家族がインフルエンザに感染したとき、「部屋の消毒はどうすればいいの?」と悩む方は多いのではないでしょうか。インフルエンザウイルスは感染力が強く、適切な消毒を行わないと家庭内感染が広がってしまう恐れがあります。本記事では、インフルエンザ感染者が使用した部屋の消毒方法について、使用する消毒剤の種類から具体的な手順、換気のポイントまで詳しく解説します。正しい知識を身につけて、大切な家族を感染から守りましょう。
📊 【2024-2025シーズン】今シーズンのインフルエンザの特徴
2024-2025シーズンのインフルエンザは、A型(H1N1)とA型(H3N2)、B型の混合流行が予想されています。厚生労働省の発表によると、今シーズンは例年より早い時期から流行が始まっており、家庭内での感染対策がより重要となっています。特に、新型コロナウイルス感染症の影響で免疫力が低下している可能性があり、適切な消毒による感染予防が求められています。
目次
- インフルエンザウイルスの特性と感染経路
- 部屋の消毒が必要な理由
- インフルエンザ消毒に使える消毒剤の種類
- 場所別の消毒方法と手順
- 換気の重要性と効果的な方法
- 寝具・衣類の消毒と洗濯方法
- 消毒作業時の注意点と自己防護
- 家庭内感染を防ぐための生活上の工夫
- 消毒のタイミングと頻度
- よくある質問
この記事のポイント
インフルエンザ感染者の部屋はアルコール(70〜80%)または次亜塩素酸ナトリウムで消毒し、ドアノブ・リモコン等を1日2〜3回拭く。換気・手洗い・隔離を組み合わせることで家庭内感染を効果的に防げる。
🦠 インフルエンザウイルスの特性と感染経路
インフルエンザウイルスの消毒を効果的に行うためには、まずウイルスの特性と感染経路を理解することが重要です。ウイルスがどのように広がるのかを知ることで、重点的に消毒すべき場所や方法が明確になります。
🔬 インフルエンザウイルスの基本的な特性
インフルエンザウイルスは、エンベロープと呼ばれる脂質二重膜で覆われたウイルスです。このエンベロープがあるため、アルコールや界面活性剤によって比較的容易に不活化(感染力を失わせること)できます。ノロウイルスなどのエンベロープを持たないウイルスと比べると、消毒がしやすいという特徴があります。
インフルエンザウイルスの環境中での生存時間は、温度や湿度、付着した物質の種類によって異なります。一般的に、硬い表面(ドアノブやテーブルなど)では数時間から最大48時間程度生存できるとされています。一方、布製品や紙などの多孔質な表面では、生存時間は比較的短くなる傾向があります。
また、インフルエンザウイルスは低温・低湿度の環境で生存しやすく、冬場に流行しやすい理由の一つとなっています。室内の温度と湿度を適切に保つことも、感染予防の観点から重要です。
🌪️ 主な感染経路
インフルエンザの感染経路は主に3つあります:
- 飛沫感染:感染者の咳やくしゃみによって放出されたウイルスを含む飛沫を吸い込む
- 接触感染:ウイルスが付着した物に触れた手で、目・鼻・口などの粘膜に触れる
- 空気感染(飛沫核感染):飛沫の水分が蒸発した非常に小さな粒子を吸い込む
飛沫感染は、感染者の咳やくしゃみによって放出されたウイルスを含む飛沫を、周囲の人が吸い込むことで起こります。飛沫は通常1〜2メートル程度飛散し、比較的大きな粒子のため短時間で落下します。
接触感染は、ウイルスが付着した物や場所に触れた手で、自分の目・鼻・口などの粘膜に触れることで起こります。感染者が咳やくしゃみを手で覆った後にドアノブやスイッチに触れると、そこにウイルスが付着します。その場所に触れた別の人が、無意識に顔を触ることで感染が成立します。
