皮膚に小さなしこりや膨らみを見つけたとき、「これっておできなの?粉瘤なの?」と迷ったことはありませんか?
こんな不安、ありませんか?
「放っておいたら大きくなってきた…」「自分で潰していいの?」「病院に行くべき?」
⚡ この記事を読まないと…
- 自己判断で悪化させてしまうリスクがある
- 適切な治療を受けられず傷跡が残る可能性がある
- 粉瘤を放置して炎症・化膿が広がることも
✅ この記事でわかること
- 📌 おできと粉瘤の決定的な違いと見分け方
- 📌 自分で潰してはいけない本当の理由
- 📌 病院に行くべきタイミングと受診先
おできと粉瘤は原因も治療法もまったく別物!
正しく見分けることが、あなたの肌を守る第一歩です。
目次
- おできとは何か
- 粉瘤とは何か
- おできと粉瘤の主な違い
- 見た目での見分け方
- 痛みや症状の違い
- できやすい場所の違い
- おできの治療法
- 粉瘤の治療法
- 自分で絞ったり潰したりしてはいけない理由
- 病院に行くべきタイミングと受診先
- まとめ
この記事のポイント
おできは細菌感染による炎症性疾患で抗菌薬・切開排膿が有効。粉瘤は表皮細胞が形成する良性腫瘍で手術による袋の摘出が唯一の根本治療。自己処置は危険なため、症状が続く場合は皮膚科を受診すること。
💡 おできとは何か
「おでき」という言葉は、医学的な正式名称ではなく、皮膚にできる炎症性のしこりや膿を持った盛り上がりを指す一般的な呼び方です。医学的には「癤(せつ)」や「癰(よう)」と呼ばれる状態に近く、毛包(毛穴の根元にある毛を包む袋状の構造)やその周辺の皮膚に細菌が感染して化膿することで生じます。
最も多い原因菌は黄色ブドウ球菌です。この細菌は私たちの皮膚に常在していますが、皮膚に傷ができたり、免疫力が低下したりすると毛包に侵入し、炎症を引き起こします。毛包炎が悪化したものがおできに発展すると考えるとわかりやすいでしょう。
おできは赤みを伴い、触ると痛みがあるのが特徴です。中心部に白っぽい膿点が見えることもあります。数日から1〜2週間程度で自然に破れて膿が出てきたり、内部で吸収されて小さくなることもあります。免疫機能が正常であれば、軽症のものは自然治癒することも多いですが、大きくなったり痛みが強い場合は医療機関での処置が必要です。
なお、「おでき」という言葉は日常会話では粉瘤を含む皮膚の様々なしこりを指す場合もあり、使われる場面によってニュアンスが異なります。この記事では、医学的な意味での「細菌感染による炎症性の皮膚病変」としておできを解説します。
Q. おできと粉瘤の根本的な違いは何ですか?
おできは黄色ブドウ球菌などによる細菌感染が原因の炎症性疾患で、適切な治療により完治します。一方、粉瘤は表皮細胞が皮膚内部に閉じ込められて袋状構造を形成する良性腫瘍です。おできは「感染症」、粉瘤は「嚢腫」という点が最大の違いです。
📌 粉瘤とは何か
粉瘤(ふんりゅう)は、医学的には「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」と呼ばれる良性の皮膚腫瘍です。皮膚の内側に袋状の構造(嚢腫壁)が形成され、その中に本来外側に排出されるはずの角質や皮脂が蓄積してできます。この袋は表皮と同じ細胞でできているため、中に老廃物が溜まり続けます。
粉瘤の原因はまだ完全には解明されていませんが、毛穴の詰まりや皮膚の小さな傷から表皮細胞が皮膚内部に入り込み、そこで増殖して袋を形成するといった仕組みが考えられています。外傷や手術後にできることもありますが、多くの場合は特定のきっかけなく自然発生します。
