透明でサラサラした鼻水が止まらず、困っている方は多いのではないでしょうか。ティッシュが手放せない、仕事や勉強に集中できない、夜も眠れないなど、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。透明な鼻水は、アレルギー性鼻炎や風邪の初期症状、寒暖差による刺激など、さまざまな原因で起こります。本記事では、透明な鼻水が止まらない原因や考えられる病気、自分でできる対処法、そして医療機関を受診すべき目安について詳しく解説します。つらい症状を改善するためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
目次
- 透明な鼻水が止まらないのはなぜ?基本的なメカニズム
- 透明な鼻水が止まらない主な原因
- 鼻水の色や状態で見分ける症状の違い
- 透明な鼻水を伴う代表的な病気
- 自分でできる透明な鼻水への対処法
- 医療機関を受診すべき目安
- 透明な鼻水の治療法
- 透明な鼻水を予防するための生活習慣
- よくある質問
- まとめ
🤔 透明な鼻水が止まらないのはなぜ?基本的なメカニズム
鼻水は、鼻の粘膜から分泌される液体で、本来は鼻腔内を潤し、外部から侵入するウイルスや細菌、ほこりなどの異物を洗い流す重要な役割を担っています。健康な状態でも1日に約1〜2リットルの鼻水が分泌されていますが、そのほとんどは気づかないうちに喉の奥へ流れ込み、飲み込まれています。
しかし、何らかの刺激や病気によって鼻の粘膜が過剰に反応すると、鼻水の分泌量が急激に増加し、鼻から垂れてくるほどの量になります。これが「鼻水が止まらない」という状態です。特に透明でサラサラした鼻水は、粘膜への刺激に対する急性の反応として現れることが多く、アレルギー反応や風邪の初期、冷気への曝露などが代表的な原因となります。
透明な鼻水が出るメカニズムを理解することで、適切な対処法を選択できるようになります。次のセクションでは、具体的な原因について詳しく見ていきましょう。
🔍 透明な鼻水が止まらない主な原因
透明な鼻水が止まらない原因はさまざまですが、大きく分けて以下の原因に分類できます:
- アレルギーによるもの
- 感染症によるもの
- 環境要因によるもの
- 自律神経の乱れによるもの
ここでは、それぞれの原因について詳しく解説します。
🌸 アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎は、透明な鼻水が止まらない最も一般的な原因の一つです。花粉やハウスダスト、ダニ、ペットの毛やフケなどのアレルゲン(アレルギーの原因物質)が鼻の粘膜に付着すると、体の免疫システムが過剰に反応し、ヒスタミンなどの化学物質が放出されます。この反応により、鼻粘膜の血管が拡張して腫れ、大量の透明な鼻水が分泌されます。
アレルギー性鼻炎の特徴的な症状として、透明でサラサラした鼻水のほか、以下の症状が挙げられます:
- くしゃみの連発
- 鼻づまり
- 目のかゆみ
特に季節性のアレルギー性鼻炎(花粉症)では、春のスギ・ヒノキ花粉、秋のブタクサ・ヨモギ花粉など、特定の時期に症状が悪化する傾向があります。一方、通年性のアレルギー性鼻炎では、ハウスダストやダニが原因となり、一年を通して症状が続きます。
🤧 風邪(急性上気道炎)の初期
風邪の引き始めにも、透明でサラサラした鼻水が大量に出ることがあります。風邪の原因となるウイルスが鼻の粘膜に感染すると、体の防御反応として鼻水の分泌が増加します。この段階では、ウイルスを体外へ洗い流そうとする働きにより、透明な鼻水が出るのが特徴です。
風邪による鼻水は、症状が進行するにつれて変化することが多く、数日経つと以下のような変化が見られます:
- 白っぽく濁る
- 黄色や緑色に変化
これは、免疫細胞がウイルスと戦った結果として起こる変化です。風邪の場合は、鼻水以外にも喉の痛み、発熱、倦怠感、咳などの症状を伴うことが多いです。
🌡️ 寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)
