一般皮膚科

かゆみ止め塗り薬の種類と選び方|症状別に正しく使おう

💊 市販のかゆみ止め、なんとなく選んでいませんか?
実は間違った薬を選ぶと症状が長引いたり、悪化したりすることも。

この記事を読めば、自分のかゆみに本当に合った塗り薬がわかります。ドラッグストアでもう迷わない!

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💡 この記事でわかること

📌 かゆみ止め塗り薬の種類・成分の違い
📌 症状・部位別の正しい選び方
📌 市販薬で治らないときのサイン


目次

  1. かゆみはなぜ起こるのか
  2. かゆみ止め塗り薬の主な種類
  3. ステロイド外用薬とは
  4. 非ステロイド系かゆみ止め薬とは
  5. 抗ヒスタミン成分配合の塗り薬
  6. その他の成分(局所麻酔薬・清涼感成分など)
  7. 症状別・部位別のかゆみ止め選び方
  8. 塗り薬の正しい使い方と注意点
  9. 市販薬と処方薬の違い
  10. かゆみが長引くときは医療機関へ
  11. まとめ

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この記事のポイント

かゆみ止め塗り薬にはステロイド・抗ヒスタミン薬・局所麻酔薬など複数の種類があり、症状の原因・部位・重症度に応じた選択が重要。市販薬で1週間改善しない場合は皮膚科への受診を推奨。

💡 かゆみはなぜ起こるのか

かゆみを引き起こすメカニズムを知ることは、適切なかゆみ止め薬を選ぶうえで非常に重要です。かゆみ(医学的には「瘙痒」と呼びます)は、皮膚に分布する神経が刺激されることで生じます。この刺激を引き起こす主な物質として、「ヒスタミン」が広く知られています。

ヒスタミンは、アレルギー反応や炎症が起きたとき、皮膚の肥満細胞(マスト細胞)から放出される化学物質です。虫刺されや花粉、ハウスダスト、特定の食品などがアレルゲンとなり、免疫細胞がこれらに反応することでヒスタミンが大量に放出されます。ヒスタミンが皮膚の神経末端にある受容体(H1受容体)に結合すると、かゆみのシグナルが脊髄を経由して脳に伝わり、かゆいという感覚が生じます。

一方、ヒスタミン以外のかゆみのメカニズムも存在します。たとえば、乾燥による皮膚バリア機能の低下、慢性的な炎症による神経の過敏化、あるいはサイトカインと呼ばれる炎症性物質の関与など、さまざまな経路でかゆみは引き起こされます。アトピー性皮膚炎や乾癬など、一部の慢性疾患では、ヒスタミン以外の経路が主要な役割を担っていることもわかっています。

かゆみの原因が異なれば、効果的な治療薬も変わります。そのため、かゆみ止め薬を選ぶ際には、まず「なぜかゆいのか」という原因を把握することが大切です。

Q. かゆみはなぜ起こるのか?

かゆみは皮膚の神経が刺激されることで生じます。主な原因物質はヒスタミンで、アレルギー反応時に肥満細胞から放出され、神経末端のH1受容体に結合してかゆみのシグナルを脳へ伝えます。乾燥や慢性炎症、サイトカインなどヒスタミン以外の経路が関与する場合もあります。

📌 かゆみ止め塗り薬の主な種類

かゆみ止め塗り薬には、大きく分けていくつかの種類があります。それぞれ含まれる成分が異なり、作用のしくみも違います。主なカテゴリーとして以下のものがあります。

まず、ステロイド外用薬です。炎症を抑える作用が強く、アトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎など、炎症を伴うかゆみに対して非常に効果的です。次に、非ステロイド系の抗炎症薬です。ステロイドを使いたくない方向けに開発されたもので、比較的軽度の炎症に用いられます。

また、抗ヒスタミン成分を含む塗り薬もあります。かゆみの原因物質であるヒスタミンの働きを局所的にブロックすることで、かゆみを和らげます。さらに、局所麻酔成分を含む塗り薬は、神経の興奮を一時的に抑えることでかゆみや痛みを鎮めます。清涼感成分(メントールやカンフルなど)を含む薬は、皮膚を冷やすような感覚で一時的なかゆみ緩和を助けます。