粉瘤の大きな特徴は、感染を起こしていない限り基本的に痛みがないことです。また、表面をよく見ると「臍(へそ)」と呼ばれる黒い点が確認できることがあり、これが粉瘤を見分ける重要なサインのひとつとなります。この黒い点は毛穴が詰まった部分で、袋の入口にあたります。
粉瘤は放置しても自然に消えることはなく、少しずつ大きくなっていく傾向があります。また、細菌感染を起こすと赤く腫れて痛みが出る「炎症性粉瘤」の状態になることがあり、このときは見た目や症状がおできと非常に似てくるため、区別が難しくなります。
✨ おできと粉瘤の主な違い
おできと粉瘤は、見た目の一部が似ていることもありますが、根本的な性質は大きく異なります。最も重要な違いは、おできが「感染症」であるのに対し、粉瘤は「良性腫瘍(嚢腫)」だという点です。
おできは細菌感染によって生じる一時的な炎症であり、適切に治療すれば完治します。一方、粉瘤は袋状の構造物が皮膚の中に存在する状態であり、袋そのものを取り除かない限り根本的な治療にはなりません。抗菌薬を使っても粉瘤の袋は消えないため、炎症を抑えることはできても、粉瘤自体をなくすことはできません。
また、発生メカニズムも異なります。おできは主に細菌(黄色ブドウ球菌など)が毛包や周囲組織に感染することで起こりますが、粉瘤は感染ではなく、表皮細胞が皮膚内部に閉じ込められることで形成されます。つまり、粉瘤は感染がなくても存在し続けるものです。
経過にも大きな違いがあります。おできは多くの場合、数週間以内に消退します。しかし粉瘤は何年も同じ場所に存在し、徐々に大きくなることが多く、自然に消えることはほとんどありません。
治療法の違いという点でも、おできには抗菌薬や切開排膿が有効ですが、粉瘤の根本的な治療は手術による袋の摘出しかありません。この点が両者を区別する上で最も実践的な違いといえるでしょう。
Q. 粉瘤を見分けるための見た目のポイントは?
粉瘤を見分ける重要なサインは、しこりの中心付近に見られる小さな黒い点(臍・へそ)の存在です。これは毛穴が詰まった袋の入口にあたります。また、感染していない粉瘤は皮膚と同じ色で痛みがなく、境界が明確な弾力のあるしこりとして触れられます。
🔍 見た目での見分け方
おできと粉瘤を見た目で見分けるためのポイントをいくつか挙げます。ただし、素人判断には限界があるため、あくまでも参考として活用してください。
まず色と炎症の有無について見てみましょう。おできは炎症を伴うため、周囲の皮膚が赤くなっていることがほとんどです。触ると熱感を感じることも多く、中心部に白い膿点が見えることがあります。一方、感染を起こしていない粉瘤は皮膚と同じ色か、やや白っぽい色をしており、炎症による赤みはありません。ただし、炎症性粉瘤になると赤く腫れ、おできと区別がつきにくくなります。
次に、しこりの質感と動き方を確認してみましょう。粉瘤は指で触れると比較的しっかりした弾力のあるしこりとして感じられます。また、皮膚の表面と一緒に動くような感覚があることが多いです。おできは周囲の組織が炎症で硬くなっているため、境界がやや不明確なことが多く、触ると痛みがあります。
最も重要な見分けポイントのひとつが「臍(へそ)」の有無です。粉瘤の表面をよく観察すると、中心付近に小さな黒い点が見えることがあります。これは毛穴の詰まった部分であり、粉瘤に特徴的なサインです。この黒い点は毛穴の角栓とは異なり、周囲の皮膚より少し凹んだ状態に見えます。おできにはこのような黒い点は見られません。
