ふと耳の後ろに触れたとき、見慣れないしこりを発見して不安になった経験はありませんか。耳の裏は普段あまり意識しない部位ですが、実はさまざまな原因でしこりができやすい場所です。
しこりの正体は、粉瘤(ふんりゅう)や脂肪腫のような良性の腫瘍であることが多い一方、リンパ節の腫れや、まれに悪性の病気が隠れていることもあります。しこりの硬さや大きさ、痛みの有無によって原因はさまざまで、適切な対処法も異なります。
本記事では、耳の裏にできるしこりの主な原因や特徴、自宅でできるセルフチェックの方法、そして医療機関を受診すべき目安について詳しく解説します。「このしこりは放っておいても大丈夫?」「何科を受診すればいい?」といった疑問にお答えしますので、耳の裏のしこりが気になっている方はぜひ参考にしてください。
目次
- 耳の裏にしこりができる主な原因と構造
- 良性皮膚腫瘍の特徴と治療
- 感染性疾患によるしこりと対処法
- その他の原因と悪性疾患の可能性
- しこりのセルフチェックと受診の目安
- 診療科の選択と治療・予防法
- よくある質問
- まとめ
この記事のポイント
耳の裏のしこりは粉瘤・脂肪腫などの良性腫瘍やリンパ節炎が主な原因だが、まれに悪性腫瘍の場合もある。2週間以上持続・急速な増大・硬く動かないしこりは早期受診が必要で、アイシークリニックでは日帰り手術に対応している。
🔍 耳の裏にしこりができた!考えられる原因と基本構造
🫥 耳の裏の構造について
耳の裏(耳介後部)は、頭蓋骨の一部である側頭骨に覆われた領域です。この部位には以下のような構造が存在しています。
まず、乳様突起(にゅうようとっき)と呼ばれる骨の突出部があります。乳様突起は耳の後ろで触れることができる硬い骨で、その内部には乳突蜂巣(にゅうとつほうそう)と呼ばれる蜂の巣状の空洞構造があります。この空洞は中耳とつながっており、中耳炎が悪化すると炎症が波及することがあります。
また、耳の周囲にはリンパ節が豊富に存在しています。耳介後リンパ節(後耳介リンパ節)や乳様突起周囲リンパ節などがあり、風邪や感染症の際にこれらのリンパ節が腫れてしこりとして触れることがあります。
さらに、耳の裏の皮膚には皮脂腺や毛包が存在し、これらの構造から粉瘤や脂肪腫といった良性腫瘍が発生することがあります。耳の後ろは皮膚が薄く、マスクのひもやメガネのつるなどによる外的刺激を受けやすい部位でもあるため、近年はこうしたしこりができる方が増加傾向にあるといわれています。
📝 主な原因の分類
耳の裏にできるしこりには、さまざまな原因が考えられます。代表的なものとして以下が挙げられます。
- 良性の皮膚腫瘍:粉瘤(アテローム)、脂肪腫
- 感染や炎症:リンパ節炎、乳様突起炎
- その他:先天性嚢胞、耳下腺腫瘍、副耳など
- まれに:悪性リンパ腫、がんのリンパ節転移
良性の皮膚腫瘍としては、粉瘤(アテローム)と脂肪腫が最も一般的です。粉瘤は皮膚の下に袋状の構造ができ、その中に角質や皮脂がたまったもので、耳の後ろは特にできやすい部位の一つです。脂肪腫は脂肪細胞が増殖してできる柔らかいしこりで、通常は痛みを伴いません。
感染や炎症によるしこりとしては、リンパ節炎と乳様突起炎が代表的です。リンパ節炎は風邪や中耳炎、咽頭炎などの感染症に反応してリンパ節が腫れるもので、触ると痛みを感じることが多いです。乳様突起炎は急性中耳炎の合併症として起こり、耳の後ろの骨に炎症が及んだ状態です。
その他の原因としては、先天性の嚢胞(のうほう)や耳下腺腫瘍、副耳(ふくじ)などがあります。また、まれではありますが、悪性リンパ腫やがんのリンパ節転移によってしこりができることもあるため、注意が必要です。
