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運動不足を解消したい初心者向け|無理なく続けられる運動習慣の作り方

「最近、体を動かしていない」「階段を上がるだけで息が切れる」「なんとなく体が重い気がする」――こうした悩みを抱えている方は、現代社会においてとても多く見られます。デスクワークの普及やスマートフォンの浸透により、私たちの日常生活における活動量は年々低下しており、運動不足は現代人が直面する深刻な健康課題の一つとなっています。しかし、「運動しなければ」と思いながらも、どこから始めればよいかわからない、続けられる自信がないという方も少なくないでしょう。この記事では、運動初心者の方に向けて、運動不足が体に与える影響から、無理なく始められる具体的な運動の方法、そして長続きさせるためのコツまでを医療的な観点から詳しくお伝えします。


目次

  1. 運動不足とはどのような状態か
  2. 運動不足が体に与える影響
  3. 運動不足が心に与える影響
  4. 初心者が運動を始める前に知っておくべきこと
  5. 初心者におすすめの運動の種類
  6. 運動の頻度と時間の目安
  7. 運動を習慣化するための具体的なコツ
  8. 運動中に注意すべきサインと対処法
  9. 食事と睡眠との関係
  10. まとめ

🎯 運動不足とはどのような状態か

運動不足とは、日常生活において必要とされる身体活動の量が不足している状態を指します。世界保健機関(WHO)の指針では、成人に対して週に150〜300分程度の中等度の有酸素運動、または週に75〜150分程度の高強度の有酸素運動が推奨されています。これらの基準を大きく下回る生活が続いている場合、運動不足と考えられます。

日本では厚生労働省が「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を公表しており、成人に対して1日60分程度の身体活動(歩行または同等の運動)を推奨しています。しかし、実際の調査によると、多くの日本人がこの水準を達成できていないのが現状です。

現代のライフスタイルを振り返ってみると、運動不足になりやすい環境が随所に整っていることがわかります。電車やバスによる移動、エレベーターやエスカレーターの普及、テレワークによる在宅勤務の増加など、意識しなければ体を動かす機会はほとんどないという方も多いでしょう。「運動不足かな?」と感じているのであれば、それはすでに改善に向けた大切な第一歩です。

📋 運動不足が体に与える影響

運動不足が続くと、体のさまざまな部分に悪影響が及びます。特に長期的な運動不足は、複数の生活習慣病のリスクを高めることが多くの研究で示されています。

🦠 筋力・体力の低下

体を動かさない期間が続くと、筋肉は徐々に萎縮していきます。これをサルコペニア(加齢性筋肉減少症)の前段階ともいいますが、若い年代であっても運動不足による筋力低下は起こります。筋力が低下すると、日常的な動作での疲れやすさが増し、転倒リスクが高まります。また、基礎代謝も下がるため、太りやすい体質になることも知られています。

👴 心臓・血管への影響

心臓は適度な刺激によって機能が維持されますが、運動不足が続くと心肺機能が低下します。その結果、少し動いただけで息が切れたり、疲れを感じやすくなったりします。また、運動不足は血液の循環を悪化させ、高血圧や動脈硬化のリスクを高めることも知られています。心筋梗塞や脳卒中といった重大な心血管疾患との関連も指摘されています。

🔸 代謝・血糖値への影響

筋肉はブドウ糖の主要な消費器官です。運動によって筋肉を使うことで血中の糖が取り込まれ、血糖値が調節されます。運動不足になると筋肉による糖の取り込みが減少し、インスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」が生じやすくなります。これが続くと、2型糖尿病の発症リスクが高まります。また、脂質代謝も悪化し、中性脂肪の上昇やHDLコレステロール(善玉コレステロール)の低下を招きます。

💧 骨密度の低下

骨は適度な荷重や刺激によって強度を維持します。運動不足が続くと骨密度が低下し、骨粗しょう症のリスクが高まります。特に女性は閉経後に骨密度が急激に下がりやすいため、若いうちから運動習慣を持つことが長期的な骨の健康維持に重要です。

