日焼け止めを選ぶとき、「紫外線吸収剤不使用」という表示を目にしたことはありませんか。敏感肌の方や、成分にこだわりたい方にとって、この表示は気になるポイントのひとつです。しかし、「紫外線吸収剤不使用」とはどういう意味なのか、本当に肌に優しいのか、紫外線をしっかり防げるのか、といった疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。この記事では、紫外線吸収剤不使用の日焼け止めの効果や仕組み、メリット・デメリット、上手な選び方について詳しく解説していきます。紫外線ケアに関心のある方はぜひ参考にしてください。
目次
- 紫外線吸収剤とはなにか
- 紫外線吸収剤不使用(紫外線散乱剤)の仕組みと特徴
- 紫外線吸収剤不使用の日焼け止めの効果
- 紫外線吸収剤不使用のメリット
- 紫外線吸収剤不使用のデメリットと注意点
- SPFとPAの数値は変わるのか
- 紫外線吸収剤不使用の日焼け止めに向いている人
- 紫外線吸収剤不使用の日焼け止めの選び方
- 正しい塗り方と使用上の注意
- 日焼け止め以外の紫外線ケアとの組み合わせ
- まとめ
この記事のポイント
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めは酸化亜鉛・酸化チタンで紫外線を物理的に反射し、敏感肌や子どもに適するが、白浮きや塗りムラに注意が必要。当院でも切り替えで肌トラブルが改善するケースが多い。
🎯 紫外線吸収剤とはなにか
まず、紫外線吸収剤とはどのような成分なのかを理解しておきましょう。日焼け止めに配合される紫外線防御成分は、大きく「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2種類に分けられます。
紫外線吸収剤とは、化学的に紫外線のエネルギーを吸収し、そのエネルギーを熱や赤外線などの無害な形に変換して放出することで紫外線をカットする成分のことです。代表的な紫外線吸収剤としては、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(オクチノキサート)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(DHHB)、オクトクリレン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(ティノソーブS)などが挙げられます。
これらの成分は、紫外線をしっかりと防ぐ高い効果を持っており、使い心地が軽くテクスチャーが伸びやすい製品に仕上がりやすいという特性があります。ただし、化学反応によってエネルギーを処理する仕組みであるため、肌への刺激を感じやすい方がいることも事実です。
紫外線吸収剤は、皮膚に浸透して作用するため、まれに接触皮膚炎やアレルギー反応を引き起こすことがあります。特に敏感肌の方やアトピー性皮膚炎のある方、赤ちゃんや子どもの柔らかい肌には刺激になる場合があります。こうした背景から、「紫外線吸収剤不使用」の日焼け止めが注目されるようになったのです。
Q. 紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の違いは何ですか?
紫外線吸収剤は化学反応で紫外線エネルギーを熱に変換してカットする成分です。一方、紫外線散乱剤(酸化亜鉛・酸化チタン)は肌表面に膜を作り、紫外線を物理的に反射・散乱させます。散乱剤は皮膚に浸透しにくいため、刺激が比較的少ないとされています。
📋 紫外線吸収剤不使用(紫外線散乱剤)の仕組みと特徴
「紫外線吸収剤不使用」の日焼け止めとは、紫外線吸収剤を使わず、代わりに「紫外線散乱剤」のみで紫外線をカットする製品のことを指します。ノンケミカル処方、フィジカルサンスクリーン、ミネラルサンスクリーンとも呼ばれます。
紫外線散乱剤として代表的な成分は「酸化亜鉛(ZnO)」と「酸化チタン(TiO2)」です。これらは鉱物由来の成分で、肌の表面に膜を作り、紫外線を物理的に反射・散乱させることで紫外線が肌に到達するのを防ぎます。化学反応ではなく、鏡のように紫外線をはね返すイメージです。