寒暖差アレルギーは、正式には血管運動性鼻炎と呼ばれ、急激な温度変化や湿度の変化に対して鼻の自律神経が過剰に反応することで起こります。
症状が出やすいタイミング:
- 暖かい室内から寒い屋外に出たとき
- 温かい食べ物を食べたとき
- 冷房の効いた部屋に入ったとき
血管運動性鼻炎は、アレルギー性鼻炎とは異なり、特定のアレルゲンが原因ではありません。アレルギー検査をしても陽性反応が出ないため、原因がわかりにくいこともあります。温度差が7℃以上ある環境の変化で症状が出やすいとされており、季節の変わり目や空調の効いた室内と屋外を頻繁に行き来する人に多く見られます。
🌅 モーニングアタック
朝起きたときに透明な鼻水が止まらない、くしゃみが連発するという症状は「モーニングアタック」と呼ばれます。これは、就寝中に副交感神経が優位になり、鼻粘膜の血管が拡張して鼻水が溜まりやすくなることが原因です。また、起床時に活動を始めると自律神経のバランスが急激に変化し、それが刺激となって症状が現れます。
さらに、就寝中に布団やカーペットに付着したダニやハウスダストを吸い込むことで、アレルギー反応が起こることもあります。モーニングアタックに悩まされている方は、アレルギー性鼻炎や血管運動性鼻炎を持っている可能性が高いです。
🧠 自律神経の乱れ
ストレスや睡眠不足、不規則な生活習慣は自律神経のバランスを乱し、鼻の粘膜の働きにも影響を与えます。自律神経には交感神経と副交感神経があり、これらのバランスが崩れると、鼻粘膜の血管収縮・拡張のコントロールがうまくいかなくなり、透明な鼻水が止まらなくなることがあります。
特に、副交感神経が過剰に優位になると、鼻粘膜の血管が拡張し、鼻水の分泌が増加します。リラックスしているときや食事中、就寝前などに鼻水が増えるのは、副交感神経の働きによるものです。
💊 薬剤性鼻炎
市販の点鼻薬(血管収縮剤を含む鼻づまり改善薬)を長期間使い続けると、薬剤性鼻炎を引き起こすことがあります。これは、薬の効果が切れるとかえって鼻粘膜が腫れやすくなり、鼻づまりや鼻水が悪化するリバウンド現象です。このような状態になると、点鼻薬を使わないと症状が悪化し、さらに頻繁に使用するという悪循環に陥ることがあります。
👴 老人性鼻漏
高齢者に多く見られる老人性鼻漏は、加齢に伴う鼻粘膜の機能低下が原因で起こります。鼻粘膜が薄くなり、温度や湿度の調節機能が衰えることで、特に食事中や寒い環境に出たときなどに透明な鼻水が垂れやすくなります。これは病気というよりも加齢による生理的な変化であり、根本的な治療は難しいですが、生活上の工夫で症状を軽減できることがあります。
🎨 鼻水の色や状態で見分ける症状の違い
鼻水の色や性状は、原因を推測する重要な手がかりになります。ここでは、鼻水の状態による違いを詳しく解説します。
💧 透明でサラサラした鼻水
透明でサラサラした鼻水は、以下の原因で多く見られます:
- アレルギー性鼻炎
- 風邪の初期
- 寒暖差による刺激
この状態の鼻水は、粘膜が刺激に対して急性に反応している証拠です。水のようにサラサラしているため、鼻から垂れやすく、頻繁にティッシュで拭く必要があります。
透明な鼻水が長期間続く場合は、アレルギー性鼻炎や血管運動性鼻炎の可能性が高く、原因を特定して適切な治療を受けることが大切です。
⚪ 白っぽく粘り気のある鼻水
白っぽく粘り気のある鼻水は、以下の場合に見られることがあります:
- 風邪の中期
- 副鼻腔炎の初期
透明だった鼻水が白く濁ってきた場合は、粘膜の炎症が進んでいる可能性があります。この段階では、十分な休養と水分補給を心がけ、症状の悪化を防ぐことが重要です。
🟡 黄色や緑色の鼻水
黄色や緑色の鼻水は、細菌感染を伴っている可能性を示唆します。白血球がウイルスや細菌と戦った結果、死んだ細胞や細菌が混ざることで、鼻水が黄色や緑色に変化します。このような鼻水が10日以上続く場合や、発熱、顔面の痛み、頭痛などを伴う場合は、急性副鼻腔炎の可能性があるため、耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。
🔴 血が混じった鼻水
