「ワキの汗やニオイが気になって、人と近づくのが不安」「毎日の制汗剤ケアから解放されたい」「切る手術には抵抗があるけれど、根本的に治療したい」——そんな悩みを抱えている方は少なくありません。日本国内では、原発性腋窩多汗症(ワキ汗)の患者数は531.9万人にのぼると推測されており、実に人口の5.8%もの方が日常生活に支障をきたすほどの症状を抱えているとされています。
近年注目を集めているのが、皮膚を切らずにワキガ・多汗症を治療できる「ミラドライ」という治療法です。2018年には厚生労働省から正式に製造販売承認を取得し、その効果と安全性が公的に認められました。そして、この治療をよりお手頃な価格で受けられる「モニター制度」を設けているクリニックも増えており、渋谷エリアでも多くの方が治療を検討しています。
本コラムでは、ミラドライの仕組みや効果、モニター制度の詳細、渋谷で治療を受けるメリット、クリニック選びのポイントまで、ワキガ・多汗症にお悩みの方が知っておくべき情報を網羅的に解説します。治療を検討されている方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
- ワキガ・多汗症の基礎知識
- ミラドライとは?治療の仕組みを詳しく解説
- ミラドライが選ばれる5つの理由
- モニター制度とは?お得に治療を受ける方法
- 渋谷でミラドライ治療を受けるメリット
- ミラドライの施術の流れ
- 治療後のダウンタイムとアフターケア
- ミラドライの効果と持続期間
- ミラドライの副作用とリスク
- 他の治療法との比較
- クリニック選びで失敗しないためのポイント
- よくある質問(Q&A)
- まとめ
1. ワキガ・多汗症の基礎知識
ワキガ・多汗症の治療を検討する前に、まずはこれらの症状について正しく理解することが大切です。ワキガと多汗症は混同されがちですが、実は原因となる汗腺が異なる別々の症状です。
ワキガ(腋臭症)とは
ワキガは医学的には「腋臭症(えきしゅうしょう)」または「アポクリン臭汗症」と呼ばれる症状です。脇の下から独特のニオイが発生することが特徴で、遺伝的な要因が強く関係しています。
人間の体には「エクリン腺」と「アポクリン腺」という2種類の汗腺が存在します。ワキガの原因となるのは「アポクリン腺」から分泌される汗です。アポクリン腺から出る汗には脂質やタンパク質、脂肪酸などが含まれており、これらの成分が皮膚表面の常在菌によって分解されることで、独特のニオイが発生します。具体的には、脂肪酸が分解されて生成される「3メチル2へキセノイン酸」という物質がワキガ臭の主な原因とされています。
日本皮膚科学会によると、ワキガの人はアポクリン腺が大きく、その数も多いため分泌量が多い傾向があります。また、ワキガは顕性(優性)遺伝し、親子ともに現れることが多いですが、日本人などの黄色人種ではその頻度は約10%にすぎません。これに対し、白人や黒人ではほとんどの人に多少ともワキガがあるとされています。
多汗症とは
多汗症は、体温調節が必要ない状況でも過剰な量の汗が分泌される症状です。ワキの多汗症は「腋窩多汗症(えきかたかんしょう)」と呼ばれます。多汗症の原因となるのは「エクリン腺」から分泌される汗で、ワキガとは異なり、汗自体にはほとんどニオイがありません。
多汗症は「続発性腋窩多汗症」と「原発性多汗症」の2種類に分けられます。続発性は精神的なストレスやホルモンの異常など明確な原因があるもので、原発性は特に原因がないにもかかわらず大量の汗をかく症状です。
日本皮膚科学会の「原発性局所多汗症診療ガイドライン」によると、原発性局所多汗症の診断基準は、明らかな原因がないまま局所的に過剰な発汗を6か月以上認め、さらに以下の6項目中2項目以上を満たす場合とされています。
- 最初に症状が出たのが25歳以下であること
- 対称性に発汗がみられること
- 睡眠中は発汗が止まっていること
- 1週間に1回以上多汗のエピソードがあること
- 家族歴があること
- それらによって日常生活に支障をきたすこと
ワキガと多汗症の関係
