🚨 鼻の中にできもの+痛みがある方、放置は危険です。
触ると痛い、ズキズキする…それ、自己判断でいじると最悪「脳」に感染が広がるリスクがあります。
「鼻の中に白いできものが…触ると激痛!これって何?自分でつぶしていい?」
絶対につぶさないで! 原因によっては重篤な合併症につながります。この記事を読んで正しい対処法を確認しましょう。
📖 この記事を読むとわかること
✅ できものの原因(鼻せつ・毛嚢炎・鼻茸・腫瘍など)
✅ やってはいけないNG行動
✅ 病院に行くべきタイミング
✅ 何科を受診すればいいか
⚠️ 読まないと起きるリスク
自己判断でつぶす・いじる行為は、細菌が血流に乗って脳内静脈洞へ波及する「海綿静脈洞血栓症」を引き起こす可能性があります。鼻は「危険の三角地帯」と呼ばれる部位に位置しており、軽視すると命に関わる事態になることも。
目次
- 鼻の中にできものができる仕組みと特徴
- 鼻の中にできもの・痛い原因一覧
- 鼻の中のできものの種類別・症状と特徴
- 鼻の中のできものを悪化させるNG行動
- 自宅でできるケアと注意点
- 病院を受診すべき目安とタイミング
- 何科を受診すればよいか
- 病院での診断・治療方法
- 鼻の中のできものを予防するためのポイント
- まとめ
この記事のポイント
鼻の中のできものは鼻せつ・毛嚢炎・鼻茸・副鼻腔炎・腫瘍など多様な原因があり、自己判断でつぶす行為は感染が脳内静脈洞へ波及する重篤リスクがある。発熱・顔の腫れ・視力変化があれば緊急受診が必要で、改善しない場合は耳鼻科や皮膚科を受診することが推奨される。
💡 1. 鼻の中にできものができる仕組みと特徴
鼻の中(鼻腔内)は、外側の皮膚と連続した粘膜や皮膚組織で覆われています。鼻の入り口付近(鼻前庭と呼ばれる部分)は皮膚が続いており、産毛や皮脂腺・汗腺などが存在します。この構造から、毛穴に関連したできもの(ニキビや毛嚢炎など)が発生しやすい環境になっています。
鼻腔の奥に入ると今度は粘膜組織が主体になり、鼻水を分泌する腺組織や線毛(せんもう)などが存在します。粘膜は外部からの刺激(乾燥・ほこり・花粉・細菌・ウイルスなど)にさらされやすく、炎症が起きやすい環境でもあります。さらに、副鼻腔と呼ばれる空洞が複数存在し、そことの間に通路があるため、副鼻腔で起きた炎症や病変が鼻腔内に影響を与えることもあります。
鼻の中のできものが「痛い」と感じる場合、多くは炎症・感染・圧迫のいずれかが関与しています。特に鼻の入り口付近は皮膚が薄く、感覚神経が豊富なため、少しの腫れでも強い痛みを感じやすい部位です。また、鼻をかむ・触るといった動作が刺激となって痛みが増すことも多いため、日常生活でも不快感を伴いやすいのが特徴です。