✨ 肥満・内臓脂肪の蓄積

消費カロリーが低下する一方で摂取カロリーが変わらなければ、余ったエネルギーは脂肪として体に蓄積されます。特に内臓周辺に蓄積される「内臓脂肪」は、メタボリックシンドロームとの関連が強く、様々な生活習慣病のリスクを高めます。

💊 運動不足が心に与える影響

運動不足の影響は体だけにとどまりません。精神的な健康にも大きく関わっていることが、近年の研究からますます明らかになっています。

📌 ストレスや不安感の増加

運動をすると、脳内でエンドルフィンやセロトニンといった神経伝達物質が分泌されます。これらは気分を安定させ、ストレスや不安感を和らげる効果があります。運動不足の状態では、こうした神経伝達物質の分泌が不十分になりがちで、気持ちが沈みやすくなったり、些細なことでイライラしやすくなったりします。

▶️ 睡眠の質の低下

適度な運動は良質な睡眠を促します。体が適度に疲労することで入眠がスムーズになり、深い眠りを得やすくなります。一方、運動不足の場合は身体的な疲労感が少なく、夜になっても眠れないという状況が起こりやすくなります。睡眠の質が下がると、日中の倦怠感や集中力の低下にもつながります。

🔹 うつ病リスクの上昇

複数の研究で、運動不足はうつ病のリスクを高めることが示されています。逆に、適度な運動はうつ症状の改善に効果があるとされており、軽度から中等度のうつ病に対して、運動が補助的な治療として用いられるケースもあります。脳への血流増加や神経の可塑性(変化する能力)の向上が、メンタルヘルスの維持に貢献していると考えられています。

📍 認知機能への影響

運動は脳の健康にも深くかかわっています。有酸素運動を行うことで、脳の記憶を司る「海馬」という部位が活性化・肥大することが研究で示されています。運動不足の状態では、認知機能の低下や記憶力・集中力の衰えが早まる可能性があります。認知症の予防という観点からも、運動習慣の維持は非常に重要です。

🏥 初心者が運動を始める前に知っておくべきこと

「よし、運動を始めよう」と決意したとき、初心者が陥りがちなのが「最初から頑張りすぎる」という失敗です。急に激しい運動を行うと、筋肉痛や関節の痛み、疲労感から挫折しやすくなります。長続きさせるためには、まず体を「運動に慣らす」という段階が大切です。

💫 健康状態の確認をする

運動を始める前に、まず自分の健康状態を把握することが重要です。高血圧、糖尿病、心疾患、関節疾患などの既往歴がある方は、運動の種類や強度について事前にかかりつけの医師に相談することをおすすめします。特に長期間運動をしていなかった中高年の方や、BMIが高い方は、急に激しい運動を始めると体に過度な負担がかかる場合があります。

🦠 目標を小さく設定する

「3ヶ月で10kg痩せる」「毎日1時間ジョギングする」といった大きすぎる目標は、初心者にとって挫折の原因になります。最初は「1日10分歩く」「週2回ストレッチをする」など、達成しやすい小さな目標から始めることが継続への近道です。小さな成功体験を積み重ねることで、自信とモチベーションが育まれます。

👴 運動しやすい環境を整える

動きやすいウェアやシューズを用意することも、運動を続けるうえで意外に重要です。適切なシューズは足や膝への負担を軽減し、怪我の予防にもなります。また、運動するための時間帯や場所を事前に決めておくことで、「今日は面倒だからやめよう」という気持ちになりにくくなります。

🔸 ウォームアップとクールダウンを必ず行う

運動の前後に行うウォームアップとクールダウンは、怪我の予防と疲労回復に欠かせません。ウォームアップでは関節や筋肉をゆっくり動かして体を温め、クールダウンでは軽いストレッチで筋肉の緊張をほぐします。特に運動不足の状態から始める場合は、この準備運動の時間を省略しないよう意識してください。

