「冬になると膝や腰の関節が痛む」「寒い日は関節がこわばって動きにくい」といった悩みを抱えている方は少なくありません。実際に、冬は関節痛が悪化しやすい季節であり、その原因は気温や気圧の変化、血行不良など複数の要因が絡み合っています。本記事では、冬に関節痛が悪化するメカニズムを医学的な観点から解説するとともに、サプリメントの選び方や日常生活での予防法について詳しくご紹介します。関節痛にお悩みの方が、冬を少しでも快適に過ごせるよう、正しい知識と効果的な対策をお伝えします。
目次
- 📌 冬に関節痛が悪化する5つの原因
- 📌 関節痛のメカニズムと関節の構造
- 📌 関節痛に効果が期待されるサプリメントの種類
- 📌 サプリメント選びのポイントと注意点
- 📌 冬の関節痛を予防する日常生活での対策
- 📌 関節痛改善のための食事と栄養
- 📌 サプリメントと医薬品の違い
- 📌 医療機関を受診すべき症状
- 📌 よくある質問
- 📌 参考文献
🎯 冬に関節痛が悪化する5つの原因
冬になると関節痛が悪化するという現象は、単なる気のせいではなく、科学的な根拠に基づいたものです。ここでは、冬に関節痛が悪化する主な原因を5つご紹介します。
❄️ 気温低下による血行不良
冬の寒さは血管を収縮させ、全身の血流を低下させます。特に関節周辺は筋肉や脂肪が少なく、冷えの影響を受けやすい部位です。血行が悪くなると、関節軟骨や周辺組織への酸素・栄養供給が不十分になり、老廃物の排出も滞ります。その結果、関節の新陳代謝が低下し、痛みやこわばりが生じやすくなります。また、血流低下により関節液(滑液)の分泌も減少するため、関節のスムーズな動きが妨げられることもあります。
🌀 気圧の変化による影響
冬は低気圧が頻繁に通過し、気圧の変動が大きくなります。気圧が低下すると、体内の圧力バランスが崩れ、関節内の圧力が相対的に高くなります。これにより関節包が膨張し、痛みを感じる神経が刺激されることがあります。特に変形性関節症や関節リウマチなど、すでに関節に何らかの問題を抱えている方は、気圧の変化に敏感に反応しやすいとされています。気圧による頭痛の対策と薬|天気痛のメカニズムから予防法まで徹底解説でも詳しく解説している通り、天気痛や気象病と呼ばれるこの現象は、近年研究が進んでおり、その科学的なメカニズムが解明されつつあります。
💪 筋肉のこわばり
寒さを感じると、体は熱を逃がさないように筋肉を収縮させます。この防御反応により、関節周辺の筋肉が硬くなり、関節の可動域が制限されます。筋肉が硬い状態が続くと、関節にかかる負担が増大し、痛みが悪化します。また、筋肉のこわばりは姿勢の悪化にもつながり、腰や膝など特定の関節への負担が偏りやすくなります。冬場に運動不足になりがちなことも、筋肉のこわばりを助長する要因となっています。
🏃♂️ 運動量の減少
冬は寒さのために外出機会が減り、運動量が低下しがちです。適度な運動は関節の健康維持に欠かせません。運動により関節液の循環が促進され、軟骨に栄養が供給されます。また、関節周辺の筋肉を鍛えることで、関節への負担を軽減できます。しかし運動不足が続くと、筋力が低下し、関節を支える力が弱くなります。さらに、体重増加も関節への負担を増やす要因となります。特に膝関節は体重の影響を受けやすく、1kg体重が増えると膝への負担は3〜4倍になるとも言われています。
💧 乾燥による影響
冬は空気が乾燥しやすく、体内の水分も不足しがちです。関節液は主に水分で構成されており、体の水分バランスが崩れると関節液の質や量にも影響します。関節液が不足すると、関節の潤滑機能が低下し、動きがスムーズでなくなります。また、乾燥した環境では皮膚からの水分蒸発も増加するため、こまめな水分補給を心がけることが大切です。暖房器具の使用が多い冬場は、室内の乾燥にも注意が必要です。冬の水分補給の適切な量とは?寒い季節に必要な水分摂取のポイントを解説でも詳しくご紹介しています。

📋 関節痛のメカニズムと関節の構造
関節痛の対策を理解するためには、まず関節の構造と痛みが生じるメカニズムを知ることが重要です。関節がどのように機能し、なぜ痛みが発生するのかを詳しく見ていきましょう。