鼻水に血が混じる場合は、鼻粘膜が傷ついていることが考えられます。乾燥した空気や頻繁に鼻をかむことで粘膜が傷つきやすくなります。また、まれに鼻腔内のポリープや腫瘍が原因であることもあるため、繰り返し血が混じる場合は医療機関を受診してください。
🏥 透明な鼻水を伴う代表的な病気
透明な鼻水が止まらない場合に考えられる病気について、それぞれの特徴や症状を詳しく解説します。
🤧 アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎は、日本人の約4割が罹患しているとされる非常に一般的な疾患です。花粉やハウスダスト、ダニ、カビ、ペットの毛などのアレルゲンに対する過敏反応により、以下の3大症状が現れます:
- 透明な鼻水
- くしゃみ
- 鼻づまり
季節性アレルギー性鼻炎の代表である花粉症は、スギ花粉が飛散する2月〜4月に最も多く発症します。近年は花粉の飛散量が増加傾向にあり、花粉症の患者数も年々増加しています。通年性アレルギー性鼻炎は、室内のダニやハウスダストが主な原因であり、一年を通して症状が続きます。
アレルギー性鼻炎は、放置すると症状が慢性化し、睡眠障害や集中力の低下など、生活の質(QOL)を著しく低下させることがあります。適切な治療と環境整備により、症状をコントロールすることが可能です。
😷 急性鼻炎(風邪)
急性鼻炎は、ウイルス感染によって起こる鼻粘膜の急性炎症です。いわゆる「鼻風邪」とも呼ばれ、風邪の症状として最も多く見られます。初期には透明な鼻水が大量に出ますが、数日経過すると粘り気が増し、黄色っぽく変化することがあります。
急性鼻炎は通常、1〜2週間で自然に治癒しますが、二次的に細菌感染が起こると、急性副鼻腔炎に移行することがあります。発熱が続く場合や、症状が長引く場合は医療機関を受診してください。
🌡️ 血管運動性鼻炎
血管運動性鼻炎は、寒暖差やストレス、香辛料、アルコール、タバコの煙などの非アレルギー性の刺激によって起こる鼻炎です。アレルギー性鼻炎と同様に、透明な鼻水やくしゃみ、鼻づまりなどの症状が現れますが、アレルギー検査では原因物質が特定できないのが特徴です。
血管運動性鼻炎は、自律神経の調節異常が関与していると考えられています。症状を誘発する刺激を避けることと、生活習慣の改善が予防と治療の基本となります。
💛 副鼻腔炎(蓄膿症)
副鼻腔炎は、鼻腔の周囲にある副鼻腔に炎症が起こる病気です。風邪やアレルギー性鼻炎に続いて発症することが多く、初期には透明な鼻水が出ることもありますが、進行すると黄色や緑色の粘り気のある鼻水に変化します。
副鼻腔炎の症状:
- 鼻水、鼻づまり
- 頭痛
- 顔面の痛みや重さ
- 嗅覚の低下
- 後鼻漏(鼻水が喉に流れる)
急性副鼻腔炎は適切な治療で比較的短期間で治癒しますが、3か月以上症状が続く場合は慢性副鼻腔炎と診断され、より長期的な治療が必要になることがあります。
🧠 髄液鼻漏(まれな疾患)
非常にまれですが、頭部外傷や手術後、あるいは原因不明で、脳脊髄液が鼻から漏れ出すことがあります。これを髄液鼻漏といいます。髄液は透明でサラサラした液体であり、鼻水と間違えることがあります。
髄液鼻漏の特徴:
- 片側だけから水のような液体が垂れる
- 頭を下げると症状が悪化する
- 頭痛を伴うことがある
頭部外傷後に透明な鼻水が止まらない場合は、速やかに医療機関を受診してください。
🏠 自分でできる透明な鼻水への対処法
透明な鼻水が止まらないとき、まずは自宅でできる対処法を試してみましょう。以下の方法は、症状の緩和に役立つことがあります。
👃 鼻を正しくかむ
鼻水を正しくかむことは、症状緩和の基本です。両方の鼻を同時に強くかむと、鼻水が耳管を通じて中耳に入り、中耳炎を引き起こす可能性があります。
正しい鼻のかみ方:
- 片方ずつ、ゆっくりと優しくかむ
- 柔らかいティッシュを使用する
- 鼻の下に保湿クリームやワセリンを塗って皮膚を保護する
💧 鼻うがい(鼻洗浄)をする
鼻うがいは、生理食塩水で鼻腔内を洗い流す方法で、アレルゲンや細菌、ウイルスを物理的に除去する効果があります。アレルギー性鼻炎や風邪による鼻水、副鼻腔炎の症状緩和に有効であることが医学的にも認められています。