Q. 鼻の中のできものを自分でつぶすと危険ですか?
鼻の入り口付近は「危険三角」と呼ばれる部位に近く、自分でつぶすと細菌が血流に乗り、脳内の海綿静脈洞へ感染が広がる「海綿静脈洞血栓症」を引き起こすリスクがあります。発熱・顔の腫れ・視力変化が現れた場合は緊急受診が必要です。
📌 2. 鼻の中にできもの・痛い原因一覧
鼻の中にできものができて痛む場合、考えられる原因はいくつかあります。ここでは代表的なものを挙げて説明します。
✅ 鼻せつ(びせつ)
鼻せつは、鼻の入り口付近(鼻前庭)の毛嚢に細菌が感染することで起きる化膿性炎症です。原因菌として黄色ブドウ球菌が多く、ズキズキとした強い痛みを伴う赤く腫れたしこりができます。膿(うみ)がたまると白い頭ができることもあり、見た目や痛みの点でニキビに近い特徴を持ちます。ただし、鼻の入り口付近は顔面の危険三角(danger triangle)と呼ばれる部位に近く、感染が悪化すると海綿静脈洞(かいめんじょうみゃくどう)と呼ばれる脳内の静脈へ感染が広がるリスクがあるため、軽視できない病態です。
📝 毛嚢炎(もうのうえん)
毛嚢炎は、毛穴(毛嚢)に細菌が感染して起きる炎症で、鼻せつの軽症版に相当します。鼻の入り口の産毛が生える部位に小さな赤い腫れが生じ、触れると痛みを感じます。通常は鼻せつほど深部に炎症が及ばず、比較的早く改善することが多いですが、繰り返す場合や悪化する場合は受診が必要です。
🔸 鼻の中のニキビ
鼻の入り口の皮膚には皮脂腺が存在するため、毛穴がつまって皮脂が滞留することでニキビ(毛嚢脂腺炎)が生じることがあります。鼻の中のニキビは痛みを伴うことが多く、特に白ニキビや黄ニキビの状態では強い圧痛を感じることがあります。面積が狭く皮膚が伸びにくい部位のため、炎症が起きると内圧が上がりやすく、顔の他の部位より痛みが強くなりやすいです。
⚡ 鼻前庭炎(びぜんていえん)
鼻前庭炎は、鼻の入り口(鼻前庭)の皮膚が細菌・真菌・ウイルスなどに感染して炎症を起こした状態です。赤み・痛み・かゆみ・かさつきなどが主な症状で、触れると強い痛みを感じます。鼻をよく触る習慣がある方、鼻毛を抜く習慣がある方、花粉症などで鼻をしょっちゅうかむ方に起きやすいとされています。
🌟 鼻茸(はなたけ・鼻ポリープ)
鼻茸は、鼻腔内の粘膜が慢性的な炎症によって過剰に増殖し、ぶどうの房状のポリープを形成したものです。慢性副鼻腔炎(蓄膿症)やアレルギー性鼻炎と関連して発生することが多く、鼻づまり・嗅覚障害・鼻水などが主な症状です。鼻茸自体はあまり痛みを伴わないことが多いですが、感染や炎症が重なると痛みを感じることがあります。また、鼻茸が大きくなると鼻腔を圧迫し、不快感や違和感を引き起こします。
💬 副鼻腔炎(蓄膿症)
副鼻腔炎は、鼻の周囲に複数ある副鼻腔(上顎洞・篩骨洞・前頭洞・蝶形骨洞)が炎症を起こした状態です。膿がたまることで鼻腔内への分泌物の流入が増え、鼻腔内に膿性の分泌物がたまることがあります。顔面の痛み・圧迫感・頭痛・歯の痛みなどを伴うことも多く、鼻の中に違和感やできものに似た感覚を覚える方もいます。慢性化すると鼻茸につながることもあります。
✅ 内包嚢腫(のうほう)
鼻腔内に嚢腫(液体の入った袋状の組織)が形成されることがあります。副鼻腔内に生じた嚢腫が鼻腔側に突出するケースや、鼻腔の粘膜下に生じるケースがあります。多くは無痛ですが、感染を伴うと痛みや腫れが生じることがあります。
📝 乳頭腫(にゅうとうしゅ)などの良性腫瘍
