症を起こしている粉瘤(炎症性粉瘤)の場合は、まず切開して膿を排出し、炎症が落ち着いてから改めて袋を摘出する二段階の治療が一般的でした。
しかし、くりぬき法では、炎症の程度にもよりますが、膿の排出と袋の摘出を同時に行える場合があります。
利点:
- 治療回数を減らせる
- 完治までの期間を短縮
※炎症が強い場合は従来通りの二段階治療が必要なこともありますので、医師の判断に従うことが重要です。
⚠️ 粉瘤のくりぬき法のデメリット・注意点
くりぬき法には多くのメリットがありますが、デメリットや注意点も存在します。治療法を選択する際は、これらの点も理解しておくことが大切です。
🔄 再発のリスクがある
くりぬき法の最大のデメリットは、切開法に比べて再発率がやや高いとされていることです。
再発する原因:
- 小さな穴から袋を取り出すため、袋の壁がちぎれる可能性
- 袋の一部が残る可能性
- 残った袋の壁から再び内容物が溜まり始める
ただし、技術の向上により再発率は低下しており、経験豊富な医師が行えば切開法と遜色ない結果が得られることも報告されています。
❌ すべての粉瘤に適応できるわけではない
くりぬき法は、すべての粉瘤に適応できるわけではありません。
適応が難しいケース:
- 非常に大きい粉瘤
- 深部に達している粉瘤
- 周囲の組織と癒着している粉瘤
- 過去に炎症を繰り返している粉瘤
このような場合は、切開法が選択されることになります。
👨⚕️ 医師の技術と経験が重要
くりぬき法は、小さな穴から袋を取り出すという繊細な操作が必要なため、医師の技術と経験が治療結果に大きく影響します。
リスクについて:
- 経験が浅い医師:袋を完全に取り出せない可能性
- 周囲の組織を傷つけるリスク
- この手術法に習熟した医師がいるクリニック選択の重要性
🩹 傷の治りに個人差がある
くりぬき法では縫合しない場合、傷は自然に収縮して閉じていきます。しかし、傷の治り方には個人差があります。
注意点:
- 完全に閉じるまでに時間がかかる方もいる
- ケロイド体質の方:小さな傷でも目立つ瘢痕が残る可能性
- 術後の診察で医師に確認することが大切
🔍 くりぬき法と切開法の違いを比較
くりぬき法と切開法の違いを、さまざまな観点から比較してみましょう。どちらの方法が適しているかは、粉瘤の状態や患者さんの希望によって異なります。
| 比較項目 | くりぬき法 | 切開法 |
|---|---|---|
| 傷の大きさ | 数ミリ程度の小さな円形の傷 | 粉瘤の直径と同程度の線状の傷 |
| 手術時間 | 5〜15分程度 | 15〜30分程度 |
| 縫合の有無 | 不要または1〜2針程度 | 必ず縫合が必要 |
| 再発率 | やや高め(医師の技術に依存) | 低い |
| 術後の痛み | 軽度 | 中程度(適切な鎮痛剤でコントロール可) |
| 適応範囲 | 限定的 | ほぼすべての粉瘤に適応可能 |
📋 選択のポイント
くりぬき法が適している場合:
- 傷跡の目立ちにくさを重視する場合
- 通院回数を減らしたい場合
- 比較的小さな粉瘤
切開法が適している場合:
- 確実な摘出と低い再発率を重視する場合
- 大きな粉瘤や癒着の強い粉瘤
- 重要な神経や血管が近くにある部位
✅ くりぬき法が適応となるケース
くりぬき法は、以下のようなケースに特に適しています。
📏 比較的小さな粉瘤
直径が1〜2cm程度までの小さな粉瘤は、くりぬき法の良い適応です。小さな穴から内容物を押し出し、袋を取り出しやすいためです。
👤 顔面や首など露出部の粉瘤
顔面や首など、傷跡が目立ちやすい部位にできた粉瘤には、傷が小さいくりぬき法が適しています。美容面への影響を最小限に抑えることができます。
🆕 初発の粉瘤
過去に炎症を起こしたことがない、初めてできた粉瘤は、袋の壁がきれいな状態で保たれていることが多く、くりぬき法で摘出しやすいです。
🎯 開口部(へそ)が確認できる粉瘤
粉瘤の中央に開口部(へそ)が確認できる場合、その部分をパンチでくり抜くことで効率よく摘出できます。
💼 その他の適応
- 傷跡を最小限にしたい方:仕事の関係や美容上の理由
- 通院回数を減らしたい方:忙しい方や遠方にお住まいの方
- 手術時間を短縮したい方:身体的・精神的負担を軽減
❌ くりぬき法が適応とならないケース
一方で、以下のようなケースではくりぬき法が適応とならないことがあります。
📐 非常に大きな粉瘤