🦴 関節の基本構造
関節とは、骨と骨が連結する部分のことで、体の動きを可能にする重要な組織です。関節は複数の組織で構成されています。まず、骨の表面を覆う関節軟骨があります。これは弾力性のある組織で、骨同士が直接ぶつかることを防ぎ、衝撃を吸収するクッションの役割を果たしています。関節軟骨は約65〜80%が水分で、残りはコラーゲンやプロテオグリカンなどの成分で構成されています。
関節全体を包んでいるのが関節包で、その内側には滑膜という薄い膜があります。滑膜は関節液(滑液)を分泌し、この液体が関節内の潤滑油として機能します。関節液にはヒアルロン酸が含まれており、滑らかな関節の動きを助けるとともに、関節軟骨に栄養を供給する役割も担っています。
⚡ 関節痛が発生するメカニズム
関節痛は様々な原因で発生しますが、最も一般的なのは関節軟骨の摩耗による変形性関節症です。加齢や過度の使用により関節軟骨がすり減ると、骨同士が接触しやすくなり、痛みや炎症が生じます。軟骨には神経がないため、軟骨自体の摩耗では痛みを感じませんが、その周辺組織(骨、滑膜、靭帯など)に炎症や変化が起こることで痛みが発生します。
関節リウマチなどの自己免疫疾患では、免疫システムの異常により滑膜が攻撃され、慢性的な炎症が起こります。炎症により滑膜が肥厚し、関節の腫れや痛み、やがては関節の破壊につながることもあります。また、外傷や感染による関節炎、痛風のような代謝性疾患による関節痛もあります。
🔄 軟骨の代謝と再生
関節軟骨は血管がなく、関節液から栄養を受け取っています。そのため、他の組織に比べて代謝が遅く、一度損傷すると修復が困難です。軟骨細胞は新しい軟骨成分を作り出す能力がありますが、その速度は損傷の進行に追いつかないことが多いです。このため、関節軟骨の健康を維持するためには、日頃からの予防が非常に重要です。適度な運動による関節液の循環促進、適切な栄養摂取、過度な負担の回避などが軟骨の健康維持に役立ちます。
💊 関節痛に効果が期待されるサプリメントの種類
関節痛対策として、様々なサプリメントが販売されています。ここでは、主な成分とその特徴について詳しく解説します。ただし、サプリメントは医薬品ではないため、効果には個人差があり、すべての方に同じ効果があるわけではありません。
🔸 グルコサミン
グルコサミンは、関節軟骨を構成するプロテオグリカンの原料となるアミノ糖の一種です。体内でも生成されますが、加齢とともにその量は減少していきます。グルコサミンは主にカニやエビなどの甲殻類の殻から抽出されますが、植物由来のものもあります。グルコサミン塩酸塩とグルコサミン硫酸塩の2種類があり、研究ではグルコサミン硫酸塩の方が多く用いられています。一般的な摂取量は1日1,500mg程度とされています。
グルコサミンについては多くの臨床研究が行われていますが、その効果については議論があります。一部の研究では関節痛の軽減に有効という結果が示されている一方、プラセボと差がないという報告もあります。個人差が大きいため、効果を実感できる方もいれば、そうでない方もいます。
🔸 コンドロイチン
コンドロイチン硫酸は、軟骨の主成分であるプロテオグリカンを構成するムコ多糖類の一種です。軟骨に水分を保持し、弾力性を維持する役割があります。サメの軟骨や牛・豚の気管軟骨などから抽出されます。グルコサミンと併用されることが多く、両者の相乗効果を期待して配合されている製品も多く見られます。一般的な摂取量は1日800〜1,200mg程度です。
コンドロイチンの経口摂取による効果についても、研究結果は一様ではありません。軟骨成分として摂取しても、消化・吸収の過程で分解されるため、そのまま関節軟骨に届くわけではないという指摘もあります。ただし、分解された成分が体内で再合成される可能性も示唆されています。
🔸 ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は、関節液の主成分であり、関節のスムーズな動きに欠かせない物質です。高い保水力を持ち、関節の潤滑と衝撃吸収に重要な役割を果たしています。経口摂取されたヒアルロン酸は、腸管で分解・吸収され、体内で再合成されると考えられています。一般的な摂取量は1日60〜200mg程度です。
