健康診断の結果で「白血球の数値が高い」と指摘され、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。白血球は私たちの体を感染症から守る重要な免疫細胞であり、その数値の変動には様々な意味があります。
本記事では、白血球が多い人に見られる特徴や、白血球増加の原因、現れる症状、そして適切な対処法について詳しく解説します。健康診断で白血球増加を指摘された方、自分の体の状態をより深く理解したい方に役立つ情報をお届けします。
目次
- 白血球とは
- 白血球の種類と役割
- 白血球の基準値について
- 白血球が多い人に見られる特徴
- 白血球増加の主な原因
- 白血球が多いときに現れる症状
- 白血球が多いと指摘されたときの対処法
- 精密検査が必要なケース
- 白血球値を正常化させるための生活習慣
- まとめ
1. 白血球とは
白血球は、血液中に存在する細胞成分の一つで、私たちの体を外部から侵入する病原体や異物から守る重要な役割を担っています。英語では「White Blood Cell(WBC)」と呼ばれ、血液検査の結果表では「WBC」と表記されることが一般的です。
白血球は骨髄で作られる造血幹細胞から生まれ、血液中を循環しながら体内を巡回しています。細菌やウイルス、真菌、寄生虫などの病原体が体内に侵入すると、白血球はこれらを攻撃し、排除する働きをします。この働きは「免疫機能」と呼ばれ、私たちの健康を維持するために欠かせないものです。
白血球の大きさは約6~30マイクロメートル(μm)で、赤血球よりも大きいのが特徴です。血液1マイクロリットル(μL)あたりに含まれる白血球の数は、健康な成人で約3,500~9,000個程度とされています。
白血球は単一の種類ではなく、それぞれ異なる役割を持つ複数の細胞の総称です。これらの細胞が協力し合うことで、私たちの体は様々な病原体から守られています。
2. 白血球の種類と役割
白血球は大きく分けて5つの種類に分類され、それぞれが異なる役割を担っています。これらは「白血球分画」として検査結果に記載されることがあります。
好中球(こうちゅうきゅう)
好中球は白血球全体の約50~70%を占める最も多い白血球です。細菌や真菌(カビ)に対する防御の最前線で活躍し、体内に侵入した病原体を直接取り込んで消化する「貪食作用」という働きを持っています。
細菌感染症が起こると、好中球は感染部位に素早く集結し、病原体を攻撃します。傷口から発生する膿は、細菌との戦いで死んだ好中球の集まりです。好中球の寿命は約10時間と短く、骨髄では1日に約1,000億個もの好中球が新たに作られています。
リンパ球
リンパ球は白血球の約20~40%を占め、主に免疫反応に関わる細胞です。リンパ球には大きく分けてB細胞、T細胞、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)の3種類があります。
B細胞は抗体を産生して病原体を攻撃し、T細胞は感染した細胞を直接攻撃したり、他の免疫細胞の働きを調節したりします。NK細胞はウイルス感染細胞やがん細胞を攻撃する役割を持っています。リンパ球は一度出会った病原体の情報を記憶し、再び同じ病原体に遭遇したときに素早く対応する「免疫記憶」の機能も担っています。リンパ球の寿命は数年と長く、好中球とは対照的です。
単球
単球は白血球の約3~8%を占める、白血球の中で最も大きな細胞です。単球は血液中から組織内に移動すると「マクロファージ」と呼ばれる大型の細胞に変化し、細菌や死んだ細胞、異物などを貪食して処理します。
マクロファージは「大食細胞」とも呼ばれ、非常に強い貪食能力を持っています。また、取り込んだ病原体の情報をリンパ球に伝える「抗原提示」という重要な役割も果たしています。
好酸球(こうさんきゅう)
好酸球は白血球の約0.5~5%を占め、主にアレルギー反応や寄生虫感染に関与する細胞です。アレルギー症状のある人では、好酸球の割合が3~5%程度に増加することがあります。
好酸球は気管支喘息やアトピー性皮膚炎、じんま疹などのアレルギー疾患で増加することが多く、アレルギー反応を抑制する働きも持っています。
好塩基球(こうえんききゅう)
好塩基球は白血球全体の1%未満を占める、最も数が少ない白血球です。細胞内にヒスタミンやヘパリンなどの物質を含んでおり、アレルギー反応に関与しています。
