「毎日日焼け止めを塗っているのに、なぜかシミが増えてきた」「日焼け止めを選ぶとき、何を基準にすればいいかわからない」と感じたことはないでしょうか。紫外線対策はシミ予防の基本中の基本とされていますが、日焼け止めを使えば必ずシミを防げるわけではなく、選び方や使い方によって効果は大きく変わります。本記事では、シミがなぜできるのかというメカニズムから、日焼け止めの効果的な活用法、日焼け止め以外に組み合わせたいケア方法まで、医療的な観点から詳しく解説します。
目次
- シミができるメカニズムを知ろう
- 紫外線がシミに与える影響
- 日焼け止めはシミ予防に本当に効果があるのか
- SPFとPAとは?数値の正しい見方
- シミ予防に適した日焼け止めの選び方
- 日焼け止めの正しい塗り方と量
- 日焼け止めだけでは足りない?日常ケアとの組み合わせ
- すでにできてしまったシミにはどう対処する?
- クリニックで行うシミ治療の選択肢
- まとめ
この記事のポイント
日焼け止めはシミ予防に科学的に有効だが、PA++++の製品選択・適切な量(顔に1円玉2枚分)・2〜3時間ごとの塗り直しが必須。正しい使用に加え、物理的遮光や美白スキンケアとの組み合わせが効果的。既存のシミにはクリニックでの専門治療が推奨される。
🎯 シミができるメカニズムを知ろう
シミとは、皮膚の一部にメラニン色素が過剰に沈着することで生じる色の変化です。メラニンは本来、紫外線による細胞へのダメージを防ぐために皮膚が生成する物質で、外敵から体を守る重要な役割を担っています。しかし、このメラニンが適切に代謝されずに肌に蓄積してしまうと、シミや色素沈着として肌表面に現れます。
メラニンが生成される流れを簡単に説明すると、まず紫外線が皮膚に届くと、表皮の奥にある基底層でメラノサイト(色素細胞)が刺激されます。メラノサイトはその刺激に応じてメラニンを生成し、周囲のケラチノサイト(角化細胞)に渡していきます。通常は肌のターンオーバー(新陳代謝)によって、メラニンを含んだ角化細胞が古い角質として剥がれ落ちることで、色素が外に排出されます。
しかし、紫外線への継続的な曝露や、加齢によるターンオーバーの乱れ、ホルモンバランスの変化などが重なると、メラニンの生成量がターンオーバーによる排出量を上回ってしまいます。その結果、メラニンが皮膚内に蓄積してシミとして定着するのです。
また、シミには種類があります。最も一般的なのは「老人性色素斑」と呼ばれるもので、日光の影響で長年かけて形成される丸い形のシミです。他にも、炎症後色素沈着(ニキビ跡など)、肝斑(ホルモン影響が大きいシミ)、そばかすなど、それぞれ原因や特徴が異なります。シミの予防にアプローチするためには、まずその形成メカニズムを正確に把握することが大切です。
Q. シミができる仕組みを教えてください
シミは、紫外線などの刺激でメラノサイト(色素細胞)が活性化しメラニンを過剰生成することで起こります。通常は肌のターンオーバーでメラニンが排出されますが、加齢やホルモン変化でその機能が乱れると、メラニンが蓄積し色素沈着としてシミが定着します。
📋 紫外線がシミに与える影響
シミの形成に最も大きな影響を与えているのが紫外線です。紫外線にはいくつかの種類がありますが、肌への影響という観点では主にUVA(紫外線A波)とUVB(紫外線B波)の2種類が重要です。
UVBは波長が短く、主に表皮(皮膚の表層)に作用します。日焼けによる赤みや炎症を引き起こす原因となり、メラノサイトを直接刺激してメラニンを大量に生成させます。いわゆる「日焼けによる急性のシミ」を作る大きな要因のひとつです。また、過剰なUVB暴露は皮膚がんのリスクとも関連しているため、軽視できない存在です。
一方、UVAは波長が長く、ガラスも透過するほどの力を持ちます。雲の多い曇りの日や室内にいても、窓越しにUVAは届いてきます。UVAは皮膚のより深い層である真皮にまで到達し、コラーゲンやエラスチンを傷つけることで皮膚の老化(光老化)を促進します。また、UVAはすでに生成されたメラニンをさらに酸化・黒化させる作用もあり、シミを目立たせる一因となります。
