「最近シミが増えてきた気がする」「毎年同じ時期になるとシミが濃くなる」と感じている方は多いのではないでしょうか。シミの原因として最もよく知られているのが紫外線(UV)ですが、実は紫外線量は季節によって大きく変化し、シミができやすい時期と比較的できにくい時期があります。また、同じ時間帯でも天候や場所によって受ける紫外線量は異なり、「曇りだから大丈夫」「冬だからケアしなくていい」という思い込みがシミを悪化させるケースも少なくありません。この記事では、紫外線とシミの関係を基礎から解説し、季節ごとのリスクや適切なケア方法について詳しくお伝えします。シミを予防・改善したい方はぜひ参考にしてください。
目次
- そもそもシミはなぜできるのか?メカニズムを解説
- 紫外線の種類と肌への影響の違い
- 紫外線量が多い時期・少ない時期
- シミができやすい季節はいつ?
- 春(3〜5月):シミリスクが急上昇する季節
- 夏(6〜8月):紫外線量がピークを迎える季節
- 秋(9〜11月):シミが定着しやすい危険な季節
- 冬(12〜2月):意外と侮れない紫外線リスク
- 紫外線以外にシミを悪化させる要因
- 季節を問わないシミ予防の基本ケア
- できてしまったシミへのアプローチ
- まとめ
この記事のポイント
シミは春〜夏の紫外線増加期に形成されやすく、秋に夏のダメージが表面化して定着しやすい。冬もUVAは年間降り注ぐため年通した対策が必要。シミの種類で治療法が異なるため専門医への相談が重要。
🎯 そもそもシミはなぜできるのか?メカニズムを解説
シミの正体は、皮膚の中で過剰に作られたメラニン色素が蓄積した状態です。メラニン色素は本来、外部からの刺激(主に紫外線)から肌を守るために産生される物質で、肌を守るための重要な役割を持っています。しかし、何らかの原因によってメラニンが過剰に作られたり、排出されずに肌内部に沈着してしまったりすることで、茶色や黒みがかった色素沈着が現れます。これがいわゆる「シミ」と呼ばれる状態です。
肌の表面には表皮と真皮という層があり、その境界近くに「メラノサイト(色素細胞)」が存在しています。メラノサイトは紫外線などの刺激を受けると活性化し、「チロシナーゼ」という酵素の働きによってメラニンを生成します。生成されたメラニンは周囲の細胞(ケラチノサイト)に渡されながら、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)によって少しずつ表面へと押し上げられ、垢として剥がれ落ちるのが正常なサイクルです。
しかしターンオーバーが乱れていたり、紫外線ダメージが繰り返されてメラニン産生量が処理しきれないほど増えたりすると、メラニンが皮膚内部に残留してしまいます。これが繰り返されることで、徐々に目に見えるシミとして定着してしまうのです。
なお、一口に「シミ」といっても、老人性色素斑(日光黒子)、肝斑、雀卵斑(そばかす)、炎症後色素沈着など、さまざまな種類があります。それぞれ原因や特徴が異なるため、適切な対処法も変わってきます。中でも老人性色素斑は紫外線との関連が最も深く、日常的な紫外線対策が予防のカギとなります。
Q. 紫外線でシミができるメカニズムを教えてください
紫外線を受けるとメラノサイト(色素細胞)が活性化し、チロシナーゼという酵素の働きでメラニン色素を生成します。通常はターンオーバーで排出されますが、紫外線ダメージが繰り返されると処理しきれずメラニンが皮膚内に残留し、シミとして定着します。
📋 紫外線の種類と肌への影響の違い
紫外線には波長の違いによって主にUVA(紫外線A波)、UVB(紫外線B波)、UVC(紫外線C波)の3種類があります。UVCはオゾン層によってほぼ遮断されるため、地表には届きません。私たちの肌に影響を与えるのは主にUVAとUVBです。
UVBは波長が短く(280〜315nm)、エネルギーが高い紫外線です。肌の表皮に作用し、日焼けによる赤みや炎症(サンバーン)を引き起こします。強い刺激によってメラニン産生を促進するため、シミや日焼けの直接的な原因となります。UVBは紫外線全体の約5〜10%を占めており、ガラスに遮られる性質があります。また、季節や時間帯による変動が大きく、夏の日中に最も強くなります。
