「いつも同じ場所にニキビができる」「なぜかおでこばかりにニキビが集中する」といった経験はありませんか。実は、ニキビができる場所には医学的な理由があり、その部位特有の原因が隠れていることが少なくありません。本記事では、皮膚科専門医の視点から、ニキビができる場所ごとの原因と意味、そして効果的な予防・改善方法について詳しく解説します。顔のパーツ別にニキビの発生メカニズムを理解することで、より適切なスキンケアや生活習慣の改善につなげていただければ幸いです。
目次
- ニキビができる仕組みと基礎知識
- ニキビの場所には医学的な意味がある?
- おでこ・額にできるニキビの原因と対策
- 眉間・眉毛周辺にできるニキビの原因と対策
- 鼻・小鼻にできるニキビの原因と対策
- 頬にできるニキビの原因と対策
- 口周り・唇周辺にできるニキビの原因と対策
- 顎・フェイスラインにできるニキビの原因と対策
- こめかみ・耳周辺にできるニキビの原因と対策
- 首・デコルテ・背中にできるニキビの原因と対策
- ニキビの種類と進行段階
- ホルモンバランスとニキビの関係
- 食生活とニキビの関係
- ニキビ予防のための日常ケア
- 皮膚科での治療について
- よくある質問
- まとめ
🧬 ニキビができる仕組みと基礎知識
ニキビは医学的には「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれる慢性の皮膚疾患です。日本では約90%以上の人が生涯で一度は経験するとされており、思春期から青年期にかけて特に発症しやすい傾向があります。
ニキビが発生するメカニズムを理解することは、場所ごとの原因を把握するうえで非常に重要です。
⚡ ニキビ発生の3大要因
ニキビができる根本的な原因は、主に3つの要因が複合的に絡み合っています。
- 毛穴の詰まり:肌のターンオーバーが乱れたり、外部からの刺激によって角質が厚くなったりすると、毛穴の出口が塞がれてしまいます。
- 皮脂の過剰分泌:ホルモンバランスの変化やストレス、食生活の乱れなどによって皮脂腺が活発になると、毛穴に皮脂が溜まりやすくなります。
- アクネ菌の増殖:アクネ菌(Cutibacterium acnes)は皮膚に常在する細菌ですが、毛穴が詰まって嫌気性環境になると増殖し、炎症を引き起こします。
🗺️ 皮脂腺と脂漏部位の関係
ニキビができる場所を理解するうえで重要なのが、皮脂腺の分布です。皮脂腺は手のひらと足の裏を除くほぼ全身に存在していますが、その密度は部位によって大きく異なります。
皮脂腺が特に発達し、多数集まっている部位を「脂漏部位」と呼びます。脂漏部位では1平方センチメートルあたり400〜900個もの皮脂腺が存在しており、他の部位と比べて皮脂分泌量が格段に多くなっています。
顔における脂漏部位は、おでこから鼻にかけてのTゾーンが代表的です。また、体では背中の背骨付近やデコルテ(胸元)も脂漏部位に該当し、これらの部位はニキビが発生しやすい傾向があります。
🔬 脂腺性毛包とニキビの関係
ニキビは「脂腺性毛包」という特殊な毛穴に発生します。脂腺性毛包は大きな皮脂腺を持つ毛穴で、顔、胸、背中に主に分布しています。
この脂腺性毛包から分泌される皮脂が毛穴の中に溜まり、アクネ菌が増殖することでニキビが形成されます。顔には約20万個もの毛穴がありますが、そのうちの一部の皮脂腺が異常分泌を起こすことで、繰り返しニキビができる原因となっています。
🔍 ニキビの場所には医学的な意味がある?