市販薬の多くはこれらの成分を複数組み合わせて配合されており、幅広いかゆみ症状に対応できるよう工夫されています。一方で、処方薬は特定の症状に特化した成分が含まれていることが多く、医師の診断のもとで使用されます。

✨ ステロイド外用薬とは

ステロイド外用薬は、コルチコステロイドと呼ばれる副腎皮質ホルモンに似た合成成分を含む塗り薬です。炎症を引き起こすさまざまな物質の産生を抑制し、皮膚の赤み・腫れ・かゆみを強力に鎮める働きがあります。皮膚科領域では最も広く使用されている薬剤のひとつです。

ステロイド外用薬は、その強さによって5段階(I〜V群)に分類されています。

I群(ストロンゲスト)は最も作用が強く、主に重症の皮膚疾患に使用されます。市販薬には含まれておらず、処方薬に限られます。II群(ベリーストロング)も処方薬のみで、中程度から重度の湿疹や皮膚炎に使われます。III群(ストロング)は処方薬が中心ですが、一部の市販薬にも弱めのものが含まれています。IV群(ミディアム)は処方薬・市販薬ともに幅広く使われており、一般的な湿疹や皮膚炎に適しています。V群(ウィーク)は最も作用が弱く、市販薬にも多く含まれており、顔や粘膜に近い部位、小児への使用に向いています。

ステロイド外用薬は非常に効果的ですが、長期間・広範囲に使用すると皮膚が薄くなる(皮膚萎縮)、毛細血管が拡張する、ニキビや毛嚢炎が生じるなどの副作用が起こる可能性があります。また、顔面や目の周囲への使用は特に注意が必要です。適切な強さのものを選び、用法用量を守って使用することが大切です。

日本皮膚科学会では、ステロイド外用薬を適切に使用することがアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の管理において非常に重要であると明言しており、正しく使えば安全性の高い薬剤とされています。むやみに怖がるのではなく、専門家の指導のもとで正しく活用することが望まれます。

Q. ステロイド外用薬の強さの分類は?

ステロイド外用薬はI〜V群の5段階に分類されます。I群(ストロンゲスト)が最も強く処方薬のみ、V群(ウィーク)が最も弱く市販薬にも多く含まれます。市販薬はIV〜V群が中心で、顔や子どもへの使用にはV群が推奨されています。

🔍 非ステロイド系かゆみ止め薬とは

ステロイドの副作用が気になる方や、比較的軽度の炎症に対して使用されるのが非ステロイド系の抗炎症薬(NSAIDs:非ステロイド性抗炎症薬)を含む外用薬です。代表的な成分としては、ウフェナマート、ブフェキサマク(現在は一部使用制限あり)、インドメタシン、ジクロフェナクナトリウムなどが挙げられます。

これらの成分は、炎症に関わるプロスタグランジンという物質の産生を抑えることで、炎症やかゆみを緩和します。ステロイドほどの強力な作用はありませんが、皮膚萎縮などのステロイド特有の副作用が出にくいという利点があります。

ただし、非ステロイド系外用薬にもデメリットがあります。特に注意すべきなのが、「光線過敏症」です。これは薬を塗った部分が紫外線に当たると、日焼けのような炎症反応が起きてしまう副作用で、ケトプロフェンを含む外用薬(湿布薬など)で特に報告されています。また、接触性皮膚炎(かぶれ)を起こすこともあります。

非ステロイド系の塗り薬は、軽い炎症や関節の痛みを伴うかゆみ、打撲などの痛みに対して使われることが多く、重度の皮膚炎には効果が不十分なことも多いため、症状に合わせた選択が求められます。

💪 抗ヒスタミン成分配合の塗り薬

抗ヒスタミン成分を含む塗り薬は、かゆみを引き起こすヒスタミンの働きを局所的にブロックすることで、かゆみを和らげます。代表的な成分としては、ジフェンヒドラミン(ベナドリルやレスタミンなど)、クロルフェニラミンマレイン酸塩などがあります。

これらの成分は、虫刺されや蕁麻疹、軽度のアレルギー性皮膚炎などに特に効果を発揮します。虫刺されによるかゆみは、ヒスタミンが主要な原因物質となっているため、抗ヒスタミン薬が有効です。市販の虫刺され薬にも多く含まれており、ムヒやキンカンなどの商品名でなじみ深い成分です。