鼻腔内には、乳頭腫(パピローマ)などの良性腫瘍が発生することがあります。ヒトパピローマウイルス(HPV)などが関与するとされ、鼻腔内に白みがかったイボ状のできものとして確認されます。多くは痛みが少ないですが、増大すると鼻づまりや違和感の原因になります。一部の乳頭腫(特に内反性乳頭腫)は悪性化のリスクがあるため、専門医による評価が必要です。
🔸 悪性腫瘍(鼻腔・副鼻腔がん)
まれですが、鼻腔や副鼻腔に悪性腫瘍が発生することがあります。長期にわたる鼻づまり・鼻血・顔面の腫れ・痛みなどが続く場合、悪性腫瘍の可能性を考慮した検査が必要です。早期発見・早期治療が予後に大きく影響するため、症状が長引く場合は早めに専門医を受診することが重要です。
✨ 3. 鼻の中のできものの種類別・症状と特徴
鼻の中のできものは、その種類によって見た目・痛みの程度・随伴症状などが異なります。自分のできものがどの種類に近いかを把握しておくことで、受診の際に医師への説明がスムーズになります。ただし、自己判断での確定診断は危険なため、以下はあくまでも参考情報として活用してください。
⚡ 鼻せつ・毛嚢炎・ニキビに共通する特徴
これらは鼻の入り口付近(鼻前庭)に生じることが多く、赤く腫れた小さなしこりとして現れます。触れると強い痛みがあり、特に鼻をかむ・指で触れる・眼鏡がふれるなどで痛みが増すことが多いです。白い膿頭が確認できる場合もあります。発症から数日以内に自然に改善することもありますが、大きくなる・痛みが強くなるという場合は感染が進んでいる可能性があります。
🌟 鼻茸(鼻ポリープ)の特徴
鼻茸は粘膜が増殖したもので、表面は滑らかで白〜灰色がかった半透明の外観を持ちます。柔らかくゼリー状の質感で、痛みを伴わないことが多いです。主な症状は鼻づまり・においがわからない(嗅覚障害)・鼻水・後鼻漏(鼻水がのどに流れる)などです。特に両側の鼻に生じる場合は好酸球性副鼻腔炎との関連が疑われます。鼻茸は片側だけに生じる場合、乳頭腫など他の腫瘍との鑑別が必要です。
💬 副鼻腔炎に伴うできものの特徴
副鼻腔炎では鼻腔内に膿性の鼻水がたまり、粘膜が腫れて鼻腔が狭くなります。頬・目の周囲・額などの顔面に痛みや重い感じがある、上の歯が痛む、においがわかりにくい、後鼻漏(黄色や緑色の鼻水がのどに流れる)などの症状を伴うことが特徴的です。急性副鼻腔炎では発熱を伴うこともあります。
副鼻腔炎に伴うできものの特徴として、急性期には鼻腔粘膜が著しく腫れ、鼻をかむと痛みが増すことがあります。慢性化すると鼻茸が形成されて鼻づまりが恒常化するケースも珍しくありません。
✅ 良性・悪性腫瘍の特徴
良性腫瘍(乳頭腫など)は、比較的長い期間かけてゆっくり大きくなります。片側の鼻づまりが徐々に悪化する・鼻血が出やすくなるなどの症状が出ることがあります。悪性腫瘍の場合はこれらの症状に加え、顔面の腫れや変形・複視(ものが二重に見える)・頬のしびれなど、周囲の組織への浸潤を示す症状が現れることがあります。これらは早急な専門医受診が必要なサインです。
Q. 鼻の中のできものの種類にはどんなものがありますか?
鼻の中のできものには、細菌感染による鼻せつ・毛嚢炎・ニキビ・鼻前庭炎、慢性炎症による鼻茸(鼻ポリープ)、副鼻腔炎、嚢腫、乳頭腫などの良性腫瘍、まれに悪性腫瘍まで多様な種類があります。自己判断での確定診断は難しく、専門医の受診が推奨されます。
🔍 4. 鼻の中のできものを悪化させるNG行動
鼻の中にできものができると、気になって触ったり自分でなんとかしようとしてしまいがちです。しかし、誤った対処が症状を大幅に悪化させるリスクがあります。以下に代表的なNG行動を挙げます。