また、しこりの境界の明確さも参考になります。粉瘤は比較的境界が明確で丸い形をしていることが多いです。おできは周囲組織への炎症が広がるため、境界がぼんやりしていることが多いです。
経過の観察も大切な手がかりになります。数日〜1週間で急に赤く腫れてできたものはおできの可能性が高く、以前からゆっくり大きくなっているものは粉瘤の可能性が高いといえます。
💪 痛みや症状の違い
おできと粉瘤は、痛みの有無という点でも異なる特徴を持っています。この点を理解しておくと、受診の判断や症状の伝え方にも役立ちます。
おできは、ほぼ必ず痛みを伴います。炎症が起きているため、触れると強い痛みがあり、安静にしていても鈍い痛みや熱感を感じることがあります。腫れが大きくなるにつれて痛みも強くなる傾向があり、化膿が進むと膿が溜まって膨張感や圧迫感を覚える方もいます。また、炎症が広範囲に及ぶと周囲のリンパ節が腫れたり、発熱を伴うこともあります。
一方、感染を起こしていない粉瘤は基本的に痛みがありません。触れても無痛か、圧迫するとわずかに不快感がある程度です。大きくなった粉瘤が衣服や下着などに擦れて不快感を生じることはありますが、炎症性のものと比べると症状は非常に軽微です。
ただし、粉瘤が細菌感染を起こした「炎症性粉瘤」になると、急に赤く腫れ上がり、強い痛みが出てきます。膿が溜まれば膨張感や熱感も現れ、この状態ではおできと症状がほぼ同じになります。炎症性粉瘤がおできと区別しにくい最大の理由は、この症状の類似性にあります。
粉瘤が炎症を起こしやすくなるのは、袋の中に蓄積した角質や皮脂が細菌の栄養源となりやすいためです。何らかのきっかけで細菌が袋の中に侵入すると急速に増殖し、強い炎症を引き起こします。過去に同じ場所に繰り返ししこりや炎症が起きている場合は、粉瘤が炎症と自然排膿を繰り返している可能性が高いです。
においについても違いがあります。粉瘤の中に溜まった内容物は古い角質や皮脂が変性したものであり、炎症を起こして破裂した場合などに独特の不快なにおいがすることがあります。おできから排出される膿も悪臭を持ちますが、粉瘤特有のにおいとは質が異なります。

🎯 できやすい場所の違い
おできと粉瘤はできやすい場所にも違いがあります。どちらも全身に生じる可能性がありますが、好発部位と呼ばれる典型的な発生場所が異なります。
おできは毛包への細菌感染が主な原因であるため、毛が生えている場所(有毛部)にできやすいという特徴があります。特に顔(鼻のまわり、あご、頬)、首、わきの下、胸、お尻、太ももの内側などは毛が多く、汗や摩擦の影響も受けやすいため、おできが生じやすい部位です。また、鼻の内側や外耳道など、細菌が入り込みやすい場所にもできることがあります。
一方、粉瘤は毛穴に関係して発生することが多いため、全身のほぼどこにでもできますが、特に顔(特に頬や耳のまわり)、耳たぶ、首、背中、鼠径部(そけいぶ)、頭皮などに多く見られます。背中や頭皮は粉瘤の好発部位として特に有名で、大きなものができることもあります。
場所による判断は補助的なものにすぎませんが、例えば背中に長期間存在するしこりであれば粉瘤の可能性が高く、顔に急に赤く痛みを持って現れたものであればおできを疑うという判断の参考にはなります。
また、毛穴のない手のひらや足の裏にできるしこりは、「外傷性表皮嚢腫」と呼ばれる少し異なるタイプであることが多く、傷などをきっかけに表皮細胞が皮膚内に入り込んで形成されます。おできは毛包が必要なため、手のひらや足の裏にはほとんど生じません。
