「インフルエンザの予防接種、今からでも間に合うのだろうか」「もう12月(1月)だけど、今さら打っても意味があるの?」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。インフルエンザは毎年冬に流行し、高熱や全身症状で日常生活に大きな支障をきたす感染症です。予防接種は最も効果的な予防策のひとつですが、接種のタイミングを逃してしまったと感じている方も少なくありません。結論から申し上げると、流行が始まってからでも予防接種を受けることには十分な意義があります。本記事では、インフルエンザ予防接種の効果が出るまでの期間、今から接種するメリットとデメリット、接種を検討すべき人の特徴などについて詳しく解説します。
📊 【2024-2025シーズン】今シーズンのインフルエンザの特徴
2024-2025シーズンは、例年と比較していくつかの特徴が見られています。まず、流行開始時期が例年より早く、11月中旬から感染者数の増加が報告されています。また、A型インフルエンザが主流となっており、特にH1N1pdm09株とH3N2株の両方が同時に流行している地域が多く見られます。
今シーズンの特徴として、学校や職場での集団感染事例が昨シーズンより約30%増加していることが挙げられます。これは、マスク着用の緩和や社会活動の正常化により、人との接触機会が増えたことが影響していると考えられます。このような状況下では、流行期間中であっても予防接種の重要性がより高まっています。
目次
- 💉 インフルエンザ予防接種は今からでも間に合う理由
- ⏰ 予防接種の効果が出るまでの期間と最適なタイミング
- ⚖️ 遅めの接種におけるメリットとデメリット
- 👥 特に今からの接種を検討すべき人
- 🛡️ 予防接種と併用したい感染予防対策
- 🏥 感染してしまった場合の対処法と注意点
- 📋 まとめ
この記事のポイント
インフルエンザ予防接種は流行期間中でも有効で、接種後約2週間で効果が現れ、約5か月間持続する。高齢者・基礎疾患のある方・妊婦・受験生は特に接種を推奨。手洗いやマスク着用との併用でより高い予防効果が期待できる。
💉 インフルエンザ予防接種は今からでも間に合う理由
「今さら打っても遅いのでは」と躊躇している方に向けて、今からでも予防接種を受けるべき理由を詳しく解説します。
🦠 インフルエンザワクチンの仕組み
インフルエンザワクチンは、不活化ワクチンと呼ばれるタイプのワクチンです。ウイルスの感染力をなくした状態で体内に投与することで、免疫システムにインフルエンザウイルスを認識させ、抗体を作らせる仕組みになっています。この抗体が体内にあることで、実際にインフルエンザウイルスが侵入してきた際に、素早く対応して感染を防いだり、感染しても症状を軽く抑えたりすることができます。
日本で使用されているインフルエンザワクチンは、毎年WHOの推奨に基づいて、その年に流行が予測される4種類のウイルス株(A型2種類、B型2種類)に対応したものが製造されています。これを4価ワクチンと呼び、複数の型のインフルエンザに対して効果を発揮します。
👴 流行は1シーズン続く
インフルエンザの流行は、1月から2月のピークを過ぎた後も続きます。3月に入っても学校や職場での集団感染が報告されることは珍しくありませんし、4月になっても散発的な感染例は見られます。つまり、流行期間中であれば、どの時点で接種しても、残りの期間に対する予防効果は期待できるのです。
特に学校や保育園、高齢者施設などでは、一度流行が始まると長期間にわたって感染が続くことがあります。「もうピークを過ぎたから大丈夫」と油断していると、思わぬタイミングで感染してしまう可能性があります。
🔸 重症化予防効果の重要性
予防接種の最も重要な効果は、重症化を防ぐことです。インフルエンザは、健康な成人でも高熱や全身倦怠感で数日から1週間程度は日常生活に支障をきたしますが、高齢者や基礎疾患のある方では、肺炎や脳症などの重篤な合併症を引き起こすリスクがあります。
たとえワクチン接種後にインフルエンザに感染したとしても、未接種の場合と比べて症状が軽く済むことが多く、入院や重篤な合併症のリスクを大幅に減らすことができます。この重症化予防効果は、接種のタイミングに関係なく期待できるため、流行期間中であればいつでも接種する価値があります。
