突然皮膚が赤く盛り上がり、強いかゆみを伴う蕁麻疹(じんましん)。多くの人が一生に一度は経験するといわれるほど身近な皮膚疾患ですが、「市販薬では治まらない」「繰り返し出てしまう」と悩んでいる方も少なくありません。蕁麻疹の治療には、医師が処方する薬が非常に有効です。内服薬(飲み薬)が中心になることが多いですが、塗り薬が使われるケースもあります。本記事では、蕁麻疹に対して処方される薬の種類や特徴、塗り薬の役割について詳しく解説します。
目次
- 蕁麻疹とはどんな病気か
- 蕁麻疹の主な原因とタイプ
- 蕁麻疹の治療の基本的な考え方
- 蕁麻疹に処方される内服薬(飲み薬)の種類
- 蕁麻疹に塗り薬は効果的か
- 処方される塗り薬の種類と特徴
- 重症蕁麻疹に対する注射薬・点滴治療
- 処方薬と市販薬の違い
- 薬を使う際の注意点と副作用
- 蕁麻疹で受診すべき診療科・タイミング
- まとめ
この記事のポイント
蕁麻疹の治療は第2世代抗ヒスタミン薬の内服が中心で、塗り薬は補助的役割にとどまる。難治性慢性蕁麻疹にはオマリズマブも有効。アイシークリニックでは症状・生活習慣に応じた処方を行っている。
🎯 蕁麻疹とはどんな病気か
蕁麻疹は、皮膚の一部が突然赤く盛り上がり(膨疹)、強いかゆみを伴う皮膚疾患です。蚊に刺されたときのような「ミミズ腫れ」が体のさまざまな部位に現れるのが特徴で、数分から数時間で消えることが多いです。ただし、同じ場所または別の場所に繰り返し出てくることがあります。
症状の持続期間によって、急性蕁麻疹と慢性蕁麻疹に分類されます。急性蕁麻疹は症状が6週間以内に治まるものを指し、食べ物や薬、感染症などが引き金になることが多いです。一方、慢性蕁麻疹は症状が6週間以上続くもので、原因が特定できないケースも多く、長期にわたって治療が必要になることがあります。
蕁麻疹が起こるメカニズムとしては、皮膚の肥満細胞(マスト細胞)からヒスタミンをはじめとした化学物質が放出されることが関係しています。これらの物質が血管を拡張させたり、神経を刺激したりすることで、赤みやかゆみ、腫れが生じます。
Q. 蕁麻疹の治療で内服薬が中心になる理由は?
蕁麻疹は皮膚の深部にある肥満細胞から放出されるヒスタミンが原因です。表面に塗り薬を使うだけでは内部の反応にアプローチしにくく、また膨疹が全身のさまざまな部位に移動することが多いため、全身に作用する内服薬の方が効率的に症状をコントロールできます。
📋 蕁麻疹の主な原因とタイプ
蕁麻疹の原因は非常に多岐にわたります。大きく分けると、アレルギー性と非アレルギー性に分類されます。
アレルギー性の蕁麻疹は、特定の食べ物(えび、かに、小麦、卵など)、薬(抗生物質、解熱鎮痛薬など)、動物の毛や昆虫の刺傷などがアレルゲンとなって起こります。アレルギー反応を介するため、比較的原因が特定しやすいのが特徴です。
非アレルギー性の蕁麻疹には、物理的刺激によるもの(圧力、寒冷、温熱、日光など)、ストレスや疲労、感染症、内臓疾患などが関係するものがあります。このうち、特定の原因が見つからない「特発性蕁麻疹」が慢性蕁麻疹の多くを占めており、治療が長期化しやすいとされています。
また、「コリン性蕁麻疹」と呼ばれるタイプは、運動や入浴、緊張などによって体温が上がったときに発症します。若い世代に多く、小さな膨疹が多数できるのが特徴です。こうしたタイプ別の特徴を把握した上で、適切な処方薬を選ぶことが治療の鍵となります。
💊 蕁麻疹の治療の基本的な考え方
蕁麻疹の治療において最も重要なのは、原因となっているものを取り除くことです。アレルギー性の場合はアレルゲンを避けることが優先されますが、慢性蕁麻疹や原因が特定できない場合には、薬物療法が中心となります。
日本皮膚科学会が作成した「蕁麻疹診療ガイドライン」では、抗ヒスタミン薬(第2世代)の内服が第一選択治療として推奨されています。これはヒスタミンの作用を抑えることで、かゆみや赤み、膨疹を和らげる治療法です。
治療のステップとしては、まず抗ヒスタミン薬を単剤で使用し、効果が不十分な場合は増量や他の薬との組み合わせを検討します。それでも改善が見られない難治性の場合には、生物学的製剤などより強力な治療薬が選択されることもあります。
治療の目標は症状をゼロにすることだけでなく、日常生活への支障を最小限にすることでもあります。慢性蕁麻疹では、症状がコントロールできたとしても、薬を急にやめると再発することがあるため、医師の指示に従って徐々に減薬していくことが重要です。
