楽しいお酒の席でつい飲み過ぎてしまい、翌日ひどい吐き気に悩まされた経験がある方は多いのではないでしょうか。飲み過ぎによる吐き気は、アルコールが体内で分解される過程で生じる有害物質や、胃への直接的な刺激によって引き起こされます。
適切な対処を行わないと症状が長引くだけでなく、脱水症状や急性アルコール中毒など深刻な状態に発展する可能性もあります。本記事では、飲み過ぎによる吐き気が起こるメカニズムから、すぐに実践できる対処法、さらには予防策まで詳しく解説します。正しい知識を身につけて、お酒と上手に付き合いましょう。
目次
- 飲み過ぎで吐き気が起こる原因とメカニズム
- 飲み過ぎによる吐き気への対処法
- 吐き気が続くときの応急処置
- 飲み過ぎによる吐き気を和らげる食べ物・飲み物
- 吐いてしまった場合の対処法
- 飲み過ぎによる吐き気を予防する方法
- 病院を受診すべき症状とタイミング
- よくある質問
- まとめ
この記事のポイント
飲み過ぎによる吐き気はアセトアルデヒド蓄積・胃粘膜刺激・脱水が主因。対処は水分補給と安静が基本で、意識障害・吐血・激しい腹痛がある場合は急性アルコール中毒等の疑いがあり即受診が必要。
🧠 飲み過ぎで吐き気が起こる原因とメカニズム
飲み過ぎによる吐き気は、単なる不快感ではなく、体がアルコールの過剰摂取に対して発する警告サインです。なぜ飲み過ぎると吐き気が生じるのか、そのメカニズムを理解することで、適切な対処法を選択できるようになります。
⚗️ アセトアルデヒドの蓄積
アルコールは体内に入ると、主に肝臓で代謝されます。まずアルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドという物質に分解され、次にアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって無害な酢酸に変換されます。
しかし、大量のアルコールを摂取すると、肝臓の処理能力を超えてしまい、アセトアルデヒドが体内に蓄積します。
アセトアルデヒドは非常に毒性が強く、以下のような不快な症状を引き起こします:
- 吐き気
- 頭痛
- 動悸
- 顔面紅潮
日本人を含むアジア人の約40%は、アセトアルデヒドを分解する酵素(ALDH2)の活性が低いか、ほとんど機能しない遺伝的特徴を持っています。このため、少量の飲酒でも顔が赤くなったり、吐き気を感じやすい傾向があります。
🔥 胃粘膜への刺激
アルコールは胃の粘膜を直接刺激し、胃酸の分泌を促進します。過度な飲酒によって胃粘膜が傷つくと、急性胃炎を引き起こし、強い吐き気や胃の不快感、胃痛などの症状が現れます。
特に空腹時の飲酒は、アルコールが直接胃壁に接触するため、粘膜への刺激がより強くなります。
また、アルコールは胃の運動機能にも影響を与えます。胃の内容物を十二指腸へ送り出す働きが低下すると、食べ物やアルコールが胃に長時間とどまり、吐き気や膨満感を感じやすくなります。
🧠 脳への影響
アルコールは脳にも直接作用します。血中アルコール濃度が上昇すると、脳幹にある嘔吐中枢が刺激され、吐き気や嘔吐を引き起こします。これは体が有害物質を排出しようとする防御反応の一つです。
さらに、アルコールは小脳にも影響を与え、平衡感覚を乱します。このため、飲酒後にめまいや回転性のふらつきを感じ、それが吐き気につながることもあります。
💧 脱水と電解質バランスの乱れ
アルコールには利尿作用があり、飲酒量以上の水分が体から失われることがあります。脱水状態になると、血液量が減少し、体内の電解質バランスが崩れます。
ナトリウムやカリウムなどの電解質のバランスが乱れると、以下の症状が現れます:
- 吐き気
- 倦怠感
- 筋肉のけいれん
また、アルコールは低血糖を引き起こすこともあります。肝臓がアルコールの代謝に追われると、糖新生(体内でブドウ糖を作る働き)が抑制され、血糖値が低下します。低血糖は吐き気だけでなく、冷や汗、震え、意識障害などの症状を引き起こす可能性があります。