好塩基球はアナフィラキシーやじんま疹、気管支喘息などのアレルギー反応を引き起こす一方で、血管内での血液凝固を防ぐ働きもあります。
3. 白血球の基準値について
白血球数の基準値は、検査機関や医療機関によって若干の違いがありますが、一般的に以下のように定められています。
白血球数の基準値
日本人間ドック学会が定める基準では、白血球数の正常範囲は3,100~8,400個/μLとされています。医療機関によっては3,300~8,600個/μL、3,500~9,000個/μLなど、多少異なる基準を採用していることもあります。
基準値を超える場合、以下のような段階で評価されることが多いです。
- 軽度異常:8,500~9,000個/μL程度
- 要経過観察:9,000~9,900個/μL程度
- 要医療・要精密検査:10,000個/μL以上、または3,000個/μL以下
一般的に10,000個/μL以上の場合は「白血球増加症」と診断され、原因の精査が必要となることがあります。
個人差と日内変動
白血球数には個人差が大きいという特徴があります。例えば、ある人は普段3,500~4,500個/μL程度で推移し、別の人は7,000~8,000個/μL程度で推移するということがあります。そのため、集団の基準値内に収まっていても、個人の普段の値から大きく変動している場合は注意が必要です。
また、白血球数は1日の中でも変動します。一般的に朝は少なく、夕方にかけて増加する傾向があります。季節による変動もあり、夏場よりも冬場の方が多くなる傾向が報告されています。
さらに、食事、運動、精神的なストレスなどによっても一時的に変動することがあります。そのため、1回の検査結果だけで判断するのではなく、複数回の検査結果を比較することが重要です。
4. 白血球が多い人に見られる特徴
健康診断などで白血球増加を指摘される人には、いくつかの共通した特徴が見られることがあります。ただし、これらの特徴があるからといって必ずしも問題があるわけではなく、また特徴がなくても白血球が増加している場合もあります。
喫煙習慣がある
喫煙者は非喫煙者と比較して白血球数が多い傾向があります。たばこに含まれる有害物質によって、気管支や血管に慢性的な炎症が起こり、白血球(特に好中球やリンパ球)が増加します。
研究によると、1日20本の喫煙は男性で約1,600個/μL、女性で約2,500個/μLの白血球増加に関連するとされています。この影響は喫煙を続ける限り持続し、禁煙後も白血球数が正常化するまでには数年かかることが知られています。
肥満傾向にある
肥満の人は白血球数が高くなりやすい傾向があります。脂肪組織は単なるエネルギーの貯蔵庫ではなく、様々な炎症性物質を産生する臓器でもあります。肥満状態では体内で慢性的な軽度の炎症が起こり、これに反応して白血球が増加します。
研究では、BMI(体格指数)が10kg/m²増加するごとに、男性で約450個/μL、女性で約620個/μLの白血球増加が見られるとされています。
慢性的なストレスを抱えている
精神的なストレスや身体的なストレスが続くと、白血球数が増加することがあります。ストレスによって分泌されるホルモン(コルチゾールやアドレナリンなど)が免疫系に影響を与え、白血球の産生や動員が促進されるためです。
強いストレスを感じている人、睡眠不足が続いている人、激しい運動を行った直後の人などでは、一時的に白血球が増加していることがあります。
何らかの感染症にかかっている
風邪、インフルエンザ、細菌感染症など、何らかの感染症にかかっている場合は白血球が増加します。これは体が病原体と戦うために免疫反応を活性化させた結果であり、正常な防御反応です。
健康診断の直前に風邪を引いていた、熱を出していたという場合は、感染症による一時的な増加と考えられることが多いです。
アレルギー体質である
アレルギー疾患(気管支喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症など)を持っている人は、白血球の中でも特に好酸球が増加していることがあります。アレルゲンに対する体の過剰な免疫反応として白血球が動員されるためです。
妊娠中である
妊娠中、特に妊娠後期には白血球数が生理的に増加します。10,000~15,000個/μL程度になることも珍しくありません。これは出産時の出血や感染から母体を守るための正常な反応であり、通常は心配する必要はありません。
