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大人にもワクチンが必要な理由|成人が接種すべき予防接種の種類と時期

「ワクチンは子どもが打つもの」と思っていませんか?実は、大人になってからも定期的にワクチンを接種することは、自分自身の健康を守るだけでなく、周囲の大切な人を守るためにも非常に重要です。子どものころに接種したワクチンの効果は、年月が経つにつれて徐々に弱まることがあります。また、子どものころには存在しなかった新しいワクチンや、成人になってから感染するリスクが高まる感染症も存在します。この記事では、大人が知っておくべきワクチンの基礎知識から、具体的に接種が推奨されるワクチンの種類・時期・費用まで、詳しく解説します。


目次

  1. 大人にワクチンが必要な理由
  2. 子どものころのワクチン効果はいつまで続くのか
  3. 大人が接種を検討すべきワクチンの種類
  4. 年代別・状況別に見る推奨ワクチン
  5. ワクチンの費用と公費助成制度について
  6. ワクチン接種の副反応と注意点
  7. 接種前に確認すること・クリニックでの流れ
  8. まとめ

🎯 大人にワクチンが必要な理由

多くの方が「ワクチンは子どものうちに済ませるもの」というイメージを持っています。しかし、感染症から身を守るためのワクチン接種は、年齢を問わず生涯にわたって重要な役割を担っています。大人にワクチンが必要な理由は、大きく分けて以下のような点が挙げられます。

まず一つ目は、免疫の低下です。子どものころに接種したワクチンによる免疫効果は、時間の経過とともに弱まっていきます。これを「免疫の減衰」と呼びます。破傷風や百日咳、麻疹(はしか)などは、幼少期に接種したとしても、大人になるころには免疫が不十分になっているケースがあり、追加接種が推奨されます。

二つ目は、成人特有のリスクの存在です。年齢を重ねるにつれて、特定の感染症に対する感受性や重症化リスクが高まります。たとえば、インフルエンザや肺炎球菌感染症は、高齢者が重症化しやすいことで知られています。帯状疱疹も50代以降に発症リスクが上がる病気のひとつです。

三つ目は、周囲の人を守るという観点です。自分がウイルスや細菌に感染してしまうと、体力のない乳幼児や高齢者、免疫が低下している方(がん治療中の方など)へ感染を広げてしまう可能性があります。これを「集団免疫」の観点といいますが、大人がワクチンを接種することで、社会全体の感染症リスクを下げることにつながります。

四つ目は、子どものころに接種する機会がなかったワクチンの存在です。世代によっては、定期接種のスケジュールが現在とは異なり、特定のワクチンを受けていない場合があります。また、比較的新しく開発されたワクチン(HPVワクチンなど)は、成人になってから接種を検討することもあります。

これらの理由から、「大人だからワクチンは関係ない」という考え方は見直す必要があります。自分の接種歴を確認し、必要なワクチンについてかかりつけ医に相談することが、健康維持への第一歩となります。

📋 子どものころのワクチン効果はいつまで続くのか

ワクチンによって誘導される免疫は、残念ながら永続するわけではありません。ワクチンの種類によって免疫の持続期間は大きく異なりますが、中には数年から10年程度で効果が薄れてしまうものもあります。

たとえば、破傷風・ジフテリア・百日咳の混合ワクチン(DPT-IPVなど)は、子どものころに接種しても10年程度で免疫が低下するとされています。そのため、成人になっても10年ごとの追加接種(ブースター接種)が推奨されています。実際に、成人でも破傷風が発症するケースがあり、特に土や金属で傷ついたときなどに感染リスクが生じます。

麻疹(はしか)・風疹のワクチン(MRワクチン)についても、近年の調査で成人における免疫保有率の低下が問題視されています。特に1990年代前後に生まれた世代では、ワクチン接種のスケジュールの都合から十分な免疫を持っていない方が一定数いることが判明しており、成人の麻疹流行が繰り返されています。