ワキガと多汗症は別々の症状ですが、併発しているケースも少なくありません。エクリン腺から大量の汗が分泌されると、アポクリン腺からの汗と混ざって皮膚上で広がりやすくなります。その結果、ワキガのニオイが拡散されやすくなり、症状がより強く感じられることがあります。
また、多汗症によって脇が常に湿った状態になると、雑菌が繁殖しやすい環境が作られ、ニオイが発生しやすくなります。このように、ワキガと多汗症は相互に影響し合う関係にあるため、両方を同時に治療することが効果的です。
2. ミラドライとは?治療の仕組みを詳しく解説
ミラドライは、マイクロ波(電磁波)を用いて汗腺を破壊する、切らないワキガ・多汗症治療法です。2009年頃からアメリカで行われ始め、現在では世界40か国以上で累計20万症例以上の実績があります。
ミラドライの基本原理
ミラドライは5.8GHzのマイクロ波を皮膚の上から照射し、その熱エネルギーによって汗腺を破壊します。マイクロ波には水分に選択的に吸収されて熱を発生するという性質があり、この特性を利用して水分を多く含む汗腺をピンポイントで加熱します。
具体的には、皮下2〜3mmの層に集中しているアポクリン腺(ワキガの原因)とエクリン腺(多汗症の原因)の両方にマイクロ波を照射します。皮下組織でマイクロ波が反射し、汗腺が多く分布する真皮深層から皮下組織浅層が最も効率的に加熱される仕組みになっています。
冷却システムによる安全性
「マイクロ波で汗腺を加熱する」と聞くと、やけどや痛みを心配される方もいるかもしれません。しかし、ミラドライには「ハイドロセラミック・クーリング」という特殊な冷却システムが搭載されています。
この冷却システムにより、表皮から真皮を保護しながら施術を行うため、皮膚表面へのダメージを最小限に抑えることができます。また、脂肪層より深部へのエネルギー到達も制御されているため、神経や筋肉への影響も心配ありません。
厚生労働省・FDA承認の安全性
ミラドライは2018年6月4日に厚生労働省より「重度の原発性腋窩多汗症を治療する医療機器」として製造販売承認を取得しています。これは、マイクロ波を用いたワキ汗治療器として国内初の薬事承認です。
また、開発国であるアメリカのFDA(食品医薬品局)からも承認を取得しており、腋窩多汗症、腋臭症、減毛の適応で認可されています。FDAの審査基準は世界で最も厳しいと言われており、膨大な症例データと厳格な審査をクリアした治療機器であることがわかります。
現在、切らないワキガ・多汗症治療を謳う機器は複数存在しますが、日本の厚生労働省の承認を受けているわき汗治療機器はミラドライのみです。この点からも、ミラドライの安全性と効果の高さがうかがえます。
3. ミラドライが選ばれる5つの理由
数あるワキガ・多汗症治療の中で、なぜミラドライが多くの方に選ばれているのでしょうか。その理由を5つのポイントから解説します。
理由1:切らない治療で傷跡が残らない
従来のワキガ治療では、皮膚を切開して汗腺を取り除く手術(剪除法など)が主流でした。しかし、この方法では傷跡が残ることが避けられず、特に女性にとっては大きなデメリットでした。
ミラドライは皮膚の上からマイクロ波を照射する治療法のため、皮膚を切開する必要がありません。そのため、傷跡が残らず、術後の見た目を気にすることなく治療を受けることができます。
理由2:1回の治療で長期的な効果
ボトックス注射による多汗症治療は比較的手軽に受けられますが、効果の持続期間は4〜6か月程度と限られており、定期的に繰り返し治療を受ける必要があります。
一方、ミラドライで破壊された汗腺は再生しないため、1回の治療で長期的な効果が期待できます。一般的に、1回の施術で約70〜80%の汗腺を破壊することができ、汗やニオイが大幅に軽減されます。
理由3:ダウンタイムが短い
切開を伴う手術では、術後に数日から数週間の安静期間が必要となり、日常生活や仕事に支障をきたすことがあります。
ミラドライの場合、施術当日からシャワー浴が可能で、翌日からは通常通りの生活を送ることができます。腫れや痛みは数日から2週間程度で落ち着くことがほとんどで、学生や社会人の方でも休みを取りづらい時期に治療を検討しやすいのが特徴です。
理由4:ワキガと多汗症を同時に治療