特定の薬を服用している
ステロイド薬(副腎皮質ホルモン)を服用している場合、白血球数が増加することがあります。その他、エピネフリン(アドレナリン)製剤やG-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)なども白血球を増加させます。
5. 白血球増加の主な原因
白血球が多くなる原因は大きく分けて「生理的な原因」と「病的な原因」の2つに分類されます。
生理的な原因(病気ではない原因)
生理的変動による白血球増加は、特に治療を必要としない一時的なものです。
ストレス
精神的なストレスや身体的なストレス(激しい運動、睡眠不足など)によって白血球が増加します。ストレスホルモンの影響で、血管壁に付着していた白血球が血液中に放出されるためです。
喫煙
前述の通り、喫煙による慢性的な炎症が白血球増加の原因となります。喫煙は白血球増加だけでなく、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高めるため、禁煙が強く推奨されます。
肥満
肥満に伴う慢性炎症が白血球増加につながります。適切な体重管理が重要です。
運動直後
激しい運動の直後は一時的に白血球が増加します。これは運動によるストレス反応であり、通常は数時間で正常に戻ります。
食事の影響
高タンパク質の食品を摂取した後や、食事直後には白血球が一時的に増加することがあります。
月経・出産
女性の場合、月経周期や出産に伴って白血球数が変動することがあります。
時間帯・季節
白血球数は朝よりも夕方に多く、また夏場よりも冬場に多い傾向があります。
病的な原因(治療が必要な可能性がある原因)
以下のような病的な原因による白血球増加の場合は、原因となる疾患の治療が必要です。
感染症
細菌感染症は白血球増加の最も一般的な原因です。肺炎、扁桃炎、虫垂炎、膀胱炎、敗血症など、様々な細菌感染症で好中球を中心に白血球が増加します。ウイルス感染症の場合はリンパ球が増加することが多いですが、インフルエンザなどでは好中球も増加することがあります。
炎症性疾患
関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)などの自己免疫疾患や炎症性疾患では、慢性的な炎症反応によって白血球が増加します。
アレルギー反応
重度のアレルギー反応やアナフィラキシーでは、好酸球を中心に白血球が増加することがあります。
悪性腫瘍(がん)
がんが進行すると、腫瘍組織周囲の炎症反応によって白血球が増加することがあります。また、がんが骨髄に転移した場合も白血球数に影響を与えます。
血液疾患
白血病や骨髄増殖性疾患は、白血球が著しく増加する代表的な血液疾患です。
急性白血病
造血幹細胞の異常によって未熟な白血球(芽球)が異常に増殖する病気です。発熱、疲労感、出血傾向、貧血などの症状が現れます。早急な治療が必要となります。
慢性骨髄性白血病
骨髄内で異常な造血幹細胞が増殖し、白血球が著しく増加する血液疾患です。初期には無症状で、健康診断で発見されることが多いです。進行すると疲労感、体重減少、脾臓の腫れなどの症状が現れます。
慢性リンパ性白血病
リンパ球が異常に増殖する病気で、欧米では比較的多い白血病ですが、日本では稀な疾患です。初期は無症状で、進行するとリンパ節の腫れや貧血などが見られます。
その他の疾患
心筋梗塞、脳卒中、外傷、やけど、組織壊死なども白血球増加の原因となります。
6. 白血球が多いときに現れる症状
白血球が多い状態そのものが直接的な症状を引き起こすことは少なく、多くの場合は白血球増加の原因となっている病気の症状が現れます。
感染症が原因の場合
感染症が原因で白血球が増加している場合は、以下のような症状が見られることがあります。
- 発熱
- 疲労感
- 発汗、寒気
- 咳、痰
- のどの痛み
- 下痢、腹痛
- 排尿時の痛み
これらの症状は感染症の種類や部位によって異なります。感染症が治まれば白血球数も正常に戻ります。
ストレスや生活習慣が原因の場合
ストレスや喫煙、肥満などが原因で白血球が慢性的に高い場合は、白血球増加に直接関連する明確な症状はないことが多いです。ただし、以下のような症状を伴うことがあります。
- 慢性的な疲労感
- 頭痛
- 息切れ
- イライラ感
血液疾患が原因の場合