Q. 粉瘤の手術方法にはどんな種類がありますか?
粉瘤の手術は主に2種類あります。皮膚を紡錘形に切開して袋を取り出す「従来法」と、専用メスで小さな穴を開けて袋をくり出す「くりぬき法(トレパン法)」です。いずれも局所麻酔による日帰り手術で、所要時間は15〜30分程度が一般的です。
💡 おできの治療法
おできの治療は、症状の程度によって異なります。軽症の場合は自然治癒することもありますが、症状が強い場合や長引く場合は医療機関での処置が必要です。
軽度のおできに対しては、まず清潔を保つことが基本です。石けんで優しく洗い、患部を清潔に保ちます。温湿布(患部を温める)を行うことで血行が促進され、自然に膿が排出されやすくなるとされています。ただし、強く押したり無理に絞ったりすることは感染を悪化させる可能性があるため避けるべきです。
医療機関では、症状に応じて以下のような治療が行われます。まず抗菌薬の投与です。皮膚科や外科では、細菌感染を抑えるために抗菌薬(内服または外用)を処方することがあります。軽症であれば外用の抗菌薬だけで改善することもありますが、炎症が強い場合や発熱を伴う場合は内服抗菌薬が使われます。
膿が十分に溜まった状態(波動感といって、触れるとぶよぶよした感触がある状態)であれば、切開排膿という処置が行われます。局所麻酔をしてから皮膚を小さく切開し、膿を排出する処置です。これによって痛みが急速に和らぎ、回復が早まります。切開後は傷が清潔に保たれるようにガーゼなどで保護し、抗菌薬を継続することが一般的です。
おできは適切な治療を行えば完治する疾患ですが、繰り返す場合は免疫力の低下や糖尿病などの基礎疾患が関係していることもあります。何度もおできができる方は、原因となる全身疾患がないかどうかを確認することも大切です。
また、顔や首など目立つ部位にできたおできは、適切な治療を行わないと色素沈着や瘢痕(傷跡)が残ることがあるため、自己処置より早めに医療機関を受診することをおすすめします。
📌 粉瘤の治療法
粉瘤の根本的な治療は手術による袋の摘出です。薬や外用剤では粉瘤の袋を消すことができないため、完治させるためには手術が必要となります。
粉瘤の手術には大きく分けて二つの方法があります。
一つ目は従来法(紡錘形切除)です。粉瘤の周囲を含めて皮膚を紡錘形(楕円形)に切開し、袋全体を取り出す方法です。比較的大きな粉瘤や、炎症を繰り返して袋が周囲組織と癒着している場合に適しています。確実に袋を取り除けるメリットがありますが、切開線が長くなる分、傷跡が残りやすいというデメリットもあります。
二つ目はくりぬき法(トレパン法)です。専用のパンチ型メスを使って粉瘤の「臍(へそ)」の部分に小さな穴を開け、そこから袋全体をくり出す方法です。従来法に比べて切開線が非常に小さくて済むため、傷跡が目立ちにくいというメリットがあります。感染を起こしていない粉瘤に適しており、日帰り手術として対応できる施設が多いです。
炎症性粉瘤(感染を起こした粉瘤)の場合は、まず炎症を落ち着かせることが優先されます。急性期には切開排膿を行って膿を出し、抗菌薬で炎症をコントロールします。炎症が完全に治まった後(通常は数週間から数ヶ月後)に、改めて根治手術(袋の摘出)を行うことが一般的です。炎症中に摘出手術を行うと、袋が周囲組織と癒着していて取り出しにくく、取り残しによる再発リスクも高まるためです。
粉瘤の手術は多くの場合、局所麻酔で日帰り手術として行われます。手術時間も比較的短く、小さな粉瘤であれば15〜30分程度で終わることが多いです。術後は傷の保護や清潔を保つことが大切で、縫合した場合は約1〜2週間後に抜糸を行います。
手術後に袋を完全に取り除ければ再発はほとんどありませんが、取り残しがあると再発することがあります。特に炎症を起こした粉瘤は袋が破れていることがあり、取り残しが生じやすいため注意が必要です。
粉瘤は良性疾患であるため、小さくて症状がない場合は「経過観察」を選択することもできます。ただし、大きくなると手術が複雑になることや、炎症を起こすリスクがあることを考えると、早めに手術を検討することが望ましい場合も多いです。担当医とよく相談して方針を決めることが大切です。
