粉瘤

足の付け根の粉瘤(アテローム)について|渋谷で専門治療を受けるには

はじめに

足の付け根に気になるしこりやできものを見つけて、不安に感じている方は少なくありません。特に鼠径部(そけいぶ)と呼ばれる足の付け根の部分は、下着や衣服との摩擦が多く、汗をかきやすい場所でもあるため、皮膚トラブルが起こりやすい部位です。そのような場所にできる代表的な皮膚の良性腫瘍の一つが「粉瘤(ふんりゅう)」、医学的には「アテローム」または「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」と呼ばれるものです。

粉瘤は、皮膚の下に袋状の構造物ができ、その中に本来皮膚の表面から剥がれ落ちるはずの角質や皮脂などの老廃物が溜まっていく病気です。良性の腫瘍ではありますが、放置すると徐々に大きくなったり、細菌感染を起こして炎症性粉瘤(化膿性粉瘤)となり、痛みや腫れ、発赤を伴うこともあります。

本記事では、足の付け根にできる粉瘤について、その原因や症状、診断方法、治療法について詳しく解説していきます。また、渋谷エリアで粉瘤治療をお考えの方に向けて、アイシークリニック渋谷院での治療の特徴についてもご紹介します。

粉瘤(アテローム)とは何か

粉瘤の基本的なメカニズム

粉瘤は、皮膚の良性腫瘍の中でも最も頻度の高いものの一つです。皮膚は表皮、真皮、皮下組織の三層構造になっていますが、粉瘤は何らかの原因で表皮の一部が真皮や皮下組織の中に入り込んでしまい、袋状の構造(嚢腫)を形成することで発生します。

この袋状の構造の内側は、正常な皮膚の表皮と同じように角質を産生し続けます。通常であれば皮膚の表面から自然に剥がれ落ちる角質ですが、袋の中では外に出ることができないため、どんどん蓄積していきます。また、皮脂腺から分泌される皮脂も袋の中に溜まっていくため、時間の経過とともに粉瘤は徐々に大きくなっていくのが特徴です。

粉瘤の特徴的な所見

粉瘤には、いくつかの特徴的な所見があります。まず、皮膚の表面をよく観察すると、黒い点のような小さな開口部が見られることがあります。これは「開口部」または「臍窩(さいか)」と呼ばれるもので、もともと表皮が入り込んだ部分の痕跡です。この開口部から白いチーズ状の内容物や、独特の臭いがする粥状の物質が出てくることもあります。

触診では、皮下に可動性のある球形または半球形のしこりとして触れることができます。周囲の組織との癒着がない場合は、比較的よく動きます。ただし、炎症を起こしている場合や、繰り返し炎症を起こしている場合には、周囲の組織と癒着して動きが悪くなることもあります。

足の付け根に粉瘤ができやすい理由

解剖学的な特徴

足の付け根、医学的には鼠径部と呼ばれる部位は、解剖学的にいくつかの特徴があります。この部位は、体幹と下肢の境界部分にあたり、股関節の屈曲運動により常に皮膚が折れ曲がったり伸びたりする場所です。そのため、皮膚への機械的刺激が多く、表皮が真皮内に入り込むきっかけとなりやすいと考えられています。

また、鼠径部には多くのリンパ節が存在し、血管や神経も豊富に走行しています。皮膚の構造も他の部位と比べて複雑であり、毛包や皮脂腺、汗腺なども多く分布しています。

摩擦や刺激の影響

下着や衣服との摩擦は、足の付け根の粉瘤発生に大きく関与していると考えられています。特に、きつい下着を着用している場合や、長時間の歩行、ランニング、自転車に乗るなどの運動時には、この部位への摩擦が増加します。

繰り返される摩擦により、表皮が損傷を受けたり、毛包が閉塞したりすることで、粉瘤の形成につながる可能性があります。また、カミソリや毛抜きなどで陰毛の処理を行う際に、皮膚に微細な傷がつき、それが粉瘤形成のきっかけになることもあると考えられています。