白血病などの血液疾患が原因の場合は、以下のような症状が現れることがあります。
- 強い疲労感、だるさ
- 発熱が続く
- 体重減少
- 寝汗
- 皮下出血(あざができやすい)
- 歯茎や鼻からの出血
- リンパ節の腫れ
- 脾臓の腫れ(左上腹部の膨満感)
- 貧血症状(動悸、息切れ、めまい)
- 感染症にかかりやすい
これらの症状がある場合は、早急に医療機関を受診することが重要です。
極めて高値の場合の症状
白血球数が極端に高い場合(10万個/μL以上など)には、血液の粘度が高くなり、以下のような重篤な症状が現れることがあります。
- 呼吸困難
- 視力障害
- 意識障害
- 脳卒中様の症状
このような状態は医療上の緊急事態であり、直ちに医療機関を受診する必要があります。
7. 白血球が多いと指摘されたときの対処法
健康診断で白血球が多いと指摘された場合、まずは慌てずに適切な対応を取ることが大切です。
まずは再検査を受ける
白血球数は日内変動や一時的な体調の影響を受けやすいため、1回の検査結果だけでは判断できないことがあります。健康診断で高値を指摘された場合は、まず再検査を受けることをお勧めします。
再検査で正常範囲に戻っていれば、健康診断時の風邪や一時的なストレスなどによる変動だった可能性が高いです。再検査でも高値が続く場合は、原因の精査が必要となります。
過去の検査結果と比較する
自分の白血球数の推移を把握することは非常に重要です。過去の健康診断結果があれば、それと比較してみましょう。普段から自分の白血球数がどの程度なのかを知っておくと、異常の早期発見に役立ちます。
症状の有無を確認する
発熱、咳、のどの痛み、倦怠感などの症状がある場合は、感染症が原因である可能性があります。また、体重減少、リンパ節の腫れ、出血傾向などの症状がある場合は、より詳しい検査が必要です。
生活習慣を見直す
喫煙している場合は禁煙を、肥満傾向にある場合は適正体重への減量を、ストレスが多い場合はストレス管理を心がけましょう。これらの生活習慣の改善は白血球数の正常化だけでなく、全身の健康維持にも役立ちます。
医療機関を受診する
以下のような場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
- 白血球数が10,000個/μL以上の場合
- 再検査でも高値が続く場合
- 発熱、出血傾向、リンパ節の腫れなどの症状がある場合
- 他の血液検査項目にも異常がある場合
- 原因が明らかでない場合
受診する診療科は、まず内科(一般内科)が適切です。必要に応じて血液内科への紹介が行われます。
8. 精密検査が必要なケース
白血球が多い場合、全員が精密検査を必要とするわけではありませんが、以下のような場合は詳しい検査が推奨されます。
精密検査が必要なケース
- 白血球数が10,000個/μL以上が持続する場合
- 白血球数が15,000個/μL以上の場合
- 白血球数が30,000個/μL以上の高度増加の場合
- 他の血球(赤血球、血小板)にも異常がある場合
- 白血球分画に異常が見られる場合(芽球の出現など)
- 発熱、出血、リンパ節腫脹などの症状がある場合
精密検査の内容
血液検査(詳細)
白血球分画(好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球の割合)を調べ、どの種類の白血球が増加しているかを確認します。また、CRP(炎症マーカー)や肝機能、腎機能なども同時に検査することがあります。
末梢血塗抹標本検査
血液を顕微鏡で観察し、白血球の形態に異常がないか、通常血液中にはいない未熟な細胞(芽球)が出現していないかを確認します。
骨髄検査
白血病などの血液疾患が疑われる場合は、骨髄穿刺(こつずいせんし)という検査が行われます。骨盤の骨などから骨髄液を採取し、血液細胞の産生状態を調べます。
画像検査
腹部超音波検査で肝臓や脾臓の腫大がないかを確認したり、CT検査でリンパ節の腫れがないかを調べたりすることがあります。
精密検査を受けるメリット
血液疾患は初期には症状がほとんどないことが多く、健康診断がきっかけで発見されることも少なくありません。精密検査を受けて重大な病気が見つかるケースは約1割程度とされていますが、早期発見・早期治療によって予後が大きく改善する疾患も多いため、指摘された場合は検査を受けることが重要です。
