粉瘤

炎症性粉瘤の画像と治療法を解説|放置するとどうなる?

皮膚の下にできたしこりが突然赤く腫れ上がり、激痛・熱感をともなう「炎症性粉瘤」。

💬 「これって何?放置して大丈夫?」
💬 「病院に行くべき?自分で潰してもいい?」

…そう不安に感じているあなたへ、この記事を読んでください。
🚨 放置・自己処置は危険!
炎症性粉瘤は膿瘍・蜂窩織炎などの深刻な合併症に進展するリスクがあります。
「そのうち治るだろう」は絶対NGです。
この記事でわかること👇
炎症性粉瘤の見た目・症状の特徴
放置するとどうなるか(リスク)
切開・摘出など治療法の流れ

この記事を読まずに放置すると、症状が悪化して入院レベルになる可能性も。
まず正しい知識を身につけて、早めに対処しましょう。


目次

  1. 粉瘤(アテローム)とは何か
  2. 炎症性粉瘤とは?通常の粉瘤との違い
  3. 炎症性粉瘤の見た目と画像的特徴
  4. 炎症性粉瘤が起こる原因とメカニズム
  5. 炎症性粉瘤の症状チェックリスト
  6. 放置するとどうなる?悪化リスクと合併症
  7. 炎症性粉瘤の治療法:切開排膿と摘出手術
  8. 治療を受けるタイミングと受診の目安
  9. 炎症性粉瘤の予防と再発を防ぐために
  10. まとめ

💡 この記事のポイント

炎症性粉瘤は細菌感染や袋の破裂で赤み・腫れ・強い痛みが生じる皮膚疾患で、放置すると膿瘍や蜂窩織炎に進展する。治療は切開排膿で急性症状を鎮めた後、摘出手術で根治を図るのが基本であり、自己処置は危険なため早期受診が重要。

💡 1. 粉瘤(アテローム)とは何か

粉瘤(ふんりゅう)は、医学的には「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」あるいは「アテローム」とも呼ばれる良性の皮膚腫瘍です。皮膚の表面から内側に向かって袋状の構造物が形成され、その中に角質(皮膚の老廃物)や皮脂が蓄積してできます。

粉瘤は体のどこにでも発生しますが、特に頭部・顔面・首・背中・耳のうしろ・足の裏などに多くみられます。大きさは数ミリメートルの小さなものから、数センチメートルに及ぶ大きなものまでさまざまです。

正常な状態の粉瘤は、皮膚の下にできた丸くて柔らかいしこりとして触れることができ、中心部に「臍(へそ)」と呼ばれる黒い点(開口部)が見られることがあります。痛みや熱感はなく、多くの場合はゆっくりと成長します。

粉瘤そのものは悪性ではなく、放置しても命に関わることはほとんどありません。しかし、時間が経つにつれて大きくなったり、炎症を起こして痛みを引き起こしたりすることがあるため、適切な対処が必要です。

粉瘤の根本的な治療法は手術による摘出のみです。市販薬や外用薬では内部の袋ごと取り除くことができないため、完治を目指すには医療機関での処置が必要になります。

Q. 炎症性粉瘤の見た目にはどんな特徴がある?

炎症性粉瘤は皮膚が赤く充血して腫れ上がり、通常の粉瘤と比べて周囲との境界がわかりにくくなります。炎症が進むとしこりが硬く張り詰め、内部に膿が溜まると波打つような感触が生じます。さらに進行すると皮膚が薄くなり、膿が透けて見えることもあります。

📌 2. 炎症性粉瘤とは?通常の粉瘤との違い

炎症性粉瘤とは、通常は無症状だった粉瘤が何らかの原因で炎症を起こした状態を指します。医療現場では「感染性粉瘤」「化膿性粉瘤」と呼ばれることもあります。

通常の粉瘤と炎症性粉瘤の最大の違いは、症状の有無と緊急性です。通常の粉瘤は痛みがなく、日常生活にほとんど影響を与えません。一方、炎症性粉瘤は赤みや腫れ、強い痛み、熱感が突然現れ、数日以内に急速に悪化することがあります。