多汗と細菌の繁殖

鼠径部は、アポクリン汗腺やエクリン汗腺が多く分布する部位でもあります。運動時や暑い季節には大量の汗をかき、湿度の高い状態が続きやすい環境です。このような高温多湿の環境は、細菌の繁殖に適しており、粉瘤が一度形成されると、感染を起こしやすい条件が整っています。

また、汗に含まれる塩分やその他の成分が皮膚に刺激を与え、炎症を引き起こすこともあります。粉瘤自体は無菌的に形成されることが多いですが、開口部から細菌が侵入すると、感染性粉瘤(炎症性粉瘤)へと進行してしまうリスクがあります。

体質的な要因

粉瘤のできやすさには、個人差があります。皮脂の分泌が多い体質の方や、毛穴が詰まりやすい方は、粉瘤ができやすい傾向があると言われています。また、家族歴がある場合もあり、遺伝的な素因が関与している可能性も指摘されています。

ただし、粉瘤は特定の年齢層や性別に限定されるものではなく、幅広い年齢層で発生する可能性があります。日本皮膚科学会のガイドラインでも、粉瘤は非常に一般的な皮膚疾患として位置づけられています。

足の付け根の粉瘤の症状

初期症状

粉瘤の初期段階では、自覚症状がほとんどないことが多いです。たまたま触れたときに、皮膚の下に小さなしこりがあることに気づく程度です。痛みや赤みもなく、日常生活に支障をきたすこともありません。

しこりの大きさは数ミリメートル程度の小さなものから、数センチメートルに及ぶものまで様々です。成長速度も個人差が大きく、数年かけてゆっくりと大きくなるものもあれば、比較的短期間で大きくなるものもあります。

非炎症性粉瘤の特徴

炎症を起こしていない粉瘤は、皮膚の色と同じか、やや黄色がかった色をしています。表面は比較的滑らかで、触ると弾力性があり、やや硬めの感触です。押しても通常は痛みを感じません。

前述した開口部が確認できる場合、その部分を圧迫すると、白いペースト状の内容物や、粥状(かゆじょう)の物質が出てくることがあります。この内容物は、剥がれ落ちた角質や皮脂が主成分で、独特の不快な臭いを伴うことが特徴です。

炎症性粉瘤(化膿性粉瘤)の症状

粉瘤が細菌感染を起こすと、炎症性粉瘤または化膿性粉瘤と呼ばれる状態になります。この場合、以下のような症状が現れます。

まず、粉瘤のある部位が赤く腫れ上がり、熱を持ちます。触ると強い痛みを感じ、場合によっては歩行時に痛みが増すこともあります。足の付け根という部位の性質上、歩くたびに股関節が動き、感染した粉瘤が刺激されるため、日常生活に大きな支障をきたすことも少なくありません。

炎症が進行すると、粉瘤の内部に膿が溜まり、さらに腫れが大きくなります。場合によっては、皮膚が薄くなって自然に破れ、膿や血液が混じった内容物が排出されることもあります。この段階では、発熱や倦怠感などの全身症状を伴うこともあります。

合併症のリスク

炎症性粉瘤を放置すると、周囲の組織にまで感染が広がる蜂窩織炎(ほうかしきえん)を起こすことがあります。蜂窩織炎は皮下組織の広範囲な炎症で、発熱や激しい痛み、広範囲の発赤を伴い、時には入院治療が必要になることもあります。

また、非常に稀ではありますが、長期間放置された粉瘤が悪性化するケースも報告されています。特に、何年にもわたって存在している大きな粉瘤や、急速に大きくなる粉瘤、潰瘍を形成している粉瘤などには注意が必要です。

