冬になると手足の指先が赤く腫れてかゆくなる「しもやけ」。特に寒暖差が大きい季節の変わり目に多く発症し、日常生活に支障をきたすこともある身近な皮膚トラブルです。しもやけは適切な治療とケアを行えば改善できますが、放置すると症状が悪化したり、毎年繰り返したりすることもあります。この記事では、しもやけの原因やメカニズムから、自宅でできる治し方、効果的な市販薬の選び方、そして再発を防ぐための予防法まで、医師の視点から詳しく解説します。つらいしもやけの症状でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- しもやけとは?基本的な知識と症状
- しもやけができる原因とメカニズム
- しもやけの治し方|自宅でできるケア方法
- しもやけに効く市販薬の選び方
- 病院を受診すべきしもやけの症状
- しもやけの予防法|再発を防ぐために
- しもやけと似た症状の病気との見分け方
- よくある質問
- まとめ
この記事のポイント
しもやけ(凍瘡)は寒暖差による血行障害が原因で、温冷交代浴・保温・ビタミンE外用薬などで改善できるが、水疱・ただれ・2週間以上の不改善時は皮膚科受診が必要。
🩺 しもやけとは?基本的な知識と症状
しもやけは医学的には「凍瘡(とうそう)」と呼ばれる皮膚疾患です。寒さによって血行が悪くなることで起こる炎症反応で、特に手足の指先、耳たぶ、鼻先、かかとなど、体の末端部分に発症しやすい特徴があります。軽度の凍傷とは異なり、組織が壊死するほどの重症化は稀ですが、適切な対処をしないと症状が長引いたり、悪化したりすることがあります。
🔍 しもやけの主な症状
しもやけの症状は、発症部位や重症度によって異なりますが、代表的なものとして以下のような症状が挙げられます。
- 患部が赤紫色に変色し、腫れを伴う
- 温まったときに生じる強いかゆみ
- かゆみだけでなく痛みやジンジンとした感覚
- 重症化すると水疱(水ぶくれ)やただれ
- 患部を触ると硬く感じる
- 皮膚の感覚が鈍くなる
最も特徴的な症状は、温まったときに生じる強いかゆみです。冷えているときはあまり感じませんが、暖房の効いた部屋に入ったり、お風呂に入ったりして体が温まると、我慢できないほどのかゆみに襲われることがあります。