水痘(みずぼうそう)についても、子どものころに感染または接種によって免疫を獲得しても、ウイルスは体内に潜伏し続けます。そして加齢やストレスなどによって免疫力が低下すると、帯状疱疹という形で再活性化することがあります。これに対応するため、帯状疱疹ワクチンが成人に推奨されています。

インフルエンザウイルスは毎年変異するため、前年に接種したワクチンの効果は翌年には期待できません。そのため毎年の接種が推奨されています。このように「一度打てば一生大丈夫」というワクチンは多くはなく、定期的な確認と追加接種が重要です。

自分がどのワクチンを接種したか覚えていない方も多いかもしれません。母子健康手帳に接種記録が残っている場合もありますので、一度確認してみることをお勧めします。記録が手元にない場合は、抗体検査(血液検査)でどの感染症への免疫を持っているかを調べることも可能です。

💊 大人が接種を検討すべきワクチンの種類

成人が接種を検討すべきワクチンは複数あります。ここでは代表的なものを紹介します。

🦠 インフルエンザワクチン

インフルエンザは毎年流行する感染症で、重症化すると肺炎や脳症を引き起こすことがあります。ワクチンはその年の流行が予測されるウイルス型に合わせて毎年製造されるため、毎年秋(10〜11月ごろ)に接種することが推奨されています。65歳以上の方は定期接種として公費助成が受けられますが、それ以下の年代でも任意接種として接種可能です。特に、医療従事者や基礎疾患を持つ方、妊婦、乳幼児と接する機会が多い方には積極的な接種が勧められています。

👴 肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌は、肺炎だけでなく髄膜炎や敗血症などを引き起こす可能性がある細菌です。高齢になるほど重症化しやすく、65歳以上の方には定期接種として公費助成があります。また、心疾患・糖尿病・慢性呼吸器疾患などの基礎疾患がある方や、脾臓を摘出した方は年齢にかかわらず接種を検討することが推奨されます。現在日本では主に「23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)」と「15価・20価結合型肺炎球菌ワクチン(PCV)」が使用されています。

🔸 帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹は水痘ウイルスの再活性化によって起こる疾患で、50代以降に発症リスクが急増します。皮膚の痛みや発疹が特徴で、治療が遅れると「帯状疱疹後神経痛」という長期間の慢性的な痛みが残ることもあります。ワクチンには「乾燥弱毒生水痘ワクチン(生ワクチン)」と「組換え帯状疱疹ワクチン(シングリックス)」の2種類があります。シングリックスは2回接種が必要ですが、予防効果が90%以上と高く、長期間の効果持続が期待できます。50歳以上であれば接種可能で、特に免疫が低下している方には重要なワクチンです。

💧 麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)

麻疹(はしか)は感染力が非常に強く、免疫のない成人が感染すると子どもよりも重症化しやすいことが知られています。風疹は妊娠初期の女性が感染すると、胎児が「先天性風疹症候群」を発症するリスクがあります。日本では特定の世代(1962〜1979年生まれの男性など)で抗体保有率が低いことが問題となっており、国として無料接種キャンペーンを実施した時期もあります。自分の免疫状態が不明な場合は、抗体検査を受けた上で必要に応じて接種することを検討してください。

✨ 破傷風・ジフテリアワクチン(Tdワクチン)

破傷風は土壌中に存在する破傷風菌が傷口から侵入することで起こる感染症で、全身のけいれんや呼吸困難を引き起こします。致死率が高い疾患ですが、ワクチンで予防可能です。子どものころに4種混合ワクチン(DPT-IPV)を接種していても、成人になると免疫が低下するため、10年ごとにTdワクチン(破傷風・ジフテリア)またはTdapワクチン(百日咳も含む)の追加接種が推奨されています。特に海外旅行前や土や動物に触れる機会が多い方は確認が必要です。

