多汗症

手汗にボトックス治療は効果的?仕組み・効果・費用を徹底解説

手のひらから大量の汗が止まらない…それ、「手掌多汗症」かもしれません。

📌 握手・書類へのサイン・スマホ操作・楽器演奏…日常のあらゆる場面で手汗に悩まされていませんか?
制汗剤やハンカチでは限界を感じているあなたへ。この記事を読まないと、また同じ悩みを繰り返すことになります。

💡 近年注目の「ボトックス注射」なら、発汗量を50〜80%減少させる効果が期待できます。費用・効果・リスクまで、このページで全部わかります。

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解決策はすでにあります。あとは知るだけ。


目次

  1. 手汗(手掌多汗症)とはどんな状態?
  2. 手汗の原因とメカニズム
  3. 手汗に対するボトックス治療とは
  4. ボトックス治療の効果と持続期間
  5. ボトックス治療の施術の流れ
  6. 手汗ボトックスの費用相場
  7. ボトックス治療の副作用とリスク
  8. ボトックス治療が向いている人・向いていない人
  9. 手汗に対するその他の治療法との比較
  10. 治療前に知っておきたい注意事項
  11. まとめ

この記事のポイント

手掌多汗症に対するボトックス治療は、アセチルコリンの分泌を抑制して発汗量を50〜80%減少させる効果があり、持続期間は3〜6ヶ月、費用は両手で5〜15万円程度。一時的な筋力低下などのリスクもあるため、アイシークリニックでは個人のライフスタイルに合わせた治療計画を提案している。

💡 手汗(手掌多汗症)とはどんな状態?

「手掌多汗症」とは、手のひら(手掌)から日常生活に支障をきたすほど大量の汗が分泌される状態を指す疾患名です。暑い環境や激しい運動をしているわけでもないのに、手のひらに汗が滴るほど出てしまう場合、単なる「汗っかき」ではなく、医学的な治療が必要な状態である可能性があります。

多汗症は、体全体に汗が多い「全身性多汗症」と、特定の部位にのみ過剰な発汗が起こる「局所性多汗症」に分けられます。手掌多汗症は後者に分類され、脇の下(腋窩多汗症)や足の裏(足底多汗症)とともに、局所性多汗症のなかでも特に多く見られる部位のひとつです。

手掌多汗症の有病率は、日本人の約5〜8%程度とされており、思春期をピークに発症することが多いとされています。性別を問わず発症し、遺伝的な要因も関係していると考えられています。症状が重い場合は、精神的なストレスや社会生活への影響が大きく、学業や仕事にも支障をきたすことがあります。

国際多汗症協会(International Hyperhidrosis Society)が提唱する診断基準によると、明らかな原因なく6ヶ月以上続く局所的な過剰発汗で、以下のうち2つ以上を満たす場合に局所性多汗症と診断されます。左右対称性の発汗、週1回以上の発汗エピソード、日常生活への支障、25歳以下での発症、家族歴、睡眠中の発汗の消失、などが基準として挙げられています。

Q. 手掌多汗症の有病率と発症の特徴は?

手掌多汗症は日本人の約5〜8%に見られる疾患で、思春期をピークに発症することが多いとされています。性別を問わず発症し、遺伝的要因も関係していると考えられています。症状が重い場合は、精神的ストレスや社会生活への影響が大きく、学業や仕事にも支障をきたすことがあります。

📌 手汗の原因とメカニズム

汗は、皮膚に存在する「汗腺」から分泌されます。汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類がありますが、手のひらの汗にはエクリン腺が関係しています。エクリン腺は体温調節のために全身に分布していますが、手のひらや足の裏には特に密集して存在しています。

発汗のメカニズムを少し詳しく見てみましょう。エクリン腺は自律神経(交感神経)によってコントロールされています。通常、体温が上昇したときや精神的な緊張を感じたときに交感神経が刺激され、神経終末から「アセチルコリン」という神経伝達物質が放出されます。このアセチルコリンがエクリン腺の受容体に結合することで、汗の分泌が促進されます。

手掌多汗症の場合、この神経系の調節機能に何らかの異常があり、アセチルコリンが過剰に放出されたり、汗腺がアセチルコリンに対して過敏に反応したりすることで、必要以上の汗が分泌されると考えられています。特に精神的なストレスや緊張が引き金になりやすく、「汗が出ることへの不安」がさらに発汗を促進するという悪循環に陥りやすい点も特徴のひとつです。