⚠️ 初心者におすすめの運動の種類

運動には大きく分けて「有酸素運動」「筋力トレーニング(無酸素運動)」「柔軟性トレーニング(ストレッチ)」の3種類があります。運動不足を解消するためには、これらをバランスよく取り入れることが理想的ですが、初心者はまず自分が続けやすいものから始めるのが基本です。

💧 ウォーキング

ウォーキングは、特別な器具や技術が不要で、どこでも始めやすい有酸素運動の代表です。心肺機能の向上、血糖値・血圧の改善、気分のリフレッシュなど、様々な健康効果が期待できます。1日30分程度のウォーキングから始め、慣れてきたら距離や時間を徐々に増やしていきましょう。歩くときは背筋を伸ばし、腕を自然に振り、踵から着地するフォームを意識すると効果的です。

✨ 水泳・アクアビクス

水中での運動は浮力によって体重が支えられるため、関節への負担が非常に少ないのが特徴です。膝や腰に痛みがある方、肥満気味の方にも取り組みやすい運動です。水の抵抗によって全身の筋肉がまんべんなく使われるため、カロリー消費も高く、体力作りに適しています。プールが利用できる環境にある方は、ぜひ試してみてください。

📌 自転車(サイクリング)

自転車は有酸素運動として優れており、脚部の筋力強化にも効果的です。ウォーキングと同様に膝への衝撃が比較的少なく、体重が重い方でも取り組みやすいのが利点です。室内用のエアロバイク(フィットネスバイク)を使えば天候に左右されず運動できます。テレビを見ながら漕ぐなど、他の活動と組み合わせると続けやすくなります。

▶️ ヨガ・ピラティス

ヨガやピラティスは、柔軟性・体幹の強化・呼吸法・リラクゼーションを組み合わせた運動です。激しい動きが少なく、体に優しいため運動初心者にも始めやすいジャンルです。特にピラティスは体の深部にある「インナーマッスル」を鍛えることで、姿勢の改善や腰痛の予防にも効果があります。動画配信サービスを活用すれば、自宅でも気軽に取り組めます。

🔹 スクワット・自重トレーニング

道具不要で自宅でできる筋力トレーニングとして、スクワットは特におすすめです。下半身の大きな筋肉(大腿四頭筋、臀筋)を効率よく鍛えられるため、基礎代謝の向上に効果的です。最初は1日10回から始め、慣れてきたら回数や種類を増やしていきます。腕立て伏せや体幹トレーニング(プランク)なども、初心者が始めやすい自重トレーニングです。

📍 ストレッチ

運動の前後だけでなく、日常的なストレッチは体の柔軟性を高め、血流を促進し、肩こりや腰痛の予防にもなります。ストレッチは強度が低いため、「今日は疲れているから激しい運動はきつい」という日でも継続しやすいのが利点です。毎日の習慣として取り入れることで、体全体のコンディションを整えることができます。

💫 階段を使う・こまめに歩くなどの「生活活動」

まとまった運動の時間を確保するのが難しい方には、日常生活の中で体を動かす「生活活動」を増やす方法があります。エレベーターではなく階段を使う、一駅分歩く、立ちながら作業する、こまめに席を立つといった工夫が積み重なることで、日常の活動量を大幅に増やすことができます。厚生労働省もこうした「座位行動を減らす」取り組みを推奨しています。

🔍 運動の頻度と時間の目安

「毎日運動しなければいけない」と考える方も多いですが、実は休息も非常に重要です。体は運動によって受けたダメージを回復させる過程で強くなっていきます。初心者の段階では、週に3〜4回程度を目安に、体を休める日を設けながら進めていくことが理想的です。

具体的な時間の目安としては以下の通りです。

有酸素運動(ウォーキング、サイクリングなど)は、1回30分程度を週に3〜5回行うことが理想とされています。ただし、最初から30分続けることが難しければ、1回10分を1日3回に分けて行っても同様の効果が得られると報告されています。

筋力トレーニングは、同じ筋群に対して週に2〜3回が適切で、次のトレーニングまでに48時間程度の休息を設けることが推奨されています。毎日行う場合は、日替わりで鍛える部位を変えるのが一般的です。