一方で、抗ヒスタミン外用薬には注意点もあります。まず、塗布した部位が日光に当たると光感作(光アレルギー反応)が生じることがあります。また、長期間塗り続けることで接触性皮膚炎を起こすリスクがあります。さらに、ジフェンヒドラミンなどは内服薬では眠気を引き起こすことで知られていますが、外用薬でも一部が皮膚から吸収されるため、特に広範囲に使用する場合は眠気や口の渇きが現れることがあります。

なお、抗ヒスタミン外用薬は「かゆみ止め」としての作用はありますが、皮膚の炎症を根本的に鎮める効果はステロイドに比べて弱いとされています。炎症が強い場合や慢性化した場合には、ステロイド外用薬の使用を検討する必要があります。

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🎯 その他の成分(局所麻酔薬・清涼感成分など)

かゆみ止め塗り薬には、抗ヒスタミン薬やステロイドのほかにも、様々な成分が使われています。ここでは代表的なものをいくつか紹介します。

局所麻酔薬(リドカイン、テトラカイン、ジブカインなど)は、皮膚の神経を一時的に麻痺させることで、かゆみや痛みのシグナルを遮断します。即効性があるため、急性のかゆみや痛みに素早く対処できます。市販の虫刺されや皮膚炎の薬に広く使われていますが、アレルギー反応を起こすことがあるため、初めて使う方は少量から試すことが推奨されます。

メントールやカンフルは、清涼感を与える成分として知られています。皮膚を冷却する感覚を引き起こすことで、かゆみや灼熱感を和らげる効果があります。特にメントールはTRPM8という温度感受性の受容体に作用し、「冷たい」という感覚を生じさせます。根本的な炎症を抑えるわけではありませんが、一時的なかゆみ緩和に有用です。

グリチルリチン酸(甘草由来の成分)は、弱い抗炎症作用を持ち、肌荒れや炎症に伴うかゆみの緩和に使用されます。ステロイドほどの強さはありませんが、副作用が少ないため、顔や敏感肌への使用にも比較的向いているとされています。化粧品や医薬部外品にも広く使われている成分です。

酸化亜鉛は、収斂・消炎作用があり、赤みや炎症を抑えるとともに、皮膚を保護する働きもあります。赤ちゃんのおむつかぶれや軽度の皮膚炎に古くから使用されてきた成分で、安全性が高く刺激が少ないため、子どもにも使いやすい成分のひとつです。

Q. 非ステロイド系塗り薬の注意点は何ですか?

非ステロイド系外用薬はプロスタグランジンの産生を抑え炎症を緩和しますが、皮膚萎縮などのステロイド特有の副作用は出にくい利点があります。一方で、光線過敏症(特にケトプロフェン含有製品)や接触性皮膚炎のリスクがあります。重度の皮膚炎には効果が不十分なこともあります。

💡 症状別・部位別のかゆみ止め選び方

かゆみ止め塗り薬を選ぶ際には、「症状の種類」と「部位」の両面から考えることが重要です。

虫刺されによるかゆみの場合、原因は主にヒスタミンや異物(虫の唾液など)に対するアレルギー反応です。抗ヒスタミン成分配合の塗り薬が基本ですが、腫れや炎症が強い場合はステロイド外用薬(弱〜中程度のもの)を用いると効果的です。局所麻酔薬や清涼感成分を含む製品も、急性のかゆみに素早くアプローチできます。

アトピー性皮膚炎による慢性的なかゆみには、皮膚科でステロイド外用薬を処方してもらうことが基本となります。市販の弱いステロイド外用薬は軽症例には有効ですが、中等症〜重症例では医師の指導が必要です。また、保湿剤を併用して皮膚バリア機能を補うことも非常に重要です。

接触性皮膚炎(かぶれ)は、特定の物質が皮膚に触れることで起きるアレルギー反応または刺激反応です。原因となる物質(金属、洗剤、植物など)から離れることが最優先ですが、かゆみや炎症にはステロイド外用薬や抗ヒスタミン外用薬が有効です。

