ノロウイルスは、毎年冬季を中心に流行する感染性胃腸炎の主な原因ウイルスです。非常に感染力が強く、少量のウイルスでも感染が成立するため、家庭内や施設内での集団感染が起こりやすいのが特徴です。潜伏期間は比較的短く、感染から12〜48時間程度で突然の嘔吐や激しい下痢などの症状が現れます。本記事では、ノロウイルスの潜伏期間や症状の詳細、感染経路、家庭での適切な対処法、そして効果的な予防策について、医学的根拠に基づいて詳しく解説します。正しい知識を身につけることで、自分自身や家族の健康を守りましょう。
目次
- ノロウイルスとは?基本情報を知ろう
- ノロウイルスの潜伏期間はどのくらい?
- ノロウイルス感染症の主な症状
- ノロウイルスの感染経路を詳しく解説
- ノロウイルスに感染したときの対処法
- ノロウイルスの予防法
- ノロウイルスとロタウイルスの違い
- 医療機関を受診すべきタイミング
- よくある質問
- 参考文献
🦠 ノロウイルスとは?基本情報を知ろう
ノロウイルスは、ヒトの腸管で増殖し、急性胃腸炎を引き起こすウイルスです。1968年にアメリカのオハイオ州ノーウォークで発生した集団胃腸炎から初めて検出されたことから、以前は「ノーウォークウイルス」や「小型球形ウイルス(SRSV)」と呼ばれていました。2002年に国際ウイルス学会で「ノロウイルス」という名称に統一されました。
📋 ノロウイルスの特徴
ノロウイルスには以下のような特徴があります。
- 非常に小さなウイルスであり、直径は約30〜38ナノメートルしかありません
- エンベロープ(脂質二重膜の外被)を持たないため、アルコール消毒が効きにくい特性があります
- 感染力は極めて強く、わずか10〜100個程度のウイルス粒子で感染が成立する
- 感染後に獲得される免疫は長続きせず、同じ人が何度も感染する可能性がある
この小ささが、環境中での生存力の高さにつながっています。そのため、消毒には次亜塩素酸ナトリウムや加熱処理が有効です。
📅 流行時期と発生状況
ノロウイルスによる感染性胃腸炎は、毎年11月頃から増加し始め、12月〜翌年1月にピークを迎えます。ただし、年間を通じて発生は見られ、夏季にも散発的な感染例が報告されています。
日本では毎年数百件の集団感染事例が報告されており、特に以下の施設での発生が多く報告されています:
- 保育園、幼稚園
- 学校
- 高齢者施設
- 病院
⏰ ノロウイルスの潜伏期間はどのくらい?
ノロウイルスに感染してから症状が現れるまでの期間、いわゆる潜伏期間は、一般的に12〜48時間(1〜2日)程度です。多くの場合、24〜48時間で発症します。この潜伏期間は比較的短く、感染源となった食事や接触から発症までの時間を特定しやすいという特徴があります。
🔬 潜伏期間中の感染力
ノロウイルスの潜伏期間中にも、ウイルスは体内で増殖を続けています。
- 症状が出る前からウイルスの排出が始まっている可能性があり、この時期にも他者への感染リスクがあると考えられています
- 症状出現後、特に嘔吐や下痢の症状がある時期に最もウイルス排出量が多くなる
- この時期に最も感染力が高くなります
🔄 症状回復後のウイルス排出期間
ノロウイルスの重要な特徴として、症状が治まった後もウイルスの排出が続くという点があります。
- 通常、症状回復後も1〜2週間程度は便中にウイルスが排出され続けます
- 場合によっては、1ヶ月以上にわたってウイルスが検出されることもあります
- 症状が治まった後も引き続き手洗いの徹底や衛生管理が重要です
特に、食品を取り扱う仕事に従事している方や、乳幼児や高齢者のケアに携わる方は、症状回復後も十分な注意が必要です。
👤 不顕性感染について
ノロウイルスに感染しても、全員が症状を発症するわけではありません。感染者の約30%程度は、ほとんどあるいは全く症状を示さない「不顕性感染」の状態になるとされています。