しこりの原因を正確に特定するには医療機関での診察が必要ですが、しこりの特徴を知ることで、ある程度の目安をつけることができます。
Q. 耳の裏にしこりができる主な原因は何ですか?
耳の裏にできるしこりの主な原因は、粉瘤(アテローム)や脂肪腫などの良性皮膚腫瘍、風邪や中耳炎に伴うリンパ節炎、急性中耳炎の合併症である乳様突起炎などです。まれに悪性リンパ腫やがんのリンパ節転移が原因となることもあるため、原因特定には医師の診察が必要です。
💧 良性皮膚腫瘍の特徴と治療
📋 粉瘤(アテローム)の特徴
粉瘤は、皮膚科で最も診察する機会の多い皮膚腫瘍の一つです。アテロームや表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)とも呼ばれ、皮膚の内側に袋状の構造物ができ、本来であれば皮膚から剥がれ落ちるはずの垢(角質)や皮脂がその袋の中にたまることで形成されます。
- 大きさ:数ミリメートルから数センチメートルまでさまざま
- 形状:半球状に盛り上がったしこり
- 目印:中央部に黒い点(開口部・ヘソ)が見られることが特徴
- 痛み:初期は無痛
- 色:肌色または白っぽい色
- 動き:皮膚の下で動くことがある
- 感触:押すと少し弾力を感じる
この黒い点は毛穴が詰まった部分で、粉瘤の目印となります。
🧈 脂肪腫の特徴
脂肪腫は、皮膚の下で脂肪細胞が増殖してできる良性腫瘍です。いわゆる「脂肪のかたまり」と呼ばれるもので、皮下にできる良性腫瘍の中では最も頻度が高いとされています。
- 感触:柔らかく、弾力のあるしこり
- 形状:皮膚の下でボールのように膨らんでいる
- 動き:押すと皮膚の下で動く(可動性がある)
- 大きさ:1センチメートル程度〜10センチメートル以上まで様々
- 痛み:通常は痛みを伴わない
- 色:皮膚の色は正常なまま
⚠️ 粉瘤の炎症と治療法
粉瘤は良性腫瘍であり、通常は無症状です。しかし、何らかの原因で炎症を起こすと、状況は一変します。
炎症を起こした粉瘤は「炎症性粉瘤」と呼ばれ、以下のような症状が現れます:
- 表面が赤く腫れて痛みを伴う
- しこりの内容物がドロドロの膿状になる
- 嚢腫が破裂して独特の悪臭を放つ内容物が排出される
- 周囲の組織に炎症が広がる
炎症性粉瘤は放置すると症状が悪化するため、早めの治療が推奨されます。炎症を起こした粉瘤の対処法については、粉瘤が炎症を起こしたときの対処法|原因と治療の流れを医師が解説で詳しく解説しています。
✂️ 手術による治療
粉瘤は袋状の構造が残っている限り、自然に治ることはありません。ニキビと混同されることがありますが、ニキビは毛穴が詰まったものであるのに対し、粉瘤は袋状になった腫瘍です。
中身を押し出しても袋が残っていれば再び内容物がたまり、しこりは消えません。根本的に治すには、袋ごと切除する手術が必要です。
Q. 粉瘤と脂肪腫の見分け方を教えてください。
粉瘤は半球状に盛り上がり、中央に黒い点(開口部)が見られるのが特徴で、押すと弾力があります。一方、脂肪腫は柔らかくボールのように膨らみ、黒い点はなく、皮膚の下でよく動きます。どちらも通常は無痛ですが、正確な鑑別には医師による診察が必要です。
🩸 感染性疾患によるしこりと対処法
📝 リンパ節炎の特徴と症状
リンパ節は全身に存在する免疫器官で、細菌やウイルスなどの病原体から体を守る役割を担っています。耳の周囲には多くのリンパ節が集まっており、感染症や炎症に反応して腫れることがあります。
リンパ節が炎症を起こして腫れた状態をリンパ節炎といいます。耳の後ろにあるリンパ節(後耳介リンパ節、乳様突起周囲リンパ節など)が腫れると、しこりとして触れるようになります。