乾燥によるかゆみ(皮脂欠乏性湿疹)は、特に冬場に高齢者や乾燥肌の方に多く見られます。保湿剤(ヘパリン類似物質、尿素、セラミドなど)をしっかり塗ることが基本で、炎症が生じている場合はステロイドを短期間使用します。かゆみ止め成分だけでなく、保湿成分配合の製品を選ぶとよいでしょう。

部位別の注意点としては、顔(特に目や口の周囲)は皮膚が薄く吸収が良いため、弱めのステロイドや非ステロイド系薬を使用します。頭皮はローションやフォームタイプが使いやすく、頭皮専用の製品が適しています。陰部・粘膜周囲は吸収が非常によく副作用が出やすいため、専用の弱いステロイド薬か、皮膚科での相談をおすすめします。手の平や足の裏は皮膚が厚く薬の吸収が悪いため、やや強めの製品が必要なこともあります。

子ども(小児)のかゆみには、刺激の少ない成分で作られた製品を選ぶ必要があります。ステロイドを使用する場合でも、弱い群のものから始め、用量や使用期間に特に注意が必要です。不安な場合は小児科や皮膚科に相談してください。

📌 塗り薬の正しい使い方と注意点

かゆみ止め塗り薬は、正しく使うことで効果が最大化され、副作用のリスクも低減できます。以下に、基本的な正しい使い方と注意点をまとめます。

まず、使用前に患部を清潔にすることが基本です。汚れや汗が残った状態では薬が皮膚にうまく浸透しません。石けんや水で軽く洗い、水分をやさしく拭き取ってから薬を塗るようにしましょう。

薬の量については、「FTU(フィンガーチップユニット)」という目安が皮膚科の世界では使われています。これは、大人の人差し指の第一関節から指先までの長さ分(約0.5g)のクリームや軟膏を両手のひら2枚分の面積に塗る量が適量とされるものです。少なすぎると効果が出にくく、塗りすぎると副作用のリスクが高まることもあります。

塗り方は、患部に適量を出し、指の腹で薄く均一に伸ばすのが基本です。強くこすりつけると皮膚を傷めることがあるため、優しく丁寧に塗り広げましょう。軟膏はベタつきが強いですが油分が多く保護効果が高く、クリームは伸びがよく使いやすいものの刺激になる場合もあります。ローションやジェルは広範囲に塗りやすく、頭皮や体幹への使用に向いています。

使用回数・期間については、薬ごとに異なりますが、一般的に1日1〜2回の使用が多いです。「かゆくなったときだけ塗る」という方もいますが、炎症を伴う場合は炎症が落ち着くまで定期的に塗ることが推奨される場合もあります。ただし、長期間(2〜4週間以上)同じ部位に塗り続けることは、副作用のリスクを高めるため避けましょう。

注意すべき点として、目の周囲への使用は製品によって禁忌となっているものがあります。また、ただれや傷がある部位への使用も、感染を悪化させる恐れがあるため避けるべきです。妊娠中・授乳中の方は、特にステロイド外用薬の使用についてかかりつけ医や薬剤師に相談してください。また、子どもへの使用は、薬の種類と使用量に細心の注意が必要です。

さらに、市販のかゆみ止め薬を連続して使用する場合は、5〜7日使っても改善が見られない場合は医療機関を受診することが望ましいとされています。かゆみが長引く場合は、より深刻な皮膚疾患や全身疾患が隠れていることもあるからです。

Q. かゆみ止め薬を市販薬で使い続けてよい期間は?

市販のかゆみ止め薬は約1週間使用しても改善しない場合、皮膚科への受診が推奨されます。アイシークリニックでも、長期間市販薬を使い続けた後に受診される患者様が多く見受けられます。かゆみが長引く場合は皮膚疾患だけでなく内臓疾患が隠れていることもあるため早期受診が重要です。

✨ 市販薬と処方薬の違い

かゆみ止め塗り薬は、大きく「市販薬(OTC医薬品)」と「処方薬(医療用医薬品)」の2種類に分けられます。それぞれの違いを正しく理解することが、適切な治療への第一歩となります。

市販薬は、薬局・ドラッグストアなどで処方箋なしに購入できる薬です。比較的軽症例を対象に設計されており、安全性を考慮して成分の濃度が控えめに設定されています。ステロイド外用薬の場合、市販薬に含まれる成分はV群(ウィーク)やIV群(ミディアム)が多く、I〜II群の強力なものは処方薬のみです。