不顕性感染者も便中にウイルスを排出しているため、知らないうちに感染源となる可能性があります。この点が、ノロウイルスの感染拡大を防ぐことを難しくしている要因の一つです。
🤒 ノロウイルス感染症の主な症状
ノロウイルスに感染すると、主に消化器症状が現れます。症状の程度には個人差がありますが、典型的な症状について詳しく解説します。
🤮 嘔吐
ノロウイルス感染症の最も特徴的な症状の一つが嘔吐です。
- 多くの場合、突然の強い吐き気から始まり、噴射状の激しい嘔吐を繰り返します
- 嘔吐は特に発症初期に顕著で、1日に数回から十数回に及ぶこともあります
- 小児では嘔吐が主症状となることが多い
- 成人では下痢が主症状となる傾向があります
嘔吐物には大量のウイルスが含まれているため、処理の際には十分な注意が必要です。
💧 下痢
下痢もノロウイルス感染症の主要な症状です。
- 通常は水様性の下痢で、1日に数回から10回以上にわたって排便することがあります
- 便の色は黄色から茶色で、血液が混じることは通常ありません
- 血便が見られる場合は、他の疾患の可能性も考慮する必要があります
- 下痢は嘔吐よりも長く続くことが多く、数日間持続することがあります
😣 腹痛
腹痛は多くの患者で見られる症状です。
- 痛みの程度は軽度から中等度であることが多い
- 激しい痛みは比較的まれです
- 腹痛は腸の動きが活発になることによるもので、下痢に伴って起こることが多い
- 痛みの部位は腹部全体に及ぶことが多いですが、下腹部に強く感じる場合もあります
🌡️ 発熱
ノロウイルス感染症では、発熱は比較的軽度であることが多いです。
- 37〜38℃程度の微熱が出ることがありますが、39℃以上の高熱が出ることは少ない
- 発熱は通常1〜2日程度で治まります
- 高熱が続く場合や、39℃以上の発熱がある場合は、他の感染症の可能性も考慮して医療機関を受診することをお勧めします
💤 その他の症状
ノロウイルス感染症では、上記の主症状に加えて、以下のような全身症状が現れることがあります:
- 頭痛
- 筋肉痛
- 倦怠感
- 食欲不振
また、嘔吐や下痢による脱水症状として、以下の症状が起こることがあります:
- 口の渇き
- 尿量の減少
- めまい
- 立ちくらみ
特に乳幼児や高齢者では脱水症状が重篤化しやすいため、注意が必要です。
📅 症状の持続期間
ノロウイルス感染症の症状は、通常1〜3日程度で自然に軽快します。多くの場合、特別な治療を行わなくても回復しますが、この間は安静と十分な水分補給が重要です。
症状が3日以上続く場合や、症状が悪化する場合は、医療機関への相談をお勧めします。
🔄 ノロウイルスの感染経路を詳しく解説
ノロウイルスの感染経路を理解することは、予防対策を講じる上で非常に重要です。主な感染経路について詳しく見ていきましょう。
🍽️ 経口感染(食品からの感染)
ノロウイルスの最も一般的な感染経路の一つが、汚染された食品を介した経口感染です。
- 特に、生や加熱不十分な二枚貝(牡蠣、しじみ、あさりなど)はノロウイルスの感染源として知られています
- 二枚貝が海水中のノロウイルスを濃縮して蓄積する性質があるためです
- 感染した調理従事者が素手で調理した食品
- 汚染された水で洗浄した野菜・果物なども感染源となります
🤝 接触感染
感染者の嘔吐物や便に触れた手指を介して、ウイルスが口に入ることで感染が成立します。これを接触感染といいます。
- 感染者の看護や介護を行った後に十分な手洗いをせずに食事をした場合
- 感染者が使用したトイレのドアノブや水道の蛇口などを触った後に口や鼻を触った場合
- 特に家庭内や施設内での二次感染の主な経路となっています
💨 飛沫感染・塵埃感染
感染者が嘔吐した際に、嘔吐物から飛び散った微細な飛沫(エアロゾル)を吸い込むことで感染することがあります。
- 飛沫感染:嘔吐時の微細な飛沫を吸い込むことによる感染
- 塵埃感染:乾燥した嘔吐物や便が塵となって空気中に舞い上がり、それを吸い込んで感染
- カーペットや絨毯に付着した嘔吐物を適切に処理しないと、乾燥後に塵埃感染の原因となることがあります