酸化亜鉛はUVAとUVB両方の紫外線に対して幅広く対応でき、抗炎症作用もあることから、肌荒れしやすい方にも比較的適しているとされています。酸化チタンは主にUVBや短波長UVAに対して効果的です。この2種類を組み合わせることで、より広い波長をカバーする製品が多く見られます。
紫外線散乱剤は皮膚の表面にとどまり、肌に浸透しにくい性質があります。このため、化学的な刺激が生じにくく、肌に優しいとされているのです。ただし、粒子の大きさや処方によって使用感や効果に差が出ることもあります。
💊 紫外線吸収剤不使用の日焼け止めの効果
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めは、紫外線から肌を守る効果を持ちます。ただし、その効果を正しく理解することが大切です。
紫外線には大きく分けてUVA(長波長紫外線)とUVB(中波長紫外線)があります。UVBは日焼け(サンバーン)の主な原因となり、肌が赤くなったり、ひどい場合には水ぶくれになったりします。一方、UVAは皮膚の深い部分まで届き、シミやシワ、たるみといった光老化を引き起こす原因となります。
酸化亜鉛はUVAとUVBの広い範囲をカバーできますが、単独では高いSPF値(UVBの防御指数)を達成しにくい面があります。酸化チタンはUVBを効率よく反射しますが、UVAのカバーが限定的です。このため、紫外線吸収剤を使った製品と比較すると、同じSPF・PA値を達成するためにより多くの量の散乱剤を配合する必要があります。
近年の製品開発技術の進歩により、微粒子化(ナノ粒子)した酸化亜鉛や酸化チタンを使用することで、白浮きを抑えながらも高いUV防御効果を持つ製品が増えてきました。SPF50+・PA++++といった高いスペックを持つ紫外線吸収剤不使用製品も市場に多数登場しています。
効果を最大限に発揮するためには、適量を丁寧に塗ることが非常に重要です。紫外線散乱剤は物理的に光を遮るため、塗りムラがあると保護効果が下がってしまいます。適切な量を均一に塗ることで、表示されているSPF・PA値に近い効果が得られます。
Q. 紫外線吸収剤不使用の日焼け止めはSPFやPAが低くなりますか?
必ずしも低くなるわけではありません。酸化亜鉛と酸化チタンを組み合わせることでUVA・UVB両方に対応でき、近年の技術進歩によりSPF50+・PA++++という最高水準のスペックを持つ紫外線吸収剤不使用製品も多数登場しています。ただし効果を得るには適量を均一に塗ることが重要です。
🏥 紫外線吸収剤不使用のメリット
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めには、さまざまなメリットがあります。肌への影響を考えた選択としても、多くの方に支持されています。
🦠 肌への刺激が少ない
紫外線吸収剤は化学合成された成分で、肌に浸透して作用するため、体質によってはかぶれや刺激感が生じることがあります。特に、敏感肌・乾燥肌・アトピー性皮膚炎などの肌トラブルを抱えている方は、紫外線吸収剤が刺激になることがあります。一方、紫外線散乱剤は皮膚に浸透しにくく、表面に膜を作るだけなので、肌への刺激が比較的少ないといわれています。
👴 アレルギーリスクが低い
紫外線吸収剤の中には、光アレルギーや接触アレルギーを起こすリスクがあるものが存在します。紫外線吸収剤不使用の製品は、こうしたアレルギーリスクを低減できるため、アレルギー体質の方にも選ばれています。
🔸 赤ちゃん・子どもの肌にも使いやすい
赤ちゃんや幼児の肌は薄くてデリケートであるため、成分の浸透性が大人より高い傾向があります。化学成分の浸透を最小限にしたい場合、紫外線吸収剤不使用の製品は安心感があります。ベビー用・子ども用として展開されている日焼け止めの多くが、紫外線吸収剤不使用を採用しているのはこのためです。
💧 塗った直後から効果が発揮される