さらに近年では、「可視光線」や「近赤外線」もメラニン生成に関与しているとする研究が増えています。紫外線だけが肌の色素沈着に影響するのではなく、光全体を幅広く対策することの重要性が指摘されるようになっています。ただし、現状で最も大きなシミの原因として確立されているのはUVAとUVBであり、まずこの2種類への対策をしっかり行うことが先決です。
日本では春から夏にかけて紫外線量が増加しますが、秋冬でも紫外線は存在します。特にUVAは季節や天候による変動が比較的少なく、年間を通じて対策が必要です。「夏だけ日焼け止めを使う」という習慣では、年間を通じた紫外線ダメージが蓄積してしまい、長期的にはシミが増えやすくなります。
💊 日焼け止めはシミ予防に本当に効果があるのか
結論から述べると、日焼け止めはシミ予防に対して科学的にも医学的にも有効な手段であることが多くの研究で示されています。ただし、「使えば完全にシミを防げる」というものではなく、正しく使うことで一定の予防効果が期待できるというのが正確な理解です。
2013年にオーストラリアで行われた大規模な研究では、毎日日焼け止めを使用したグループと、必要なときだけ使用したグループを比較したところ、毎日使用したグループでは老人性色素斑の増加が有意に抑制されたという結果が示されています。この研究は4年半以上にわたって追跡されたもので、日焼け止めの長期的なシミ予防効果を支持する根拠のひとつとなっています。
また、日焼け止めはシミの予防だけでなく、すでに薄いシミが濃くなるのを防いだり、治療後のシミが再発するのを抑えたりする効果も期待されています。レーザー治療などでシミを改善した後に日焼け止めを怠ると、再色素沈着が起こりやすくなるため、治療後のケアとしても欠かせない存在です。
一方で、「毎日使っているのにシミが増えた」という方もいます。その原因として考えられるのは、塗る量が少なすぎる、塗り直しをしていない、UVAに対する防御指標(PA)が不十分な製品を選んでいる、といったケースが多いです。日焼け止めは使うこと自体が大切ですが、その効果を引き出すためには正しい使い方が前提となります。
さらに、肝斑のように紫外線以外の要因(ホルモン変動、摩擦など)が大きく影響するシミについては、日焼け止めだけで完全に予防することは難しいです。こうした種類のシミには、原因に合わせた複合的なアプローチが必要になります。
Q. 日焼け止めのSPFとPAの違いは何ですか
SPFはUVBへの防御効果を示す指標で、数値が高いほど日焼けを遅らせる効果があります。PAはUVAへの防御効果を示し、「+」が多いほど効果が高く、最高はPA++++です。シミ予防にはUVA対策が特に重要なため、PA値の高い製品を優先して選ぶことが推奨されます。
🏥 SPFとPAとは?数値の正しい見方
日焼け止め製品には必ず「SPF」と「PA」という表示があります。この2つの数値を正しく理解することが、自分に合った日焼け止めを選ぶ第一歩です。
SPFとは「Sun Protection Factor(サン・プロテクション・ファクター)」の略で、UVBに対する防御効果を示す指標です。数字は、日焼け止めを塗らない状態と比較して何倍の時間UVBから肌を守れるかを表しています。たとえばSPF30なら、塗らない状態の30倍、UVBによる日焼けを遅らせる効果があるとされています。
ただし、この「何倍」という計算は理論値であり、実際の生活では汗や皮脂によって日焼け止めが落ちやすいため、あまり時間の目安として考えすぎないほうがよいでしょう。SPFが高いほどUVBへの防御効果が高いことは確かですが、SPF50とSPF100を比較したとき、実際の防御率の差は数パーセントほどで、数値ほど大きな差ではありません。
PAとは「Protection Grade of UVA」の略で、UVAに対する防御効果を示す指標です。「+(プラス)」の数が多いほど効果が高く、「PA+」「PA++」「PA+++」「PA++++」の4段階があります。シミの予防という観点ではUVA対策が非常に重要なため、PAの評価が高い製品を選ぶことが大切です。