先述の通り、ワキガの原因はアポクリン腺、多汗症の原因はエクリン腺と、それぞれ異なる汗腺が関係しています。ミラドライはマイクロ波を広範囲に照射するため、両方の汗腺を同時に破壊することができます。
これにより、ワキガと多汗症のどちらか一方だけでなく、両方の症状を一度の治療で改善することが可能です。
理由5:脱毛効果も期待できる
ミラドライのマイクロ波照射によって汗腺が破壊される際、近くにある毛根の発毛組織も同時にダメージを受けます。そのため、副次的な効果としてワキ毛の脱毛(減毛)効果も期待できます。
ただし、脱毛効果が得られるのはワキ毛全体の約6割程度と言われており、完全な脱毛を目的とする場合は別途脱毛治療を受ける必要があります。
4. モニター制度とは?お得に治療を受ける方法
ミラドライ治療を検討する上で、多くの方が気になるのが費用面ではないでしょうか。ミラドライは保険適用外の自由診療であるため、一般的に20万円〜50万円程度の費用がかかります。この費用を抑えられる方法の一つが「モニター制度」です。
モニター制度の仕組み
モニター制度とは、クリニックが治療の効果検証や症例データの収集、広報活動などを目的として設けている割引制度です。モニターとして治療を受ける場合、通常価格よりも安い費用で施術を受けることができます。
モニターに参加する方には、一般的に以下のような協力が求められます。
- 施術前後の写真撮影への協力
- 術後の経過観察(診察)への参加
- アンケートへの回答
- 症例写真や体験談のクリニックHP・広告での使用許可
ただし、個人が特定されないよう配慮されているクリニックがほとんどで、顔出しが必須というわけではありません。また、治療内容や使用する機器は通常の治療と全く同じであり、モニターだからといって効果が劣ることはありません。
モニター制度を利用する際の注意点
モニター制度は非常にお得な制度ですが、利用する際にはいくつかの注意点があります。
まず、モニター募集は毎月の定員が限られていることが多く、希望するタイミングで必ず受けられるとは限りません。希望する方は早めに予約することをおすすめします。
また、クリニックによってモニター価格や条件は異なるため、複数のクリニックを比較検討することが大切です。極端に安い価格を提示しているクリニックでは、照射範囲が限定されていたり、出力が低く設定されていたりする場合があるため、治療内容の詳細も確認するようにしましょう。
モニター価格と通常価格の違い
一般的に、モニター価格は通常価格の30〜50%オフ程度で設定されていることが多いです。例えば、通常30万円前後の治療が、モニター価格では15万円〜20万円程度で受けられるケースもあります。
ただし、モニター価格であっても別途チップ代や麻酔代がかかるクリニックもあるため、最終的な総額を確認することが重要です。カウンセリング時に、追加費用の有無を含めた明確な料金説明を受けることをおすすめします。
5. 渋谷でミラドライ治療を受けるメリット
ワキガ・多汗症治療を受けるクリニック選びにおいて、立地は重要な要素の一つです。渋谷エリアでミラドライ治療を受けることには、いくつかのメリットがあります。
アクセスの良さ
渋谷は東京の主要ターミナル駅の一つであり、JR各線、東京メトロ、東急線、京王線など複数の路線が乗り入れています。東京都内はもちろん、神奈川県や埼玉県からもアクセスしやすい立地です。
ミラドライ治療は通常、カウンセリングと施術を合わせても3〜4時間程度で完了し、基本的に術後の通院は不要です。遠方から来院される方でも、日帰りで治療を受けることが可能です。
多くの選択肢から比較検討できる
渋谷エリアには、ミラドライ治療を提供するクリニックが多数存在します。複数のクリニックでカウンセリングを受け、治療内容や費用、医師の経験などを比較検討することができます。
無料カウンセリングを実施しているクリニックも多いため、まずは複数のクリニックで相談してみることをおすすめします。自分に合ったクリニックを見つけることが、満足度の高い治療につながります。
経験豊富な医師が多い