一方のUVAは波長が長く(315〜400nm)、エネルギーは比較的低いですが、肌の奥深く(真皮層)まで届く特徴があります。UVBほど即座に日焼けを引き起こしませんが、長期的に蓄積することで肌のコラーゲンやエラスチンを破壊し、シワやたるみの原因となります。また、メラニン色素を酸化させることで肌を黒くする「即時黒化」を引き起こすほか、じわじわとメラノサイトを刺激してメラニン産生を促します。UVAは紫外線全体の90〜95%を占め、ガラスを透過する性質があり、曇りの日でも降り注ぎます。また、季節や時間帯による変動がUVBより小さく、年間を通じて一定量が降り注いでいる点が特徴です。
シミの予防という観点では、メラニン産生を直接促すUVBへの対策が特に重要ですが、長年にわたってUVAにさらされることも肌の老化やシミの悪化に深く関わっています。そのため、UV対策はUVBだけでなくUVAも含めた総合的なアプローチが必要です。
💊 紫外線量が多い時期・少ない時期
日本における紫外線量は、季節によって大きく変動します。環境省の「紫外線環境保健マニュアル」などの資料によると、紫外線量(特にUVB)は春から夏にかけて増加し、夏の7〜8月頃にピークを迎え、秋から冬にかけて減少していきます。具体的には、紫外線が最も強い夏(7〜8月)と最も弱い冬(12〜1月)では、紫外線量に約10倍もの差があるとされています。
ただし、これはUVBについての話です。UVAは前述の通り年間を通じて比較的安定して降り注いでいるため、「冬だから紫外線は少ない」と油断することは禁物です。冬でもUVAは夏の半分程度の量が降り注いでいるとされており、長期的に蓄積されることで肌へのダメージを与え続けます。
また、紫外線量は時間帯によっても異なります。一日の中で最も紫外線が強いのは、太陽が最も高い位置に来る正午前後(10時〜14時頃)です。この時間帯の外出時は特に注意が必要です。
さらに、地面や建物からの「反射」にも注意が必要です。アスファルトやコンクリートでは紫外線の約10〜15%が反射され、雪面ではなんと約80%が反射されるとされています。スキー場などで顔が焼けやすいのはこのためです。また、水面でも約10%程度反射されるため、海や川の近くでは特に紫外線対策が重要です。
Q. UVAとUVBはシミへの影響がどう違いますか
UVBは表皮に作用して炎症や日焼けを引き起こし、メラニン産生を直接促進します。一方UVAは真皮層まで届き、長期蓄積によりコラーゲンを破壊してシワや肌老化を招くほか、じわじわとメラノサイトを刺激します。UVAはガラスや雲を透過し年間を通じて降り注ぐため、季節を問わない対策が必要です。
🏥 シミができやすい季節はいつ?
シミができやすい時期を考えるうえで重要なのは、「紫外線量が多い時期=シミができやすい時期」という単純な図式だけではないという点です。シミが定着するかどうかには、紫外線量だけでなく、肌のターンオーバーの状態、ケアの有無、生活習慣なども深く関わってきます。
一般的にシミが「できやすい」時期として挙げられるのは主に以下の時期です。
まず、3〜5月の春は紫外線量が急増し始める時期で、冬の間に紫外線対策を怠った肌がいきなり強い紫外線にさらされるリスクがあります。次に、6〜8月の夏は紫外線量がピークとなる時期で、日焼けによる急激なメラニン産生が起こりやすい季節です。そして、9〜11月の秋は夏に受けたダメージが肌表面に現れてくる時期で、「シミが増えた・濃くなった」と感じやすい季節です。冬も、UVAは一定量降り注いでおり、乾燥や肌のターンオーバーの乱れも重なってシミが残りやすい環境となります。
つまり、シミ対策は「年間を通じて必要」なのが正解ですが、特に春から夏にかけての紫外線量が増える時期の対策と、秋に現れてくるダメージのケアが特に重要と言えます。
⚠️ 春(3〜5月):シミリスクが急上昇する季節
春は多くの方がシミ対策を始めるきっかけになる季節です。3月頃から紫外線量が急激に増加し始め、5月の連休頃には夏に近いレベルの紫外線が降り注ぐことがあります。しかし、気温がまだそれほど高くないため「紫外線対策の必要性を感じにくい」という落とし穴があります。