💧 水系感染
ノロウイルスに汚染された水を飲むことによっても感染が起こります。
- 井戸水や湧き水が汚染された場合
- 水道施設のトラブルにより水道水が汚染された場合
- 日本では水道水の管理が徹底されているため、水道水からの感染は稀
- 発展途上国への渡航時や災害時には注意が必要です
🏥 ノロウイルスに感染したときの対処法
ノロウイルス感染症には、ウイルスを直接攻撃する特効薬や抗ウイルス薬はありません。そのため、治療は主に症状を和らげ、体の自然治癒力による回復を助ける対症療法が中心となります。
💧 水分補給の重要性
嘔吐や下痢により、体内の水分と電解質(ナトリウム、カリウムなど)が大量に失われます。脱水症状を予防するためには、こまめな水分補給が最も重要です。
- 水分補給には、水やお茶だけでなく、経口補水液(OS-1など)やスポーツドリンクなど、電解質を含む飲料が適しています
- 一度に大量に飲むと嘔吐を誘発することがあるため、少量ずつ頻回に摂取することがポイント
- 嘔吐がひどい場合は、氷のかけらを舐めることから始めるのも一つの方法です
🍚 食事について
症状が強い時期は無理に食事を摂る必要はありません。嘔吐が治まり、食欲が出てきたら、消化の良い食べ物から少しずつ始めましょう。
適している食べ物:
- おかゆ
- うどん
- 白身魚
- バナナ
- りんごのすりおろし
避けた方が良い食べ物:
- 脂っこいもの
- 香辛料の多いもの
- 乳製品
- アルコール
- カフェイン
💤 安静の重要性
体がウイルスと戦っている期間は、十分な休息が必要です。
- 無理をせず、安静にして体力の回復を待ちましょう
- 仕事や学校は症状が治まるまで休むことが、自分自身の回復のためだけでなく、周囲への感染拡大を防ぐためにも重要です
💊 市販薬の使用について
下痢止め薬の使用については注意が必要です。
- 下痢は体がウイルスを排出しようとする防御反応の一つでもあるため、下痢止め薬で無理に止めてしまうと、ウイルスの排出が遅れる可能性があります
- 特に強い下痢止め薬の自己判断での使用は避け、必要な場合は医師に相談しましょう
- 吐き気止めや解熱鎮痛剤は、症状が辛い場合に使用できますが、使用前に添付文書をよく読むことが重要です
🧼 嘔吐物・便の処理方法
ノロウイルスは感染力が強いため、嘔吐物や便の処理には細心の注意が必要です。
- 処理を行う際は、使い捨てのマスクと手袋を着用しましょう
- 嘔吐物や便は、ペーパータオルなどで外側から内側に向かって静かに拭き取り、ビニール袋に密封して廃棄します
- 汚染された床などは、次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤を希釈したもの:塩素濃度約200ppm、または約0.02%)で消毒します
- 処理後は、石けんと流水で十分に手を洗いましょう
🛡️ ノロウイルスの予防法
ノロウイルスには現在のところワクチンがないため、感染を予防するには日常的な衛生管理が重要です。効果的な予防法について詳しく解説します。
🧴 手洗いの徹底
手洗いは、ノロウイルス感染予防の最も基本的かつ重要な方法です。
手洗いのタイミング:
- トイレの後
- 食事の前
- 調理の前後
- 外出から帰宅した時
正しい手洗い方法:
- 石けんを十分に泡立て、手のひら、手の甲、指の間、指先、爪の間、手首まで丁寧に洗います
- 少なくとも20〜30秒かけて洗い、流水でしっかりとすすぎましょう
- アルコール消毒剤はノロウイルスに対する効果が限定的なため、石けんと流水による手洗いが基本となります
🔥 食品の適切な取り扱い
ノロウイルスは熱に弱いため、食品を中心部まで十分に加熱することで不活化できます。
- 特に二枚貝は、中心部が85〜90℃で90秒以上加熱されるようにしましょう
- 生食用の牡蠣であっても、ノロウイルスの流行期には加熱調理することをお勧めします
- 野菜や果物はよく洗ってから食べましょう