渋谷は都心の美容クリニック激戦区であり、多くの症例実績を持つ経験豊富な医師が在籍しているクリニックが多いです。ミラドライ治療は、同じ機器を使用しても医師の技術や経験によって効果に差が出ることがあります。
照射範囲や出力レベルの設定、麻酔の方法など、治療の細部にまで配慮できる経験豊富な医師のもとで治療を受けることが、より高い効果を得るためのポイントです。
最新の治療環境
競争の激しいエリアであるため、各クリニックは最新の機器導入や治療技術の向上に積極的に取り組んでいます。ミラドライの最新モデルを導入していたり、独自の治療プロトコルを開発していたりするクリニックも存在します。
6. ミラドライの施術の流れ
実際にミラドライ治療を受ける場合、どのような流れで進むのでしょうか。一般的な施術の流れを詳しく解説します。
事前準備
施術当日に向けて、自宅でワキの剃毛をしておく必要があります。また、施術後は腕を上げにくくなる可能性があるため、前開きの服や脱ぎ着しやすい服装で来院することをおすすめします。
カウンセリング・診察
施術前に、医師によるカウンセリングと診察が行われます。ワキガや多汗症の症状の程度、過去の治療歴、アレルギーの有無などを確認し、治療方針を決定します。
この段階で、治療内容や期待できる効果、副作用のリスク、費用などについて詳しい説明を受けます。不明点や不安な点があれば、遠慮なく質問することが大切です。
マーキング
施術部位となるワキに、照射範囲を示すマーキングを行います。このマーキングに沿ってミラドライを照射することで、照射漏れなく均一に治療することができます。
局所麻酔
ミラドライ照射中の痛みを防ぐため、局所麻酔を行います。麻酔注射の際に針のチクッとした痛みを感じることがありますが、麻酔が効けば照射中はほとんど痛みを感じません。
痛みに不安がある方には、笑気麻酔(鼻から吸う麻酔)をオプションで用意しているクリニックもあります。
ミラドライ照射
麻酔が十分に効いたことを確認した後、ミラドライによるマイクロ波照射を開始します。機器で皮膚を吸引しながら、マーキングに沿って照射を行います。
照射時間は片ワキ約30分、両ワキで約60〜90分程度です。照射中は冷却システムが作動しているため、熱さを感じることはほとんどありません。
冷却・術後処置
照射が終了したら、アイスパックで10〜20分程度患部を冷却します。その後、術後の注意事項や服用する薬の説明を受けて、施術は終了です。
帰宅
施術当日から自宅に帰ることができます。ただし、麻酔の影響で運転に支障が出る可能性があるため、車での来院は避けることをおすすめします。
7. 治療後のダウンタイムとアフターケア
ミラドライ治療後は、どのような経過をたどるのでしょうか。ダウンタイムの目安とアフターケアの方法について解説します。
術後すぐ〜数日
治療直後から翌日にかけてが、腫れや痛みのピークとなります。脇の下に腫れ、赤み、熱感、ヒリヒリとした痛みなどを感じることがありますが、これらは正常な反応です。
処方された鎮痛剤を服用し、保冷剤で患部を冷やすことで症状を和らげることができます。シャワーは当日から可能ですが、患部を強くこすらないよう注意してください。
術後1週間
目立つ腫れや赤みは、多くの方が1週間程度で落ち着きます。この期間中は、激しい運動や長時間の入浴、飲酒は控えることが推奨されます。
また、脇を圧迫するような動作や、重いものを持ち上げる動作も避けたほうが良いでしょう。
術後2週間〜1か月
痛みや違和感は、一般的に2週間程度で気にならなくなります。ただし、治療部位の皮膚に硬化やつっぱり感、しびれなどを感じる方もいます。
これらの症状は徐々に改善していきますが、数か月続く場合もあります。心配な症状がある場合は、クリニックに相談してください。
効果の実感時期
治療効果は施術直後から感じられる方が多いですが、最終的な効果が安定するのは術後約6か月後です。
治療直後は破壊しきれなかった汗腺も一時的に活動を停止しているため、汗やニオイをほとんど感じなくなることがあります。その後、ダメージを受けたものの破壊されなかった汗腺が徐々に活動を再開するため、「再発した」と感じる方もいます。
しかし、一度破壊された汗腺は再生しないため、最終的には治療前の70〜80%程度の改善で安定することがほとんどです。
