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刺身にあたると出る症状とは?原因や対処法・予防策を詳しく解説

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新鮮な刺身は日本の食文化を代表する料理ですが、生の魚介類を食べることで食中毒や寄生虫感染を起こすリスクがあります。「刺身を食べた後にお腹が痛くなった」「吐き気がする」といった症状が出た場合、何が原因なのか、どう対処すればよいのか不安になる方も多いでしょう。刺身にあたる原因は細菌性食中毒、ウイルス性食中毒、寄生虫感染など多岐にわたり、それぞれ症状の出方や対処法が異なります。この記事では、刺身にあたったときに現れる症状の特徴、原因ごとの違い、適切な対処法、そして予防策について詳しく解説します。正しい知識を身につけて、安全に刺身を楽しみましょう。


目次

  1. 刺身にあたるとはどういうこと?
  2. 刺身にあたる主な原因
  3. 原因別の症状の特徴
  4. 症状が出るまでの潜伏期間
  5. 刺身にあたったときの対処法
  6. 医療機関を受診する目安
  7. 刺身にあたらないための予防策
  8. あたりやすい刺身の種類と注意点
  9. よくある質問
  10. まとめ

🐟 刺身にあたるとはどういうこと?

「刺身にあたる」とは、生の魚介類を食べたことによって体調不良を起こすことを指します。具体的には、魚介類に含まれる細菌やウイルス、寄生虫、あるいは魚自体が持つ毒素などが原因となり、消化器症状を中心としたさまざまな症状が引き起こされます。

一般的に「食あたり」や「食中毒」と呼ばれるものですが、刺身の場合は特に寄生虫による被害が多いことが特徴です。厚生労働省の統計によると、近年ではアニサキスによる食中毒の報告件数が増加傾向にあり、魚介類を生で食べる機会の多い日本では注意が必要です。

刺身にあたった場合、軽症であれば自然に回復することもありますが、原因によっては重症化したり、適切な治療が必要になったりするケースもあります。そのため、症状の特徴を理解し、必要に応じて医療機関を受診することが大切です。

🦠 刺身にあたる主な原因

刺身にあたる原因は大きく分けて、寄生虫、細菌、ウイルス、自然毒の4つに分類されます。それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。

🪱 寄生虫による感染

刺身による食中毒で最も多い原因が寄生虫です。特にアニサキスは日本で最も報告件数の多い食中毒原因として知られています。

アニサキスは長さ2~3cm程度の白い糸状の寄生虫で、以下の魚介類に寄生しています:

  • サバ
  • アジ
  • イワシ
  • サンマ
  • イカ

本来はクジラやイルカなどの海洋哺乳類が最終宿主ですが、人間が生きたアニサキスを含む刺身を食べると、胃や腸の壁に侵入しようとして激しい症状を引き起こします。

その他の寄生虫としては、日本海裂頭条虫(サナダムシの一種)や、旋尾線虫なども報告されています。

🦠 細菌性食中毒

魚介類に付着した細菌が原因で起こる食中毒もあります。代表的な細菌としては以下のものが挙げられます:

  • 腸炎ビブリオ:海水中に生息し、特に夏場の魚介類に多く付着
  • サルモネラ菌:魚介類の取り扱い時に二次汚染
  • 黄色ブドウ球菌:人の手指から調理時に付着

腸炎ビブリオは海水中に生息する細菌で、特に夏場の魚介類に多く付着しています。生の魚介類を食べることで感染し、激しい腹痛や下痢を引き起こします。増殖速度が非常に速く、常温に置かれた魚介類では短時間で危険なレベルまで増えることがあります。

🦠 ウイルス性食中毒

二枚貝を生で食べることによって起こるノロウイルス感染が代表的です。以下の二枚貝は注意が必要です:

  • カキ
  • ホタテ
  • アサリ

これらの二枚貝は海水を濾過して餌を取るため、海水中のノロウイルスを体内に蓄積しやすい特徴があります。ノロウイルスは感染力が非常に強く、少量のウイルスでも感染が成立します。

高桑康太 医師・当院治療責任者

刺身による食中毒の中でも、特にアニサキス症は近年増加傾向にあります。新鮮な魚であってもアニサキスが寄生している可能性があるため、十分な冷凍処理や目視確認が重要です。また、症状が出た場合は早めの受診により、内視鏡での除去が可能な場合があります。