Q. 蕁麻疹に処方される第2世代抗ヒスタミン薬の種類は?
蕁麻疹の第一選択薬である第2世代抗ヒスタミン薬には、眠気が少ないフェキソフェナジン、効果が強めのセチリジン、1日1回就寝前に服用するレボセチリジンやビラスチン、小児にも適したロラタジンなどがあります。日本皮膚科学会のガイドラインでも標準治療として推奨されています。
🏥 蕁麻疹に処方される内服薬(飲み薬)の種類
蕁麻疹の薬物療法で最も中心的な役割を果たすのが内服薬です。複数の種類がありますが、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
🦠 第2世代抗ヒスタミン薬
蕁麻疹治療の主役ともいえる薬剤です。ヒスタミンH1受容体をブロックすることで、ヒスタミンによるかゆみや膨疹の出現を抑えます。第1世代の抗ヒスタミン薬と比べて眠気が出にくく、1日1〜2回の服用で効果が持続するため、現在の蕁麻疹治療では第2世代が標準的に使用されています。
代表的な薬剤には以下のものがあります。
フェキソフェナジン(商品名:アレグラなど)は、眠気が特に少ない薬として知られています。1日2回の服用が一般的で、運転への影響が少ないとされているため、日中の活動が多い方にも処方されやすい薬です。
セチリジン(商品名:ジルテックなど)は、効果が比較的強い一方で、人によっては眠気が出やすい側面があります。1日1回の服用で効果が持続し、就寝前に内服することで眠気の問題をカバーしやすいとされています。
レボセチリジン(商品名:ザイザルなど)はセチリジンを改良した薬で、より少ない量で効果を発揮し、副作用のプロフィールが改善されています。1日1回、就寝前の服用が一般的です。
ビラスチン(商品名:ビラノアなど)は比較的新しい抗ヒスタミン薬で、眠気が出にくく、食事の影響を受けやすいため空腹時に内服する必要があります。1日1回の服用で、効果の発現が比較的早いとされています。
ロラタジン(商品名:クラリチンなど)も眠気の少ない薬として広く使われており、小児への投与にも適した剤形があります。
👴 第1世代抗ヒスタミン薬
第1世代の抗ヒスタミン薬は、即効性が高い反面、眠気や口の渇きなどの副作用が出やすい特徴があります。クロルフェニラミン(商品名:ポララミンなど)やジフェンヒドラミンなどが代表的です。現在は第2世代が中心となっていますが、急性の強い症状に対して短期的に使用されることがあります。
🔸 ステロイド内服薬
プレドニゾロンなどのステロイド薬は、抗炎症作用が強力で、急性の重症蕁麻疹や抗ヒスタミン薬で効果が不十分なケースに短期間使用されることがあります。ただし、長期使用は骨粗しょう症や血糖上昇、感染症リスクの増加など様々な副作用が生じる可能性があるため、原則として短期間の使用にとどめることが推奨されています。
💧 その他の内服薬
症状や体質によっては、抗アレルギー薬としてトラニラストやトシル酸スプラタストなどが処方されることがあります。これらは肥満細胞からのヒスタミン遊離を抑制する働きを持ち、慢性蕁麻疹の補助的な治療として使用されることがあります。また、心因的な要素が強いと判断される場合には、抗不安薬が補助的に処方されるケースもあります。
⚠️ 蕁麻疹に塗り薬は効果的か
「蕁麻疹には塗り薬を使えばいいのでは?」と考える方も多いですが、実際には蕁麻疹の治療において塗り薬の役割は限定的です。その理由を理解するためには、蕁麻疹のメカニズムを知ることが大切です。