Q. 飲み過ぎで吐き気が起きる主な原因は何ですか?
飲み過ぎによる吐き気は、主に3つの原因で起こります。①肝臓で処理しきれないアセトアルデヒドの蓄積、②アルコールによる胃粘膜への直接刺激と胃酸分泌促進、③アルコールの利尿作用による脱水と電解質バランスの乱れです。これらが複合的に作用して吐き気を引き起こします。
🩹 飲み過ぎによる吐き気への対処法
飲み過ぎて吐き気を感じたときは、適切な対処を行うことで症状を軽減し、回復を早めることができます。ここでは、すぐに実践できる具体的な対処法をご紹介します。
💧 水分補給を十分に行う
飲み過ぎによる吐き気への対処として最も重要なのは、水分補給です。アルコールの利尿作用により失われた水分を補うことで、脱水症状を防ぎ、アルコールの代謝を促進します。
水分補給のポイント:
- 常温の水や白湯が最適
- 冷たい水は胃を刺激するため避ける
- 少量ずつこまめに摂取する
- 一度に大量に飲むと吐き気が悪化する可能性あり
また、スポーツドリンクや経口補水液は、水分と同時に電解質も補給できるため効果的です。ただし、糖分が多いものは胃に負担をかける可能性があるため、薄めて飲むか、糖分控えめのタイプを選ぶことをおすすめします。
🛏️ 安静にして体を休める
吐き気を感じているときは、無理に動き回らず、安静にすることが大切です。体を動かすと平衡感覚が刺激され、吐き気が悪化することがあります。
効果的な休息方法:
- 静かな場所で横になる
- 体の左側を下にして寝る(胃の内容物が食道に逆流しにくい姿勢)
- 頭をやや高くする(胃酸の逆流を防ぐ効果)
- 深呼吸をゆっくり行う
深呼吸をゆっくり行うことも、吐き気の軽減に役立ちます。鼻からゆっくり息を吸い、口からゆっくり吐き出すことを繰り返すと、自律神経が整い、吐き気が和らぐことがあります。
👆 ツボを刺激する
吐き気を和らげるツボとして、「内関(ないかん)」というツボが知られています。内関は、手首の内側、手首のしわから指3本分ほど肘寄りの位置にあります。
効果的なツボ:
- 内関:手首の内側、手首のしわから指3本分肘寄り
- 足三里:膝のお皿の下から指4本分下がった、すねの外側
このツボを親指で3〜5秒間押し、離すという動作を繰り返すと、吐き気が軽減されることがあります。
🌬️ 適度に換気を行う
閉め切った部屋にいると、空気がこもって吐き気が悪化することがあります。新鮮な空気を取り入れることで、気分が楽になることがあります。
換気のポイント:
- 窓を開けて新鮮な空気を取り入れる
- 扇風機やエアコンで風を当てる
- 特に暑い季節は涼しい環境を整える
⚠️ 無理に吐こうとしない
吐き気が強いからといって、無理に嘔吐しようとするのは避けましょう。意図的に嘔吐を誘発すると、食道や喉に傷がつく可能性があります。また、激しい嘔吐は食道と胃の接合部に亀裂を生じさせ、出血を引き起こすこともあります(マロリー・ワイス症候群)。
吐きたくなったら我慢せずに吐いて構いませんが、自然に任せることが大切です。無理に指を喉に入れたり、吐くことを繰り返したりするのは、体に大きな負担をかけるため避けてください。
🚨 吐き気が続くときの応急処置
対処法を試しても吐き気がなかなか治まらない場合や、症状が悪化している場合は、より積極的な対応が必要です。ここでは、吐き気が長引くときの応急処置について解説します。
💊 市販薬を服用する
吐き気止めの市販薬を服用することで、症状が軽減されることがあります。ただし、アルコールを摂取した直後は、肝臓への負担を考慮して薬の服用を避けた方が良い場合もあります。
使用時の注意点:
- 必ず添付文書を確認
- 用法用量を守る