8. ミラドライの効果と持続期間
ミラドライ治療の効果と持続期間について、より詳しく解説します。
臨床試験での効果
ミラドライの効果は、「多汗症重症度スケール(HDSS)」を用いた臨床試験で評価されています。この試験では、日常生活に支障をきたすほどの原発性腋窩多汗症患者を対象にミラドライ治療を実施しました。
結果として、治療後に腋の発汗が抑制され、日常生活の支障が改善されたと報告した患者は90.3%にのぼりました。この効果は治療から1年経過した後も持続していることが確認されています。また、全体的な患者満足度は90%以上と高く、腋のニオイに関しても統計的に有意な改善が認められています。
効果の持続期間
ミラドライで破壊された汗腺は再生しないため、治療効果は半永久的に持続します。1回の施術で約70〜80%の汗腺を破壊することができ、汗やニオイが大幅に軽減されます。
ただし、すべての汗腺を完全に破壊することはできないため、治療前と比較して汗やニオイがゼロになるわけではありません。多くの方が1回の治療で十分な効果を実感されますが、より高い効果を求める場合は2回目の治療を検討することもできます。
2回目の治療について
日本では約10%の方が2回目のミラドライ治療を受けているとされています。2回目の治療は、1回目から6か月以上の間隔を空けて行うことが推奨されています。
2回目の治療を受けることで、残存している汗腺をさらに破壊し、より高い効果を得ることができます。ただし、2回目以降の治療が必要かどうかは、1回目の治療結果を見てから判断することをおすすめします。
9. ミラドライの副作用とリスク
ミラドライは安全性の高い治療法ですが、副作用のリスクがゼロというわけではありません。治療を検討する前に、起こりうる副作用について正しく理解しておきましょう。
一般的な副作用
ミラドライ治療を受けた多くの方に見られる一時的な副作用として、以下のようなものがあります。
- 治療部位の腫れ(1〜8週間程度)
- 赤み・熱感(数日〜1週間程度)
- ヒリヒリとした痛み・違和感(2〜3週間程度)
- 麻酔注射による内出血(1〜2週間程度)
- 治療部位を押したときの痛み・不快感(数週間程度)
- 一時的な脱毛効果
これらの症状は一時的なもので、時間の経過とともに改善していきます。
稀に見られる副作用
頻度は低いものの、以下のような副作用が現れる場合もあります。
- 治療部位の硬化・しこり(数週間〜数か月)
- 皮膚の隆起・拘縮・引きつれ感(数か月程度)
- 腕や指先のしびれ・感覚の変化(数週間〜数か月)
- 治療部位以外のむくみ(1週間程度)
- 小さな水ぶくれ
これらの症状も重篤なものではなく、いずれも数週間から数か月で改善することがほとんどです。
重篤な副作用について
現状、ミラドライの副作用として、一生涯残るような重篤なものは確認されていません。厚生労働省やFDAの承認を受けた安全性の高い治療機器であり、適切な環境で経験豊富な医師によって施術が行われれば、重大なリスクは極めて低いと考えられます。
ただし、医療行為である以上、絶対に安全ということはありません。術後に気になる症状がある場合は、速やかにクリニックに相談してください。
10. 他の治療法との比較
ワキガ・多汗症の治療法はミラドライだけではありません。それぞれの治療法のメリット・デメリットを比較し、自分に合った治療法を選ぶ参考にしてください。
ボトックス注射との比較
ボトックス注射は、ボツリヌス菌由来のタンパク質を注射することで、汗腺の活動を一時的に抑制する治療法です。
メリットとしては、施術時間が短い(10〜15分程度)、ダウンタイムがほとんどない、費用が比較的安い(数万円程度)といった点があります。
デメリットは、効果の持続期間が4〜6か月程度と限られており、効果を維持するためには定期的に繰り返し治療を受ける必要がある点です。長期的に見ると、ミラドライよりも総費用が高くなる可能性があります。
「まずは手軽に試してみたい」「汗の量だけを一時的に減らしたい」という方にはボトックス注射が向いていますが、「根本的に治療したい」「繰り返しの通院は避けたい」という方にはミラドライがおすすめです。