「ニキビができる場所で体の不調がわかる」という話を聞いたことがある方も多いかもしれません。確かに、ニキビができる場所によって、生活習慣の乱れや特定の要因が推測できることがあります。
しかし、これは東洋医学的な考え方に基づくもので、西洋医学的なエビデンスが十分に確立されているわけではありません。
ただし、医学的に明らかなのは、ニキビができる場所によって「発生・悪化させる要因」が異なるという点です。例えば、Tゾーンは皮脂分泌が多いため思春期ニキビができやすく、Uゾーン(顎やフェイスライン)はホルモンバランスの影響を受けやすいため大人ニキビができやすいといった傾向があります。
場所ごとの原因を理解することで、より効果的な対策を講じることが可能になります。
💡 おでこ・額にできるニキビの原因と対策
おでこは顔の中でも皮脂分泌量が特に多い部位であり、ニキビができやすい代表的な場所です。思春期にはホルモンバランスの変化により皮脂分泌が活発になり、おでこにニキビが多発することがよくあります。
🎯 主な原因
- 過剰な皮脂分泌:成長期のホルモン変化や、ストレス、睡眠不足によってホルモンバランスが乱れると、皮脂の分泌量が増加します
- 前髪による刺激:前髪が常におでこに触れていると、物理的な刺激となって毛穴を傷つけ、ニキビの発生や悪化を招きます
- 整髪料の付着:前髪についた汚れや整髪料の油分が肌に付着することも原因となります
- すすぎ残し:シャンプーやコンディショナー、洗顔料のすすぎ残しがおでこに残ると、毛穴が詰まりやすくなります
✨ 効果的な対策
- 丁寧な洗顔を心がけ、皮脂や汚れをしっかり落とす
- 洗顔後は生え際までしっかりすすぎ、洗顔料やシャンプーが残らないよう注意
- 前髪がおでこに触れないよう、ヘアスタイルを工夫
- 整髪料を使用する場合は、おでこに付着しないよう注意し、就寝前には丁寧に洗い流す
- 皮脂の分泌を抑えるビタミンCが配合された化粧水での保湿
👁️ 眉間・眉毛周辺にできるニキビの原因と対策
眉間や眉毛周辺もTゾーンの一部であり、皮脂分泌が活発な部位です。思春期ニキビが多い場所ですが、大人になってからも悩まされる方は少なくありません。
🎯 主な原因
- 皮脂の過剰分泌:おでこと同様に皮脂の過剰分泌が主な原因
- 眉毛の手入れによる刺激:毛抜きやカミソリでの処理による肌への刺激もニキビの原因となります
- ストレスや睡眠不足:ホルモンバランスの乱れがコルチゾールの増加を招き、皮脂分泌を活発にします
眉毛を抜く際に毛穴が傷つくと、そこから雑菌が入り込み、炎症を起こすことがあります。
✨ 効果的な対策
- 洗顔時に眉間を意識的に丁寧に洗う(ゴシゴシこするのではなく、泡を優しく乗せる程度に)
- 眉毛の手入れを行う際は、清潔な器具を使用し、処理後は化粧水などで肌を整える
- ストレス管理や十分な睡眠を確保し、ホルモンバランスを整える
👃 鼻・小鼻にできるニキビの原因と対策
鼻は顔の中でも特に皮脂量が多く、毛穴の黒いブツブツなど他の悩みも併発しがちです。鼻は顔の中央に位置し、ニキビができると特に目立つことから、ついニキビを触ってしまいがちで、炎症にもつながりやすく注意が必要です。
🎯 主な原因
- 皮脂の過剰分泌と毛穴の詰まり:鼻は皮脂分泌量が非常に多い部位
- 紫外線によるダメージ:鼻は紫外線を浴びやすく、ターンオーバーの乱れを招く
- 触る癖:鼻を無意識に触ることで手についた雑菌が付着
- メイクの洗い残し:鼻周りのメイクが残りやすい
- マスクによる蒸れや摩擦:近年特に注目されている原因
✨ 効果的な対策
- 毛穴に皮脂や汚れを残さないよう丁寧に洗顔
- 鼻を触る癖を改善
- マスクは清潔なものを使用しこまめに交換
- 紫外線対策として日焼け止めを丁寧に塗る
- 毛穴パックの使用は控えめに(毛穴が開いたままになりやすく、かえってトラブルの原因になることがある)
😊 頬にできるニキビの原因と対策
頬は皮脂分泌量が比較的少なく、乾燥しやすい部位です。そのため、思春期よりも大人になってからニキビができやすい傾向があります。頬のニキビは目立ちやすく、ニキビ跡にもなりやすいため、早めの対処が重要です。
