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背中ニキビの治し方|原因から皮膚科の治療法・セルフケアまで徹底解説

「背中の開いた服を着たいけど、ニキビが気になって着られない」「毎日きちんと洗っているのに、背中のブツブツが治らない」とお悩みの方は少なくありません。背中は顔に次いでニキビができやすい部位であり、自分では見えにくいため気づいたときには症状が悪化していることも珍しくありません。背中ニキビは適切な治療を行えば改善できますが、放置するとニキビ跡として残ってしまう可能性があります。本記事では、背中ニキビの原因から、皮膚科での治療法、自宅でできるセルフケアまで、皮膚科専門医の知見に基づいて詳しく解説します。背中ニキビにお悩みの方は、ぜひ最後までお読みいただき、美しい背中を取り戻すための参考にしてください。


目次

  1. 背中ニキビとは?顔のニキビとの違い
  2. 背中ニキビができる原因
  3. 背中ニキビの種類と進行段階
  4. 背中ニキビと間違えやすい皮膚疾患
  5. 皮膚科で受けられる背中ニキビの治療法
  6. 自宅でできる背中ニキビのセルフケア
  7. 背中ニキビを予防するための生活習慣
  8. 背中ニキビの治療で気をつけたいこと
  9. よくある質問
  10. まとめ

🔍 背中ニキビとは?顔のニキビとの違い

背中ニキビとは、背中にできるニキビの総称であり、医学的には尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)と呼ばれる皮膚疾患の一種です。日本人の約90%以上がニキビを経験するといわれており、背中は顔に次いで2番目にニキビができやすい部位とされています。

背中にニキビができやすい理由は、背中に皮脂を分泌する皮脂腺が多く存在するためです。皮脂腺が多いということは、それだけ毛穴が詰まりやすく、ニキビの原因となるアクネ菌が増殖しやすい環境が整っているということを意味します。

背中ニキビと顔のニキビは基本的な発生メカニズムは同じですが、いくつかの違いがあります。

  • 背中は衣類に覆われているため蒸れやすく、汗や皮脂が溜まりやすい環境にある
  • 背中は自分で直接見ることが難しいため、ニキビの発生に気づきにくい
  • 発見したときにはすでに悪化しているケースが多い
  • 背中は顔に比べて皮膚のターンオーバーが遅いため、一度ニキビができると治りにくい
  • ニキビ跡として残りやすい傾向がある

背中ニキビは20代から30代の大人に発症することが多く、大人ニキビの一種としても認識されています。放置すると色素沈着やクレーター状のニキビ跡として残る可能性があるため、早期の治療が重要です。

🧬 背中ニキビができる原因

背中ニキビができる原因は複合的であり、直接的な原因と間接的な原因に分けて考えることができます。ここでは、それぞれの原因について詳しく解説します。

⚠️ 直接的な原因

背中ニキビの直接的な原因として、まず挙げられるのが皮脂の過剰分泌です。背中には脂腺性毛包と呼ばれる種類の毛穴が多く集まっており、顔のTゾーンと同様に皮脂分泌が活発な部位です。皮脂の分泌が過剰になると、排出しきれなくなった皮脂が毛穴に詰まり、ニキビの原因となります。

次に、角質肥厚もニキビの重要な原因です。角質肥厚とは、本来自然と剥がれ落ちるはずの古い角質が肌表面に残り、角質層の厚みが増すことを指します。毛穴周囲の皮膚の角質が厚くなると、毛穴の出口が硬く塞がれ、皮脂が排泄できなくなり、ニキビの始まりである面皰(コメド)ができやすい環境が整います。

また、アクネ菌(Cutibacterium acnes)の増殖も直接的な原因の一つです。アクネ菌は皮膚の常在菌ですが、皮脂を栄養源として増殖し、酸素を嫌う嫌気性菌であるため、毛穴の奥深くで増えやすい特性があります。毛穴に詰まった皮脂の中でアクネ菌が増殖すると、炎症を引き起こし、赤ニキビや黄ニキビへと進行します。

さらに、ホルモンバランスの乱れも皮脂分泌に影響を与えます。男性ホルモン(アンドロゲン)には、角質を厚くする作用に加えて、皮脂腺を刺激し皮脂の分泌を増やす作用があります。

🔄 間接的な原因

背中ニキビの間接的な原因として、以下が挙げられます:

  • 汗の放置:汗を放置すると皮膚環境が悪化し、アクネ菌やマラセチア菌が繁殖しやすい環境が作られます
  • 衣類による摩擦や圧迫:背もたれに寄りかかる、仰向けで眠る、リュックを背負うといった日常動作で背中は常に刺激を受けています
  • シャンプーやボディソープのすすぎ残し:毛穴を塞いでニキビの原因となります
  • 食生活の乱れ:香辛料の強いものや脂っこいもの、糖質の過剰摂取はニキビを悪化させる可能性があります
  • ストレスや睡眠不足:肌のターンオーバーを乱し、皮脂分泌を促進します
高桑康太 医師・当院治療責任者

背中ニキビの治療において最も重要なのは、原因の正確な特定です。ニキビと見た目が似ていても、実際はマラセチア毛包炎というカビが原因の疾患である場合もあります。自己判断でケアを続けても改善しない場合は、専門医による診断を受け、適切な治療法を選択することが治癒への近道となります。

📊 背中ニキビの種類と進行段階

背中ニキビは症状の進行具合によって4つの段階に分けられます。それぞれの段階の特徴を理解することで、適切な対処法を選択することができます。

⚪ 白ニキビ(閉鎖面皰)

ニキビの初期段階です。毛穴に皮脂が詰まっていますが、まだ炎症は起きていません。毛穴が閉じた状態で、皮膚の色と同じか少し白っぽく見える小さな盛り上がりとして現れます。この段階で適切なケアを行えば、炎症を起こさずに改善できる可能性が高いです。

⚫ 黒ニキビ(開放面皰)

毛穴に詰まった皮脂が酸化して黒く見える状態です。毛穴が開いているため、詰まった皮脂が空気に触れて酸化し、黒色に変化しています。まだ炎症は起きておらず、この段階でも適切な治療を行えば比較的容易に改善できます。

🔴 赤ニキビ(紅色丘疹)

毛穴に詰まった皮脂によってアクネ菌が増殖し、炎症を起こしている状態です。皮膚が赤く腫れ、痛みを伴うことがあります。この段階から適切な治療を行わないと、ニキビ跡として残る可能性が高まります。

🟡 黄ニキビ(膿疱)

赤ニキビがさらに悪化し、化膿して膿が溜まっている状態です。中央部が黄白色に見え、強い痛みを伴うことがあります。この段階では皮膚の深部まで炎症が及んでいるため、治癒後にニキビ跡として残るリスクが非常に高くなります。早急な皮膚科での治療が必要です。

さらに悪化すると、嚢腫性ざ瘡という状態になり、治った後も色素沈着やクレーター状の深い傷跡を残す場合があります。ニキビ跡は一度できてしまうと治療が難しいため、早期の段階で適切な治療を受けることが重要です。

🔍 背中ニキビと間違えやすい皮膚疾患

背中にできるブツブツがすべてニキビとは限りません。見た目がニキビによく似た別の皮膚疾患が存在し、それぞれ原因と治療法が異なります。自己判断でニキビケアを続けても改善しない場合は、以下の疾患の可能性を疑う必要があります。

🦠 マラセチア毛包炎

マラセチア毛包炎は、マラセチア菌というカビ(真菌)の一種が毛穴で異常増殖して炎症を起こす疾患です。マラセチア菌は誰の皮膚にも存在する常在菌ですが、高温多湿の環境や皮脂の多い状態で増殖しやすくなります。

マラセチア毛包炎の特徴:

  • 赤いブツブツの大きさが直径2〜3mmで均一
  • 少しかゆみを伴う
  • 表面にテカテカとした光沢がある
  • ニキビに特徴的な面皰(コメド)は見られない

マラセチア毛包炎の治療には、ニキビ治療薬ではなく抗真菌薬が必要です。ニキビ治療薬を使っても効果がないばかりか、悪化させてしまうこともあるため、正確な診断が重要です。

🔬 毛嚢炎(細菌性)

毛嚢炎は、黄色ブドウ球菌などの細菌が毛穴に感染して炎症を起こす疾患です。ニキビと同様に毛穴に一致した赤い発疹が現れますが、原因菌が異なるため治療法も異なります。

💧 汗疹(あせも)

