冬場の入浴中に「なんだか頭がクラクラする」「立ち上がったときにふらつく」といった経験はありませんか。これらの症状は、ヒートショックの軽度な初期サインかもしれません。ヒートショックは重症化すると命に関わる危険な状態を引き起こすことがありますが、軽度の段階で適切に対処すれば、重大な事態を防ぐことができます。本記事では、ヒートショックの軽度な症状の特徴や見分け方、正しい対処法について詳しく解説します。ご自身やご家族の健康を守るために、ぜひ参考にしてください。
目次
- ヒートショックとは?基本的なメカニズムを理解しよう
- ヒートショックの軽度な症状一覧
- 軽度のヒートショック症状が起きたときの対処法
- 軽度と重度の症状の違い
- ヒートショックを起こしやすい人の特徴
- ヒートショックを予防するための具体的な対策
- 医療機関を受診すべきタイミング
- よくある質問
- 参考文献
この記事のポイント
ヒートショックの軽度症状(めまい・動悸・冷や汗など)は急激な血圧変動が原因で、脱衣所の暖房・38〜40度の湯温設定・ゆっくりした動作で予防でき、30分以上症状が続く場合は医療機関受診が必要。
🔍 ヒートショックとは?基本的なメカニズムを理解しよう
ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、身体に様々な悪影響を及ぼす現象のことです。特に冬場の入浴時に起こりやすく、暖かい部屋から寒い脱衣所や浴室に移動したとき、そして熱いお湯に浸かったときに発生しやすいとされています。
⚙️ ヒートショックが起こるメカニズム
私たちの身体は、寒い環境にさらされると血管が収縮して血圧が上昇します。これは体温を逃がさないようにするための生理的な反応です。逆に、温かい環境では血管が拡張して血圧が下がります。ヒートショックは、この血圧の急激な変動が短時間で繰り返されることで起こります。
具体的な流れとしては、以下のような段階があります:
- 暖房の効いた部屋から寒い脱衣所に移動 → 血管が収縮して血圧が急上昇
- 熱いお湯に浸かる → 血管が拡張して血圧が急降下
このような急激な血圧変動が、心臓や脳に大きな負担をかけ、様々な症状を引き起こすのです。
❄️ なぜ冬場に多いのか
ヒートショックが冬場に多発する理由は、室内と浴室・脱衣所との温度差が大きくなるためです。暖房の効いたリビングが20度以上であるのに対し、脱衣所や浴室が10度以下という状況も珍しくありません。この10度以上の温度差が、血圧の急激な変動を引き起こす原因となります。
また、冬場は入浴時の湯温も高くなりがちです。寒さから逃れたい一心で42度以上の熱いお湯に浸かる方も多いですが、これがヒートショックのリスクをさらに高めています。
📊 ヒートショックの発生状況
消費者庁や厚生労働省の統計によると、入浴中の事故による死亡者数は年間約19,000人にのぼると推計されています。これは交通事故による死亡者数の約4倍に相当する数字です。特に11月から3月の寒い時期に集中しており、その多くがヒートショックに関連していると考えられています。