これらの症状は数日から数週間続くことが一般的で、適切な治療を行わないと冬の間ずっと症状が続くこともあります。
📋 しもやけの種類
しもやけには大きく分けて2つのタイプがあります。
- 樽柿型(たるがきがた):手足の指全体が赤紫色に腫れ上がり、熟した柿のような外観になる。主に子供に多く見られる
- 多形紅斑型(たけいこうはんがた):大人に多く見られ、指先や手の甲、足の甲などに境界がはっきりとした丸い発疹が複数できる
どちらのタイプも基本的な治療法は同じですが、症状の現れ方に違いがあることを知っておくと、早期発見に役立ちます。
Q. しもやけが発症しやすい時期と原因は?
しもやけ(凍瘡)は真冬よりも、秋から冬・冬から春への移行期など1日の気温差が10度以上になる時期に発症しやすい。寒さで末梢血管が収縮し、再び温まる際に血管が急拡張して炎症が起きることが主な原因です。—
🔬 しもやけができる原因とメカニズム
しもやけがなぜ起こるのかを理解することは、効果的な治療と予防につながります。しもやけの発症には、寒冷刺激による血管の収縮と、その後の温度変化による血管の拡張が深く関わっています。
🩸 血行障害が引き起こす炎症反応
しもやけのメカニズムを詳しく見ていきましょう。私たちの体は寒さにさらされると、体温を維持するために末梢の血管を収縮させて、体の中心部に血液を集めようとします。これは体を守るための正常な反応ですが、この状態が長く続くと、手足の指先など末端部分への血液供給が不足し、組織に十分な酸素や栄養が届かなくなります。
そして、再び温まったときに血管が急激に拡張すると、血管壁が傷つきやすい状態になり、周囲の組織に炎症が起こります。この炎症反応がしもやけの正体です。
特に問題となるのは、気温が1日の中で大きく変動する環境です。真冬の厳しい寒さよりも、秋から冬への移行期や冬から春への移行期など、1日の気温差が10度以上になるような時期にしもやけは発症しやすくなります。
⚠️ しもやけになりやすい人の特徴
しもやけは誰にでも起こりうる症状ですが、特になりやすい人がいます。
- もともと血行が悪い人(冷え性)
- 女性(女性ホルモンの影響で末梢血管が収縮しやすい)
- 子供や高齢者(体温調節機能が十分でない)
- 遺伝的要因(家族にしもやけになりやすい人がいる)
- 貧血の人や低血圧の人
- 喫煙習慣のある人
- 運動不足やデスクワークが多い人
- きつい靴や手袋を着用している人
📈 しもやけを悪化させる要因
しもやけができてしまった後も、いくつかの要因によって症状が悪化することがあります。
- 患部を掻きむしること
- 急激な温度変化を与えること
- 湿った状態を放置すること
- きつい靴や手袋の継続使用
- 不適切なケア方法
これらの悪化要因を避けることも、しもやけの治療において重要なポイントです。
🏠 しもやけの治し方|自宅でできるケア方法
軽度のしもやけであれば、自宅でのケアで改善することができます。ここでは、具体的な治し方をステップごとに解説します。
🛁 温冷交代浴で血行を促進する
しもやけの治療で最も効果的な方法の1つが「温冷交代浴」です。これは、40度程度のぬるま湯と冷水を交互に使って、血管の収縮と拡張を促し、血行を改善する方法です。
具体的なやり方:
- 40度程度のぬるま湯と冷水(15度程度)を洗面器に用意
- 最初にぬるま湯に患部を2〜3分つける
- 次に冷水に1分つける
- これを3〜5回繰り返す
- 最後は必ずぬるま湯で終わる
注意点:
- 熱すぎるお湯や冷たすぎる水は使わない
- 入浴後は清潔なタオルで優しく水分を拭き取る
- 保湿クリームや血行促進効果のある軟膏を塗布
- 1日1〜2回継続して行う
👐 マッサージで血流を改善する
しもやけの改善には、患部周辺のマッサージも効果的です。ただし、患部を直接強くマッサージすることは避け、患部より心臓に近い部分をマッサージして血流を促進します。
- 手の指にしもやけができている場合:手の甲や手首、前腕をマッサージ
- 足の指の場合:足首やふくらはぎをマッサージ
マッサージのポイント:
- 保湿クリームやマッサージオイルを使用
- お風呂上がりなど体が温まっているときに行う
- 「気持ちいい」と感じる程度の強さ
- 毎日5〜10分程度を習慣にする
🧤 保温と保湿を徹底する
しもやけを治すためには、患部を適切に保温し、乾燥を防ぐことが欠かせません。
保温対策:
- 外出時は手袋や厚手の靴下を着用
- 室内でもルームソックスやスリッパを活用
- 就寝時は湯たんぽや電気毛布を活用(低温やけどに注意)
保湿ケア:
- 入浴後や手洗い後にこまめに保湿クリームを塗布
- ビタミンE配合のクリーム(血行促進効果)
- 尿素配合のクリーム(保湿効果と角質軟化効果)
🥗 生活習慣の改善で治りを早める
しもやけの治療中は、生活習慣を見直すことも大切です。
食事のポイント:
- ビタミンE:アーモンド、アボカド、ほうれん草、カボチャ
- ビタミンC:柑橘類、ブロッコリー、パプリカ
- たんぱく質:肉、魚、卵、大豆製品
- 体を温める食材:生姜、ネギ、ニンニク、唐辛子
運動と生活習慣:
- ウォーキングや軽いストレッチ、ヨガ
- 足首を回す運動やつま先立ち
- 禁煙(血管収縮を防ぐ)