直径が3cm以上の大きな粉瘤は、くりぬき法では完全に摘出することが難しい場合があります。無理に小さな穴から取り出そうとすると、袋が破れて取り残しが生じるリスクが高まります。
🔥 炎症を繰り返している粉瘤
過去に何度も炎症を起こしている粉瘤は、袋の壁が周囲の組織と強く癒着していることが多いです。このような場合、小さな穴から袋を取り出すことが難しく、切開法が選択されます。
🔽 深部に達している粉瘤
皮膚の深い部分まで達している粉瘤は、くりぬき法では底部まで到達できないことがあります。安全に摘出するためには切開法が適しています。
⚠️ 特殊な部位の粉瘤
- 重要な神経や血管が近くにある部位:慎重な操作が必要
- 視野が確保できる切開法の方が安全:合併症のリスク軽減
🔍 開口部が確認できない粉瘤
粉瘤の中央に開口部(へそ)が確認できない場合は、くりぬき法の利点が活かしにくいことがあります。
🏥 くりぬき法の手術の流れ
くりぬき法による粉瘤摘出手術の一般的な流れをご紹介します。クリニックによって多少異なる場合がありますので、詳細は受診先でご確認ください。
💬 診察・カウンセリング
まず、医師による診察で粉瘤の状態を確認します。
診察内容:
- 大きさの測定
- 深さの評価
- 炎症の有無の確認
- 周囲の組織との関係の把握
- くりぬき法が適応かどうかの判断
患者さんの希望もお聞きした上で、最適な治療法を提案します。手術の方法、メリット・デメリット、リスク、術後の経過などについて詳しく説明を受け、同意した上で手術日を決定します。
🔧 手術当日
手術の流れ:
- 消毒:手術部位の消毒を行う
- 局所麻酔:麻酔を注射(チクッとした痛みあり)
- 麻酔確認:麻酔が効いたことを確認
- パンチング:粉瘤の開口部を中心にパンチで小さな穴を開ける
- 内容物排出:穴から内容物を押し出して排出
- 袋の摘出:袋の壁をピンセットなどで引っ張り出して摘出
- 確認・洗浄:袋が完全に取り出せたことを確認し、傷を洗浄
- 処置完了:縫合または処置終了
穴の大きさ:
- 通常2〜6mm程度
- 粉瘤の大きさによって異なる
- 傷が小さい場合は縫合せずにそのまま
- やや大きい場合は1〜2針縫合
⏱️ 手術時間
- 手術自体:5〜15分程度
- 来院から帰宅まで:30分〜1時間程度
🩺 くりぬき法の術後の経過とケア
手術後は適切なケアを行うことで、傷の治りを促進し、合併症を予防することができます。
📅 術後当日〜数日
手術後は傷口にガーゼやテープを貼って保護します。
術後当日の状態:
- 多少の出血や滲出液(正常な反応)
- 軽度の痛み(処方された鎮痛剤で対応)
- 入浴は シャワー程度にとどめる
- 傷口を濡らさないよう注意
翌日からは傷口を清潔にしながらシャワーを浴びることができる場合が多いですが、医師の指示に従ってください。
📆 術後1〜2週間
経過の特徴:
- 傷は徐々に閉じていく
- 1〜2週間程度で表面が上皮化(皮膚で覆われる)
- 縫合した場合は術後1〜2週間で抜糸
注意事項:
- 激しい運動を避ける
- 飲酒を控える
- 傷口への刺激を避ける
📈 術後1〜3ヶ月
完治に向けた経過:
- 傷は完全に閉じる
- 徐々に目立たなくなっていく
- 最初は赤みがある
- 時間とともに肌色に近づく
- 完全に傷跡が目立たなくなるまで数ヶ月から1年程度
⚠️ 術後の注意点
術後は以下の点に注意してください:
- 傷口を清潔に保つ
- 処方薬の使用:抗生剤や軟膏があれば指示通りに使用
- 刺激を避ける:傷口を強くこすったり、触ったりしない
- 異常時の対応:異常な痛みや腫れ、膿の排出、発熱があれば すぐにクリニックに連絡
🏨 粉瘤の治療を受けるクリニックの選び方
粉瘤の治療、特にくりぬき法を受ける際は、クリニック選びが重要です。以下のポイントを参考にしてください。
👨⚕️ 粉瘤治療の経験が豊富か
粉瘤の手術は、経験と技術が結果に大きく影響します。
確認ポイント:
- 粉瘤治療の症例数が多い
- くりぬき法に習熟した医師がいる
- 袋を完全に取り出す技術を持っている
💬 十分な説明があるか
治療法のメリット・デメリット、リスク、術後の経過などについて、丁寧に説明してくれるクリニックを選びましょう。
良いクリニックの特徴:
- 質問に対して分かりやすく答えてくれる
- 患者さんの不安に寄り添う姿勢
- インフォームドコンセントが充実
🔄 複数の治療法に対応しているか