日常的な外出(買い物や通勤など)であればSPF30・PA+++程度でも十分とされますが、長時間屋外で過ごしたり、海水浴やスポーツなど汗をかく場面ではSPF50・PA++++の製品を選ぶのが適切です。シミ予防を重視する場合は、日常使いでもできるだけPA値の高い製品を選ぶことをおすすめします。
また、日本ではSPFとPA表示が一般的ですが、欧米の製品ではPPD(Persistent Pigment Darkening)やIPD(Immediate Pigment Darkening)といった別の指標でUVA防御効果を表示しているものもあります。輸入品を使用する際は、これらの指標も参考にするとよいでしょう。
⚠️ シミ予防に適した日焼け止めの選び方
日焼け止めはドラッグストアや化粧品売り場に非常に多くの種類が並んでおり、どれを選べばよいか迷ってしまう方も多いはずです。シミ予防という目的で選ぶ際のポイントをいくつか紹介します。
まず、前述したようにPA値の高い製品を優先することが基本です。シミの主な原因であるUVAをしっかりブロックするために、PA++++の製品を選ぶと安心です。SPFについては、30〜50の範囲であれば日常使いとして問題ありません。
次に、「紫外線散乱剤」か「紫外線吸収剤」かという成分の違いも知っておくと役立ちます。紫外線散乱剤(酸化チタン・酸化亜鉛など)は、紫外線を物理的に反射・散乱させることで防御します。肌への刺激が少なく、敏感肌の方に向いていることが多いです。ただし、白浮きしやすいというデメリットがあります。
紫外線吸収剤(オキシベンゾン、アボベンゾンなど)は、紫外線を吸収して熱などに変換することで防御します。使用感が軽く、白浮きしにくいため日常使いに適しています。一方で、肌への刺激が生じることがあり、敏感肌の方には不向きな場合もあります。現在は散乱剤と吸収剤を組み合わせたハイブリッドタイプも多く、バランスよく設計されています。
剤形(テクスチャー)の選択も重要です。乳液タイプ・クリームタイプ・ジェルタイプ・スプレータイプなど様々な形状がありますが、一般的にはクリームタイプや乳液タイプのほうが肌への密着度が高く、均一に塗り広げやすいとされています。スプレータイプは塗り直しに便利ですが、ムラになりやすいため、最初の一度目はクリームタイプで塗り、その後スプレーで補うような使い方が効果的です。
また、ウォータープルーフ(耐水性)かどうかも選ぶ際のポイントです。汗をかく環境や水中活動がある場合はウォータープルーフタイプが適していますが、通常の日常生活では一般タイプでも十分で、むしろクレンジングがしやすく肌への負担を減らせるメリットがあります。
加えて、成分として「ビタミンC誘導体」や「ナイアシンアミド」「トラネキサム酸」などの美白成分が配合された日焼け止めも市販されています。これらの成分はメラニンの生成を抑制したり、すでに生成されたメラニンの排出を助けたりする作用が期待されており、紫外線防御と美白ケアを同時に行いたい方に向いています。
Q. 日焼け止めを正しく塗るにはどうすればよいですか
日焼け止めの効果は塗る量と頻度に大きく依存します。顔全体への適切な量は約1円玉2枚分で、2〜3回に分けて重ね塗りすることで均一な防御膜が形成されます。また、汗や皮脂で落ちるため2〜3時間ごとの塗り直しが必要です。外出の15〜30分前に塗ることも推奨されます。
🔍 日焼け止めの正しい塗り方と量
日焼け止めは「塗っているかどうか」だけでなく「どのくらいの量をどのように塗るか」が効果を左右します。正しい塗り方を知ることで、製品の持つ防御効果を最大限に発揮させることができます。
まず、量についてです。日焼け止めのSPFやPA値は、皮膚1平方センチメートルあたり2mgの量を塗布した状態で測定されています。これは感覚的には「思っているより多い」量で、顔全体であれば約1円玉2枚分ほどの量が目安となります。実際の使用では多くの方がこの量より少なく塗っているため、カタログ値より防御効果が低くなっているケースが多いと指摘されています。
