近年、美容医療の中でも特に注目を集めている「ダーマペン」。ニキビ跡や毛穴の開き、小じわなど、さまざまな肌悩みに対応できる治療法として、渋谷をはじめとする都心部のクリニックで広く実施されています。しかし、いざ治療を受けようと思っても、「本当に効果があるの?」「痛みはどのくらい?」「どのクリニックを選べばいいの?」といった疑問や不安を抱える方も多いのではないでしょうか。本記事では、ダーマペン治療の基礎知識から、渋谷エリアで外科やクリニックを選ぶ際のポイント、治療を受ける上での注意事項まで、詳しく解説していきます。これから治療を検討されている方にとって、有益な情報となれば幸いです。
目次
- ダーマペンとは何か
- ダーマペンの仕組みと作用メカニズム
- ダーマペンで期待できる効果
- ダーマペン4の特徴と進化
- ダーマペンの施術の流れ
- ダウンタイムと副作用について
- ダーマペンと併用できる治療法
- ダーマペンを受けられない方
- 渋谷で外科・クリニックを選ぶポイント
- 美容医療を受ける際の注意事項
- ダーマペン治療に関するよくある質問
- まとめ
1. ダーマペンとは何か
ダーマペンとは、先端に複数の超極細針がついたペン型の医療機器を用いて、皮膚に微細な穴を開け、肌本来の自然治癒力を活性化させる美容治療です。2011年にオーストラリアで開発され、現在では世界中の美容医療現場で広く使用されています。
この治療法は「マイクロニードル療法」または「経皮コラーゲン誘導療法」とも呼ばれ、皮膚に意図的に微小な損傷を与えることで、体が持つ傷を修復しようとする力を利用して、肌の再生を促進します。レーザー治療のように熱を加えないため、肌への負担が比較的少なく、ダウンタイムも短いのが特徴です。
日本においては、渋谷や銀座、新宿といった都心部を中心に、多くの美容皮膚科や美容外科クリニックで導入されており、気軽に受けられる美容医療として人気を集めています。
ダーマペンの歴史と発展
マイクロニードル療法の概念自体は、古くは中国の鍼療法に端を発すると言われています。現代における本格的な研究は2000年頃から始まり、2006年にはDesmond Fernandes医師によって最初の商業的なマイクロニードル製品が開発されました。
その後、技術の進歩とともにさまざまな機器が登場し、2011年にダーマペンワールド社から初代「ダーマペン1」が発売されました。以降、改良を重ねながら「ダーマペン2」「ダーマペン3」とバージョンアップを続け、現在は最新モデルである「ダーマペン4」が主流となっています。
2. ダーマペンの仕組みと作用メカニズム
ダーマペンがなぜ肌の悩みに効果を発揮するのか、そのメカニズムを詳しく見ていきましょう。
創傷治癒のプロセス
私たちの肌には、傷ができると自然にそれを修復しようとする力が備わっています。例えば、転んで擦り傷ができた場合、まずかさぶたができ、やがて新しい皮膚が再生されて傷が治っていきます。ダーマペンは、この自然治癒力を美容医療に応用した治療法です。
具体的なメカニズムは以下の通りです。
まず、ダーマペンの極細針が皮膚に刺入されると、表皮から真皮層にかけて微小な穴(マイクロチャネル)が形成されます。この微細な傷に対して、体は「傷を治さなければならない」と認識し、創傷治癒カスケードと呼ばれる一連の修復プロセスが開始されます。
三段階の治癒過程
創傷治癒は大きく分けて三つの段階を経て進行します。
第一段階は「炎症期」です。針によって傷ついた部位に血小板が集まり、血小板由来成長因子(PDGF)やトランスフォーミング増殖因子(TGF-α、TGF-β)などの成長因子が放出されます。これらの因子が、次の段階である増殖期への移行を促します。
第二段階は「増殖期」です。成長因子の働きにより、真皮層にある線維芽細胞が活性化されます。線維芽細胞は、肌のハリや弾力を維持するために不可欠なコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸といった成分の産生工場のような役割を担っています。活性化された線維芽細胞は、これらの成分を盛んに生成し始めます。この段階では、まずIII型コラーゲンが生成され、傷跡の基盤となるマトリックスが形成されます。
第三段階は「リモデリング期」です。最初に生成されたIII型コラーゲンは、時間をかけてより強固なI型コラーゲンへと置き換えられていきます。このプロセスは数週間から数カ月かけて進行し、その結果、肌の質感が改善され、ハリや弾力が向上していきます。