📌 HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン

HPVは子宮頸がんをはじめとするさまざまながんや尖圭コンジローマの原因となるウイルスです。女性は9〜45歳、男性も接種が推奨される場合があります(一部の医療機関や自治体で対応)。日本では2022年から積極的勧奨が再開され、9価HPVワクチン(シルガード9)が導入されました。接種機会を逃した「キャッチアップ接種」の対象者(1997〜2007年度生まれの女性)は、2025年3月末まで公費で接種可能でした(接種期限については最新情報をご確認ください)。

▶️ B型肝炎ワクチン

B型肝炎ウイルスは性行為や血液を介して感染し、慢性肝炎・肝硬変・肝臓がんへと進行する可能性があります。2016年以降に生まれた方は定期接種の対象ですが、それ以前に生まれた多くの成人は接種を受けていない可能性があります。医療従事者、複数の性的パートナーがいる方、透析患者などは特に接種を検討すべきです。3回接種(0・1・6か月スケジュール)が基本です。

🔹 髄膜炎菌ワクチン

髄膜炎菌性髄膜炎は発症すると急速に悪化し、死亡や重篤な後遺症を引き起こすことがある疾患です。海外(特にアフリカ、サウジアラビアなど)に渡航する場合や、大学の寮や集団生活を送る場合などに接種が推奨されることがあります。日本では任意接種となっています。

📍 A型肝炎ワクチン

A型肝炎は食べ物や水を介して感染するウイルス性肝炎で、衛生状態の悪い地域への旅行や海外出張の際にリスクが高まります。日本国内での感染リスクは比較的低いものの、海外渡航前の接種が推奨されています。2回接種(6か月間隔)で長期間の免疫が期待できます

🏥 年代別・状況別に見る推奨ワクチン

どのワクチンを接種すべきかは、年齢や生活環境、基礎疾患の有無などによって異なります。ここでは年代別・状況別に整理して紹介します。

💫 20〜30代の方へ

この年代では、まず自分の接種歴や抗体保有状況を確認することが重要です。麻疹・風疹・水痘の抗体を持っていない場合は、MRワクチンや水痘ワクチンの接種を検討しましょう。子宮頸がん予防のためのHPVワクチンもこの世代に特に重要です。また、就職や転職によって医療・保育・福祉などの職種に就く場合は、職場での感染リスクに応じたワクチン(B型肝炎、インフルエンザなど)の接種が求められることもあります。妊娠を希望している女性は、風疹・麻疹の抗体確認と、必要に応じたワクチン接種を妊娠前に済ませておくことが大切です。

🦠 40〜50代の方へ

40代以降は免疫機能が徐々に低下し始める時期です。破傷風の追加接種(前回から10年以上経過している場合)や、インフルエンザワクチンの毎年接種が推奨されます。50歳を迎えたら帯状疱疹ワクチンの接種を真剣に検討しましょう。帯状疱疹は50代から急増し、60〜70代でピークを迎えます。また、この年代では生活習慣病(糖尿病・慢性呼吸器疾患など)が発症し始めることもあり、基礎疾患がある方は肺炎球菌ワクチンの接種も検討してください。

👴 60〜70代以降の方へ

高齢になるほど感染症に対する免疫力が低下し、重症化しやすくなります。65歳以上の方には、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチン(PPSV23)が定期接種として公費助成の対象となっています。帯状疱疹ワクチンも引き続き重要で、シングリックス(組換えワクチン)は特に予防効果が高く推奨されます。また、骨折や外傷のリスクが高まるため、破傷風の追加接種も忘れずに確認しておきましょう。

🔸 妊娠中・妊娠を希望している女性へ

妊娠中は免疫機能が変化し、特定の感染症にかかりやすくなる場合があります。インフルエンザワクチンは妊婦でも安全に接種でき、母体だけでなく生まれてくる赤ちゃんへの免疫付与も期待できます。一方、生ワクチン(麻疹・風疹・水痘など)は妊娠中の接種が禁忌となっているため、妊娠前に接種を済ませておくことが重要です。妊娠を計画している場合は、少なくとも1か月前には接種を終えるようにしましょう。Tdap(百日咳を含む混合ワクチン)は妊娠後期(27〜36週)に接種することで、赤ちゃんへの百日咳感染を予防できる可能性があり、一部の医療機関で推奨されています。