診断方法

視診と触診

粉瘤の診断は、主に視診と触診によって行われます。経験豊富な医師であれば、特徴的な開口部の存在や、皮下のしこりの性状から、ほぼ確実に粉瘤と診断することができます。

視診では、皮膚の色調、腫瘤の形状、開口部の有無、炎症の有無などを確認します。触診では、しこりの大きさ、硬さ、可動性、圧痛の有無などをチェックします。

超音波検査(エコー検査)

より詳細な情報を得るために、超音波検査が行われることもあります。超音波検査では、粉瘤の大きさや深さ、周囲の組織との関係、内部の性状などを観察することができます。

特に、足の付け根という部位は、血管や神経、リンパ節など重要な構造物が多く存在するため、手術前に超音波検査で解剖学的な関係を確認しておくことは、安全な手術を行う上で有用です。

鑑別診断

足の付け根にできるしこりとしては、粉瘤以外にもいくつかの疾患が考えられます。

リンパ節腫脹は、鼠径部に多数存在するリンパ節が、感染症や炎症、腫瘍などにより腫れた状態です。粉瘤と異なり、通常は複数のリンパ節が腫れ、開口部は見られません。

脂肪腫は、脂肪細胞が増殖してできる良性腫瘍で、粉瘤よりも柔らかく、開口部はありません。

毛巣洞(もうそうどう)は、臀部の正中部に好発する疾患ですが、稀に鼠径部にもできることがあります。繰り返す感染と排膿を特徴とします。

悪性腫瘍の可能性も完全には否定できないため、急速に増大するしこりや、潰瘍を形成しているもの、硬くて動きが悪いものなどは、より精密な検査が必要になることもあります。

病理組織検査

粉瘤の確定診断は、摘出した組織を顕微鏡で観察する病理組織検査によって行われます。粉瘤の場合、嚢腫壁が重層扁平上皮で覆われており、内部に角質が充満している像が観察されます。

通常、良性の粉瘤であれば、手術後に病理組織検査を行い、診断を確定します。万が一、悪性所見が見られた場合には、追加の治療が必要になることもあります。

治療方法

保存的治療(対症療法)

粉瘤は良性腫瘍であるため、小さくて症状がない場合には、必ずしもすぐに手術を行う必要はありません。経過観察を選択することも可能です。

ただし、粉瘤は自然に消失することはなく、時間の経過とともに徐々に大きくなる傾向があります。また、いつ感染を起こすかは予測できないため、症状がない時期に手術で摘出しておくことが推奨されます。

炎症性粉瘤に対しては、まず抗生物質による治療が行われることがあります。内服薬や外用薬により、感染のコントロールを試みます。しかし、抗生物質治療だけでは、粉瘤の袋自体を取り除くことはできないため、根本的な治療にはなりません。

炎症が強い場合には、切開排膿術が行われることもあります。これは、粉瘤の一部を切開して、溜まった膿を排出する処置です。炎症を速やかに軽減することができますが、袋の一部が残存するため、再発する可能性が高い方法です。

根治的手術(袋の完全摘出)

粉瘤を完全に治すためには、嚢腫壁を含めた袋を完全に摘出する手術が必要です。袋が少しでも残っていると、そこからまた粉瘤が再発してしまうため、丁寧な手術手技が求められます。

従来の切開摘出術は、粉瘤の上の皮膚を紡錘形に切開し、袋ごと周囲の組織から剥離して摘出する方法です。確実に袋を摘出できる方法ですが、切開創が比較的大きくなるため、術後の傷跡が目立つことがデメリットでした。

くり抜き法(へそ抜き法)

近年、粉瘤治療で主流となっているのが、くり抜き法(パンチ法、へそ抜き法とも呼ばれます)です。この方法は、円筒状の特殊な器具(トレパン)を用いて、粉瘤の開口部を中心に小さな円形の穴を開け、そこから内容物を排出し、袋を摘出する方法です。

くり抜き法の最大のメリットは、切開創が小さいため、傷跡が目立ちにくいという点です。直径数ミリメートル程度の穴で済むことが多く、場合によっては縫合も不要です。また、手術時間も短く、患者さんの負担が少ない方法として注目されています。