- 調理器具やまな板は、使用後に洗浄し、熱湯や次亜塩素酸ナトリウムで消毒することが効果的です
🏠 環境の消毒
ノロウイルスは環境中で長期間生存できるため、よく手が触れる場所の定期的な消毒が有効です。
消毒すべき場所:
- ドアノブ
- 手すり
- スイッチ
- トイレの便座や水洗レバー
- 水道の蛇口
消毒液の濃度:
- 通常の環境消毒:約0.02%(200ppm)
- 嘔吐物の処理:約0.1%(1000ppm)
なお、塩素系消毒剤は金属を腐食させたり、色落ちの原因になることがあるため、使用場所や素材に注意が必要です。
👨🍳 調理従事者の衛生管理
食品を取り扱う方は、特に厳重な衛生管理が求められます。
- 体調が悪い時、特に嘔吐や下痢の症状がある時は調理を行わないことが重要です
- 症状が治まった後も、1〜2週間程度はウイルスの排出が続く可能性があるため、特に手洗いを徹底
- 可能であれば直接手で触れる調理は避けましょう
- 使い捨て手袋の使用も有効ですが、手袋をしていても手袋の交換前後には手洗いが必要です
🚫 感染者との接触を避ける
家族にノロウイルス感染者がいる場合の対策:
- 可能な限り感染者との接触を減らしましょう
- 感染者専用のトイレを設けるか、感染者が使用した後はトイレを消毒
- タオルや食器の共用は避ける
- 感染者の洗濯物は別に洗濯
- 看護をする人はマスクと手袋を着用し、看護の後は必ず手洗いを実施
🔄 ノロウイルスとロタウイルスの違い
ノロウイルスとロタウイルスは、どちらも感染性胃腸炎を引き起こすウイルスですが、いくつかの点で異なります。それぞれの特徴を比較してみましょう。
👶 感染しやすい年齢層
- ノロウイルス:乳幼児から高齢者まで全ての年齢層で感染が見られます
- ロタウイルス:主に乳幼児(特に生後6ヶ月〜2歳頃)に多く見られ、5歳までにほぼ全ての子どもが感染するとされています
成人がロタウイルスに感染することもありますが、症状は軽いか無症状のことが多いです。
📅 流行時期
- ノロウイルス:主に11月〜翌年3月頃の冬季に流行のピーク
- ロタウイルス:日本では2月〜5月頃の冬から春にかけて流行
ノロウイルスの流行が落ち着く頃にロタウイルスが流行し始めるというパターンが見られることがあります。
🤒 症状の違い
両者とも嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状を引き起こしますが、いくつかの違いがあります。
ノロウイルス:
- 嘔吐が主症状となることが多い
- 症状の持続期間:1〜3日程度
- 発熱は比較的軽度(37〜38℃程度)
ロタウイルス:
- 下痢が主体で、便が白っぽくなる(白色便・米のとぎ汁様便)ことがある
- 症状の持続期間:3〜7日程度とやや長引く
- 発熱がノロウイルスよりも高くなる傾向があり、39℃以上の発熱を伴うことも珍しくありません
💉 予防法の違い
- ノロウイルス:現在有効なワクチンがありません
- ロタウイルス:予防ワクチンがあります。生後2ヶ月から接種を開始し、複数回の接種で高い予防効果が得られます
ロタウイルスワクチンの普及により、ロタウイルスによる重症胃腸炎は大幅に減少しています。
🏥 医療機関を受診すべきタイミング
ノロウイルス感染症は多くの場合、自然に回復しますが、以下のような症状がある場合は医療機関を受診することをお勧めします。
💧 脱水症状がひどい場合
嘔吐や下痢がひどく、水分を十分に摂取できない場合や、以下の脱水症状が見られる場合は、点滴による水分補給が必要になることがあります。
脱水症状の兆候:
- 口の渇き
- 尿量の著しい減少
- 皮膚の弾力低下
- めまいや立ちくらみ
乳幼児の脱水の兆候:
- 泣いても涙が出ない
- おむつが6時間以上濡れない
- ぐったりしている
- 大泉門(頭頂部の柔らかい部分)がへこんでいる
特に乳幼児は脱水症状が進行しやすいため、早めの受診が重要です。
👴 高齢者の場合