💧 海外渡航者・旅行者へ

渡航先によっては、国内では接種機会が少ないワクチンが必要になる場合があります。A型肝炎・腸チフス(衛生状態の悪い地域)、髄膜炎菌(サハラ以南アフリカ・サウジアラビアなど)、黄熱(熱帯地域の一部、入国に証明書が必要な国もあり)などが代表例です。渡航の少なくとも4〜6週間前にはトラベルクリニックや対応しているクリニックに相談することをお勧めします。

✨ 基礎疾患がある方へ

糖尿病、慢性腎臓病、心疾患、慢性呼吸器疾患(COPD・喘息など)、免疫抑制剤使用中、HIV感染者などの方は、感染症の重症化リスクが高いため、積極的なワクチン接種が推奨されます。特に肺炎球菌ワクチン・インフルエンザワクチン・帯状疱疹ワクチンは重要です。なお、免疫が著しく低下している場合は生ワクチンの接種が禁忌となることがあるため、必ず担当医に相談の上で接種を検討してください

⚠️ ワクチンの費用と公費助成制度について

ワクチンには「定期接種」と「任意接種」の2種類があります。定期接種は法律に基づいて実施されるもので、対象者には公費(税金)による助成が行われます。一方、任意接種は個人の判断で接種するもので、基本的には自費(全額自己負担)となります。

成人が対象となる主な定期接種(公費助成あり)は以下の通りです。

インフルエンザワクチンは65歳以上の方(または60〜64歳で心臓・腎臓・呼吸器に重篤な障害がある方)が対象で、自己負担は自治体によって異なりますが、多くは1,000〜2,500円程度です。肺炎球菌ワクチン(PPSV23)も65歳以上の方が対象(2024年度以降、定期接種対象者の対象は変更が予定されているため最新情報を確認ください)で、自己負担は2,000〜4,000円程度の場合が多いです。HPVワクチンは定期接種として小学校6年生〜高校1年生相当の女子が対象で、キャッチアップ接種も一定期間公費対象となっていました。

任意接種となる主なワクチンの費用の目安は以下のとおりです(医療機関や地域によって異なります)。

帯状疱疹ワクチン(生ワクチン):1回あたり4,000〜8,000円程度。帯状疱疹ワクチン(シングリックス):1回あたり20,000〜22,000円程度(2回接種が必要なため合計40,000〜45,000円程度)。B型肝炎ワクチン:1回あたり3,000〜5,000円程度(3回接種で合計10,000〜15,000円程度)。MRワクチン(麻疹・風疹):1回あたり5,000〜8,000円程度。破傷風・ジフテリアワクチン(Tdワクチン):1回あたり3,000〜5,000円程度。

自治体によっては、定期接種以外のワクチンにも独自の助成制度を設けているところがあります。たとえば、帯状疱疹ワクチンについて費用の一部を助成している自治体が増えています。渋谷区など都市部でも実施されていることがあるため、お住まいの自治体の公式ウェブサイトや保健センターに問い合わせて確認してみましょう。

また、医療保険(健康保険)はワクチン接種には基本的に適用されませんが、企業が従業員のインフルエンザワクチン費用を負担してくれる場合もあります。職場の福利厚生についても確認しておくとよいでしょう。

🔍 ワクチン接種の副反応と注意点

ワクチン接種後には、免疫を獲得する過程でさまざまな副反応が現れることがあります。多くは軽度で一時的なものですが、事前に知っておくことで不安なく対応できます。

📌 よく見られる副反応

接種部位の反応(局所反応)として、注射した部位の赤み・腫れ・痛み・かゆみが起こることがあります。これは免疫システムが働いているサインであり、通常は数日以内に自然に治まります。全身反応としては、発熱・倦怠感・頭痛・筋肉痛・関節痛などが現れることがあります。これらも多くは1〜2日で回復します