- 十分な睡眠
Q. しもやけの温冷交代浴のやり方は?
温冷交代浴は、40度のぬるま湯と15度程度の冷水を用意し、まずぬるま湯に患部を2〜3分、次に冷水に1分つける動作を3〜5回繰り返す方法です。最後は必ずぬるま湯で終え、その後保湿クリームや血行促進軟膏を塗布します。1日1〜2回継続しましょう。—
💊 しもやけに効く市販薬の選び方
しもやけの症状を緩和するために、市販薬を活用することも有効な手段です。ここでは、症状に合わせた市販薬の選び方を解説します。
🩸 血行促進成分配合の外用薬
しもやけの治療には、血行を促進する成分が配合された外用薬が効果的です。
主な成分と製品:
- ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル):ユベラ軟膏、ザーネクリーム
- ヘパリン類似物質:ヒルマイルド、HPクリーム
- カンフル・メントール:適度な刺激で血行促進
皮膚が荒れている場合やただれがある場合は、刺激成分が含まれる製品は避けるようにしましょう。
🩹 かゆみを抑える成分配合の外用薬
しもやけの最もつらい症状の1つがかゆみです。かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン成分やステロイド成分が配合された外用薬が有効です。
抗ヒスタミン成分:
- ジフェンヒドラミン配合:ムヒシリーズ、レスタミンコーワ
ステロイド成分:
- 弱〜中程度の製品:オイラックスA、フルコートf
- 注意点:長期使用は副作用のリスク、傷やただれには使用しない
🌿 内服薬で体の中から改善する
外用薬に加えて、内服薬を併用することで、より効果的にしもやけを治療できる場合があります。
ビタミンE製剤:
- ユベラックス、トコベール
- 血行促進と末梢循環改善効果
漢方薬:
- 当帰四逆加呉茱萸生姜湯:冷えによる末梢循環障害に効果的
- 当帰芍薬散、桂枝茯苓丸:血行改善効果
漢方薬は体質に合わせて選ぶことが重要なので、薬局の薬剤師に相談して自分に合ったものを選びましょう。
⚠️ 市販薬を使用する際の注意点
- 使用前に添付文書をよく読み、用法・用量を守る
- 複数の外用薬使用時は成分の重複に注意
- 1〜2週間使用しても症状が改善しない場合は皮膚科を受診
- 水疱、ただれ、化膿がある場合は自己判断での治療を避ける
🏥 病院を受診すべきしもやけの症状
軽度のしもやけは自宅でのケアで改善することが多いですが、以下のような症状がある場合は、医療機関を受診することをおすすめします。
🚨 受診が必要な症状のサイン
重度の症状:
- 水疱(水ぶくれ)ができている
- 皮膚がただれている
- 膿が出ている
- 出血がある
- 痛みが強い
- しびれや感覚の異常が続く
治療に反応しない場合:
- 自宅でのケアを1〜2週間続けても症状が改善しない
- 症状が悪化している
- 毎年しもやけを繰り返している
- 気温がそれほど低くない時期にもしもやけができる
特に、毎年繰り返している場合は、何らかの基礎疾患が隠れている可能性もあるため、一度詳しく検査を受けることをおすすめします。
💉 病院での治療方法
皮膚科を受診すると、症状に応じた適切な治療を受けることができます。
外用薬の処方:
- 効果の高いビタミンE含有軟膏
- 症状に合わせた強さのステロイド外用薬
- 二次感染時の抗生物質外用薬
内服薬の処方:
- ビタミンE製剤やプロスタグランジン製剤
- 抗ヒスタミン薬(かゆみが強い場合)
- 漢方薬(体質や症状に合わせて選択)
重症例の治療:
- 血管拡張作用のある薬剤の点滴治療
- 壊死組織の除去などの処置(稀)