また、手掌多汗症は「原発性局所多汗症」に分類されることがほとんどです。原発性とは、他の疾患が原因となっているわけではない、という意味です。一方で、甲状腺機能亢進症や糖尿病、感染症、特定の薬剤の副作用などが原因で発汗が増える「続発性多汗症」もあるため、必要に応じて内科的な精査も重要になります。

✨ 手汗に対するボトックス治療とは

ボトックス(Botox)は、ボツリヌス菌が産生する「ボツリヌストキシン(ボツリヌス毒素)」を医療用に精製したタンパク質製剤です。美容医療では表情ジワの改善などに使用されることで広く知られていますが、多汗症の治療にも有効性が認められており、脇の多汗症に対しては保険適用にもなっています。

手汗に対するボトックス治療の仕組みは非常にシンプルです。ボツリヌストキシンを手のひらに注射すると、神経終末から放出されるアセチルコリンの分泌がブロックされます。アセチルコリンが汗腺に届かなくなることで、汗腺の活動が抑制され、発汗量が大幅に減少します。

ボツリヌストキシンの作用は一時的なものです。時間が経つにつれて神経終末が再生し、アセチルコリンの分泌が再開されると、徐々に発汗が戻ってきます。そのため、効果を維持するためには定期的な再治療が必要となります。

手汗のボトックス治療は、現在の日本では自由診療(保険外診療)として行われることが一般的です。脇の多汗症(腋窩多汗症)は2020年に保険適用となりましたが、手掌多汗症については2024年時点でまだ保険適用が認められていないため、費用は全額自己負担となります。ただし、クリニックによって使用する製剤や料金設定が異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

ボトックス治療に使用されるボツリヌストキシン製剤には、アラガン社の「ボトックス(Botox)」やメルツ社の「ゼオミン(Xeomin)」、イプセン社の「ディスポート(Dysport)」などがあります。日本国内で承認を受けている製剤を使用しているクリニックを選ぶことが安全性の観点から重要です。

Q. 手汗にボトックス治療が効く仕組みを教えてください

手汗のボトックス治療は、ボツリヌストキシンを手のひらに注射することで、神経終末から放出されるアセチルコリンの分泌をブロックします。アセチルコリンが汗腺に届かなくなることで汗腺の活動が抑制され、発汗量が大幅に減少します。作用は一時的なため、効果維持には定期的な再治療が必要です。

🔍 ボトックス治療の効果と持続期間

手汗に対するボトックス治療の効果については、複数の臨床研究で高い有効性が報告されています。適切な量のボツリヌストキシンを注射した場合、治療を受けた患者の多くで発汗量が50〜80%程度減少するという報告があります。また、患者満足度も高く、日常生活の質(QOL)が大幅に改善されるケースが多く見られます。

効果が現れ始めるまでの期間は、一般的に注射後2〜7日程度です。注射直後から劇的に効果が現れるわけではなく、数日かけてボツリヌストキシンが神経終末に作用することで、徐々に発汗量が減っていきます。1〜2週間後には効果のピークに達することが多く、この時点で再評価を行うクリニックもあります。

効果の持続期間は個人差がありますが、一般的には3〜6ヶ月程度とされています。手のひらは足の裏と同様に、日常的に使用頻度が高い部位のため、脇や額などに比べると代謝が早く、効果が短くなる傾向があります。繰り返し治療を行うことで、効果の持続期間が徐々に延びると感じる方もいらっしゃいます。

治療の効果に影響する要因としては、注射する製剤の量や注射部位・間隔のパターン、個人の代謝速度や発汗の程度などが挙げられます。適切な量と部位に注射することが効果を最大化するうえで非常に重要であり、経験豊富な医師による施術が求められます。

一点注意が必要なのは、ボトックス治療はあくまで「一時的に発汗を抑える」治療法であり、多汗症そのものを根本から治癒させるものではない、という点です。定期的な治療を続けることで長期的に症状をコントロールしていくという考え方が基本となります。