ストレッチは毎日行っても問題なく、むしろ毎日続けることで柔軟性が高まりやすくなります。朝起きたときや入浴後など、体が温まっているタイミングで行うと効果的です。

運動の時間帯については、朝・昼・夜いずれでも効果はありますが、夜遅い時間帯の激しい運動は交感神経を刺激して睡眠の質を下げる場合があります。就寝の2〜3時間前には運動を終えるようにすると良いでしょう。

📝 運動を習慣化するための具体的なコツ

運動が続かない最大の理由の一つは、習慣になる前にやめてしまうことです。人間の行動が習慣として定着するまでには、一般的に2〜3ヶ月程度かかるといわれています。この間をどう乗り越えるかが、運動習慣を作る上で最も重要なポイントです。

🦠 運動する時間と場所を固定する

「気が向いたときにやる」というスタイルでは、どうしても後回しになりやすくなります。「毎朝起きたらストレッチを10分する」「仕事帰りに一駅前で降りて歩く」といったように、運動する時間帯と場所をあらかじめ決めておくと、習慣として身につきやすくなります。特定の行動(歯磨きや入浴など)と運動をセットにする「習慣スタッキング」という方法も有効です。

👴 記録をつける

歩数計や運動記録アプリを使って、自分がどれだけ動いたかを可視化することはモチベーション維持に大変効果的です。記録が積み重なると「ここまで続けてきた」という達成感が生まれ、やめたくない気持ちが強まります。スマートフォンのヘルスケアアプリや、スマートウォッチを活用するのもおすすめです。

🔸 仲間を作る・SNSで発信する

一人よりも誰かと一緒に取り組む方が継続率は格段に上がります。友人や家族と一緒に歩いたり、スポーツジムのグループクラスに参加したりすることで、社会的なつながりが運動のモチベーションを支えてくれます。SNSで運動の記録を発信することも、同じ目標を持つ仲間とのつながりや、応援してもらえる環境を作るのに役立ちます。

💧 「完璧主義」を手放す

「今日は時間がなかったから運動できなかった。もういいや」という「ゼロか百か」の思考は、継続の大敵です。短い時間でも、少ない回数でもいいので、「何もしないよりはいい」というスタンスで続けることが大切です。雨の日はウォーキングを室内ストレッチに替える、忙しい日は5分だけ行うなど、柔軟に対応することで習慣は途切れません。

✨ 運動そのものを楽しむ工夫をする

好きな音楽を聴きながら歩く、ポッドキャストを聴きながらサイクリングする、景色の良い公園を散歩コースにするなど、運動の時間を「楽しみな時間」に変える工夫をするとよいでしょう。また、ダンスやスポーツなど、「運動している」という感覚がなくても体を動かせる趣味を持つことも、運動不足解消の有効な方法です。

📌 ご褒美を設定する

目標を達成したときに自分へのご褒美を用意することで、継続へのモチベーションを維持できます。「1週間続けたら好きな映画を観る」「1ヶ月達成したら新しいウェアを買う」など、小さな報酬を設定することは行動心理学的にも有効とされています。

💡 運動中に注意すべきサインと対処法

運動を始めると、体にさまざまな変化が現れます。適度な筋肉痛や軽い疲労感は正常な反応ですが、以下のような症状が現れた場合はすぐに運動を中止し、必要に応じて医療機関を受診してください。

▶️ 胸の痛みや圧迫感

運動中に胸の痛みや圧迫感、締め付けられるような感覚が生じた場合は、狭心症や心筋梗塞の可能性があります。すぐに運動を止めて安静にし、症状が続く場合は救急車を呼ぶなど、速やかに医療機関を受診してください。

🔹 強い息切れやめまい

運動の強度に対して著しく強い息切れや、立ちくらみ・めまいが生じた場合も要注意です。特に高血圧や心疾患の既往がある方は、これらの症状を軽視しないようにしてください。

