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疲れが取れない原因と対策|慢性疲労から抜け出すための完全ガイド

はじめに

「しっかり寝ているのに朝から体が重い」「休日に休んでも疲れが取れない」「常にだるさを感じている」——このような症状に悩まされていませんか?

現代社会において、慢性的な疲労感に悩む人は増加傾向にあります。厚生労働省の調査によると、日本人の約4割が日常的に疲労を感じており、そのうち半数以上が「疲れが取れにくい」と回答しています。疲労は単なる「休息不足」だけではなく、様々な身体的・精神的要因が複雑に絡み合って生じる症状です。

本記事では、疲れが取れない原因を医学的観点から詳しく解説し、日常生活で実践できる対策から、医療機関での検査・治療まで、包括的にご紹介します。

疲労のメカニズムを理解する

疲労とは何か

疲労とは、身体的・精神的な活動によって生じる「パフォーマンスの低下」と「休息を求める感覚」の総称です。医学的には、疲労は身体からの重要な警告サインであり、心身の回復が必要であることを知らせる生理的反応といえます。

疲労には大きく分けて3つの種類があります:

1. 末梢性疲労(身体的疲労) 筋肉や身体器官の活動によって生じる疲労です。運動後に感じる筋肉痛や、長時間の立ち仕事で感じる足のだるさなどが該当します。通常、十分な休息と栄養補給によって回復します。

2. 中枢性疲労(精神的疲労) 脳の活動によって生じる疲労です。長時間のデスクワーク、集中力を要する作業、精神的ストレスなどが原因となります。身体は動いていなくても、脳が疲弊している状態です。

3. 病的疲労 何らかの疾患に起因する疲労です。適切な休息を取っても改善せず、6ヶ月以上持続する場合は、慢性疲労症候群やその他の基礎疾患が隠れている可能性があります。

疲労が蓄積するメカニズム

疲労が蓄積するプロセスには、細胞レベルでの変化が関与しています。

身体や脳が活動すると、エネルギー源となるATP(アデノシン三リン酸)が消費され、その過程で活性酸素が発生します。この活性酸素が細胞を傷つけ、疲労因子である「疲労関連物質FF(Fatigue Factor)」が産生されます。FFが蓄積すると、脳が疲労を感じ、休息を促すシグナルを送ります。

通常、睡眠中には疲労回復物質である「FR(Fatigue Recovery Factor)」が産生され、FFが除去されることで疲労が回復します。しかし、睡眠の質が悪い、ストレスが持続している、栄養が不足しているなどの状況では、FFの除去が追いつかず、疲労が慢性化してしまうのです。

疲れが取れない主な原因

1. 睡眠の質の問題

疲労回復において最も重要なのが睡眠です。しかし、単に睡眠時間を確保するだけでは不十分で、「睡眠の質」が大きく影響します。

睡眠時間の不足

成人に必要な睡眠時間は個人差がありますが、一般的には7〜9時間とされています。厚生労働省の健康づくりのための睡眠ガイドによると、6時間未満の睡眠が続くと、認知機能の低下や代謝異常のリスクが高まることが報告されています。

睡眠の質の低下

睡眠時間は確保していても、以下のような要因で睡眠の質が低下していることがあります:

  • 入眠困難: 寝つきが悪く、布団に入ってから30分以上眠れない
  • 中途覚醒: 夜中に何度も目が覚める
  • 早朝覚醒: 予定よりも早く目が覚めて、再入眠できない
  • 熟睡感の欠如: 睡眠時間は取れているのに、朝起きた時に疲れが残っている

これらの症状は、ストレス、カフェインやアルコールの摂取、寝室環境の問題、あるいは睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害が原因となっている可能性があります。

概日リズムの乱れ

人間の身体には約24時間周期の体内時計(サーカディアンリズム)が備わっています。不規則な生活、夜勤、時差などによってこのリズムが乱れると、睡眠の質が低下し、日中の疲労感が増大します。

2. 栄養バランスの偏り

身体のエネルギー産生や疲労回復には、適切な栄養素が不可欠です。特に以下の栄養素が不足すると、疲れが取れにくくなります。

鉄分不足(鉄欠乏性貧血)