🎯 主な原因
- 肌の乾燥:頬は乾燥しやすく、バリア機能が低下しやすい
- 寝具からの雑菌:枕カバーやシーツに付着した雑菌が頬に移る
- スマートフォンの雑菌:通話時に雑菌が付着
- 頬杖や手で触る習慣:物理的な刺激と雑菌の付着
- マスクの擦れや蒸れ:長時間着用による影響
- 紫外線や食生活の乱れ:肌ダメージや栄養バランスの問題
✨ 効果的な対策
- 保湿をしっかり行い、肌のバリア機能を維持
- 枕カバーやシーツはこまめに洗濯して清潔を保つ
- スマートフォンは定期的に拭いて雑菌の繁殖を防ぐ
- 頬杖や顔を触る癖を意識的に改善
- マスクは肌に優しい素材を選び、こまめに交換
- 紫外線対策を忘れずに行う
💋 口周り・唇周辺にできるニキビの原因と対策
口周りは皮脂の分泌が少なく乾燥しやすい部位ですが、外部刺激に加えて体の不調も関係していることが多く、治りにくく繰り返しやすい特徴があります。
🎯 主な原因
- 胃腸の機能低下:胃腸機能が低下すると、栄養の吸収力が低下し、有害物質を蓄積。それが皮膚から分泌され毛穴を詰まらせる
- ストレス:胃腸の不調を引き起こし、口周りのニキビの原因となる
- 外部からの刺激:手で触ることや食べかす、口紅の洗い残しなど
- 疲労や冷え:体調不良時に口周りにニキビができやすくなる
口周りの皮膚は薄く、外部からの刺激を受けやすいため、丁寧なケアが必要です。
✨ 効果的な対策
- 胃腸の調子を整える(消化に良い食事、暴飲暴食を避ける)
- 十分な睡眠を取り、疲労回復を心がける
- 食べかすや口紅は擦らず丁寧に洗い落とす
- 乾燥対策として保湿をしっかり行う
- ストレス管理を行う
🦴 顎・フェイスラインにできるニキビの原因と対策
顎やフェイスラインにできるニキビは、いわゆる「大人ニキビ」の代表格です。同じところに何度もできて治りにくいのが特徴で、複数の要因が絡み合っているため、適切なケアや治療を行わないと再発を繰り返し、炎症や化膿の恐れもあります。
🎯 主な原因
- ホルモンバランスの影響:顎やフェイスラインは髭が生える場所であり、男性ホルモンの影響を受けやすい
- 生理前の悪化:女性は生理前の黄体期に男性ホルモンの活性が優位になりやすい
- 生活習慣の乱れ:ストレスや睡眠不足、不規則な生活習慣
- 乾燥:顎は汗腺が少なくTゾーンよりも乾燥しやすい
- 物理的刺激:頬杖、マスクによる擦れや蒸れ
- 髭剃りによる刺激:男性の場合、髭剃り時の肌の傷から雑菌が侵入
✨ 効果的な対策
- ホルモンバランスを整える(規則正しい生活リズム、十分な睡眠、ストレス管理)
- 乾燥対策として保湿をしっかり行う
- 過度な洗顔でさらに乾燥させないよう注意
- 頬杖などの癖を改善
- マスクは清潔なものをこまめに交換
- 男性は髭剃り後の肌ケアを丁寧に行う
👂 こめかみ・耳周辺にできるニキビの原因と対策
こめかみや耳周辺は、見落としがちな部位ですが、ニキビができやすい場所でもあります。
🎯 主な原因
- シャンプーや洗顔料のすすぎ残し:こめかみは洗い流しにくい部位
- 整髪料の付着:髪に使った整髪料がこめかみに付着
- 髪の毛による刺激:髪の毛がこめかみに触れることによる刺激
- イヤホンの使用:長時間使用による蒸れや雑菌の繁殖
- 耳掃除の刺激:過度な耳掃除による刺激
- ストレスや睡眠不足:ホルモンバランスの乱れ
✨ 効果的な対策
- シャンプーや洗顔料をしっかりすすぐ
- 整髪料がこめかみに付着しないよう注意
- イヤホンを清潔に保つ
- 髪の毛がこめかみに触れないようヘアスタイルを工夫
🫸 首・デコルテ・背中にできるニキビの原因と対策
首やデコルテ、背中も皮脂腺が多く、ニキビができやすい部位です。自分では見えづらい部分であるため、気づかないうちにニキビが進行していることもあります。
🎯 主な原因
- 首・うなじ:髪の毛や衣服の不清潔な環境、シャンプーやコンディショナーのすすぎ残し
- デコルテ:アクセサリーや衣類による摩擦、汗や紫外線による刺激、ホルモンバランスの乱れ