部屋の消毒は、主に接触感染を防ぐために行います。ウイルスが付着しやすい場所を重点的に消毒することで、家庭内感染のリスクを大幅に減らすことができます。
Q. インフルエンザ消毒に効果的な消毒剤の種類は?
インフルエンザウイルスの消毒には、エタノール濃度70〜80%のアルコール消毒剤が最も広く使われます。次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)は水1リットルにキャップ1杯を溶かした0.05%液が有効です。台所用洗剤に含まれる界面活性剤も代替手段として使用できます。
🏠 部屋の消毒が必要な理由
インフルエンザに感染した家族がいる場合、なぜ部屋の消毒が必要なのでしょうか。その理由を理解することで、消毒への取り組みがより意識的なものになります。
⏰ ウイルスの環境中での生存
先述のとおり、インフルエンザウイルスは環境中で数時間から最大48時間程度生存できます。感染者が触れた場所には、目に見えないウイルスが付着している可能性があります。
特に重要なのは以下の場所です:
- ドアノブ、照明スイッチ
- リモコン、携帯電話
- テーブル、椅子の背もたれ
- トイレ関連設備
感染者本人は症状が出る1日前からウイルスを排出していることが多く、本人が感染に気づく前からすでに周囲の環境を汚染している可能性があります。そのため、感染が判明した時点で速やかに消毒を行うことが重要です。
👨👩👧👦 家庭内感染のリスク
家庭内は家族が密接に生活する空間であり、感染が広がりやすい環境です。同じ空間で過ごす時間が長く、同じ物を共有する機会も多いため、一人が感染すると他の家族に広がるリスクが高くなります。
特に、以下のハイリスクグループがいる家庭では、消毒をより徹底する必要があります:
- 高齢者(65歳以上)
- 乳幼児
- 妊婦
- 基礎疾患のある方
適切な消毒を行うことで、接触感染による二次感染のリスクを大幅に減らすことができます。消毒は、感染者の隔離や手洗いの徹底と併せて行うことで、より効果的な感染予防対策となります。
🧴 インフルエンザ消毒に使える消毒剤の種類
インフルエンザウイルスの消毒に効果的な消毒剤について詳しく解説します。それぞれの特徴と使い方を理解して、適切な消毒剤を選びましょう。
🍶 アルコール消毒剤
アルコール消毒剤は、インフルエンザウイルスの消毒に最も広く使用されている消毒剤です。エタノール(消毒用アルコール)を70〜80%の濃度で使用すると、インフルエンザウイルスのエンベロープを破壊し、効果的に不活化できます。
アルコール消毒剤の利点:
- 速乾性があり、使用後に拭き取る必要がない
- 多くの素材に対して使用可能
- 残留性が少ない
- 手軽に使用でき、持ち運びも便利
注意点:
- 引火性があるため、火気の近くでの使用は避ける
- 一部のプラスチックや塗装面を傷める可能性
- 使用前に目立たない場所で試すことを推奨
⚗️ 次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)
次亜塩素酸ナトリウムは、家庭用の塩素系漂白剤(ハイターなど)に含まれる成分で、強力な消毒効果があります。インフルエンザウイルスだけでなく、ノロウイルスなどのアルコールが効きにくいウイルスにも効果があります。
希釈方法:
- 消毒に使用する際は、濃度0.05%(500ppm)程度に希釈
- 市販の塩素系漂白剤(原液濃度約5%)の場合、水1リットルに対してキャップ1杯(約25ml)程度を加える
注意点:
- 金属を腐食させる性質があるため、使用後は水拭きで成分を拭き取る
- 塩素ガスが発生する可能性があるため、使用時は換気を十分に行う
- 酸性の洗剤と絶対に混ぜない
- ゴム手袋を着用して使用
🧽 界面活性剤(住宅用洗剤)
一般的な住宅用洗剤に含まれる界面活性剤にも、インフルエンザウイルスを不活化する効果があります。界面活性剤はウイルスのエンベロープを破壊することで、感染力を失わせます。
経済産業省と独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の検証では、複数の界面活性剤がコロナウイルスに対して有効であることが確認されており、同様にエンベロープを持つインフルエンザウイルスにも効果が期待できます。
使用方法:
- 台所用洗剤を薄めた液で拭き掃除
- アルコールや次亜塩素酸ナトリウムが手に入らない場合の代替手段として有効
- 使用後は水拭きで洗剤成分を拭き取る
💧 次亜塩素酸水
次亜塩素酸水は、次亜塩素酸ナトリウムとは異なる物質で、塩酸や食塩水を電気分解することで生成されます。適切な濃度と使用方法であれば、ウイルスの不活化に効果があるとされています。
注意点:
- 光や有機物の存在下で分解されやすく、効果が持続しにくい
- 対象物の汚れをあらかじめ落としてから使用
- 十分な量を使用する
- 製品の使用期限や保存方法を守る
Q. 感染者の部屋で特に重点的に消毒すべき場所はどこか?
インフルエンザ感染者の部屋で最も重点的に消毒すべき場所は、ドアノブ・照明スイッチ・リモコン類・テーブル表面・ベッドサイドです。これらは頻繁に手が触れる場所でウイルスが付着しやすく、1日2〜3回以上アルコール消毒剤で拭き取ることが推奨されます。
🏠 場所別の消毒方法と手順
インフルエンザ感染者がいる家庭で、具体的にどの場所をどのように消毒すればよいのか、場所別に詳しく解説します。
🛏️ 感染者の部屋
感染者が主に過ごす部屋は、最も重点的に消毒する必要がある場所です。消毒すべき重要なポイントは以下のとおりです:
- ドアノブと照明スイッチ:出入りの際に必ず触れる場所。1日に複数回拭き取る
- テーブルやデスクの表面:食事や物を置く場所。食事の前後や使用後に消毒
- リモコン類:テレビ、エアコンなど。アルコール消毒剤を少量含ませた布で全体を拭く
- ベッドサイド:枕元のテーブル、ティッシュボックス、薬や飲み物を置く場所
アルコール消毒剤を含ませた布やペーパータオルで、内側と外側の両方を忘れずに消毒しましょう。電子機器の場合は、液体が隙間に入らないよう注意が必要です。
🚽 トイレ
トイレは感染者と他の家族が共用することが多い場所であり、感染リスクが高い空間です。可能であれば感染者専用のトイレを設けることが理想的ですが、難しい場合は使用後の消毒を徹底します。
消毒すべき主なポイント:
- 便座、便座の蓋
- 水洗レバー(またはボタン)
- ドアノブ、照明スイッチ
- トイレットペーパーホルダー
感染者が使用した後、速やかにアルコールまたは希釈した次亜塩素酸ナトリウムで拭きます。タオルの共用は避け、使い捨てのペーパータオルを使用するか、家族それぞれ専用のタオルを用意します。
🚿 洗面所・浴室
洗面所は手洗いをする場所であり、清潔に保つことが重要です。
洗面所の消毒ポイント:
- 蛇口のハンドル
- 洗面台の縁
- 石鹸ディスペンサーのポンプ部分
- 歯ブラシ立て
浴室は感染者が最後に入浴するようにし、使用後は浴槽や洗い場を洗剤で洗い流します。インフルエンザウイルスは石鹸で不活化されるため、通常の浴室用洗剤での清掃で十分な効果があります。
感染者と他の家族でタオル類を共用しないようにします。バスタオル、フェイスタオル、バスマットは感染者専用のものを用意し、使用後は速やかに洗濯します。
🍽️ キッチン・ダイニング
キッチンやダイニングは食事に関わる場所であり、衛生管理が特に重要です。
食器の取り扱い:
- 感染者が使用した食器は、他の家族のものと分けて洗う
- 食器洗い乾燥機で高温洗浄するのが理想的
- 手洗いの場合は、洗剤でしっかり洗った後、熱湯をかけるかよく乾燥させる
消毒ポイント:
- テーブル(食事の前後)
- 椅子の背もたれや肘掛け
- 冷蔵庫のハンドル
- 電子レンジのボタン
- 水道の蛇口
🛋️ 共用スペース(リビングなど)
感染者はできるだけ自室で過ごすことが望ましいですが、共用スペースを使用する場合は、使用後の消毒を徹底します。
ソファやクッションの対処法:
- カバーが取り外せる場合は洗濯
- 取り外せない場合は、消臭・除菌スプレーを使用
- 日光に当てて乾燥させる
リビングのテーブル、椅子、リモコン類、共用の文房具なども消毒の対象です。家族が触れる可能性のあるすべての場所を意識して消毒を行います。
💨 換気の重要性と効果的な方法
消毒と並んで重要なのが換気です。適切な換気を行うことで、空気中のウイルス濃度を下げ、感染リスクを減らすことができます。混雑を避ける時間帯の選び方と同様に、感染リスクを下げる環境づくりが重要です。
🌀 換気が必要な理由
インフルエンザウイルスは主に飛沫感染で広がりますが、密閉された空間では、飛沫から水分が蒸発した飛沫核が空気中に滞留することがあります。換気を行うことで、これらのウイルスを含む粒子を室外に排出し、新鮮な空気と入れ替えることができます。
また、換気によって室内の湿度と温度が変化し、ウイルスの生存に不利な環境を作ることにも寄与します。特に、加湿を併用することで、飛沫が速く落下しやすくなり、感染リスクの低減につながります。
🪟 効果的な換気の方法
効果的な換気を行うためには、2か所以上の窓や扉を開けて、空気の流れを作ることが重要です。対角線上にある窓を開けると、効率的に空気が入れ替わります。
換気の基本ルール:
- 1回の換気時間は5〜10分程度
- 1時間に1〜2回程度、定期的に実施
- 感染者がいる部屋は、より頻繁な換気が必要
- 冬場でも短時間でも定期的に換気を行う
24時間換気システムがある住宅では、常に稼働させておくことで継続的な換気が可能です。台所やトイレの換気扇を活用することも有効です。
💧 換気と加湿のバランス
インフルエンザウイルスは低湿度の環境で生存しやすいため、室内の湿度を50〜60%程度に保つことが推奨されています。ただし、換気を行うと冬場は室内の湿度が下がりやすくなります。
加湿のポイント:
- 加湿器を使用する場合は、換気後に稼働させて湿度を回復
- 加湿器自体の清掃も定期的に行い、カビや細菌の繁殖を防ぐ
- 濡れたタオルを室内に干すことも簡易的な加湿方法として有効
- 洗濯物を室内干しすることでも加湿効果が期待できる
Q. 室内換気はインフルエンザ対策にどう役立つか?
室内換気はインフルエンザ対策において消毒と同様に重要です。密閉空間ではウイルスを含む飛沫核が滞留するため、対角線上の窓を開けて空気の流れを作り、1時間に1〜2回・1回5〜10分の換気を実施します。室内湿度は50〜60%に保つと、ウイルスの生存を抑制できます。
🛏️ 寝具・衣類の消毒と洗濯方法
感染者が使用した寝具や衣類には、ウイルスが付着している可能性があります。適切な方法で洗濯・消毒を行いましょう。
🛌 寝具の取り扱い
シーツ、枕カバー、布団カバーなどの寝具カバー類は、感染者の症状が落ち着いた後、速やかに洗濯します。取り外す際は、ウイルスを含む飛沫を舞い上げないよう、静かに扱うことが重要です。
洗濯の方法:
- 通常の洗剤を使用
- できれば60度以上のお湯で洗うのが理想的
- お湯が使えない洗濯機の場合は、洗剤でしっかり洗い、十分に乾燥
- 乾燥機が使用できる場合は、高温設定で乾燥
布団本体の対処法:
- カバーを外して日光に当てて干す
- 両面をしっかり日光に当て、乾燥させる
- 布団乾燥機がある場合は活用
枕は、素材によって対応が異なります。洗えるタイプの枕は洗濯し、洗えない場合は日光に当てて干すか、消臭・除菌スプレーを使用します。
👕 衣類の洗濯
感染者が着用した衣類は、他の家族の衣類とは分けて洗濯することをおすすめします。特に、鼻をかんだときに触れた袖口や、咳・くしゃみの際に飛沫がついた可能性のある部分には注意が必要です。
洗濯のポイント:
- 通常の洗剤で行う(界面活性剤がインフルエンザウイルスを不活化)
- 十分な量の洗剤を使用
- すすぎをしっかり行う
- 洗濯後はできるだけ早く乾燥
- 日光に当てて干すことで、紫外線による殺菌効果も期待
⚠️ 洗濯時の注意点
洗濯物を取り扱う際の注意事項:
- マスクを着用
- 取り扱い後は必ず手を洗う
- 洗濯かごも定期的に消毒
- 感染者の衣類を洗った後、気になる場合は洗濯槽洗浄コースを実行
洗濯機内にウイルスが残ることを心配される方もいますが、洗剤と水流によってウイルスは不活化・除去されるため、通常の使用では問題ありません。
🥽 消毒作業時の注意点と自己防護
消毒作業を行う際は、作業者自身が感染しないよう、適切な防護を行うことが重要です。また、消毒剤の取り扱いにも注意が必要です。
🛡️ 消毒作業時の防護
消毒作業を行う際は、以下の防護具を着用することをおすすめします:
- マスク:飛沫の吸入を防ぐために着用。使い捨ての不織布マスクを使用
- 使い捨て手袋:ウイルスが付着した場所に直接触れることを防ぐ
- 汚れてもよい長袖の衣類:作業後は洗濯
- エプロンや使い捨てのガウン:より確実な防護のため
⚗️ 消毒剤使用時の注意
アルコール消毒剤の注意点:
- 引火性があるため、火気の近くでは使用しない
- コンロやストーブ、ライターなどの近くでの使用は避ける
次亜塩素酸ナトリウムの注意点:
- 酸性の洗剤と混ぜると有毒な塩素ガスが発生
- 「まぜるな危険」の表示がある製品同士は絶対に混ぜない
- 使用時は換気を十分に行う
- 皮膚や目に入らないよう注意
共通の注意点:
- 子どもの手の届かない場所に保管
- 原液のまま放置せず、使用分だけ希釈して使い切る
🤲 作業後の手洗い
消毒作業が終わったら、手袋を外した後に必ず石鹸で手を洗います。手袋を着用していても、脱ぐ際にウイルスが手に付着する可能性があるためです。
正しい手洗い方法:
- 20秒以上かけて洗う
- 指の間、爪の下、手首まで丁寧に洗う
- ペーパータオルまたは清潔なタオルで手を拭く
- アルコール消毒剤で仕上げるとより確実
Q. インフルエンザ感染者の衣類や寝具はどう洗濯すべきか?
インフルエンザ感染者の衣類や寝具は、他の家族のものと分けて洗濯します。通常の洗剤に含まれる界面活性剤がウイルスを不活化するため、できれば60度以上のお湯で洗うのが理想です。洗濯物の取り扱い時はマスクと手袋を着用し、作業後は必ず石鹸で手を洗いましょう。
🏡 家庭内感染を防ぐための生活上の工夫
消毒と換気に加えて、日常生活での工夫によって家庭内感染のリスクをさらに下げることができます。子供の発熱で夜間に慌てないための対処法と同様に、事前の準備と適切な対応が重要です。
🚪 感染者の隔離
可能であれば、感染者は個室で過ごすようにします。部屋のドアは閉めておき、他の家族との接触を最小限に抑えます。
隔離時のポイント:
- 食事は感染者の部屋で取る
- 使用した食器は他の家族のものと分けて洗う
- 感染者のケアをする人は一人に決める
- やむを得ず部屋を出る場合はマスクを着用
- 咳やくしゃみをする際は、マスクの上からでもティッシュや肘の内側で口と鼻を覆う
🧼 手洗いの徹底
家族全員が頻繁に手を洗うことが、家庭内感染予防の基本です。特に以下のタイミングでは必ず手を洗いましょう:
- 感染者の部屋に入った後
- 食事の前
- トイレの後
- 外出から帰宅した時
- 顔を触る前
石鹸を使って20秒以上かけて洗い、流水でしっかりすすぎます。手洗いが難しい状況では、アルコール消毒剤を使用します。
🍽️ 共用物品の管理
タオル、歯ブラシ、コップなどの日用品は、感染者と他の家族で共用しないようにします。それぞれ専用のものを用意し、混同しないよう色分けするなどの工夫をすると便利です。
共用を避けるべきもの:
- タオル類(バスタオル、フェイスタオル)
- 歯ブラシ
- コップ、食器
- 枕、布団
- 携帯電話、タブレット
感染者が触れたものは他の家族が使う前に消毒するか、使い捨てのものを使用します。ティッシュやマスクなどの使用済みのものは、蓋付きのゴミ箱にすぐに捨てるようにします。
😷 マスクの着用
感染者はもちろん、感染者のケアをする家族もマスクを着用します。マスクは鼻から顎までしっかり覆い、隙間ができないように装着することが重要です。
マスク着用時の注意:
- 使い捨てマスクは1日1回以上交換
- 使用済みのマスクは表面を触らないように外して廃棄
- マスクを外した後は手を洗う
- 正しい装着方法で隙間を作らない
⏰ 消毒のタイミングと頻度
効果的な消毒を行うためには、適切なタイミングと頻度で実施することが重要です。
📅 感染期間中の消毒頻度
感染者が家庭にいる間は、頻繁に触れる場所を1日に複数回消毒することをおすすめします。
場所別消毒頻度:
- ドアノブ、照明スイッチ、トイレ周り:1日2〜3回以上
- 感染者が使用した直後:その都度消毒
- テーブルや共用スペース:使用の前後
- 食事前のテーブル消毒:特に重要
🌟 回復後の消毒
感染者の症状が回復し、通常の生活に戻る前に、使用していた部屋の徹底的な消毒を行います。
回復後の清掃チェックリスト:
- ドアノブや照明スイッチ
- 家具の表面
- 窓のサッシ
- カーテンレール
- 寝具類の洗濯
- 布団の日光干しまたは布団乾燥機での乾燥
- 部屋の十分な換気
- ゴミ箱の清掃・消毒
📝 消毒の継続期間
インフルエンザウイルスは、発症前日から発症後5〜7日程度まで排出されるとされています。成人の場合、解熱後2日程度経過するまでは感染力があると考えられます。小児の場合は、ウイルスの排出期間がより長くなることがあります。
消毒継続の目安:
- 感染者の症状が完全に回復するまで
- 解熱後2日以上経過するまで
- その後も念のため数日間は頻繁に触れる場所の消毒を継続

❓ よくある質問