炎症性粉瘤が生じる主なメカニズムは2つあります。ひとつは外からの細菌感染によるもので、毛穴や小さな傷口から細菌が侵入して粉瘤の内部で増殖し、膿をつくります。もうひとつは、粉瘤の袋が何らかの刺激(外傷や過度の圧迫など)によって破れ、内部の角質や皮脂が周囲の組織に漏れ出すことで引き起こされる異物反応です。

どちらの場合も、体の免疫システムが異物を排除しようとして炎症反応が起きます。この過程で発赤・腫脹・熱感・疼痛という、いわゆる「炎症の4徴候」が現れます。

炎症性粉瘤は自然に治ることは少なく、適切な処置を行わないと悪化する可能性が高いため、早めに皮膚科や外科を受診することが重要です。

✨ 3. 炎症性粉瘤の見た目と画像的特徴

炎症性粉瘤の見た目(外観)は、通常の粉瘤と大きく異なります。ここでは、医師が診察時に確認する典型的な外観上の特徴をご説明します。実際の患者さんの画像を見るよりも、特徴を文章でしっかり把握しておくことで、受診の判断に役立てることができます。

炎症性粉瘤の典型的な外観的特徴としては、まず皮膚の局所的な赤みと腫れが挙げられます。通常の粉瘤が皮膚と同じ色をしているのに対し、炎症性粉瘤の周囲は充血して赤みを帯び、しこりの部分が盛り上がって腫脹しています。腫れが強い場合には、周囲の皮膚との境界がわかりにくくなることもあります。

次に、しこりの硬さと質感の変化があります。もともとは弾力のある柔らかいしこりだった粉瘤が、炎症が進むにつれて硬く張り詰めた感触になります。内部に膿が溜まると、触ると波打つような感触(波動感)を感じることがあります。

さらに進行すると、皮膚の表面が薄くなり、光を当てると中の膿が透けて見えるほどになることもあります。この状態は「融解」といい、放置すると皮膚が自然に破れて膿が排出される「自壊」に至ることがあります。自壊した場合、白〜黄色がかったチーズ状または練り物状の内容物(角質や皮脂の混合物)と膿が一緒に出てきます。この内容物はしばしば独特の臭いをともないます。

超音波(エコー)検査での画像的特徴としては、皮膚の下に境界のはっきりとした低エコー域(黒っぽく見える領域)として描出されることが多く、内部に均一または不均一なエコーを認めることがあります。炎症が強い場合には、周囲の組織との境界が不明瞭になったり、血流が増加したりする所見が得られます。

MRIや CT 検査が行われることは少ないですが、感染が深部に及んでいる可能性がある場合には、画像検査で炎症の広がりや周囲の組織への影響を確認することがあります。

Q. 粉瘤が炎症を起こす主な原因は何か?

炎症性粉瘤の主な原因は2つあります。1つは黄色ブドウ球菌などの細菌が粉瘤の開口部から侵入して化膿する感染性のもの、もう1つは強い圧迫や外傷で袋が破れ、内容物が周囲の組織に漏れ出すことで起きる異物反応です。免疫力の低下や自己処置も悪化の引き金になります。

🔍 4. 炎症性粉瘤が起こる原因とメカニズム

炎症性粉瘤が発生するメカニズムを理解することは、予防策を考える上でも重要です。主な原因としては以下のものが挙げられます。

まず、細菌感染が最も一般的な原因です。粉瘤の開口部(臍)から黄色ブドウ球菌などの皮膚常在菌が侵入し、袋の内部で増殖することで化膿性の炎症が引き起こされます。免疫力が低下しているとき(疲労・睡眠不足・風邪をひいたとき)や、皮膚のバリア機能が低下しているときに感染しやすくなります。

次に、外傷や過度の刺激も原因になります。粉瘤を強く押したり揉んだりすること、硬い椅子や衣服との継続的な摩擦、スポーツや転倒による打撲などが引き金となって袋が破れることがあります。袋の内容物が周囲の組織に漏れ出すと、免疫細胞がこれを「異物」として認識し、激しい炎症反応を起こします。

自己処置による悪化も見落としがちな原因です。「自分でニキビのように絞れば治るのでは」と考えて皮膚の上から強く押したり、針で刺して内容物を出そうとしたりすることは非常に危険です。清潔でない器具や手で操作することで新たな感染を招いたり、袋を損傷させて炎症を悪化させたりする可能性があります。