蕁麻疹は皮膚の表面の問題ではなく、皮膚の深い部分にある肥満細胞から放出されるヒスタミンなどの化学物質による反応です。つまり、皮膚の内部から発生している症状であるため、表面に塗るだけでは根本的な原因にアプローチしにくいのです。
また、蕁麻疹の膨疹は数時間で消えては別の場所に現れることが多く、局所的に塗り薬を使うよりも、全身に作用する内服薬の方が効率的に症状をコントロールできます。そのため、蕁麻疹診療ガイドラインでも内服薬が第一選択として位置づけられており、塗り薬はあくまで補助的に使われるものです。
ただし、塗り薬が全く意味がないわけではありません。かゆみが強く、掻いてしまって皮膚が傷ついている場合や、特定の部位に集中して症状が出ている場合などには、塗り薬が有用なこともあります。医師が症状を見て、内服薬と塗り薬を組み合わせて処方するケースもあります。
🔍 処方される塗り薬の種類と特徴
蕁麻疹で塗り薬が処方される場合、主に以下のようなものが使われます。それぞれの特徴を理解した上で、適切に使用することが大切です。
✨ ステロイド外用薬
ステロイド外用薬は強力な抗炎症作用を持ち、皮膚科領域で広く使われている塗り薬です。蕁麻疹そのものに対する直接的な効果は内服薬に比べて限定的ですが、掻き壊しによる皮膚炎や、湿疹を合併しているケースでは使用されることがあります。
ステロイド外用薬は強さによって5段階(ストロンゲスト・ベリーストロング・ストロング・ミディアム・ウィーク)に分類されており、部位や症状に応じて使い分けます。顔や首などのデリケートな部位には弱めのもの、体幹や四肢には中程度のものが使われることが多いです。
長期連用による皮膚の菲薄化(薄くなること)や毛細血管拡張などの副作用があるため、医師の指示通りに使用し、症状が改善したら徐々に使用頻度を減らすことが重要です。
📌 抗ヒスタミン成分含有外用薬
ジフェンヒドラミンなどの抗ヒスタミン成分を含む外用薬は、かゆみを局所的に抑える効果があります。ただし、外用の抗ヒスタミン薬は内服薬と比べてヒスタミンへの作用が弱く、蕁麻疹の根本的な治療にはなりません。市販薬にも多く含まれているタイプですが、処方薬として使われることもあります。
また、ジフェンヒドラミン含有の外用薬は、接触皮膚炎(かぶれ)を起こしやすいという報告もあるため、使用後に皮膚が赤くなったり、かゆみが増したりする場合は使用を中止して医師に相談することが必要です。
▶️ 清涼感のある局所麻酔・鎮痒成分含有外用薬
リドカインやカンフル、メントールなどの成分を含む外用薬は、皮膚を冷やす感覚とともにかゆみを一時的に和らげる効果があります。蕁麻疹のかゆみが強いときに、炎症を直接抑えるというよりも感覚的にかゆみを紛らわせる目的で使われることがあります。刺激が少なく副作用が出にくいため、比較的使いやすい外用薬のひとつです。
🔹 亜鉛華軟膏・保護的外用薬
掻き壊しで皮膚が傷ついている場合には、亜鉛華軟膏(酸化亜鉛含有軟膏)のような保護的・収れん作用のある外用薬が使われることがあります。これは炎症を抑えながら皮膚を保護し、修復を促す目的で使用されます。かぶれにくく刺激が少ないため、乳幼児にも使いやすい外用薬です。
📍 タクロリムス外用薬
タクロリムス(商品名:プロトピックなど)は、免疫抑制作用を持つ非ステロイド系の外用薬です。アトピー性皮膚炎の治療に主に用いられますが、顔などのステロイドを使いにくい部位で湿疹様の変化を伴う場合に処方されることがあります。蕁麻疹そのものへの適応は限られていますが、合併する皮膚症状の管理に使われる場合があります。