Q. インフルエンザ予防接種は流行期間中でも効果がありますか?
インフルエンザ予防接種は流行期間中でも有効です。ワクチン接種後、約2週間で抗体が産生され十分な予防効果が得られ、その効果は約5か月間持続します。たとえ1月に接種しても6月頃まで効果が続くため、流行終盤まで感染リスクを軽減できます。
🎯 ⏰ 予防接種の効果が出るまでの期間と最適なタイミング
インフルエンザ予防接種を検討する際、多くの方が気になるのが「接種してからどのくらいで効果が出るのか」という点です。この効果発現までの期間を正しく理解することで、今からの接種が間に合うかどうかを判断できます。
💧 抗体ができるまでの期間
インフルエンザワクチンを接種すると、体内で抗体が作られ始めます。一般的に、接種後約2週間で抗体価が上昇し、十分な予防効果が得られるレベルに達します。つまり、接種してから約2週間後には、インフルエンザに対する防御力が備わるということです。
ただし、この期間には個人差があり、高齢者や免疫機能が低下している方では、やや時間がかかる場合もあります。逆に、過去にインフルエンザに罹患したことがある方や、毎年予防接種を受けている方は、より早く抗体が産生されることもあります。
✨ 効果の持続期間
インフルエンザワクチンの効果は、接種後約5か月間持続するとされています。10月に接種した場合は翌年3月頃まで、12月に接種した場合は翌年5月頃まで効果が続く計算になります。
この持続期間を考慮すると、遅めの接種にもメリットがあることがわかります。早い時期に接種した場合、流行の終盤には効果が薄れている可能性がありますが、遅めに接種すれば流行期間を通じて安定した予防効果を維持できる可能性があります。
📌 インフルエンザの流行時期
日本におけるインフルエンザの流行は、例年11月下旬から12月上旬に始まり、1月から2月にピークを迎え、3月頃まで続くパターンが一般的です。ただし、年によって流行の開始時期や規模は異なり、近年では流行パターンにも変化が見られています。
特に注目すべきは、流行期間が3月や4月まで続くケースも珍しくないという点です。「もう1月だから」「2月になってしまったから」という理由で予防接種を諦める必要はありません。流行のピーク後も感染リスクは続くため、遅めの接種でも十分に意義があるのです。
Q. インフルエンザワクチンの有効率はどのくらいですか?
インフルエンザワクチンの有効率は50〜60%程度とされており、接種しても感染を100%防げるわけではありません。ただし、接種済みの方が感染した場合でも未接種者と比べて症状が軽く、肺炎などの重篤な合併症や入院リスクを大幅に減らせるという重症化予防効果が期待できます。
⚖️ 遅めの接種におけるメリットとデメリット
流行開始後に予防接種を受けることには、メリットとデメリットの両面があります。それぞれを正しく理解したうえで、接種を検討しましょう。
💫 ▶️ 遅めの接種のメリット
遅めの接種には、いくつかのメリットがあります。まず、流行の終盤まで効果が持続しやすいという点が挙げられます。ワクチンの効果は接種後約5か月間持続するため、12月や1月に接種した場合、4月や5月まで効果が続きます。早い時期に接種した場合、流行の終盤には効果が減弱している可能性がありますが、遅めの接種であればその心配がありません。
次に、ワクチンの在庫が確保しやすい時期である可能性があります。予防接種のピークである10月から11月には、医療機関によってはワクチンが不足することもありますが、12月以降は在庫に余裕がある場合も多く、予約が取りやすいことがあります。
また、その年の流行株に関する情報が蓄積されている時期でもあります。流行開始後は、実際にどの型のインフルエンザが流行しているか、ワクチン株との一致度はどうかといった情報が明らかになってきます。この情報を踏まえて接種を判断できることも、遅めの接種のメリットといえます。
🔹 遅めの接種のデメリット
一方で、遅めの接種にはデメリットもあります。最大のデメリットは、効果が発現するまでの約2週間、無防備な期間が生じることです。特に流行のピーク時期に接種した場合、効果が出る前に感染してしまうリスクがあります。