冬の間、私たちの肌は紫外線にさらされる量が少ない状態が続いていたため、メラノサイトの防御反応が低下している状態にあります。そこに突然強い紫外線が当たると、メラノサイトが過剰反応してメラニンを大量に産生してしまいます。いわば「紫外線に慣れていない状態の肌」が強い刺激にさらされる、ということです。
また、春は花粉症による肌荒れやアレルギー反応で肌のバリア機能が低下しやすい時期でもあります。バリア機能が低下した肌は紫外線のダメージを受けやすく、シミが形成されるリスクが高まります。さらに、春は就職・進学・転勤などのライフイベントが多く、ストレスや生活リズムの変化によって肌のターンオーバーが乱れることもシミ悪化の一因となります。
春のシミ対策として特に意識したいのは、「3月から日焼け止めをしっかり使い始める」ということです。「まだ春だから」と対策を後回しにすると、その時期の紫外線ダメージがそのまま夏や秋のシミとして現れてくることになります。
🔍 夏(6〜8月):紫外線量がピークを迎える季節
夏は一年の中で最も紫外線量が多い季節です。6月以降から紫外線が強くなり始め、7〜8月には年間でも最も高いレベルに達します。この時期は、短時間の外出でも日焼けや肌ダメージが起きやすく、シミの原因となるメラニンが集中的に産生されます。
特に注意が必要なのは、強い日差しの下だけでなく、日常の生活の中でも紫外線ダメージが蓄積されているという点です。例えば、通勤・通学の歩行中、買い物のための短時間の外出、オープンカフェでの滞在など、「ちょっとした外出」の積み重ねが肌へのダメージになります。
また、夏は紫外線が強いだけでなく、汗や皮脂によって日焼け止めが落ちやすい季節でもあります。日焼け止めを朝に一度塗っただけで満足してしまう方も多いですが、汗をかく夏場は2〜3時間おきに塗り直すことが重要です。特に屋外でのレジャーやスポーツ時は、こまめな塗り直しを心がけましょう。
夏のもう一つの注意点は、「日焼け後のケア」です。強い日焼けをしてしまった後、肌が炎症を起こしている状態では、その炎症後色素沈着(PIH)によってシミが形成されやすくなります。日焼けしてしまった場合は、まず肌を冷やして炎症を抑え、その後はしっかりとした保湿ケアを行うことが大切です。この時期にしっかりとしたアフターケアを行わないと、秋になってから「シミが増えた」と気づくことになります。
Q. 秋にシミが増えたと感じやすいのはなぜですか
夏に紫外線ダメージを受けた肌は、その後のターンオーバーによってメラニン色素が徐々に表面へ押し上げられます。そのため9〜11月頃に「シミが増えた・濃くなった」と感じやすくなります。アイシークリニックでもこの時期に来院される患者様が多く、夏ダメージの時間差による表面化が主な原因です。
📝 秋(9〜11月):シミが定着しやすい危険な季節
秋は「シミが現れてくる季節」とも言われます。夏に紫外線を受けた肌は、その後のターンオーバーによってメラニン色素が徐々に表面へと押し上げられてきます。その結果、9〜11月頃に「夏よりもシミが増えた・濃くなった」と感じる方が多くなります。
秋は気温が下がって「紫外線が弱まった」という安心感から、日焼け止めの使用をやめてしまう方が多い季節です。しかし前述の通り、UVAは秋でも相当量降り注いでいます。9月はまだUVBも比較的強く、10月に入っても引き続き注意が必要です。
また、秋は肌のターンオーバーが活発になりやすい季節でもあります。夏に受けたダメージを回復しようと肌細胞が新陳代謝を活発に行うため、メラニン色素が表面に現れやすくなるのです。これはある意味では肌が回復しようとしているサインですが、ケアを怠ると表面に出てきたメラニンが定着してしまいます。
秋はシミを悪化させないための重要な時期であると同時に、適切なケアによってシミを改善するチャンスでもあります。ターンオーバーが活発な時期に美白成分を含む化粧品を使用したり、肌のケアを丁寧に行ったりすることで、夏に受けたダメージの回復を促すことができます。また、ビタミンC誘導体やトラネキサム酸などの美白成分を含んだスキンケアを取り入れることも効果的です。
引き続き紫外線対策も怠らず、保湿や美白ケアを組み合わせることが秋の肌管理のポイントです。秋に適切なケアを行えば、シミが濃くなるリスクを抑えることができます。