市販の鼻洗浄器や専用の洗浄液を使用すると、安全かつ簡単に行えます。水道水をそのまま使うと感染症のリスクがあるため、必ず以下のいずれかを使用してください:
- 煮沸した水に食塩を溶かした生理食塩水
- 精製水で作った生理食塩水
- 市販の専用洗浄液
💨 室内の湿度を適切に保つ
乾燥した空気は鼻粘膜を刺激し、鼻水や鼻づまりを悪化させることがあります。室内の湿度を50〜60%程度に保つことで、鼻粘膜を保護し、症状を緩和できる可能性があります。
湿度調整方法:
- 加湿器を使用する
- 濡れタオルを干す
- 観葉植物を置く
ただし、湿度が高すぎるとカビやダニが繁殖しやすくなり、アレルギー症状を悪化させる可能性があるため、注意が必要です。
🛡️ アレルゲンを回避する
アレルギー性鼻炎が原因の場合は、原因となるアレルゲンへの曝露を減らすことが最も効果的な対策です。
花粉症対策:
- 花粉の飛散が多い日は外出を控える
- 外出時にはマスクや眼鏡を着用する
- 帰宅時に衣服をはらい花粉を室内に持ち込まない
- 洗濯物の室内干しを心がける
ハウスダスト・ダニ対策:
- こまめに掃除をする
- 寝具を週に1回以上洗濯する
- カーペットやぬいぐるみを減らす
- 空気清浄機を使用する
🍵 温かい飲み物を摂る
温かい飲み物を摂ると、蒸気で鼻腔が潤い、鼻水や鼻づまりが緩和されることがあります。また、水分補給により粘膜の潤いが保たれ、体の抵抗力を維持するのにも役立ちます。
おすすめの飲み物:
- ハーブティー
- 白湯
- 温かいスープ
- 生姜湯
♨️ 蒸気を吸入する
温かい蒸気を吸入することで、鼻腔内が加湿され、鼻水の排出が促進されます。熱いお湯を張った洗面器やボウルに顔を近づけ、タオルを頭からかぶって蒸気を吸う方法が一般的です。やけどに注意しながら、5〜10分程度行いましょう。入浴時にゆっくり湯船に浸かるのも効果的です。
👆 ツボ押しを試す
鼻水を止めるのに効果があるとされるツボを刺激することで、症状が緩和されることがあります。
効果的なツボ:
- 迎香(げいこう):鼻の両側にあるツボ
- 印堂(いんどう):眉間にあるツボ
強く押しすぎず、気持ちよいと感じる程度の圧で刺激しましょう。
💊 市販薬を活用する
症状が軽度であれば、市販の抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)が効果的なことがあります。第二世代の抗ヒスタミン薬は、眠気などの副作用が少なく、日中でも使用しやすいです。また、点鼻ステロイド薬も市販されており、アレルギー性鼻炎の症状緩和に効果があります。
ただし、血管収縮剤を含む点鼻薬(鼻づまり改善薬)を長期間使用すると、薬剤性鼻炎を引き起こす可能性があるため、使用は短期間(1〜2週間以内)にとどめ、症状が続く場合は医療機関を受診してください。
🏥 医療機関を受診すべき目安
透明な鼻水が止まらない場合、以下のような状況では早めに医療機関を受診することをおすすめします。
📅 症状が2週間以上続く場合
風邪による鼻水であれば、通常は1〜2週間で改善します。2週間以上透明な鼻水が続く場合は、アレルギー性鼻炎や血管運動性鼻炎など、他の原因が考えられるため、耳鼻咽喉科を受診して原因を特定してもらいましょう。
🌡️ 発熱を伴う場合
38℃以上の高熱が続く場合や、熱が下がったあと再び上昇する場合は、細菌感染を伴っている可能性があります。急性副鼻腔炎やその他の感染症が疑われるため、医療機関を受診してください。
😣 顔面の痛みや頭痛がある場合
目の周りや頬、額などに痛みや重い感じがある場合は、副鼻腔炎の可能性があります。特に、前かがみになると痛みが強くなる場合は、副鼻腔に炎症や膿が溜まっている可能性が高いため、早めに受診しましょう。
🟡 鼻水の色が変化した場合
透明だった鼻水が黄色や緑色に変化し、それが10日以上続く場合は、細菌性副鼻腔炎の可能性があります。抗生物質による治療が必要なことがあるため、医療機関を受診してください。
😴 日常生活に支障をきたす場合
鼻水がひどくて夜眠れない、仕事や勉強に集中できない、外出するのが億劫になるなど、生活の質が著しく低下している場合は、適切な治療により症状を改善できる可能性があります。我慢せず、医療機関を受診しましょう。