📝 自分で膿を絞り出す・つぶす
鼻の中のニキビや鼻せつを自分でつぶすことは非常に危険です。前述のように、鼻の入り口付近は「危険三角」と呼ばれる部位に位置しており、この部位の血流は直接脳内の静脈洞(海綿静脈洞)につながっています。細菌が血流に乗って脳内に達すると、海綿静脈洞血栓症という重篤な合併症を引き起こすことがあります。発熱・頭痛・眼球突出・視力低下などの症状が現れた場合は緊急受診が必要です。
🔸 鼻毛を無理に抜く
できものがある状態で鼻毛を抜くことは、傷口から細菌を侵入させるリスクがあります。また、鼻毛を無理に抜く習慣自体が毛嚢炎や鼻前庭炎の原因になるため、できものがない状態でも鼻毛は抜かずにハサミやトリマーで処理することが推奨されます。
⚡ 市販のステロイド薬を鼻の中に塗る
市販のステロイド外用薬を鼻の中に自己判断で塗布することは避けてください。ステロイドは免疫反応を抑制するため、感染が広がりやすくなるリスクがあります。特に細菌・真菌感染が原因のできものにステロイドを使用すると、症状が悪化することがあります。
🌟 アルコールや刺激物で無理に消毒する
濃度の高いアルコールや刺激の強い消毒薬を鼻の中に塗ることは、粘膜や皮膚を傷つけてかえって炎症を悪化させる可能性があります。鼻腔内の粘膜はデリケートなため、強い刺激には弱いことを覚えておいてください。
💬 受診せずに様子を見続ける
できものが数日で自然に消えることもありますが、痛みが強い・どんどん大きくなる・発熱がある・顔が腫れてきた、などの場合は早急に受診が必要です。「たかが鼻のできもの」と放置することで、感染の拡大や重篤な合併症につながるリスクがあります。
💪 5. 自宅でできるケアと注意点
症状が軽度の場合には、自宅でのセルフケアで症状が和らぐことがあります。ただし、以下のケアはあくまでも補助的なものであり、症状が改善しない場合や悪化する場合は必ず受診してください。
✅ 清潔を保つ
手洗いを徹底し、できものがある部位に手で触れないよう意識することが大切です。鼻をかむときは強くかみすぎず、やわらかいティッシュで丁寧に行うようにしましょう。
📝 温湿布(温罨法)
鼻せつや毛嚢炎の初期段階では、清潔なタオルをぬるま湯で湿らせて患部に当てる温罨法が有効な場合があります。温めることで血流が促進され、炎症の消退を助ける効果が期待できます。ただし、熱すぎるタオルや長時間の湿布は皮膚を傷めるため注意してください。
🔸 鼻腔の保湿
鼻腔内の乾燥は粘膜への刺激になり、炎症が起きやすくなります。空気が乾燥する季節には加湿器を使用したり、生理食塩水(市販のノーズスプレーなど)を使って鼻腔を保湿することで、粘膜環境を整えることができます。乾燥による鼻毛の根元への刺激を減らすことにもつながります。
⚡ 市販の鎮痛薬の使用
痛みが強い場合には、市販のイブプロフェンやアセトアミノフェンなどの鎮痛薬を用法・用量を守って使用することで、痛みを一時的に和らげることができます。ただし、鎮痛薬は痛みを抑えるものであり、根本的な治療ではないため、症状が続く場合は受診が必要です。
🌟 生活習慣の見直し
睡眠不足・栄養不足・過剰なストレスは免疫力の低下につながり、細菌感染によるできものが起きやすい環境を作ります。バランスのとれた食事・十分な睡眠・適度な運動を心がけ、体の抵抗力を高めることも重要です。特にビタミンC・ビタミンE・亜鉛などの栄養素は皮膚や粘膜の健康維持に役立つとされています。