ただし、くり抜き法は、粉瘤の大きさや部位、炎症の有無などによって適応が限られます。非常に大きな粉瘤や、炎症を繰り返して周囲と癒着している粉瘤などは、従来の切開法の方が確実な場合もあります。

手術のタイミング

粉瘤の手術を行うタイミングは重要です。炎症を起こしていない時期に手術を行うことが理想的です。炎症のない時期であれば、組織の境界が明瞭で、袋を完全に摘出しやすく、傷の治りも良好です。

一方、炎症性粉瘤の状態で手術を行うと、組織が腫れて境界が不明瞭になり、袋の一部が残存するリスクが高くなります。また、術後の傷の治りも遅く、感染のリスクも高まります。

そのため、炎症性粉瘤に対しては、まず抗生物質や切開排膿により炎症を鎮静化させてから、炎症が完全におさまった後に根治手術を行うという二段階の治療が選択されることも多いです。

麻酔方法

粉瘤の手術は、通常、局所麻酔下で行われます。手術部位の周囲に局所麻酔薬を注射することで、痛みを感じることなく手術を受けることができます。

局所麻酔は、手術中の痛みを取り除くだけでなく、血管を収縮させて出血を減らす効果もあります。ただし、麻酔薬を注射する際には、一時的にチクッとした痛みを感じることがあります。

粉瘤の大きさや部位によっては、伝達麻酔や神経ブロックを併用することもあります。また、不安が強い方には、リラックスするための鎮静剤を使用することも可能です。

アイシークリニック渋谷院での治療

渋谷エリアでの粉瘤治療の利点

渋谷は、東京都心部に位置し、JR、東京メトロ、私鉄各線が乗り入れる交通の要衝です。アクセスの良さから、仕事帰りや休日にも通院しやすい立地となっています。

アイシークリニック渋谷院は、渋谷駅から徒歩圏内に位置しており、忙しいビジネスパーソンや学生の方でも、スケジュールに合わせて通院することが可能です。

日帰り手術への対応

アイシークリニック渋谷院では、粉瘤の手術を日帰りで行っています。局所麻酔下での手術となるため、入院の必要はなく、手術当日に帰宅することができます。

手術時間は粉瘤の大きさや部位によって異なりますが、多くの場合、30分から1時間程度で終了します。手術後は、しばらく休憩してから帰宅していただきます。

日帰り手術のメリットは、入院費用がかからないこと、仕事や学業への影響を最小限に抑えられることなどが挙げられます。ただし、手術当日は激しい運動や長時間の立ち仕事は避け、安静にしていただく必要があります。

専門的な診療体制

アイシークリニックでは、粉瘤をはじめとする皮膚・皮下腫瘍の治療に豊富な経験を持つ医師が診療にあたっています。適切な診断と、患者さん一人ひとりに合わせた治療法の選択により、良好な治療成績を上げています。

また、最新の医療機器を導入し、より精度の高い診断と、低侵襲な治療を目指しています。超音波検査装置により、粉瘤の状態を詳しく観察し、手術計画を立てることができます。

傷跡への配慮

足の付け根は、普段は衣服で隠れる部位ではありますが、温泉やプール、更衣室などでは目に触れる可能性もあります。また、下着との摩擦により、傷跡が刺激を受けやすい部位でもあります。

アイシークリニックでは、できる限り傷跡を目立たせないよう配慮した手術を心がけています。くり抜き法の適応があれば、小さな創で済むこの方法を選択します。また、縫合が必要な場合には、細い糸を用いて丁寧に縫合し、術後のケアについても詳しく指導しています。