💡 冬(12〜2月):意外と侮れない紫外線リスク
「冬は紫外線が弱いから日焼け止めは不要」と考えている方は多いと思います。確かに冬はUVBの量が夏に比べて大幅に減少します。しかし、UVAは冬でも夏の半分程度降り注いでいると言われており、全く無視できるわけではありません。
また、冬特有のシミリスクとして「雪による反射」があります。雪面は紫外線を約80%反射するとされており、スキーやスノーボードを楽しむ際には、真夏のビーチ以上に紫外線対策が必要です。冬山での日焼けは非常に強く、シミだけでなく重度の日焼けを引き起こすこともあります。ウィンタースポーツを楽しむ場合は、顔全体をしっかりとカバーする日焼け止めと、こまめな塗り直しが欠かせません。
さらに、冬は乾燥によって肌のバリア機能が低下しやすい季節です。乾燥した肌はわずかな紫外線や刺激にも敏感に反応してしまうため、少量のUVAであっても肌へのダメージが大きくなりやすいという側面があります。冬の保湿ケアをしっかり行うことは、紫外線からの防御力を維持するうえでも重要なのです。
冬は「日焼け止めを必ず塗らなければならない」というよりも、「外出する機会があればSPF20〜30程度の日焼け止めを日常使いし、ウィンタースポーツ時は夏と同様の対策をする」という考え方が現実的です。完全にケアをやめてしまうのではなく、季節に合わせた無理のない紫外線対策を継続することが大切です。
✨ 紫外線以外にシミを悪化させる要因
シミの原因は紫外線だけではありません。紫外線以外にもシミを悪化させる要因がいくつかあり、これらを理解することでより効果的なシミ対策が可能になります。
まず、ホルモンバランスの乱れです。特に女性の場合、妊娠・出産、経口避妊薬(ピル)の服用、更年期などによるホルモンバランスの変化がメラノサイトを刺激し、肝斑(かんぱん)と呼ばれるシミを引き起こすことがあります。肝斑は頬骨付近に左右対称に現れることが多く、紫外線だけでなくホルモン変動が主な原因とされています。
次に、摩擦や炎症です。洗顔時のゴシゴシとした強い摩擦、ニキビや虫刺され、肌荒れなどの炎症が繰り返されることでメラニンが産生され、炎症後色素沈着(PIH)と呼ばれるシミが形成されます。洗顔は泡立てた泡で優しく行い、タオルで拭く際も押さえるように使うことが大切です。
ストレスや睡眠不足も見逃せない要因です。慢性的なストレスや睡眠不足は、肌のターンオーバーを乱す原因となります。ターンオーバーが正常に機能しないとメラニンが排出されにくくなり、シミとして定着しやすくなります。また、ストレスホルモン(コルチゾール)の増加が間接的にメラニン産生を促すという指摘もあります。
食生活の影響もあります。抗酸化作用を持つビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどが不足すると、体内の活性酸素が増加し、メラニン産生を促進させる可能性があります。逆に、ビタミンCを積極的に摂取することはメラニンの生成を抑えるチロシナーゼの活性を阻害する効果が期待されており、食事からのアプローチもシミ対策に有効です。
加齢もシミを悪化させる大きな要因です。年齢を重ねるとともに肌のターンオーバーが遅くなり、メラニンが排出されにくくなります。また、長年にわたって蓄積された紫外線ダメージが老人性色素斑として現れてくることも多くなります。
Q. シミの種類によって治療法は異なりますか
シミの種類によって適切な治療法は大きく異なります。老人性色素斑にはレーザー治療が有効ですが、肝斑にレーザーを照射すると悪化するリスクがあり、トラネキサム酸の内服やハイドロキノン外用が基本です。自己判断での治療は悪化につながる恐れがあるため、まず専門医による正確な診断を受けることが重要です。
📌 季節を問わないシミ予防の基本ケア

シミを予防するためには、季節ごとの対策に加えて、年間を通じた基本的なスキンケアと生活習慣を整えることが重要です。ここでは、シミ予防のために日常的に実践したい基本的なケアをご紹介します。
日焼け止めの適切な使用は、シミ予防の基本中の基本です。SPFとPAの両方を確認し、日常生活ではSPF30・PA++程度、屋外でのレジャーや長時間の外出にはSPF50・PA++++程度を目安に選びましょう。日焼け止めは朝に塗るだけでなく、2〜3時間おきに塗り直すことが効果を維持するために必要です。量の目安としては、顔全体に使う場合はパール粒2〜3個分程度とされています。