紫外線吸収剤を含む製品の場合、塗布後15〜30分ほどで成分が安定してから紫外線防御効果が十分に発揮されるといわれることがあります。一方、紫外線散乱剤は塗った瞬間から物理的に紫外線を反射するため、すぐに効果を発揮します。外出直前に塗りたい場面でも使いやすい点がメリットです。
✨ 珊瑚礁(サンゴ礁)への影響が少ない
環境への配慮という観点からも、紫外線吸収剤不使用製品が注目されています。一部の紫外線吸収剤(オキシベンゾンなど)はサンゴ礁に悪影響を与えるとして、ハワイなど一部の地域では規制されています。酸化亜鉛や酸化チタンを使ったミネラルサンスクリーンは環境負荷が低いとされており、エコフレンドリーな選択肢として選ぶ方も増えています。
⚠️ 紫外線吸収剤不使用のデメリットと注意点
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めには優れた点がある一方で、いくつかのデメリットや注意点も存在します。選ぶ前にしっかりと把握しておきましょう。
📌 白浮きしやすい
酸化亜鉛や酸化チタンは白色の粉末であるため、塗布すると肌が白っぽく見える「白浮き」が起こりやすいです。特に暗めの肌色の方には目立ちやすく、日常使いや化粧下地として使用する際に気になることがあります。ナノ粒子化技術が進んだ近年では白浮きが改善された製品も多いですが、やや白浮きが残ることもあります。
▶️ テクスチャーが重く感じることがある
紫外線散乱剤はその性質上、伸びが良くなく、厚ぼったく感じるテクスチャーになりやすいです。塗り広げるのに少し手間がかかったり、塗りムラが生じやすかったりします。特に皮脂が多い方は密閉感を感じる場合もあります。
🔹 汗や水に弱いものが多い
紫外線散乱剤は物理的に肌の表面にのっているため、汗や水で落ちやすい傾向があります。ウォータープルーフタイプの製品でも、汗を多くかく夏の屋外活動やプールでは、こまめな塗り直しが必要です。
📍 高SPF値の達成が難しい場合がある
紫外線散乱剤だけで高いSPF値を達成しようとすると、配合量を増やす必要があり、使用感が重くなったり、白浮きが目立ちやすくなったりするというトレードオフが生じます。ただし、前述のように技術の進歩によりこの課題は改善されてきています。
💫 ナノ粒子の安全性についての議論がある
白浮きを軽減するために酸化亜鉛や酸化チタンをナノサイズに微粒子化した製品が増えていますが、ナノ粒子の皮膚への影響については研究が続けられています。現時点では正常な皮膚のバリア機能があれば経皮吸収はほとんどないとされていますが、傷のある皮膚への使用には注意が必要です。気になる方はナノ粒子不使用の製品を選ぶという方法もあります。
🔍 SPFとPAの数値は変わるのか
「紫外線吸収剤不使用だとSPFやPAが低くなるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。結論からいうと、現在の製品ではSPF50+・PA++++といった最高水準のスペックを持つ紫外線吸収剤不使用製品も多数存在します。
SPFとは「Sun Protection Factor」の略で、主にUVBからの防御力を示す指標です。数値が高いほど紫外線B波に対する防御力が高くなります。PAとは「Protection grade of UVA」の略で、UVAの防御効果を+の数で表します。+が4つのPA++++が最高レベルです。
酸化亜鉛はUVAに対して特に優れた防御効果を発揮するため、PA値の高い製品が作りやすいです。UVBに対しては酸化チタンが効果的で、この2つを組み合わせることで高いSPFとPAの両立が可能になります。
ただし、SPFの数値は一定の塗布量(1cm²あたり2mg)でテストされたものです。実際の使用では適切な量を塗らないと表示されているSPF・PAの効果が得られません。適量を確認して、しっかりと塗ることが重要です。
また、SPFは同じ数値でも実際の使用条件(発汗、摩擦、光分解など)によって効果が低下するため、こまめな塗り直しは吸収剤入り・不使用にかかわらず必要です。2〜3時間おきに塗り直すことが推奨されています。