術後のフォローアップ

手術後は、定期的な診察により、傷の治り具合をチェックします。感染の兆候がないか、傷が順調に治癒しているかなどを確認し、必要に応じて処置を行います。

抜糸が必要な場合には、通常、手術後1週間から2週間程度で行います。その後も、傷跡が落ち着くまで経過を観察することがあります。

また、万が一、術後に何か異常を感じた場合には、すぐに連絡していただけるよう、緊急時の対応体制も整えています。

術後のケアと注意点

手術当日の過ごし方

手術当日は、創部を濡らさないよう注意が必要です。シャワーや入浴は、医師の指示に従って行ってください。通常、手術翌日以降であれば、創部を濡らさないよう工夫しながらシャワーを浴びることが可能になります。

また、手術当日は、飲酒や激しい運動、長時間の入浴は避けてください。これらは血流を増加させ、出血や腫れを悪化させる可能性があります。

足の付け根という部位の特性上、歩行時に創部が刺激される可能性があります。できるだけ安静にし、必要以上の歩行は控えるようにしてください。

創部の管理

手術後は、創部をガーゼなどで保護します。ガーゼは、医師の指示に従って交換してください。通常、毎日または隔日で交換することが推奨されます。

ガーゼ交換の際には、創部を清潔に保つことが重要です。滅菌された生理食塩水や水道水で優しく洗浄し、清潔なガーゼで覆います。消毒薬の使用については、医師の指示に従ってください。

創部から多量の出血や膿の排出、強い痛みや発熱などがある場合には、感染や合併症の可能性があるため、速やかに医療機関を受診してください。

日常生活での注意点

手術後1週間程度は、激しい運動や重いものを持つことは避けてください。特に、足の付け根の創部は、歩行や階段の昇降、しゃがむ動作などで伸展されるため、安静が重要です。

また、きつい下着やズボンの着用は、創部への圧迫や摩擦を増加させるため、避けることが推奨されます。ゆったりとした衣服を選び、創部への刺激を最小限にしましょう。

仕事や学業への復帰時期は、仕事の内容や手術の規模によって異なります。デスクワークであれば、手術翌日から可能な場合もありますが、立ち仕事や肉体労働の場合には、1週間程度の休養が必要になることもあります。

抜糸後のケア

抜糸後は、傷跡が徐々に落ち着いていきますが、完全に目立たなくなるまでには数か月かかることもあります。傷跡を目立たせないためには、紫外線対策が重要です。衣服で覆われる部位ではありますが、海やプールに行く際などには、日焼け止めを塗るなどの対策を心がけてください。

また、傷跡が硬くなったり、赤みが長期間続いたりする場合には、瘢痕(はんこん)の形成が考えられます。このような場合には、テープによる圧迫療法や、シリコンゲルシートの使用、場合によってはステロイド薬の注射などの治療が行われることもあります。

再発の予防

粉瘤の袋を完全に摘出できていれば、同じ場所に再発することはほとんどありません。しかし、別の場所に新たな粉瘤ができる可能性はあります。

再発を予防するためには、皮膚への過度な刺激を避けることが大切です。きつい下着の着用を避け、陰毛の処理を行う際には、皮膚を傷つけないよう注意してください。また、清潔を保ち、汗をかいた後はシャワーを浴びるなど、皮膚の衛生管理を心がけましょう。

よくある質問

粉瘤は放置しても大丈夫ですか?

粉瘤は良性腫瘍であり、命に関わる病気ではありません。しかし、放置すると徐々に大きくなり、感染を起こすリスクも高まります。また、大きくなった粉瘤は、手術の際により大きな創が必要になり、傷跡も目立ちやすくなります。症状がないうちに、小さいうちに手術で摘出しておくことが推奨されます。

粉瘤は自分で潰しても良いですか?

粉瘤を自分で潰すことは、絶対に避けてください。無理に内容物を押し出そうとすると、袋が破れて周囲の組織に内容物が散らばり、激しい炎症を起こすことがあります。また、不潔な操作により細菌感染を引き起こすリスクも高まります。粉瘤を見つけたら、自己処理せずに、医療機関を受診することが大切です。

手術の痛みはどの程度ですか?