医療現場では、変形性膝関節症の治療としてヒアルロン酸の関節内注射が広く行われており、その効果は確立されています。しかし、経口摂取のサプリメントについては、注射と同等の効果は期待できません。経口ヒアルロン酸の効果については研究が進められていますが、まだ十分なエビデンスがあるとは言えない状況です。
🔸 コラーゲン
コラーゲンは、軟骨を含む体の様々な組織を構成するタンパク質です。軟骨に含まれるコラーゲンは主にII型コラーゲンで、軟骨の構造を支える骨格の役割を果たしています。サプリメントとしては、非変性II型コラーゲン(UC-II)と呼ばれる製品が注目されています。これは加熱処理されていないコラーゲンで、消化管で分解されずに吸収され、免疫系に働きかけることで関節の炎症を抑制する可能性が示唆されています。
また、魚由来のコラーゲンペプチドも広く使用されています。コラーゲンペプチドは消化・吸収されやすい形に分解されたコラーゲンで、体内でのコラーゲン合成を促進する可能性があるとされています。一般的な摂取量は1日5〜10g程度です。
🔸 MSM(メチルスルフォニルメタン)
MSMは有機硫黄化合物の一種で、自然界に広く存在し、野菜や果物、牛乳などにも含まれています。硫黄はコラーゲンやケラチンなどの構造タンパク質の合成に必要な元素であり、MSMは体内での硫黄供給源として機能します。抗炎症作用や抗酸化作用があるとされ、関節の健康維持に寄与する可能性が研究されています。一般的な摂取量は1日1,500〜3,000mg程度です。
🔸 オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)
EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸は、青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸で、抗炎症作用があることが知られています。体内で炎症を抑制する物質(レゾルビンやプロテクチン)の前駆体となり、関節の炎症を軽減する効果が期待されています。特に関節リウマチなどの炎症性関節疾患において、症状の緩和に役立つ可能性があるとする研究があります。一般的な摂取量はEPAとDHA合計で1日1,000〜3,000mg程度です。
🔸 ビタミンD
ビタミンDは骨の健康維持に欠かせない栄養素であり、カルシウムの吸収を促進します。近年の研究では、ビタミンDが筋肉機能や免疫機能にも重要な役割を果たすことが明らかになっています。ビタミンD不足は変形性関節症の進行と関連があるという報告もあります。冬は日照時間が短くなり、紫外線によるビタミンD合成が減少するため、不足しやすい季節です。一般的な推奨摂取量は1日600〜800IU(15〜20μg)です。
🔍 サプリメント選びのポイントと注意点
関節痛対策のサプリメントを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。効果的で安全な製品を選ぶためのポイントと注意点をご紹介します。
📌 成分と含有量を確認する
サプリメントを選ぶ際は、まず含まれている成分とその含有量を確認しましょう。パッケージに記載されている1日の摂取目安量あたりの成分量をチェックします。例えば、グルコサミンであれば1日1,500mg程度が一般的な摂取量とされています。含有量が少なすぎると、期待する効果が得られにくい可能性があります。また、複数の成分が配合されている場合は、それぞれの成分量を確認し、主要成分が十分な量含まれているか確認することが大切です。
✅ 原材料の品質と安全性