Q. 紫外線吸収剤不使用の日焼け止めに向いているのはどんな人ですか?
敏感肌・アトピー性皮膚炎の方、過去に日焼け止めでかぶれた経験がある方、赤ちゃんや小さな子どもに使いたい方、妊娠中・授乳中の方などに特に向いています。アイシークリニックでも、紫外線吸収剤不使用製品への切り替えで肌トラブルが改善するケースが少なくありません。
📝 紫外線吸収剤不使用の日焼け止めに向いている人
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めは、特定の肌質や状況にある方に特に向いています。以下に当てはまる方は積極的に検討してみましょう。
🦠 敏感肌・アトピー性皮膚炎の方
皮膚のバリア機能が低下している敏感肌やアトピー性皮膚炎の方は、紫外線吸収剤が刺激になることがあります。紫外線散乱剤は皮膚に浸透しにくいため、刺激が少なく使いやすい場合が多いです。ただし、個人差があるため、パッチテストを行ってから使用することをおすすめします。
👴 日焼け止めでかぶれたことがある方
過去に日焼け止めでかぶれや赤みが出たことがある方は、原因成分が紫外線吸収剤である可能性があります。紫外線吸収剤不使用の製品に切り替えることで改善するケースも見られます。
🔸 赤ちゃんや小さな子どもに使いたい方
デリケートな子どもの肌には、化学成分の浸透リスクを避けたいという観点から、紫外線吸収剤不使用の製品が多く推奨されています。ベビー用日焼け止めの多くがノンケミカル処方を採用しているのはこのためです。
💧 妊娠中・授乳中の方
妊娠中や授乳中は、体内に吸収される成分についてより慎重になる方が多いです。紫外線吸収剤の中には内分泌かく乱作用(環境ホルモン作用)が指摘されているものもあるため、より安全性の高い成分を選びたいというニーズがあります。ただし、紫外線自体も肌に悪影響を与えるため、日焼け止めを使わないことには注意が必要です。
✨ 成分にこだわりたい方
使用する化粧品の成分を厳しく管理したい、オーガニックコスメや自然派コスメにこだわりたいという方にも、ミネラルサンスクリーンは選ばれています。
💡 紫外線吸収剤不使用の日焼け止めの選び方
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めを選ぶ際には、いくつかのポイントを押さえることで、自分の肌に合った製品が見つかりやすくなります。
📌 SPF・PAの数値を確認する
使用目的に合ったSPF・PA値を選びましょう。日常的なお買い物や通勤・通学程度であれば、SPF30・PA++程度で十分とされています。屋外での長時間活動やスポーツ、海水浴などにはSPF50+・PA++++のような高スペックのものが適しています。
ただし、SPFの数値が高ければ高いほど肌への負担も増える可能性があります。日常使いには必要以上に高いSPF値を選ばず、活動量に合わせて適切なものを選ぶことが大切です。
▶️ 配合成分を確認する
「紫外線吸収剤不使用」と表示されていても、他の成分が合わない場合があります。成分表示(全成分表示)を確認し、酸化亜鉛(酸化チタン)以外の成分についても自分の肌に合うかどうかをチェックしましょう。また、ナノ粒子が気になる方は「ノンナノ」と表示されている製品を選ぶと安心です。
🔹 テクスチャーと使い心地を確認する
紫外線吸収剤不使用の製品は白浮きやテクスチャーの重さが気になることがあるため、できればサンプルやトライアルサイズで試してから購入することをおすすめします。乳液タイプ・クリームタイプ・スプレータイプなど剤形もさまざまなので、ライフスタイルに合ったものを選びましょう。
📍 落としやすさを考慮する
日焼け止めのクレンジング・洗顔への負担を減らすためにも、洗い落としやすい製品を選ぶことは重要です。ウォータープルーフタイプは耐久性が高い反面、強いクレンジングが必要になることがあります。日常使いであれば、ぬるま湯や洗顔料で洗い落とせるタイプを選ぶと肌への負担を軽減できます。
💫 パッチテストを行う
新しい日焼け止めを使う前は、腕の内側などに少量を塗り、24〜48時間様子を見るパッチテストを行いましょう。赤みやかゆみ、刺激感が出ないことを確認してから顔や全身への使用を始めることで、肌トラブルのリスクを下げることができます。