皮膚の構造と真皮へのアプローチ
皮膚は外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」の三層構造になっています。表皮はさらに「角層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」に分かれています。
一般的な化粧品や塗り薬がアプローチできるのは、最も外側にある角層までに限られます。しかし、ダーマペンは針を皮膚に刺入することで、角層を通り越して真皮層まで直接刺激を与えることができます。真皮層には肌の弾力やハリを支える線維芽細胞が存在するため、この層に直接アプローチすることで、より根本的な肌質改善が期待できるのです。
3. ダーマペンで期待できる効果
ダーマペンは、さまざまな肌の悩みに対応できる汎用性の高い治療法です。以下に、主な効果をご紹介します。
ニキビ跡・クレーター肌の改善
ダーマペン治療で最も多く見られる目的の一つが、ニキビ跡の改善です。特に、皮膚がへこんだクレーター状のニキビ跡に対して効果を発揮します。
ニキビの炎症が真皮層まで及ぶと、組織が破壊されて凹みが残ることがあります。この凹みは、通常のスキンケアでは改善が難しく、自然に治ることもほとんどありません。ダーマペンは、このような凹んだ部分に新しいコラーゲンを生成させ、周囲の正常な皮膚との段差を徐々に埋めていくことで、肌の凹凸を目立たなくします。
ニキビ跡の種類には「アイスピック型」「ボックスカー型」「ローリング型」などがあり、それぞれ特徴が異なりますが、ダーマペンは針の深さを調整できるため、各タイプに合わせた治療が可能です。
毛穴の開きの改善
年齢とともに気になり始める毛穴の開きも、ダーマペンの適応症状の一つです。毛穴が目立つ原因は、過剰な皮脂分泌による毛穴の拡大、加齢によるコラーゲンの減少に伴うたるみ毛穴など、さまざまです。
ダーマペンによって線維芽細胞が活性化されると、コラーゲンやエラスチンの生成が促進されます。これにより肌のハリが回復し、緩んでいた毛穴が引き締まります。また、皮脂分泌を正常化する効果も報告されており、皮脂による毛穴の開きにも対応できます。
小じわ・ちりめんじわの改善
目元や口元に現れる細かいしわは、コラーゲンやエラスチンの減少が主な原因です。ダーマペンによってこれらの成分の生成が促進されると、肌にハリや弾力が戻り、小じわやちりめんじわが目立たなくなります。
深いしわに対しては効果が限定的な場合もありますが、浅いしわや初期段階のエイジングサインに対しては、良好な結果が期待できます。
肌質・肌のキメの改善
ダーマペンは特定の症状の改善だけでなく、全体的な肌質向上にも効果があります。ターンオーバー(肌の新陳代謝)が促進されることで、古い角質が排出され、新しい肌細胞への入れ替わりがスムーズになります。その結果、肌のキメが整い、くすみが改善され、透明感のある肌へと導かれます。
傷跡・妊娠線の改善
ニキビ跡以外の傷跡や、出産後に残る妊娠線(ストレッチマーク)に対しても、ダーマペンは効果を発揮します。真皮層でのコラーゲン再生を促すことで、傷跡や線条の凹凸を徐々に改善していきます。
ただし、傷跡や妊娠線の改善には、ニキビ跡の治療以上に時間と回数を要することが多く、根気強く継続することが大切です。
4. ダーマペン4の特徴と進化
現在、多くのクリニックで導入されている「ダーマペン4」は、従来モデルから大幅に進化した最新機種です。その特徴を見ていきましょう。
針の本数と穿刺速度の向上
ダーマペン4には、33ゲージ(外径約0.20mm)の極細針が16本搭載されています。一つ前のモデルであるダーマペン3は12本の針でしたので、針の本数が増加しています。
また、穿刺速度も大幅に向上し、毎秒最大1920個もの穴を開けることが可能になりました。これにより、より短時間で広範囲の治療が行え、施術時間の短縮と効果の向上を同時に実現しています。
針の深度調整
ダーマペン4は、針の刺入深度を0.1mm単位で細かく調整でき、最小0.2mmから最大3.0mmまで設定可能です。顔の部位によって皮膚の厚さは異なるため、例えば目元のような皮膚の薄い部分では浅く、頬などの比較的厚い部分では深く設定するなど、最適な深度で治療を行うことができます。