📍 関節・筋肉の痛み

筋肉痛は運動後24〜48時間で現れる「遅発性筋肉痛」が一般的であり、通常は数日で回復します。一方、運動中に生じる急な関節の痛みや、刺すような鋭い痛みは怪我のサインです。無理に続けず、安静にして状態を確認してください。痛みが続く場合は整形外科を受診しましょう。

💫 過度の疲労・倦怠感

運動後に翌日まで強い疲れが残ったり、体の重さが続いたりする場合は、運動の強度や頻度が体に合っていないサインかもしれません。運動量を減らして様子を見るとともに、十分な睡眠と栄養補給を心がけてください。

🦠 熱中症・脱水症状

特に夏場や暑い室内での運動では、熱中症のリスクがあります。強い頭痛、吐き気、大量の発汗後に汗が出なくなる、意識が朦朧とするといった症状が現れたら直ちに涼しい場所へ移動し、水分・塩分を補給してください。意識障害がある場合はすぐに救急車を呼んでください。運動前後の水分補給は習慣としてください。

✨ 食事と睡眠との関係

運動の効果を最大限に引き出すには、食事と睡眠という二つの要素も欠かせません。どんなに運動を頑張っても、食事や睡眠が乱れていては健康的な体を手に入れることはできません。

👴 運動と食事の関係

運動後の食事は、体の回復と筋肉の合成に重要な役割を果たします。特にタンパク質は筋肉の材料となるため、運動後30〜60分以内(いわゆる「ゴールデンタイム」)にタンパク質を含む食事や補食を取ることが推奨されています。鶏むね肉、卵、豆腐、魚、プロテインドリンクなどが手軽な選択肢です。

一方、食事量を過度に制限しながら運動をすると、エネルギー不足から体がダメージを受けやすくなります。特に激しい運動をする場合は、炭水化物(糖質)もエネルギー源として必要です。「運動しているから何を食べても大丈夫」というわけではありませんが、過度な食事制限と運動を組み合わせることも健康に悪影響を及ぼす場合があります。バランスの取れた食事を継続することが基本です。

🔸 運動と睡眠の関係

睡眠は体の回復・修復が行われる時間です。特に成長ホルモンは睡眠中に多く分泌され、筋肉の合成や脂肪の分解を促進します。質の高い睡眠は運動の効果を高めると同時に、翌日の運動へのモチベーションにも影響します。

推奨される睡眠時間は成人で7〜9時間とされています。寝る前のスマートフォン使用を控える、就寝・起床時間を一定にする、寝室を適度に暗くするといった「睡眠衛生」を意識することで、睡眠の質を高めることができます。

運動・食事・睡眠の3つは切り離せない関係にあります。どれか一つに偏るのではなく、3つのバランスを整えることが、運動不足解消と健康維持の土台となります。

💧 水分補給の重要性

忘れがちですが、水分補給も運動における重要な要素です。体内の水分が不足すると、パフォーマンスの低下や疲労感の増大を招きます。運動前・中・後を通じてこまめに水を飲む習慣を身につけましょう。目安として、運動中は15〜20分ごとに150〜200ml程度の水分補給が推奨されています。スポーツドリンクは汗で失われる電解質の補給に役立ちますが、糖分が多い製品もあるため日常的な使用には水が基本です。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、「最近体を動かしていない」「少し動いただけで息が切れるようになった」とご相談にいらっしゃる患者様が増えており、テレワークの普及が運動不足に拍車をかけていると実感しています。運動習慣を始める際に最も大切なのは「完璧を目指さないこと」で、まずは毎日10分のウォーキングや簡単なストレッチなど、ご自身が無理なく続けられる小さな一歩から始めていただくことをお勧めしています。高血圧や糖尿病、関節に不安をお持ちの方は、運動の種類や強度によっては体への負担が大きくなることもありますので、ぜひ運動を始める前に一度ご相談ください。」

📌 よくある質問

運動不足かどうか、どうやって判断できますか?