💪 ボトックス治療の施術の流れ

手汗に対するボトックス治療は、一般的にどのような流れで行われるのでしょうか。クリニックによって細部は異なりますが、基本的な流れを確認しておきましょう。

まず、カウンセリングと診察から始まります。初回の来院時には、医師による問診と診察が行われます。手汗の症状の程度や発症時期、生活への影響、既往歴や内服薬などを確認します。多汗症の診断基準を満たしているかどうかを評価し、ボトックス治療が適切かどうかを判断します。また、治療の仕組みや効果、リスクについての説明も行われるため、疑問や不安な点があればこの段階でしっかり確認しておくことが大切です。

次に、麻酔の準備を行います。手のひらへの注射は手の甲や脇の下への注射に比べて痛みを感じやすい部位です。そのため、多くのクリニックでは事前に麻酔クリーム(表面麻酔)を塗布するか、局所麻酔(クリームや注射)を行います。麻酔クリームを使用する場合は、30〜60分程度クリームを塗布して待機することが必要です。笑気麻酔を使用するクリニックもあります。

次に、注射部位のマーキングを行います。手のひら全体に均一に効果を出すため、注射箇所をあらかじめマーキングします。一般的に片手あたり10〜20箇所前後にマーキングを行い、それぞれに少量ずつ注射していきます。注射間隔は1〜2cm程度が目安とされています。

続いて、ボツリヌストキシンの注射を行います。マーキングした箇所に、細い注射針を使って皮内(皮膚の浅い層)にボツリヌストキシンを注射していきます。注射の深さや量を適切にコントロールすることが重要です。両手合わせて20〜40箇所前後に注射するため、施術時間はおよそ15〜30分程度です。

施術後は簡単なアフターケアについての説明を受け、問題がなければそのまま帰宅できます。入院や長期の安静は必要なく、当日から日常生活を送ることが可能です。ただし、施術直後の激しい運動や飲酒、長時間の入浴などは避けるよう指導されることが多いです。

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🎯 手汗ボトックスの費用相場

手汗に対するボトックス治療は自由診療のため、クリニックによって費用が大きく異なります。ここでは一般的な相場についてご説明します。

手汗ボトックスの費用は、両手で50,000〜150,000円程度が相場とされています。この幅が大きい理由は、使用するボツリヌストキシン製剤の種類や量、クリニックの立地や設備、麻酔の種類などによって料金が変わるためです。また、初診料・再診料、麻酔料などが別途かかる場合もあるため、トータルの費用をあらかじめ確認しておくことが重要です。

使用するボツリヌストキシン製剤によって料金が異なることも知っておきましょう。アラガン社の「ボトックスビスタ」はブランド力と実績から比較的高価格帯に設定されることが多く、それ以外の製剤(ゼオミン、ディスポートなど)は比較的低価格で提供されているケースもあります。ただし、製剤の違いはそのまま効果の優劣を意味するわけではなく、それぞれに特徴があります。

また、クリニックによっては定期的な通院を前提としたコース料金を設定しているところもあります。年2〜4回程度の治療が目安になることが多いため、1回ごとの費用だけでなく、年間にかかるトータルコストを考慮したうえでクリニックを選ぶと良いでしょう。

費用が安ければ良いというわけではなく、使用する製剤が国内承認のものであるか、医師の経験や技術、アフターフォローの充実度なども含めて総合的に判断することが大切です。極端に安価な場合は、未承認の製剤を使用していたり、注射量が少なすぎたりする可能性もあるため注意が必要です。

Q. 手汗ボトックスで筋力低下は起きますか?

手のひらへのボトックス注射では、汗腺を支配する神経だけでなく周囲の筋肉を支配する神経にも作用することがあり、握力の一時的な低下や指の細かい動作がしにくくなる場合があります。この症状は多くの場合数週間以内に自然回復しますが、楽器演奏者や精密作業に従事する方は医師と十分に相談することが重要です。

💡 ボトックス治療の副作用とリスク

ボトックス治療は多くの方が安全に受けられる治療法ですが、副作用やリスクがまったくないわけではありません。治療を検討する前に、主な副作用について理解しておきましょう。

注射部位の痛みや腫れ、内出血は最も一般的な副作用です。手のひらは神経が集中しているため、痛みを感じやすい部位ですが、麻酔クリームや局所麻酔を使用することで痛みを大幅に軽減できます。腫れや内出血は通常数日以内に治まります。