☠️ 自然毒による中毒

フグ毒(テトロドトキシン)シガテラ毒など、魚自体が持つ毒素による中毒もあります。フグの場合は主に肝臓や卵巣に毒が含まれていますが、素人による調理で身に毒が付着することがあります。

シガテラ毒は熱帯・亜熱帯海域の魚に蓄積される毒素で、沖縄などで獲れるバラハタやイシガキダイなどで報告があります。温暖化の影響で、これまで毒を持たなかった海域の魚にも毒が蓄積されるケースが増えているといわれています。

🔴 ヒスタミン中毒

厳密には食中毒とは異なりますが、鮮度の落ちた赤身魚を食べることでヒスタミン中毒を起こすことがあります。以下の魚で特に注意が必要です:

  • マグロ
  • カツオ
  • サバ

魚肉中のヒスチジンというアミノ酸が細菌の作用でヒスタミンに変化し、アレルギー様の症状を引き起こします。

💊 原因別の症状の特徴

刺身にあたったときの症状は原因によって異なります。それぞれの原因で見られる代表的な症状を解説します。

🪱 アニサキス症の症状

アニサキスによる症状は、寄生虫が侵入する部位によって胃アニサキス症と腸アニサキス症に分けられます。

胃アニサキス症の症状:

  • 刺身を食べてから数時間後の突然の激しい腹痛(みぞおち付近)
  • 痛みが間欠的に繰り返される
  • 吐き気や嘔吐
  • 発熱はあまり見られない

腸アニサキス症の症状:

  • 食後十数時間から数日後の下腹部の痛み
  • 膨満感
  • 吐き気
  • 重症の場合は腸閉塞

なお、アニサキスに対するアレルギー反応として、蕁麻疹やアナフィラキシーを起こすケースも報告されています。

🦠 腸炎ビブリオによる症状

腸炎ビブリオに感染すると、以下の症状が現れます:

  • 激しい腹痛
  • 水様性の下痢(1日10回以上)
  • 血便が見られることも
  • 発熱(37~38度台)
  • 吐き気、嘔吐

症状は通常2~3日で軽快しますが、高齢者や免疫力が低下している方では重症化することがあります。

🤮 ノロウイルスによる症状

ノロウイルス感染症の主な症状:

  • 突然の嘔吐
  • 水様性の下痢
  • 強い吐き気
  • 腹痛
  • 軽度の発熱(37~38度程度)

症状は通常1~2日で治まりますが、乳幼児や高齢者では脱水症状が重くなりやすいため注意が必要です。また、症状が治まった後もしばらくはウイルスを排出し続けるため、二次感染の予防が重要です。

☠️ フグ毒中毒の症状

フグ毒(テトロドトキシン)による中毒は非常に危険です。食後20分から3時間程度で症状が現れ始めます:

  • 口唇や舌のしびれ(初期症状)
  • 手足のしびれ
  • 頭痛
  • 腹痛
  • 運動麻痺(重症化)
  • 呼吸困難(重症化)
  • 血圧低下(重症化)

重症化すると運動麻痺、呼吸困難、血圧低下などが起こり、最悪の場合は呼吸麻痺により死亡することもあります。フグ毒には解毒剤がないため、症状が出た場合は直ちに救急医療機関を受診する必要があります。

🔴 ヒスタミン中毒の症状

ヒスタミン中毒はアレルギー症状に似た症状が特徴です:

  • 顔面の紅潮
  • 頭痛
  • 蕁麻疹
  • 動悸
  • 吐き気
  • 口の中のピリピリ感
  • 舌のしびれ

多くの場合、症状は数時間で自然に治まりますが、症状が強い場合は抗ヒスタミン薬による治療が行われます。

⏰ 症状が出るまでの潜伏期間

刺身を食べてから症状が出るまでの時間(潜伏期間)は、原因によって大きく異なります。潜伏期間を知ることで、何が原因なのかを推測する手がかりになります。

⚡ 数時間以内に症状が出る場合

  • アニサキス(胃アニサキス症):1~8時間程度
  • ヒスタミン中毒:数分から1時間程度
  • 黄色ブドウ球菌:1~5時間程度
  • フグ毒中毒:20分から3時間程度

📅 半日から1日程度で症状が出る場合

  • 腸炎ビブリオ:4~28時間(平均12時間程度)
  • サルモネラ菌:6~72時間程度(多くは12~36時間程度)