Q. おできや粉瘤を自分で潰してはいけない理由は?
おできを自己処置で絞ると、細菌が周囲組織へ広がり蜂窩織炎や敗血症を引き起こす危険があります。特に顔のおできは脳への感染波及リスクもあります。粉瘤も自己処置で袋が破れると炎症が悪化し、その後の手術が困難になります。いずれも皮膚科での適切な処置が必要です。
✨ 自分で絞ったり潰したりしてはいけない理由
皮膚にしこりや膿がある状態を見ると、「自分で絞り出してしまいたい」という気持ちになる方もいるかもしれません。しかし、おできや粉瘤を自己判断で処置することは多くの場合、状況を悪化させる危険性があります。
おできを自分で無理に絞ろうとすると、感染が広がるリスクがあります。皮膚に加わる圧力によって細菌が周囲の組織や血流に押し込まれ、蜂窩織炎(ほうかしきえん)という皮下組織全体に感染が広がる状態になることがあります。さらに重篤な場合は、菌血症(細菌が血液中に侵入した状態)や敗血症につながることもあります。特に顔面のおできは、感染が脳まで波及する危険な合併症(海綿静脈洞血栓症)が稀に起こりうるとされています。これは非常に稀なケースですが、顔のおできを無理に絞ることは特に危険であると覚えておいてください。
粉瘤を自分で絞ったり針で刺したりすることも問題があります。内容物が一時的に排出されても、袋が残っている限り必ず再び内容物が溜まってきます。また、無理に操作することで袋が破れ、内容物が周囲組織に漏れ出して炎症を引き起こすことがあります。この状態になると、その後の手術が難しくなり、きれいに取り除くことが困難になります。さらに、外から細菌を持ち込んで感染を起こすリスクもあります。
また、自己処置によってできた傷跡が目立ってしまうことも問題です。素人による処置では傷の管理が適切に行えず、色素沈着や瘢痕(ひきつれのある傷跡)が残ってしまうことがあります。特に顔や首など目立つ部位では、自己処置による傷跡が長期間残ることがあります。
膿が自然に溜まり、皮膚が非常に薄くなって今にも破れそうな場合は、自然排膿(自然に破れて膿が出ること)を待つことが比較的安全な対処法といえますが、それでも処置後の傷の管理は医療機関で行うことが望ましいです。
「市販のニキビ治療薬を使えばよいのでは」と思う方もいるかもしれません。ニキビの薬はあくまでもニキビに対して設計されたものであり、おできや粉瘤には適応がありません。適切な診断と治療を受けるためにも、皮膚のしこりや炎症は早めに医療機関を受診することをおすすめします。
🔍 病院に行くべきタイミングと受診先

おできや粉瘤を疑った場合、どのようなタイミングで医療機関を受診すればよいのでしょうか。また、どの診療科を受診すればよいのかについても解説します。
以下のような状況では、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
まず、しこりや炎症が数日経っても改善しない、あるいは悪化している場合です。おできは通常、適切なケアを行えば1〜2週間で改善することが多いですが、改善が見られない場合は治療が必要です。次に、痛みや腫れが強い場合です。日常生活に支障が出るほどの痛みや、急速に腫れが広がる場合は早急な処置が必要なことがあります。また、発熱を伴う場合も要注意です。体温の上昇は感染が全身に波及しているサインである可能性があり、速やかな受診が必要です。リンパ節の腫れを感じる場合も同様です。
粉瘤については、急激に赤く腫れて痛みが出た場合(炎症性粉瘤を疑う場合)は速やかに受診してください。また、特に症状がなくても、しこりが徐々に大きくなっている場合や、気になる場合は早めに受診して診断を受けることをおすすめします。
顔のしこりや炎症については、鼻と口のまわりの三角形の部分(「危険の三角地帯」)にできたおできは特に注意が必要です。この部位の静脈は脳と交通しているため、感染が広がると重篤な合併症を引き起こす可能性があり、自己処置は絶対に避け、早めに受診してください。
受診する診療科としては、皮膚科が最も適しています。皮膚科では、おできや粉瘤の診断から治療まで対応しています。粉瘤の手術も、皮膚科や形成外科、外科で対応しているクリニックがあります。近年では、粉瘤の日帰り手術に特化したクリニックも増えており、くりぬき法などの低侵襲な手術を受けられる施設も多くなっています。
クリニックを選ぶ際のポイントとしては、粉瘤の手術経験が豊富であるか、日帰り手術に対応しているか、傷跡を最小限にする方法(くりぬき法など)を採用しているかなどを確認するとよいでしょう。気になるしこりがある場合は、まずは皮膚科で診察を受け、必要であれば手術対応の施設を紹介してもらうという流れも一般的です。