汗疹は、汗をたくさんかいて汗腺が詰まり、炎症を起こす疾患です。ニキビやマラセチア毛包炎と見た目が似ていますが、通常かゆみを伴うのが特徴です。

これらの疾患は見た目だけでは区別が難しいため、背中のブツブツが治らない場合は自己判断せずに皮膚科を受診することをお勧めします。

🏥 皮膚科で受けられる背中ニキビの治療法

背中ニキビは市販薬やセルフケアだけでは改善が難しい場合も多く、皮膚科での専門的な治療が効果的です。ここでは、皮膚科で受けられる治療法について、保険診療と自費診療に分けて解説します。

🏥 保険診療で受けられる治療

日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」では、ニキビ治療を急性炎症期と維持期の2つに分けて治療方針が示されています。

外用薬

  • アダパレン(ディフェリンゲル):レチノイド様作用を持ち、毛穴のつまりを改善
  • 過酸化ベンゾイル(ベピオゲル・ローション):抗菌作用と角質剥離作用があり、体のニキビにも使用可能
  • クリンダマイシン/過酸化ベンゾイル配合ゲル(デュアック):炎症性ニキビに高い効果
  • 外用抗菌薬:クリンダマイシン、ナジフロキサシンなど

内服薬

  • 抗菌薬:ドキシサイクリン、ミノサイクリンなど(使用期間は原則3か月以内)
  • 漢方薬:荊芥連翹湯、清上防風湯、十味敗毒湯など

💎 自費診療で受けられる治療

保険診療で十分な効果が得られない場合や、より積極的な治療を希望する場合の選択肢です。

  • ケミカルピーリング:古い角質を除去し、肌のターンオーバーを促進(費用:1回7,000円〜20,000円程度)
  • イソトレチノイン:重症ニキビに高い効果を発揮するビタミンA誘導体の内服薬
  • 光線治療:特殊な光でアクネ菌を殺菌し、炎症を抑制
  • イオン導入:ビタミンCなどの有効成分を肌の奥深くまで浸透

🏠 自宅でできる背中ニキビのセルフケア

皮膚科での治療と並行して、日常生活でのセルフケアを行うことで、背中ニキビの改善と予防に効果が期待できます。

🚿 正しい洗い方

背中を清潔に保つことは基本ですが、洗い方にも注意が必要です。

  • タオルでゴシゴシ強くこすらない
  • ボディソープをしっかり泡立てて、泡で肌を滑らせるように優しく洗う
  • ナイロンタオルは避け、綿素材のタオルや手のひらで洗う
  • シャンプー・コンディショナーのすすぎ残しに注意

🛁 入浴時の順序

入浴時は、髪を洗ってから体を洗う順序が推奨されます。これにより、シャンプーやコンディショナーのすすぎ残しが背中に付着するのを防ぐことができます。

💊 市販薬の活用

市販のニキビ用化粧品やピーリング成分入りのローション、石けんを活用することも一つの方法です。ただし、市販薬は医療用に比べて成分濃度が低く、治療というよりは予防や軽症のケアに適しています

🌟 背中ニキビを予防するための生活習慣

背中ニキビの予防には、日常生活での心がけが重要です。以下のポイントを意識して生活習慣を見直しましょう。

👕 衣類の選び方

  • 通気性が良く、汗を吸収しやすい素材(綿などの天然素材)を選ぶ
  • 化学繊維は蒸れやすいため避ける
  • 汗をかいた後は、できるだけ早く着替える
  • 寝具も定期的に洗濯し、清潔な状態を保つ

💦 汗のケア

  • 汗をかいた後は、なるべく早くシャワーで洗い流す
  • すぐにシャワーを浴びられない場合は、清潔なタオルで優しく汗を拭き取る

☀️ 紫外線対策

紫外線は活性酸素を増やして炎症を起こすため、ニキビを悪化させる要因となります。UVカット素材の衣類を着用するなどの対策が有効です。

🍎 食生活の改善

  • 1日3食の規則正しい食生活を心がける
  • 間食を避け、栄養バランスの良い食事を取る
  • ビタミンB群やビタミンCを積極的に摂取する

😴 睡眠とストレス管理

  • 6〜7時間の睡眠時間を確保する
  • 適度な運動やリラクゼーション、趣味の時間を設ける
  • 自分なりのストレス解消法を見つける

⚠️ 背中ニキビの治療で気をつけたいこと

背中ニキビの治療を効果的に進めるために、以下の点に注意しましょう。

🚫 自己判断で薬を中断しない

目立つニキビがなくなっても、肉眼では見えない微小面皰が存在しているため、治療をすぐに中断すると再発してしまいます。医師の指示に従って、維持療法を継続することが重要です。