Q. しもやけに使える市販薬の種類は?
しもやけには主に3種類の市販薬が活用できます。血行促進にはビタミンE配合のユベラ軟膏やヘパリン類似物質配合のヒルマイルド、かゆみ緩和には抗ヒスタミン成分配合のムヒシリーズ、内服では当帰四逆加呉茱萸生姜湯などの漢方薬が効果的です。—
🛡️ しもやけの予防法|再発を防ぐために
しもやけは一度できると毎年繰り返しやすいという特徴があります。再発を防ぐためには、日頃からの予防が重要です。
🧥 防寒対策を徹底する
しもやけを予防する最も基本的な方法は、手足を冷やさないことです。
外出時の防寒対策:
- 風を通さない素材の手袋
- 保温性の高いウール素材の靴下
- 防寒性の高い靴
- 耳当て(必要に応じて)
特に、気温が5度以下になるような日や、風が強い日は注意が必要です。
室内での防寒対策:
- ルームシューズやスリッパを履く
- デスクワーク中はひざ掛けや足元ヒーターを活用
- 就寝時は湯たんぽや靴下、手袋を活用
💧 濡れたらすぐに乾かす
汗や雪、雨などで手足が濡れた状態を放置すると、水分が蒸発するときに熱を奪い、急激に冷えてしまいます。
濡れた場合の対処法:
- 手を洗った後はしっかりと水分を拭き取る
- 汗をかきやすい人は替えの靴下を持ち歩く
- 雪遊びや雪かきの後はすぐに濡れた手袋や靴下を取り替える
- 適度にゆとりがあり、通気性と保温性のバランスが取れた素材を選ぶ
🌡️ 急激な温度変化を避ける
しもやけは寒さそのものよりも、寒暖差によって発症しやすくなります。
温度変化を避けるポイント:
- 冷え切った手足をいきなり熱いお湯につけない
- ストーブやヒーターの前で急激に温めない
- 温める場合はぬるま湯で徐々に温度を上げる
- 寒い屋外から暖かい室内への移動時は少し時間をかけて体を温める
- 暖かい室内から寒い屋外に出るときはしっかりと防寒対策をする
💪 血行を良くする生活習慣を心がける
日頃から血行を良くしておくことで、しもやけになりにくい体質を作ることができます。
運動習慣:
- ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動
- ストレッチやヨガ
- 足首を回す運動、つま先立ち
- 入浴時に湯船にしっかり浸かる
食事のポイント:
- ビタミンE:ナッツ類、植物油、緑黄色野菜
- 体を温める食材:生姜、ネギ、ニンニク、唐辛子
- 冷たい飲み物や食べ物は控えめに
- 禁煙(血管収縮を防ぐ)
🔍 しもやけと似た症状の病気との見分け方
しもやけと似た症状を示す病気がいくつかあります。適切な治療を受けるためにも、これらの病気との違いを知っておくことが重要です。
❄️ 凍傷との違い
しもやけと凍傷は、どちらも寒さによる皮膚障害ですが、重症度が異なります。
- しもやけ:皮膚表面近くの血行障害による炎症、組織壊死は通常なし
- 凍傷:組織が実際に凍結、重度では組織壊死の可能性
重症の凍傷では皮膚が蒼白または青黒く変色し、硬くなり、感覚がなくなります。暖めても色が戻らない場合や、黒ずんできた場合は凍傷の可能性があるため、すぐに医療機関を受診してください。
🤲 レイノー現象との違い
レイノー現象は、寒冷刺激やストレスによって手足の指先の血管が過剰に収縮し、指先が白くなる現象です。
- レイノー現象:白→青紫色→赤色と色が変化
- しもやけ:赤紫色の変色はあるが、はっきりと白くなる段階はない
頻繁にレイノー現象が起こる場合は、膠原病などの検査を受けることをおすすめします。
🦋 全身性エリテマトーデス(SLE)との関連
全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病では、しもやけに似た皮膚症状が現れることがあります。これを「凍瘡様皮疹」と呼びます。
SLEによる凍瘡様皮疹の特徴:
- 寒い時期だけでなく暖かい時期にも現れる
- 通常のしもやけの治療に反応しにくい
- 他の全身症状(関節痛、発熱、疲労感など)を伴う
季節を問わずしもやけのような症状が続く場合は、膠原病の検査を受けることを検討してください。
🎯 多形滲出性紅斑との違い
多形滲出性紅斑は、ウイルス感染や薬剤などがきっかけで起こるアレルギー反応による皮膚疾患です。
- 多形滲出性紅斑:標的状の紅斑、寒さと無関係、発熱や倦怠感を伴う
- しもやけ:寒さに関連、発熱などの全身症状は通常なし
発疹が全身に広がる傾向があり、口の中や陰部などの粘膜にも症状が現れる場合は、早めに皮膚科を受診してください。