▶️ まれな副反応

ごくまれに、アレルギー反応(アナフィラキシー)が起こることがあります。アナフィラキシーは接種後15〜30分以内に発症することが多く、じんましん・呼吸困難・血圧低下などを引き起こします。このため、接種後はクリニックや接種会場で少なくとも15分(アナフィラキシーを起こしたことがある方は30分)経過を観察するよう指示されます。異常を感じたらすぐに医療従事者に知らせることが重要です。

🔹 接種前の注意点

ワクチン接種前に医師に申告すべき事項として、以下のものが挙げられます。

過去にワクチンや薬に対してアレルギー反応を起こしたことがある場合は必ず申告が必要です。特に、卵アレルギーがある方は一部のワクチン(インフルエンザワクチンなど)で注意が必要な場合があります(ただし多くの場合は接種可能)。現在服薬中の薬がある場合や、免疫抑制剤・ステロイドを使用している場合も事前に伝えましょう。妊娠中または妊娠の可能性がある場合も必ず申告してください(生ワクチンは妊娠中禁忌)。発熱や体調不良がある場合は接種を延期することが勧められます

📍 複数のワクチンを接種する場合の間隔について

複数のワクチンを接種する場合は、種類によって接種間隔が決められています。生ワクチン同士は、同日に接種しない場合は27日以上の間隔を空けることが原則です。不活化ワクチン(インフルエンザ・肺炎球菌・B型肝炎など)は、生ワクチンとの間隔制限が緩和されており、一定の条件のもとで連続して接種できる場合もあります。具体的な接種スケジュールについては、担当医に相談してください。

📝 接種前に確認すること・クリニックでの流れ

ワクチン接種を決めたら、どのように準備すればよいか迷う方もいるかもしれません。ここでは接種前の準備からクリニックでの流れまでをご説明します。

💫 接種前の準備

まず、自分の接種歴を確認しましょう。母子健康手帳や、職場の健康診断記録などに接種記録が残っている場合があります。記録が見つからない場合は、抗体検査(血液検査)で現在の免疫状態を調べることができます

次に、接種したいワクチンが取り扱われているかどうか、事前にクリニックに確認してください。ワクチンの種類によっては、事前予約が必要だったり、在庫がなかったりする場合があります。特にシングリックス(帯状疱疹)や髄膜炎菌ワクチンなどはすべてのクリニックで取り扱っているわけではないため、事前確認が必要です。

費用についても事前に確認しておきましょう。定期接種か任意接種か、自治体の助成が受けられるかによって自己負担額が変わります。当日は健康保険証、母子健康手帳(接種記録の確認のため)、自治体からの接種券・補助券(定期接種の場合)、現金またはキャッシュレス決済手段を持参してください。

🦠 クリニックでの一般的な流れ

クリニックに到着したら受付を済ませ、問診票を記載します。問診票には、アレルギーの有無・現在の体調・服薬中の薬・妊娠の有無などを記入します。その後、医師による問診(診察)が行われ、接種の可否を判断します。問題がなければワクチンを接種します。接種は通常、上腕の外側に皮下注射または筋肉注射で行われます。

接種後は院内で15〜30分間の経過観察を行います。この間に体調の変化を感じたらすぐに看護師や医師に申し出てください。経過観察後、問題がなければ帰宅となります。帰宅後も当日の激しい運動や飲酒は控え、接種部位を強くこすらないようにしましょう。副反応が出た場合は、接種を受けたクリニックに連絡して指示を仰いでください。

👴 接種記録を残しておくことの重要性

接種後は、どのワクチンをいつ接種したかを記録しておくことが大切です。母子健康手帳に追記するか、専用の接種記録ノートや健康管理アプリなどを活用して管理しましょう。次回の接種時期の目安にもなり、また医療機関を受診した際にも役立つ情報となります。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、「子どもの頃に接種したから大丈夫」とお考えの成人の患者様が、抗体検査を受けて初めて免疫が低下していることに気づかれるケースを多く拝見します。特に50代以降の方では帯状疱疹ワクチンへの関心が高まっており、接種後に「もっと早く受けておけばよかった」とおっしゃる方も少なくありません。ご自身の接種歴や免疫状態に不安を感じられた際は、お気軽にご相談ください。一人ひとりの生活環境や健康状態に合わせた最適なワクチンプランをご提案いたします。」

💡 よくある質問

子どもの頃に接種したワクチンの効果はいつまで続きますか?