次に、一時的な筋力低下が挙げられます。ボツリヌストキシンは汗腺を支配する神経だけでなく、周囲の筋肉を支配する神経にも作用することがあります。手のひらへの注射の場合、注射部位によっては握力の一時的な低下や、指の細かい動作がしにくくなるといった症状が現れることがあります。この症状は多くの場合、数週間以内に自然回復しますが、楽器演奏者や精密作業を行う職業の方は注意が必要です。

代償性発汗という現象についても理解しておく必要があります。手のひらの発汗が抑制されることで、その分を補うように他の部位(腕や背中、胸部など)での発汗が増加することがあります。これは「代償性多汗症」や「代償性発汗」と呼ばれ、すべての方に起こるわけではありませんが、まれに見られる副作用のひとつです。

皮膚の乾燥についても注意が必要です。手のひらの発汗が大幅に減少すると、皮膚が乾燥しやすくなることがあります。特に皮膚が乾燥しやすい体質の方は、保湿ケアが大切になります。

アレルギー反応はきわめてまれですが、ボツリヌストキシン製剤に含まれる成分にアレルギーがある場合、注射部位の発疹やかゆみ、まれに全身的なアレルギー反応が起こる可能性があります。施術前にアレルギー歴を正確に申告することが重要です。

また、ボツリヌストキシンは妊娠中や授乳中の方、神経筋接合部に異常がある方(重症筋無力症など)、アミノグリコシド系抗生物質を服用中の方などには禁忌または慎重投与となります。これらに該当する方は治療を受けることができない場合があります。

📌 ボトックス治療が向いている人・向いていない人

手汗のボトックス治療は効果的な治療法ですが、すべての方に適しているわけではありません。治療が向いている方と、慎重に検討が必要な方について整理しておきましょう。

ボトックス治療が向いている方の特徴としては、まず制汗剤や生活習慣の改善では手汗をコントロールできない方が挙げられます。市販の制汗剤や塩化アルミニウムを含む製品を試しても効果を感じられない場合、ボトックス治療は有力な選択肢となります。また、手術は避けたいけれど確実な効果を求める方、仕事や学業、人間関係で手汗が大きな支障になっている方、比較的即効性のある治療を希望する方なども向いているといえます。

一方で、ボトックス治療を慎重に検討すべき方もいます。妊娠中・授乳中の方は原則として治療を受けることができません。重症筋無力症やランバート・イートン筋無力症候群などの神経筋疾患がある方も治療を受けることができません。手の筋力を細かくコントロールする必要がある職業(外科医、ピアニスト、バイオリニストなど)の方は、一時的な筋力低下のリスクについて医師と十分に相談したうえで判断する必要があります。また、過去にボツリヌストキシン製剤でアレルギー反応を起こしたことがある方も避ける必要があります。

費用面での負担についても現実的に考えておくことが大切です。手汗のボトックス治療は定期的な維持治療が必要となるため、継続的なコストがかかります。経済的な負担が大きい場合は、まず保険適用のある他の治療法(内服薬など)から始めることも選択肢のひとつです。

Q. 手汗の治療法としてETS手術とボトックスはどう違う?

ETS(胸腔鏡下交感神経遮断術)は発汗を司る交感神経を切断する外科的治療で効果は半永久的ですが、代償性発汗の発生率が70〜80%と高く全身麻酔も必要です。一方、ボトックス治療は侵襲が少なく副作用リスクも低いバランスの良い治療法ですが、3〜6ヶ月ごとの定期的な再治療と費用が必要になります。

✨ 手汗に対するその他の治療法との比較

手汗の治療法はボトックス注射だけではありません。それぞれの治療法の特徴や、ボトックスとの比較を理解することで、自分に合った治療法を選ぶための参考にしてください。

まず、塩化アルミニウム製剤(外用薬)について説明します。塩化アルミニウムを含むローションやクリームを皮膚に塗ることで、汗腺の開口部を物理的に塞いで発汗を抑える方法です。薬局でも購入できる市販品から、医師が処方する高濃度のものまであります。費用が安く副作用も比較的少ないため、まず試してみる治療法として位置づけられますが、手のひらへの効果は脇に比べて出にくい傾向があり、皮膚への刺激感が出ることもあります。