高齢者に多いイメージがありますが、若い世代でも条件が揃えばヒートショックを起こす可能性があります。自分は大丈夫だと過信せず、予防策を講じることが重要です。
Q. ヒートショックが冬の入浴時に起きやすい理由は?
ヒートショックが冬の入浴時に多発する主な理由は、暖房の効いたリビングと脱衣所・浴室との温度差が10度以上になることです。この急激な温度変化で血管が収縮・拡張を繰り返し、血圧が大きく変動して心臓や脳に負担をかけます。
⚠️ ヒートショックの軽度な症状一覧
ヒートショックの症状は、軽度なものから重度なものまで様々です。軽度の症状を早期に認識し、適切に対処することで重症化を防ぐことができます。以下では、ヒートショックの軽度な症状について詳しく解説します。
🌀 めまい・立ちくらみ
ヒートショックの最も一般的な軽度症状が、めまいや立ちくらみです。急激な血圧低下により、脳への血流が一時的に減少することで起こります。特に、熱いお湯から急に立ち上がったときに感じやすい症状です。
めまいには、以下の2つのタイプがあります:
- 回転性めまい:周囲がグルグル回転するように感じる
- 浮動性めまい:フワフワと浮いているような感覚
ヒートショックの場合は、後者の浮動性めまいが多く、足元がふらついたり、まっすぐ歩けなくなったりすることがあります。
💓 動悸・息切れ
心臓がドキドキと速く打つ感覚や、息苦しさを感じることがあります。これは急激な血圧変動に心臓が対応しようとして、心拍数が増加することで起こります。
以下のような症状が現れます:
- 普段は感じないような心臓の鼓動を強く感じる
- 少し動いただけで息が上がる
- 入浴中や入浴後に「心臓がバクバクする」
- 呼吸が荒くなる
🤢 吐き気・気持ち悪さ
血圧の急激な変動は、自律神経にも影響を与えます。その結果、以下のような消化器系の症状が現れることがあります:
- 吐き気
- 胃のむかつき
- 気持ち悪さ
- 胸がむかむかする感覚
特に入浴後に「なんとなく気持ち悪い」と感じる場合は、ヒートショックの軽度症状かもしれません。
💦 冷や汗
熱いお湯に浸かっているにもかかわらず、冷や汗が出るという症状もあります。これは血圧が急激に低下したときに、身体が危機を感じて交感神経が活性化することで起こる現象です。入浴中に顔や額から冷たい汗が流れる場合は、身体からの警告サインと捉えるべきです。
😰 顔面蒼白
血圧が急激に低下すると、顔の血色が悪くなり、蒼白になることがあります。自分では気づきにくい症状ですが、以下の点に注意しましょう:
- 家族から「顔色が悪い」と指摘される
- 入浴後に鏡を見て顔色が白っぽくなっている
- 唇の色が悪くなる
👁️ 一時的な視野の異常
視覚的な症状も、ヒートショックの軽度症状として現れることがあります:
- 目の前が真っ暗になる
- 視界がぼやける
- チカチカと光が見える
- 視野が狭くなる
これは脳への血流が一時的に減少することで、視覚を司る部分に影響が出るためです。数秒から数十秒程度で回復する場合は軽度ですが、症状が続く場合は医療機関を受診すべきです。
😴 倦怠感・脱力感
全身がだるく感じたり、力が入らないといった症状もヒートショックの軽度症状です。以下のような感覚を覚えることがあります:
- 「なんだか身体が重い」
- 「立ち上がる気力がない」
- 異常な倦怠感
- 手足に力が入らない
通常、入浴後はリラックスして心地よい疲労感を感じるものですが、異常な倦怠感は注意が必要です。
🤕 頭痛
血圧の急激な変動は、頭痛を引き起こすこともあります。特に血圧が急上昇したときに起こりやすく、以下のような症状が現れます:
- 後頭部や頭全体がズキズキと痛む
- 普段は感じないような頭痛
- 入浴中や入浴後に突然起こる頭痛
- 締め付けられるような痛み
Q. ヒートショックの軽度症状にはどんなものがある?
ヒートショックの軽度症状には、めまい・立ちくらみ・動悸・息切れ・吐き気・冷や汗・顔面蒼白・一時的な視野の異常・倦怠感・頭痛などがあります。これらは急激な血圧変動が原因で、早期に気づいて適切に対処することで重症化を防ぐことができます。
🚨 軽度のヒートショック症状が起きたときの対処法
軽度のヒートショック症状が現れた場合、適切な対処を行うことで重症化を防ぐことができます。以下では、症状別の対処法と、基本的な応急処置について解説します。