📆 1日以上経ってから症状が出る場合

  • ノロウイルス:24~48時間程度
  • 腸アニサキス症:十数時間から数日後
  • 日本海裂頭条虫(サナダムシ):2~3週間以上

このように、食べてすぐに症状が出るものから数日後に出るものまでさまざまです。刺身を食べた後に体調を崩した場合は、いつ何を食べたかを記録しておくと、原因の特定や医療機関での診断に役立ちます。

🏥 刺身にあたったときの対処法

刺身を食べた後に体調不良が起きた場合、原因や症状に応じた適切な対処が必要です。ここでは、自宅でできる対処法と注意点を解説します。

😴 まずは安静にして様子を見る

軽い吐き気や腹部の不快感程度であれば、まずは安静にして様子を見ましょう。無理に食事を取らず、胃腸を休めることが大切です。横になる場合は、嘔吐したときに吐物が気道に入らないよう、体を横向きにしておくと安心です。

💧 水分補給を心がける

下痢や嘔吐がある場合は、脱水症状を防ぐために水分補給が重要です。ただし、嘔吐が激しいときに無理に水分を取ると、さらに嘔吐を誘発することがあります。嘔吐が落ち着いてから、少量ずつこまめに水分を取るようにしましょう。

適切な水分補給:

  • 経口補水液
  • スポーツドリンク
  • 自作の経口補水液(水1リットル+砂糖40g+塩3g)

⚠️ 下痢止めは原則として使用しない

下痢が続くとつらいものですが、細菌やウイルスによる食中毒の場合、下痢は体内の病原体を排出するための防御反応でもあります。安易に下痢止めを使用すると、病原体が体内に留まり、かえって症状が長引いたり悪化したりすることがあります。

💊 解熱鎮痛剤の使用について

発熱や頭痛がある場合、市販の解熱鎮痛剤を使用することは一般的に問題ありません。ただし、胃腸が弱っている状態で服用すると胃を荒らすことがあるため、空腹時の服用は避け、できれば食後に服用するようにしましょう。

🍚 食事は消化の良いものから

症状が落ち着いてきたら、消化の良いものから少しずつ食事を再開しましょう。おすすめの食品:

  • おかゆ
  • うどん
  • 白身魚の煮物
  • 茶碗蒸し

脂っこいものや刺激の強いもの、アルコールは症状が完全に治まるまで控えましょう。

🚨 医療機関を受診する目安

刺身にあたった場合、多くは自宅で安静にしていれば回復しますが、以下のような症状がある場合は医療機関を受診することをおすすめします。

🚑 すぐに救急医療機関を受診すべき症状

  • フグを食べた後の口や舌のしびれ
  • 手足のしびれ
  • 全身の蕁麻疹と呼吸困難
  • 顔や喉の腫れ(アナフィラキシー)
  • 意識がもうろう
  • けいれん

⏰ 早めに医療機関を受診すべき症状

  • みぞおちの激しい間欠的な痛み(アニサキス症の可能性)
  • 高熱(38.5度以上)が続く
  • 血便
  • 激しい嘔吐や下痢で水分が取れない
  • 脱水症状(口の渇き、尿量の減少、めまい)
  • 2~3日経っても症状が改善しない

⚠️ 特に注意が必要な方

以下の方は症状が軽くても早めに医療機関を受診することをおすすめします:

  • 乳幼児
  • 高齢者
  • 妊娠中の方
  • 免疫力が低下している方(糖尿病、がん治療中、免疫抑制剤を服用中など)

📝 受診時に伝えるべきこと

医療機関を受診する際は、以下の情報を伝えると診断の助けになります:

  • 何を食べたか(魚の種類、生か加熱か)
  • いつ食べたか
  • 症状が始まった時間
  • 現在の症状
  • 同じものを食べた人の症状の有無

可能であれば、食べた刺身の残りや包装などを保管しておくと、原因の特定に役立つことがあります。

🛡️ 刺身にあたらないための予防策

刺身を安全に楽しむためには、購入から保存、調理、食べるまでの各段階で適切な対策を取ることが大切です。ここでは、刺身にあたるリスクを減らすための予防策を紹介します。

🐟 新鮮な魚を選ぶ

刺身用の魚を購入する際は、信頼できる店舗で新鮮なものを選びましょう。新鮮な魚の目安

  • 魚の目が澄んでいる
  • えらが鮮やかな赤色
  • 身に弾力がある
  • 生臭さがない

スーパーなどで刺身用として販売されているものは、鮮度管理がされているため比較的安心です。「刺身用」「生食用」と表示のないものを生で食べることは避けましょう

❄️ 適切な温度管理を行う

魚介類は温度管理が非常に重要です。購入後は保冷剤や保冷バッグを使用し、できるだけ早く持ち帰りましょう。特に夏場は細菌の増殖が速いため、常温に置く時間を最小限にすることが大切です。