鉄は赤血球のヘモグロビンを構成する重要な成分です。鉄が不足すると、全身への酸素供給が低下し、強い疲労感、息切れ、めまい、集中力の低下などが生じます。特に女性は月経による鉄損失があるため、鉄欠乏性貧血になりやすい傾向があります。

ビタミンB群の不足

ビタミンB1、B2、B6、B12、葉酸などのビタミンB群は、糖質や脂質をエネルギーに変換する代謝プロセスに不可欠です。これらが不足すると、効率的にエネルギーを産生できず、疲労感が増大します。

ビタミンD不足

ビタミンDは骨の健康だけでなく、免疫機能や筋力の維持にも関与しています。日本内分泌学会の報告によると、ビタミンD不足は慢性疲労や筋肉痛、うつ症状と関連があることが指摘されています。

タンパク質不足

タンパク質は筋肉、臓器、ホルモン、免疫細胞などの構成要素です。十分なタンパク質が摂取できていないと、筋力低下、免疫機能の低下、疲労感の増大につながります。

水分不足(脱水)

軽度の脱水状態でも、疲労感、集中力の低下、頭痛などが生じます。特に高齢者は喉の渇きを感じにくいため、気づかないうちに慢性的な脱水状態になっていることがあります。

3. 慢性的なストレス

現代社会において、ストレスは疲労の大きな要因の一つです。

ストレスホルモンの影響

ストレスを受けると、副腎からコルチゾールというホルモンが分泌されます。コルチゾールは短期的には身体の活動性を高めますが、慢性的に高い状態が続くと、免疫機能の低下、睡眠障害、うつ症状、そして持続的な疲労感を引き起こします。

自律神経の乱れ

ストレスは自律神経のバランスを崩し、交感神経が過度に優位な状態を作り出します。本来、副交感神経が優位になるべき休息時にも交感神経が働き続けることで、身体がリラックスできず、疲労が蓄積します。

精神的疲労の身体化

心理的ストレスは、身体的な症状として現れることがあります。これを「身体化」といい、原因不明の疲労感、頭痛、腹痛、筋肉痛などが生じます。

4. 運動不足または過度な運動

運動不足による影響

現代人は座位時間が長く、慢性的な運動不足に陥りがちです。運動不足は以下のような悪影響をもたらします:

  • 筋力・体力の低下: 少しの活動でも疲れやすくなる
  • 血液循環の悪化: 酸素や栄養素が全身に行き渡りにくくなる
  • 代謝の低下: エネルギー産生効率が悪くなる
  • 睡眠の質の低下: 適度な身体的疲労がないと深い睡眠が得られにくい

過度な運動(オーバートレーニング症候群)

一方で、過度な運動も疲労の原因となります。特にアスリートや運動愛好家が陥りやすい「オーバートレーニング症候群」では、持続的な疲労感、パフォーマンスの低下、免疫機能の低下、睡眠障害、食欲不振などが生じます。

5. 基礎疾患が隠れている可能性

適切な休息を取っても疲労が改善しない場合、何らかの疾患が原因となっている可能性があります。

慢性疲労症候群(CFS/ME)

慢性疲労症候群は、原因不明の強い疲労が6ヶ月以上続く疾患です。単なる疲労とは異なり、以下のような特徴があります:

  • 休息しても改善しない疲労感
  • 微熱、リンパ節の腫れ、筋肉痛
  • 集中力・記憶力の低下
  • 睡眠障害
  • 日常生活に支障をきたすレベルの症状

日本疲労学会によると、慢性疲労症候群の患者数は人口の約0.3%とされ、女性に多く見られます。診断には詳細な問診と、他の疾患を除外するための検査が必要です。

甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモンは全身の代謝を調節する重要なホルモンです。甲状腺機能低下症では、以下の症状が現れます:

  • 強い疲労感、倦怠感
  • 体重増加
  • 寒がり、冷え性
  • 便秘
  • 皮膚の乾燥
  • 抑うつ気分
  • 記憶力・集中力の低下

血液検査で甲状腺ホルモン(TSH、FT3、FT4)を測定することで診断できます。治療には甲状腺ホルモンの補充療法が行われます。

糖尿病

糖尿病では、インスリンの作用不足により血糖値が高くなります。高血糖状態が続くと、以下の症状が現れます:

  • 強い疲労感
  • 喉の渇き、多飲
  • 頻尿
  • 体重減少
  • 視力のぼやけ

糖尿病の初期段階では、疲労感が主な症状となることがあります。空腹時血糖値やHbA1c(ヘモグロビンA1c)の検査で診断します。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が一時的に停止する疾患です。これにより睡眠の質が著しく低下し、以下の症状が現れます:

  • 日中の強い眠気、疲労感
  • 朝の頭痛
  • 集中力の低下
  • いびき(家族から指摘される)
  • 夜間の頻尿

肥満、首が太い、あごが小さいなどの身体的特徴がリスク因子となります。治療にはCPAP(持続陽圧呼吸療法)や生活習慣の改善が行われます。

うつ病

うつ病では精神症状だけでなく、身体症状も顕著に現れます:

  • 持続的な疲労感、倦怠感
  • 睡眠障害(不眠または過眠)
  • 食欲の変化(食欲不振または過食)
  • 頭痛、肩こり、腰痛などの身体的痛み
  • 気分の落ち込み、興味・喜びの喪失

特に「仮面うつ病」では、身体症状が前面に出て、精神症状が目立たないことがあります。この場合、疲労や身体の痛みが主訴となり、うつ病と気づかれにくいことがあります。

貧血(鉄欠乏性貧血以外)

鉄欠乏性貧血以外にも、ビタミンB12欠乏性貧血、葉酸欠乏性貧血、溶血性貧血、再生不良性貧血など、様々なタイプの貧血があります。いずれも疲労感、息切れ、動悸などの症状を引き起こします。

肝機能障害

肝臓は代謝の中心的役割を担う臓器です。肝機能が低下すると:

  • 全身倦怠感
  • 食欲不振
  • 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
  • 腹部膨満感

慢性肝炎、脂肪肝、肝硬変などが原因となります。血液検査(AST、ALT、γ-GTPなど)で肝機能を評価します。

腎機能障害

腎臓の機能が低下すると、老廃物の排泄が滞り、以下の症状が現れます:

  • 疲労感、倦怠感
  • むくみ
  • 食欲不振
  • 尿の変化(泡立つ、色が濃いなど)

血液検査(クレアチニン、尿素窒素)や尿検査で診断します。

心不全

心臓のポンプ機能が低下する心不全では:

  • 疲労感、倦怠感
  • 息切れ(特に労作時)
  • むくみ
  • 横になると息苦しい

高血圧、心筋梗塞、弁膜症などが原因となります。

更年期障害

女性では閉経前後の更年期に、エストロゲンの急激な減少により様々な症状が現れます:

  • 疲労感、倦怠感
  • ほてり、発汗
  • 不眠
  • イライラ、抑うつ気分
  • 関節痛

日本産科婦人科学会によると、日本人女性の平均閉経年齢は約50歳で、その前後5年間(45〜55歳頃)が更年期に該当します。

副腎疲労

副腎は様々なホルモンを分泌する重要な内分泌器官です。慢性的なストレスにより副腎が疲弊すると、以下の症状が現れます:

  • 朝起きるのがつらい
  • 常に疲れている
  • 塩辛いものや甘いものが欲しくなる
  • ストレスに対処できない
  • 夕方以降に少し元気になる

ただし、「副腎疲労」という概念は、従来の医学では確立された疾患名ではなく、議論のあるところです。しかし、副腎機能の低下を示唆する症状がある場合は、医療機関での評価が推奨されます。

6. その他の要因

薬剤の副作用

一部の薬剤は副作用として疲労感を引き起こすことがあります:

  • 降圧薬(特にβ遮断薬)
  • 抗ヒスタミン薬
  • 抗うつ薬(一部)
  • ステロイド
  • 睡眠薬・抗不安薬

服用している薬がある場合は、医師に相談して副作用の可能性を確認することが重要です。

慢性的な痛み

腰痛、関節痛、頭痛などの慢性的な痛みがあると、睡眠の質が低下し、疲労が蓄積します。また、痛みそのものが精神的ストレスとなり、疲労を増強させます。

環境要因

室温、湿度、照明、騒音などの環境要因も疲労に影響します。特に、寝室が暑すぎる・寒すぎる、湿度が不適切、外部からの騒音があるなどの状況では、睡眠の質が低下し、疲労が蓄積します。

疲れを取るための実践的対策

睡眠の質を改善する

睡眠時間の確保

まず基本となるのが、十分な睡眠時間の確保です。個人差はありますが、7〜9時間を目標にしましょう。

睡眠の質を高める生活習慣

就寝・起床時刻を一定にする 平日・休日を問わず、同じ時刻に就寝・起床することで、体内時計が整います。休日の「寝だめ」は、かえってリズムを乱す原因となります。

就寝前のリラックスタイムを作る 就寝1〜2時間前からは、リラックスできる活動(読書、音楽鑑賞、軽いストレッチなど)を行いましょう。

ブルーライトを避ける スマートフォンやパソコンのブルーライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制します。就寝2時間前からは画面を見ないようにしましょう。

カフェイン・アルコールに注意 カフェインは摂取後5〜7時間効果が持続するため、夕方以降は避けましょう。アルコールは入眠を促進しますが、睡眠の質を低下させるため、過度な飲酒は避けるべきです。

寝室環境を整える

  • 室温: 16〜20℃程度
  • 湿度: 50〜60%程度
  • 照明: 暗く静かな環境
  • 寝具: 適切な硬さのマットレスと枕

短時間の昼寝を活用

午後の眠気対策として、15〜20分程度の短い昼寝(パワーナップ)が効果的です。ただし、30分以上寝てしまうと深い睡眠に入り、かえって目覚めが悪くなるため注意が必要です。

栄養バランスを整える

バランスの良い食事

主食(炭水化物)、主菜(タンパク質)、副菜(ビタミン・ミネラル)をバランスよく摂取しましょう。農林水産省の食事バランスガイドを参考にするとよいでしょう。

疲労回復に効果的な栄養素

ビタミンB群

  • 豚肉、レバー、玄米、納豆、卵などに豊富

鉄分

  • レバー、赤身肉、魚介類(カツオ、マグロ)、ほうれん草、小松菜
  • ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が向上

タンパク質

  • 肉、魚、卵、大豆製品、乳製品
  • 体重1kgあたり1〜1.2g程度が目安

ビタミンD

  • 鮭、サンマ、きのこ類
  • 日光浴も重要(1日15〜30分程度)

水分補給

成人は1日に約2リットルの水分が必要です。喉が渇く前にこまめに水分補給を行いましょう。ただし、カフェインやアルコールは利尿作用があるため、水分補給には適しません。

食事のタイミング

朝食を必ず食べる 朝食は体内時計をリセットし、1日の活動エネルギーを供給する重要な食事です。

就寝3時間前までに夕食を済ませる 就寝直前の食事は、睡眠中も消化器官が活動するため、睡眠の質を低下させます。

規則正しい食事時間 食事時間を一定にすることで、体内時計が整い、消化・吸収機能も最適化されます。

ストレスマネジメント

リラクゼーション法

深呼吸法 腹式呼吸を意識した深呼吸は、副交感神経を活性化し、リラックス効果をもたらします。

  1. 鼻から4秒かけてゆっくり息を吸う
  2. 2秒間息を止める
  3. 口から8秒かけてゆっくり息を吐く これを5〜10回繰り返します。

漸進的筋弛緩法 身体の各部位に意識的に力を入れてから脱力することで、リラックスを促す方法です。

マインドフルネス瞑想 「今、この瞬間」に意識を向けることで、過去の後悔や未来の不安から解放され、ストレスが軽減されます。

時間管理とタスク管理

過度な業務負荷は慢性的なストレスの原因となります。

  • 優先順位をつける
  • 完璧主義を手放す
  • 適切に休憩を取る
  • 必要に応じて助けを求める

ソーシャルサポート

家族、友人、同僚など、信頼できる人とのつながりはストレス軽減に重要です。悩みを話すだけでも、気持ちが楽になることがあります。

適度な運動習慣

有酸素運動

ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動は、心肺機能を向上させ、疲れにくい身体を作ります。週に150分程度(1日20〜30分×週5回)を目標にしましょう。