また、衛生環境も関係しています。発汗が多い夏場や、汚れやすい部位(腋窩・股間・足底など)では感染リスクが高まります。入浴後に清潔に保つことが重要ですが、過度に強くこすることも逆効果になることがあります。

体質や遺伝的素因も炎症を起こしやすさに影響します。アクネ菌が関与している場合もあり、ニキビができやすい体質の人は粉瘤も炎症を起こしやすい傾向があるという報告があります。糖尿病などの基礎疾患がある方は免疫機能が低下しやすく、感染・炎症リスクが高まることが知られています。

💪 5. 炎症性粉瘤の症状チェックリスト

以下の症状に当てはまるものがある場合、炎症性粉瘤の可能性があります。複数の症状が重なっている場合は、できるだけ早く医療機関を受診することをおすすめします。

局所症状としては、皮膚の下にしこりがある(または以前からあった)、しこりの周囲が赤くなっている、触ると熱感がある、じっとしていても痛い・触れると強く痛む、しこりが急に大きくなった気がする、皮膚の表面が薄くなってきた・透けて見える、皮膚が破れて膿や白い固形物が出てきた、独特の臭いがある、といった症状が挙げられます。

全身症状としては、発熱(37.5℃以上)がある、患部のそばのリンパ節が腫れている、患部から赤い線(リンパ管炎)が伸びている、全身的な倦怠感がある、といった症状も炎症性粉瘤の際に現れることがあります。全身症状がともなう場合は特に緊急性が高く、速やかな受診が必要です。

なお、炎症性粉瘤は他の皮膚疾患と見た目が似ていることがあります。鑑別が必要な疾患としては、毛包炎(毛根の炎症)、せつ・よう(皮膚の深部の細菌感染症)、皮脂腺嚢腫、リンパ節炎、稀なケースでは皮膚の悪性腫瘍などが挙げられます。自己判断は難しいため、専門医による診察が重要です。

Q. 炎症性粉瘤を放置するとどうなるか?

炎症性粉瘤を放置すると、内部に膿が溜まる「膿瘍」が形成され、さらに感染が皮下組織全体に広がる「蜂窩織炎」へ進展する可能性があります。重症例では入院での点滴治療が必要になることもあります。また炎症を繰り返すと周囲に癒着が生じ、摘出手術の難易度が上がり再発リスクも高まります。

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🎯 6. 放置するとどうなる?悪化リスクと合併症

炎症性粉瘤を放置した場合、さまざまな合併症が引き起こされるリスクがあります。「痛いけれど病院に行くのが面倒」「そのうち治るかも」と様子を見ていると、治療が複雑になるだけでなく、深刻な状態に発展することもあります。

最もよく見られる経過として、膿瘍形成があります。炎症が進行し、内部に膿が大量に溜まった状態を「膿瘍(のうよう)」といいます。膿瘍が大きくなると周囲の組織を圧迫し、痛みが著しく強くなります。この状態になると、切開して膿を排出する処置(切開排膿術)が必要になります。

次に、蜂窩織炎(ほうかしきえん)への進展があります。感染が深部に広がり、皮下組織全体に炎症が波及した状態を蜂窩織炎といいます。この状態になると患部の広範囲に赤みと腫れが広がり、強い痛みと高熱をともないます。入院して点滴による抗菌薬治療が必要になるケースも少なくありません。

さらに重篤な合併症として、敗血症のリスクがあります。感染が血流に乗って全身に広がると、敗血症という生命を脅かす状態になることがあります。これは稀なケースですが、免疫が低下している方(糖尿病・高齢者・ステロイド使用中の方など)では特に注意が必要です。

また、自壊(じかい)による皮膚の損傷も起こり得ます。炎症が進んで皮膚が破れると、膿と内容物が排出されますが、これは感染が解消されたわけではなく、粉瘤の袋が残っている限り炎症が繰り返されます。また、破れた跡が瘢痕(傷跡)になったり、フィステル(瘻孔:ろうこう)といって皮膚に小さな穴が残り、じくじくし続ける状態になったりすることもあります。