- 胃酸過多には制酸薬や胃粘膜保護薬が効果的
- 大量飲酒後の服用は避ける
🧊 氷やアイスノンで冷やす
首の後ろやおでこを冷やすと、吐き気が軽減されることがあります。これは、冷却によって血管が収縮し、脳への血流が調整されるためです。
効果的な冷却方法:
- タオルで包んだ氷を首の後ろに当てる
- おでこを冷やす
- 手首の内側(内関のツボ)を冷やす
- 直接氷を当てるのは凍傷の原因になるため避ける
🌿 ミントやショウガを活用する
ペパーミントには、胃腸の不快感を和らげる効果があります。ミントティーを飲んだり、ペパーミントのアロマオイルを嗅いだりすると、吐き気が軽減されることがあります。
ショウガ(生姜)も、古くから吐き気止めとして使用されてきた食材です。生姜湯や生姜を使ったお茶を飲むと、胃の不快感が和らぐことがあります。生姜に含まれるジンゲロールという成分には、制吐作用があることが研究で示されています。
🚶 軽い運動や散歩
症状がある程度落ち着いてきたら、軽い散歩をすることで血行が促進され、アルコールの代謝が進みます。
運動時の注意点:
- まだ酔いが残っている状態での外出は危険
- 室内を歩く程度にとどめる
- 付き添いの人と一緒に行動
- 激しい運動は逆効果
- あくまでゆっくりと体を動かす程度
Q. 飲み過ぎた後の吐き気に効果的な対処法は?
飲み過ぎによる吐き気には、常温の水や白湯を少量ずつこまめに飲む水分補給が最も重要です。体の左側を下にして頭をやや高くした姿勢で安静にし、手首内側の「内関」のツボを刺激することも有効です。無理に嘔吐を誘発すると食道を傷つける危険があるため避けてください。
🍯 飲み過ぎによる吐き気を和らげる食べ物・飲み物
吐き気が少し落ち着いてきたら、適切な食べ物や飲み物を摂取することで、体の回復を助けることができます。ただし、吐き気が強いときは無理に食べる必要はありません。体が受け付けるようになってから、少しずつ摂取しましょう。
🥤 おすすめの飲み物
経口補水液は、水分と電解質を効率よく補給できるため、二日酔いの症状緩和に最適です。薬局やコンビニで手軽に入手できます。
効果的な飲み物:
- 経口補水液:水分と電解質を効率よく補給
- スポーツドリンク:糖分が気になる場合は水で薄める
- 味噌汁:塩分と水分を同時に補給、胃に優しい
- シジミやアサリの味噌汁:オルニチンやタウリンが肝臓の働きを助ける
- 緑茶・ほうじ茶:カテキンが肝臓の解毒作用を助ける
- トマトジュース:リコピンの抗酸化作用、クエン酸やビタミンCで疲労回復
🍚 おすすめの食べ物
お粥やうどんなどの消化に良い炭水化物は、胃への負担が少なく、エネルギー補給に適しています。アルコール摂取で低下した血糖値を回復させる効果もあります。
胃に優しい食べ物:
- お粥:消化に良く、エネルギー補給に最適
- うどん:味付けは薄めにする
- バナナ:カリウム補給、消化が良い、果糖で低血糖改善
- 梅干し:クエン酸で胃の粘膜を保護、塩分補給
- 柿:フルクトースがアルコール代謝を促進
- グレープフルーツ:ビタミンC補給(胃が敏感な時は避ける)
❌ 避けるべき食べ物・飲み物
脂っこい食べ物は消化に時間がかかり、胃に負担をかけるため避けましょう。
避けるべきもの:
- 脂っこい食べ物:揚げ物、ラーメン、カレーなど
- コーヒー:胃酸分泌を促進、利尿作用で脱水症状悪化
- 迎え酒:肝臓への負担増加、アルコール依存症リスク向上
迎え酒は絶対に避けてください。「二日酔いには迎え酒が効く」という俗説がありますが、これは全くの誤りです。アルコールを追加摂取することで一時的に不快感が和らぐように感じることがありますが、実際には肝臓への負担を増やし、アルコール依存症のリスクを高めます。