筋力トレーニング

筋肉量を維持・増加させることで、基礎代謝が向上し、日常生活での疲れにくさにつながります。週2〜3回、大きな筋肉群(脚、背中、胸)を中心に行いましょう。

ストレッチ・ヨガ

柔軟性を高め、血液循環を改善し、リラックス効果も得られます。特に就寝前の軽いストレッチは睡眠の質を向上させます。

運動のタイミング

激しい運動は交感神経を活性化するため、就寝3時間前までに終えるようにしましょう。夕方〜夜の軽い運動は、体温のリズムを整え、睡眠の質を高める効果があります。

その他の対策

入浴

38〜40℃のぬるめのお湯にゆっくり浸かることで、副交感神経が優位になり、リラックスできます。就寝1〜2時間前の入浴が理想的です。

アロマテラピー

ラベンダー、カモミール、ベルガモットなどの香りには、リラックス効果があることが研究で示されています。

趣味や楽しい活動

自分が楽しめる活動に時間を使うことは、精神的なリフレッシュに重要です。仕事以外の「楽しみ」を持つことを意識しましょう。

医療機関を受診すべきサイン

以下のような症状がある場合は、自己対策だけでなく、医療機関での評価が必要です:

すぐに受診すべき症状

  • 突然の激しい疲労感: 特に胸痛や呼吸困難を伴う場合(心筋梗塞や肺塞栓症の可能性)
  • 意識がもうろうとする: 重度の低血糖や脱水、感染症の可能性
  • 高熱を伴う疲労感: 感染症や炎症性疾患の可能性
  • 体重が急激に減少: 糖尿病、がん、甲状腺機能亢進症などの可能性

早めの受診が推奨される症状

  • 6ヶ月以上続く慢性的な疲労: 慢性疲労症候群や基礎疾患の可能性
  • 休息しても改善しない疲労: 何らかの疾患が隠れている可能性
  • 日常生活に支障をきたす疲労: 仕事や家事ができないレベル
  • 疲労以外の症状を伴う: 発熱、体重変化、痛み、めまい、動悸など
  • 精神症状を伴う: 抑うつ気分、不安、不眠など

まとめ

「疲れが取れない」という症状は、現代社会において多くの人が抱える問題です。その原因は、睡眠の質の低下、栄養バランスの偏り、慢性的なストレス、運動不足、そして様々な基礎疾患など、多岐にわたります。

まずは、睡眠、栄養、運動、ストレスマネジメントといった生活習慣の見直しから始めましょう。しかし、自己対策だけでは改善しない場合や、6ヶ月以上続く慢性的な疲労、日常生活に支障をきたす疲労、他の症状を伴う疲労などがある場合は、医療機関での評価が必要です。

疲労は身体からの重要なサインです。単なる「気のせい」「年のせい」と軽視せず、適切に向き合うことが大切です。原因を明らかにし、適切な対策を講じることで、多くの場合、症状の改善が期待できます。

参考文献

  1. 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html
  2. 日本疲労学会ホームページ https://www.hirougakkai.com/
  3. 日本内分泌学会ホームページ https://www.j-endo.jp/
  4. 日本産科婦人科学会ホームページ http://www.jsog.or.jp/
  5. 農林水産省「食事バランスガイド」https://www.maff.go.jp/j/balance_guide/
  6. 厚生労働省「国民健康・栄養調査」
  7. 日本睡眠学会「睡眠障害診療ガイドライン」
  8. 日本心身医学会「心身医学の理論と実践」

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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