また、症状の程度に応じた調整も可能で、軽度の毛穴の開きには浅い深度、深いクレーター状のニキビ跡にはより深い深度というように、個々の状態に合わせたオーダーメイドの治療が実現します。
オートマチックバイブレーション機能
ダーマペン4には、施術中の痛みや不快感を軽減するためのオートマチックバイブレーション機能が搭載されています。高速振動しながら針を刺入することで、痛みの感覚を和らげる効果があります。
FDA承認
ダーマペン4は、アメリカのFDA(食品医薬品局、日本の厚生労働省に相当する機関)から承認を受けた医療機器です。FDA承認は、安全性と有効性について一定の基準を満たしていることを意味しており、信頼性の高い機器であることの証といえます。
5. ダーマペンの施術の流れ
実際にダーマペンの施術を受ける際の一般的な流れをご紹介します。クリニックによって多少の違いはありますが、おおよそ以下のようなステップで進められます。
カウンセリング・診察
まず、医師によるカウンセリングと診察が行われます。現在の肌の状態を確認し、どのような悩みがあるのか、どのような結果を期待しているのかをヒアリングします。その上で、ダーマペンが適切な治療法であるかどうか、期待できる効果、必要な回数、リスクや副作用などについて説明を受けます。
この段階で、不安なことや疑問に思うことがあれば、遠慮なく質問することが大切です。納得のいくまで説明を受けてから、治療を受けるかどうかを判断しましょう。
洗顔・クレンジング
施術を行う部位のメイクや汚れを落とすため、洗顔・クレンジングを行います。清潔な状態で施術を受けることで、感染リスクを低減し、治療効果も高まります。
表面麻酔
ダーマペンは針を皮膚に刺す治療のため、痛みを伴います。そのため、施術前に表面麻酔(麻酔クリーム)を塗布するのが一般的です。麻酔クリームを塗った後、30分から45分ほど時間を置いて麻酔が効いてくるのを待ちます。
麻酔が効いている状態であれば、施術中の痛みはかなり軽減されます。ただし、痛みの感じ方には個人差があり、完全に無痛というわけではありません。
施術
麻酔が効いたら、いよいよ施術開始です。医師またはスタッフが、ダーマペンを肌に当てながら、治療部位全体に均一に穴を開けていきます。施術時間は部位や範囲によって異なりますが、顔全体で約15分から30分程度です。
施術中は、針の深度や速度を部位ごとに調整しながら進められます。また、オプションとして美容成分を導入する場合は、この段階で薬剤を塗布します。
アフターケア
施術後は、肌に微細な穴が開いた状態になっています。そのため、保湿や鎮静のためのパックやクリームを塗布してケアを行います。クリニックによっては、成長因子を含むパックやマスクを使用することで、治療効果を高める工夫がなされています。
施術直後は赤みや軽い出血が見られることがありますが、これは正常な反応です。時間とともに落ち着いていきます。
6. ダウンタイムと副作用について
ダーマペン治療を検討する際に気になるのが、ダウンタイム(社会生活への復帰までの時間)と副作用です。正しく理解しておきましょう。
ダウンタイムの目安
ダーマペンのダウンタイムは、針の深度や個人の肌質によって異なりますが、一般的には以下のような経過をたどります。
施術直後から翌日にかけては、赤みが最も強く出る時期です。日焼けをしたような赤みやほてり、軽い出血が見られることがあります。触るとザラザラした感触があることもあります。
施術後2日目から3日目頃には、赤みが徐々に引いていきます。この頃から軽い皮むけが始まることがあります。これは肌のターンオーバーが促進されている証拠であり、無理に剥がさず自然に剥がれるのを待ちましょう。
施術後4日目から1週間程度で、大部分の赤みは目立たなくなります。メイクでカバーできる程度になり、日常生活に支障が出ることは少なくなります。
ダーマペンは、レーザー治療などと比較するとダウンタイムが短いのが特徴ですが、針を深く刺入した場合は赤みや腫れが長引くこともあります。重要な予定がある場合は、余裕を持ったスケジュールで施術を受けることをお勧めします。
主な副作用
ダーマペンで生じる可能性のある副作用には、以下のようなものがあります。
赤みは最も一般的な副作用であり、施術後ほぼ必ず生じます。通常は数日から1週間程度で落ち着きますが、肌の状態や針の深度によっては2週間ほど続くこともあります。
腫れは、特に目の周りなど皮膚の薄い部位で生じやすい副作用です。多くの場合、数日で改善します。