一般名で見ると、デキサメタゾン酢酸エステルはIV群相当で市販薬に含まれることもありますが、クロベタゾールプロピオン酸エステル(I群)やベタメタゾン吉草酸エステル(III群)などは処方薬に限られます。また、市販薬では単一成分だけでなく、抗ヒスタミン薬・局所麻酔薬・ステロイドを組み合わせた複合製品が多く、幅広い症状に対応できるように工夫されています。

処方薬は医師の診察を経て処方されるため、患者の症状・年齢・全身状態に合わせた最適な薬を選択してもらえます。強力なステロイド外用薬や、タクロリムスなどのカルシニューリン阻害薬(非ステロイド系抗炎症薬で、アトピー性皮膚炎に使用)など、市販薬では購入できない薬剤が使えることが最大のメリットです。

タクロリムス外用薬(プロトピック軟膏など)は、ステロイド外用薬の長期使用が難しい顔面や頸部などの部位でのアトピー性皮膚炎に用いられる処方薬で、皮膚萎縮などのステロイド特有の副作用がない点が特長です。また、近年ではデルゴシチニブ(コレクチム軟膏)やジファミラスト(モイゼルト軟膏)といった新しい作用機序の外用薬も登場しており、難治性のアトピー性皮膚炎においてより多くの治療選択肢が生まれています。

費用面では、市販薬は保険が適用されませんが少額で手軽に購入できます。一方、処方薬は保険適用により自己負担が抑えられることが多く、高価な薬も処方を通じて利用しやすくなります。

症状が軽度で短期間のものであれば市販薬での対応も十分ですが、症状が慢性的・広範囲・重度の場合や、子ども・妊婦・高齢者など特別な配慮が必要な場合は、医療機関での受診と処方薬の使用を積極的に検討しましょう。

🔍 かゆみが長引くときは医療機関へ

市販のかゆみ止め薬を使ってもなかなかかゆみが治まらない、あるいは繰り返す場合は、皮膚科などの医療機関を受診することを強くおすすめします。かゆみが長引く場合には、様々な原因が考えられるからです。

皮膚科を受診すべきかどうかの目安としては、まず市販薬を1週間ほど使っても改善しない場合が挙げられます。また、かゆみが夜間に強くなり睡眠が妨げられる場合、皮膚に水疱・びらん・ただれ・浸出液が見られる場合、特定の部位(頭皮・陰部・耳の後ろなど)にかゆみが集中している場合、全身にかゆみが広がっている場合なども受診の目安です。

かゆみを引き起こす皮膚疾患には、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、蕁麻疹、乾癬、脂漏性皮膚炎、白癬(水虫)、疥癬(ヒゼンダニによる感染症)などさまざまなものがあります。これらは見た目が似ていることも多く、自己判断での薬の選択には限界があります。

特に疥癬は感染力が強く、適切な治療を行わなければ家族や周囲の人にも感染が広がります。また、白癬(水虫)にステロイドを塗り続けると感染が悪化することがあります。このように、誤った薬を使い続けることで症状が悪化することもあるため、長引くかゆみや増悪するかゆみは専門医への受診が不可欠です。

さらに、かゆみは皮膚疾患だけでなく、全身疾患のサインである場合もあります。たとえば、腎臓病(慢性腎不全)、肝疾患(胆汁うっ滞)、甲状腺疾患、糖尿病、血液疾患(真性多血症など)、悪性腫瘍などでも全身性のかゆみが生じることがあります。原因不明の全身のかゆみが続く場合は、皮膚科だけでなく内科での検査も検討してみてください。

また、特定の薬剤の副作用としてかゆみが生じることもあります。服薬中の方でかゆみが現れた場合は、処方医や薬剤師に相談することが大切です。

アイシークリニック渋谷院では、皮膚のかゆみや湿疹に関するご相談も受け付けております。症状が気になる方は、お気軽にご来院ください。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、かゆみを主訴にご来院される患者様の多くが、市販薬を長期間使い続けた後に受診されるケースが見受けられます。ステロイド外用薬は適切な強さのものを選び正しく使えば非常に頼りになる薬ですが、症状の原因によっては抗ヒスタミン薬や保湿剤との併用が必要なこともあり、自己判断には限界があります。「なかなか治らない」「繰り返す」と感じたら、早めにご相談いただくことが症状の長期化を防ぐ大切な一歩ですので、どうぞお気軽にご来院ください。」

💪 よくある質問

ステロイド外用薬は怖い薬ですか?副作用は大丈夫ですか?