Q. 紫外線吸収剤不使用の日焼け止めの正しい塗り方を教えてください。
顔全体にはパール粒大2個分(約1〜2g)を目安に使用し、少量ずつ均一に塗り広げることが重要です。紫外線散乱剤は塗りムラがあると防御効果が低下します。また汗や皮脂で落ちやすいため、2〜3時間おきのこまめな塗り直しを行うことで継続的な紫外線防御が可能になります。
✨ 正しい塗り方と使用上の注意
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めの効果を最大限に発揮させるためには、正しい塗り方が非常に重要です。
🦠 適切な量を使用する

日焼け止めの効果は、適切な量を塗ることで初めて発揮されます。顔全体に使用する場合、パール粒大2個分程度(1〜2gほど)を目安に塗るとよいでしょう。少なすぎると表示されたSPF・PA値より低い効果しか得られません。「少し多いかな」と感じるくらいが適量です。
👴 均一に塗り広げる
紫外線散乱剤は物理的に光を遮るため、塗りムラがあると効果が低下します。手のひらに取って、顔全体に点置きしてから優しく均一に伸ばしましょう。目の周りや小鼻の横、首のつなぎ目など、塗り忘れがちな部分も丁寧にカバーすることが大切です。
🔸 塗り直しをこまめに行う
どんなに優れた日焼け止めでも、時間が経つと汗・皮脂・摩擦などで効果が落ちます。2〜3時間おきに塗り直すことで、継続的な紫外線防御が可能です。外出中の塗り直しにはスプレータイプや日焼け止め下地などが活用しやすいでしょう。ただし、スプレータイプは目や口に入らないよう注意が必要です。
💧 外出の20〜30分前に塗る
紫外線吸収剤不使用の製品は塗った直後から効果を発揮しますが、汗や皮脂による崩れを防いで安定させるためにも、外出の20〜30分前には塗り終えておくことをおすすめします。
✨ 使用期限を守る
開封後の日焼け止めは、1年以内(製品によって異なる場合あり)を目安に使い切るようにしましょう。保管は直射日光や高温多湿を避け、蓋をしっかり閉めて冷暗所で保存することが大切です。使用期限を過ぎた製品は成分が変質し、紫外線防御効果が低下するだけでなく、肌トラブルの原因になる場合もあります。
📌 日焼け止め以外の紫外線ケアとの組み合わせ
紫外線対策は日焼け止めだけに頼るのではなく、複数の方法を組み合わせることでより効果的に行うことができます。「サンスマート」な行動として、以下の対策を取り入れましょう。
📌 UVカット衣類・帽子・サングラスの活用
衣類は優れた紫外線バリアになります。UPF(紫外線防護指数)50+の衣類は非常に高い紫外線防護効果を持ちます。袖が長い衣類や帽子、サングラスを組み合わせることで、日焼け止めの使用量を減らしながらも高い紫外線防御が実現できます。
▶️ 日傘の使用
日傘はUVカット効果のある製品を選ぶことで、頭部・顔・首周りへの紫外線を大幅に減らすことができます。特に日中の外出が多い方にとって、日傘は非常に有効な紫外線対策ツールです。
🔹 行動時間の工夫
紫外線が最も強いのは、一般的に午前10時から午後2時頃の時間帯です。この時間帯の屋外活動をできるだけ避けるか、この時間帯に外出する場合は特に念入りな紫外線対策を行いましょう。
📍 日陰の活用
木陰や建物の陰など、直射日光を避けるだけでも紫外線量を大幅に減らすことができます。ただし、日陰でも散乱光や反射光として紫外線は届くため、日焼け止めを全く塗らなくてよいわけではありません。
💫 スキンケアとの組み合わせ
紫外線によるダメージを受けた後のケアも重要です。抗酸化成分(ビタミンC、ビタミンE、ナイアシンアミドなど)を含む化粧品は、紫外線によって生じる酸化ストレスを軽減する効果が期待されます。また、十分な保湿も肌のバリア機能を維持するために欠かせません。
🦠 医療機関での相談も選択肢に
敏感肌や肌荒れがひどい方、日焼け止めが原因と思われる肌トラブルが続いている方は、皮膚科や美容皮膚科での相談も有益です。専門医のアドバイスをもとに、自分の肌に合った日焼け止めや紫外線ケアの方法を見つけることで、肌トラブルを防ぎながら適切な紫外線対策が行えます。