サプリメントの品質は製造メーカーによって異なります。信頼できるメーカーの製品を選ぶことが重要です。GMP(適正製造規範)認証を取得している工場で製造された製品は、一定の品質管理基準を満たしています。また、原材料の産地や製造工程の透明性も確認ポイントです。グルコサミンなど甲殻類由来の成分を使用している場合、甲殻類アレルギーの方は注意が必要です。植物由来の代替品もありますので、アレルギーをお持ちの方は確認してから選びましょう。
💡 継続しやすさ
サプリメントは薬のような即効性はなく、継続して摂取することで徐々に効果を実感できる可能性があります。一般的に、効果を判断するには最低でも2〜3ヶ月程度の継続が推奨されています。そのため、価格、飲みやすさ、1日の摂取回数なども考慮して、無理なく続けられる製品を選ぶことが大切です。錠剤の大きさや味、においなども継続のしやすさに影響するため、自分に合った形状の製品を選びましょう。
⚠️ 医薬品との相互作用に注意
サプリメントは医薬品と相互作用を起こす可能性があります。特に血液をサラサラにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を服用している方は注意が必要です。グルコサミンやオメガ3脂肪酸は、ワルファリンなどの抗凝固薬の効果を増強する可能性があるという報告があります。また、糖尿病の治療薬を服用している方も、グルコサミンが血糖値に影響を与える可能性があるため注意が必要です。何らかの薬を服用している場合は、サプリメントを始める前に医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
🚨 過剰摂取を避ける
「多く摂れば効果が高まる」という考えは危険です。サプリメントは適量を守って摂取することが大切です。過剰摂取は副作用のリスクを高め、体に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、ビタミンDの過剰摂取は高カルシウム血症を引き起こす可能性があります。パッケージに記載された1日の摂取目安量を守り、複数のサプリメントを併用する場合は、同じ成分が重複していないか確認しましょう。
📋 機能性表示食品や特定保健用食品の活用
日本では、サプリメントの中でも機能性表示食品や特定保健用食品(トクホ)は、科学的根拠に基づいた機能性を表示することが認められています。機能性表示食品は、事業者の責任において科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品で、消費者庁に届出が行われています。特定保健用食品は、消費者庁の審査を経て許可された製品です。これらの表示がある製品は、一定の科学的根拠があると考えられますが、あくまで食品であり、医薬品のような効果効能を保証するものではありません。
🏠 冬の関節痛を予防する日常生活での対策
サプリメントだけに頼らず、日常生活での対策も関節痛の予防・改善に重要です。冬に実践できる効果的な対策をご紹介します。
🔥 体を温める
冬の関節痛対策の基本は、体を冷やさないことです。特に関節部分を重点的に保温することが効果的です。📌 膝や腰を冷やさないよう、厚手のタイツやレッグウォーマー、腹巻きなどを活用しましょう。📌 手首や足首も関節があり冷えやすい部位ですので、手袋や厚手の靴下で保護します。入浴は体を芯から温める効果的な方法です。38〜40度程度のぬるめのお湯に15〜20分程度ゆっくり浸かることで、血行が促進され、関節のこわばりも和らぎます。熱すぎるお湯は逆に血圧の急激な変動を招くため避けましょう。
🏃♀️ 適度な運動を継続する
冬でも適度な運動を続けることは、関節の健康維持に欠かせません。運動により関節液の循環が促進され、軟骨への栄養供給が改善されます。また、関節周辺の筋肉を強化することで、関節への負担を軽減できます。✅ ウォーキング、水泳、自転車などの有酸素運動は、関節への負担が少なく、体全体の血行を促進します。✅ 室内でできるストレッチや軽い筋力トレーニングも効果的です。家でできる有酸素運動15選|初心者から上級者まで効果的なメニューを紹介でも詳しく紹介しています。
運動を始める前には、十分なウォーミングアップを行いましょう。寒い時期は筋肉が硬くなっているため、急な運動は怪我のリスクを高めます。軽いストレッチや関節を動かす運動から始め、体を温めてから本格的な運動に移行することが大切です。