くりぬき法と切開法の両方に対応しているクリニックであれば、粉瘤の状態に応じて最適な方法を選択できます。
注意点:
- 一つの方法しか行っていないクリニックのリスク
- 適応外の症例でも無理にその方法で治療しようとする可能性
🔄 術後のフォローが充実しているか
重要なポイント:
- 手術後の経過観察がしっかりしている
- 万が一の合併症への対応体制
- 術後に気になることがあればすぐに相談できる体制
🚇 通いやすさ
術後の経過観察のため、複数回の通院が必要になることがあります。
アクセスの良いクリニック選びのメリット:
- 自宅や職場から通いやすい
- 継続的な通院がしやすい
- 緊急時にも対応しやすい
アイシークリニック渋谷院は、渋谷駅から徒歩圏内にあり、粉瘤治療の経験が豊富な医師が在籍しています。くりぬき法をご希望の方は、ぜひご相談ください。

❓ よくある質問
手術は局所麻酔を行ってから実施するため、手術中の痛みはほとんどありません。麻酔の注射時にチクッとした痛みを感じることがありますが、細い針を使用するなどの工夫で痛みを軽減しています。術後は軽度の痛みが出ることがありますが、鎮痛剤で十分にコントロールできる程度です。
粉瘤の摘出手術は健康保険が適用されます。くりぬき法の場合、3割負担で5,000円〜15,000円程度が目安となります。粉瘤の大きさや部位、処置の内容によって費用は異なりますので、詳しくは受診時にお尋ねください。初診料や検査費用、処方薬の費用が別途かかる場合があります。
デスクワークなど身体を動かさない仕事であれば、手術当日や翌日から可能な場合が多いです。ただし、重いものを持つ仕事や激しく身体を動かす仕事は、傷の部位によっては1週間程度控えた方がよいこともあります。顔面の手術後は、ガーゼやテープが目立つことがありますので、仕事の内容に応じて手術日を調整することをおすすめします。
万が一再発した場合は、再度手術を行うことで治療できます。再発時は、最初の手術で取り残した袋の壁から新たに粉瘤ができている状態です。再発した粉瘤の状態によって、再びくりぬき法で対応できる場合と、切開法が必要になる場合があります。いずれにしても、再度摘出することで完治を目指すことができます。
粉瘤を自分で潰したり、中身を押し出したりすることは避けてください。無理に押し出そうとすると、袋が破れて内容物が周囲の組織に漏れ出し、強い炎症を引き起こす可能性があります。また、不衛生な状態で行うと細菌感染を起こすリスクもあります。内容物を出しても袋は残っているため、必ず再び溜まってきます。根本的に治すためには、医療機関で袋ごと摘出する必要があります。
くりぬき法の傷跡は、使用するパンチのサイズにもよりますが、2〜6mm程度の小さな丸い傷になります。最初は赤みがありますが、時間とともに徐々に目立たなくなり、多くの場合は半年から1年程度で肌に馴染んでほとんど分からなくなります。ただし、傷の治り方には個人差があり、ケロイド体質の方は傷跡が目立ちやすいことがあります。
📝 まとめ
粉瘤のくりぬき法は、傷跡が小さく、手術時間が短く、身体への負担が少ない治療法です。
くりぬき法の主な利点:
- 特に顔面や首など傷跡が気になる部位の粉瘤に適している
- 通院回数を減らしたい方に適している
- 美容面でのメリットが大きい
重要な注意点:
- すべての粉瘤に適応できるわけではない
- 大きな粉瘤や癒着の強い粉瘤には切開法が適している
- 再発のリスクを最小限に抑えるには経験豊富な医師に依頼することが重要
粉瘤でお悩みの方は、まずは専門の医療機関を受診し、ご自身の粉瘤の状態に最適な治療法について相談されることをおすすめします。
アイシークリニック渋谷院では、くりぬき法と切開法の両方に対応しており、患者さん一人ひとりの状態やご希望に合わせた治療をご提案しています。粉瘤の治療についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
📚 参考文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
医師・当院治療責任者
粉瘤の治療法選択は、大きさや部位、患者さんのライフスタイルを総合的に考慮することが大切です。くりぬき法は美容面でのメリットが大きいですが、すべての症例に適応できるわけではありません。当院では、患者さん一人ひとりの状態を丁寧に診察し、最適な治療法をご提案いたします。