適切な強さのものを選び、用法・用量を守って使用すれば安全性の高い薬剤です。日本皮膚科学会も正しい使用を推奨しています。ただし、長期間・広範囲への使用は皮膚萎縮などの副作用リスクがあります。不安な場合は医師や薬剤師にご相談ください。

市販のかゆみ止めと処方薬は何が違うのですか?

市販薬は弱〜中程度のステロイドや複合成分が中心で、軽症向けに設計されています。処方薬は医師の診察をもとに症状に最適な薬が選ばれ、市販薬では入手できない強力なステロイドや、タクロリムスなどの新しい成分も使用できます。慢性・重度の症状には処方薬が推奨されます。

虫刺されのかゆみには何を塗ればよいですか?

虫刺されのかゆみはヒスタミンが主な原因のため、抗ヒスタミン成分配合の塗り薬が基本です。腫れや炎症が強い場合は弱〜中程度のステロイド外用薬が効果的です。局所麻酔薬や清涼感成分(メントールなど)を含む製品も、急性のかゆみに素早く対処できます。

かゆみ止め薬を顔に塗っても大丈夫ですか?

顔、特に目や口の周囲は皮膚が薄く薬の吸収が良いため、強いステロイドは避け、弱め(V群)のステロイドか非ステロイド系薬を使用するのが基本です。また、目の周囲への使用が禁忌となっている製品もあるため、使用前に必ず添付文書を確認してください。

市販薬を使っても治らない場合、いつ病院へ行くべきですか?

市販薬を約1週間使用しても改善しない場合は、皮膚科への受診をおすすめします。当院でも、夜間のかゆみで睡眠が妨げられる、水疱やただれが見られる、全身にかゆみが広がるなどの症状がある場合は早めの受診を推奨しています。かゆみが長引くと皮膚疾患だけでなく内臓疾患が隠れている場合もあります。

🎯 まとめ

かゆみ止め塗り薬には、ステロイド外用薬、非ステロイド系抗炎症薬、抗ヒスタミン薬、局所麻酔薬、清涼感成分など、さまざまな種類があります。それぞれ作用のメカニズムが異なるため、症状の原因や部位、重症度に応じた適切な選択が重要です。

市販薬で対応できる軽度のかゆみもありますが、慢性的・広範囲・重度のかゆみや、長引くかゆみには皮膚科での診察と処方薬の使用が推奨されます。とくに、ステロイド外用薬を使う際は、適切な強さのものを選び、用法・用量を守ることが副作用を防ぐうえで非常に重要です。

かゆみは「ついかいてしまう」ことで皮膚を傷め、さらなる炎症やかゆみを招く悪循環(かゆみ・掻破サイクル)を引き起こします。早めに適切な対処をすることが、症状の長期化や悪化を防ぐことにつながります。

市販薬を使用しても改善しない場合や、症状の原因がよくわからない場合は、ためらわずに皮膚科などの医療機関を受診しましょう。専門家による適切な診断と治療が、快適な日常生活を取り戻す近道です。

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📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – アトピー性皮膚炎診療ガイドラインおよびステロイド外用薬の適正使用に関する指針。記事内で言及しているステロイド外用薬の5段階分類、タクロリムス外用薬・デルゴシチニブ等の処方薬情報、アトピー性皮膚炎の治療方針の根拠として参照。
  • 厚生労働省 – OTC医薬品(市販薬)と医療用医薬品の分類・成分規制に関する情報。記事内で解説している市販薬と処方薬の違い、成分濃度の規制、医薬部外品の区分などの根拠として参照。
  • PubMed – かゆみ(瘙痒)のメカニズム、ヒスタミンH1受容体・TRPM8受容体の作用、非ステロイド系抗炎症薬の光線過敏症リスク、カルシニューリン阻害薬の有効性に関する査読済み医学文献の根拠として参照。
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