高齢者は脱水症状が重篤化しやすく、また嘔吐物を誤嚥して誤嚥性肺炎を起こすリスクがあります。
高齢者で注意すべき症状:
- 意識がぼんやりしている
- ぐったりしている
- 嘔吐物を吐いた後に咳が続く
高齢者でノロウイルス感染症が疑われる場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
📅 症状が長引く場合
通常、ノロウイルス感染症の症状は1〜3日程度で軽快します。以下の場合は他の疾患の可能性も考えられるため、医療機関を受診しましょう。
- 症状が3日以上続く場合
- 一度良くなったのに再び悪化した場合
⚠️ その他の注意が必要な症状
以下のような症状がある場合も、医療機関への受診をお勧めします:
- 血便が見られる場合(ノロウイルス感染症では通常血便は見られないため、他の疾患の可能性があります)
- 39℃以上の高熱が続く場合
- 激しい腹痛がある場合
- 意識がもうろうとしている場合
また、持病(糖尿病、腎臓病、免疫不全など)がある方は、症状が軽くても早めに医療機関に相談することをお勧めします。

❓ よくある質問
ノロウイルス感染症の症状は、通常1〜3日程度で自然に軽快します。多くの場合、特別な治療を行わなくても回復しますが、この間は安静にして十分な水分補給を心がけることが重要です。症状が治まった後も1〜2週間程度は便中にウイルスが排出され続けるため、引き続き手洗いの徹底など衛生管理に注意が必要です。
ノロウイルスはエンベロープ(脂質二重膜の外被)を持たないウイルスであるため、一般的なアルコール消毒剤の効果は限定的です。ノロウイルスの消毒には、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)を用いた消毒や、85〜90℃で90秒以上の加熱が有効です。手指の衛生には、石けんと流水による丁寧な手洗いが最も効果的な方法です。
ノロウイルス感染症には、法律で定められた出席停止期間はありません。しかし、嘔吐や下痢などの症状がある間は感染力が非常に高いため、症状が治まるまでは自宅で療養することが望ましいです。一般的には、嘔吐・下痢の症状が治まってから少なくとも1〜2日経過してから復帰することが推奨されています。ただし、職場や学校の規定がある場合はそれに従ってください。
ノロウイルスの検査は、診断を確定するために行われることがありますが、必ずしも全ての患者に必要というわけではありません。症状や経過から臨床的に診断されることも多いです。ノロウイルス迅速検査キットがありますが、3歳未満の乳幼児と65歳以上の高齢者のみ保険適用となっています。集団感染の原因調査などの場合には、より精度の高いPCR検査が行われることがあります。
ノロウイルスに感染すると一時的に免疫ができますが、この免疫は長続きしません。数ヶ月から数年程度で免疫が低下し、同じ型のノロウイルスに再感染する可能性があります。また、ノロウイルスには多くの異なる遺伝子型があり、ある型に対する免疫が他の型に対しては十分に働かないこともあります。そのため、生涯を通じて何度もノロウイルスに感染することがあります。
生や加熱不十分な牡蠣を食べることでノロウイルスに感染するリスクがあります。牡蠣などの二枚貝は、海水中のノロウイルスを体内に濃縮して蓄積する性質があるためです。ただし、中心部まで85〜90℃で90秒以上加熱すればノロウイルスは不活化されるため、十分に加熱調理した牡蠣であれば安心して食べることができます。ノロウイルスの流行期には、生食を避けることをお勧めします。
📚 参考文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
ノロウイルスの特徴として、潜伏期間が短いことが挙げられます。特に集団生活の場では、一人の感染者から短期間で多くの人に感染が拡がることがあります。症状が出る前から感染力があるため、手洗いなどの基本的な感染対策を日頃から徹底することが重要です。