また、すでに流行しているウイルスに曝露されている可能性もあります。症状が出ていなくても、すでにウイルスに感染していて潜伏期間中という場合、ワクチン接種は効果がありません。インフルエンザの潜伏期間は1〜3日程度と短いため、この可能性は比較的低いですが、完全には否定できません。
さらに、流行のピークに間に合わない可能性があることもデメリットです。1月から2月がピークの場合、この時期に接種しても効果が出る頃にはピークを過ぎているかもしれません。ただし、前述のとおり、流行はピーク後も続くため、この点はそれほど大きなデメリットとはいえません。
📍 今シーズンの流行状況を踏まえて
インフルエンザの流行状況は毎年異なります。流行の規模が大きい年や、流行期間が長引く年もあります。厚生労働省や国立感染症研究所が発表する流行情報を確認し、今シーズンの状況を踏まえて判断することも重要です。
近年は新型コロナウイルス感染症との同時流行(フルロナ)も懸念されています。インフルエンザと新型コロナウイルスに同時感染すると、症状がより重くなる可能性が指摘されており、予防接種の重要性は一層高まっています。フルロナについて詳しくは「フルロナの症状とは?インフルエンザとコロナ同時感染の特徴と対処法」の記事で解説しています。
👥 特に今からの接種を検討すべき人
すべての方に予防接種は推奨されますが、特に以下に該当する方は、流行期間中であっても積極的に接種を検討すべきです。
💫 高齢者
65歳以上の高齢者は、インフルエンザに感染した場合の重症化リスクが高いグループです。加齢に伴う免疫機能の低下により、感染した際に肺炎などの重篤な合併症を発症しやすく、最悪の場合は命に関わることもあります。
厚生労働省の統計によると、インフルエンザによる死亡者の大多数を高齢者が占めています。このため、高齢者に対する予防接種は定期接種として位置づけられており、自治体からの費用補助を受けられる場合があります。流行期間中であっても、未接種の高齢者は早めに接種することが強く推奨されます。冬場は脱水症状のリスクも高まるため、「高齢者の冬の脱水症状|原因・症状・予防法を医師が詳しく解説」もあわせてご参照ください。
🦠 基礎疾患のある方
糖尿病、心臓病、呼吸器疾患、腎臓病、肝臓病などの基礎疾患がある方も、インフルエンザの重症化リスクが高いグループです。これらの疾患により免疫機能が低下していたり、感染症に対する抵抗力が弱まっていたりするため、インフルエンザに感染した際に症状が重くなりやすい傾向があります。
また、免疫抑制剤やステロイドを使用している方、がん治療中の方なども、感染症に対する防御力が低下しているため、予防接種の重要性が高いグループです。ただし、一部の方はワクチン接種に注意が必要な場合があるため、主治医に相談のうえで接種を検討してください。
👴 妊婦・乳幼児の保護者・医療従事者
妊婦はインフルエンザに感染した場合、重症化しやすいことが知られています。特に妊娠後期に感染すると、肺炎などの合併症を起こしやすく、母体と胎児の両方にリスクが及ぶ可能性があります。
インフルエンザワクチンは不活化ワクチンであり、妊娠中でも安全に接種できることが確認されています。妊婦が予防接種を受けることで、生まれてくる赤ちゃんにも一定期間の免疫が受け継がれるというメリットもあります。妊娠中の方で未接種の場合は、流行期間中であっても接種を検討してください。
🔸 受験生や大切な予定がある方
入試、就職試験、結婚式、出張など、絶対に休めない予定がある方にとって、インフルエンザへの感染は大きなリスクです。予防接種を受けることで、これらの重要なイベントを感染で台無しにするリスクを軽減できます。
特に受験シーズンは1月から3月にかけてであり、インフルエンザの流行期間と重なります。受験生やその家族は、まだ接種していない場合、今からでも接種を検討する価値があります。効果発現まで2週間かかることを考慮して、試験日から逆算して接種時期を決めるとよいでしょう。