塗り方については、一度に全量を塗るのではなく、2〜3回に分けて重ね塗りをすることで均一な膜が形成され、防御効果が高まります。まず少量を手のひらで温め、顔全体に薄く広げ、次に同様にもう一度塗り重ねる方法が効果的です。耳の後ろや首、デコルテなど、日光が当たりやすいにもかかわらずケアを忘れがちな部分にも丁寧に塗るようにしましょう。
塗るタイミングについては、外出する15〜30分前に塗ることが推奨されています。紫外線吸収剤を使った製品では、成分が皮膚に定着するまでに若干の時間が必要なためです。紫外線散乱剤の製品は即効性がありますが、いずれにせよ出かける直前ではなく少し余裕を持って塗る習慣をつけるとよいでしょう。
塗り直しのタイミングも重要です。汗をかいたり水に濡れたりすると日焼け止めは落ちてしまうため、2〜3時間ごとに塗り直すことが推奨されています。屋外活動が続く場合は特に意識して塗り直しを行いましょう。オフィスや室内で過ごす時間が多い場合でも、昼食後や外出前などに塗り直す習慣をつけると安心です。
また、日焼け止めのクレンジングにも注意が必要です。ウォータープルーフタイプは洗浄力の高いクレンジングが必要ですが、強すぎる洗浄は肌のバリア機能を低下させ、逆にシミや肌荒れの原因になることがあります。自分の使っている製品の洗い落とし方法を確認し、肌に過度な負担をかけないようにしましょう。
📝 日焼け止めだけでは足りない?日常ケアとの組み合わせ
日焼け止めはシミ予防における最も重要なステップですが、それだけで完璧な対策にはなりません。紫外線対策をより総合的に行うために、日常生活でできる他のアプローチも取り入れることが効果的です。
まず、物理的な紫外線対策です。日焼け止めを塗っていても、長時間強い日差しの下にいれば紫外線ダメージは蓄積します。帽子や日傘、UVカット加工の施された衣類を活用することで、肌に届く紫外線量そのものを減らすことができます。特に日差しの強い時間帯(一般的に10時〜14時ごろ)の外出をなるべく避ける、日陰を積極的に活用するといった行動面の工夫も有効です。
次に、スキンケアとの組み合わせです。肌のターンオーバーが正常に機能していれば、生成されたメラニンも自然に排出されやすくなります。このターンオーバーをサポートする成分として、ビタミンC誘導体、ナイアシンアミド、レチノール(ビタミンA誘導体)などが知られています。これらの成分を含む美容液や保湿クリームを日常のスキンケアに取り入れることで、シミの予防効果を高めることが期待できます。
食事からのアプローチも見逃せません。ビタミンCは体内でのメラニン生成を抑制する働きがあることが知られており、食事やサプリメントから積極的に摂取することがシミ予防に役立つとされています。また、ビタミンEには抗酸化作用があり、紫外線によって生じる活性酸素を中和する働きが期待されています。ビタミンCとEを合わせて摂取することで、相乗効果が得られやすいとも言われています。
十分な睡眠と規則正しい生活リズムも、肌の健康に直結しています。肌のターンオーバーは睡眠中に最も活発になるため、睡眠不足が続くと新陳代謝が滞り、メラニンの排出が遅れてシミができやすくなります。また、過度なストレスはホルモンバランスを乱し、肝斑のような色素沈着を悪化させることもあります。肌のための生活習慣を整えることが、総合的なシミ予防につながります。
さらに、日常的な摩擦にも注意が必要です。洗顔時に肌を強くこすったり、目の周りをゴシゴシとこする習慣は、炎症を引き起こしてメラノサイトを刺激し、色素沈着を招くことがあります。肝斑は特に摩擦の影響を受けやすいシミとして知られており、優しいタッチで肌に触れる習慣をつけることが大切です。
Q. クリニックで受けられるシミ治療にはどんな種類がありますか
クリニックでのシミ治療には、メラニンを選択的に破壊するレーザー治療(ピコレーザー・Qスイッチレーザー)、広範囲の光を使うIPL(フォトフェイシャル)、ターンオーバーを促すケミカルピーリング、トラネキサム酸などの内服・外用薬療法があります。シミの種類によって適切な治療法が異なるため、専門医による診断が不可欠です。
💡 すでにできてしまったシミにはどう対処する?