また、おできや粉瘤と思っていたものが、実は別の皮膚疾患(脂肪腫、皮膚線維腫、石灰化上皮腫など)であることもあります。自己判断には限界があるため、気になるしこりや皮膚の変化は専門医に診てもらうことが大切です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「おできだと思っていたら粉瘤だった」というケースや、その逆のケースも少なくなく、ご自身での判断が難しいと感じていらっしゃる患者さまが多くいらっしゃいます。特に炎症を起こした粉瘤はおできと症状が非常に似ているため、正確な診断のもとで適切な治療を受けることがとても大切です。気になるしこりや皮膚の変化は悪化する前にお気軽にご相談ください。患者さまの状態やご希望に合わせた最適な治療法をご提案いたします。」
💪 よくある質問
主な見分けポイントは3つです。①粉瘤の中心部には小さな黒い点(臍)が見られることがある、②おできは赤みや熱感・痛みを伴う、③粉瘤は以前からゆっくり大きくなっているケースが多い。ただし、粉瘤が炎症を起こすとおできと症状が非常に似てくるため、正確な判断は専門医への受診が必要です。
粉瘤は自然に消えることはほとんどなく、放置すると少しずつ大きくなる傾向があります。また、細菌感染を起こして急に赤く腫れる「炎症性粉瘤」になるリスクもあります。根本的な治療は手術による袋の摘出のみです。症状がなくても早めに皮膚科を受診し、治療方針を相談することをおすすめします。
自己処置は避けてください。おできを無理に絞ると、細菌が周囲に広がり蜂窩織炎や敗血症につながる危険があります。特に顔のおできは重篤な合併症のリスクもあります。粉瘤も自己処置で袋が破れると炎症が悪化し、その後の手術が難しくなります。皮膚科での適切な診断・処置を受けることが大切です。
粉瘤の手術は主に2種類あります。①紡錘形に皮膚を切開して袋を取り出す「従来法」、②専用メスで小さな穴を開けて袋をくり出す「くりぬき法」です。いずれも局所麻酔による日帰り手術が一般的で、所要時間は15〜30分程度です。アイシークリニックでも患者さまの状態に合わせた治療法をご提案しています。
以下の場合は早めに皮膚科を受診してください。①数日経っても改善しない、または悪化している、②痛みや腫れが強く日常生活に支障がある、③発熱やリンパ節の腫れを伴う、④粉瘤が急に赤く腫れて痛みが出た。特に顔の鼻・口まわりのおできは重篤な合併症のリスクがあるため、自己処置せず速やかに受診してください。
🎯 まとめ
おできと粉瘤は、どちらも皮膚にできる盛り上がりやしこりとして現れますが、その原因、性質、治療法は根本的に異なります。おできは細菌感染による炎症性疾患であり、適切な治療によって完治します。一方、粉瘤は表皮細胞が皮膚内に閉じ込められて形成される良性腫瘍であり、手術による袋の摘出が根本的な治療となります。
見た目の違いとしては、粉瘤の中心部に見られる黒い点(臍)、しこりの質感や境界の明確さ、発症の経過などが参考になります。ただし、粉瘤が炎症を起こした炎症性粉瘤になると、おできと症状が非常に似てくるため、専門医による診断が重要です。
どちらの場合も、自分で絞ったり潰したりすることは感染の拡大や傷跡の原因になるため避けてください。症状が改善しない、悪化している、発熱を伴うなどの場合は早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
アイシークリニック渋谷院では、皮膚のしこりや粉瘤に関するご相談・診察を行っています。「このしこりは何だろう」と気になっている方は、ぜひお気軽にご相談ください。正確な診断のもと、患者さまの状態に合わせた最適な治療法をご提案いたします。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 皮膚疾患(粉瘤・表皮嚢腫・癤・癰など)の診断基準・治療ガイドラインに関する情報
- 日本形成外科学会 – 粉瘤(表皮嚢腫)の手術適応・術式(くりぬき法・紡錘形切除)および治療方針に関する情報
- 国立感染症研究所 – おできの主要原因菌である黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の感染機序・病態および蜂窩織炎・敗血症などの合併症リスクに関する情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務