Q. しもやけで皮膚科を受診すべき症状は?
水疱(水ぶくれ)やただれ、膿・出血がある場合、強い痛みやしびれが続く場合、1〜2週間自宅ケアを続けても改善しない場合は皮膚科への受診が必要です。また毎年繰り返す場合は膠原病などの基礎疾患が隠れている可能性もあるため、詳しい検査を受けることが推奨されます。
❓ よくある質問
軽度のしもやけの場合、適切なケアを行えば1〜2週間程度で症状が改善することが多いです。しかし、症状の重さや個人差によって治癒期間は異なります。中程度〜重度の場合は、2〜4週間以上かかることもあります。また、寒い環境に継続的にさらされている場合は、完全に治るまでに時間がかかります。冬の間ずっと症状が続き、暖かくなってから自然に治るというケースも少なくありません。早く治すためには、患部を冷やさないこと、血行を促進するケアを行うこと、必要に応じて適切な薬を使用することが重要です。
血行を促進する効果のある食べ物を摂取することで、しもやけの改善と予防に役立ちます。特におすすめなのはビタミンEを多く含む食品で、アーモンドやくるみなどのナッツ類、アボカド、ほうれん草、カボチャ、オリーブオイルなどが該当します。また、ビタミンCも血管を丈夫にする効果があり、柑橘類やキウイ、ブロッコリー、パプリカなどに多く含まれています。体を温める効果のある生姜、ネギ、ニンニク、唐辛子なども積極的に取り入れると良いでしょう。逆に、冷たい飲み物や食べ物、カフェインの過剰摂取は体を冷やす可能性があるため、控えめにすることをおすすめします。
しもやけが子供に多い理由はいくつかあります。まず、子供は体温調節機能が大人ほど発達していないため、寒さへの適応力が低いことが挙げられます。また、子供は体に対して皮膚表面積の割合が大きく、体から熱が逃げやすい構造になっています。さらに、子供は外で遊ぶ機会が多く、雪や冷たい水に触れる機会も多いため、手足が冷えやすい環境にさらされることが多いです。濡れた手袋や靴下をそのまま使い続けることも、子供にしもやけが多い原因の1つです。成長とともに体温調節機能が発達し、しもやけになりにくくなることが多いですが、体質的に血行が悪い場合は大人になっても繰り返すことがあります。
しもやけのかゆみがつらいときは、まず患部を掻かないようにすることが大切です。掻くと皮膚が傷つき、細菌感染のリスクが高まります。かゆみを和らげるには、抗ヒスタミン成分やステロイド成分が配合された外用薬を塗布するのが効果的です。また、患部を冷やすとかゆみが一時的に和らぐことがありますが、冷やしすぎはしもやけを悪化させるため注意が必要です。冷やす場合は、冷たいタオルを短時間当てる程度にとどめてください。保湿クリームをこまめに塗ることも、乾燥によるかゆみの悪化を防ぎます。かゆみが非常に強い場合や、掻きむしって傷ができてしまった場合は、皮膚科を受診して適切な治療を受けることをおすすめします。
しもやけと水虫は、どちらも足に発症することが多いため、混同されることがあります。しもやけは寒い時期に発症し、足の指全体が赤紫色に腫れ、温まるとかゆみが強くなるのが特徴です。一方、水虫は季節に関係なく発症し、特に高温多湿の環境で悪化します。水虫の症状は、足の指の間が白くふやけて皮がむける趾間型、足の裏に小さな水疱ができる小水疱型、かかとの皮膚が厚く硬くなる角質増殖型などがあります。水虫はかゆみを伴うこともありますが、かゆみがないこともあり、しもやけほど「温まるとかゆい」という特徴は顕著ではありません。判断が難しい場合は、皮膚科で顕微鏡検査を受けることで正確に診断できます。
📋 まとめ
しもやけは寒さによる血行障害が原因で起こる皮膚疾患で、手足の指先や耳たぶなど体の末端部分に発症しやすい特徴があります。温まったときに強いかゆみを感じるのが特徴的な症状です。
軽度のしもやけであれば、温冷交代浴やマッサージ、保温・保湿などの自宅でのケアで改善することができます。市販薬では、ビタミンE配合の外用薬や抗ヒスタミン薬、漢方薬などが効果的です。
しかし、水疱やただれ、化膿などの症状がある場合や、自宅でのケアで改善しない場合は、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。また、毎年しもやけを繰り返す方は、防寒対策の徹底、濡れたらすぐに乾かすこと、急激な温度変化を避けること、血行を良くする生活習慣を心がけることで、予防につなげることができます。
📚 参考文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
しもやけは単なる寒さの問題ではなく、血管の反応性や個人の体質が大きく関わっています。毎年しもやけを繰り返す方は、日頃からの血行促進ケアと防寒対策が重要です。また、症状が重い場合や改善しない場合は、他の疾患との鑑別も必要ですので、お気軽にご相談ください。