WHO基準では、成人に週150〜300分の中等度の有酸素運動が推奨されています。また、厚生労働省は1日60分程度の身体活動を目安としています。「階段で息が切れる」「体が重く感じる」といった自覚症状がある場合も、運動不足のサインと考えられます。気になる方はまず日々の活動量を振り返ってみましょう。

運動初心者は何から始めるのがおすすめですか?

特別な器具や技術が不要なウォーキングが最もおすすめです。最初は1日10〜30分程度から始め、慣れてきたら徐々に時間や距離を延ばしていきましょう。ストレッチや自宅でできるスクワットなどの自重トレーニングも、負担が少なく始めやすい運動です。「小さな目標を確実にクリアする」ことが継続の鍵です。

運動はどのくらいの頻度と時間で行えばよいですか?

初心者の場合、週3〜4回を目安に体を休める日を設けながら進めるのが理想的です。有酸素運動は1回30分程度が目標ですが、最初は10分×3回に分けても同様の効果が期待できます。筋力トレーニングは同じ部位に対して週2〜3回、48時間程度の休息を挟むことが推奨されています。

運動中にどんな症状が出たら中止すべきですか?

胸の痛みや圧迫感、強い息切れ・めまい、関節の鋭い痛みが現れた場合はすぐに運動を中止してください。特に胸痛が続く場合は速やかに医療機関を受診してください。また、夏場は熱中症にも注意が必要です。高血圧や心疾患などの既往がある方は、当院のような医療機関に事前にご相談のうえ運動を始めることをおすすめします。

運動習慣を長続きさせるコツはありますか?

運動する時間・場所を固定し、歯磨きや入浴など日常の行動とセットにする「習慣スタッキング」が効果的です。また、歩数計やアプリで記録をつけて成果を可視化したり、家族や友人と一緒に取り組んだりすることも継続率を高めます。「できない日があっても5分だけ行う」など完璧を求めすぎない柔軟な姿勢が、習慣定着の最大のコツです。

🎯 まとめ

運動不足は、体と心の両方に深刻な影響を与えますが、今日からでも少しずつ改善していくことは十分可能です。大切なのは、「完璧を目指して続かない」よりも「不完全でも続ける」という姿勢です。

今回お伝えした内容をまとめると、以下のポイントが運動不足解消の基本となります。

まず、運動不足は筋力の低下、心肺機能の低下、糖尿病・高血圧・肥満のリスク上昇のほか、うつや認知機能低下といったメンタルヘルスにも深くかかわっています。これらのリスクを理解することが、運動を始める動機付けになります。

次に、初心者はウォーキング、ストレッチ、自重トレーニング、ヨガなど体への負担が少ない運動から始め、小さな目標を少しずつクリアしていくことが大切です。週に3〜4回、1回30分程度を目安にしながら、体を徐々に運動に慣らしていきましょう。

習慣化のためには、運動する時間と場所を固定すること、記録をつけること、仲間を作ること、完璧を求めすぎないことが有効です。また、食事・睡眠・水分補給のバランスを整えることで、運動の効果をより高めることができます。

もし運動中に胸痛、強いめまい、関節の鋭い痛みなどが現れた場合は、すぐに運動を止めて医療機関を受診してください。体に何か気になることがある場合は、運動を始める前にかかりつけ医に相談することが安全です。

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📚 参考文献

  • 厚生労働省 – 「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を含む身体活動・運動に関する推奨基準、成人における1日60分程度の身体活動目標、座位行動を減らす取り組みの根拠として参照
  • WHO(世界保健機関) – 成人に対する週150〜300分の中等度有酸素運動または週75〜150分の高強度有酸素運動の推奨基準、運動不足が生活習慣病リスクに与える影響に関する国際的ガイドラインとして参照
  • PubMed – 運動不足とうつ病リスク・認知機能低下・インスリン抵抗性・骨密度低下との関連、有酸素運動による海馬の活性化・肥大に関する研究、運動習慣の継続に関する行動心理学的エビデンスの根拠文献として参照

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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