炎症を繰り返すことで治療が難しくなるという問題もあります。炎症を何度も繰り返すと、粉瘤の周囲に線維組織(癒着)が形成され、摘出手術の際に正常組織との分離が困難になります。手術の難易度が上がるため、傷が大きくなったり、再発リスクが高まったりする可能性があります。

💡 7. 炎症性粉瘤の治療法:切開排膿と摘出手術

炎症性粉瘤の治療は、炎症の状態と程度によって異なります。大きく分けると「急性期の応急処置(切開排膿)」と「根本的な治療(摘出手術)」の2段階に分かれます。

✅ 急性期の治療:切開排膿術

炎症が強く、膿が溜まっている状態では、まず切開して膿を排出する「切開排膿術(せっかいはいのうじゅつ)」が行われます。

切開排膿術の流れは次のとおりです。まず患部を清潔にし、局所麻酔薬を注射します。麻酔が効いたら、メスで皮膚を小さく切開します。切開口から膿と内容物を排出し、内部を生理食塩水などで洗浄します。その後、切開口を縫合せずにガーゼを挿入して開放し、引き続き膿が排出できる状態にしておきます(これを「開放創処置」といいます)。

切開排膿術は根本的な治療ではありません。粉瘤の袋を取り除くものではなく、あくまでも急性症状(痛み・腫れ)を緩和するための処置です。炎症が治まった後に、あらためて摘出手術を行う必要があります。

切開排膿後は、抗菌薬(抗生物質)の内服が処方されることが一般的です。感染を抑制し、炎症の早期収束を促します。処方された抗菌薬は、症状が改善しても指定された期間しっかり服用することが重要です。

📝 根本的な治療:粉瘤摘出手術

炎症が落ち着いた後(目安として切開排膿から1〜3ヶ月程度)、粉瘤の袋ごと取り除く摘出手術が行われます。これが粉瘤の根治的治療です。

摘出手術には主に「くり抜き法(へそ抜き法・トレパン法)」と「紡錘形切除法(従来法)」の2種類があります。

くり抜き法は、臍(へそ:粉瘤の開口部)の部分に3〜4mmほどの小さな穴を開け、そこから粉瘤の内容物を取り出した後に袋を引き出す方法です。傷口が小さく、縫合が不要な場合もあり、術後のダウンタイムが少ないのが特徴です。比較的小さな粉瘤や、炎症後の摘出に用いられることがあります。ただし、炎症を繰り返したことで袋が周囲と癒着している場合は、袋を完全に取り除けない可能性があるため、再発のリスクが高くなることもあります。

紡錘形切除法は、粉瘤を含む皮膚を紡錘形(楕円形)に切り取り、内部の袋ごと摘出する方法です。確実に袋全体を取り出せるため、再発リスクが低いとされています。炎症を繰り返した大きな粉瘤や、癒着が強い場合に適しています。切開の長さが長くなるため傷跡もやや目立ちますが、丁寧に縫合することで最小限に抑えることが可能です。

どちらの方法が適しているかは、粉瘤の大きさ・部位・炎症の既往・癒着の程度などによって異なります。担当医とよく相談して決めることが大切です。

🔸 炎症中の摘出手術について

以前は、炎症が起きている最中の摘出手術は感染を広げるリスクがあるとして、まず切開排膿を行って炎症を鎮めてから摘出するのが標準的な流れでした。しかし近年では、炎症状態であっても状況によっては摘出手術が可能なケースもあると報告されています。施設や医師の判断・技量によっても異なりますので、受診時に医師と相談することをおすすめします。

⚡ 手術後のケアと経過

手術後は、清潔な状態を保ちながら創部を管理することが重要です。縫合した場合は通常7〜14日後に抜糸を行います。術後の腫れや痛みは個人差がありますが、数日〜1週間程度で落ち着いてくることが多いです。

術後の注意点としては、激しい運動や入浴(シャワーは翌日から可能なことが多い)、患部への刺激を避けることが挙げられます。また、喫煙は傷の治癒を遅らせるため、禁煙が推奨されます。

手術の費用については、良性腫瘍の摘出として健康保険が適用されます。3割負担の場合、切開排膿術は数千円程度、摘出手術は数千〜数万円程度が目安です(施設によって異なります)。