- 背中:皮脂腺が多く蒸れやすい環境、自分では洗いにくい部位、ボディーソープやシャンプーの洗い残し
背中は衣服に覆われているため蒸れやすく、汗や皮脂が毛穴に詰まりやすい環境です。
✨ 効果的な対策
- シャンプーやボディーソープをしっかり洗い流す
- 髪を洗った後に体を洗うようにする(すすぎ残しを防ぐ)
- 汗をかいたらこまめに拭き取る
- 衣服は清潔なものを着用
- 背中は意識してチェックし、気になる症状があれば早めに対処
- 日焼け止めをこまめに塗り、紫外線対策を行う
📊 ニキビの種類と進行段階
ニキビは症状が進行するにつれて種類が変化し、悪化するごとに改善が難しくなります。ニキビの種類を理解することで、適切な対処法を選ぶことができます。
⚪ 白ニキビ(閉鎖面皰)
白ニキビは、ニキビの初期段階です。毛穴が詰まり、皮脂が溜まっている状態ですが、まだ炎症は起こしていません。白く小さなブツブツとして現れ、この段階であれば適切なスキンケアで改善できることが多いです。
⚫ 黒ニキビ(開放面皰)
白ニキビをそのままにしていると毛穴が開き、毛穴に詰まった皮脂が空気に触れて酸化することにより黒く変色し、黒ニキビとなります。白ニキビ同様、ニキビの初期段階で炎症は起こしていない状態です。
🔴 赤ニキビ(紅色丘疹)
白ニキビや黒ニキビの状態で毛穴に詰まった皮脂を栄養にして、アクネ菌が増殖し、炎症を起こした状態です。皮膚が赤く腫れ上がり、触ると痛みを感じることもあります。
赤ニキビの段階からは、ニキビ跡が残るリスクが高まります。炎症を抑える治療が必要となるため、この段階で皮膚科を受診することをおすすめします。
🟡 黄ニキビ(膿疱)
赤ニキビがさらに悪化し、毛穴の中に膿が溜まった状態です。ニキビの中央に黄色っぽい膿が透けて見えることから黄ニキビと呼ばれます。
毛穴の壁が破れて炎症が周囲にまで広がり、痛みやかゆみを伴うこともあります。黄ニキビは重症化した状態であり、ニキビ跡の凹み(クレーター)を残すリスクが高くなります。
自分で膿を出そうとすると悪化する恐れがあるため、絶対に避け、皮膚科での治療を受けましょう。
⚖️ ホルモンバランスとニキビの関係
ニキビの発症にはホルモンバランスが大きく関係しています。特に男性ホルモン(アンドロゲン)と女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)のバランスが重要です。
🚹 男性ホルモンとニキビの関係
男性ホルモンの一種であるテストステロンは、皮脂の分泌を促進する働きがあります。テストステロンがDHT(ジヒドロテストステロン)という物質に変換されると皮脂の分泌がさらに促進され、過剰な皮脂が毛穴に詰まり、ニキビを悪化させます。
また、男性ホルモンは角化細胞(ケラチノサイト)の増殖を促し、肌の角質を増やしすぎる「異常角化」という状態を作って、毛穴が角栓によって塞がれる可能性を高めてしまいます。
男性だけでなく、女性の体内でも男性ホルモンは作られており、ストレスや睡眠不足で交感神経が優位になると、男性ホルモンの分泌が増加します。
🚺 女性ホルモンとニキビの関係
女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があります。
- エストロゲン:肌のバリア機能を強化し、角質を柔らかく保ち、肌の保水力を高める作用
- プロゲステロン:皮脂分泌を増やす働きがあり、男性ホルモンに似た作用を持つ
生理前になるとプロゲステロンが優位になり、エストロゲンが減少するため、肌が乾燥し、角質が固くなってニキビができやすくなります。これが「生理前にニキビが悪化する」理由です。
🔄 ホルモンバランスを整える方法
- 規則正しい生活リズムと十分な睡眠を確保
- ストレス管理:お気に入りの香りを嗅ぐ、ぬるめのお風呂に浸かって副交感神経を活発にする、有酸素運動を行う
- 大豆イソフラボンの摂取:エストロゲンに似た働きをするため、納豆や豆腐、味噌汁などを食事に取り入れる
🍎 食生活とニキビの関係