9. 白血球値を正常化させるための生活習慣
白血球増加の原因が生活習慣に関連している場合は、以下のような改善を心がけることで正常化が期待できます。
禁煙
喫煙は白血球増加の主要な原因の一つです。禁煙することで白血球数は徐々に減少しますが、正常化するまでには数年かかることがあります。禁煙後1年で約300個/μL減少するという報告もあり、この傾向は禁煙後3~4年続くとされています。
禁煙は白血球数の正常化だけでなく、心筋梗塞や脳卒中、がんなどのリスク低減にもつながりますので、積極的に取り組むことをお勧めします。
適正体重の維持
肥満を改善することで、体内の慢性炎症が軽減され、白血球数の正常化が期待できます。極端な食事制限ではなく、バランスの良い食事と適度な運動を組み合わせた健康的な減量を心がけましょう。
ストレス管理
慢性的なストレスは白血球増加の原因となります。以下のようなストレス管理法を取り入れることが有効です。
- 十分な睡眠時間の確保(7~8時間程度)
- 適度な運動(ウォーキング、ヨガなど)
- リラクゼーション(深呼吸、瞑想など)
- 趣味や娯楽の時間を持つ
- 悩みを一人で抱え込まず相談する
バランスの良い食事
特定の食品で白血球数を直接下げることはできませんが、バランスの良い食事は全身の健康維持に重要です。
- 野菜や果物を十分に摂取する
- 青魚(いわし、さば、さんまなど)に含まれるDHA・EPAは血液の流れを良くする
- 食物繊維を含む食品(野菜、海藻、きのこなど)を積極的に摂る
- 過度な飲酒は控える
適度な運動
適度な運動は免疫機能を正常に保ち、ストレス解消にも役立ちます。ただし、激しい運動の直後は一時的に白血球が増加するため、健康診断の直前には激しい運動を避けることをお勧めします。
定期的な健康診断
白血球数の推移を把握するために、年に1回は健康診断を受けることが大切です。過去のデータと比較することで、異常の早期発見につながります。

10. まとめ
白血球は私たちの体を感染症や異物から守る重要な免疫細胞です。健康診断で白血球が多いと指摘された場合でも、すぐに重大な病気と決まったわけではありません。
白血球増加の多くは、喫煙、肥満、ストレス、一時的な感染症などの生理的・環境的な要因によるものです。これらの場合は、生活習慣の改善や感染症の治癒によって正常化することが期待できます。
一方で、白血球が著しく増加している場合や、症状を伴う場合、他の血球にも異常がある場合などは、白血病などの血液疾患が隠れている可能性もあります。このような場合は、専門医による精密検査を受けることが重要です。
白血球増加を指摘されたら、まずは再検査を受け、必要に応じて医療機関を受診しましょう。また、禁煙、適正体重の維持、ストレス管理などの生活習慣の改善も心がけてください。
当院では、健康診断で白血球増加を指摘された方の精密検査や、血液疾患の診療を行っております。気になる症状がある方、再検査をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
参考文献
- 白血球について解説|健康診断・人間ドックのことならMYメディカルクリニック
- 白血球数が多いとどうなる?少ない場合は?基準値と疑われる病気について医師が解説|価格.com
- 白血球数からわかる病気について解説|医療法人社団エキクリ
- 白血球系疾患について|まえだクリニック
- 白血球増加(白血球が多い)|イースト血液内科クリニック
- 白血球の働き|白血球の種類と機能|看護roo!
- 白血球|Wikipedia
- 好中球増多症|MSDマニュアル家庭版
- 白血球が多い…ストレスが原因ってウソ・ホント?|Medicalook
- 血液専門医が解説|白血球数の異常について|ハレノテラス すこやか内科クリニック
- 肥満と喫煙が血球に及ぼす影響の検討|J-STAGE
- 健診で白血球などに異常が出たら 血液内科クリニックでの精密検査|ドクターズ・ファイル
- 健康診断で「白血球数異常」を指摘されたらどうすればいい?|芦屋駅前小野内科クリニック
- 白血病の症状|おしえて 白血病のコト|中外製薬
- 白血球|大正製薬 健診ガイド
- 血液検査で白血球を調べると何が分かるの?|サルスクリニック
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務