🤮 吐いてしまった場合の対処法
嘔吐してしまった場合は、体に大きな負担がかかっています。適切な対処を行い、体の回復を助けましょう。
🦷 嘔吐直後の対処
嘔吐した直後は、まず口をすすいで胃酸を洗い流しましょう。胃酸は歯のエナメル質を溶かす可能性があるため、嘔吐後のケアは重要です。
口腔ケアのポイント:
- 水やマウスウォッシュで口をすすぐ
- すぐに歯を磨くのは避ける
- 30分〜1時間程度経ってから歯を磨く
- 嘔吐直後は歯のエナメル質が柔らかくなっている
嘔吐後は、しばらく何も口にせず、胃を休めることが大切です。最低でも30分〜1時間は水分摂取も控え、胃が落ち着くのを待ちましょう。
💧 水分補給の再開
胃が落ち着いてきたら、少量ずつ水分を補給します。最初はスプーン1杯程度の水から始め、吐き気が再発しないことを確認しながら、徐々に量を増やしていきます。
水分補給の手順:
- スプーン1杯程度の水から開始
- 吐き気が再発しないか確認
- 徐々に量を増やす
- 経口補水液やスポーツドリンクで電解質補給
🍚 食事の再開
水分を問題なく摂取できるようになったら、軽い食事から始めます。最初はおかゆやクラッカー、食パンなど、消化に良く味付けの薄いものを選びましょう。
食事再開のポイント:
- 消化に良いものから開始
- 一度に食べる量は少なく
- 胃の反応を見ながら徐々に増量
- 嘔吐後24時間は脂っこいものや刺激物を避ける
⚠️ 注意すべき嘔吐物の状態
嘔吐物に血液が混じっている場合は、胃や食道に損傷がある可能性があります。
すぐに受診が必要な嘔吐物の状態:
- 鮮やかな赤い血が混じっている
- コーヒーかすのような黒っぽい血が混じっている
- 緑色や黄色の胆汁色をしている
- 便のような臭いがする
これらの症状は、胃潰瘍や食道裂傷、腸閉塞などの重篤な状態を示している可能性があるため、速やかに医療機関を受診してください。
Q. 二日酔いの吐き気を予防するにはどうすれば良いですか?
二日酔いの吐き気を予防するには、飲酒前にチーズや乳製品など脂質・タンパク質を含む食事をとることが効果的です。飲酒中はお酒と水を交互に飲み、異なる種類のお酒を混ぜる「ちゃんぽん」を避けましょう。肝臓が1時間に処理できるアルコール量は約5〜7gと限られているため、ゆっくり飲むことも重要です。
🛡️ 飲み過ぎによる吐き気を予防する方法
最も効果的な対処法は、そもそも飲み過ぎないことです。以下の予防策を実践することで、飲み過ぎによる吐き気を防ぐことができます。
🍽️ 飲酒前に食事をとる
空腹時の飲酒は、アルコールの吸収が早まり、血中アルコール濃度が急激に上昇します。飲酒前に食事をとっておくことで、アルコールの吸収がゆるやかになり、酔いにくくなります。
効果的な食べ物:
- 脂質を含む食品:チーズ、ナッツ、オリーブオイル
- 乳製品:牛乳、ヨーグルト(胃の粘膜を保護)
- タンパク質:肉類、魚類、豆類
⏰ 飲酒ペースをコントロールする
肝臓が1時間で処理できるアルコール量は限られています。一般的に、体重60〜70kgの人の場合、1時間に処理できるアルコール量は約5〜7g程度とされています。
これはビール中ジョッキ1杯に約2〜3時間かかる計算になります。ゆっくりしたペースで飲むことで、血中アルコール濃度の急激な上昇を防ぎ、二日酔いのリスクを減らすことができます。
🚰 水やチェイサーを一緒に飲む
お酒と交互に水を飲むことで、アルコールの摂取量が自然と減り、脱水症状も予防できます。チェイサー(お酒の合間に飲む水やソフトドリンク)を活用することは、二日酔い予防の基本です。
効果的な方法:
- お酒と水を交互に飲む