🤸♂️ ストレッチとマッサージ
関節周辺の筋肉を柔らかく保つことで、関節の可動域を維持し、痛みを軽減できます。朝起きた時や入浴後など、体が温まっている時にストレッチを行うと効果的です。📌 膝であれば太もも前面(大腿四頭筋)と裏側(ハムストリングス)のストレッチ、📌 腰であれば腰回りや股関節周辺のストレッチが有効です。無理に伸ばすのではなく、気持ち良いと感じる程度で行いましょう。肩こりからくる頭痛を解消!効果的なストレッチと予防法を徹底解説でもストレッチの効果について詳しく解説しています。
セルフマッサージも血行促進に役立ちます。関節周辺の筋肉を優しくもみほぐすことで、筋肉の緊張がほぐれ、血流が改善されます。オイルやクリームを使用するとマッサージしやすくなります。温感作用のある成分が配合されたマッサージ用品を活用するのも良いでしょう。
⚖️ 適正体重の維持
体重の増加は膝や腰などの関節への負担を増大させます。特に膝関節は、歩行時に体重の2〜3倍、階段の上り下りでは4〜5倍の負荷がかかるとされています。そのため、適正体重を維持することは関節痛の予防と改善に非常に重要です。冬は運動量が減り、高カロリーな食事が増えがちで体重が増加しやすい時期です。バランスの良い食事と適度な運動で体重管理を心がけましょう。
💧 十分な水分補給
冬は汗をかきにくく、のどの渇きも感じにくいため、水分補給がおろそかになりがちです。しかし、暖房による室内の乾燥で知らないうちに水分が失われています。関節液の主成分は水分であり、体の水分バランスが崩れると関節の潤滑機能にも影響します。1日1.5〜2リットル程度の水分を、こまめに摂取するよう心がけましょう。冷たい飲み物よりも、常温や温かい飲み物の方が体を冷やさず、吸収も良いとされています。
🧘♂️ 姿勢の改善
悪い姿勢は特定の関節への負担を増大させ、痛みの原因となります。デスクワークが多い方は、パソコンの画面の高さや椅子の高さを調整し、正しい姿勢を保てるよう環境を整えましょう。長時間同じ姿勢を続けることも関節に負担をかけるため、1時間に1回程度は立ち上がって体を動かすことをおすすめします。猫背や反り腰などの姿勢の癖がある場合は、意識的に改善を心がけましょう。
🍽️ 関節痛改善のための食事と栄養
関節の健康を維持するためには、サプリメントだけでなく、日々の食事から必要な栄養素を摂取することも大切です。関節に良いとされる食材と栄養素について解説します。
🥩 タンパク質を十分に摂る
軟骨や筋肉の材料となるタンパク質は、関節の健康維持に欠かせません。✅ 肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などから良質なタンパク質を摂取しましょう。特に高齢者は筋肉量が減少しやすいため、意識的にタンパク質を摂ることが重要です。1日のタンパク質摂取量の目安は、体重1kgあたり1〜1.2g程度とされています。
🐟 オメガ3脂肪酸を含む食品
サバ、イワシ、サンマなどの青魚に多く含まれるEPAやDHAは、抗炎症作用があることで知られています。週に2〜3回は青魚を食べるよう心がけましょう。青魚が苦手な方や魚を食べる機会が少ない方は、サプリメントで補うことも検討してください。また、亜麻仁油やえごま油、くるみなどに含まれるα-リノレン酸も、体内でEPAに変換されます。
🥬 抗酸化物質を含む食品
ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどの抗酸化物質は、関節の炎症に関わる酸化ストレスを軽減する効果があります。野菜や果物を毎日たっぷり摂ることで、様々な抗酸化物質を摂取できます。特にビタミンCは、コラーゲンの合成にも必要な栄養素です。✅ 柑橘類、イチゴ、ブロッコリー、パプリカなどに多く含まれています。
🥛 カルシウムとビタミンD