Q. インフルエンザ予防接種を特に推奨される人は?
インフルエンザの重症化リスクが高い65歳以上の高齢者、糖尿病・心臓病・呼吸器疾患などの基礎疾患がある方、妊婦は流行期間中でも積極的な接種が推奨されます。また、1月〜3月に試験を控える受験生は、効果発現までの約2週間を逆算して接種時期を決めることが重要です。
🛡️ 予防接種と併用したい感染予防対策
予防接種はインフルエンザ予防の重要な柱ですが、それだけで完璧な予防ができるわけではありません。ワクチンの有効率は50〜60%程度とされており、接種しても感染する可能性はあります。予防接種と併用して、日常的な感染予防対策を行うことが大切です。
💧 手洗い・手指消毒
インフルエンザウイルスは、感染者の咳やくしゃみによる飛沫だけでなく、ウイルスが付着した物に触れた手で口や鼻を触ることでも感染します(接触感染)。外出先から帰宅した時、食事の前、トイレの後などには、必ず石鹸と流水で手を洗う習慣をつけましょう。
手洗いは20秒以上かけて、指の間や爪の先、手首まで丁寧に洗うことが重要です。すぐに手を洗えない状況では、アルコール手指消毒剤を使用することも有効です。インフルエンザウイルスはアルコールに弱いため、適切に使用すれば効果的にウイルスを除去できます。
✨ マスクの着用
マスクの着用は、自分が感染している場合に周囲への飛沫拡散を防ぐ効果と、自分への飛沫感染をある程度防ぐ効果があります。特に、人混みや満員電車、医療機関などでは、マスクの着用が推奨されます。
マスクは鼻と口を隙間なく覆うように着用し、使用中は表面に触れないようにしましょう。また、使い捨てマスクは1日ごとに交換することが望ましいです。マスクの着用だけで完全に感染を防げるわけではありませんが、他の対策と組み合わせることで予防効果が高まります。
📌 室内環境の整備と生活習慣の改善
インフルエンザウイルスは、乾燥した環境で長時間生存しやすく、また乾燥した空気は気道粘膜の防御機能を低下させます。室内の湿度を適切に保つことは、インフルエンザ予防において重要な対策です。
室内の湿度は50〜60%程度を目安に保つとよいでしょう。加湿器の使用や、濡れタオルを室内に干す、洗濯物を室内で干すなどの方法で湿度を上げることができます。ただし、湿度が高すぎるとカビの発生原因にもなるため、適度な換気も心がけてください。喉の乾燥対策については、「喉の加湿は寝るときが重要!乾燥対策の方法と効果的なケアを徹底解説」で詳しく解説しています。
免疫機能を維持するためには、十分な睡眠と栄養バランスの良い食事が欠かせません。睡眠不足や栄養不足は免疫機能を低下させ、感染症にかかりやすい状態を作ってしまいます。
成人の場合、1日7〜8時間の睡眠を確保することが理想的です。また、ビタミンCやビタミンD、亜鉛などの栄養素は免疫機能の維持に重要とされています。バランスの良い食事を心がけ、必要に応じてサプリメントで補うことも検討してください。体調が優れないときの食事については「胃に優しい朝食メニュー15選|胃腸が弱い人におすすめの食材と調理法」もご参考になります。免疫力を高める食べ物については「免疫力を高める食べ物ランキング15選|管理栄養士監修の最強食材と食べ方」で詳しく紹介しています。