- 強いお酒を水や炭酸水で割る
- アルコール度数を下げて胃への刺激を軽減
🚫 ちゃんぽんを避ける
「ちゃんぽん」とは、異なる種類のお酒を次々と飲むことです。俗に「ちゃんぽんすると悪酔いする」と言われますが、これには科学的根拠があります。
複数の種類のお酒を飲むと、飲んだ量を把握しにくくなり、結果的に飲み過ぎてしまうことが原因です。一つの種類のお酒を選び、量を把握しながら飲むことで、飲み過ぎを防ぐことができます。
📏 自分の適量を知る
アルコールの代謝能力は個人差が大きく、体質によって適量が異なります。顔が赤くなりやすい人は、アセトアルデヒドを分解する酵素の活性が低いため、少量でも二日酔いになりやすい傾向があります。
自分がどのくらい飲むと調子が悪くなるかを把握し、その手前で飲酒をやめることが大切です。周囲のペースに合わせて無理に飲む必要はありません。
💊 ウコンやアミノ酸サプリメントを活用する
ウコン(ターメリック)に含まれるクルクミンには、肝臓の解毒機能を助ける作用があるとされています。飲酒前にウコンを含むドリンクやサプリメントを摂取することで、二日酔い予防効果が期待できます。
有効なサプリメント:
- ウコン(クルクミン):肝臓の解毒機能を助ける
- L-システイン:アセトアルデヒドの分解を促進
- オルニチン:アセトアルデヒドの分解を促進
ただし、サプリメントはあくまで補助的なものであり、過信は禁物です。
🏥 病院を受診すべき症状とタイミング
通常の二日酔いによる吐き気は、適切な対処を行えば数時間から1日程度で改善します。しかし、以下のような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診する必要があります。
🚨 急性アルコール中毒の兆候
急性アルコール中毒は、大量のアルコールを短時間で摂取した場合に起こる、命に関わる危険な状態です。以下の症状がある場合は、すぐに救急車を呼んでください。
緊急を要する症状:
- 意識がもうろうとしている、または意識がない
- 呼びかけに応答しない
- 呼吸が浅い、または不規則
- 体温が低下している(低体温)
- けいれんや痙攣を起こしている
意識がもうろうとしている、または意識がない場合は緊急事態です。呼びかけに応答しない、揺すっても目を覚まさないなどの症状は、脳に深刻な影響が出ている可能性があります。
🩸 消化器系の深刻な症状
嘔吐物に血液が混じっている場合は、胃潰瘍や食道裂傷(マロリー・ワイス症候群)の可能性があります。
危険な症状:
- 嘔吐物に鮮血やコーヒー残渣様の血液
- 激しい腹痛(特に背中に放散する上腹部痛)
- 発熱を伴う吐き気・嘔吐
- 急性膵炎の疑い
激しい腹痛を伴う場合は、急性膵炎の可能性があります。大量飲酒は膵炎の主要な原因の一つであり、治療が遅れると命に関わることがあります。
💧 脱水症状が深刻な場合
重度の脱水症状は、以下のような症状で判断できます。
重度脱水のサイン:
- 極度の口渇
- 尿がほとんど出ない、または尿の色が濃い
- めまいや立ちくらみがひどい
- 皮膚の弾力がなくなっている
- 頻脈(脈が速い)
- 血圧低下
これらの症状がある場合は、医療機関での点滴治療が必要な可能性があります。
⏰ 症状が長引く場合
通常、二日酔いの症状は24時間以内に改善します。
受診が必要な期間:
- 吐き気や嘔吐が24時間以上続く
- 水分を全く摂取できない状態が続く
- 発熱を伴う
- 症状が徐々に悪化している
アルコール性肝炎や急性胃炎、膵炎などが疑われる場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