毎日の食生活は、肌の状態に直接影響を与えます。ニキビを改善し、健やかな肌を育むためには、適切な栄養素をバランスよく摂取することが大切です。
✅ ニキビ改善に効果的な栄養素
- ビタミンA:皮膚や粘膜を健康に保ち、ターンオーバーを促進(にんじん、ほうれん草、うなぎ、レバー)
- ビタミンB2:脂質代謝を正常化して皮脂の過剰分泌を抑制(レバー、うなぎ、納豆、卵)
- ビタミンB6:新陳代謝を促進し、タンパク質や脂質の代謝をうながす(マグロ、カツオ、サケ、バナナ、にんにく)
- ビタミンC:抗酸化作用があり、コラーゲンの生成を促進。ニキビ跡の色素沈着を改善(パセリ、レモン、ピーマン、いちご、ブロッコリー)
- ビタミンE:抗酸化作用があり、血行を促進して肌の新陳代謝を活発にする(アーモンドなどのナッツ類、緑黄色野菜、うなぎ)
- 亜鉛:皮膚の修復やターンオーバーに関与し、炎症を抑える(牡蠣、牛肉、卵黄)
- 食物繊維:腸内環境を整え、便秘を改善(野菜、果物、海藻、キノコ類)
❌ ニキビを悪化させる食べ物
- 糖質・脂質の過剰摂取:皮脂の原料になるため、菓子類や揚げ物の食べ過ぎは避ける
- カフェイン:利尿作用があり、ニキビケアに必要な栄養素を体から排出(コーヒー、紅茶、エナジードリンク)
- アルコール:肝機能を低下させ、アルコール分解時にビタミンB群を消費
🧴 ニキビ予防のための日常ケア
ニキビを予防し、健やかな肌を保つためには、日常的なスキンケアと生活習慣の改善が重要です。
🧼 正しい洗顔方法
- 洗顔は朝と夜の1日2回が基本
- 洗顔料をしっかり泡立て、泡で優しく洗う
- ゴシゴシこすると肌への刺激となり、かえってニキビを悪化させる
- すすぎはぬるま湯で丁寧に行い、特に生え際やフェイスラインはすすぎ残しに注意
💧 適切な保湿
- 洗顔後は速やかに保湿を行う
- 肌が乾燥すると、それを補おうとして皮脂が過剰に分泌される
- ノンコメドジェニックテスト済みの化粧品を選ぶ
- 油分が多いクリームより、さっぱりとしたジェルやローションタイプがおすすめ
☀️ 紫外線対策
紫外線を浴びると、肌のターンオーバーが乱れ、ニキビができやすくなります。また、ニキビに紫外線を浴びると、ニキビの悪化だけでなく、そのままニキビ跡(色素沈着)になってしまうこともあります。
- 外出時は日焼け止めを塗る
- 帽子や日傘なども活用
🌙 生活習慣の改善
- 十分な睡眠:成長ホルモンは睡眠中に分泌されるため、毎日同じ時間に就寝し、7〜8時間の睡眠を心がける
- 適度な運動:血行を促進し、肌の新陳代謝を活発にする。ゆったりとした有酸素運動がおすすめ
- ストレス管理:男性ホルモンの分泌を促し、皮脂分泌を増加させるため、自分に合ったストレス解消法を見つける
🏥 皮膚科での治療について
セルフケアで改善しない場合や、炎症が強い場合、同じ場所に繰り返しニキビができる場合は、皮膚科を受診することをおすすめします。ニキビは「尋常性痤瘡」という皮膚疾患であり、保険適用で治療を受けることができます。
💊 保険診療で使用される主な治療薬
日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」に基づき、症状に合わせた治療が行われます。
- 過酸化ベンゾイル(ベピオゲル):抗菌作用と角質剥離作用を持ち、耐性菌の報告がない
- アダパレン(ディフェリンゲル):ビタミンA誘導体であり、毛穴の詰まりを改善し、面皰(コメド)に対する治療効果がある
- 配合剤:エピデュオゲル、デュアック配合ゲル
- 抗菌薬:炎症性皮疹(赤ニキビ)には外用抗菌薬や内服抗菌薬が使用されることもある
治療期間は一般的に2〜3ヶ月程度とされていますが、個人差があります。
⏰ 早期治療の重要性
ニキビは放置すると炎症が悪化し、ニキビ跡(瘢痕)が残るリスクが高まります。特に赤ニキビや黄ニキビの段階まで進行している場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。