- 痛み:触ると痛みを感じることが多い
- 硬さ:比較的硬く、コリコリとした感触
- 伴う症状:風邪や中耳炎、咽頭炎など他の感染症状
- 発熱:発熱を伴うことがある
- 大きさ:通常は1センチメートルから2センチメートル程度
🦴 乳様突起炎の症状と治療
乳様突起炎は、耳の後ろにある乳様突起という骨に細菌感染が及んだ状態です。急性中耳炎の合併症として起こることが多く、適切な治療を行わないと重篤な合併症につながる可能性がある疾患です。
乳様突起炎は、急性中耳炎の発症後数日から数週間で症状が現れ始めます。主な症状として以下のものが挙げられます:
- 耳の後ろの発赤と腫脹(触ると痛みを感じる)
- 耳介(耳たぶ)が前方または外側下方に押し出されたような状態(耳介聳立)
- 高熱
- 持続的でズキズキとした耳痛
- 耳から膿性の耳だれ(耳漏)
- 難聴
💊 治療方法
原因となる感染症の治療が基本です。
- 細菌感染が原因:抗菌薬の内服や点滴
- ウイルス感染が原因:対症療法(解熱鎮痛薬など)で様子を見る
- 原因となる感染症が治癒すれば、リンパ節の腫れも通常1週間から2週間で改善
基本的には入院治療が必要となります。
- 抗菌薬の点滴投与が中心
- 鼓膜を切開して中耳の膿を排出させる処置
- 点滴治療で改善が見込めない場合や膿瘍が形成されている場合:耳の後ろを切開して膿を出す手術(乳様突起削開術)が必要
⚠️ 注意が必要なリンパ節の腫れ
リンパ節の腫れの多くは感染症によるもので、原因となる病気が治れば改善します。しかし、以下のような場合は注意が必要です:
- 2週間以上経っても腫れが引かない
- しこりが徐々に大きくなっている
- しこりが2センチメートル以上ある
- しこりが硬く動きにくい
- 痛みがなく無症状で腫れている
- 発熱や体重減少、寝汗などの全身症状を伴う
このような場合は、悪性リンパ腫やがんの転移など、より深刻な病気が隠れている可能性があるため、早めに医療機関を受診することが重要です。
🎭 その他の原因と悪性疾患の可能性
🫧 先天性嚢胞と耳下腺腫瘍
耳の裏のしこりの原因として、粉瘤、脂肪腫、リンパ節炎、乳様突起炎以外にも、以下のようなものが考えられます。
嚢胞とは、液体の入った袋状の構造物のことです。耳の周囲には先天性の嚢胞が発生することがあります。
- 感触:柔らかく、内部に液体が入っているため波動を感じる
- 症状:通常は無症状(感染を起こすと痛みや腫れ)
- 粉瘤との違い:内容物が液体、皮膚表面に黒い点がない、悪臭を伴う膿の排出がない
耳下腺は耳の下から後ろにかけて存在する唾液腺で、ここに腫瘍が発生することがあります。耳下腺腫瘍の多くは良性(多形腺腫など)ですが、まれに悪性のものもあります。
👂 副耳と先天性形態異常
副耳は生まれつき耳の周辺にできる小さな皮膚突起で、先天性の形態異常の一種です。耳の前や後ろにイボのように存在し、通常は無症状です。
副耳が炎症を起こすと腫れてしこりのように感じられることがあり、粉瘤と間違えられることがあります。
🚨 悪性腫瘍の可能性
まれではありますが、耳の後ろのしこりが悪性腫瘍である可能性もあります。
悪性リンパ腫は、リンパ球ががん化する病気で、リンパ節が腫れてしこりとして触れることがあります。特徴として:
- 痛みがない
- 硬く、動きにくい
- 時間とともに大きくなる
また、他の部位に発生したがんがリンパ節に転移して、しこりを形成することもあります。口腔がんや咽頭がん、甲状腺がんなどの頭頸部のがんが、耳の後ろのリンパ節に転移することがあります。
🎗️ 悪性腫瘍の治療法
- 悪性リンパ腫やがんの転移が原因の場合
- 腫瘍の種類や進行度に応じて:
- 化学療法(抗がん剤)