Q. 鼻の中のできものに対して自宅でできるケアは何ですか?
症状が軽度の場合は、手洗いを徹底して患部を触らないこと、清潔なタオルをぬるま湯で湿らせて当てる温罨法、生理食塩水の点鼻による鼻腔保湿が有効な場合があります。ただし数日経っても改善しない場合や悪化する場合は、医療機関を受診してください。

🎯 6. 病院を受診すべき目安とタイミング
鼻の中のできものに関して、以下の症状がある場合は速やかに医療機関を受診してください。
💬 緊急性が高いサイン(できるだけ早く受診)
発熱(38度以上)が続いている場合、顔や目の周囲が腫れてきた場合、視力の変化や複視(ものが二重に見える)が出た場合、強い頭痛が続いている場合、目が充血して飛び出してきた感じがある場合、これらのいずれかがあれば緊急性が高く、すぐに受診または救急受診が必要です。これらは感染が広がっている可能性を示す危険なサインです。
✅ 数日以内に受診を検討すべき状況
セルフケアを続けても症状が改善しない場合、できものが日に日に大きくなっている場合、痛みが増強している場合、鼻血が繰り返し出る場合、においがわからなくなった場合、長期間(2〜3週間以上)鼻づまりが続く場合、片側だけのできものや鼻づまりが続く場合、これらは早めに受診することを強くお勧めします。
📝 経過観察でもよい場合
小さな腫れで、痛みも軽度、発熱などの全身症状がなく、数日で徐々に改善している場合は、自宅でのセルフケアを続けながら様子を見ることが許容される場合もあります。ただし、改善しなかったり悪化したりする場合はためらわずに受診してください。
💡 7. 何科を受診すればよいか
鼻の中のできもので受診すべき診療科について説明します。
🔸 耳鼻咽喉科(耳鼻科)
鼻の中のできものに対しては、まず耳鼻咽喉科(耳鼻科)を受診するのが最も適切です。耳鼻咽喉科では鼻腔鏡や内視鏡を用いて鼻の中を詳しく観察でき、できものの性状・大きさ・部位を正確に把握することができます。副鼻腔炎・鼻茸・腫瘍など、耳鼻科の専門的な治療が必要な疾患については、最も適切な診断と治療を受けることができます。
⚡ 皮膚科

鼻の入り口付近のニキビ・毛嚢炎・鼻前庭炎などは、皮膚科でも診てもらうことができます。皮膚の専門家として、外用薬(抗菌薬配合のものなど)の選択や炎症の管理を適切に行ってもらえます。ただし、鼻の奥のできものや副鼻腔炎などが疑われる場合は耳鼻科への紹介が必要になる場合があります。
🌟 形成外科・美容皮膚科
鼻の中のできものが粉瘤(アテローム)などの嚢腫である場合、形成外科での切除・摘出が行われることがあります。また、鼻の外観に関わるできものについて相談したい場合は形成外科や美容皮膚科が選択肢になりますが、まずは鼻腔内の病変の評価を耳鼻科や皮膚科で受けることをお勧めします。
Q. 鼻の中にできものができやすい人の特徴は何ですか?
鼻毛を引っ張って抜く習慣がある方、無意識に鼻の中を触る癖がある方、花粉症やアレルギー性鼻炎で鼻をかむ回数が多い方、睡眠不足や栄養不足で免疫力が低下している方は繰り返しできやすい傾向があります。日常習慣の見直しが予防につながります。
📌 8. 病院での診断・治療方法
病院を受診した場合、どのような診断・治療が行われるかを説明します。
💬 問診・視診・鼻腔鏡検査
医師はまず症状の経過・痛みの程度・発熱の有無・アレルギー歴などを問診で確認します。次に、鼻腔鏡(鼻用の小さなスペキュラ)や内視鏡を用いて鼻腔内を直接観察します。できものの位置・大きさ・色・性状(硬い・軟らかい・表面の状態など)を確認することで、鑑別診断が進みます。
✅ 画像検査(CT・MRIなど)
副鼻腔炎・腫瘍・嚢腫などが疑われる場合は、CT(コンピュータ断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像)による画像検査が行われます。副鼻腔の状態・骨の変化・病変の広がりを確認するために有用です。特にCTは副鼻腔の構造を詳細に把握するのに優れており、耳鼻科では広く行われる検査です。
📝 細菌培養検査・病理検査
感染が疑われる場合は、鼻の分泌物や膿を採取して細菌培養検査を行い、原因菌の特定と抗菌薬の感受性テストが実施されます。また、腫瘍が疑われる場合は、組織の一部を採取して病理検査が行われ、良性か悪性かの判断がなされます。
🔸 治療の種類