シミの予防に力を入れることは重要ですが、すでにできてしまったシミに対しては、予防だけでは改善が難しく、より積極的なケアや治療が必要になる場合があります。
市販のスキンケア製品では、美白有効成分として承認されているものを含む製品が多く販売されています。代表的な成分としては、アルブチン、コウジ酸、ビタミンC誘導体、トラネキサム酸、4-メトキシサリチル酸カリウム塩(4MSK)などが挙げられます。これらはチロシナーゼ(メラニン合成酵素)の活性を阻害することでメラニンの生成を抑える働きをします。ただし、既存のシミを劇的に薄くするには限界があり、長期継続的な使用が前提となります。
また、トラネキサム酸は肝斑に対して内服薬として医師から処方されることも多く、外用と内服の組み合わせで改善効果が期待されます。肝斑の治療においては、内服トラネキサム酸が有効なエビデンスを持っており、クリニックで処方を受けられます。
さらに、ハイドロキノン(hydroquinone)は海外では一般的に使用される美白成分で、日本では医師の処方によってクリニックから入手できます。メラノサイトに直接作用してメラニン生成を強力に抑制する効果があり、既存のシミを薄くする効果も報告されています。ただし、使用には適切な医師の管理が必要で、過度の使用は肌刺激や白斑化などのリスクもあるため、自己判断で使用しないよう注意が必要です。
できてしまったシミを本格的に治療したい場合は、やはりクリニックでの相談が最も確実な方法です。シミの種類や深さ、肌質によって最適な治療法が異なるため、専門家による診断を受けた上で治療方針を決めることが大切です。
✨ クリニックで行うシミ治療の選択肢

シミを医療の力で改善したいと考えたとき、クリニックではいくつかの選択肢があります。アイシークリニック渋谷院のような美容皮膚科クリニックでは、それぞれのシミの状態に合わせた治療を提案してもらえます。
レーザー治療は、シミ治療の中でも代表的な方法です。特定の波長の光を照射することで、メラニン色素を選択的に破壊します。「Qスイッチレーザー」や「ピコレーザー」はシミの治療に広く使用されており、ダウンタイム(回復期間)の違いや色素への作用の仕方などに違いがあります。特にピコレーザーは従来のQスイッチレーザーと比較して照射時間が短く、周囲の組織へのダメージが少ないとされており、近年多くのクリニックで導入されています。
フォトフェイシャル(IPL:強パルス光)は、特定の波長に限らない広い範囲の光を使ってシミや赤みを改善する治療です。レーザーと比較してダウンタイムが少なく、顔全体のくすみや毛穴のケアにも応用できることから、まとめてトーンアップしたい方に向いています。一方で、深いシミや濃いシミへの効果はレーザーと比べて限定的な場合があります。
ケミカルピーリングは、酸性の薬剤を肌に塗布して古い角質を除去し、ターンオーバーを促進することで肌のトーンを整える治療です。グリコール酸やサリチル酸などが使用されます。シミそのものへの直接的な効果はやや限定的ですが、肌のくすみ改善や他の治療との組み合わせで相乗効果が期待できます。
内服薬・外用薬による治療も重要なアプローチです。前述のトラネキサム酸やビタミンC・Eの内服は、体内からメラニン生成を抑える効果が期待されます。また、ハイドロキノンやレチノインを使った外用薬は、医師の管理のもとでシミを薄くする治療として効果的です。
注意したいのは、シミの種類によって有効な治療法が異なるという点です。たとえば、肝斑にQスイッチレーザーを強く当てると、かえって悪化する可能性があることが知られています。適切な診断なしに治療を選ぶことはリスクを伴うため、まずは医師による診察を受けてシミの種類を確認することが大切です。クリニックでは、診断に基づいた最適な治療計画を提案してもらえます。