⚡ 副作用への対処

ニキビ治療薬の多くは、使用開始直後に乾燥、かゆみ、ヒリヒリ感、皮むけなどの副作用が現れることがあります。これは薬の角質剥離作用によるもので、多くは1〜2週間程度で慣れてきます。

🙅‍♀️ ニキビを潰さない

ニキビを自分で潰すと、炎症が周囲に広がったり、細菌感染を起こしたりするリスクがあります。また、不適切な圧出はニキビ跡の原因となります。

🏥 治らない場合は皮膚科を受診する

セルフケアや市販薬を1〜2か月続けても改善が見られない場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。背中のブツブツがニキビではなく別の疾患である可能性もあります。

🏥 治らない場合は皮膚科を受診する

❓ よくある質問

背中ニキビは何科を受診すればいいですか?

背中ニキビは皮膚科を受診してください。皮膚科では、ニキビなのかマラセチア毛包炎など他の疾患なのかを正確に診断し、適切な治療薬を処方してもらえます。また、美容皮膚科ではケミカルピーリングなどの自費診療も受けられます。

背中ニキビの治療期間はどれくらいですか?

背中ニキビの治療期間は症状の程度によって異なりますが、一般的に数週間から数か月かかります。急性炎症期の治療は少なくとも3か月程度が目安であり、その後も再発予防のための維持療法を半年から1年程度継続することが推奨されています。

背中ニキビは人にうつりますか?

背中ニキビは人にうつりません。ニキビの原因となるアクネ菌やマラセチア菌は、誰の皮膚にも存在する常在菌です。これらの菌が増殖してニキビを引き起こすのは個人の肌環境や体質によるものであり、感染症ではないため他人にうつることはありません。

背中ニキビに市販薬は効きますか?

軽症の背中ニキビには市販薬が有効な場合があります。ただし、市販薬は医療用に比べて成分濃度が低く、治療よりも予防や軽症のケアに適しています。1〜2か月使用しても改善が見られない場合や、症状が広範囲に及ぶ場合は皮膚科を受診することをお勧めします。

背中ニキビと毛嚢炎の違いは何ですか?

背中ニキビは毛穴のつまり(面皰)から始まり、アクネ菌の増殖によって炎症を起こす疾患です。一方、毛嚢炎は細菌やカビが毛穴に感染して起こる炎症であり、面皰は存在しません。見た目が似ていても原因菌が異なるため治療法も異なります。正確な診断は皮膚科で受けることをお勧めします。

背中ニキビ跡は治せますか?

軽度の色素沈着であれば、肌のターンオーバーによって徐々に薄くなることがあります。しかし、クレーター状の瘢痕など深いニキビ跡は自然に治ることは難しく、レーザー治療やダーマペンなどの専門的な治療が必要になる場合があります。ニキビ跡は治療が難しいため、早期にニキビを治療してニキビ跡を作らないことが最も重要です。


📝 まとめ

背中ニキビは、皮脂の過剰分泌、毛穴のつまり、アクネ菌の増殖という3つの要因が重なって発生します。顔のニキビと基本的なメカニズムは同じですが、背中は自分で見えにくく、衣類による摩擦や蒸れの影響を受けやすいため、気づいたときには悪化していることも少なくありません。

背中ニキビの治療には、皮膚科での専門的な治療が効果的です。保険診療では過酸化ベンゾイルや抗菌薬などの外用薬、内服抗菌薬などが使用され、自費診療ではケミカルピーリングやイソトレチノインなどの選択肢があります。

治療と並行して、以下のセルフケアを行うことで、より効果的に背中ニキビを改善・予防することができます:

  • 正しい洗い方の実践
  • 適切な汗のケア
  • 通気性の良い衣類の選択
  • 生活習慣の改善

背中のブツブツがなかなか治らない場合は、ニキビではなくマラセチア毛包炎など別の疾患の可能性もあります。自己判断でケアを続けても改善しない場合は、早めに皮膚科を受診し、正確な診断と適切な治療を受けることをお勧めします。

背中ニキビは適切な治療とケアによって改善できる疾患です。一人で悩まず、専門医に相談して、自信の持てる美しい背中を取り戻しましょう。


📚 参考文献

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
電話予約
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