Q. インフルエンザ予防接種と併用すべき感染予防対策は?
予防接種と併せて、石鹸と流水で20秒以上かける手洗い、人混みでのマスク着用、室内湿度を50〜60%に保つ加湿対策が有効です。さらに、免疫機能を維持するために1日7〜8時間の睡眠と栄養バランスの良い食事を心がけることで、予防接種との相乗効果でより高い感染予防が期待できます。
🏥 感染してしまった場合の対処法と注意点
予防接種を受けても、残念ながらインフルエンザに感染してしまう可能性はあります。感染した場合の適切な対処法についても知っておきましょう。
🦠 ▶️ 早期受診の重要性
インフルエンザが疑われる症状(急な高熱、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛など)が現れたら、できるだけ早く医療機関を受診することが重要です。インフルエンザの治療薬(抗インフルエンザウイルス薬)は、発症後48時間以内に服用を開始することで効果が高まります。
医療機関では、迅速診断キットを用いてインフルエンザかどうかを検査します。検査は発症後12時間以上経過してからのほうが精度が高いとされていますが、症状が重い場合は早めに受診してください。発熱時の受診の目安については「風邪で熱が何度から病院に行くべき?受診の目安と対処法を医師が解説」もご参照ください。
なお、インフルエンザの症状には個人差があり、中には熱が上がらないケースもあります。「インフルエンザなのに熱が上がらない理由とは?隠れインフルの症状と対処法を医師が解説」で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
🔹 自宅療養のポイント
インフルエンザと診断されたら、医師の指示に従って自宅で療養します。十分な休養と水分補給が基本です。高熱で汗をかくため、脱水症状を防ぐために、水やお茶、スポーツドリンクなどをこまめに摂取してください。冬の水分補給については「冬の水分補給の適切な量とは?寒い季節に必要な水分摂取のポイントを解説」で詳しく解説しています。
食欲がない場合でも、消化の良いものを少しずつ食べるようにしましょう。おかゆ、うどん、スープなどが適しています。消化に良い食べ物については「消化にいい食べ物一覧|胃腸に優しい食品・調理法・避けるべき食品を徹底解説」をご覧ください。
解熱剤は医師の指示に従って使用してください。インフルエンザの場合、一部の解熱鎮痛剤(特に小児ではアスピリン)はライ症候群という重篤な副作用を引き起こす可能性があるため、自己判断での使用は避けてください。
📍 家族への感染対策と重症化のサイン
インフルエンザに感染した場合、家族への二次感染を防ぐための対策も重要です。可能であれば別室で過ごし、家族との接触を最小限にしてください。同じ部屋にいる必要がある場合は、感染者と看護者の両方がマスクを着用しましょう。
感染者が触れた物(ドアノブ、スイッチ、リモコンなど)は、アルコールや塩素系消毒剤で定期的に消毒してください。また、感染者のタオルや食器は共用を避け、使用後はよく洗浄してください。部屋の消毒方法については「インフルエンザ感染者の部屋の消毒方法|家庭でできる効果的な対策を解説」で詳しく説明しています。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太医師(当院治療責任者)より
「当院でも毎年、流行期間中に『今からでも予防接種は間に合いますか?』というご相談を多くいただきます。結論として、流行期間中であっても接種を希望される方には積極的にお勧めしています。実際に、12月や1月に接種された方が流行の終盤に感染を防げたケースは多く、特に受験シーズンを控えた学生さんやそのご家族からは『接種しておいてよかった』というお声をいただいています。今シーズンは昨シーズンと比較して来院される発熱患者さんが約20%増加しており、インフルエンザの流行が活発化している印象があります。未接種の方は、今からでも遅くありませんので、ぜひ接種をご検討ください。」
❓ よくある質問
医療機関にワクチンの在庫がある限り、流行期間中であればいつでも接種を受けられます。多くの医療機関では3月頃まで接種を行っていますが、在庫状況は医療機関によって異なるため、事前に電話などで確認することをお勧めします。流行のピークを過ぎた後でも、残りの流行期間に対する予防効果は期待できます。
必要です。インフルエンザウイルスにはA型、B型など複数の型があり、さらにその中でも毎年変異を繰り返しています。一度インフルエンザにかかっても、異なる型や変異したウイルスには免疫がないため、再び感染する可能性があります。また、同じシーズン中にA型とB型の両方に感染するケースもあるため、過去の感染歴に関係なく、毎年予防接種を受けることが推奨されます。