また、治療後の日焼け止めの徹底は、どの治療を受けた後でも共通して必須のケアです。治療後は肌が敏感になっており、紫外線によるダメージを受けやすい状態になっているため、治療前以上に丁寧な紫外線対策が求められます。せっかく治療でシミを改善しても、アフターケアを怠れば再発リスクが高まります。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「毎日日焼け止めを使っているのにシミが増えてしまった」とお悩みになって来院される方が多く、丁寧にお話を伺うと、塗る量が不十分であったり、PA値の低い製品を選んでいたりするケースが少なくありません。日焼け止めは正しく使うことで初めてその効果を発揮できるものですので、製品選びから塗り方まで、ぜひ一度見直していただきたいと思います。すでに気になるシミがある場合も、種類や状態によって最適な治療法が異なりますので、一人で悩まず早めにご相談いただけると、より早く、より確実なアプローチをご提案できます。」
📌 よくある質問
主な原因として、塗る量が不十分であること、塗り直しをしていないこと、UVA防御指標(PA値)が低い製品を選んでいることが挙げられます。当院でも同様のお悩みで来院される方が多く、正しい量・頻度・製品選びを見直すことで、日焼け止め本来の効果を発揮させることが大切です。
シミ予防を目的とする場合は、UVAへの防御効果を示すPA値を重視して選ぶことが大切です。PAは「+」の数が多いほど効果が高く、シミ予防にはPA++++の製品が推奨されます。SPFは日常使いであれば30〜50程度で十分です。
製品に表示されたSPF・PA値は、皮膚1平方センチメートルあたり2mgの量を塗布した条件で測定されています。顔全体への目安は約1円玉2枚分程度です。一度に塗るのではなく、2〜3回に分けて重ね塗りすることで、より均一な膜が形成され防御効果が高まります。
必要です。シミの原因となるUVAは、雲やガラスを透過するほど波長が長く、季節や天候による変動が比較的少ない特徴があります。「夏だけ使う」習慣では年間を通じた紫外線ダメージが蓄積し、長期的にシミが増えやすくなるため、年間を通じた毎日の使用が推奨されます。
市販の美白成分(アルブチン、ビタミンC誘導体、トラネキサム酸など)を含む製品で改善を目指せますが、効果には限界があり長期的な使用が前提となります。より確実な改善を求める場合は、レーザー治療や処方薬などクリニックでの治療が効果的です。シミの種類によって適切な治療法が異なるため、まず専門医への相談をおすすめします。
🎯 まとめ
シミの予防において、日焼け止めは非常に重要な役割を果たします。紫外線、特にUVAとUVBは、メラニンの生成を促進してシミを引き起こす最大の外的要因であり、日焼け止めを正しく使い続けることで、その蓄積を大幅に抑えることができます。
ただし、日焼け止めを効果的に使うためには、PA値とSPF値の意味を理解した上で自分の生活スタイルに合った製品を選ぶこと、適切な量を塗ること、そして定期的に塗り直すことが必要不可欠です。日焼け止めを「なんとなく塗っている」だけでは十分な効果を得ることは難しく、使い方を見直すことで大きく結果が変わります。
さらに、日焼け止めに加えて帽子や日傘などの物理的遮光、美白成分を含むスキンケア、ビタミン類を含む食事、十分な睡眠といった日常習慣を組み合わせることで、より総合的なシミ予防が実現します。シミは一度できてしまうと改善に時間がかかるため、「まだシミが目立っていないうちから予防を始める」という意識が何より大切です。
それでも気になるシミができてしまった場合や、すでに気になるシミがある方は、ぜひ一度専門のクリニックへ相談することをおすすめします。アイシークリニック渋谷院では、一人ひとりの肌の状態に合わせたシミ治療や予防ケアのご提案を行っています。正確な診断のもとで適切な治療を受けることが、シミのない肌を取り戻すための近道となります。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – シミ(色素沈着・老人性色素斑・肝斑など)の診断基準、メラニン生成メカニズム、各種シミの分類と治療ガイドラインに関する参照
- 厚生労働省 – 日焼け止め製品のSPF・PA表示基準、美白有効成分(アルブチン・コウジ酸・トラネキサム酸など)の承認情報、化粧品・医薬部外品の成分規制に関する参照
- PubMed – 記事内で言及されているオーストラリアでの大規模追跡研究(毎日の日焼け止め使用による老人性色素斑増加抑制効果)および紫外線とメラニン生成・光老化に関する科学的エビデンスの参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務