物理的な紫外線対策も組み合わせましょう。日焼け止めクリームだけに頼るのではなく、帽子、サングラス、UV加工の衣類、日傘などを活用して物理的に紫外線をブロックすることも重要です。特に首やデコルテ、手の甲などは日焼け止めを塗り忘れやすい部位であり、帽子や手袋などで保護することも効果的です。
保湿ケアの徹底も欠かせません。肌のバリア機能を維持するためには、十分な保湿が必要です。乾燥した肌は紫外線や外部刺激に対する防御力が低下するため、年間を通じて保湿ケアを丁寧に行うことがシミ予防にもつながります。特に乾燥しやすい秋冬は、化粧水だけでなく乳液やクリームを組み合わせた重ね付けが効果的です。
ビタミンCを含む美白化粧品の活用も有効です。ビタミンC誘導体はメラニンの生成を抑制するチロシナーゼの活性を阻害する効果があると言われており、シミの予防・改善に役立ちます。ほかにも、トラネキサム酸、アルブチン、ナイアシンアミドなどの美白有効成分を含む化粧品も有効です。これらは薬用化粧品(医薬部外品)として販売されているものも多いため、選ぶ際は成分を確認しましょう。
食事や睡眠などの生活習慣の改善も大切です。ビタミンCやE、ポリフェノールを含む食品を積極的に摂取し、十分な睡眠をとることでターンオーバーを促進させましょう。成長ホルモンが最も分泌されると言われる夜10時〜翌2時頃に睡眠をとることが、肌の修復にとって理想的とされています。
🎯 できてしまったシミへのアプローチ
日常的なケアを行っていても、すでにできてしまったシミが気になる方は少なくないと思います。市販の美白化粧品でのケアに限界を感じている場合は、皮膚科や美容クリニックでの専門的な治療を検討することも選択肢の一つです。
医療機関で受けられるシミ治療の代表的なものとして、まずレーザー治療が挙げられます。レーザーはシミに含まれるメラニン色素に選択的に作用し、色素を破壊して排出を促す治療法です。老人性色素斑(日光黒子)やそばかすに対して高い効果が期待できます。代表的なものとしてQスイッチによるレーザー、ピコレーザー、フォトフェイシャル(IPL)などがあります。シミの種類や深さによって適切なレーザーの種類が異なるため、専門医による診断が重要です。
肝斑の治療には注意が必要です。肝斑にレーザーを当てると逆に悪化するリスクがあるとされており、肝斑が疑われる場合はレーザー治療を避け、内服薬(トラネキサム酸)や外用薬(ハイドロキノン、レチノイン酸)による治療が基本となります。特にトラネキサム酸の内服は肝斑に対して保険適用がある治療法として知られており、多くの皮膚科や美容クリニックで処方されています。
ケミカルピーリングも選択肢の一つです。グリコール酸や乳酸などの酸性の薬剤を用いて肌の古い角質を取り除き、ターンオーバーを促進させる治療です。比較的軽度のシミや全体的な肌のトーンアップを目的とする場合に用いられます。レーザー治療と組み合わせることで相乗効果が期待できることもあります。
外用薬としては、ハイドロキノンやレチノイン酸が医療機関で処方されることがあります。ハイドロキノンはメラニンの生成を抑制する「肌の漂白剤」とも呼ばれる成分で、市販の化粧品に含まれるものより高濃度のものが医療機関から処方されます。レチノイン酸はターンオーバーを促進してメラニンの排出を助ける効果があります。いずれも皮膚への刺激が強い場合があるため、医師の指導のもとで使用することが重要です。
重要なのは、シミの種類によって適切な治療法が異なる点です。自己判断で治療を選んでしまうと、シミを悪化させてしまうリスクがあります。「これはどんなシミなのか」「どの治療が適しているか」を専門医に診断してもらったうえで、適切な治療を受けることが大切です。