Q. 難治性の慢性蕁麻疹にはどんな治療薬がありますか?
抗ヒスタミン薬で改善しない難治性の慢性特発性蕁麻疹には、生物学的製剤のオマリズマブ(ゾレア)が2017年から保険適用となっています。4週間に1回の皮下注射で投与し、従来の治療が効かなかった患者にも高い有効性が報告されています。アイシークリニックでも選択肢として検討しています。
📝 重症蕁麻疹に対する注射薬・点滴治療
通常の内服薬や外用薬では対処しきれない重症例や、アナフィラキシーを伴う緊急の蕁麻疹では、注射薬や点滴治療が行われます。
💫 アドレナリン(エピネフリン)注射
蕁麻疹がアナフィラキシー(全身性の重篤なアレルギー反応)に進展した場合、最優先で使用されるのがアドレナリン(エピネフリン)の筋肉内注射です。血圧の低下や気道狭窄などの命に関わる症状を迅速に改善させる効果があります。アレルギー歴のある方には、自己注射用のエピペンが処方されることもあります。
🦠 ステロイド点滴・静脈注射
急性の重症蕁麻疹や血管性浮腫(クインケ浮腫)を伴う場合には、ステロイドの点滴や静脈注射が行われることがあります。速やかに強力な抗炎症効果を発揮しますが、やはり長期連用は避けるべきとされています。
👴 オマリズマブ(抗IgE抗体製剤)
抗ヒスタミン薬での治療が効果不十分な慢性特発性蕁麻疹(慢性自発性蕁麻疹)に対して、2017年からオマリズマブ(商品名:ゾレア)が保険適用となっています。これはIgE(免疫グロブリンE)に結合することで、アレルギー反応を抑制する生物学的製剤で、4週間に1回の皮下注射で投与されます。
従来の治療で効果が得られなかった患者においても高い有効性を示すことが報告されており、難治性慢性蕁麻疹の治療選択肢として注目されています。ただし、高額な治療費がかかることや、すべての医療機関で処方できるわけではないことが課題でもあります。
💡 処方薬と市販薬の違い
ドラッグストアなどでも蕁麻疹に対応した市販薬を購入することができますが、処方薬とはいくつかの重要な違いがあります。
まず成分の違いについてです。市販の抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬の多くは、医療用医薬品のスイッチOTC(市販薬転用)として販売されているものですが、処方薬には市販薬にはない種類の成分や、より高い含有量のものが含まれています。例えば、ビラスチンやデスロラタジン(クラリチンEX)などは比較的新しい成分で、一部は市販薬としても販売されていますが、用法・用量や適応の管理という面では処方薬の方が医師による個別対応が可能です。
次に、診断と治療の質の違いです。市販薬はあくまでセルフメディケーションを目的としたものであり、正確な診断のもとで適切な治療を受けることとは異なります。蕁麻疹の中にはアナフィラキシーのリスクを持つものや、内臓疾患が潜んでいる場合もあります。専門医による診断と処方薬の使用は、こうしたリスクを見逃さないためにも重要です。
また、慢性蕁麻疹のように長期間症状が続く場合や、症状が繰り返す場合は、市販薬で対処し続けることにも限界があります。「市販薬を飲んでもなかなか治らない」「薬をやめるとすぐに症状が戻る」という状況であれば、医療機関を受診して処方薬による治療を受けることをおすすめします。
費用の面でも、処方薬は保険診療が適用されるため、市販薬を繰り返し購入するよりもトータルの費用を抑えられるケースがあります。特に慢性蕁麻疹で長期的な薬の服用が必要な場合には、保険適用の処方薬の方が経済的なこともあります。