次に、抗コリン薬(内服薬)があります。プロパンテリンなどの抗コリン薬を内服することで、アセチルコリンの作用を全身的に抑制し、発汗を減少させます。保険適用のある治療法で費用が安い点がメリットですが、口の渇き、尿閉、視力障害、便秘など全身性の副作用が出やすいことが課題です。また、効果に個人差が大きく、必要十分な量を使用すると副作用が出やすくなるというジレンマもあります。

イオントフォレーシス(電気泳動法)は、水を張ったトレーに手のひらを浸し、微弱な電流を流すことで発汗を抑制する治療法です。病院での治療と、自宅用の機器を使ったセルフケアの両方があります。副作用が少なく比較的安全な方法ですが、効果が出るまでに週2〜3回の治療を数週間継続する必要があり、時間と手間がかかるという面があります。また、機器の購入費が必要な場合もあります。

ETS(胸腔鏡下交感神経遮断術)は、発汗をコントロールしている交感神経の一部を手術によって切断または遮断する外科的治療法です。効果は半永久的で根本治療に最も近い方法ですが、全身麻酔が必要であること、代償性発汗(術後に背中やお腹などで大量の汗が出るようになる)の発生率が高いこと(70〜80%とも報告されています)、神経損傷などの合併症リスクがあることなどのデメリットがあります。十分に検討したうえで選択する必要があります。

これらと比較したとき、ボトックス治療は「確実な効果」「侵襲が少ない」「副作用のリスクが低い」という点でバランスの良い治療法と言えます。ただし定期的な再治療が必要であり、費用がかかる点はデメリットとして考慮する必要があります。担当医師と相談しながら、自分の症状や生活スタイル、優先事項に合わせた治療法を選ぶことが最も重要です。

🔍 治療前に知っておきたい注意事項

手汗のボトックス治療を受ける前に、いくつかの重要な注意事項を確認しておきましょう。

信頼できるクリニック・医師を選ぶことが最も大切です。ボツリヌストキシン注射は医師が行う医療行為ですが、クリニックや担当医師の経験・技術によって効果や安全性に大きな差が出ます。カウンセリングの丁寧さ、使用する製剤の種類と承認状況、アフターフォローの体制、料金の透明性などを総合的に確認してください。インターネットの口コミや比較サイトだけでなく、実際にカウンセリングを受けて自分の目で確かめることをおすすめします。

施術前の準備として、いくつか注意すべき点があります。多くのクリニックでは、施術前2週間程度は血液をサラサラにする薬(アスピリン、ワーファリンなど)や抗炎症薬(NSAIDs)の服用を控えるよう指示します。これらの薬は内出血リスクを高めるためです。サプリメントのなかにも血流を促進するものがあるため、服用中のものはすべて医師に申告するようにしてください。また、施術前日はアルコールを控えることも推奨されることがあります。

施術当日の注意事項として、手のひらを清潔に保って来院することが基本です。手汗の状態を適切に評価するためにも、ローションやクリームを手のひらに塗らずに来院することが望ましいです。

施術後の注意事項も確認しておきましょう。注射後4〜6時間は注射部位を強くこすったり、マッサージしたりしないようにします(ボツリヌストキシンが周囲に広がるのを防ぐため)。当日の激しい運動や長時間の入浴、飲酒は控えることが推奨されます。また、施術後2週間程度は発汗の変化を観察し、思ったほど効果が出ていない場合は担当医師に相談することが大切です。

効果が不十分だった場合や、予期しない症状が出た場合の対応についても、事前にクリニックに確認しておくと安心です。「効果が足りなかった場合の追加注射は可能か」「副作用が出た場合の対処法は何か」など、治療の流れ全体についてしっかりと把握したうえで治療を受けるようにしましょう。

また、現在内服中の薬剤についても必ず医師に申告してください。特に筋弛緩薬やアミノグリコシド系抗生物質(ゲンタマイシンなど)は、ボツリヌストキシンの効果を増強したり、思わぬ副作用を引き起こしたりする可能性があるため、服用中の場合は治療を受けることができない場合があります。

最後に、1回の治療で「完治」するという期待は持ちすぎないようにしましょう。手汗のボトックス治療は非常に有効な治療法ですが、あくまで症状を一定期間コントロールする方法です。定期的なメンテナンス治療を続けながら、生活の質を向上させていくという長期的な視点で治療に取り組むことが大切です。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「手掌多汗症は「汗っかき」として見過ごされがちですが、日常生活や対人関係に深刻な影響を与える疾患であり、当院でも学生から社会人まで幅広い年代の方からご相談をいただいています。ボトックス治療は侵襲が少なく即効性も期待できる有効な選択肢ですが、楽器演奏者や精密作業に従事される方には一時的な筋力低下のリスクについて丁寧にご説明したうえで、お一人おひとりのライフスタイルに合った治療計画をご提案するよう心がけています。手汗のお悩みはどうか一人で抱え込まず、まずは気軽にご相談ください。」

💪 よくある質問

手汗ボトックス治療の効果はどのくらい続きますか?