また、シミやそばかすなどの紫外線ダメージが気になる方は、日焼け止めによる予防とあわせて、美容皮膚科でのレーザー治療やトーニング、美白治療などを検討することも一つの選択肢です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、敏感肌やアトピー性皮膚炎の患者さまから「日焼け止めが肌に合わない」というご相談を多くいただいており、紫外線吸収剤不使用の製品に切り替えることで肌トラブルが改善するケースも少なくありません。紫外線散乱剤は皮膚への浸透が少なく低刺激である反面、均一に十分な量を塗り広げることが防御効果を引き出す鍵となりますので、塗り方にも意識を向けていただくことが大切です。肌質や生活スタイルに合った日焼け止め選びにお悩みの際は、どうぞお気軽にご相談ください。」
🎯 よくある質問
はい、基本的に同じ意味です。「紫外線吸収剤不使用」「ノンケミカル」「フィジカルサンスクリーン」「ミネラルサンスクリーン」はいずれも、化学合成された紫外線吸収剤を使わず、酸化亜鉛や酸化チタンなどの鉱物由来の紫外線散乱剤のみで紫外線をカットする製品を指す表現です。
必ずしも低くなるわけではありません。近年の技術進歩により、SPF50+・PA++++という最高水準のスペックを持つ紫外線吸収剤不使用製品も多数登場しています。酸化亜鉛と酸化チタンを組み合わせることで、UVA・UVBの両方に対して高い防御効果を実現できるようになっています。
紫外線散乱剤は皮膚に浸透しにくく刺激が比較的少ないため、敏感肌やアトピー性皮膚炎の方に向いているとされています。ただし、個人差があるため、必ず使用前にパッチテストを行うことをおすすめします。肌トラブルが続く場合は、皮膚科などの専門医にご相談ください。
酸化亜鉛・酸化チタンが白色のため白浮きしやすい性質がありますが、ナノ粒子化技術を採用した製品を選ぶことで白浮きを軽減できます。また、少量ずつ丁寧に塗り広げることも効果的です。ナノ粒子が気になる方は「ノンナノ」表示の製品を選ぶという方法もあります。
紫外線吸収剤の有無にかかわらず、2〜3時間おきの塗り直しが推奨されています。紫外線散乱剤は物理的に肌の表面にのっているため、汗や皮脂・摩擦で落ちやすい傾向があります。特に屋外での活動中や夏場は、こまめな塗り直しを心がけることが大切です。
📋 まとめ
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めは、酸化亜鉛や酸化チタンといった紫外線散乱剤を使って紫外線を物理的に反射・散乱させることで、肌を守る製品です。化学成分が皮膚に浸透しにくいため、敏感肌や赤ちゃん・子どもの肌、アレルギー体質の方に特に向いています。
かつては白浮きやテクスチャーの重さが課題でしたが、近年の技術進歩によりSPF50+・PA++++といった高スペックで使用感も改善された製品が増えています。紫外線防御効果は適量をムラなく塗ることで最大限に発揮されるため、正しい塗り方を守ることが大切です。
日焼け止めの選択は肌質や使用シーン、ライフスタイルによって異なります。紫外線吸収剤不使用のメリット・デメリットを理解した上で、自分に合った製品を選んでみてください。また、日焼け止め以外の紫外線対策も組み合わせて、包括的なUVケアを実践することで、肌への紫外線ダメージを効果的に防ぐことができます。肌トラブルや紫外線ケアに関して気になることがある場合は、専門家に相談することも大切です。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 紫外線吸収剤・散乱剤の皮膚への影響、接触皮膚炎・光アレルギー、アトピー性皮膚炎患者への日焼け止め使用に関する診療ガイドラインおよび推奨情報
- 厚生労働省 – 日焼け止め製品(サンスクリーン剤)の成分・SPF・PA表示に関する医薬部外品としての規制・承認基準および安全性評価に関する情報
- WHO(世界保健機関) – UVA・UVBが皮膚に与える健康影響(サンバーン・光老化・皮膚がんリスク)およびサンスクリーンを含む紫外線防御推奨策に関する国際的なガイダンス情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務