Q. 蕁麻疹で緊急受診が必要な症状は何ですか?
のどの締め付け感・呼吸困難・声のかすれ・唇や目の周りの大きな腫れ(血管性浮腫)が現れた場合は、アナフィラキシーの疑いがあり、救急受診が必要です。また市販薬を数日使用しても改善しない場合や、6週間以上症状が続く慢性蕁麻疹が疑われる場合も、早めに皮膚科を受診することが推奨されます。
✨ 薬を使う際の注意点と副作用

蕁麻疹の処方薬を使用する際には、いくつかの重要な注意点があります。
🔸 抗ヒスタミン薬の眠気について
第2世代の抗ヒスタミン薬は第1世代に比べて眠気が少ないとされていますが、個人差があります。特に服用初期には眠気が出やすい方もいるため、自動車の運転や高所での作業などは慎重に行う必要があります。薬剤によっては「服用後は自動車の運転を控えること」と明記されているものもあるため、処方時に必ず確認してください。
💧 妊娠中・授乳中の服用
妊娠中や授乳中の蕁麻疹治療については、使用できる薬が限られます。一部の抗ヒスタミン薬は比較的安全とされていますが、必ず担当医に妊娠・授乳中であることを伝え、安全性が確認された薬を処方してもらうようにしてください。自己判断での服薬は控えることが重要です。
✨ 他の薬との相互作用
抗ヒスタミン薬の中には、他の薬との相互作用が起こりやすいものがあります。特に睡眠薬、精神科系の薬、アルコールと併用すると眠気が増強されることがあります。また、フェキソフェナジンはグレープフルーツジュースとの相互作用が報告されています。内服薬を処方された際は、他に服用中の薬やサプリメントについても医師や薬剤師に伝えるようにしましょう。
📌 ステロイド薬の長期使用に関する注意
ステロイド内服薬や外用薬は強力な効果を持ちますが、長期連用には注意が必要です。内服ステロイドの長期使用では、骨粗しょう症、高血糖、感染症への抵抗力低下、副腎機能の抑制などのリスクがあります。外用ステロイドでも、長期使用による皮膚の菲薄化、毛細血管拡張、にきびや毛包炎の悪化などが起こることがあります。これらは医師の管理のもとで適切に使用すれば回避できるものがほとんどですので、自己判断で使用期間を延長したり、急に使用をやめたりしないようにしましょう。
▶️ 薬を自己判断でやめないことの大切さ
慢性蕁麻疹の場合、症状が落ち着いても薬を急にやめると再発することが多くあります。「症状がなくなったから薬はもう必要ない」と自己判断でやめてしまうのではなく、医師と相談しながら少しずつ減薬していくことが大切です。治療期間の目安は個人差がありますが、症状がコントロールできた状態が続いた後に、段階的に薬を減量・中止するのが一般的なアプローチです。
📌 蕁麻疹で受診すべき診療科・タイミング
蕁麻疹の治療は主に皮膚科やアレルギー科で行われます。初めて蕁麻疹が出た場合、または繰り返し蕁麻疹が出ている場合は、まず皮膚科を受診するのが一般的です。アレルギー検査が必要な場合や、食物アレルギーとの関連が疑われる場合にはアレルギー科が適しています。
以下のような症状が見られる場合は、速やかに医療機関を受診してください。
まず、のどの締め付け感・呼吸困難・声のかすれなどがある場合は緊急のサインです。これはアナフィラキシーの可能性があり、救急受診が必要です。唇や目の周りが大きく腫れる「血管性浮腫(クインケ浮腫)」も注意が必要な状態です。
また、市販薬を数日間使用しても症状が改善しない場合、または症状が繰り返し出る場合は、専門医の診察を受けることをおすすめします。特に6週間以上症状が続く場合は慢性蕁麻疹の可能性が高く、適切な処方薬による治療が必要です。
さらに、発熱や関節痛など全身症状を伴う蕁麻疹、特定の食べ物や薬を摂取してすぐに蕁麻疹が出る場合(アレルギー性蕁麻疹が疑われる場合)なども、早めの受診が望まれます。