Q. 粉瘤の摘出手術にはどんな種類があるか?

粉瘤の摘出手術には主に2種類あります。「くり抜き法」は3〜4mmの小さな穴から内容物と袋を取り出す方法で、傷が小さく術後の負担が少ない利点があります。「紡錘形切除法」は皮膚を楕円形に切除して袋ごと摘出する方法で、再発リスクが低く、癒着が強い粉瘤に適しています。いずれも健康保険が適用されます。

📌 8. 治療を受けるタイミングと受診の目安

「どのタイミングで病院に行けばいいのかわからない」という方のために、受診の目安をご説明します。

まず、以下の症状が現れたらすぐに受診することをおすすめします。急に赤くなり痛みが出てきた場合、急速に腫れが広がっている場合、38℃以上の発熱がある場合、リンパ節の腫れや発赤が広がっている場合(リンパ管炎の疑い)がその例として挙げられます。これらは緊急性が高い状態です。

次に、できるだけ早めの受診が望ましいケースとして、痛みはないが以前からあるしこりが大きくなってきた場合、白い内容物が出てきたことがある場合、臭いが気になる場合などが挙げられます。炎症を起こしていなくても、粉瘤は徐々に大きくなる可能性があり、早めに治療したほうが傷が小さくて済みます。

受診する診療科は、皮膚科または形成外科が適しています。どちらの科でも粉瘤の診断・治療を行っていますが、手術的な治療(摘出)を希望する場合は、実際に手術を行っているかどうかをあらかじめクリニックに確認しておくと安心です。

受診時には、しこりに気づいた時期、症状が変化した時期、過去に同じ部位で炎症を起こしたことがあるか、基礎疾患や内服薬の有無などを医師に伝えると、スムーズな診療につながります。

また、夜間や休日に強い痛みで動けないほどの状態になった場合は、救急外来を受診することも選択肢のひとつです。切開排膿は緊急で対応可能な処置であるため、夜間・休日でも対応できる施設があります。

✨ 9. 炎症性粉瘤の予防と再発を防ぐために

粉瘤そのものの発生を完全に予防することは難しいですが、炎症を防いだり、手術後の再発を抑えたりするために日常生活でできることはいくつかあります。

清潔を保つことが基本です。皮膚を清潔に保つことで、細菌感染のリスクを下げることができます。特に粉瘤がある部位は、刺激を与えすぎず、優しく洗う習慣をつけましょう。ただし、強くこすったり、ゴシゴシ洗ったりすることは皮膚バリアを傷つけるため逆効果です。

粉瘤を強く押したり、自分でつぶそうとしないことも重要です。粉瘤を自分で絞ったり、針で刺したりすることは、袋を破って内容物を周囲に拡散させたり、細菌感染を引き起こしたりする危険があります。触りたくなる気持ちはわかりますが、粉瘤を発見したら医療機関に相談することが最善です。

衣服やベルトなどで患部を継続的に圧迫・摩擦しないことも意識してください。背中や腰部にある粉瘤は、椅子の背もたれや服の締め付けで刺激を受けやすい部位です。なるべく刺激を避けるような服装の工夫が助けになることがあります。

免疫力を維持することも、感染・炎症の予防につながります。十分な睡眠をとる、バランスの良い食事をとる、過度なストレスを避けるなど、基本的な健康管理が皮膚免疫の維持に役立ちます。特に糖尿病をお持ちの方は血糖コントロールが感染リスクの低減に直結しますので、主治医と連携して管理することが大切です。

手術後の再発防止については、摘出手術で粉瘤の袋を完全に取り除けた場合は再発率が低くなります。ただし、炎症後で癒着が強い場合や、袋が破れて一部残存した場合は再発の可能性があります。術後の経過観察で、再発の早期発見に努めることが重要です。もし同じ部位にしこりが再び現れた場合は、早めに受診して確認してもらうようにしましょう。

また、一度粉瘤ができた方は、体の別の部位にも粉瘤ができやすい傾向がある場合もあります。全身の皮膚を定期的にチェックする習慣をつけると、早期発見・早期治療につながります。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、炎症性粉瘤の状態で初めてご来院される患者様が多く、「もっと早く来ればよかった」とおっしゃる方が少なくありません。赤みや痛みが出始めた段階で早めにご相談いただければ、より小さな処置で症状を抑えられるケースがほとんどですので、「様子を見よう」と我慢しすぎず、気になる変化があればどうぞお気軽にご来院ください。炎症が落ち着いた後の根本的な摘出手術まで、一貫してサポートいたします。」

🔍 よくある質問

炎症性粉瘤と普通の粉瘤はどう違うのですか?