Q. 飲み過ぎ後にすぐ病院へ行くべき症状は何ですか?
以下の症状がある場合はすぐに救急受診が必要です。意識がもうろうとしている・呼びかけに応じない・呼吸が浅く不規則といった急性アルコール中毒の兆候、嘔吐物に血液が混じる・激しい腹痛がある消化器症状、そして吐き気や嘔吐が24時間以上続く・水分を全く摂取できない場合も速やかに医療機関を受診してください。
❓ よくある質問
個人差はありますが、通常は数時間から24時間程度で症状が改善します。適切な水分補給と休息をとることで、回復が早まります。24時間以上経過しても症状が続く場合や、水分を全く受け付けない場合は、医療機関を受診することをおすすめします。
無理に吐く必要はありません。意図的に嘔吐を誘発すると、食道や喉に傷がつく可能性があります。また、激しい嘔吐は食道と胃の接合部に亀裂を生じさせることがあります。自然に吐きたくなったら我慢せずに吐いて構いませんが、無理に指を喉に入れたりするのは避けてください。
迎え酒は全く効果がなく、むしろ有害です。アルコールを追加摂取することで一時的に不快感が和らぐように感じることがありますが、実際には肝臓への負担を増やし、アルコール依存症のリスクを高めます。二日酔いの改善には、水分補給と休息が最も効果的です。
胃粘膜保護薬や制酸薬は、飲酒後の胃の不快感を和らげる効果がありますが、飲酒直後は肝臓への負担を考慮して、服用を避けた方が良い場合もあります。服用する場合は必ず添付文書を確認し、用法用量を守ってください。不安な場合は、薬剤師や医師に相談することをおすすめします。
毎回吐き気が起こる場合は、アルコール代謝酵素の活性が低い体質である可能性があります。このような体質の方は、少量の飲酒でも体に負担がかかるため、飲酒量を大幅に減らすか、禁酒を検討することをおすすめします。また、胃腸の疾患が隠れている可能性もあるため、一度医療機関で検査を受けることをおすすめします。
📝 まとめ
飲み過ぎによる吐き気は、アセトアルデヒドの蓄積、胃粘膜への刺激、脳への影響、脱水と電解質バランスの乱れなど、複合的な要因によって引き起こされます。
吐き気を感じたときは、以下の対処法を実践することで、症状を軽減し、回復を早めることができます:
- 十分な水分補給
- 安静と休息
- 適切な食事の摂取
- ツボ刺激
- 環境の整備
しかし、最も効果的な対処法は、そもそも飲み過ぎないことです。以下の予防策を実践することで、二日酔いのリスクを大幅に減らすことができます:
- 飲酒前に食事をとる
- ゆっくりしたペースで飲む
- 水やチェイサーを併用する
- 自分の適量を知る
- ちゃんぽんを避ける
以下の症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください:
- 意識障害
- 呼吸異常
- 吐血
- 激しい腹痛
- 重度の脱水症状
これらは急性アルコール中毒や消化管出血など、命に関わる状態のサインである可能性があります。お酒は適量を守り、楽しく健康的に付き合っていきましょう。
📚 参考文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
飲み過ぎによる吐き気は、体がアルコールという毒物から身を守ろうとする正常な反応です。特にアセトアルデヒド脱水素酵素の活性が低い方は、少量のアルコールでも症状が出やすいため、ご自身の体質を理解し、適量を守ることが重要です。症状が重篤な場合は、躊躇せず医療機関を受診してください。