ワクチンの種類によって異なりますが、効果が永続するものは多くありません。例えば、破傷風・百日咳のワクチンは10年程度で免疫が低下し、追加接種が必要です。麻疹・風疹も世代によっては免疫が不十分なケースがあります。自分の接種歴が不明な場合は、抗体検査で免疫状態を確認することができます。

大人になってから特に接種を検討すべきワクチンはどれですか?

成人が特に検討すべきワクチンとして、インフルエンザ(毎年)、肺炎球菌、帯状疱疹(50歳以上)、麻疹・風疹(MRワクチン)、破傷風・ジフテリア(10年ごと)、HPV、B型肝炎などが挙げられます。年齢や基礎疾患、生活環境によって優先すべきワクチンが異なるため、医師への相談をお勧めします。

帯状疱疹ワクチンはいつ、どのくらいの費用で接種できますか?

帯状疱疹ワクチンは50歳以上から接種可能です。種類は2つあり、生ワクチンは1回4,000〜8,000円程度、高い予防効果(90%以上)が期待できるシングリックス(組換えワクチン)は2回接種で合計40,000〜45,000円程度が目安です。自治体によっては費用の一部を助成している場合もあるため、お住まいの自治体に確認してみましょう。

ワクチン接種後にどのような副反応が出ることがありますか?

多くの場合、接種部位の赤み・腫れ・痛みや、発熱・倦怠感・頭痛などが現れることがありますが、いずれも1〜2日程度で自然に回復します。まれにアナフィラキシーなどの重篤なアレルギー反応が起こる場合があるため、接種後は15〜30分間クリニックで経過観察を行います。体調の変化を感じた際はすぐに医師・看護師に申し出てください。

自分に必要なワクチンがわからない場合はどうすれば良いですか?

まずは母子健康手帳などで過去の接種歴を確認することをお勧めします。記録が見つからない場合は、血液検査(抗体検査)で現在の免疫状態を調べることが可能です。

✨ まとめ

ワクチン接種は子どものためだけのものではありません。大人になってからも、過去のワクチン効果の減衰や、成人特有の感染リスク、周囲の人を守るという観点から、定期的なワクチン接種が重要です。

この記事でご紹介したように、成人が検討すべきワクチンにはインフルエンザ・肺炎球菌・帯状疱疹・麻疹風疹・破傷風・HPV・B型肝炎など多岐にわたります。年齢・基礎疾患・生活環境・渡航先などによって、必要なワクチンは異なります

まずは自分の接種歴を確認し、気になるワクチンがあればかかりつけ医や専門クリニックに相談することから始めてみましょう。自分に必要なワクチンがわからない場合や、接種スケジュールについて迷っている場合は、かかりつけ医や専門クリニックにご相談ください。予防接種は、健康で活動的な毎日を支えるための、最も効果的な投資のひとつです。

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📚 参考文献

  • 厚生労働省 – 成人向けの定期接種・任意接種の種類、公費助成制度、接種スケジュール、ワクチンの費用負担に関する公式情報の参照
  • 国立感染症研究所 – 各ワクチンの免疫持続期間、副反応情報、麻疹・風疹・帯状疱疹・インフルエンザ等の感染症疫学データおよび成人における抗体保有率に関する科学的根拠の参照
  • CDC(米国疾病予防管理センター) – 成人に推奨されるワクチンの年代別・状況別接種スケジュール、妊婦・基礎疾患保有者・海外渡航者向けの接種推奨ガイドラインの参照

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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