💊 市販薬で改善しない場合
市販の抗アレルギー薬を服用しても症状が改善しない場合は、より強力な処方薬が必要であったり、別の原因が隠れていたりする可能性があります。医師に相談し、適切な検査と治療を受けてください。
⚠️ 片側だけから透明な液体が出続ける場合
片側の鼻からのみ水のような液体が持続的に出る場合は、まれですが髄液鼻漏の可能性があります。特に頭部外傷後や手術後にこのような症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
💉 透明な鼻水の治療法
医療機関では、原因に応じた適切な治療が行われます。ここでは、透明な鼻水に対する主な治療法を紹介します。
💊 薬物療法
アレルギー性鼻炎に対しては、以下の薬物が処方されます:
- 抗ヒスタミン薬(内服薬)
- 抗ロイコトリエン薬(内服薬)
- 点鼻ステロイド薬
抗ヒスタミン薬はくしゃみや鼻水に効果があり、鼻づまりに対しては点鼻ステロイド薬がより効果的です。
血管運動性鼻炎に対しては、抗コリン薬の点鼻薬が使用されることがあります。また、症状に応じて、抗アレルギー薬や点鼻ステロイド薬が処方されることもあります。
風邪による鼻水に対しては、症状を緩和するための対症療法が中心となります。十分な休養と水分補給を心がけ、必要に応じて解熱鎮痛剤や抗ヒスタミン薬などが処方されます。
🧪 アレルゲン免疫療法(減感作療法)
アレルギー性鼻炎の根本的な治療法として、アレルゲン免疫療法があります。これは、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を少量ずつ体に投与し、徐々に体を慣れさせることで、アレルギー反応を起こしにくくする治療法です。
現在、日本ではスギ花粉とダニに対する舌下免疫療法が保険適用されています。毎日薬を舌の下に含む方法で、3〜5年間の継続が必要ですが、長期的な症状改善が期待できます。
⚡ レーザー治療・手術療法
薬物療法で十分な効果が得られない場合や、鼻づまりが強い場合には、レーザー治療や手術療法が検討されることがあります。
レーザー治療は、鼻粘膜の一部をレーザーで焼灼することで、アレルギー反応を起こしにくくする治療法です。外来で短時間で行えますが、効果は永続的ではなく、1〜2年程度で再発することがあります。
より重症の場合は、鼻腔の構造を改善する手術や、下鼻甲介の一部を切除する手術が行われることがあります。
🌿 漢方薬療法
漢方薬も透明な鼻水の治療に用いられることがあります。代表的な漢方薬として、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)があり、透明でサラサラした鼻水やくしゃみ、鼻づまりに効果があるとされています。体質や症状に合わせて、医師が適切な漢方薬を処方します。
🌱 透明な鼻水を予防するための生活習慣
透明な鼻水の予防には、日常生活での工夫が重要です。以下のポイントを意識して、症状の発生を予防しましょう。
⏰ 規則正しい生活を送る
十分な睡眠、バランスのとれた食事、適度な運動は、自律神経のバランスを整え、免疫力を維持するのに役立ちます。睡眠不足やストレスは自律神経の乱れを引き起こし、鼻の症状を悪化させることがあるため、できるだけ規則正しい生活を心がけましょう。
🏠 室内環境を整える
アレルギー性鼻炎の予防には、室内環境の整備が欠かせません。
環境整備のポイント:
- こまめに掃除機をかけ、ハウスダストやダニを除去
- 寝具は週に1回以上洗濯し、天日干し
- カーペットやぬいぐるみなど、ダニの温床になりやすいものを減らす
- 空気清浄機の使用
- こまめな換気
湿度は50〜60%程度を目安に維持し、カビの発生を防ぐことも大切です。エアコンのフィルターも定期的に清掃しましょう。
🧥 寒暖差を避ける
血管運動性鼻炎の予防には、急激な温度変化を避けることが重要です。
寒暖差対策:
- 外出時には首元を温めるマフラーやネックウォーマーを活用
- 冷たい空気を直接吸い込まないようマスクを着用
- 室内の温度設定も極端な冷暖房を避ける
💧 鼻粘膜を保護する
鼻粘膜の乾燥は、バリア機能の低下につながります。