🛡️ まずは安全な姿勢を確保する
めまいや立ちくらみを感じたら、まず転倒を防ぐことが最優先です。以下の手順で安全を確保してください:
- 立っている場合:すぐにしゃがむか、壁や手すりにつかまる
- 浴槽内にいる場合:無理に立ち上がろうとせず、浴槽のふちにつかまって身体を支える
- 可能であれば:その場に座り込むか横になる
浴室の床は滑りやすいため、転倒による怪我のリスクが高くなります。安全な姿勢を確保することが、二次的な事故を防ぐ重要なポイントです。
🚶 ゆっくりと浴槽から出る
症状が落ち着いてきたら、急がずにゆっくりと浴槽から出ましょう。以下の手順を守ってください:
- まず浴槽の縁に腰掛ける
- 数分間そのままの姿勢で過ごす
- 手すりや浴槽の縁をしっかりとつかむ
- 足元を確認しながら慎重に立ち上がる
急に立ち上がると、再び血圧が変動して症状が悪化する可能性があります。
🔥 身体を温める
浴室から出た後は、以下の対策で身体を保温してください:
- すぐにタオルで身体を拭く
- バスローブやタオルで身体を包む
- 脱衣所に暖房がある場合は使用する
濡れた身体で寒い脱衣所にいると、再び血圧が急上昇してしまいます。
💧 水分を補給する
入浴中は発汗により体内の水分が失われます。脱水状態になると血液がドロドロになり、血圧の変動がより顕著になることがあります。症状が落ち着いたら、以下の飲み物で水分を補給しましょう:
- 常温の水
- スポーツドリンク
- 薄めた塩分補給飲料
冷たすぎる飲み物は胃腸に負担をかけるため、避けた方がよいでしょう。
🛏️ 横になって休む
着替えた後は、できるだけ横になって休んでください。横になることで、以下の効果が期待できます:
- 心臓と脳の高さが同じになり、脳への血流が確保されやすくなる
- 足を少し高くすると、下半身に溜まった血液が心臓に戻りやすくなる
- 身体全体がリラックスし、回復が早まる
👨👩👧👦 一人で入浴しない
軽度の症状であっても、万が一重症化した場合に備えて、以下の対策を講じましょう:
- 家族に声をかけてから入浴する
- 定期的に声をかけてもらう
- 浴室のドアを完全には閉めない
- 特に高齢者や持病のある方は注意深く見守る
🏥 症状が続く場合は医療機関を受診
軽度の症状であっても、以下の場合は医療機関を受診することをおすすめします:
- 30分以上症状が続く場合
- 繰り返し症状が現れる場合
- 症状が徐々に悪化している場合
- 新たな症状が加わった場合
軽度に見える症状の裏に、心臓や脳の疾患が隠れている可能性もあるためです。
⚖️ 軽度と重度の症状の違い
ヒートショックの症状は、軽度から重度まで段階があります。軽度の症状と重度の症状の違いを理解しておくことで、緊急時に適切な判断ができるようになります。
✅ 軽度の症状の特徴
軽度の症状は、主に一時的な血圧変動によって引き起こされるもので、適切に対処すれば比較的短時間で回復します。以下の特徴があります:
- 症状の持続時間:数分から数十分程度で落ち着く
- 意識状態:意識がはっきりしている
- 回復性:適切な対処で改善する
- 症状の程度:日常生活に大きな支障はない
前述のめまい、立ちくらみ、動悸、吐き気、冷や汗などがこれに該当します。軽度の症状が現れた場合でも、油断は禁物です。そのまま放置したり、無理に動いたりすると、重度の症状に進行する可能性があります。
🚨 重度の症状の特徴
重度の症状は、生命に関わる危険な状態を示すものです。以下のような症状が現れた場合は、直ちに救急車を呼ぶ必要があります。
意識障害
- 呼びかけに応じない
- 反応が鈍い
- もうろうとしている
- 失神している
激しい胸の痛み
- 締め付けられるような痛み
- 圧迫感
- 息ができないほどの苦しさ
- 左肩や顎への放散痛
脳卒中の症状
- ろれつが回らない
- 手足に力が入らない
- 片側の顔が垂れ下がる
- 言語がうまく出てこない
その他の重篤な症状
- 痙攣
- 激しい嘔吐
- 呼吸困難
- 冷感、冷汗(軽度とは異なる程度)
🆘 緊急時の対応
重度の症状が疑われる場合は、すぐに119番に電話して救急車を要請してください。その際、以下の点に注意しましょう:
浴槽内で意識を失っている場合
- 溺れる危険があるため、可能であれば浴槽の栓を抜いて水を流す
- 無理に身体を引き上げようとすると、救助者も転倒する危険がある
- 安全を確保しながら、救急隊の到着を待つ
意識がある場合
- 楽な姿勢をとらせる
- 身体を保温する
- AED(自動体外式除細動器)が近くにある場合は、すぐに使用できるよう準備
- 救急車の到着まで容態を観察
Q. 入浴中にめまいが起きたときの正しい対処法は?
入浴中にめまいが起きたら、まず転倒を防ぐために壁や手すりにつかまるか、その場にしゃがみ安全な姿勢を確保します。症状が落ち着いたら浴槽の縁に腰掛けて数分休み、手すりをつかみながらゆっくり立ち上がります。浴室から出た後は身体を保温し横になって休みましょう。
👥 ヒートショックを起こしやすい人の特徴
ヒートショックは誰にでも起こる可能性がありますが、特にリスクが高い人がいます。自分や家族が該当するかどうかを確認し、予防に役立てましょう。
👴 高齢者
年齢を重ねると、以下の理由でヒートショックのリスクが高まります:
- 血管の弾力性低下:血管が硬くなり、血圧の調整機能が衰える
- 温度感覚の鈍化:熱すぎるお湯に入っても気づきにくい
- 身体機能の低下:急激な変化に身体が対応しにくい
- 薬の影響:血圧降下剤など、血圧に影響する薬の服用
特に65歳以上の方は注意が必要です。
🩺 高血圧の方
普段から血圧が高い方は、以下の理由でリスクが高くなります:
- 温度変化による血圧の変動幅が大きくなりやすい
- 血圧が急激に上昇すると、血管や心臓に大きな負担がかかる
- 脳卒中や心筋梗塞を引き起こす可能性が高い
- 血圧降下剤の服用により、さらに血圧が下がりやすい
🍯 糖尿病の方
糖尿病の方がリスクが高い理由:
- 自律神経機能の低下:血圧の調節がうまくできない
- 動脈硬化の進行:血管が硬くなり、血圧変動の影響を受けやすい
- 血液粘度の上昇:血液がドロドロになりやすい
- 感染症リスク:免疫力低下により合併症を起こしやすい
❤️ 心臓疾患のある方
以下の心臓疾患がある方は特に注意が必要です:
- 狭心症:胸の痛みや圧迫感が悪化する可能性
- 心筋梗塞の既往:再発のリスクが高い
- 不整脈:血圧変動により不整脈が悪化
- 心不全:心臓への負担が増加
血圧の急激な変動は、心臓に大きなストレスを与え、症状を悪化させる可能性があります。
🧪 脂質異常症の方
コレステロール値や中性脂肪値が高い方のリスク:
- 動脈硬化が進行している可能性が高い
- 血管が硬くなり、血圧の変動に対応しにくい
- 血栓ができやすい状態
- 心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高い
⚖️ 肥満の方
肥満がヒートショックのリスクを高める理由:
- 生活習慣病との関連:高血圧や糖尿病を併発しやすい
- 心臓への負担:血圧変動の影響を受けやすい
- 動脈硬化のリスク:血管の状態が悪化しやすい
- 睡眠時無呼吸症候群:酸素不足により心臓に負担
🍺 飲酒後の方
アルコール摂取後の入浴が危険な理由:
- 血管拡張作用:お湯による血管拡張効果と相まって、血圧が急激に低下
- 判断力の低下:症状に気づきにくくなる
- 脱水の促進:アルコールの利尿作用と発汗が重なる
- 体温調節機能の低下:のぼせやすくなる
💊 薬を服用している方
以下の薬を服用している方は注意が必要です:
- 睡眠薬・安定剤:血圧を下げる作用、意識がぼんやりする
- 血圧降下剤:血圧が過度に低下する可能性
- 利尿剤:脱水状態になりやすい
- 血管拡張剤:血圧低下作用が増強される
🍽️ 入浴前に食事をした方
食事の直後の入浴が危険な理由:
- 血液の分散:消化のために胃腸に血液が集まる
- 脳血流の不足:全身に血液が分散し、脳への血流が不足しやすい
- 消化不良のリスク:胃腸の働きが悪くなる
食後1時間以上空けてから入浴することをおすすめします。