インフルエンザウイルスの消毒には、エタノール濃度70〜80%程度のものが最も効果的です。濃度が高すぎると揮発が早く、十分な効果を発揮する前に乾いてしまうことがあります。市販の消毒用アルコールや手指消毒剤の多くはこの濃度範囲で調整されているため、そのまま使用できます。
次亜塩素酸ナトリウムは塩素系漂白剤の主成分で、アルカリ性の強力な消毒剤です。一方、次亜塩素酸水は電気分解などで生成される弱酸性〜中性の溶液で、異なる物質です。次亜塩素酸ナトリウムは金属を腐食させやすく、使用後の水拭きが必要ですが、次亜塩素酸水は比較的素材への影響が少ないとされています。ただし、次亜塩素酸水は安定性が低く、使用期限や保存方法に注意が必要です。
HEPAフィルター搭載の空気清浄機は、空気中の微粒子を捕集する能力があり、ウイルスを含む飛沫や飛沫核を一部除去できる可能性があります。ただし、空気清浄機だけでインフルエンザを完全に予防することは難しく、換気、手洗い、消毒などの他の対策と組み合わせて使用することが重要です。空気清浄機を使用する場合は、フィルターの定期的な交換やメンテナンスも忘れずに行いましょう。
布製品は液体消毒剤を直接スプレーすると素材を傷めたり、シミになったりする可能性があります。可能であればカバーを取り外して洗濯するのが最も効果的です。取り外せない場合は、市販の布製品用消臭・除菌スプレーを使用するか、スチームクリーナーで高温処理する方法があります。日光に当てて乾燥させることも有効です。特に気になる場合は、専門のクリーニング業者への相談も検討してください。
プラスチックや金属製のおもちゃは、アルコール消毒剤または希釈した台所用洗剤で拭いた後、水拭きして乾燥させます。ぬいぐるみなどの布製おもちゃは、洗濯表示に従って洗濯するか、日光に当てて干します。電子機器を含むおもちゃは、アルコール消毒剤を含ませた布で表面を拭きますが、液体が内部に入らないよう注意してください。口に入れる可能性のあるおもちゃは、特に丁寧に消毒しましょう。
使用済みのティッシュやマスクには大量のウイルスが含まれている可能性があります。蓋付きのゴミ箱を感染者の部屋に設置し、使用後すぐに捨てるようにします。ゴミ箱にはビニール袋をセットしておき、ゴミを捨てる際は袋の口をしっかり縛ってから廃棄します。ゴミの処理を行う際は手袋を着用し、処理後は必ず手を洗いましょう。ゴミ箱自体も定期的に消毒することをおすすめします。
今シーズンは複数のインフルエンザ型が同時流行しており、家庭内での感染拡大リスクが高まっています。特にスマートフォンやタブレットなどのデジタル機器の消毒を重視し、家族間での共用を避けることが重要です。また、在宅勤務が増えているため、ワークスペースの消毒も忘れずに行いましょう。キーボード、マウス、デスク周りの消毒を1日2回以上実施することをおすすめします。
フルロナの場合でも、基本的な消毒方法は変わりません。アルコール系消毒剤(70-80%エタノール)は、インフルエンザウイルスと新型コロナウイルスの両方に効果があります。ただし、より徹底した消毒が必要となるため、消毒頻度を増やし、特に共用部分の消毒を1日3-4回実施することをおすすめします。また、感染者の隔離期間も長くなる可能性があるため、継続的な消毒体制を整えることが重要です。
参考文献
- 厚生労働省|インフルエンザQ&A
- 厚生労働省|インフルエンザ(総合ページ)
- 国立感染症研究所|インフルエンザとは
- 経済産業省|新型コロナウイルスに有効な界面活性剤を公表します
- 国立感染症研究所|2024-2025シーズンインフルエンザ流行状況
- 厚生労働省|令和6年度インフルエンザ総合対策について
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
今シーズンは家庭内感染でご相談いただくケースが特に多く見られます。一人が感染すると家族全員に広がってしまうパターンが目立っており、適切な部屋の消毒が感染拡大防止の鍵となっています。特に、ドアノブやリモコンなど頻繁に触れる場所の消毒を怠ったために二次感染が起きたケースを多数診察しており、正しい消毒方法の重要性を実感しています。