また、医療機関での治療後も日焼け止めなどの紫外線対策は欠かせません。レーザー治療後の肌は特に紫外線に敏感になっており、適切な術後ケアをしないとシミが再発・悪化するリスクがあります。治療と日常ケアを組み合わせることで、より効果的・持続的なシミ改善が期待できます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「夏が終わったのにシミが増えた気がする」と秋口にご来院される患者様が多く、夏の紫外線ダメージが時間差で表面に現れるメカニズムをご存じない方がまだまだ多い印象です。シミは種類によって適切な治療法が大きく異なり、特に肝斑にレーザーを当てると悪化するリスクがあるため、自己判断せずにまず専門医に診ていただくことを強くお勧めします。年間を通じた紫外線対策と正しいスキンケアを土台としながら、気になるシミがあればお気軽にご相談ください。」
📋 よくある質問
特にリスクが高いのは、紫外線量が急増する春(3〜5月)から夏(6〜8月)にかけてです。春は「まだ早い」という油断から対策が遅れやすく、冬の間に紫外線に慣れていない肌が強い刺激にさらされます。また、秋(9〜11月)は夏のダメージが表面に現れてシミが定着しやすい時期のため、注意が必要です。
完全に不要とは言えません。冬はUVBが大幅に減少しますが、肌の奥まで届くUVAは夏の半分程度が年間を通じて降り注いでいます。また、雪面は紫外線を約80%反射するため、スキーなどのウィンタースポーツ時は特に注意が必要です。日常生活ではSPF20〜30程度の日焼け止めを使用することをおすすめします。
必要です。曇りの日でもUVAはガラスや雲を透過して降り注ぎます。UVAは紫外線全体の約90〜95%を占め、肌の奥深くまで届いて長期的にシミや肌の老化を引き起こします。「曇りだから大丈夫」という思い込みがシミを悪化させるケースがあるため、天候に関わらず紫外線対策を習慣にしましょう。
夏に紫外線を受けた肌が、その後のターンオーバー(新陳代謝)によってメラニン色素を徐々に表面へ押し上げるためです。いわば「夏のダメージが時間差で現れる」現象です。秋は紫外線対策をやめがちですが、UVAは引き続き降り注いでいるため、美白ケアと紫外線対策を継続することが重要です。
はい、大きく異なります。例えば老人性色素斑にはレーザー治療が有効ですが、肝斑にレーザーを当てると逆に悪化するリスクがあります。肝斑にはトラネキサム酸の内服やハイドロキノンなどの外用薬が基本的な治療法です。自己判断での治療は悪化につながる恐れがあるため、まず専門医による正確な診断を受けることを強くおすすめします。
💊 まとめ
紫外線によるシミができやすい時期は、紫外線量が急増し始める春(3〜5月)から夏(6〜8月)にかけての期間が特に重要です。春は「まだ早い」という油断から対策が遅れやすく、夏は紫外線量がピークに達します。そして秋(9〜11月)は夏に受けたダメージが表面に現れてくる時期で、シミが定着するリスクが高い季節です。冬もUVAは降り注いでおり、雪山ではとりわけ注意が必要です。
シミは一度できてしまうと自然に消えることはほとんどなく、適切なケアや治療が必要となります。そのため、年間を通じた紫外線対策と日常的なスキンケアによる予防がとても大切です。
日焼け止めの適切な使用、物理的な紫外線対策、保湿・美白ケアの継続、バランスの良い食事と十分な睡眠など、できることから少しずつ取り組んでみてください。すでに気になるシミがある場合は、自己判断せずに皮膚科や美容クリニックの専門医に相談することをおすすめします。シミの種類や状態に合った適切な治療を受けることで、より効果的な改善が期待できます。
アイシークリニック渋谷院では、シミの種類や原因を丁寧に診断したうえで、一人ひとりに合った治療プランをご提案しております。シミに関するお悩みやご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – シミ(色素沈着・老人性色素斑・肝斑など)の種類・診断・治療法に関する皮膚科学的ガイドラインおよび解説情報
- 厚生労働省 – 紫外線対策に関する公式情報および環境省と連携した「紫外線環境保健マニュアル」に基づく紫外線量・健康影響の解説
- PubMed – メラノサイトによるメラニン産生メカニズム・UVAおよびUVBの肌への影響・シミ治療(レーザー・ハイドロキノン・トラネキサム酸)に関する国際的な査読済み医学文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務