骨の健康維持にはカルシウムとビタミンDの摂取が重要です。カルシウムは骨の主成分であり、ビタミンDはカルシウムの吸収を助けます。✅ 牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、小魚、豆腐、小松菜などにカルシウムが豊富に含まれています。ビタミンDは魚類、きのこ類に含まれるほか、日光を浴びることで皮膚でも合成されます。
🍖 コラーゲンを含む食品
手羽先、豚足、牛すじ、魚の皮、煮凝りなどにはコラーゲンが豊富に含まれています。食事からコラーゲンを摂取することで、体内でのコラーゲン合成に必要なアミノ酸を供給できます。ただし、コラーゲンをそのまま摂取しても、消化の過程でアミノ酸に分解されるため、必ずしも関節のコラーゲンになるわけではありません。コラーゲンの合成にはビタミンCも必要なため、一緒に摂取するとより効果的です。
🚫 控えた方が良い食品
炎症を悪化させる可能性のある食品は控えめにした方が良いでしょう。⚠️ 加工食品やファストフードに多く含まれるトランス脂肪酸、⚠️ 砂糖の過剰摂取、⚠️ 過度なアルコール摂取は、体内の炎症反応を促進する可能性があります。また、塩分の過剰摂取は体内の水分バランスを崩し、むくみの原因にもなります。バランスの良い食事を心がけ、これらの食品は控えめにしましょう。
💡 サプリメントと医薬品の違い
関節痛に対するアプローチとして、サプリメントと医薬品の違いを理解しておくことは重要です。両者の特徴と使い分けについて解説します。
🔸 サプリメント(食品)の特徴
サプリメントは法律上「食品」に分類され、特定の疾病の治療や予防を目的としたものではありません。健康の維持・増進を目的とした栄養補助食品です。効果・効能を表示することは原則として認められておらず、医薬品のような厳格な審査を経ずに販売されています。そのため、製品によって品質や含有量にばらつきがあることもあります。サプリメントは自己判断で購入・使用でき、比較的副作用が少ないとされていますが、期待する効果が得られるまでに時間がかかることが多いです。
💊 医薬品の特徴
医薬品は、特定の疾病の治療や予防を目的として製造・販売されるもので、厚生労働省の承認を受けています。有効性と安全性が科学的に検証されており、効果・効能を明確に表示できます。関節痛に対する医薬品としては、✅ 消炎鎮痛剤(NSAIDs)、✅ アセトアミノフェン、✅ 外用薬(湿布、塗り薬)、✅ ヒアルロン酸注射などがあります。医薬品は効果が高い反面、副作用のリスクもあるため、用法・用量を守って使用することが重要です。
⚖️ 適切な使い分け
軽度の関節の違和感や、予防目的であればサプリメントを活用するのも一つの選択肢です。しかし、痛みが強い場合や、日常生活に支障が出ている場合は、サプリメントだけに頼らず、医療機関を受診して適切な治療を受けることが大切です。サプリメントはあくまで補助的なものとして位置づけ、必要に応じて医薬品との併用を検討しましょう。ただし、サプリメントと医薬品の併用には相互作用のリスクがあるため、必ず医師や薬剤師に相談してください。
🏥 医療機関を受診すべき症状
関節痛の中には、早期に医療機関を受診すべき症状もあります。以下のような症状がある場合は、自己判断せずに専門家の診察を受けましょう。
🚨 急性の強い痛みや腫れ
突然の激しい関節痛、関節の著しい腫れや発赤、熱感がある場合は、感染性関節炎や痛風、偽痛風などの可能性があります。これらは早期治療が重要な疾患であり、放置すると関節に重大な障害を残すことがあります。特に発熱を伴う場合は感染症の可能性が高く、緊急性があります。
🔸 複数の関節の痛み
複数の関節に同時に痛みや腫れが出現する場合は、関節リウマチなどの全身性疾患の可能性があります。特に朝のこわばりが30分以上続く、左右対称に関節が腫れるなどの症状は、関節リウマチの特徴的な症状です。関節リウマチは早期発見・早期治療が予後を大きく左右するため、疑わしい症状があれば早めに受診しましょう。
🔸 外傷後の痛みや不安定感
転倒や事故、スポーツ中の怪我の後に関節の痛みや腫れ、不安定感がある場合は、靭帯損傷、半月板損傷、骨折などの可能性があります。早期に適切な診断と治療を受けることで、後遺症を最小限に抑えることができます。