粘膜保護方法:
- 加湿器の使用
- 鼻腔用の保湿スプレーの活用
- マスクの着用(吸い込む空気を加湿・加温)
🚭 禁煙・受動喫煙を避ける
タバコの煙は鼻粘膜を強く刺激し、鼻炎症状を悪化させます。喫煙者は禁煙を検討し、非喫煙者も受動喫煙を避けるよう心がけましょう。
🍷 アルコールを控える
アルコールは血管を拡張させ、鼻づまりや鼻水を悪化させることがあります。アレルギー性鼻炎や血管運動性鼻炎がある方は、アルコールの摂取を控えめにすることをおすすめします。
😌 ストレスをためない
ストレスは自律神経のバランスを乱し、鼻の症状を悪化させる要因になります。自分に合ったストレス発散法を見つけ、リラックスできる時間を確保しましょう。
ストレス対策の例:
- 趣味の時間を持つ
- 軽い運動をする
- 入浴でリラックスする
- 深呼吸や瞑想

❓ よくある質問
透明な鼻水は多くの場合アレルギー性鼻炎によるものですが、それだけが原因ではありません。風邪の初期、寒暖差による刺激、血管運動性鼻炎なども透明な鼻水を引き起こします。アレルギー性鼻炎の場合は、くしゃみや目のかゆみを伴うことが多く、特定のアレルゲンへの曝露後に症状が悪化するのが特徴です。
一般的に、2週間以上透明な鼻水が続く場合は医療機関を受診することをおすすめします。風邪であれば通常1〜2週間で改善するため、それ以上続く場合はアレルギー性鼻炎や血管運動性鼻炎などの可能性があります。また、発熱や顔面痛を伴う場合、日常生活に支障をきたす場合は、早めに受診してください。
即効性を求める場合は、市販の抗ヒスタミン薬や点鼻薬が有効なことがあります。また、蒸しタオルで鼻を温める、鼻うがいをする、迎香などのツボを押すといった方法も症状緩和に役立つことがあります。ただし、血管収縮剤を含む点鼻薬は即効性がありますが、長期使用は避け、1〜2週間以内の使用にとどめてください。
朝起きたときに鼻水やくしゃみがひどくなる症状は「モーニングアタック」と呼ばれます。就寝中は副交感神経が優位になり、鼻粘膜の血管が拡張して鼻水が溜まりやすくなります。また、起床時の自律神経の急激な変化や、寝具に付着したダニ・ハウスダストへのアレルギー反応が原因となることもあります。
透明な鼻水は主にアレルギー反応や風邪の初期、寒暖差刺激などで見られ、粘膜が急性の刺激に反応している状態です。一方、黄色や緑色の鼻水は、免疫細胞がウイルスや細菌と戦った結果として現れることが多く、細菌感染を伴っている可能性があります。黄色い鼻水が10日以上続く場合は、副鼻腔炎の可能性があるため受診をおすすめします。
子どもの透明な鼻水も、大人と同様にアレルギー性鼻炎や風邪が原因であることが多いです。まずは室内環境を清潔に保ち、適度な湿度を維持しましょう。鼻水が多くて苦しそうな場合は、市販の鼻吸い器で鼻水を吸引してあげると楽になることがあります。症状が長引く場合や、発熱・咳を伴う場合は、小児科や耳鼻咽喉科を受診してください。
📝 まとめ
透明な鼻水が止まらない原因はさまざまで、アレルギー性鼻炎、風邪の初期、寒暖差による刺激(血管運動性鼻炎)、自律神経の乱れなどが代表的です。鼻水の色や性状、随伴症状を観察することで、ある程度原因を推測することができます。
軽症の場合は、正しい鼻のかみ方、鼻うがい、室内環境の整備、アレルゲンの回避など、自宅でできる対処法で症状が改善することもあります。
しかし、以下の場合は早めに耳鼻咽喉科を受診し、原因を特定して適切な治療を受けることが大切です:
- 2週間以上症状が続く場合
- 発熱や顔面痛を伴う場合
- 日常生活に支障をきたす場合
つらい症状を我慢せず、適切な治療を受けることで、生活の質を大きく改善することができます。
参考文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
透明な鼻水は多くの場合、体の正常な防御反応として現れます。特にアレルギー性鼻炎や血管運動性鼻炎は、現代社会においてとても身近な疾患です。症状の特徴や発症パターンを把握することで、適切な治療方針を立てることができます。我慢せずに専門医に相談することが、症状改善への第一歩となります。