- 放射線療法
- 手術
- 血液内科や腫瘍内科、頭頸部外科などでの専門的な治療が必要
Q. 耳の裏のしこりで緊急受診が必要な症状は?
耳の後ろが赤く腫れて高熱がある、耳介が前方に押し出されている、激しい耳痛と大量の耳だれがある、顔面が動きにくいといった症状は、乳様突起炎やその合併症が疑われるため、すぐに医療機関を受診してください。これらは迅速な治療が必要な緊急性の高い状態です。
🔍 しこりのセルフチェックと受診の目安
📋 セルフチェックの方法
耳の裏にしこりを見つけた場合、以下のポイントをセルフチェックしてみましょう。ただし、これはあくまで目安であり、正確な診断には医師の診察が必要です。
- 柔らかく弾力がある:脂肪腫の可能性
- やや硬く、コリコリとしている:粉瘤やリンパ節炎の可能性
- 非常に硬く、石のような感触:悪性腫瘍の可能性も考えられるため、早めの受診が推奨
- 皮膚の下で動く(可動性がある):脂肪腫や粉瘤の可能性
- 周囲の組織にくっついて動かない:悪性腫瘍やリンパ節転移の可能性
- 痛みがない:粉瘤、脂肪腫、悪性腫瘍などの可能性
- 押すと痛む:リンパ節炎や乳様突起炎、炎症を起こした粉瘤の可能性
- 中央に黒い点がある:粉瘤の可能性が高い
- 皮膚が赤く腫れている:炎症を起こしている状態
- 皮膚の色が正常:脂肪腫や初期の粉瘤などが考えられる
⏰ 早めに受診すべき場合
耳の裏のしこりの多くは良性で、すぐに治療が必要ないこともあります。しかし、以下のような特徴がある場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
- しこりが急速に大きくなっている:数週間から数カ月で目に見えて大きくなっている場合は、悪性腫瘍の可能性も考えられます
- しこりが2センチメートル以上ある:検査を受けることが推奨されます
- しこりが硬く、周囲の組織と癒着して動かない:悪性疾患の可能性があります
- 痛みが強い、または発熱を伴う:感染症が進行している可能性があります(特に乳様突起炎が疑われる場合は緊急性が高い)
- 2週間以上経ってもしこりが小さくならない:原因を特定するために受診が必要です
- 耳の痛みや聴力低下を伴う:中耳炎や乳様突起炎の可能性があります
- 全身症状(倦怠感、体重減少、寝汗など)を伴う:悪性リンパ腫などの全身性疾患の可能性があります
🚑 緊急に受診すべき場合
以下の症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
- 耳の後ろが赤く腫れて高熱がある
- 耳介が前方に押し出されている
- 激しい耳痛と大量の耳だれがある
- 顔の動きに異常がある(顔面神経麻痺の疑い)
- 意識がもうろうとするなどの神経症状がある
これらは乳様突起炎やその合併症が疑われる症状であり、迅速な治療が必要です。
🏥 診療科の選択と治療・予防法
🩺 受診する診療科の選び方
耳の裏にしこりができた場合、原因によって適切な診療科が異なります。
- しこりに痛みがない場合:粉瘤や脂肪腫などの皮膚腫瘍の可能性が高い→皮膚科・形成外科
- 皮膚に赤みや腫れ、膿がある場合:炎症性粉瘤などの皮膚トラブル→皮膚科・形成外科
- しこりに痛みがある場合:リンパ節炎や乳様突起炎の可能性→耳鼻咽喉科
- 風邪症状やのどの痛み、耳の痛みを伴う場合:感染症関連の可能性→耳鼻咽喉科
- しこりが硬く長期間変化しない場合:悪性疾患の可能性も考えられるため検査が必要→耳鼻咽喉科
どの診療科を受診すべきかわからない場合は、まず耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。
🔬 検査方法と治療オプション
耳の裏のしこりの原因を特定するために、以下のような検査が行われることがあります。
- 問診・視診・触診:しこりがいつからあるのか、大きさの変化、痛みの有無、他の症状があるかどうか
- 超音波検査(エコー検査):痛みがなく、しこりの内部構造を詳しく観察できる
- 血液検査:感染症が疑われる場合は白血球数や炎症反応(CRP)を調査
- CT検査・MRI検査:しこりが大きい場合、周囲の組織への広がりを評価する必要がある場合
- 細胞診・組織検査:しこりの性質が不明な場合、悪性腫瘍が疑われる場合
多くの場合、問診・視診・触診の段階である程度の診断がつきます。
💡 日常生活での注意点と予防法
耳の裏のしこりを予防し、悪化を防ぐために、日常生活で以下の点に気をつけましょう。
- しこりをむやみに触らない:何度も触ったり、押したり、潰そうとしたりすると炎症を悪化させる原因に
- 耳の周囲を清潔に保つ:入浴時に耳の後ろを丁寧に洗い、清潔を保つ
- マスクやメガネによる刺激を軽減する:マスクのサイズを見直したり、耳への負担を軽減するアイテムを使用
- 中耳炎は最後まで治療する:乳様突起炎を予防するため、中耳炎を発症した場合は最後まで治療
- 免疫力を維持する:バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動、規則正しい生活習慣
特に粉瘤は自分で潰すと細菌感染を起こしやすくなり、炎症性粉瘤に進行する恐れがあるため、気になるしこりがあってもむやみに触らず、医療機関で診てもらうことが重要です。
免疫力を高める食べ物については、免疫力を高める食べ物ランキング15選|管理栄養士監修の最強食材と食べ方で詳しく解説しています。