手術(剪除法)との比較
剪除法は、皮膚を切開して直接汗腺を取り除く手術です。保険適用(重度の場合)で受けられることがメリットですが、傷跡が残る、ダウンタイムが長い(数週間の安静が必要)、合併症のリスクがあるといったデメリットがあります。
効果の面では、剪除法は汗腺を直接目視で確認しながら除去するため、高い効果が期待できます。ただし、医師の技術によって結果に差が出やすく、術後の傷跡の残り方も異なります。
「傷跡を残したくない」「ダウンタイムを短くしたい」という方にはミラドライが向いていますが、「保険適用で治療を受けたい」「重度のワキガで確実に効果を得たい」という方には剪除法も選択肢となります。
その他の切らない治療との比較
ミラドライ以外にも「切らないワキガ・多汗症治療」を謳う機器がいくつか存在します。例えば、針先から高周波を出して汗腺を破壊する「ビューホット」などがあります。
しかし、ミラドライ以外の機器については、治療効果や安全性を示すデータが不十分な場合があります。日本の厚生労働省から薬事承認を受けているわき汗治療機器はミラドライのみであり、公的機関によって効果と安全性が認められているという点でミラドライは信頼性が高いと言えます。
11. クリニック選びで失敗しないためのポイント
ミラドライ治療の効果を最大限に引き出すためには、クリニック選びが非常に重要です。「同じ機器を使うならどこで受けても同じ」と思われがちですが、実際には医師の技術や治療方針によって効果に差が出ることがあります。
ポイント1:ミラドライ公式認定医かどうか
ミラドライの開発元であるMiramar Labs社では、一定の症例経験と実技審査をクリアした医師に対して「公式認定医」の認定書を発行しています。公式認定医が施術を担当するクリニックを選ぶことで、一定水準以上の技術力が期待できます。
ポイント2:照射範囲と出力レベル
料金が極端に安いクリニックでは、照射範囲が限定されていたり、出力レベルが低く設定されていたりする場合があります。照射範囲が狭いと効果が不十分になる可能性があり、出力が低いと汗腺を十分に破壊できない可能性があります。
カウンセリング時に、照射範囲と出力レベルについて確認することをおすすめします。一般的に、最大出力(レベル5)での広範囲照射が推奨されています。
ポイント3:施術を担当するのは医師か看護師か
ミラドライの施術は、医師が担当するクリニックと看護師が担当するクリニックがあります。どちらが良いとは一概に言えませんが、医師が担当する場合は人件費が高くなるため料金も高くなる傾向があります。
ただし、麻酔の調整や照射出力の微調整など、細やかな対応を期待するならば、経験豊富な医師が施術を担当するクリニックを選ぶことをおすすめします。
ポイント4:アフターフォロー体制
ミラドライ治療後に気になる症状が出た場合に、適切に対応してもらえるかどうかも重要なポイントです。術後の経過観察の診療が無料で受けられるか、遠隔での相談対応があるかなど、アフターフォロー体制を確認しておきましょう。
ポイント5:料金の透明性
ミラドライの料金体系はクリニックによって異なり、施術代以外に麻酔代、チップ代、薬代などが別途かかる場合があります。見た目の料金だけでなく、最終的な総額がいくらになるのかを事前に確認することが大切です。
また、モニター制度を利用する場合も、モニター価格の適用条件や追加費用の有無を確認しておきましょう。

12. よくある質問(Q&A)
ミラドライ治療を検討されている方からよく寄せられる質問にお答えします。
局所麻酔を行うため、照射中に痛みを感じることはほとんどありません。ただし、麻酔注射の際に針のチクッとした痛みを感じることがあります。痛みに不安がある方には、笑気麻酔をオプションで用意しているクリニックもあります。
多くの方が1回の治療で十分な効果を実感されています。1回の施術で約70〜80%の汗腺を破壊することができ、汗やニオイが大幅に軽減されます。より高い効果を求める場合は、6か月以上の間隔を空けて2回目の治療を検討することも可能です。
Q3. 治療後、すぐに仕事に復帰できますか?