通常の粉瘤は痛みがなく日常生活にほとんど影響しませんが、炎症性粉瘤は細菌感染や袋の破裂をきっかけに赤み・腫れ・熱感・強い痛みが突然現れます。数日以内に急速に悪化することもあるため、通常の粉瘤と比べて緊急性が大きく異なります。

炎症性粉瘤を放置するとどうなりますか?

放置すると内部に膿が溜まる「膿瘍」が形成され、さらに感染が皮下組織全体に広がる「蜂窩織炎」に進展する可能性があります。重篤なケースでは入院が必要になったり、稀に敗血症を引き起こすこともあります。また炎症を繰り返すと手術が難しくなるため、早めの受診が重要です。

炎症性粉瘤の治療はどのような流れで行われますか?

まず急性期に「切開排膿術」で膿を排出し、抗菌薬の内服で炎症を鎮めます。その後、炎症が落ち着いた1〜3ヶ月後を目安に、粉瘤の袋ごと取り除く「摘出手術」を行うのが一般的な流れです。アイシークリニックでは切開排膿から摘出手術まで一貫してサポートしています。

粉瘤の治療に健康保険は使えますか?費用の目安は?

粉瘤の治療は良性腫瘍の摘出として健康保険が適用されます。3割負担の場合、切開排膿術は数千円程度、摘出手術は数千〜数万円程度が目安です。粉瘤の大きさや部位、施設によって費用が異なるため、受診時に確認することをおすすめします。

粉瘤の炎症を自宅で自己処置してもよいですか?

自己処置は避けてください。自分で絞ったり針で刺したりすると、粉瘤の袋が破れて内容物が周囲の組織に広がり、炎症を悪化させる危険があります。また不衛生な処置による新たな細菌感染のリスクもあります。赤みや痛みが出始めた段階で、早めに皮膚科・形成外科を受診することが最善です。

💪 まとめ

炎症性粉瘤は、もともとは良性の皮膚疾患である粉瘤が感染や物理的刺激をきっかけに炎症を起こした状態です。皮膚の局所的な赤み・腫れ・熱感・痛みが特徴的な症状で、見た目にも明確な変化がみられます。放置すると膿瘍形成・蜂窩織炎・自壊など重篤な合併症に発展する可能性があるため、早めの受診と適切な治療が重要です。

治療は炎症の程度によって異なり、急性期には切開排膿と抗菌薬投与で症状を鎮め、炎症が落ち着いた後に摘出手術を行うのが一般的な流れです。手術は健康保険が適用され、くり抜き法や紡錘形切除法などの方法から、患者さんの状態に合わせて最適な術式が選択されます。

日常生活では、粉瘤を自己処置しないこと・清潔を保つこと・患部への過度な刺激を避けることが炎症予防のポイントです。「少し赤いけれど様子を見よう」と放置するのではなく、変化を感じたら皮膚科・形成外科への受診を検討してください。早期に対処することで、より小さな治療で済み、傷跡も最小限に抑えることができます。

アイシークリニック渋谷院では、粉瘤の診断から切開排膿・摘出手術まで対応しています。「皮膚のしこりが気になる」「炎症を起こしてしまった」という方は、お気軽にご相談ください。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 粉瘤(表皮嚢腫)の診断基準・治療方針・炎症性粉瘤の処置に関するガイドライン情報
  • 日本形成外科学会 – 粉瘤の摘出手術(くり抜き法・紡錘形切除法)の術式選択や手術適応に関する専門的情報
  • PubMed – 炎症性粉瘤(感染性表皮嚢腫)の切開排膿・摘出手術・抗菌薬治療に関する国際的な臨床研究・エビデンス情報

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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