あります。インフルエンザワクチンの有効率は50〜60%程度とされており、接種しても感染を100%防げるわけではありません。また、ワクチン株と流行株が一致しない年は、効果が低下することもあります。ただし、ワクチン接種済みの方が感染した場合でも、未接種の方と比べて症状が軽く済むことが多く、重症化や合併症のリスクを大幅に減らすことができます。
13歳未満の子どもには2回接種が推奨されています。子どもは成人に比べて免疫の記憶が少ないため、1回の接種では十分な抗体が作られないことがあります。2回目は1回目から2〜4週間後に接種し、これにより十分な免疫を獲得できます。流行期間中に接種を開始する場合でも、可能であれば2回接種を完了させることをお勧めします。13歳以上は原則1回接種で効果が期待できます。
同時接種は可能です。以前は新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの接種間隔について制限がありましたが、現在は同時接種が認められています。同時に接種することで、両方の感染症に対する予防効果を同時に得ることができ、接種のために医療機関を訪れる回数を減らすこともできます。ただし、副反応が出た場合にどちらのワクチンによるものか判断しにくくなる可能性があるため、医師と相談のうえで判断してください。
最も多い副反応は接種部位の痛み、腫れ、発赤で、接種者の10〜20%に見られます。これらは通常2〜3日で自然に治まります。また、発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛などの全身症状が現れることもありますが、通常は軽度で一時的なものです。まれにアナフィラキシーなどの重篤な副反応が起こることがありますが、その頻度は極めて低いとされています。副反応が心配な方は、接種前に医師に相談してください。
2024-2025シーズンのワクチンは、WHOの推奨に基づいてA型2株(H1N1pdm09株、H3N2株)とB型2株の計4価ワクチンとなっています。今シーズンは特にA型インフルエンザの流行が活発で、昨シーズンと比較して感染者数が増加傾向にあります。ワクチン株と流行株の一致度も良好とされており、適切な予防効果が期待できます。
インフルエンザワクチンの効果は接種後約5か月間持続します。例えば、1月に接種した場合は6月頃まで効果が続く計算になります。流行期間中に接種することで、その年の流行の終盤まで予防効果を維持できるメリットがあります。ただし、効果の持続期間には個人差があり、高齢者や免疫機能が低下している方では効果が早めに減弱する可能性もあります。
はい、ぜひ接種を検討してください。家族の中で一人でも未接種の方がいると、その方が感染源となって家庭内感染が広がるリスクがあります。特に高齢者や乳幼児、基礎疾患のある方が同居している場合、未接種の方が感染することで重症化リスクの高い家族にも感染が及ぶ可能性があります。流行期間中であっても、家族全員が接種を完了することで家庭内の感染リスクを大幅に減らすことができます。
📝 まとめ
インフルエンザ予防接種は今からでも間に合います。流行期間中であっても、接種から約2週間で効果が現れ、接種後約5か月間にわたって予防効果が持続するため、残りの流行期間に対して十分に意義のある予防策となります。
特に高齢者、基礎疾患のある方、妊婦、乳幼児の保護者、医療従事者、受験生などは、流行期間中であっても積極的に接種を検討すべきです。完全な感染予防は期待できませんが、重症化や合併症のリスクを大幅に軽減できる重要な効果が期待できます。
予防接種と併せて、手洗い・手指消毒、マスクの着用、室内の加湿、十分な睡眠と栄養といった日常的な感染予防対策を継続することで、より効果的にインフルエンザから身を守ることができます。
「もう遅いかもしれない」と躊躇するよりも、今からでも行動を起こすことが大切です。医療機関にワクチンの在庫があるかを確認し、接種を検討してみてください。流行の終盤まで続く予防効果により、自分自身と大切な人たちを守ることにつながります。
📚 参考文献
- 厚生労働省 – インフルエンザ(総合ページ)
- 国立感染症研究所 – インフルエンザ流行レベルマップ
- 厚生労働省 – インフルエンザQ&A
- 日本小児科学会 – インフルエンザワクチンに関する考え方
- 日本感染症学会 – インフルエンザワクチンについて
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務