内出血は、針が血管を傷つけた場合に起こることがあります。通常は1週間から2週間程度で自然に吸収されます。
痒みやヒリヒリ感は、施術後の肌が敏感になっているため、一時的に感じることがあります。保湿を十分に行い、刺激を避けることで軽減できます。
感染は、施術後のケアが不十分な場合や、清潔でない環境で施術を受けた場合に起こり得ます。正規の医療機関で適切な施術を受けることで、リスクは最小限に抑えられます。
色素沈着は、施術後に紫外線対策を怠った場合に起こりやすくなります。施術後は特に紫外線に対する感受性が高まっているため、日焼け止めの使用が重要です。
7. ダーマペンと併用できる治療法
ダーマペンは単独でも効果を発揮しますが、他の治療法や美容成分と併用することで、相乗効果が期待できます。以下に代表的な併用治療をご紹介します。
ヴェルベットスキン(ダーマペン+コラーゲンピール)
ヴェルベットスキンは、ダーマペンとコラーゲンピール(PRX-T33)を組み合わせた人気の治療法です。
コラーゲンピールは、高濃度トリクロロ酢酸、低濃度過酸化水素、コウジ酸を主成分とする薬剤で、コラーゲンの生成を促進し、肌にハリや透明感をもたらします。通常のピーリングのように表皮を剥がすのではなく、真皮層に作用するのが特徴です。
ダーマペンで肌に微細な穴を開けた後にコラーゲンピールを塗布することで、薬剤が真皮層まで効率よく浸透します。その名の通り、ベルベットのようなしなやかで滑らかな肌を目指す方に適した治療です。
成長因子(グロースファクター)の導入
成長因子は、細胞の増殖や分化を促進するタンパク質の総称です。ヒト由来の成長因子を含む美容液やパックをダーマペン施術後に使用することで、肌の再生をより効果的にサポートします。
エクソソームの導入
エクソソームは、細胞から分泌される微小な物質で、細胞間の情報伝達を担っています。近年、美容医療分野でも注目されており、ダーマペンと組み合わせることで、細胞レベルでの肌再生を促す効果が期待されています。
PRP療法(多血小板血漿)との併用
PRP療法は、患者自身の血液から抽出した多血小板血漿を使用する治療法です。血小板には多くの成長因子が含まれており、これをダーマペンで開けた穴から肌に導入することで、自然な肌再生を促します。自分自身の血液を使用するため、アレルギー反応のリスクが低いのが特徴です。
8. ダーマペンを受けられない方
ダーマペンは比較的安全性の高い治療ですが、すべての方に適しているわけではありません。以下に該当する方は、治療を受けられない、または慎重な判断が必要です。
治療を受けられないケース
金属アレルギーがある方は、針に反応してアレルギー症状を引き起こす可能性があるため、治療を受けることができません。
妊娠中や授乳中の方も、安全性が確立されていないため、治療は推奨されません。
施術部位に炎症性ニキビや傷がある場合は、感染リスクや症状悪化の可能性があるため、炎症が治まってからの治療となります。
重度のケロイド体質の方は、施術による傷がケロイド化するリスクがあるため、適応とならない場合があります。
麻酔クリームに含まれる成分にアレルギーがある方は、別の対応が必要になることがあります。
注意が必要なケース
糖尿病など創傷治癒が遅延する疾患をお持ちの方、血液をサラサラにする薬を服用中の方、皮膚疾患(アトピー性皮膚炎、乾癬など)がある方は、事前に医師に相談の上、治療の可否を判断する必要があります。
過去にヘルペスの発症歴がある方は、施術の刺激によって再発する可能性があるため、予防措置が必要なことがあります。
9. 渋谷で外科・クリニックを選ぶポイント
渋谷は若者文化の発信地であると同時に、多くの美容皮膚科や美容外科クリニックが集まるエリアでもあります。選択肢が多いからこそ、どのクリニックを選べばよいのか迷う方も多いでしょう。以下に、クリニック選びの際に押さえておきたいポイントをご紹介します。
医師の専門性と経験
美容医療を受ける際に最も重要なのは、担当する医師の専門性と経験です。日本皮膚科学会認定専門医や日本形成外科学会専門医など、関連する専門医資格を持つ医師が在籍しているかどうかは、一つの目安となります。
厚生労働省の検討会でも指摘されているように、美容医療は形成外科学や皮膚科学を基礎とした上で行われるべき治療です。十分な教育と研修を受けた医師による施術は、効果の面でも安全性の面でも信頼性が高いといえます。