手術は局所麻酔下で行われるため、手術中の痛みはほとんどありません。麻酔薬を注射する際に、チクッとした痛みを感じることがありますが、それ以降は痛みを感じることなく手術を受けることができます。術後は、麻酔が切れると多少の痛みを感じることがありますが、処方される鎮痛薬でコントロール可能な程度です。

手術の傷跡は目立ちますか?

傷跡の目立ち方は、粉瘤の大きさや部位、手術方法、個人の体質などによって異なります。くり抜き法であれば、数ミリメートル程度の小さな傷で済むため、比較的目立ちにくい傾向があります。ただし、足の付け根は下着との摩擦があるため、傷の治りが他の部位よりも遅れることがあります。適切な術後ケアを行うことで、傷跡を最小限に抑えることができます。

保険は適用されますか?

粉瘤の手術は、健康保険が適用される治療です。ただし、保険適用の範囲や自己負担額については、手術の方法や規模によって異なります。詳しくは、医療機関にお問い合わせください。

再発の可能性はありますか?

袋を完全に摘出できていれば、同じ場所に再発することはほとんどありません。ただし、炎症性粉瘤の状態で手術を行った場合や、袋の一部が残存した場合には、再発する可能性があります。また、別の場所に新たな粉瘤ができることはあります。

どのくらいで日常生活に戻れますか?

手術は日帰りで行われ、デスクワークであれば、翌日から仕事に復帰できることが多いです。ただし、立ち仕事や肉体労働の場合には、1週間程度の休養が必要になることもあります。激しい運動や長時間の入浴は、1週間から2週間程度避けることが推奨されます。

足の付け根の粉瘤は他の部位と何か違いますか?

足の付け根の粉瘤は、下着との摩擦や、歩行時の股関節の動きによる刺激を受けやすいという特徴があります。また、汗をかきやすい部位であるため、感染を起こしやすい傾向もあります。手術後も、創部が刺激を受けやすいため、術後のケアには特に注意が必要です。

まとめ

足の付け根にできる粉瘤は、決して珍しい病気ではありません。良性の腫瘍ではありますが、放置すると徐々に大きくなり、感染を起こすリスクもあります。特に、足の付け根という部位の特性上、下着との摩擦や汗により、炎症を起こしやすい環境にあります。

粉瘤を根本的に治療するためには、袋を完全に摘出する手術が必要です。症状がないうちに、小さいうちに手術を受けることで、より小さな傷で済み、術後の回復も早くなります。

近年、くり抜き法という低侵襲な手術法が普及し、傷跡が目立ちにくく、患者さんの負担が少ない治療が可能になっています。手術は局所麻酔下で日帰りで行われるため、入院の必要もありません。

アイシークリニック渋谷院では、粉瘤治療の豊富な経験を持つ医師が、一人ひとりの患者さんに合わせた最適な治療を提供しています。渋谷駅からアクセスしやすい立地で、仕事帰りや休日にも通院しやすい環境が整っています。

足の付け根のしこりや腫れが気になる方、粉瘤かもしれないと不安に感じている方は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。適切な診断と治療により、快適な日常生活を取り戻すことができます。

渋谷エリアで粉瘤治療をお考えの方は、ぜひアイシークリニック渋谷院にご相談ください。経験豊富な医師が、丁寧な診察と説明を行い、患者さんが安心して治療を受けられるようサポートいたします。

参考文献

  1. 日本皮膚科学会「皮膚科Q&A」
    https://www.dermatol.or.jp/qa/
  2. 日本形成外科学会「皮膚・皮下腫瘍」
    https://jsprs.or.jp/
  3. 厚生労働省「皮膚疾患に関する情報」
    https://www.mhlw.go.jp/
  4. 日本皮膚外科学会
    http://jsdcs.jp/
  5. 日本臨床皮膚科医会
    https://jocd.org/

※本記事の医学的内容は、執筆時点での一般的な医学知識に基づいています。個々の症状や治療方針については、必ず医師にご相談ください。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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