🛡️ ヒートショックを予防するための具体的な対策
ヒートショックは、適切な対策を講じることで予防できます。日常生活で実践できる具体的な予防策を紹介します。
🔥 脱衣所・浴室を暖める
最も重要な予防策は、脱衣所と浴室を入浴前に暖めておくことです。暖かい部屋から寒い脱衣所への移動時の温度差を少なくすることで、血圧の急激な変動を防ぐことができます。
脱衣所の暖房対策
- 小型の暖房器具を設置
- 入浴の10〜15分前からつける
- 安全性を考慮した暖房器具を選択
- 暖房器具は濡れない場所に設置
浴室の暖房対策
- シャワーを使って壁や床にお湯をかける
- 浴室暖房乾燥機の暖房機能を使用
- 浴槽の蓋を開けておく(湯気で暖める)
- 入浴前に換気扇は止めておく
🌡️ お湯の温度は38〜40度に設定する
入浴時のお湯の温度は、38〜40度程度のぬるめがおすすめです。42度以上の熱いお湯は、血圧を急激に変動させる原因となります。
適切な温度設定のポイント
- 38度:体温に近く、身体への負担が最も少ない
- 39度:リラックス効果が高い
- 40度:多くの人が快適と感じる温度
- 41度以上:血圧変動のリスクが高くなる
特に冬場は熱いお湯に入りたくなりますが、ヒートショック予防のためにはぬるめのお湯を心がけましょう。
💧 かけ湯をしてから浴槽に入る
いきなり浴槽に入るのではなく、まずかけ湯をして身体をお湯の温度に慣らしましょう。以下の手順で行います:
- 手や足の末端から始める
- 腕や脚に徐々にかけ湯する
- 肩や背中などの体幹部にかけ湯する
- 最後に胸部にかけ湯する
この手順により、急激な温度変化を避けることができます。
⏱️ 長湯を避ける
入浴時間は10〜15分程度を目安にしましょう。長時間お湯に浸かっていると、以下のリスクがあります:
- 血圧が低下し続ける
- 浴槽から出たときの血圧変動が大きくなる
- 発汗による脱水が進行する
- 身体への負担が大きくなる
- のぼせやすくなる
🐌 ゆっくりと動作する
浴槽への出入りは、ゆっくりとした動作を心がけましょう。急に立ち上がると、血圧が急激に変動して立ちくらみを起こしやすくなります。
浴槽から出るときの手順
- まず浴槽の縁に腰掛ける
- 数分間その姿勢で休む
- 手すりをしっかりつかむ
- ゆっくりと立ち上がる
- 立ち上がった後も数秒間静止する
💧 入浴前後の水分補給
入浴前と入浴後には、コップ1杯程度の水分を補給しましょう。脱水状態では血液がドロドロになり、血圧の変動が大きくなりやすくなります。
適切な飲み物
- 常温の水:最も基本的で安全
- スポーツドリンク:電解質も補給できる
- 麦茶:カフェインが含まれていない
- 白湯:身体を冷やさない
避けるべき飲み物
- アルコール類
- カフェインを多く含む飲み物
- 極度に冷たい飲み物
- 糖分の多い飲み物
🚫 飲酒後・食後すぐの入浴を避ける
以下のタイミングでの入浴は避けましょう:
- 飲酒後:少なくとも2時間以上空ける
- 食後:1時間以上空ける
- 薬の服用後:医師に確認する
- 体調不良時:無理をしない
👨👩👧👦 家族に声をかける
安全な入浴のために、家族との連携も重要です:
- 入浴前:家族に声をかけて入浴することを伝える
- 入浴中:定期的に返事ができるようにしておく
- 長時間の場合:様子を見に来てもらう
- 高齢者の場合:より頻繁な声かけを依頼
☀️ 入浴は日中の暖かい時間帯に
可能であれば、入浴は気温が比較的高い日中の時間帯に行うことをおすすめします:
日中入浴のメリット
- 気温が高く、温度差が少ない
- 家族が起きているため、緊急時の対応が早い
- 医療機関が開いている時間帯
- 身体の調子が良い時間帯
夜間・早朝入浴のリスク
- 室温が下がっている
- 万が一の際の対応が遅れる可能性
- 血圧が不安定になりやすい時間帯
- 医療機関の対応が限られる
🏠 住宅の断熱性能を高める
長期的な対策として、住宅の断熱性能を高めることも効果的です:
リフォーム対策
- 脱衣所や浴室の断熱リフォーム
- 浴室暖房乾燥機の設置
- 二重窓への変更
- 断熱材の追加
手軽にできる対策
- 断熱カーテンの使用
- 隙間テープで冷気をシャットアウト
- 脱衣所用の小型暖房器具の設置
- 浴室用マットの使用
Q. ヒートショックを予防するために有効な対策は?
ヒートショックの主な予防策は、入浴の10〜15分前から脱衣所と浴室を暖めること、お湯の温度を38〜40度に設定すること、入浴前後にコップ1杯の水分を補給すること、浴槽への出入りをゆっくり行うことです。飲酒後や食後すぐの入浴も避けるべきです。
🏥 医療機関を受診すべきタイミング
ヒートショックの症状が現れた場合、どのタイミングで医療機関を受診すべきか迷うことがあるかもしれません。以下のような場合は、早めの受診をおすすめします。
🔄 症状が繰り返し起こる場合
軽度の症状であっても、入浴のたびにめまいや立ちくらみを感じる場合は、背景に何らかの疾患が隠れている可能性があります。
考えられる背景疾患
- 高血圧:血圧の変動が大きくなりやすい
- 不整脈:心臓のリズムが乱れている
- 貧血:血液中の酸素運搬能力が低下
- 自律神経失調症:血圧調節機能の低下
- 甲状腺疾患:ホルモンバランスの乱れ
一度医療機関で検査を受けることをおすすめします。
⏰ 症状が30分以上続く場合
通常、軽度のヒートショック症状は数分から数十分で回復します。症状が30分以上続く場合や、時間が経っても改善しない場合は、医療機関を受診してください。
受診が必要な症状の持続
- めまいが1時間以上続く
- 動悸が止まらない
- 吐き気が改善しない
- 頭痛が持続する
- 倦怠感が数時間続く
🩺 持病がある場合
以下の持病がある方は、軽度の症状であっても主治医に相談することをおすすめします:
特に注意が必要な疾患
- 高血圧:血圧の急変動により合併症のリスク
- 糖尿病:血管や神経への影響
- 心臓疾患:心筋梗塞や不整脈のリスク
- 脳血管疾患:脳卒中の再発リスク
- 腎臓疾患:血圧管理の重要性
これらの疾患がある方は、ヒートショックが重症化しやすいため、予防策についても医師からアドバイスを受けておくとよいでしょう。
🚨 緊急性の高い症状の場合
以下の重度の症状が現れた場合は、直ちに救急車を呼んでください:
即座に119番通報が必要な症状
- 意識障害:呼びかけに応じない、反応が鈍い
- 激しい胸痛:締め付けられるような痛み
- 呼吸困難:息ができない、激しい息切れ
- ろれつが回らない:言葉がうまく出てこない
- 片側の麻痺:手足に力が入らない
- 激しい頭痛:今まで経験したことのない痛み
- 痙攣:身体が震える、硬直する
これらの症状は、脳卒中や心筋梗塞の可能性を示唆しており、一刻も早い治療が必要です。
📊 予防のための健康診断
症状がなくても、ヒートショックのリスクが高い方は、定期的な健康診断を受けることをおすすめします。
重要な検査項目
- 血圧測定:安静時血圧の確認
- 心電図検査:不整脈の有無を確認
- 血液検査:貧血、血糖値、脂質の確認
- 胸部レントゲン:心臓や肺の状態確認
- 心エコー検査:心臓の機能評価
これらの検査を通じて、自分の健康状態を把握し、必要な対策を講じることができます。
医師への相談ポイント
- 入浴時の症状について詳しく説明
- 現在服用している薬の確認
- 生活習慣についての相談
- 予防策についてのアドバイス
- 緊急時の対応方法について

❓ よくある質問
軽度のヒートショック症状は、適切に対処すれば通常5分から30分程度で回復します。安全な姿勢をとり、身体を温めて安静にすることで、症状は徐々に落ち着きます。ただし、30分以上症状が続く場合や、繰り返し症状が現れる場合は、医療機関を受診することをおすすめします。
はい、若い人でもヒートショックは起こります。高齢者に比べるとリスクは低いですが、飲酒後の入浴、長時間の入浴、熱すぎるお湯への入浴などの条件が重なると、若い世代でもヒートショックを起こす可能性があります。また、低血圧の方や自律神経の調節機能が乱れている方も注意が必要です。
ヒートショックは急激な温度変化による血圧の変動が原因で起こるのに対し、熱中症は高温環境での体温調節機能の破綻が原因で起こります。ヒートショックは主に冬場の入浴時に発生し、血圧の急上昇や急降下による症状が特徴です。一方、熱中症は夏場の暑い環境で発生し、体温上昇、脱水、塩分喪失による症状が特徴です。
はい、入浴以外でもヒートショックは起こることがあります。暖かい室内から寒い屋外に出たとき、冷え切った車に乗り込んだとき、寒いトイレで用を足したときなど、急激な温度変化が起こる場面では注意が必要です。特に早朝の寒い時間帯に暖かい布団から出るときも、血圧が急変動しやすいタイミングです。
一般的に、室温の差は5度以内に抑えることが推奨されています。例えば、リビングが22度であれば、脱衣所も17度以上に暖めておくことが望ましいです。また、浴室内の温度と湯温の差も重要で、シャワーや浴室暖房で浴室を暖めてから入浴することで、身体への負担を軽減できます。
📚 参考文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
軽度のめまいや立ちくらみであっても、浴室という危険な環境では転倒による重篤な外傷のリスクがあります。これらの症状を感じた際は、無理をせずに安全な姿勢を確保することが何より重要です。症状が軽いからといって油断せず、適切な対処を心がけてください。