カウンセリングの充実度
良質なクリニックは、施術前のカウンセリングを丁寧に行います。現在の肌の状態を正確に診断し、患者の希望をしっかりと聞いた上で、最適な治療計画を提案してくれます。
カウンセリングの際に、効果だけでなくリスクや副作用についても説明があるかどうか、質問に対して明確に答えてくれるかどうかは、クリニックの姿勢を判断する重要なポイントです。
消費者庁が公開している情報によると、美容医療を受ける前には、使用する薬剤や機器がどのようなものか、効果とリスクのバランスについて、他の選択肢はないか、今すぐ必要な施術なのか、という点を確認することが推奨されています。これらの説明をしっかりと受けられるクリニックを選びましょう。
衛生管理と安全対策
ダーマペンは皮膚に針を刺す治療であるため、衛生管理は極めて重要です。針は使い捨てのものが使用されているか、施術室は清潔に保たれているか、といった点を確認しましょう。
また、万が一の副作用やトラブルが発生した際のフォロー体制が整っているかどうかも重要です。施術後に何か問題が生じた場合に、速やかに対応してもらえるクリニックであれば安心です。
適正な価格設定
美容医療は自由診療であり、価格はクリニックによって異なります。極端に安い価格を謳っているクリニックには注意が必要です。安さの裏には、使用する機器や薬剤の品質、スタッフの技術力、衛生管理などのどこかでコストが削られている可能性があります。
国民生活センターに寄せられる相談の中には、広告に載っている金額よりも高額な契約をさせられたというケースも報告されています。事前に料金体系を明確に説明してもらい、追加料金が発生する可能性があるかどうかも確認しておきましょう。
無理な勧誘がないこと
「今やった方がいい」「今やらなければ間に合わない」などと、その場での契約と施術を急かすようなクリニックは避けるべきです。美容目的の施術は、多くの場合緊急性がありません。じっくり検討する時間を与えてくれるクリニックを選びましょう。
モニター契約など、割引を理由に契約を急がせる手法もトラブルの原因となりがちです。割安感に惑わされず、冷静に判断することが大切です。
10. 美容医療を受ける際の注意事項
近年、美容医療に関する相談件数が増加しています。国民生活センターによると、美容医療サービスに関する相談は年々増加傾向にあり、2023年度には6,000件を超えました。トラブルに巻き込まれないためにも、以下の点に注意しましょう。
情報収集は公的機関から
インターネット上には美容医療に関するさまざまな情報が氾濫していますが、すべてが正確な情報とは限りません。厚生労働省や消費者庁、国民生活センターなど、公的機関が発信する情報を参考にすることをお勧めします。
また、2018年6月からは医療広告ガイドラインが改正され、医療機関のウェブサイトにも広告規制が適用されるようになりました。詳細説明のないビフォーアフター写真や、治療効果に関する体験談の掲載は禁止されています。誇大な広告や、比較優良広告には注意が必要です。
契約前に確認すべきこと
消費者庁は、美容医療を受ける前に以下の項目について十分な説明を受けたか確認することを推奨しています。
使用する薬剤や機器がどのようなものか、自分でも説明できる程度に理解できているか。効果だけでなく、リスクや副作用についても知り、納得しているか。他の施術方法や選択肢の説明も受け、自分で選択したか。その施術は今すぐ必要なものか。
これらの点について明確な説明がない場合は、改めて医師から説明を受けた上で、もう一度よく考えてから施術を受けるかどうかを決めましょう。
クーリング・オフについて
特定商取引法では、一定の美容医療サービスについてクーリング・オフや中途解約が可能とされています。美容を目的とする脱毛、ニキビやシミの除去、しわ・たるみ取りなどのサービスで、提供期間が1カ月を超え、かつ支払総額が5万円を超えるものが対象となります。
契約書面を受け取った日から8日間は、無条件で契約を解除(クーリング・オフ)することができます。クーリング・オフ期間を過ぎた後でも、残りの契約について中途解約を行うことが可能です。
トラブル時の相談先
美容医療でトラブルに遭った場合は、一人で悩まずに相談することが大切です。主な相談先としては、消費者ホットライン(188)や最寄りの消費生活センター、各都道府県の医療安全支援センターなどがあります。

11. ダーマペン治療に関するよくある質問