診断に基づく治療としては、以下のものが代表的です。
細菌感染(鼻せつ・毛嚢炎など)に対しては、抗菌薬(内服薬・外用薬)が処方されます。重症の場合は点滴による抗菌薬投与が必要になることもあります。膿がたまっている場合は、医師が切開・排膿を行う処置が加わることがあります。この処置は専門家が行うべきものであり、自己処置は厳禁です。
副鼻腔炎に対しては、抗菌薬・去痰薬・抗炎症薬などの内服に加え、鼻腔洗浄や点鼻薬(ステロイド点鼻薬など)が用いられます。慢性副鼻腔炎に対してはマクロライド系抗菌薬の少量長期療法が行われることもあります。薬物療法で改善しない場合は、内視鏡下副鼻腔手術(ESS)が選択されることがあります。
鼻茸に対しては、ステロイド点鼻薬やステロイドの短期内服で縮小を図ることが試みられます。効果が不十分な場合や大きな鼻茸の場合は、内視鏡を用いた手術で切除します。好酸球性副鼻腔炎に伴う鼻茸では、生物学的製剤(デュピルマブなど)が有効な場合があり、専門施設での治療が行われます。
良性腫瘍(乳頭腫など)に対しては、内視鏡下での切除が行われます。特に内反性乳頭腫は再発率が高く悪性化のリスクもあるため、術後も定期的な経過観察が必要です。悪性腫瘍が診断された場合は、がんの種類・進行度に応じて手術・放射線治療・化学療法などが組み合わされた集学的治療が行われます。
✨ 9. 鼻の中のできものを予防するためのポイント
鼻の中のできものは、日常の習慣を見直すことである程度予防できます。特に繰り返しできる方は、以下のポイントを意識してみてください。
⚡ 鼻の中を不必要に触らない
手には多くの細菌が付着しています。無意識に鼻の中に指を入れる癖がある方は意識して控えるようにしましょう。鼻をかむ際も、手で触れる前後に手洗いを徹底することが感染予防につながります。
🌟 鼻毛は適切な方法で処理する
鼻毛は引っ張って抜くのではなく、専用のハサミや鼻毛トリマーで切る方法を選んでください。抜く行為は毛嚢への刺激・傷・感染リスクを高めます。また、鼻毛は鼻腔内に異物が入るのを防ぐフィルターの役割を担っているため、根元から処理しすぎることも避けた方がよいでしょう。
💬 アレルギー性鼻炎・花粉症のコントロール
花粉症や通年性アレルギー性鼻炎がある方は、鼻をかむ回数が増えることで鼻前庭への摩擦刺激が増し、炎症やできものができやすくなります。抗アレルギー薬・ステロイド点鼻薬などを用いて症状をコントロールし、鼻の粘膜への負担を減らすことが予防につながります。
✅ 鼻腔の適切な保湿・加湿
乾燥した環境では鼻腔内の粘膜が乾燥し、バリア機能が低下して感染を受けやすくなります。室内の湿度は50〜60%程度を目安に保つことが推奨されます。生理食塩水の点鼻や保湿に特化したノーズジェルなどを活用することも有効です。
📝 免疫力の維持
細菌感染によるできものは、免疫力が低下しているときに起きやすいです。規則正しい生活・バランスのよい食事・十分な睡眠・適切なストレス管理を行い、体の抵抗力を高めることが全体的な感染予防につながります。特に糖尿病などの基礎疾患がある方は血糖コントロールが重要で、血糖が高い状態では感染症が重症化しやすいことが知られています。
🔸 鼻うがい(鼻腔洗浄)の習慣化
生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム水溶液)を使った鼻うがいは、鼻腔内の汚れ・花粉・ほこりを洗い流し、粘膜の清潔を保つのに有効とされています。市販の鼻うがい専用キットを使うと安全で簡単に行えます。ただし、水道水をそのまま使うと浸透圧の違いで粘膜を傷めることがあるため、必ず生理食塩水(または専用の溶液)を使用してください。
⚡ 早期受診の習慣をつける
鼻の中のできものは「そのうち治るだろう」と放置しがちですが、感染が悪化してから受診すると治療が長引くことがあります。症状が出始めた早い段階で受診する習慣をつけることで、重症化を防ぎ治療期間を短縮することにつながります。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、鼻の中のできものを「放っておけば治るだろう」と感じてご来院が遅れる患者様も多くいらっしゃいますが、鼻の入り口付近は感染が脳内の静脈洞へと波及するリスクがある「危険三角」に近い部位のため、自己処置は避け早めにご相談いただくことを強くお勧めしています。最近の傾向として、花粉症やアレルギー性鼻炎をお持ちの方が鼻をかむ刺激により鼻前庭炎や毛嚢炎を繰り返すケースも目立っており、アレルギーそのもののコントロールも含めて総合的にサポートいたします。発熱・顔の腫れ・視力の変化といった緊急サインがある場合はもちろん、数日経っても改善しない場合もどうぞお気軽にご受診ください。」