Q. 耳の裏の粉瘤はどのように治療しますか?
粉瘤は袋状の構造が残る限り自然治癒しないため、根本的な治療には袋ごと切除する手術が必要です。手術は局所麻酔で行われ、手術中の痛みはほとんどありません。健康保険が適用され、3割負担の場合の費用は約7,000円〜14,000円程度です。アイシークリニックでは日帰り手術にも対応しています。
❓ よくある質問
痛みのないしこりであっても、自然に消えることは少ないです。粉瘤や脂肪腫は放置すると徐々に大きくなることがあり、大きくなってから手術すると傷跡も大きくなります。
また、まれに悪性腫瘍の可能性もあるため、気になるしこりがあれば一度医療機関で診てもらうことをおすすめします。
自分でしこりを潰そうとするのは避けてください。細菌感染を起こして炎症が悪化したり、完全に取り除けずに再発したりする原因になります。
特に粉瘤は袋状の構造を完全に取り除かないと再発するため、自己処置では根本的な解決にはなりません。
子どもは風邪などの感染症にかかりやすく、それに伴ってリンパ節が腫れることがよくあります。多くの場合は感染症の回復とともに自然に小さくなります。
ただし、発熱や耳の痛み、耳だれを伴う場合は乳様突起炎の可能性もあるため、早めに小児科や耳鼻咽喉科を受診してください。
粉瘤の手術は局所麻酔で行われるため、手術中の痛みはほとんどありません。麻酔の注射を刺すときにチクッとした痛みがありますが、麻酔が効いてしまえば痛みは感じません。
手術後は麻酔が切れると多少の痛みがありますが、処方される鎮痛薬で対処できる程度です。
粉瘤や脂肪腫の手術は健康保険が適用されます。3割負担の場合、手術費用は大きさや部位によって異なりますが:
粉瘤:約7,000円から14,000円程度
脂肪腫:約1万円から2万円程度
これに初診料や検査費用、薬代などが加わります。詳しくは受診する医療機関でお尋ねください。
はい、複数のしこりができることがあります。多発性脂肪腫症の場合は体の複数箇所に脂肪腫ができ、粉瘤も体質的に複数できやすい方がいます。
また、感染症の際は複数のリンパ節が同時に腫れることもあります。複数のしこりがある場合も、一度医療機関で診察を受けることをおすすめします。
マスクのひもによる慢性的な刺激が原因で粉瘤ができる可能性があります。特に長時間のマスク着用が日常的になった近年、耳の後ろの粉瘤が増加傾向にあります。
マスクのサイズを見直したり、耳への負担を軽減するアイテムを使用したりすることで予防できます。
📝 まとめ
耳の裏にできるしこりには、粉瘤、脂肪腫、リンパ節炎、乳様突起炎など、さまざまな原因が考えられます。
しこりの特徴を観察することで、ある程度の原因の推測は可能ですが、正確な診断には医師の診察が必要です。特に以下のような場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
- しこりが急速に大きくなっている場合
- しこりが硬く動かない場合
- 強い痛みや発熱を伴う場合
- 2週間以上経っても改善しない場合
- 耳の痛みや聴力低下がある場合
多くのしこりは良性であり、適切な治療を受ければ改善します。気になるしこりを見つけたら、自己判断せずに専門医に相談することで、安心を得ることができます。
アイシークリニック渋谷院では、粉瘤や脂肪腫などの皮膚腫瘍に対して、経験豊富な専門医による日帰り手術を行っています。患者様の不安や悩みに寄り添いながら、できるだけ傷跡が目立たない治療をご提供いたします。耳の裏のしこりでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
粉瘤の日帰り手術について詳しくは、粉瘤の日帰り手術とは?手術の流れや費用・術後の過ごし方を詳しく解説をご覧ください。
📚 参考文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
粉瘤は見た目や症状がニキビと似ているため、セルフケアで治そうとする方がいらっしゃいます。しかし、粉瘤は袋状の構造を持つ腫瘍であり、中身を押し出しても袋が残っている限り再発します。また、無理に潰すと炎症を起こして治療が困難になることもあります。「なかなか治らないニキビ」があれば、一度皮膚科での診察をお勧めします。