ダーマペン治療を検討している方からよく寄せられる質問についてお答えします。
効果を実感するために必要な回数は、症状の程度や治療目的によって異なります。肌質改善やハリの向上といった効果は、1回の施術でも感じられることがあります。一方、毛穴の引き締めには3回から6回程度、クレーター状のニキビ跡や濃い色素沈着の改善には5回から10回以上必要になることもあります。医師と相談の上、適切な治療計画を立てることが大切です。
一般的には、3週間から4週間の間隔を空けて次の施術を受けることが推奨されています。これは、肌のターンオーバーのサイクルや、コラーゲンの生成が十分に進むための時間を考慮したものです。間隔を空けすぎても、それまでの治療効果がリセットされるわけではありません。
施術後、メイクはいつからできますか
多くのクリニックでは、施術後12時間から24時間はメイクを控えることを推奨しています。微細な穴が開いた状態の肌にメイク製品を塗ると、毛穴に入り込んで炎症やトラブルの原因となる可能性があるためです。翌日以降は、肌に負担の少ないメイクであれば可能になることが多いですが、赤みが残っている場合はカバーメイクで対応することになります。
ダーマペンは痛いですか
表面麻酔を使用することで、施術中の痛みはかなり軽減されます。ただし、麻酔が効きにくい部位や、針を深く刺入する場合には、チクチクとした痛みや熱感を感じることがあります。痛みの感じ方には個人差がありますので、心配な方は事前にカウンセリングで相談しておくとよいでしょう。
セルフケア用のダーマペンは安全ですか
市販されているセルフケア用のダーマローラーやダーマスタンプは、医療機関で使用されるダーマペンとは針の長さや品質、衛生管理の面で大きく異なります。自己判断で使用すると、十分な効果が得られないばかりか、感染症や色素沈着、傷跡が残るなどのトラブルを招く恐れがあります。安全かつ確実な効果を得るためには、医療機関での施術を受けることをお勧めします。
ダーマペンとレーザー治療はどちらがよいですか
ダーマペンとレーザー治療は、それぞれ特徴が異なります。ダーマペンは熱を使わない機械的な治療であるため、色素沈着のリスクが比較的低く、日本人をはじめとするアジア人の肌にも適しているとされています。一方、レーザー治療は照射する波長やモードによって、より深い層へのアプローチや、特定の症状(シミやあざなど)への効果が期待できる場合があります。どちらが適しているかは、症状や肌質、治療目標によって異なりますので、医師に相談して最適な治療法を選択することが大切です。
12. まとめ
ダーマペンは、肌本来の自然治癒力を活性化させることで、ニキビ跡、毛穴の開き、小じわ、肌質の低下など、さまざまな肌悩みにアプローチできる美容治療です。最新のダーマペン4は、針の本数や穿刺速度、深度調整機能など、さまざまな面で進化を遂げており、より安全かつ効果的な治療が可能になっています。
渋谷には多くの美容皮膚科や美容外科クリニックが存在しますが、クリニック選びの際には、医師の専門性と経験、カウンセリングの充実度、衛生管理と安全対策、適正な価格設定、無理な勧誘がないことなど、複数のポイントを確認することが重要です。
美容医療は自分自身の体に関わることですから、信頼できる医師のもとで、納得のいく治療を受けることが何より大切です。この記事でご紹介した情報が、皆様の治療選択の参考になれば幸いです。
当院では、経験豊富な医師が丁寧なカウンセリングを行い、お一人おひとりの肌の状態やご希望に合わせた最適な治療プランをご提案しています。ダーマペン治療について気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。
参考文献
- 美容医療診療指針(令和三年度改訂版) – Mindsガイドラインライブラリ
- 美容医療における合併症の実態調査と診療指針の作成 – 厚生労働科学研究成果データベース
- 美容医療の適切な実施に関する検討会 – 厚生労働省
- 美容医療サービス(各種相談の件数や傾向)- 国民生活センター
- 美容医療を受ける前に確認したい事項と相談窓口について – 消費者庁
- 美容医療サービスの消費者トラブル サービスを受ける前に確認したいポイント – 政府広報オンライン
- にきび – 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務