🔍 よくある質問
自分でつぶすことは非常に危険です。鼻の入り口付近は「危険三角」と呼ばれる部位に近く、細菌が血流に乗って脳内の静脈洞へ広がる「海綿静脈洞血栓症」という重篤な合併症を引き起こすリスクがあります。痛みが強い・膿がある場合は必ず医療機関を受診してください。
まずは耳鼻咽喉科(耳鼻科)の受診をおすすめします。鼻腔鏡や内視鏡でできものの位置・大きさ・性状を正確に確認できます。鼻の入り口付近のニキビや毛嚢炎であれば皮膚科でも対応可能です。アイシークリニックでも皮膚科領域の診察を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
以下の症状が現れた場合はすぐに受診してください。38度以上の発熱が続く、顔や目の周囲が腫れてきた、視力の変化や物が二重に見える、強い頭痛が続く、目が充血して飛び出してきた感じがするなどは、感染が広がっている危険なサインです。救急受診も検討してください。
症状が軽度であれば、いくつかのセルフケアが有効です。手洗いを徹底して患部を触らないこと、清潔なタオルをぬるま湯で湿らせて患部に当てる温罨法、生理食塩水の点鼻で鼻腔を保湿するなどが挙げられます。ただし数日経っても改善しない場合や悪化する場合は、必ず医療機関を受診してください。
いくつかの習慣や体質がリスクを高めます。鼻毛を引っ張って抜く習慣がある方、無意識に鼻の中を触る癖がある方、花粉症やアレルギー性鼻炎で鼻をかむ回数が多い方、睡眠不足や栄養不足で免疫力が低下している方などは繰り返しできやすい傾向があります。日常習慣の見直しが予防につながります。
💪 まとめ
鼻の中にできものができて痛い場合、その原因は鼻せつ・毛嚢炎・ニキビ・鼻前庭炎などの感染性疾患から、鼻茸(鼻ポリープ)・副鼻腔炎・嚢腫・良性腫瘍・まれに悪性腫瘍まで幅広く考えられます。鼻の入り口付近は危険三角と呼ばれる部位に近く、感染が広がると重篤な合併症を引き起こすリスクがあるため、自分で無理につぶしたり処置したりすることは避けるべきです。
症状が軽度であれば、清潔を保つ・温罨法・鼻腔の保湿など自宅でのセルフケアを試みることができますが、発熱・顔の腫れ・視力変化・強い頭痛などの緊急サインがある場合はただちに医療機関を受診してください。数日で改善しない・痛みが強くなる・鼻血が繰り返すなどの症状も、早めに耳鼻咽喉科または皮膚科を受診するタイミングです。
正確な診断と適切な治療のためには、専門医による評価が不可欠です。鼻の中のできものや痛みが続く場合は、自己判断で様子を見るのではなく、医療機関を受診して適切な診断と治療を受けることを強くお勧めします。アイシークリニック渋谷院では皮膚科領域の診察を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
📚 関連記事
- カルボシステインは鼻水に効く?作用・使い方・注意点を解説
- 鼻詰まりにカルボシステインは効く?作用・効果・使い方を詳しく解説
- カルボシステインは鼻詰まりに効く?作用・使い方・注意点を解説
- 皮膚科のニキビ治療料金の目安を解説|保険と自由診療の違いも紹介
- マイザー軟膏はどんな時に使う?効果・使い方・注意点を解説
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 鼻前庭炎・毛嚢炎・ニキビなど皮膚感染症に関する診断基準および外用薬・抗菌薬による治療方針の参照
- 厚生労働省 – 細菌感染症(黄色ブドウ球菌等)の感染予防・拡大リスクおよび適切な抗菌薬使用に関する公式情報の参照
- PubMed – 鼻せつ・海綿静脈洞血栓症・鼻腔内乳頭腫(内反性乳頭腫)・好酸球性副鼻腔炎に対する生物学的製剤(デュピルマブ)等の臨床的エビデンスの参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務