診察では、蕁麻疹の出方(いつ・どこに・どんなタイミングで出るか)、持続時間、伴う症状、生活習慣や食事内容、服用中の薬などを詳しく問診します。必要に応じてアレルギー検査(血液検査・皮膚試験)や、甲状腺機能などの血液検査が行われることもあります。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「市販薬を使ってもなかなか改善しない」「繰り返し蕁麻疹が出てしまう」というお悩みで来院される方が多く、慢性蕁麻疹に対しては第2世代抗ヒスタミン薬を中心に、症状の重さやライフスタイルに合わせて丁寧に処方内容を検討しています。「長年悩んでいた症状がようやく落ち着いた」とおっしゃる患者様も少なくありません。蕁麻疹は一人ひとり原因や経過が異なる疾患ですので、諦めずにぜひ一度ご相談いただければと思います。」
🎯 よくある質問
蕁麻疹は皮膚の深部にある肥満細胞から放出されるヒスタミンが原因のため、塗り薬の効果は限定的です。治療の中心は内服薬であり、塗り薬はかゆみの一時的な緩和や、掻き壊しによる皮膚炎への対処など、あくまで補助的な役割として使用されます。
現在主に処方される第2世代抗ヒスタミン薬は、第1世代に比べて眠気が出にくい設計ですが、個人差があります。フェキソフェナジンやビラスチンは特に眠気が少ないとされています。服用初期は自動車の運転などを慎重に行い、処方時に医師へ確認することをおすすめします。
処方薬には市販薬にない成分や、より適切な用量管理が可能な薬剤が含まれます。また、処方薬は医師が診断した上で個別に選択するため、アナフィラキシーなどのリスク管理も行えます。慢性蕁麻疹など長期的な治療が必要な場合、保険適用の処方薬の方が費用を抑えられるケースもあります。
症状が改善しても、自己判断で薬をやめると再発するケースが多いため注意が必要です。慢性蕁麻疹の治療では、症状がコントロールできた状態が続いた後、医師と相談しながら段階的に減薬・中止していくことが推奨されます。必ず担当医の指示に従って進めてください。
のどの締め付け感・呼吸困難・声のかすれ・唇や目の周りの大きな腫れ(血管性浮腫)が現れた場合は、アナフィラキシーの可能性があるため救急受診が必要です。また、市販薬を数日使用しても改善しない場合や、6週間以上症状が続く場合も、皮膚科などへの早めの受診をおすすめします。
📋 まとめ
蕁麻疹は非常に身近な皮膚疾患ですが、その治療には正しい知識と適切な薬の使用が欠かせません。治療の中心は第2世代抗ヒスタミン薬などの内服薬であり、塗り薬はかゆみの緩和や皮膚の保護といった補助的な役割を担います。
塗り薬については、ステロイド外用薬や抗ヒスタミン成分含有外用薬、鎮痒成分含有外用薬などが状況に応じて処方されることがありますが、蕁麻疹の根本的な治療は内服薬が主体であることを理解しておくことが大切です。
慢性蕁麻疹や難治性の症例に対しては、生物学的製剤(オマリズマブ)など新しい治療の選択肢も増えてきています。「なかなか治らない」「繰り返す」という方は、ぜひ一度専門医を受診して適切な処方薬による治療を検討してみてください。
アイシークリニック渋谷院では、蕁麻疹をはじめとした皮膚疾患についての診察・相談を受け付けています。症状にお悩みの方はお気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 蕁麻疹診療ガイドラインの参照。第2世代抗ヒスタミン薬の第一選択推奨、治療ステップ、慢性蕁麻疹への対応方針など、記事全体の治療方針の根拠として参照
- 厚生労働省 – オマリズマブ(ゾレア)の保険適用情報、処方薬と市販薬(スイッチOTC)の制度的な違い、ステロイド薬の適正使用に関する情報の根拠として参照
- PubMed – 慢性特発性蕁麻疹に対するオマリズマブの有効性、抗ヒスタミン薬の各薬剤比較(眠気・効果発現速度など)に関する臨床的エビデンスの根拠として参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務