基本的に、翌日から通常の生活に復帰することが可能です。ただし、腫れや違和感が残っている間は、腕を大きく動かす作業や重いものを持ち上げる作業は避けたほうが良いでしょう。デスクワークであれば、翌日からの復帰も十分可能です。
Q4. 永久脱毛と同時に受けられますか?
はい、脱毛治療とミラドライを同時に受けることは可能です。むしろ、ミラドライを先に受けることで副次的な減毛効果も得られるため、その後の脱毛治療がより効率的になる可能性があります。
Q5. 未成年でも治療を受けられますか?
思春期以降であれば、未成年の方でもミラドライ治療を受けることは可能です。ただし、成長期の方は新たに汗腺が発達する可能性があるため、治療の効果が十分に得られない場合や、成人後に症状が再発する場合があります。保護者の同意が必要となりますので、親御さんと一緒にカウンセリングを受けることをおすすめします。
Q6. ワキガの再発はありますか?
ミラドライで破壊された汗腺は再生しないため、基本的に再発することはありません。ただし、破壊しきれなかった汗腺が時間の経過とともに活動を再開するため、治療直後と比較して汗やニオイが多少戻ったと感じることがあります。これは再発ではなく、治療の最終的な効果が安定してきた状態です。
Q7. 他の部位(手のひら、足の裏など)にも使えますか?
ミラドライはワキ専用の治療機器であり、手のひらや足の裏など他の部位には適用できません。これはメーカーからの指定であり、安全性と効果が確認されているのはワキへの使用のみです。手のひらや足の裏の多汗症には、ボトックス注射やイオントフォレーシス療法など、他の治療法を検討してください。
Q8. 妊娠中・授乳中でも治療を受けられますか?
妊娠中・授乳中の方は、安全性が確立されていないため、治療を受けることができません。妊娠・授乳が終了してから治療を検討してください。
13. まとめ
本コラムでは、ミラドライの仕組みや効果、モニター制度の詳細、渋谷で治療を受けるメリット、クリニック選びのポイントまで、ワキガ・多汗症治療を検討されている方に向けた情報を網羅的に解説しました。
ミラドライは、2018年に厚生労働省から薬事承認を取得した、切らないワキガ・多汗症治療の中で最も信頼性の高い治療法です。1回の治療で長期的な効果が期待でき、ダウンタイムも短いため、忙しい現代人にとって非常に適した治療と言えます。
モニター制度を活用することで、通常よりもお得な価格で治療を受けることも可能です。渋谷エリアには経験豊富な医師が在籍するクリニックが多く、複数のクリニックを比較検討しやすい環境が整っています。
ワキガや多汗症は、日常生活や対人関係に大きな影響を与える悩みです。「気になっているけれど、どこに相談したらいいかわからない」という方は、まずは無料カウンセリングを受けてみることをおすすめします。専門の医師に相談することで、自分に最適な治療法を見つける第一歩を踏み出すことができるでしょう。
アイシークリニック渋谷院では、ミラドライ治療に精通した医師とスタッフが、患者様一人ひとりの症状やご要望に合わせた治療をご提案しています。汗やニオイのお悩みから解放され、快適な毎日を送るために、ぜひ一度ご相談ください。
参考文献
- 原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版(日本皮膚科学会)
- 汗の病気―多汗症と無汗症―Q5(日本皮膚科学会)
- 国内初 切らないワキ汗治療器「miraDry(ミラドライ)システム」薬事承認取得に関するご案内(PR TIMES)
- 原発性局所多汗症診療ガイドライン2015年改訂版(Mindsガイドラインライブラリ)
- 原発性腋窩多汗症(兵庫医科大学病院)
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務