また、ニキビに似た皮膚の病気(マラセチア毛包炎、毛孔性角化症など)のこともあるため、頻繁にニキビができる場合はセルフケアで済まさず医師の診察を受けることも大切です。

❓ よくある質問
東洋医学では、ニキビができる場所と内臓の不調を関連づける考え方があります。例えば、口周りのニキビは胃腸の不調、顎のニキビはホルモンバランスの乱れと関連があるとされています。しかし、西洋医学的なエビデンスは十分ではありません。ただし、場所によってニキビを発生・悪化させる要因が異なることは医学的にも確認されており、それぞれの部位に適したケアを行うことが効果的です。
同じ場所にニキビが繰り返しできる原因として、その部位特有の生活習慣や癖が影響している可能性があります。例えば、前髪がおでこに触れている、頬杖をつく癖がある、スマートフォンを頬に当てて通話するなどです。また、一度ニキビができた毛穴は炎症によって構造が変化し、再びニキビができやすくなっていることもあります。繰り返す場合は皮膚科を受診し、適切な治療を受けることをおすすめします。
生理前は、女性ホルモンのうちプロゲステロン(黄体ホルモン)が優位になり、エストロゲン(卵胞ホルモン)が減少します。プロゲステロンには皮脂分泌を増やす働きがあり、男性ホルモンに似た作用を持っています。また、エストロゲンの減少により肌のバリア機能が低下し、角質が固くなりやすくなります。これらの変化により、生理前はニキビができやすく、悪化しやすい時期となります。
ニキビを自分で潰すことはおすすめできません。不適切な方法で潰すと、炎症が悪化したり、周囲の組織にダメージを与えたり、雑菌が入り込んで感染を起こしたりする可能性があります。その結果、ニキビ跡(色素沈着やクレーター)が残るリスクが高まります。特に赤ニキビや黄ニキビは、皮膚科で適切な処置を受けることをおすすめします。
ニキビの改善に効果的な栄養素として、ビタミンA(にんじん、ほうれん草など)、ビタミンB2・B6(レバー、納豆、マグロなど)、ビタミンC(ピーマン、いちごなど)、ビタミンE(アーモンド、緑黄色野菜など)、亜鉛(牡蠣、牛肉など)、食物繊維(野菜、海藻など)が挙げられます。これらをバランスよく摂取し、逆に糖質・脂質の過剰摂取やカフェイン・アルコールの飲みすぎを控えることが大切です。
マスクによるニキビ(マスクニキビ)を防ぐためには、いくつかのポイントがあります。まず、清潔なマスクを使用し、こまめに交換しましょう。肌に優しい素材(コットンやシルクなど)を選ぶことも効果的です。長時間のマスク着用が必要な場合は、定期的に外して蒸れを逃がし、溜まった皮脂や汗を拭き取りましょう。また、マスクの下もスキンケアを怠らず、保湿をしっかり行うことが大切です。

📝 まとめ
ニキビができる場所には、それぞれ医学的な理由があります。Tゾーン(おでこ、眉間、鼻)は皮脂分泌が多いため思春期ニキビができやすく、Uゾーン(顎、フェイスライン)はホルモンバランスの影響を受けやすいため大人ニキビができやすい傾向があります。口周りは胃腸の不調や乾燥、頬は外部刺激や乾燥が原因となることが多いです。
ニキビを予防・改善するためには、場所ごとの原因を理解し、適切なスキンケアと生活習慣の改善を行うことが大切です。
- 正しい洗顔と保湿
- バランスの良い食事
- 十分な睡眠
- ストレス管理
セルフケアで改善しない場合や、炎症が強い場合は、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。ニキビは適切な治療を受けることで改善できる皮膚疾患です。
ニキビ跡を残さないためにも、気になる症状があれば専門医にご相談ください。
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
おでこのニキビは思春期だけでなく、大人でも前髪による刺激が原因で発生することがあります。特に整髪料やヘアオイルが額に付着することで毛穴が詰まりやすくなります。髪型を変えるだけで劇的に改善するケースも珍しくありません。また、シャンプーの際は髪を洗った後に洗顔することで、すすぎ残しを効果的に防ぐことができます。