効果の持続期間は個人差がありますが、一般的に3〜6ヶ月程度とされています。手のひらは日常的な使用頻度が高いため、脇や額に比べると効果が短くなる傾向があります。繰り返し治療を受けることで、効果の持続期間が徐々に延びると感じる方もいらっしゃいます。

手汗ボトックス治療の費用はどのくらいかかりますか?

手汗のボトックス治療は自由診療のため、両手で50,000〜150,000円程度が相場です。使用する製剤の種類や量、クリニックの設備、麻酔の種類などによって異なります。また、年2〜4回程度の定期的な治療が必要になるため、年間トータルコストも考慮したうえでクリニックを選ぶことをおすすめします。

手汗のボトックス注射は痛いですか?

手のひらは神経が集中しているため、痛みを感じやすい部位です。ただし、当院を含む多くのクリニックでは麻酔クリームや局所麻酔を事前に使用するため、痛みを大幅に軽減することができます。笑気麻酔を導入しているクリニックもあるため、痛みへの対策についてカウンセリング時に確認しておくと安心です。

手汗ボトックス治療を受けられない人はいますか?

妊娠中・授乳中の方、重症筋無力症などの神経筋疾患がある方、ボツリヌストキシン製剤にアレルギーがある方は治療を受けることができません。また、外科医やピアニストなど手の筋力を細かくコントロールする職業の方は、一時的な筋力低下のリスクについて医師と十分に相談したうえで判断する必要があります。

手汗にボトックス以外の治療法はありますか?

手汗の治療法にはいくつかの選択肢があります。塩化アルミニウム製剤(外用薬)や抗コリン薬(内服薬・保険適用あり)、微弱電流を使うイオントフォレーシス、外科的に交感神経を遮断するETS手術などが挙げられます。それぞれ効果・副作用・費用が異なるため、当院では患者さんのライフスタイルや症状に合わせて最適な治療法をご提案しています。

🎯 まとめ

手汗(手掌多汗症)は、日常生活や対人関係、精神的な健康にまで影響を及ぼす可能性がある疾患です。「たかが汗」と我慢している方も多いですが、適切な医療機関で診察を受け、自分に合った治療法を選ぶことで生活の質を大きく改善できる可能性があります。

ボトックス治療は、手汗に対して高い有効性を持ち、比較的安全で即効性のある治療法として多くの患者さんから支持されています。手のひらへの注射という施術の特性上、痛みへの対策や適切な注射技術が重要になりますが、経験豊富な医師のもとで治療を受けることで、高い満足度を得られるケースが多く報告されています。

一方で、ボトックス治療はすべての方に適しているわけではなく、費用面や定期的な通院の必要性についても事前に理解しておくことが大切です。塩化アルミニウム製剤や抗コリン薬、イオントフォレーシス、外科手術など、他の治療法との比較も踏まえながら、担当医師と十分に相談したうえで治療法を選択することをおすすめします。

手汗のお悩みを抱えている方は、まずは専門のクリニックでカウンセリングを受けてみることから始めてみましょう。アイシークリニックでは、手汗に対するボトックス治療をはじめ、多汗症に関するご相談を承っています。一人で悩まず、専門家に相談することが、快適な毎日への第一歩となるはずです。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 手掌多汗症の診断基準・治療法(塩化アルミニウム外用薬、イオントフォレーシス、ボトックス治療、ETS手術など)に関する皮膚科学会のガイドラインおよび診療指針
  • 厚生労働省 – ボツリヌストキシン製剤の国内承認状況・腋窩多汗症への保険適用に関する薬事・医薬品行政情報、および自由診療における適正使用の考え方
  • PubMed – 手掌多汗症に対するボツリヌストキシン注射の有効性・安全性・持続期間・QOL改善効果に関する国際的な臨床研究論文

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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