保存のポイント:

  • 冷蔵庫(10度以下、できれば4度以下)で保存
  • 購入当日に食べきる
  • 密閉容器に入れるかラップでしっかり包む
  • 他の食品と接触しないようにする

🪱 アニサキス対策

アニサキスを死滅させる最も確実な方法:

  • 十分な加熱(中心温度60度で1分以上)
  • 冷凍(マイナス20度で24時間以上)
  • 家庭用冷凍庫では48時間以上冷凍することを推奨

なお、酢でしめる、塩漬け、わさびや生姜を付けるなどの方法ではアニサキスは死滅しません

その他のアニサキス対策:

  • 刺身を食べる前に目視で確認
  • 白い糸状のものが見えたら取り除く
  • 刺身を薄く切る
  • よく噛んで食べる

🦠 腸炎ビブリオ対策

腸炎ビブリオ対策:

  • 魚をさばく前に真水でよく洗う(真水に弱いため)
  • 4度以下での低温保存
  • 調理器具の消毒(洗剤で洗い、熱湯をかけるか塩素系漂白剤で消毒)
  • 魚用と肉用、野菜用でまな板を分ける

🦠 ノロウイルス対策

二枚貝(カキなど)を食べる際の対策:

  • 中心部まで十分に加熱(85~90度で90秒以上)
  • 生で食べる場合は生食用を選ぶ
  • 新鮮なうちに食べる
  • 調理前や食事前の手洗いを徹底

🧼 調理時の衛生管理

刺身を調理する際の注意点:

  • 手をしっかり洗う
  • 清潔な調理器具を使用
  • 手に傷がある場合は使い捨て手袋を着用
  • 調理後はすぐに食べきる
  • 長時間テーブルに出す場合は氷を敷いた皿の上に置く

🐠 あたりやすい刺身の種類と注意点

魚介類の種類によって、あたりやすさや注意すべき点が異なります。代表的な刺身について、リスクと注意点を解説します。

🐟 サバ

サバは「サバの生き腐れ」といわれるほど鮮度低下が速い魚です。ヒスタミン中毒の原因になりやすく、またアニサキスの寄生率も高いため、生食には特に注意が必要です。しめ鯖は酢でしめてありますが、アニサキス対策としては不十分なため、冷凍処理されたものを選ぶか、よく噛んで食べることが大切です。

🦑 イカ

イカもアニサキスの寄生が多い魚介類の一つです。特にスルメイカはアニサキスの寄生率が高いことで知られています。新鮮なイカでも内臓付近にアニサキスが潜んでいることがあるため、刺身にする際は内臓を早めに取り除き、身をよく観察してから調理しましょう。

🐟 サンマ

秋の味覚として人気のサンマですが、アニサキスの寄生率が高い魚です。刺身で食べる場合は、新鮮なものを選び、よく目視確認してから食べましょう。近年は漁獲量の減少で輸送に時間がかかることも多いため、鮮度には特に注意が必要です。

🐟 アジ

アジもアニサキスの寄生が見られる魚です。ただし、小型のアジ(豆アジなど)は大型のものに比べて寄生率が低いとされています。刺身やたたきにする際は、身をよく観察し、白い糸状のものが見えたら取り除きましょう。

🐟 サケ・マス

天然のサケやマスには、アニサキスのほか、日本海裂頭条虫(サナダムシ)が寄生していることがあります。スーパーなどで販売されているサーモン(アトランティックサーモンやトラウトサーモン)は主に養殖もので、寄生虫のリスクは比較的低いですが、天然のサケを生で食べる際は冷凍処理が必要です。

🐟 カツオ

カツオはアニサキスの寄生は比較的少ないものの、ヒスタミン中毒の原因になりやすい赤身魚です。鮮度が落ちるとヒスチジンがヒスタミンに変化するため、新鮮なうちに食べることが大切です。購入後は速やかに冷蔵し、当日中に食べきりましょう。

🦪 カキ(牡蠣)

生カキはノロウイルス感染のリスクが高い食品です。特に冬季(11月から3月頃)はノロウイルスの流行時期と重なるため注意が必要です。生食用として販売されているカキは、指定された海域で採取され、浄化処理が行われていますが、リスクをゼロにすることはできません。免疫力が低下している方や妊娠中の方は、生カキを避けたほうが安全です。