🔸 日常生活に支障をきたす痛み
歩行困難、階段の上り下りができない、夜間の痛みで眠れないなど、日常生活に支障をきたすほどの痛みがある場合は、医療機関での評価と治療が必要です。痛みを我慢して無理に動くと、症状を悪化させる可能性があります。
🔸 長期間続く痛み
2週間以上痛みが続く場合や、徐々に悪化している場合は、一度医療機関を受診して原因を明らかにすることをおすすめします。変形性関節症などの慢性疾患は、適切な管理により進行を遅らせることが可能です。
🔸 全身症状を伴う場合
関節痛とともに、発熱、倦怠感、体重減少、皮疹などの全身症状がある場合は、膠原病やその他の全身性疾患の可能性があります。これらの症状がある場合は、早めに専門医の診察を受けることが重要です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
💡 高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では冬の寒さによる関節痛の相談が多く寄せられます。多くの場合、血行改善と適度な運動により症状が軽減されますが、症状が持続する場合は専門的な治療が必要です。サプリメントと並行して、生活習慣の見直しをお勧めしています。」
❓ よくある質問
グルコサミンとコンドロイチンを併用することで相乗効果が期待されるという考えから、両方を配合した製品が多く販売されています。一部の研究では併用による効果が報告されていますが、科学的なエビデンスは十分とは言えず、効果には個人差があります。併用が必ずしも単独使用より効果的とは限らないため、まずはどちらかを試してみて、自分に合うものを選ぶのも一つの方法です。
サプリメントの摂取タイミングについて、明確な決まりはありません。一般的に、食後に摂取すると胃への負担が軽減され、脂溶性の成分は食事と一緒に摂ることで吸収が良くなるとされています。毎日同じ時間に摂取することで飲み忘れを防ぎ、継続しやすくなります。製品によって推奨される摂取タイミングが異なる場合がありますので、パッケージの表示を確認してください。
サプリメントは医薬品のような即効性はなく、効果を実感するまでには時間がかかります。一般的に、最低でも2〜3ヶ月程度の継続が推奨されています。ただし、効果には個人差が大きく、効果を実感できる方もいれば、そうでない方もいます。3ヶ月程度試しても変化を感じられない場合は、他の成分を試すか、医療機関に相談することをおすすめします。
一般的なグルコサミンサプリメントはカニやエビの殻から抽出されているため、甲殻類アレルギーの方は注意が必要です。ただし、アレルギーの原因となるのは主にタンパク質であり、グルコサミンは糖の一種であるため、純度の高い製品であればアレルギー反応を起こしにくいとも言われています。しかし完全に安全とは言い切れないため、甲殻類アレルギーの方は、植物由来(トウモロコシなど)のグルコサミンを使用した製品を選ぶことをおすすめします。
温めるか冷やすかは、関節痛の原因や状態によって異なります。急性の炎症(腫れや熱感がある場合)には冷やすことで炎症を抑制できます。一方、慢性的な痛みやこわばりには温めることで血行を促進し、筋肉の緊張を緩和できます。冬の寒さで悪化する関節痛の多くは、血行不良や筋肉のこわばりが原因のため、温めることが効果的です。ただし、関節が熱を持って腫れている場合は冷やす方が適切です。
サプリメントと痛み止め(消炎鎮痛剤など)を併用すること自体は、多くの場合問題ありません。ただし、一部のサプリメントは医薬品と相互作用を起こす可能性があります。例えば、グルコサミンや魚油(オメガ3脂肪酸)は、抗凝固薬(ワルファリンなど)の作用を増強する可能性があります。何らかの薬を服用している場合は、サプリメントを始める前に医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
📚 参考文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務