🦑 ホタルイカ

ホタルイカには旋尾線虫という寄生虫がいることがあります。生で食べると皮膚爬行症(皮膚の下を虫が移動する症状)や腸閉塞を起こすことがあります。ホタルイカを生で食べる場合は、内臓を取り除くか、マイナス30度で4日間以上冷凍処理されたものを選びましょう。

🐡 フグ

フグは素人による調理が非常に危険な魚です。日本では、フグの調理には都道府県が認定する資格が必要であり、資格を持たない人がフグを調理することは禁止されています。フグを食べる際は、必ず資格を持った調理師がいる店舗で食べましょう。釣ったフグを自分でさばいて食べることは絶対に避けてください。

🐡 フグ

❓ よくある質問

刺身にあたったら何科を受診すればよいですか?

刺身による食中毒が疑われる場合は、内科または消化器内科を受診してください。激しい腹痛や嘔吐がある場合は、アニサキス症の可能性があるため、内視鏡検査ができる医療機関を選ぶとよいでしょう。呼吸困難や意識障害などの重篤な症状がある場合は、すぐに救急医療機関を受診するか、救急車を呼んでください。

アニサキスは放置しても自然に治りますか?

アニサキスは人間の体内では成虫になれないため、通常は4~5日程度で死滅し、症状も自然に治まることがあります。しかし、激しい腹痛が続く場合は、内視鏡でアニサキスを除去することで痛みが劇的に改善します。また、まれに腸閉塞などの合併症を起こすこともあるため、症状が強い場合は医療機関を受診することをおすすめします。

わさびを付けて食べればアニサキスは死にますか?

わさびや生姜、酢、醤油などでアニサキスを死滅させることはできません。アニサキスは酸にも強く、胃酸の中でもしばらく生存します。アニサキスを確実に死滅させるには、中心温度60度以上で1分以上加熱するか、マイナス20度以下で24時間以上冷凍する必要があります。

刺身にあたった後、いつから普通の食事に戻せますか?

症状が完全に治まってから、消化の良い食事から徐々に戻していくことをおすすめします。一般的には、下痢や嘔吐が止まり、食欲が戻ってきたら、おかゆやうどんなど消化の良いものから始めて、2~3日かけて通常の食事に戻すとよいでしょう。脂っこいものや刺激の強いものは、回復後1週間程度は控えめにすると安心です。

妊娠中は刺身を食べてはいけませんか?

妊娠中は免疫力が低下するため、食中毒のリスクが高まります。また、リステリア菌など、胎児に影響を与える可能性のある細菌に感染するリスクもあります。厚生労働省も妊娠中は生の魚介類を控えることを推奨しています。刺身を食べたい場合は、新鮮なものを少量にとどめ、体調に異変があればすぐに医療機関を受診しましょう。

スーパーの刺身と飲食店の刺身、どちらが安全ですか?

どちらも適切な衛生管理が行われていれば基本的に安全です。スーパーの刺身は厳しい衛生基準のもとで加工されており、消費期限も明確に表示されています。飲食店では調理師がその場でさばくことが多く、鮮度は高いですが、店舗の衛生管理状態によって差があります。どちらを選ぶ場合も、信頼できる店舗で購入し、適切な温度管理と消費期限の遵守を心がけましょう。

📋 まとめ

刺身にあたる原因は、アニサキスなどの寄生虫、腸炎ビブリオなどの細菌、ノロウイルスなどのウイルス、フグ毒などの自然毒とさまざまです。原因によって症状や潜伏期間が異なるため、何をいつ食べたかを記録しておくことが、原因の特定や適切な対処につながります。

多くの場合は安静と水分補給で自然に回復しますが、激しい腹痛、高熱、血便、脱水症状などがある場合は医療機関を受診しましょう。特にフグを食べた後のしびれや、アレルギー症状を伴う場合は緊急性が高いため、すぐに救急医療機関を受診してください。

刺身を安全に楽しむためには、新鮮な魚を選ぶこと、適切な温度管理を行うこと、調理時の衛生管理を徹底することが大切です。アニサキス対策としては冷凍や加熱が有効であり、目視での確認やよく噛んで食べることも予防につながります。正しい知識と適切な対策で、安心して刺身を楽しみましょう。


参考文献

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
電話予約
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